JP2004158113A - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録や再生に利用されるマークを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置した光ディスクを提供すること。
【解決手段】光ディスク1は、第1基板7、反射層9、ホログラム記録用の記録層11、記録再生用のレーザ光を透過する第2基板13が積層された構造をしている。記録領域にはデジタル情報がホログラムHの形で記録される。記録領域の反射層9には、ホログラムHの位置決め用マークMが配置されている。マークMは、レーザ光が光ディスク1に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層11を露光するレーザ光の光路を避ける位置に形成されている。
【選択図】 図9
【解決手段】光ディスク1は、第1基板7、反射層9、ホログラム記録用の記録層11、記録再生用のレーザ光を透過する第2基板13が積層された構造をしている。記録領域にはデジタル情報がホログラムHの形で記録される。記録領域の反射層9には、ホログラムHの位置決め用マークMが配置されている。マークMは、レーザ光が光ディスク1に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層11を露光するレーザ光の光路を避ける位置に形成されている。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報がホログラフィにより記録される光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホログラフィによって情報をイメージ情報の形で光ディスクのような光情報記録媒体に高密度で記録する方式が知られている。このような光ディスクは、反射層、第1透明基板、ホログラム記録材料を含む記録層、第2透明基板を積層した構造をしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第WO99/44195号パンフレット(第39図、第40図)
【0004】
上記方式におけるイメージ情報の記録は、イメージ情報を担持する情報光と記録用参照光をレーザ光により生成し、これらの光を第2透明基板側から光ディスクに照射し、記録用参照光と反射層で反射された情報光とを記録層において重ね合わせ、これらの光の干渉により生じる干渉縞を記録層に記録することにより実現される。記録層のうち、干渉縞が記録された領域がホログラムとなる。一方、再生照明光を第2透明基板側から干渉縞が記録された記録層に照射すると、この光が干渉縞によって回折されることにより再生光が生成され、第2透明基板を透過した再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記方式の光ディスクによれば、記録容量を飛躍的に増大させることができるが、記録された情報の再生が遅いと、光ディスクを利用する上で大変不便である。また、記録や再生に利用されるピットのようなマークにより、記録密度が低下したり、ノイズが発生したりするのは好ましくない。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、再生の高速化が可能な光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、記録や再生に利用されるマークを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置した光情報記録媒体を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の光情報記録媒体は、レーザ光により情報をホログラムとして記録する記録領域を備えた光情報記録媒体において、記録領域が、この領域に記録される複数のホログラムの位置決め用マークを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第1の光情報記録媒体によれば、記録領域に複数のホログラムを記録する際に、それらの位置決めに利用されるマークを記録領域に配置している。よって、再生時における各ホログラムの探索に上記マークを利用することにより、各ホログラムの探索が容易となる。
【0010】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、位置決め用マークを、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムと重なるのを避ける位置に配置してもよい。これによれば、再生される情報の像が、位置決め用マークが原因で歪むのを防止できる。
【0011】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、位置決め用マークを、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムと重なる位置に配置してもよい。これによれば、位置決め用マークを記録領域に配置するために、記録領域の面積を広げる必要がなくなる。
【0012】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される複数のホログラムのピッチと同じピッチで、複数の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、各ホログラムに位置決め用マークを割り当てることができるので、各ホログラムの探索がスムーズになる。
【0013】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される複数のホログラムのピッチに対して、1より大きい整数倍のピッチで複数の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、所定数のホログラムごとに位置決め用マークが割り当てられることになる。よって、記録領域に配置する位置決め用マークの数を減らすことができるので、マークが原因となるレーザ光の乱反射を少なくできる。
【0014】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される各ホログラムの位置決めに利用される一対の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、ホログラムの探索に一対の位置決め用マークを利用するので、探索の基準が二つとなる。したがって、ホログラムの探索がさらに容易となる。
