JP2004192696A - 光情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピンドルを光ディスクの中心穴に確実に差し込むことができると共に光ディスクのスピンドルへの固定を安定させること。
【解決手段】光ディスク1は、第1基板5、反射層33、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層9、第2基板7が積層された構造をしている。光ディスク1の内周面21は記録層9の内周17の箇所で凹んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】光ディスク1は、第1基板5、反射層33、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層9、第2基板7が積層された構造をしている。光ディスク1の内周面21は記録層9の内周17の箇所で凹んでいる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報がホログラフィにより記録される光情報記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホログラフィによって情報をイメージ情報の形で光ディスクのような光情報記録媒体に高密度で記録する方式が知られている。このような光ディスクは、反射層、第1透明基板、ホログラム記録材料を含む記録層、第2透明基板を積層した構造をしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【0004】
国際公開第WO99/44195号パンフレット(第39図、第40図)上記方式におけるイメージ情報の記録は、イメージ情報を担持する情報光と記録用参照光をレーザ光により生成し、これらの光を第2透明基板側から光ディスクに照射し、記録用参照光と反射層で反射された情報光とを記録層において重ね合わせ、これらの光の干渉により生じる干渉縞を記録層に記録することにより実現される。記録層のうち、干渉縞が記録された領域がホログラムとなる。一方、再生照明光を第2透明基板側から干渉縞が記録された記録層に照射すると、この光が干渉縞によって回折されることにより再生光が生成され、第2透明基板を透過した再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクには中心穴が設けられている。記録再生時における光ディスクの回転は、中心穴に光ディスクの記録再生装置のスピンドルを差し込んで光ディスクをスピンドルに固定し、スピンドルを回転させることにより実現している。したがって、中心穴にスピンドルを挿入できないと記録再生が不可能となる。また、たとえ挿入できても、スピンドルの中心穴への固定が安定しなければ、光ディスクの駆動時に光ディスクに大きな振動や偏芯が生じ、正確な記録再生ができなくなる。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、スピンドルを中心穴に確実に差し込むことができると共に中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることできる光情報記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光情報記録媒体は、レーザ光を利用して情報がホログラフィにより記録され、外周面および中心穴を規定する内周面を有する光情報記録媒体であって、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含むと共に外周および内周を有する記録層と、記録層を挟んで保持する一対の基板と、を備え、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んでいることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る光情報記録媒体によれば、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んでいる。このため、記録層が設計値よりも中心穴側に延びても、上記凹みを存在させるようにすることにより、記録層の内周が中心穴内に飛び出すことを防止できる。
【0009】
本発明に係る光情報記録媒体において、光情報記録媒体の外周面が記録層の外周の箇所で凹んでいるようにすることができる。これによれば、記録層が設計値よりも光情報記録媒体の外周面側に延びても、上記凹みを存在させるようにすることにより、記録層の外周が光情報記録媒体の外周面から飛び出すことを防止できる。よって、例えば、光情報記録媒体をカートリッジに収容して使用するタイプの場合、光情報記録媒体の外周面から飛び出した記録層の外周によりカートリッジが損傷することを防止できる。
【0010】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法は、光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、一対の基板のうち一方の基板の内周と光情報記録媒体の実記録領域の内周との間の位置に、記録層の内周が延びる量の液状のホログラム記録材料を一方の基板上に塗布する工程と、一対の基板を互いに対向配置することにより、ホログラム記録材料を一対の基板の間隙内に延ばす工程と、間隙内に延びたホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法によれば、一対の基板のうち一方の基板の内周と光情報記録媒体の実記録領域の内周との間の位置に、記録層の内周が延びる量の液状のホログラム記録材料を一方の基板上に塗布している。これにより、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造にすることができる。
【0012】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法は、光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、記録層の厚みに相当する大きさの間隙が形成されるように、一対の基板を互いに対向配置する工程と、液状のホログラム記録材料を注入する注入手段を一対の基板の外周側から間隙に差し込む工程と、一対の基板の内周と、間隙内であって一対の基板の内周側にある注入開始位置と、の間に距離を設けて注入手段によりホログラム記録材料の注入を開始する工程と、注入開始位置にあるホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させると共に一対の基板の内周側から外周側に向けて間隙に注入手段によりホログラム記録材料を注入する工程と、間隙内であって一対の基板の外周側にある注入終了位置において、その位置にあるホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させる工程と、間隙内に注入されたホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法によれば、一対の基板の内周と注入開始位置との間に距離を設けてホログラム記録材料の注入を開始するので、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を作製することができる。また、注入開始位置および注入終了位置における液状のホログラム記録材料をゲル状に硬化しているので、一対の基板の間隙に注入した液状のホログラム記録材料の漏れを防止した状態で、このホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態に係る光ディスク(光情報記録媒体の一例)の構造について、図1および図2を用いて説明する。図1は光ディスク1の断面図であり、図2は光ディスク1の平面図である。光ディスク1には、ホログラフィによりデジタル情報が記録される。
【0015】
