JP2512042B2 - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JP2512042B2
JP2512042B2 JP62309804A JP30980487A JP2512042B2 JP 2512042 B2 JP2512042 B2 JP 2512042B2 JP 62309804 A JP62309804 A JP 62309804A JP 30980487 A JP30980487 A JP 30980487A JP 2512042 B2 JP2512042 B2 JP 2512042B2
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秀晃 望月
彰勇 伊藤
晃 磯見
▲吉▼彦 中谷
徹 田村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光記録媒体および光記録方法に関する。
従来の技術 コンパクトディスクはLPレコードに較べると、音響,
取扱易さ,信頼性に優れており、プレーヤーの低価格化
に伴って目ざましい伸びを示している。また、CDの持つ
アクセス機能を利用して、これをディジタルデータの外
部メモリーとして利用するCD−ROMも、大容量性と経済
性,信頼性のゆえに発展が期待されている。ところで、
これらのコンパクトディスクを製造するためには従来、
高価な製造装置を用いてしか製作できないニッケルスタ
ンパーが各ソフト毎に必要であった。(ここでいうソフ
トとは音楽用ソフト,ゲームソフト,ビジネスソフト全
般を指す。)このニッケルスタンパーの製作に高額の費
用を必要とすることと、製作装置が極めて高精度で大が
かりなものであるため、同一ソフトのディスクを数枚と
か数十枚だけ、手軽に製作するというわけには行かなか
った。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、前記したニッケルスタンパーおよびスタン
パー製造装置を各ソフト毎に必要としないで、従来市販
のコンパクトディスクプレーヤで再生できる光ディスク
を簡便に製造可能ならしめようとするもので有り、これ
によりソフト生産のフレキシビリティーが飛躍的に高ま
るとともに小量生産時の低コスト化も実現できる。
問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するため本発明の光記録媒体は透
明基板上に光記録層を有しさらにその上に反射層を有す
る光記録媒体で、前記光記録層が記録に用いるレーザー
光の照射により光学的な性質の変化として信号が記録さ
れ、前記記録部が記録層の透明化処理後もレーザー光に
対して前記光学的性質の変化を保持してなることを特徴
とし、かかる光記録媒体を用い、予めトラッキングサー
ボのための案内溝を形成した透明基板上に光記録層を形
成し、その上から反射層を形成した光記録媒体上に、レ
ーザー光を照射することで前記光記録層に光学的性質の
変化を生ぜしめる光記録過程と、前記光記録層を透明化
する過程と、レーザー光を照射して既記録部と透明化さ
れた未記録部との反射光量の差として信号を再生できる
再生過程とからなる光記録方法による。
作用 本発明の光記録媒体の一構成要素である透明基板は、
表面にトラッキングサーボのための案内溝が形成されて
おり、透明基板と光記録層との界面での記録光の一部の
反射を利用して案内溝でトラッキングしながら信号を記
録していく。記録時に生じた光学的性質の変化は光記録
層の透明化後も保持されるため、透明化後の再生光の照
射にさいしては信号記録部と未記録部との反射光量の差
として信号を再生できる。この時、記録層上での光のス
ポット径が0.5−1.5μmとなるように光学系を調整し、
かつ記録により形成される空隙の幅が1.6μmを越えな
いように記録条件を設定し、さらに、透明基板側から入
射した再生用レーザー光の反射率が70%以上になるよう
にすることで従来市販のコンパクトディスクプレーヤー
での再生が可能となる。
実施例 以下本発明の一実施例について図面を用いて具体的に
説明する。
第1図および第2図に本発明の実施例を図示した。す
なわち、本発明の光記録媒体は、透明基板1と記録層
2、反射層3とからなっている。反射層3の上からさら