【0015】
本発明に係る第2の光情報記録媒体は、集束されたレーザ光で記録層を露光することにより記録層にホログラムが記録され、記録層に複数のホログラムが多重記録される光情報記録媒体において、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層を露光するレーザ光の光路を避ける位置に、マークが形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る第2の光情報記録媒体によれば、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置にマークを形成しているので、記録密度を低下させることなく、マークを配置できる。また、マークは、レーザ光の光路を避ける位置に形成されている。このため、マークによりレーザ光が反射や屈折することはないので、マークがノイズの原因になることはない。
【0017】
本発明に係る第2の光情報記録媒体において、マークを、ホログラムの位置決め用にすることができる。これによれば、マークを、再生時における各ホログラムの探索に利用することにより、各ホログラムの探索が容易となる。
【0018】
本発明に係る第2の光情報記録媒体において、マークによりプリフォーマットを施してもよい。これによれば、プリフォーマット領域が不要となるので、光情報記録媒体の記録容量をさらに増大させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係る光ディスク(光情報記録媒体の一例)について説明する。図1は第1実施形態に係る光ディスク1の平面図である。光ディスク1には、ホログラフィによりデジタル情報が記録される。光ディスク1は円盤状をしており、その中心部に光ディスク用ドライブ装置のスピンドルが固定される中心穴3が形成されている。
【0020】
光ディスク1には、その内周から外周にかけて連続する螺旋状のトラック5が形成されている。トラックは同心円状であってもよい。トラック5は、記録領域とプリフォーマット領域とが交互に並んで構成されている。記録領域にはデジタル情報がホログラムの形で記録される。プリフォーマット領域には、ホログラムを記録再生するために利用される情報(サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報など)が、ピットを用いて光ディスク1の製造時に予め記録されている。
【0021】
図2は図1の光ディスク1の一部を拡大した図であり、(A)は断面図を示し、(B)は平面図を示している。光ディスク1は、第1基板7、反射層9、記録層11および第2基板13が積層された構造を有する。第1基板7および第2基板13の厚みは例えば5〜1200μmである。基板7,13の材料は、例えば、ガラス、水晶、ダイヤモンド、樹脂(ポリカーボネートなど)である。ホログラムの記録再生に用いるレーザ光Lは第2基板13側から光ディスク1に照射されるので、第2基板13はレーザ光Lの波長に対して透過性のある材料でなければならないが、第1基板7はこれに限定されない。但し、第1基板7側に再生光が発せられる場合、第1基板7はレーザ光Lの波長に対して透過性を有する必要がある。基板7,13は板状でもよいし、フィルム状や透明コート膜状でもよい。
【0022】
第1基板7の表面のうち、プリフォーマット領域と対応する箇所にはピット15が形成され、記録領域と対応する箇所には位置決め用マークM(以下、マークMと記載する場合もある)となるピットが形成されている。マークMは記録領域に記録される複数のホログラムの位置決めに利用される。これにより、光ディスク1に記録されたデジタル情報の再生の高速化が可能となる。マークMの詳細は後で説明する。なお、第1基板7上にピット15やマークMとなるピットを直接配置するのではなく、これらのピットを有するプリフォーマット層を樹脂などにより第1基板7上に配置してもよい。
【0023】
ピット15および位置決め用マークMを覆うように第1基板7上には反射層9が配置されている。反射層9はレーザ光Lを反射する性質を有する金属から構成されており、具体的には、アルミニウム、銀、金、シリコンなどである。反射層9の厚みは、例えば30〜500nmである。
【0024】
記録層11は反射層9を覆うように配置されている。記録層11の材料は、情報光や参照光となるレーザ光Lが記録層11に所定時間照射されたとき、レーザ光Lの強度に応じて照射箇所の光学特性(屈折率、吸収率、透過度、蛍光発光性、反射率など)が変化するホログラム記録材料であり、感光材を含む。この材料は、例えば、レーザ光Lに感光して重合する光重合性有機物である。具体的には、例えば、デュポン(Dupont)社製のフォトポリマ(Photopolymers)HRF−600(製品名)である。記録層11の厚みは、例えば4〜1000μmである。記録層11上には第2基板13が配置され、第2基板13と第1基板7とにより記録層11を保持する。以上が光ディスク1の構造である。
【0025】
次に、ホログラフィの一つの態様であるボリュームホログラフィを利用して、光ディスク1に情報を記録再生する一つの方法について図3を用いて説明する。
図3は光ディスク1の一部を拡大した図であり、図2と対応している。図3において、図2中の符号が示す要素と同一の要素については同一符号を付している。
上記記録によれば、光ディスク1の記録層11に干渉縞を三次元的に記録することができ、記録密度を増加させることができる。
【0026】
光ヘッドのレンズ17で集束されたレーザ光Lには記録用参照光とイメージ情報を担持する情報光とが含まれ、記録用参照光と反射層9で反射された情報光とを記録層11内において干渉させ、これにより発生する干渉縞をホログラムHとして記録層11に記録する。このホログラムHは体積ホログラムである。光ディスク1を僅かに回転させて、先ほど形成されたホログラムH(例えばホログラムH1とする)と平面的に一部が重なる新たなホログラムH(この場合はホログラムH2となる)を記録層11に形成する。これを繰り返すことにより、記録層11にホログラムを多重記録する。
【0027】
一方、レンズ17で集束された再生照明光であるレーザ光LをホログラムHに照射すると、この光はホログラムHにより回折され、再生光が生成される。レンズ17を介して光ヘッドで検出された再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0028】