光ディスク1は円盤状をしており、間隙3を形成するように互いに対向配置された第1基板5および第2基板7(一対の基板の一例)と、間隙3に配置された記録層9と、を備える。円盤状の第1基板5および第2基板7には、それぞれ貫通穴11,13が形成されている。これらの穴が、光ディスク1の中心穴15、つまり光ディスク記録再生装置のスピンドルと光ディスク1とが固定される箇所になる。
【0016】
記録層9は円盤状の形状をしており、内周17および外周19を有する。内周17を規定する面および貫通穴11,13を規定する面により、光ディスク1の内周面21が構成される。内周面21により中心穴15が規定される。内周面21は内周17の箇所において凹んでいる。また、外周19の箇所において、光ディスク1の外周面22は凹んでいる。これらにより、内周17、第1基板5および第2基板7により内周空間部23が形成され、外周19、第1基板5および第2基板7により外周空間部25が形成される。これらの凹みにより生じる効果は後で詳細に説明する。
【0017】
記録層9の材料は、情報光や参照光となるレーザ光Lが記録層9に所定時間照射されたとき、レーザ光Lの強度に応じて照射箇所の光学特性(屈折率、吸収率、透過度、蛍光発光性、反射率など)が変化するホログラム記録材料である。この材料は、例えば、レーザ光Lに感光して重合する光重合性有機物であり、具体的には、例えば、デュポン(Dupont)社製のフォトポリマ(Photopolymers)HRF−600(製品名)である。記録層9の厚みは、例えば4〜1000μmである。液状のホログラム記録材料をゲル状に硬化させたものが記録層9である。
【0018】
第1基板5は、その厚みが例えば5〜1200μmであり、ベース層27上にプリフォーマット層29が形成された構造をしている。ベース層27の材料は、例えば、ガラス、水晶、ダイヤモンド、樹脂(ポリカーボネートなど)である。ベース層27は板状でもよいし、フィルム状や透明コート膜状でもよい。
【0019】
プリフォーマット層29はポリカーボネートなどの樹脂からなる。プリフォーマット層29の表面に形成されたピット31により物理的なプリフォーマットが施されており、サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報などが光ディスク1の製造時に予め記録される。なお、プリフォーマット層を設けることなく、ピットを有するベース層を樹脂により成形してもよい。
【0020】
反射層33は、ピット31を覆うようにプリフォーマット層29上に形成されている。反射層33はレーザ光Lを反射する性質を有する金属から構成されており、具体的には、アルミニウム、銀、金、シリコンなどである。反射層33の厚みは、例えば30〜500nmである。
【0021】
第2基板7と第1基板5により記録層9を挟んで保持する。第2基板7の厚みや材料は第1基板5と同様のものを選択することができる。なお、ホログラムの記録再生に用いるレーザ光Lは第2基板7側から光ディスク1に照射されるので、第2基板7はレーザ光Lの波長に対して透過性のある材料でなければならないが、第1基板5はこれに限定されない。但し、第1基板5および第2基板7の両側からレーザ光Lを光ディスク1に照射する方式の場合、第1基板5もレーザ光Lに対して透過性を有さなければならない。
【0022】
光ディスク1には、その内周から外周にかけて連続する螺旋状のトラック35が形成されている。トラックは同心円状であってもよい。トラック35は、記録領域とプリフォーマット領域とが交互に並んで構成されている。記録領域にはデジタル情報がホログラムの形で記録される。プリフォーマット領域には、サーボ情報やアドレス情報などが、ピット31(図1)で記録されている。
【0023】
以上説明したように、光ディスク1によれば、その内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹んでおり、これにより生じる効果を図1および図3を用いて説明する。図3は図1の比較例となる光ディスク37の断面図であり、図1に示す符号と同じものについては同一符号を付している。
【0024】
記録層9は、液状のホログラム記録材料をゲル化させて形成するので、記録層9の寸法を精密に制御するのは困難である。よって、光ディスクの内周面21に凹凸が生じないように、記録層9の内周17の位置を基板5,7の貫通穴11,13を規定する面(側面)の位置に合わせるように設計すると、図3の光ディスク37に示すように、記録層9の内周17が中心穴15内に飛び出すことがある。▲1▼これにより中心穴15が狭くなるので、中心穴15にスピンドルを挿入することができず、記録再生が不可能になる。▲2▼たとえ挿入できても、記録層9と基板5,7との摩擦係数の相違により、中心穴15でのスピンドルと光ディスクとの固定が不安定となり、光ディスクの駆動時に光ディスクに大きな振動や偏芯が生じ、正確な記録再生ができなくなる。▲3▼また、たとえ挿入できても、中心穴15へのスピンドルの挿入・抜き取りがスムーズにできず、記録再生装置における光ディスクの自動挿入および自動取り出しの動作を円滑にすることができない。
【0025】
本実施形態に係る光ディスク1によれば、図1に示すように、記録層9の内周17の箇所において、光ディスク1の内周面21が凹むようにしている。これにより、記録層9が何らかの原因で設計値よりも中心穴15側に延びても、これを上記凹み(つまり内周空間部23)で吸収することができる。したがって、内周17が中心穴15内に飛び出すこと防止できる。よって、光ディスク1によれば、スピンドルを中心穴15に確実に差し込むことができると共に中心穴15での光ディスク1のスピンドルへの固定を安定させることできる。なお、上記効果を達成するために、凹みの深さ、つまり、内周17と貫通穴11,13を規定する面との間の距離は、例えば、1〜9mmである。
【0026】
また、図3に示すように、記録層9の外周19が光ディスク37の外周面22から飛び出していると、例えば、光ディスクをカートリッジに収容して使用するタイプの場合、この外周19によりカートリッジが損傷する恐れがある。これに対して、図1に示す本実施形態に係る光ディスク1によれば、その外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んでいる。したがって、記録層9が設計値よりも光ディスク1の外周側に延びても、上記凹み(つまり外周空間部25)で吸収することができるので、記録層9の外周19が光ディスク1の外周面22から飛び出すことを防止できる。これを達成するためには、凹みの深さ、つまり、外周19と外周面22との間の距離が、例えば、0.1〜1mmだけ必要である。
【0027】
なお、遮光のために光ディスク1は、通常、カートリッジに収容された状態にされている。よって、光ディスク1をカートリッジにセットすることができるなら、記録層9の外周19が光ディスク1の外周面22から多少はみ出していてもよい。
【0028】
また、光ディスク1において、内周面21の凹みの深さが、外周面22の凹みの深さよりも大きくされているが、同じでもよいし、外周面22の凹みの深さの方を大きくしてもよい。
【0029】
さて、ホログラフィの一つの態様であるボリュームホログラフィを利用して、光ディスク1に情報を記録再生する方式として、例えば、以下の三方式がある。図4は第1方式、図5は第2方式、図6は第3方式を説明するためのものであり、光ディスク1の一部を拡大した図である。図4〜図6において、図1中の符号が示す要素と同一の要素については同一符号を付している。上記記録によれば、光ディスク1の記録層9に干渉縞を三次元的に書込むことができ、記録密度を増加させることができる。
【0030】
第1方式はいわゆる反射型と呼ばれる方式である。図4に示すように、光ヘッドのレンズ39で集束されたレーザ光Lには情報光と記録用参照光が含まれ、記録用参照光LRと反射層33で反射された情報光LIとを記録層9内において干渉させ、これにより発生する干渉縞をホログラムHとして記録層9に記録する。図7はホログラム群の一部の平面図である。光ディスク1を僅かに回転させて、先ほど形成されたホログラムH(例えばホログラムH1とする)と平面的に一部が重なる新たなホログラムH(この場合はホログラムH2となる)を記録層9に形成する。これを繰り返すことにより、記録層9にホログラムを多重記録する。