に保護層を形成することも可能である。信号を記録する
前の状態では、記録層2は記録に用いる光を吸収する性
質を持っており、同時に記録光の一部を反射する性質も
有していることが必要である。このような記録層につい
ては記録層2と透明基板1との界面に光の焦点が結ばれ
るので、透明基板1上に形成されたトラッキングサーボ
のための案内基板1上に形成されたトラッキングサーボ
のための案内溝が有効に作用し、記録光は案内溝に沿っ
て走査される。この時の案内溝の形状は記録光に依存す
るが、溝深さは記録光の波長の1/4から1/8程度であるこ
とが好ましい。また溝の幅は、波長と同じか、その1/2
程度までの範囲であることが好ましい。透明基板の材料
としては、記録および再生に用いる光に対して透明であ
ることが必要で、ガラスやポリカーボネイト,ポリメチ
ルメタクリレイト,ポリイミド,ポリメチルペンテンな
どの各種透明プラスティックを用いることができる。透
明基板として透明プラスティックを使用する場合には、
記録膜形成時の基板の損傷を防ぐため透明保護層を透明
基板1と記録層2の間に形成しても良い。透明基板上の
案内溝は射出成形により作っても良いし、平滑な透明基
板上に光硬化性樹脂を用いて形成しても良い。透明基板
1上への記録層2の形成方法としては、記録層の材料に
よって、真空蒸着法,溶液塗布法が選ばれる。溶液塗布
法の中では、回転塗布,浸漬塗布,ウエッブコート等が
適している。記録層を透明化する方法としては、加熱,
光酸化,化学反応などいくつかの方法が考えられるが、
本発明の光記録媒体においては、記録層2が表面に露出
しておらず、また基板として熱に弱いプラスティックを
使用することとも考え併せて、光酸化による透明化が最
も適している。故に、光記録層の材料としては、光退色
性を示す有機色素材料が適しており、具体的にはシアニ
ン色素,スクアリリウム色素,ピリリリウム色素等があ
り、中でもシアニン色素が最適である。退色性の有機色
素は単独で記録層として用いても良いし、透明な樹脂な
どのバインダー中に分散して用いても良い。記録層上に
反射層3を形成する。反射層3自体は再生光を80%以上
反射することが必要で、金,白金,銀,アルミニウム,
インジウム,銅の中から一種もしくはそれらの合金を真
空蒸着もしくはスパッタリングして形成するのがよい。
記録層2と反射層3との界面の凹凸が再生光の波長の1/
3以下あると再生時のトラッキングに不都合が生じ易く
なるので、1/3以下とせねばならない。光記録媒体を構
成する各層の厚さについては次に記す。まず、記録層2
の厚さは20ナノメーター(nm)から1000nmが適してお
り、この範囲以下では信号の検出が困難であり、この範
囲を越えるとクロストークが大きくなってしまう。反射
層3の厚さは用いる材料により異なるが、反射率が80%
以上となるような膜厚が有れば良い。次に、本発明の記
録媒体の記録と再生の機構について説明する。本発明の
光記録媒体は、記録時には記録層2と透明基板1との界
面で光が反射するため透明基板1上に形成された案内溝
に沿って記録光が走査される。記録光が照射された部分
では記録層が光を吸収して発熱し、この結果分解が生じ
る。この発熱分解により記録層2に空隙5が形成され
る。記録が終了したのち透明基板1の側から光を照射し
て記録層2を透明化する。透明となった後は再生光は殆
どすべて反射層3で反射する。この状態は第3図にモデ
ル的に示すように、反射層3から僅かに浮き上がった状
態で空隙5が形成されたようになっている。ここに再生
光6が照射されると、再生光6にとってはほぼ均質な屈
折率の媒体の中で、屈折率の不連続な部分として空隙5
が検出されることになる。つまり、反射される光量が空
隙部では減少する結果となる。このため再生光6は記録
された空隙5に沿ってトラッキングできるようになり、
記録された信号が再生できる。こうして全体として再生
光の70%以上が反射されるという高い反射率をもつ信号
記録板が完成される。さて、ここで再生に用いるレーザ
ーは、市販のコンパクトディスクプレーヤーに使われて
いるものと同じく波長は、770nmから840nmであり、一
方、記録に用いるレーザーは再生用レーザーと同一波長
であってもよいが、同一波長に限定するものではない。