次に、位置決め用マークMの詳細を説明する。図3(B)に示すように、記録領域には、ホログラムHが多重記録される方向に沿って、ホログラムHが記録される箇所を挟むようにこの箇所の両側に、マークMが配置されている。マークMの形状や大きさは、レーザLによりマークMを検出可能であれば特に限定されず、第1実施形態では例えば直径が1μmの円形である。マークMのピッチPは、ホログラムHのピッチp(例えば10μm)と同じである。
【0029】
両側に位置する一対のマークMが一つのホログラムHに割り当てられている。
例えば、ホログラムH1に一対のマークM1,M1が、その隣のホログラムH2に一対のマークM2,M2がそれぞれ割り当てられている。これにより、ホログラムH1の記録には一対のマークM1,M1がその位置決めに利用され、ホログラムH2の記録には一対のマークM2,M2がその位置決めに利用される。一方、ホログラムH1,H2の再生の際におけるホログラムの探索には、それぞれ、一対のマークM1,M1、一対のマークM2,M2が利用される。
【0030】
位置決め用マークMが存在しない場合、ピッチpでホログラムHを記録領域に多重記録するように光ディスク用ドライブ装置を設計しても、複数のホログラムHのそれぞれが記録される箇所の誤差は不可避的に生じる。この誤差は、再生時、光ヘッドによるホログラムHの探索を高速化するのに支障となる。これに対して、第1実施形態に係る光ディスク1によれば、記録領域に位置決め用マークMが配置されているので、このマークを基にして複数のホログラムHが多重記録される。よって、再生時において、光ヘッドによるホログラムの探索にマークMを利用することにより、ホログラムの探索が容易となるので、イメージ情報の再生の高速化が可能となる。
【0031】
また、位置決め用マークMは、レーザ光Lの入射方向から見て、ホログラムHが記録される箇所と異なる箇所に配置されている。別の表現を用いれば、マークMは、レーザ光Lが光ディスク1に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムHと重なるのを避ける位置に配置されている。マークMはピットなので、マークMの箇所はホログラムHが記録される箇所に比べて凹んでいる。このため、マークMがホログラムHに重なると、上記凹みが原因で再生するイメージ情報の像に歪みが発生する可能性がある。これに対して、第1実施形態では、マークMがホログラムHと重なるのを避けているので、上記歪みを防止できる。
【0032】
また、第1実施形態によれば、位置決め用マークMのピッチpはホログラムHのピッチPと同じなので、各ホログラムHにマークMを割り当てることができる。これにより、各ホログラムHの探索がスムーズとなり、イメージ情報の再生の高速化を実現できる。
【0033】
また、第1実施形態は、多重記録された複数のホログラムHを挟むように両側にマークMを配置し、一対のマークM(例えばマークM1,M1)を、一つのホログラムHの位置決めに利用しているので、探索の基準が二つになる。これに対して、上記両側のいずれか一方側にのみマークMを配置した場合、探索の基準は一つになる。よって、第1実施形態によれば、探索の基準が二つなので、ホログラムの探索がさらに容易となる。なお、本発明にはマークMを上記両側のいずれか一方側にのみ配置した態様も含まれる。また、プリフォーマット領域におけるピット15は上記両側の中央に配置されているが、上記両側のうち一方側に配置してもよい。
【0034】
次に、光ディスク1の製造方法の一例について図4を用いて簡単に説明する。
図4は図2(A)の断面と対応する模式的断面図である。まず、図4(A)に示すように、ポリカーボネートなどの樹脂を用いて射出成形により、ピット15およびマークMとなるピット付きの第1基板7を作製する。第1基板7のピットが形成された面に、蒸着やスパッタリングなどによってアルミニウムからなる反射層9を形成する。
【0035】
図4(B)に示すように、ホログラム記録材料19を第1基板7上に塗布する。第2基板13を第1基板7に押し付けて、第1基板7と第2基板13の間の隙間にホログラム記録材料19を薄く伸ばして充填する。これにより、図2に示すホログラム記録材料19からなる記録層11が形成され、光ディスク1が完成する。
【0036】
本発明に係る光ディスクは、上述した第1実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する第2〜第5実施形態がある。以下、これらの実施形態について第1実施形態との相違を中心に説明する。図5は第2実施形態に係る光ディスクに備えられる記録領域の拡大平面図である。図3(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第2実施形態は、マークMのピッチPを、記録領域に記録される複数のホログラムHのピッチpの三倍にしている。このため三つの連続するホログラムHに対して一対のマークMが割り当てられる。例えば、ホログラムH1,H2,H3に一対のマークM1,M1が割り当てられる。第2実施形態によれば、記録領域に配置するマークMの数を減らすことができる。よって、マークMが原因となるレーザ光Lの乱反射を少なくできるので、ノイズを低減することができる。なお、マークMのピッチPは、ホログラムHのピッチpの三倍に限定されず、1より大きい整数倍であればよい。
【0037】
第3実施形態について説明する。図6は第3実施形態に係る光ディスクに備えられるプリフォーマット領域および記録領域の拡大平面図であり、(A)は記録前を示し、(B)は記録後を示している。図3(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第3実施形態は、記録領域にホログラムHを記録すると、マークMがホログラムHで覆われる位置にマークMを設けている。言い換えれば、マークMは、レーザ光Lが光ディスクに入射する方向から見て、記録領域に記録される各ホログラムHと重なる位置に配置されている。よって、第3実施形態によれば、マークMを記録領域に配置するために記録領域の幅W、つまり記録領域の面積を広げる必要がない。したがって、記憶領域にマークMを配置しても、光ディスクの記憶容量を維持することができる。なお、マークMの箇所は凹部なので、マークMとホログラムHとが重なると、再生したイメージ情報の像に歪みが発生する可能性がある。これを防止するため、マークMの箇所に樹脂などからなる部材を埋め込み平坦化してもよい。