【0031】
一方、レンズ39を介して再生照明光であるレーザ光LをホログラムHに照射すると、この光はホログラムHにより回折され、再生光が生成される。レンズ39を介して光ヘッドで検出された再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0032】
第2方式はいわゆる透過型と呼ばれる方式である。図5に示すように、光ヘッドのレンズ39Aおよびレンズ39Bは第2基板7側に配置されている。レンズ39Aで集束された情報光LIと、レンズ39Bで集束された記録用参照光LRと、を記録層9で交差させ、この部分に形成された干渉縞をホログラムHとして記録層9に書込む。この方式において、反射層33は干渉縞の形成に利用されない。反射層33は、フォーカシング、トラッキング、アドレッシングなどに利用される。レンズ39Bを介して再生照明光をホログラムHに照射することにより、再生光が生成される。
【0033】
第3方式もいわゆる透過型と呼ばれる方式である。この方式では、図5のレンズ39Bを設けずに、図6に示すように、第1基板5側に配置された図示しないレンズ系により形成された平行光束が記録層9に照射されるようにしている。レンズ39Aで集束された情報光LIと、上記レンズ系で平行光束された記録用参照光LRと、を記録層9で交差させ、この部分に形成された干渉縞をホログラムHとして記録層9に書込む。そして、上記レンズ系で形成された平行光束の再生照明光をホログラムHに照射することにより、再生光が生成される。この方式では、反射層33を記録用参照光LRや再生照明光が通過しなければならないので、反射層33は例えば、金やシリコンから構成され、光反射率が約15パーセントにされている。この方式においても、反射層33は干渉縞の形成に利用されず、フォーカシング、トラッキング、アドレッシングなどに利用される。なお、情報光LIを第1基板5側から照射し、記録用参照光LRや再生照明光を第2基板7側から照射してもよい。
【0034】
次に、光ディスク1の製造方法の一例を図8から図12を用いて詳細に説明する。図8から図12はこの製造方法の各工程を示し、図8から図10、図12は図1の断面と対応する模式的断面図であり、図11は図10の構造体の平面図である。図1中の符号が示す要素と同一のものについては同一符号を付している。この例は、液状のホログラム記録材料の粘性が比較的高い場合に適用することができる。まず、図8に示すように、平滑なガラス基板からなり貫通穴11を有するベース層27の上に樹脂を塗布し、図示しないスタンパを用いてピット31を有するプリフォーマット層29を形成することにより、第1基板5を作製する。第1基板5のピット31が形成された面に、蒸着やスパッタリングなどによってアルミニウムからなる反射層33を形成する。
【0035】
次に、図9に示すように、貫通孔41を有するホルダ43の上に図8に示す構造体を載置する。貫通孔41から空気Aを抜くことにより、上記構造体を貫通孔41に真空吸着させてホルダ43に固定する。実記録領域49の中央付近にノズル47を配置する。実記録領域49とは、情報の記録再生に利用される領域のことであり、図2に示す記録領域およびプリフォーマット領域で構成される。実記録領域49は記録層9(図1)で覆われている。ノズル47は定量吐出装置と接続されており、比較的粘性の高い液状のホログラム記録材料51が、ノズル47から吐出されるようにしている。
【0036】
軸45を中心としてホルダ43を回転させながら、ノズル47からホログラム記録材料51を吐出させて第1基板5上に塗布する。ホログラム記録材料51の滴下量は、次の図10の工程でホログラム記録材料51を延ばしたとき、内周17と基板5,7により内周空間部23が形成され、かつ、外周19と基板5,7により外周空間部25が形成される量である。これにより、図1に示すように、光ディスク1の内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹み、かつ外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んだ構造にすることができる。
【0037】
次に図10に示すように、貫通穴13を有する第2基板7と第1基板5を互いに対向配置し、第2基板7を第1基板5側に押し付ける。これにより、第1基板5と第2基板7の間隙内にホログラム記録材料51を薄く延ばす。
【0038】
上記滴下量により、図11に示すように、基板5,7の内周(内周面21)と実記録領域49の内周50との間の位置に、記録層の内周17が延びる(例えば、内周面21と内周50との間の距離を略1:9〜9:1に分けるように、内周17が位置する。)。また、実記録領域49の外周52と光ディスク1の外周面22との間の位置に、記録層の外周19が延びる。
【0039】
上記の通り、ホログラム記録材料51の塗布量は、ホログラム記録材料51を延ばしたとき、内周空間部23および外周空間部25が形成される量である。言い換えれば、内周17の位置を、内周17と貫通穴11,13との間に所定の距離が設けられる位置とする。また、外周19の位置を、外周19と基板5,7の外周面との間に所定の距離が設けられる位置とする。
【0040】
これらにより、比較的高い粘性のホログラム記録材料を使用する場合、ホログラム記録材料51が流れて貫通穴11,13を規定する面(側面)や基板5,7の外周面に付着するのを防止することができる。ホログラム記録材料51がこれらの面に付着すると、たとえふき取っても完全にふき取ることができない場合がある。ホログラム記録材料51が貫通穴11,13を規定する面に残っていると、ホログラム記録材料51と基板5,7との摩擦係数の相違により、中心穴15での光ディスクのスピンドルへの固定が不安定となり、光ディスクの回転を安定させることができない。また、ホログラム記録材料51が基板5,7の外周面に残っていると、光ディスクをカートリッジに収容することができなくなることがある。
【0041】
図12に示すように、第2基板7側から光(例えば紫外線UV)をホログラム記録材料51に照射し、ゲル状に硬化させることにより、記録層9を形成する。なお、熱のみ又は熱と光の組み合わせにより、ホログラム記録材料51をゲル状に硬化させることもできる。以上により、図1に示す光ディスク1が完成する。
【0042】
次に、光ディスク1の製造方法の他の例を詳細に説明する。図13から図16はこの製造方法の各工程を示しており、図1の断面と対応する模式的断面図である。図1中の符号が示す要素と同一のものについては同一符号を付している。この例は、先程と異なり粘性が比較的低い液状のホログラム記録材料に適用することができる。まず、図13に示すように、図9のホルダ43上に図8の構造体を真空吸着により固定する。一方、透明なホルダ53の貫通孔55から空気Aを抜くことにより、第2基板7を貫通孔55に真空吸着させてホルダ53に固定する。
【0043】
第2基板7と反射層33が形成された第1基板5との間に、記録層の厚みに相当する大きさの間隙57が形成されるように、ホルダ43とホルダ53とを互いに対向配置する。ホログラム記録材料の注入手段の一例であるノズル59を、基板5,7の外周側から間隙57に差し込む。なお、注入手段としては、チューブでもよい。そして、ホルダ53を固定した状態で軸45を中心としてホルダ43を低速回転させながら、注入開始位置P1からホログラム記録材料61の注入を開始する。ここで、注入開始位置P1は、間隙57内のうち基板5,7の内周側にあり、上方から見ると円状をしている。注入開始位置P1と基板5,7の内周との間には距離Dが設けられている。これは、図1に示す光ディスク1の内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹んでいる構造にするためである。