【0038】
なお、第1〜第3実施形態において、図2に示す第2基板13の表面21や裏面23にマークMを印刷してもよい。
【0039】
第4実施形態について、図7を用いて説明する。図7において、図3(A),(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。図7(A)は、第4実施形態に係る光ディスクに備えられる記録領域の拡大断面図である。いわゆる反射型方式によりホログラムHを記録している状態を示している。なお、第1〜第3実施形態も反射型方式でホログラムを記録している。図7(B)は、図7(A)のB−B線に沿った平面図である。記録領域に複数のホログラムHが多重記録されている。一方、図7(C)は、図7(A)のC−C線に沿った平面図であり、位置決め用マークMを示している。Sは記録層11を露光するレーザ光Lのビームスポットの位置を示している。例えば、ホログラムH1を記録するときのレーザ光LのビームスポットはS1である。図7(B)の位置におけるホログラムHの直径は、例えば、200〜3000μmであり、図7(C)の位置におけるそれの直径は、例えば、1〜50μmである。
【0040】
第4実施形態では、レーザLの照射方向からみてホログラムHと重なる位置であって、ホログラムHを記録するために記録層11を露光するレーザ光Lの光路を避ける位置に、マークMが形成されている。体積ホログラムの形状は、頂点が反射層9側に向いた円錐形である。このため、記録層11の第2基板13側ではホログラムHが重なり合っているが、反射層9側ではホログラムHが形成されていない領域が広く残っている。第4実施形態では、上記領域にマークMを配置することにより、上記領域の有効利用を図るものである。これにより、記録密度を低下させることなく、マークMを記録領域に配置できる。また、マークMは、レーザ光Lの光路を避ける位置に形成されているので、マークMによりレーザ光Lが反射や屈折することはない。したがって、マークMがノイズの原因になることはない。以上のように、第4実施形態によれば、マークMを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置できる。
【0041】
なお、マークMの機能は、ホログラムの位置決めに限らない。これを図8で説明する。図8は、図7(C)と同様の平面図である。マークMであるピットにより、プリフォーマット領域に記録する情報(サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報など)が光ディスク1の製造時に予め記録されている。これによれば、図1に示すプリフォーマット領域が不要となり、光ディスク1の記録容量をさらに増大させることができる。
【0042】
第5実施形態について、図9を用いて説明する。この図において、図3(A),(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第5実施形態が第4実施形態と異なる点は、いわゆる透過型方式により、ホログラムHを記録する点である。図9(A)〜(C)は、それぞれ図7(A)〜(C)と対応している。図9において、ホログラムHを形成するためのレーザ光のスポットSの位置は、例えば、ホログラムH1で説明すると、一対のスポットS1である。一方のスポットS1は情報光LIのものであり、他方のスポットS1は記録用参照光LRのものである。
【0043】
第5実施形態も第4実施形態と同様に、反射層9側のホログラムHが形成されていない領域に位置決め用マークMを配置することにより、上記領域の有効利用を図るものである。よって、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように、マークMを記録領域に配置できる。
【0044】
第1〜第5実施形態において、ピットをマークMにしているので、マークMの箇所は凹部になっているが、マークMを凸部で表してもよい。さらに、光ディスクは記憶領域が円盤状であればよく、光ディスクの外形には無関係である。例えば、三角形、四角形や六角形等であり、大きさが名刺程度のカード形状に円盤状の記録領域を有する光ディスクについても第1〜第5実施形態を適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る第1の光情報記録媒体によれば、記録領域に記録された複数のホログラムの探索が容易となるので、再生の高速化を実現できる。
【0046】
本発明に係る第2の光情報記録媒体によれば、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層を露光するレーザ光の光路を避ける位置に、マークが形成されている。このため、記録や再生に利用されるマークを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光ディスクの平面図である。
【図2】図1の光ディスクの一部を拡大した図である。
【図3】図1の光ディスクにおいて記録再生を説明するための図である。
【図4】図1の光ディスクを製造する方法の一例の工程図である。
【図5】第2実施形態に係る光ディスクの記録領域の拡大平面図である。
【図6】第3実施形態に係る光ディスクに備えられるプリフォーマット領域および記録領域の拡大平面図である。
【図7】第4実施形態に係る光ディスクを説明するための図である。
【図8】第4実施形態に係る光ディスクに備えられるマークの変形例の平面図である。
【図9】第5実施形態に係る光ディスクを説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、3・・・中心穴、5・・・トラック、7・・・第1基板、9・・・反射層、11・・・記録層、13・・・第2基板、15・・・ピット、17・・・レンズ、19・・・ホログラム記録材料、21・・・表面、23・・・裏面、H・・・ホログラム、M・・・マーク、S・・・スポット
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報がホログラフィにより記録される光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホログラフィによって情報をイメージ情報の形で光ディスクのような光情報記録媒体に高密度で記録する方式が知られている。このような光ディスクは、反射層、第1透明基板、ホログラム記録材料を含む記録層、第2透明基板を積層した構造をしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第WO99/44195号パンフレット(第39図、第40図)