【0044】
図14に示すように、注入開始後直ぐに、光ファイバ63とその先端に取り付けられた集光レンズ65とから構成される光照射手段67から、ホルダ53を介して光(例えば紫外線)を照射することにより、注入開始位置P1にあるホログラム記録材料61をゲル状に硬化させる。これを硬化部69で表す。硬化部69により、粘性が比較的低いホログラム記録材料61が貫通穴11,13側に流れるのを防止している。
【0045】
図15に示すように、ノズル59を基板5,7の内周側から外周側に向けて移動させながら、間隙にホログラム記録材料61を注入する。注入終了位置P2でノズル59からのホログラム記録材料61の注入を止める。注入終了位置P2は、間隙57(図14)内のうち基板5,7の外周側にあり、上方から見ると円状をしている。注入終了位置P2をこのようにすることにより、光ディスク1の外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んでいる構造にすることができる。
【0046】
図16に示すように、光照射手段67からホルダ53を介して光(例えば紫外線)を照射することにより、注入終了位置P2にあるホログラム記録材料61をゲル状に硬化して硬化部71を形成する。硬化部71により、粘性が比較的低いホログラム記録材料61が光ディスクの外周面に流れるのを防止している。
【0047】
そして、間隙57(図13)内に注入されたホログラム記録材料61を、図12で説明したのと同じ方法で、ゲル状に硬化させて記録層9を形成する。以上により、光ディスク1が完成する。
【0048】
この例の製造方法によれば、注入開始位置P1および注入終了位置P2における液状のホログラム記録材料61をゲル状に硬化しているので、基板5,7の間隙に注入したホログラム記録材料61の漏れを防止した状態で、ホログラム記録材料61をゲル状に硬化させて記録層9を形成することができる。よって、ホログラム記録材料61の粘性が比較的低い場合であっても、基板5,7の隙間からホログラム記録材料61を漏らすことなく、記録層9を形成することができる。
【0049】
なお、本発明の一実施形態に係る光ディスクは記憶領域が円盤状であればよく、光ディスクの外形には無関係である。例えば、三角形、四角形や六角形等であり、大きさが名刺程度のカード形状に円盤状の記録領域を有する光ディスクについても本発明の一実施形態を適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る光情報記録媒体によれば、その内周面が記録層の内周の箇所で凹むようにしているので、記録層の内周が中心穴内に飛び出すことを防止できる。よって、スピンドルを中心穴に確実に差し込むことができると共に中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることできる。
【0051】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法によれば、本発明に係る光情報記録媒体、つまり、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を有する光情報記録媒体を作製することができる。また、比較的高い粘性のホログラム記録材料を使用する場合、ホログラム記録材料が貫通穴を規定する面にまで流れてそこに付着するのを防止することができるので、中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることができる。
【0052】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法によれば、本発明に係る光情報記録媒体、つまり、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を有する光情報記録媒体を作製することができる。また、一対の基板の間隙に注入した液状のホログラム記録材料の漏れを防止した状態で、このホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成することができる。よって、ホログラム記録材料の粘性が比較的低い場合であっても、隙間からホログラム記録材料を漏らすことなく、記録層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスクの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ディスクの平面図である。
【図3】比較例となる光ディスクの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第1方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第2方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第3方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図7】図1の光ディスクの記録層に形成されたホログラム群の一部の平面図である。
【図8】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第1工程図である。
【図9】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第2工程図である。
【図10】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第3工程図である。
【図11】図10の構造体の平面図である。
【図12】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第4工程図である。
【図13】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第1工程図である。
【図14】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第2工程図である。
【図15】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第3工程図である。
【図16】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第4工程図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、3・・・間隙、5・・・第1基板、7・・・第2基板、9・・・記録層、11,13・・・貫通穴、15・・・中心穴、17・・・記録層9の内周、19・・・記録層9の外周、21・・・内周面、22・・・外周面、23・・・内周空間部、25・・・外周空間部、27・・・ベース層、29・・・プリフォーマット層、31・・・ピット、33・・・反射層、35・・・トラック、37・・・光ディスク、39,39A,39B・・・レンズ、41・・・貫通孔、43・・・ホルダ、45・・・軸、47・・・ノズル、49・・・実記録領域、50・・・実記録領域49の内周、51・・・ホログラム記録材料、52・・・実記録領域49の外周、53・・・ホルダ、55・・・貫通孔、57・・・間隙、59・・・ノズル、61・・・ホログラム記録材料、63・・・光ファイバ、65・・・集光レンズ、67・・・光照射手段、69・・・硬化部、71・・・硬化部、P1・・・注入開始位置、P2・・・注入終了位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報がホログラフィにより記録される光情報記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホログラフィによって情報をイメージ情報の形で光ディスクのような光情報記録媒体に高密度で記録する方式が知られている。このような光ディスクは、反射層、第1透明基板、ホログラム記録材料を含む記録層、第2透明基板を積層した構造をしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【0004】
国際公開第WO99/44195号パンフレット(第39図、第40図)上記方式におけるイメージ情報の記録は、イメージ情報を担持する情報光と記録用参照光をレーザ光により生成し、これらの光を第2透明基板側から光ディスクに照射し、記録用参照光と反射層で反射された情報光とを記録層において重ね合わせ、これらの光の干渉により生じる干渉縞を記録層に記録することにより実現される。記録層のうち、干渉縞が記録された領域がホログラムとなる。一方、再生照明光を第2透明基板側から干渉縞が記録された記録層に照射すると、この光が干渉縞によって回折されることにより再生光が生成され、第2透明基板を透過した再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクには中心穴が設けられている。記録再生時における光ディスクの回転は、中心穴に光ディスクの記録再生装置のスピンドルを差し込んで光ディスクをスピンドルに固定し、スピンドルを回転させることにより実現している。したがって、中心穴にスピンドルを挿入できないと記録再生が不可能となる。また、たとえ挿入できても、スピンドルの中心穴への固定が安定しなければ、光ディスクの駆動時に光ディスクに大きな振動や偏芯が生じ、正確な記録再生ができなくなる。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、スピンドルを中心穴に確実に差し込むことができると共に中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることできる光情報記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光情報記録媒体は、レーザ光を利用して情報がホログラフィにより記録され、外周面および中心穴を規定する内周面を有する光情報記録媒体であって、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含むと共に外周および内周を有する記録層と、記録層を挟んで保持する一対の基板と、を備え、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んでいることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る光情報記録媒体によれば、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んでいる。このため、記録層が設計値よりも中心穴側に延びても、上記凹みを存在させるようにすることにより、記録層の内周が中心穴内に飛び出すことを防止できる。
【0009】
本発明に係る光情報記録媒体において、光情報記録媒体の外周面が記録層の外周の箇所で凹んでいるようにすることができる。これによれば、記録層が設計値よりも光情報記録媒体の外周面側に延びても、上記凹みを存在させるようにすることにより、記録層の外周が光情報記録媒体の外周面から飛び出すことを防止できる。よって、例えば、光情報記録媒体をカートリッジに収容して使用するタイプの場合、光情報記録媒体の外周面から飛び出した記録層の外周によりカートリッジが損傷することを防止できる。
【0010】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法は、光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、一対の基板のうち一方の基板の内周と光情報記録媒体の実記録領域の内周との間の位置に、記録層の内周が延びる量の液状のホログラム記録材料を一方の基板上に塗布する工程と、一対の基板を互いに対向配置することにより、ホログラム記録材料を一対の基板の間隙内に延ばす工程と、間隙内に延びたホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法によれば、一対の基板のうち一方の基板の内周と光情報記録媒体の実記録領域の内周との間の位置に、記録層の内周が延びる量の液状のホログラム記録材料を一方の基板上に塗布している。これにより、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造にすることができる。
【0012】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法は、光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、記録層の厚みに相当する大きさの間隙が形成されるように、一対の基板を互いに対向配置する工程と、液状のホログラム記録材料を注入する注入手段を一対の基板の外周側から間隙に差し込む工程と、一対の基板の内周と、間隙内であって一対の基板の内周側にある注入開始位置と、の間に距離を設けて注入手段によりホログラム記録材料の注入を開始する工程と、注入開始位置にあるホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させると共に一対の基板の内周側から外周側に向けて間隙に注入手段によりホログラム記録材料を注入する工程と、間隙内であって一対の基板の外周側にある注入終了位置において、その位置にあるホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させる工程と、間隙内に注入されたホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法によれば、一対の基板の内周と注入開始位置との間に距離を設けてホログラム記録材料の注入を開始するので、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を作製することができる。また、注入開始位置および注入終了位置における液状のホログラム記録材料をゲル状に硬化しているので、一対の基板の間隙に注入した液状のホログラム記録材料の漏れを防止した状態で、このホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態に係る光ディスク(光情報記録媒体の一例)の構造について、図1および図2を用いて説明する。図1は光ディスク1の断面図であり、図2は光ディスク1の平面図である。光ディスク1には、ホログラフィによりデジタル情報が記録される。
【0015】
光ディスク1は円盤状をしており、間隙3を形成するように互いに対向配置された第1基板5および第2基板7(一対の基板の一例)と、間隙3に配置された記録層9と、を備える。円盤状の第1基板5および第2基板7には、それぞれ貫通穴11,13が形成されている。これらの穴が、光ディスク1の中心穴15、つまり光ディスク記録再生装置のスピンドルと光ディスク1とが固定される箇所になる。
【0016】
記録層9は円盤状の形状をしており、内周17および外周19を有する。内周17を規定する面および貫通穴11,13を規定する面により、光ディスク1の内周面21が構成される。内周面21により中心穴15が規定される。内周面21は内周17の箇所において凹んでいる。また、外周19の箇所において、光ディスク1の外周面22は凹んでいる。これらにより、内周17、第1基板5および第2基板7により内周空間部23が形成され、外周19、第1基板5および第2基板7により外周空間部25が形成される。これらの凹みにより生じる効果は後で詳細に説明する。
【0017】
記録層9の材料は、情報光や参照光となるレーザ光Lが記録層9に所定時間照射されたとき、レーザ光Lの強度に応じて照射箇所の光学特性(屈折率、吸収率、透過度、蛍光発光性、反射率など)が変化するホログラム記録材料である。この材料は、例えば、レーザ光Lに感光して重合する光重合性有機物であり、具体的には、例えば、デュポン(Dupont)社製のフォトポリマ(Photopolymers)HRF−600(製品名)である。記録層9の厚みは、例えば4〜1000μmである。液状のホログラム記録材料をゲル状に硬化させたものが記録層9である。