【0004】
上記方式におけるイメージ情報の記録は、イメージ情報を担持する情報光と記録用参照光をレーザ光により生成し、これらの光を第2透明基板側から光ディスクに照射し、記録用参照光と反射層で反射された情報光とを記録層において重ね合わせ、これらの光の干渉により生じる干渉縞を記録層に記録することにより実現される。記録層のうち、干渉縞が記録された領域がホログラムとなる。一方、再生照明光を第2透明基板側から干渉縞が記録された記録層に照射すると、この光が干渉縞によって回折されることにより再生光が生成され、第2透明基板を透過した再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記方式の光ディスクによれば、記録容量を飛躍的に増大させることができるが、記録された情報の再生が遅いと、光ディスクを利用する上で大変不便である。また、記録や再生に利用されるピットのようなマークにより、記録密度が低下したり、ノイズが発生したりするのは好ましくない。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、再生の高速化が可能な光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、記録や再生に利用されるマークを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置した光情報記録媒体を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の光情報記録媒体は、レーザ光により情報をホログラムとして記録する記録領域を備えた光情報記録媒体において、記録領域が、この領域に記録される複数のホログラムの位置決め用マークを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第1の光情報記録媒体によれば、記録領域に複数のホログラムを記録する際に、それらの位置決めに利用されるマークを記録領域に配置している。よって、再生時における各ホログラムの探索に上記マークを利用することにより、各ホログラムの探索が容易となる。
【0010】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、位置決め用マークを、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムと重なるのを避ける位置に配置してもよい。これによれば、再生される情報の像が、位置決め用マークが原因で歪むのを防止できる。
【0011】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、位置決め用マークを、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムと重なる位置に配置してもよい。これによれば、位置決め用マークを記録領域に配置するために、記録領域の面積を広げる必要がなくなる。
【0012】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される複数のホログラムのピッチと同じピッチで、複数の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、各ホログラムに位置決め用マークを割り当てることができるので、各ホログラムの探索がスムーズになる。
【0013】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される複数のホログラムのピッチに対して、1より大きい整数倍のピッチで複数の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、所定数のホログラムごとに位置決め用マークが割り当てられることになる。よって、記録領域に配置する位置決め用マークの数を減らすことができるので、マークが原因となるレーザ光の乱反射を少なくできる。
【0014】
本発明に係る第1の光情報記録媒体において、記録領域に記録される各ホログラムの位置決めに利用される一対の位置決め用マークを記録領域に配置してもよい。これによれば、ホログラムの探索に一対の位置決め用マークを利用するので、探索の基準が二つとなる。したがって、ホログラムの探索がさらに容易となる。
【0015】
本発明に係る第2の光情報記録媒体は、集束されたレーザ光で記録層を露光することにより記録層にホログラムが記録され、記録層に複数のホログラムが多重記録される光情報記録媒体において、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層を露光するレーザ光の光路を避ける位置に、マークが形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る第2の光情報記録媒体によれば、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置にマークを形成しているので、記録密度を低下させることなく、マークを配置できる。また、マークは、レーザ光の光路を避ける位置に形成されている。このため、マークによりレーザ光が反射や屈折することはないので、マークがノイズの原因になることはない。
【0017】
本発明に係る第2の光情報記録媒体において、マークを、ホログラムの位置決め用にすることができる。これによれば、マークを、再生時における各ホログラムの探索に利用することにより、各ホログラムの探索が容易となる。
【0018】
本発明に係る第2の光情報記録媒体において、マークによりプリフォーマットを施してもよい。これによれば、プリフォーマット領域が不要となるので、光情報記録媒体の記録容量をさらに増大させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態に係る光ディスク(光情報記録媒体の一例)について説明する。図1は第1実施形態に係る光ディスク1の平面図である。光ディスク1には、ホログラフィによりデジタル情報が記録される。光ディスク1は円盤状をしており、その中心部に光ディスク用ドライブ装置のスピンドルが固定される中心穴3が形成されている。