【0018】
第1基板5は、その厚みが例えば5〜1200μmであり、ベース層27上にプリフォーマット層29が形成された構造をしている。ベース層27の材料は、例えば、ガラス、水晶、ダイヤモンド、樹脂(ポリカーボネートなど)である。ベース層27は板状でもよいし、フィルム状や透明コート膜状でもよい。
【0019】
プリフォーマット層29はポリカーボネートなどの樹脂からなる。プリフォーマット層29の表面に形成されたピット31により物理的なプリフォーマットが施されており、サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報などが光ディスク1の製造時に予め記録される。なお、プリフォーマット層を設けることなく、ピットを有するベース層を樹脂により成形してもよい。
【0020】
反射層33は、ピット31を覆うようにプリフォーマット層29上に形成されている。反射層33はレーザ光Lを反射する性質を有する金属から構成されており、具体的には、アルミニウム、銀、金、シリコンなどである。反射層33の厚みは、例えば30〜500nmである。
【0021】
第2基板7と第1基板5により記録層9を挟んで保持する。第2基板7の厚みや材料は第1基板5と同様のものを選択することができる。なお、ホログラムの記録再生に用いるレーザ光Lは第2基板7側から光ディスク1に照射されるので、第2基板7はレーザ光Lの波長に対して透過性のある材料でなければならないが、第1基板5はこれに限定されない。但し、第1基板5および第2基板7の両側からレーザ光Lを光ディスク1に照射する方式の場合、第1基板5もレーザ光Lに対して透過性を有さなければならない。
【0022】
光ディスク1には、その内周から外周にかけて連続する螺旋状のトラック35が形成されている。トラックは同心円状であってもよい。トラック35は、記録領域とプリフォーマット領域とが交互に並んで構成されている。記録領域にはデジタル情報がホログラムの形で記録される。プリフォーマット領域には、サーボ情報やアドレス情報などが、ピット31(図1)で記録されている。
【0023】
以上説明したように、光ディスク1によれば、その内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹んでおり、これにより生じる効果を図1および図3を用いて説明する。図3は図1の比較例となる光ディスク37の断面図であり、図1に示す符号と同じものについては同一符号を付している。
【0024】
記録層9は、液状のホログラム記録材料をゲル化させて形成するので、記録層9の寸法を精密に制御するのは困難である。よって、光ディスクの内周面21に凹凸が生じないように、記録層9の内周17の位置を基板5,7の貫通穴11,13を規定する面(側面)の位置に合わせるように設計すると、図3の光ディスク37に示すように、記録層9の内周17が中心穴15内に飛び出すことがある。▲1▼これにより中心穴15が狭くなるので、中心穴15にスピンドルを挿入することができず、記録再生が不可能になる。▲2▼たとえ挿入できても、記録層9と基板5,7との摩擦係数の相違により、中心穴15でのスピンドルと光ディスクとの固定が不安定となり、光ディスクの駆動時に光ディスクに大きな振動や偏芯が生じ、正確な記録再生ができなくなる。▲3▼また、たとえ挿入できても、中心穴15へのスピンドルの挿入・抜き取りがスムーズにできず、記録再生装置における光ディスクの自動挿入および自動取り出しの動作を円滑にすることができない。
【0025】
本実施形態に係る光ディスク1によれば、図1に示すように、記録層9の内周17の箇所において、光ディスク1の内周面21が凹むようにしている。これにより、記録層9が何らかの原因で設計値よりも中心穴15側に延びても、これを上記凹み(つまり内周空間部23)で吸収することができる。したがって、内周17が中心穴15内に飛び出すこと防止できる。よって、光ディスク1によれば、スピンドルを中心穴15に確実に差し込むことができると共に中心穴15での光ディスク1のスピンドルへの固定を安定させることできる。なお、上記効果を達成するために、凹みの深さ、つまり、内周17と貫通穴11,13を規定する面との間の距離は、例えば、1〜9mmである。
【0026】
また、図3に示すように、記録層9の外周19が光ディスク37の外周面22から飛び出していると、例えば、光ディスクをカートリッジに収容して使用するタイプの場合、この外周19によりカートリッジが損傷する恐れがある。これに対して、図1に示す本実施形態に係る光ディスク1によれば、その外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んでいる。したがって、記録層9が設計値よりも光ディスク1の外周側に延びても、上記凹み(つまり外周空間部25)で吸収することができるので、記録層9の外周19が光ディスク1の外周面22から飛び出すことを防止できる。これを達成するためには、凹みの深さ、つまり、外周19と外周面22との間の距離が、例えば、0.1〜1mmだけ必要である。
【0027】
なお、遮光のために光ディスク1は、通常、カートリッジに収容された状態にされている。よって、光ディスク1をカートリッジにセットすることができるなら、記録層9の外周19が光ディスク1の外周面22から多少はみ出していてもよい。
【0028】
また、光ディスク1において、内周面21の凹みの深さが、外周面22の凹みの深さよりも大きくされているが、同じでもよいし、外周面22の凹みの深さの方を大きくしてもよい。
【0029】
さて、ホログラフィの一つの態様であるボリュームホログラフィを利用して、光ディスク1に情報を記録再生する方式として、例えば、以下の三方式がある。図4は第1方式、図5は第2方式、図6は第3方式を説明するためのものであり、光ディスク1の一部を拡大した図である。図4〜図6において、図1中の符号が示す要素と同一の要素については同一符号を付している。上記記録によれば、光ディスク1の記録層9に干渉縞を三次元的に書込むことができ、記録密度を増加させることができる。
【0030】
第1方式はいわゆる反射型と呼ばれる方式である。図4に示すように、光ヘッドのレンズ39で集束されたレーザ光Lには情報光と記録用参照光が含まれ、記録用参照光LRと反射層33で反射された情報光LIとを記録層9内において干渉させ、これにより発生する干渉縞をホログラムHとして記録層9に記録する。図7はホログラム群の一部の平面図である。光ディスク1を僅かに回転させて、先ほど形成されたホログラムH(例えばホログラムH1とする)と平面的に一部が重なる新たなホログラムH(この場合はホログラムH2となる)を記録層9に形成する。これを繰り返すことにより、記録層9にホログラムを多重記録する。
【0031】
一方、レンズ39を介して再生照明光であるレーザ光LをホログラムHに照射すると、この光はホログラムHにより回折され、再生光が生成される。レンズ39を介して光ヘッドで検出された再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0032】
第2方式はいわゆる透過型と呼ばれる方式である。図5に示すように、光ヘッドのレンズ39Aおよびレンズ39Bは第2基板7側に配置されている。レンズ39Aで集束された情報光LIと、レンズ39Bで集束された記録用参照光LRと、を記録層9で交差させ、この部分に形成された干渉縞をホログラムHとして記録層9に書込む。この方式において、反射層33は干渉縞の形成に利用されない。反射層33は、フォーカシング、トラッキング、アドレッシングなどに利用される。レンズ39Bを介して再生照明光をホログラムHに照射することにより、再生光が生成される。
【0033】
第3方式もいわゆる透過型と呼ばれる方式である。この方式では、図5のレンズ39Bを設けずに、図6に示すように、第1基板5側に配置された図示しないレンズ系により形成された平行光束が記録層9に照射されるようにしている。レンズ39Aで集束された情報光LIと、上記レンズ系で平行光束された記録用参照光LRと、を記録層9で交差させ、この部分に形成された干渉縞をホログラムHとして記録層9に書込む。そして、上記レンズ系で形成された平行光束の再生照明光をホログラムHに照射することにより、再生光が生成される。この方式では、反射層33を記録用参照光LRや再生照明光が通過しなければならないので、反射層33は例えば、金やシリコンから構成され、光反射率が約15パーセントにされている。この方式においても、反射層33は干渉縞の形成に利用されず、フォーカシング、トラッキング、アドレッシングなどに利用される。なお、情報光LIを第1基板5側から照射し、記録用参照光LRや再生照明光を第2基板7側から照射してもよい。
【0034】
次に、光ディスク1の製造方法の一例を図8から図12を用いて詳細に説明する。図8から図12はこの製造方法の各工程を示し、図8から図10、図12は図1の断面と対応する模式的断面図であり、図11は図10の構造体の平面図である。図1中の符号が示す要素と同一のものについては同一符号を付している。この例は、液状のホログラム記録材料の粘性が比較的高い場合に適用することができる。まず、図8に示すように、平滑なガラス基板からなり貫通穴11を有するベース層27の上に樹脂を塗布し、図示しないスタンパを用いてピット31を有するプリフォーマット層29を形成することにより、第1基板5を作製する。第1基板5のピット31が形成された面に、蒸着やスパッタリングなどによってアルミニウムからなる反射層33を形成する。
【0035】
次に、図9に示すように、貫通孔41を有するホルダ43の上に図8に示す構造体を載置する。貫通孔41から空気Aを抜くことにより、上記構造体を貫通孔41に真空吸着させてホルダ43に固定する。実記録領域49の中央付近にノズル47を配置する。実記録領域49とは、情報の記録再生に利用される領域のことであり、図2に示す記録領域およびプリフォーマット領域で構成される。実記録領域49は記録層9(図1)で覆われている。ノズル47は定量吐出装置と接続されており、比較的粘性の高い液状のホログラム記録材料51が、ノズル47から吐出されるようにしている。
【0036】
軸45を中心としてホルダ43を回転させながら、ノズル47からホログラム記録材料51を吐出させて第1基板5上に塗布する。ホログラム記録材料51の滴下量は、次の図10の工程でホログラム記録材料51を延ばしたとき、内周17と基板5,7により内周空間部23が形成され、かつ、外周19と基板5,7により外周空間部25が形成される量である。これにより、図1に示すように、光ディスク1の内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹み、かつ外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んだ構造にすることができる。
【0037】
次に図10に示すように、貫通穴13を有する第2基板7と第1基板5を互いに対向配置し、第2基板7を第1基板5側に押し付ける。これにより、第1基板5と第2基板7の間隙内にホログラム記録材料51を薄く延ばす。
【0038】
上記滴下量により、図11に示すように、基板5,7の内周(内周面21)と実記録領域49の内周50との間の位置に、記録層の内周17が延びる(例えば、内周面21と内周50との間の距離を略1:9〜9:1に分けるように、内周17が位置する。)。また、実記録領域49の外周52と光ディスク1の外周面22との間の位置に、記録層の外周19が延びる。
【0039】
上記の通り、ホログラム記録材料51の塗布量は、ホログラム記録材料51を延ばしたとき、内周空間部23および外周空間部25が形成される量である。言い換えれば、内周17の位置を、内周17と貫通穴11,13との間に所定の距離が設けられる位置とする。また、外周19の位置を、外周19と基板5,7の外周面との間に所定の距離が設けられる位置とする。
【0040】
これらにより、比較的高い粘性のホログラム記録材料を使用する場合、ホログラム記録材料51が流れて貫通穴11,13を規定する面(側面)や基板5,7の外周面に付着するのを防止することができる。ホログラム記録材料51がこれらの面に付着すると、たとえふき取っても完全にふき取ることができない場合がある。ホログラム記録材料51が貫通穴11,13を規定する面に残っていると、ホログラム記録材料51と基板5,7との摩擦係数の相違により、中心穴15での光ディスクのスピンドルへの固定が不安定となり、光ディスクの回転を安定させることができない。また、ホログラム記録材料51が基板5,7の外周面に残っていると、光ディスクをカートリッジに収容することができなくなることがある。
【0041】
図12に示すように、第2基板7側から光(例えば紫外線UV)をホログラム記録材料51に照射し、ゲル状に硬化させることにより、記録層9を形成する。なお、熱のみ又は熱と光の組み合わせにより、ホログラム記録材料51をゲル状に硬化させることもできる。以上により、図1に示す光ディスク1が完成する。
【0042】
次に、光ディスク1の製造方法の他の例を詳細に説明する。図13から図16はこの製造方法の各工程を示しており、図1の断面と対応する模式的断面図である。図1中の符号が示す要素と同一のものについては同一符号を付している。この例は、先程と異なり粘性が比較的低い液状のホログラム記録材料に適用することができる。まず、図13に示すように、図9のホルダ43上に図8の構造体を真空吸着により固定する。一方、透明なホルダ53の貫通孔55から空気Aを抜くことにより、第2基板7を貫通孔55に真空吸着させてホルダ53に固定する。
【0043】
第2基板7と反射層33が形成された第1基板5との間に、記録層の厚みに相当する大きさの間隙57が形成されるように、ホルダ43とホルダ53とを互いに対向配置する。ホログラム記録材料の注入手段の一例であるノズル59を、基板5,7の外周側から間隙57に差し込む。なお、注入手段としては、チューブでもよい。そして、ホルダ53を固定した状態で軸45を中心としてホルダ43を低速回転させながら、注入開始位置P1からホログラム記録材料61の注入を開始する。ここで、注入開始位置P1は、間隙57内のうち基板5,7の内周側にあり、上方から見ると円状をしている。注入開始位置P1と基板5,7の内周との間には距離Dが設けられている。これは、図1に示す光ディスク1の内周面21が記録層9の内周17の箇所で凹んでいる構造にするためである。
【0044】
図14に示すように、注入開始後直ぐに、光ファイバ63とその先端に取り付けられた集光レンズ65とから構成される光照射手段67から、ホルダ53を介して光(例えば紫外線)を照射することにより、注入開始位置P1にあるホログラム記録材料61をゲル状に硬化させる。これを硬化部69で表す。硬化部69により、粘性が比較的低いホログラム記録材料61が貫通穴11,13側に流れるのを防止している。
【0045】
図15に示すように、ノズル59を基板5,7の内周側から外周側に向けて移動させながら、間隙にホログラム記録材料61を注入する。注入終了位置P2でノズル59からのホログラム記録材料61の注入を止める。注入終了位置P2は、間隙57(図14)内のうち基板5,7の外周側にあり、上方から見ると円状をしている。注入終了位置P2をこのようにすることにより、光ディスク1の外周面22が記録層9の外周19の箇所で凹んでいる構造にすることができる。
【0046】
図16に示すように、光照射手段67からホルダ53を介して光(例えば紫外線)を照射することにより、注入終了位置P2にあるホログラム記録材料61をゲル状に硬化して硬化部71を形成する。硬化部71により、粘性が比較的低いホログラム記録材料61が光ディスクの外周面に流れるのを防止している。
【0047】
そして、間隙57(図13)内に注入されたホログラム記録材料61を、図12で説明したのと同じ方法で、ゲル状に硬化させて記録層9を形成する。以上により、光ディスク1が完成する。
【0048】