【0020】
光ディスク1には、その内周から外周にかけて連続する螺旋状のトラック5が形成されている。トラックは同心円状であってもよい。トラック5は、記録領域とプリフォーマット領域とが交互に並んで構成されている。記録領域にはデジタル情報がホログラムの形で記録される。プリフォーマット領域には、ホログラムを記録再生するために利用される情報(サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報など)が、ピットを用いて光ディスク1の製造時に予め記録されている。
【0021】
図2は図1の光ディスク1の一部を拡大した図であり、(A)は断面図を示し、(B)は平面図を示している。光ディスク1は、第1基板7、反射層9、記録層11および第2基板13が積層された構造を有する。第1基板7および第2基板13の厚みは例えば5〜1200μmである。基板7,13の材料は、例えば、ガラス、水晶、ダイヤモンド、樹脂(ポリカーボネートなど)である。ホログラムの記録再生に用いるレーザ光Lは第2基板13側から光ディスク1に照射されるので、第2基板13はレーザ光Lの波長に対して透過性のある材料でなければならないが、第1基板7はこれに限定されない。但し、第1基板7側に再生光が発せられる場合、第1基板7はレーザ光Lの波長に対して透過性を有する必要がある。基板7,13は板状でもよいし、フィルム状や透明コート膜状でもよい。
【0022】
第1基板7の表面のうち、プリフォーマット領域と対応する箇所にはピット15が形成され、記録領域と対応する箇所には位置決め用マークM(以下、マークMと記載する場合もある)となるピットが形成されている。マークMは記録領域に記録される複数のホログラムの位置決めに利用される。これにより、光ディスク1に記録されたデジタル情報の再生の高速化が可能となる。マークMの詳細は後で説明する。なお、第1基板7上にピット15やマークMとなるピットを直接配置するのではなく、これらのピットを有するプリフォーマット層を樹脂などにより第1基板7上に配置してもよい。
【0023】
ピット15および位置決め用マークMを覆うように第1基板7上には反射層9が配置されている。反射層9はレーザ光Lを反射する性質を有する金属から構成されており、具体的には、アルミニウム、銀、金、シリコンなどである。反射層9の厚みは、例えば30〜500nmである。
【0024】
記録層11は反射層9を覆うように配置されている。記録層11の材料は、情報光や参照光となるレーザ光Lが記録層11に所定時間照射されたとき、レーザ光Lの強度に応じて照射箇所の光学特性(屈折率、吸収率、透過度、蛍光発光性、反射率など)が変化するホログラム記録材料であり、感光材を含む。この材料は、例えば、レーザ光Lに感光して重合する光重合性有機物である。具体的には、例えば、デュポン(Dupont)社製のフォトポリマ(Photopolymers)HRF−600(製品名)である。記録層11の厚みは、例えば4〜1000μmである。記録層11上には第2基板13が配置され、第2基板13と第1基板7とにより記録層11を保持する。以上が光ディスク1の構造である。
【0025】
次に、ホログラフィの一つの態様であるボリュームホログラフィを利用して、光ディスク1に情報を記録再生する一つの方法について図3を用いて説明する。
図3は光ディスク1の一部を拡大した図であり、図2と対応している。図3において、図2中の符号が示す要素と同一の要素については同一符号を付している。
上記記録によれば、光ディスク1の記録層11に干渉縞を三次元的に記録することができ、記録密度を増加させることができる。
【0026】
光ヘッドのレンズ17で集束されたレーザ光Lには記録用参照光とイメージ情報を担持する情報光とが含まれ、記録用参照光と反射層9で反射された情報光とを記録層11内において干渉させ、これにより発生する干渉縞をホログラムHとして記録層11に記録する。このホログラムHは体積ホログラムである。光ディスク1を僅かに回転させて、先ほど形成されたホログラムH(例えばホログラムH1とする)と平面的に一部が重なる新たなホログラムH(この場合はホログラムH2となる)を記録層11に形成する。これを繰り返すことにより、記録層11にホログラムを多重記録する。
【0027】
一方、レンズ17で集束された再生照明光であるレーザ光LをホログラムHに照射すると、この光はホログラムHにより回折され、再生光が生成される。レンズ17を介して光ヘッドで検出された再生光を基にしてイメージ情報が再生される。
【0028】
次に、位置決め用マークMの詳細を説明する。図3(B)に示すように、記録領域には、ホログラムHが多重記録される方向に沿って、ホログラムHが記録される箇所を挟むようにこの箇所の両側に、マークMが配置されている。マークMの形状や大きさは、レーザLによりマークMを検出可能であれば特に限定されず、第1実施形態では例えば直径が1μmの円形である。マークMのピッチPは、ホログラムHのピッチp(例えば10μm)と同じである。
【0029】
両側に位置する一対のマークMが一つのホログラムHに割り当てられている。
例えば、ホログラムH1に一対のマークM1,M1が、その隣のホログラムH2に一対のマークM2,M2がそれぞれ割り当てられている。これにより、ホログラムH1の記録には一対のマークM1,M1がその位置決めに利用され、ホログラムH2の記録には一対のマークM2,M2がその位置決めに利用される。一方、ホログラムH1,H2の再生の際におけるホログラムの探索には、それぞれ、一対のマークM1,M1、一対のマークM2,M2が利用される。
【0030】
位置決め用マークMが存在しない場合、ピッチpでホログラムHを記録領域に多重記録するように光ディスク用ドライブ装置を設計しても、複数のホログラムHのそれぞれが記録される箇所の誤差は不可避的に生じる。この誤差は、再生時、光ヘッドによるホログラムHの探索を高速化するのに支障となる。これに対して、第1実施形態に係る光ディスク1によれば、記録領域に位置決め用マークMが配置されているので、このマークを基にして複数のホログラムHが多重記録される。よって、再生時において、光ヘッドによるホログラムの探索にマークMを利用することにより、ホログラムの探索が容易となるので、イメージ情報の再生の高速化が可能となる。
【0031】