この例の製造方法によれば、注入開始位置P1および注入終了位置P2における液状のホログラム記録材料61をゲル状に硬化しているので、基板5,7の間隙に注入したホログラム記録材料61の漏れを防止した状態で、ホログラム記録材料61をゲル状に硬化させて記録層9を形成することができる。よって、ホログラム記録材料61の粘性が比較的低い場合であっても、基板5,7の隙間からホログラム記録材料61を漏らすことなく、記録層9を形成することができる。
【0049】
なお、本発明の一実施形態に係る光ディスクは記憶領域が円盤状であればよく、光ディスクの外形には無関係である。例えば、三角形、四角形や六角形等であり、大きさが名刺程度のカード形状に円盤状の記録領域を有する光ディスクについても本発明の一実施形態を適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る光情報記録媒体によれば、その内周面が記録層の内周の箇所で凹むようにしているので、記録層の内周が中心穴内に飛び出すことを防止できる。よって、スピンドルを中心穴に確実に差し込むことができると共に中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることできる。
【0051】
本発明に係る光情報記録媒体の第1の製造方法によれば、本発明に係る光情報記録媒体、つまり、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を有する光情報記録媒体を作製することができる。また、比較的高い粘性のホログラム記録材料を使用する場合、ホログラム記録材料が貫通穴を規定する面にまで流れてそこに付着するのを防止することができるので、中心穴での光ディスクのスピンドルへの固定を安定させることができる。
【0052】
本発明に係る光情報記録媒体の第2の製造方法によれば、本発明に係る光情報記録媒体、つまり、光情報記録媒体の内周面が記録層の内周の箇所で凹んだ構造を有する光情報記録媒体を作製することができる。また、一対の基板の間隙に注入した液状のホログラム記録材料の漏れを防止した状態で、このホログラム記録材料をゲル状に硬化させて記録層を形成することができる。よって、ホログラム記録材料の粘性が比較的低い場合であっても、隙間からホログラム記録材料を漏らすことなく、記録層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスクの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ディスクの平面図である。
【図3】比較例となる光ディスクの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第1方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第2方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る光ディスクを記録再生する第3方式を説明するものであり、図1の光ディスクの一部分を拡大した模式図である。
【図7】図1の光ディスクの記録層に形成されたホログラム群の一部の平面図である。
【図8】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第1工程図である。
【図9】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第2工程図である。
【図10】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第3工程図である。
【図11】図10の構造体の平面図である。
【図12】図1に示す光ディスクを製造する方法の一例の第4工程図である。
【図13】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第1工程図である。
【図14】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第2工程図である。
【図15】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第3工程図である。
【図16】図1に示す光ディスクを製造する方法の他の例の第4工程図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、3・・・間隙、5・・・第1基板、7・・・第2基板、9・・・記録層、11,13・・・貫通穴、15・・・中心穴、17・・・記録層9の内周、19・・・記録層9の外周、21・・・内周面、22・・・外周面、23・・・内周空間部、25・・・外周空間部、27・・・ベース層、29・・・プリフォーマット層、31・・・ピット、33・・・反射層、35・・・トラック、37・・・光ディスク、39,39A,39B・・・レンズ、41・・・貫通孔、43・・・ホルダ、45・・・軸、47・・・ノズル、49・・・実記録領域、50・・・実記録領域49の内周、51・・・ホログラム記録材料、52・・・実記録領域49の外周、53・・・ホルダ、55・・・貫通孔、57・・・間隙、59・・・ノズル、61・・・ホログラム記録材料、63・・・光ファイバ、65・・・集光レンズ、67・・・光照射手段、69・・・硬化部、71・・・硬化部、P1・・・注入開始位置、P2・・・注入終了位置
Claims (4)
- レーザ光を利用して情報がホログラフィにより記録され、外周面および中心穴を規定する内周面を有する光情報記録媒体であって、
ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含むと共に外周および内周を有する記録層と、
前記記録層を挟んで保持する一対の基板と、
を備え、
前記光情報記録媒体の前記内周面が前記記録層の前記内周の箇所で凹んでいることを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記光情報記録媒体の前記外周面が前記記録層の前記外周の箇所で凹んでいることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の内周と前記光情報記録媒体の実記録領域の内周との間の位置に、前記記録層の前記内周が延びる量の液状の前記ホログラム記録材料を前記一方の基板上に塗布する工程と、
前記一対の基板を互いに対向配置することにより、前記ホログラム記録材料を前記一対の基板の間隙内に延ばす工程と、
前記間隙内に延びた前記ホログラム記録材料をゲル状に硬化させて前記記録層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。 - 光情報記録媒体の中心穴となる貫通穴を有する一対の基板により、ゲル状に硬化したホログラム記録材料を含む記録層を挟んで保持する構造を備えた光情報記録媒体の製造方法であって、
前記記録層の厚みに相当する大きさの間隙が形成されるように、前記一対の基板を互いに対向配置する工程と、
液状の前記ホログラム記録材料を注入する注入手段を前記一対の基板の外周側から前記間隙に差し込む工程と、
前記一対の基板の内周と、前記間隙内のうち前記一対の基板の内周側にある注入開始位置と、の間に距離を設けて前記注入手段により前記ホログラム記録材料の注入を開始する工程と、
前記注入開始位置にある前記ホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させると共に前記一対の基板の内周側から外周側に向けて前記間隙に前記注入手段により前記ホログラム記録材料を注入する工程と、
前記間隙内のうち前記一対の基板の外周側にある注入終了位置において、その位置にある前記ホログラム記録材料を光照射によりゲル状に硬化させる工程と、
前記間隙内に注入された前記ホログラム記録材料をゲル状に硬化させて前記記録層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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