また、位置決め用マークMは、レーザ光Lの入射方向から見て、ホログラムHが記録される箇所と異なる箇所に配置されている。別の表現を用いれば、マークMは、レーザ光Lが光ディスク1に入射する方向から見て、記録領域に記録されるホログラムHと重なるのを避ける位置に配置されている。マークMはピットなので、マークMの箇所はホログラムHが記録される箇所に比べて凹んでいる。このため、マークMがホログラムHに重なると、上記凹みが原因で再生するイメージ情報の像に歪みが発生する可能性がある。これに対して、第1実施形態では、マークMがホログラムHと重なるのを避けているので、上記歪みを防止できる。
【0032】
また、第1実施形態によれば、位置決め用マークMのピッチpはホログラムHのピッチPと同じなので、各ホログラムHにマークMを割り当てることができる。これにより、各ホログラムHの探索がスムーズとなり、イメージ情報の再生の高速化を実現できる。
【0033】
また、第1実施形態は、多重記録された複数のホログラムHを挟むように両側にマークMを配置し、一対のマークM(例えばマークM1,M1)を、一つのホログラムHの位置決めに利用しているので、探索の基準が二つになる。これに対して、上記両側のいずれか一方側にのみマークMを配置した場合、探索の基準は一つになる。よって、第1実施形態によれば、探索の基準が二つなので、ホログラムの探索がさらに容易となる。なお、本発明にはマークMを上記両側のいずれか一方側にのみ配置した態様も含まれる。また、プリフォーマット領域におけるピット15は上記両側の中央に配置されているが、上記両側のうち一方側に配置してもよい。
【0034】
次に、光ディスク1の製造方法の一例について図4を用いて簡単に説明する。
図4は図2(A)の断面と対応する模式的断面図である。まず、図4(A)に示すように、ポリカーボネートなどの樹脂を用いて射出成形により、ピット15およびマークMとなるピット付きの第1基板7を作製する。第1基板7のピットが形成された面に、蒸着やスパッタリングなどによってアルミニウムからなる反射層9を形成する。
【0035】
図4(B)に示すように、ホログラム記録材料19を第1基板7上に塗布する。第2基板13を第1基板7に押し付けて、第1基板7と第2基板13の間の隙間にホログラム記録材料19を薄く伸ばして充填する。これにより、図2に示すホログラム記録材料19からなる記録層11が形成され、光ディスク1が完成する。
【0036】
本発明に係る光ディスクは、上述した第1実施形態に限定されるものではなく、以下に説明する第2〜第5実施形態がある。以下、これらの実施形態について第1実施形態との相違を中心に説明する。図5は第2実施形態に係る光ディスクに備えられる記録領域の拡大平面図である。図3(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第2実施形態は、マークMのピッチPを、記録領域に記録される複数のホログラムHのピッチpの三倍にしている。このため三つの連続するホログラムHに対して一対のマークMが割り当てられる。例えば、ホログラムH1,H2,H3に一対のマークM1,M1が割り当てられる。第2実施形態によれば、記録領域に配置するマークMの数を減らすことができる。よって、マークMが原因となるレーザ光Lの乱反射を少なくできるので、ノイズを低減することができる。なお、マークMのピッチPは、ホログラムHのピッチpの三倍に限定されず、1より大きい整数倍であればよい。
【0037】
第3実施形態について説明する。図6は第3実施形態に係る光ディスクに備えられるプリフォーマット領域および記録領域の拡大平面図であり、(A)は記録前を示し、(B)は記録後を示している。図3(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第3実施形態は、記録領域にホログラムHを記録すると、マークMがホログラムHで覆われる位置にマークMを設けている。言い換えれば、マークMは、レーザ光Lが光ディスクに入射する方向から見て、記録領域に記録される各ホログラムHと重なる位置に配置されている。よって、第3実施形態によれば、マークMを記録領域に配置するために記録領域の幅W、つまり記録領域の面積を広げる必要がない。したがって、記憶領域にマークMを配置しても、光ディスクの記憶容量を維持することができる。なお、マークMの箇所は凹部なので、マークMとホログラムHとが重なると、再生したイメージ情報の像に歪みが発生する可能性がある。これを防止するため、マークMの箇所に樹脂などからなる部材を埋め込み平坦化してもよい。
【0038】
なお、第1〜第3実施形態において、図2に示す第2基板13の表面21や裏面23にマークMを印刷してもよい。
【0039】
第4実施形態について、図7を用いて説明する。図7において、図3(A),(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。図7(A)は、第4実施形態に係る光ディスクに備えられる記録領域の拡大断面図である。いわゆる反射型方式によりホログラムHを記録している状態を示している。なお、第1〜第3実施形態も反射型方式でホログラムを記録している。図7(B)は、図7(A)のB−B線に沿った平面図である。記録領域に複数のホログラムHが多重記録されている。一方、図7(C)は、図7(A)のC−C線に沿った平面図であり、位置決め用マークMを示している。Sは記録層11を露光するレーザ光Lのビームスポットの位置を示している。例えば、ホログラムH1を記録するときのレーザ光LのビームスポットはS1である。図7(B)の位置におけるホログラムHの直径は、例えば、200〜3000μmであり、図7(C)の位置におけるそれの直径は、例えば、1〜50μmである。
【0040】
第4実施形態では、レーザLの照射方向からみてホログラムHと重なる位置であって、ホログラムHを記録するために記録層11を露光するレーザ光Lの光路を避ける位置に、マークMが形成されている。体積ホログラムの形状は、頂点が反射層9側に向いた円錐形である。このため、記録層11の第2基板13側ではホログラムHが重なり合っているが、反射層9側ではホログラムHが形成されていない領域が広く残っている。第4実施形態では、上記領域にマークMを配置することにより、上記領域の有効利用を図るものである。これにより、記録密度を低下させることなく、マークMを記録領域に配置できる。また、マークMは、レーザ光Lの光路を避ける位置に形成されているので、マークMによりレーザ光Lが反射や屈折することはない。したがって、マークMがノイズの原因になることはない。以上のように、第4実施形態によれば、マークMを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置できる。
【0041】
なお、マークMの機能は、ホログラムの位置決めに限らない。これを図8で説明する。図8は、図7(C)と同様の平面図である。マークMであるピットにより、プリフォーマット領域に記録する情報(サーボ情報、セクターマークやトラックのアドレス情報など)が光ディスク1の製造時に予め記録されている。これによれば、図1に示すプリフォーマット領域が不要となり、光ディスク1の記録容量をさらに増大させることができる。
【0042】
第5実施形態について、図9を用いて説明する。この図において、図3(A),(B)中の符号が示す要素と同一要素については同一符号を付すことにより説明を省略する。第5実施形態が第4実施形態と異なる点は、いわゆる透過型方式により、ホログラムHを記録する点である。図9(A)〜(C)は、それぞれ図7(A)〜(C)と対応している。図9において、ホログラムHを形成するためのレーザ光のスポットSの位置は、例えば、ホログラムH1で説明すると、一対のスポットS1である。一方のスポットS1は情報光LIのものであり、他方のスポットS1は記録用参照光LRのものである。
【0043】
第5実施形態も第4実施形態と同様に、反射層9側のホログラムHが形成されていない領域に位置決め用マークMを配置することにより、上記領域の有効利用を図るものである。よって、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように、マークMを記録領域に配置できる。
【0044】
第1〜第5実施形態において、ピットをマークMにしているので、マークMの箇所は凹部になっているが、マークMを凸部で表してもよい。さらに、光ディスクは記憶領域が円盤状であればよく、光ディスクの外形には無関係である。例えば、三角形、四角形や六角形等であり、大きさが名刺程度のカード形状に円盤状の記録領域を有する光ディスクについても第1〜第5実施形態を適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る第1の光情報記録媒体によれば、記録領域に記録された複数のホログラムの探索が容易となるので、再生の高速化を実現できる。
【0046】
本発明に係る第2の光情報記録媒体によれば、レーザ光が光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために記録層を露光するレーザ光の光路を避ける位置に、マークが形成されている。このため、記録や再生に利用されるマークを、記録密度を低下させることなくかつノイズの原因とならないように配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光ディスクの平面図である。
【図2】図1の光ディスクの一部を拡大した図である。
【図3】図1の光ディスクにおいて記録再生を説明するための図である。
【図4】図1の光ディスクを製造する方法の一例の工程図である。
【図5】第2実施形態に係る光ディスクの記録領域の拡大平面図である。
【図6】第3実施形態に係る光ディスクに備えられるプリフォーマット領域および記録領域の拡大平面図である。
【図7】第4実施形態に係る光ディスクを説明するための図である。
【図8】第4実施形態に係る光ディスクに備えられるマークの変形例の平面図である。
【図9】第5実施形態に係る光ディスクを説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・光ディスク、3・・・中心穴、5・・・トラック、7・・・第1基板、9・・・反射層、11・・・記録層、13・・・第2基板、15・・・ピット、17・・・レンズ、19・・・ホログラム記録材料、21・・・表面、23・・・裏面、H・・・ホログラム、M・・・マーク、S・・・スポット
Claims (9)
- レーザ光により情報をホログラムとして記録する記録領域を備えた光情報記録媒体において、
前記記録領域が、この領域に記録される複数のホログラムの位置決め用マークを有することを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記位置決め用マークは、レーザ光が前記光情報記録媒体に入射する方向から見て、前記記録領域に記録されるホログラムと重なるのを避ける位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記位置決め用マークは、レーザ光が前記光情報記録媒体に入射する方向から見て、前記記録領域に記録されるホログラムと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記記録領域に記録される複数のホログラムのピッチと同じピッチで、複数の前記位置決め用マークが前記記録領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
- 前記記録領域に記録される複数のホログラムのピッチに対して、1より大きい整数倍のピッチで複数の前記位置決め用マークが前記記録領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
- 前記記録領域に記録される各ホログラムの位置決めに利用される一対の前記位置決め用マークが前記記録領域に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光情報記録媒体。
- 集束されたレーザ光で記録層を露光することにより前記記録層にホログラムが記録され、前記記録層に複数のホログラムが多重記録される光情報記録媒体において、
レーザ光が前記光情報記録媒体に入射する方向から見てホログラムと重なる位置であって、ホログラムを記録するために前記記録層を露光するレーザ光の光路を避ける位置に、マークが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記マークは、ホログラムの位置決め用であることを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体。
- 前記マークによりプリフォーマットを施すことを特徴とする請求項7または8記載の光情報記録媒体。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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