記録によって形成される空隙の大きさは、各構成層の厚
さによって決められる以外に、記録条件にも依存する。
記録条件は記録層の物理的性質に依存するため一意的に
は決められない。本発明の目的とするCDとの互換性確保
のためには、記録される空隙の大きさは0.3μm以上1.6
μm以下で有ることが必要である。
実施例1 幅0.8μm、深さ90nmのトラッキングサーボ用の溝が
1.6μmピッチでスパイラル状に表面に形成された直径1
2cm、厚さ1.2mmのガラス板上に、色素(1)のクスロホ
ルム溶液を300nmの厚さに塗布した。
その上にアルミニウムを50nm真空蒸着した。案内溝で
トラッキングサーボをかけながら780nmの半導体レーザ
ーを色素上に照射して、案内溝中に周波数500KHzの単一
記号と変調信号とを記録した。記録は透明基板側からの
光照射によって行い、記録条件は、出力2.8mW、線速1.3
m/sで、NA0.5の対物レンズを使用し、また周波数のデュ
ーティ比は50/50とした。記録されたディスクにキセノ
ンランプの光を照射し、5時間かけて記録層を透明化し
た。透明化後の透明基板側からの780nmから830nmの波長
での光の反射率は80%以上であった。記録した500KHzの
単一信号の再生CNとして43dBが得られた。また、こうし
て製作した光ディスクは市販のコンパクトディスクプレ
ーヤで再生することができた。
実施例2−4 幅0.6μm、深さ90nmのトラッキングサーボ用の溝が
1.6μmピッチでスパイラル状に表面に形成された直径1
2cm、厚さ1.2mmのポリカーボネイト板上に、SiO2を20nm
真空蒸着し、この後色素(2)および(3)および
(4)のクロロホルム溶液を用い、各々250nmの厚さに
塗布した。
色素(4):CY−9(日本化薬製) その上にアルミニウムを50nm真空蒸着した。案内溝で
トラッキングサーボをかけながら830nmの半導体レーザ
ーを色素上に照射して、周波数500KHzの単一信号と変調
信号とを案内溝中に記録した。記録は透明基板側からの
光照射によって行い、記録条件は、出力3.5mW、線速1.3
m/sで、NA0.5の対物レンズを使用し、また周波数のデュ
ーティ比は50/50とした。記録されたディスクにキセノ
ンランプの光を照射し、実施例1と同じく5時間かけて
記録層を透明化した。透明化後の透明基板側からの780n
mから830nmの波長での光の反射率は色素(2)を用いた
実施例2、色素(3)を用いた実施例3、および色素
(4)を用いた実施例4ともに80%以上であった。記録
した500KHzの単一信号の再生CNとして実施例2,3,4各々
について42dB,43dB,42dBが得られた。また、こうして製
作した光ディスクはいずれも市販のコンパクトディスク
プレーヤで再生することができた。
比較例1 実施例4で用いたSiO2層つきのポリカーボネイト基板
上に同じく実施例4で用いた色素4を1500nmの厚さに塗
布し、この上に、アルミニウムを50nm真空蒸着した。案
内溝でトラッキングサーボをかけながら830nmの半導体
レーザーを色素上に照射して、周波数500KHzの単一信号
と変調信号とを案内溝中に記録した。記録は透明基板側
からの光照射によって行い、記録条件は、出力3.5mW、
線速1.3m/sで、NA0.5の対物レンズを使用し、また周波
数のデューティ比は50/50とした。記録されたディスク
にキセノンランプの光を照射し、実施例1と同じく5時
間かけて記録層を透明化した。透明化後の透明基板側か
らの780nmから830nmの波長での光の反射率は50%であっ
た。記録した500KHzの単一信号および変調信号の何れに
ついてもトラッキングサーボ用をかけることができず、
したがって信号の再生もできなかった。これは、記録に
より形成された空隙が反射層から遠くなりすぎたためで
ある。
比較例2 実施例4で用いたSiO2層つきのポリカーボネイト基板
上に同じく実施例4で用いた色素4を350nmの厚さに塗
布し、この上に、アルミニウムを50nm真空蒸着した。案
内溝でトラッキングサーボをかけながら830nmの半導体
レーザーを色素上に照射して、周波数500KHzの単一記号
と変調信号とを案内溝中に記録した。記録は透明基板側
からの光照射によって行い、記録条件は、出力10mW、線
速1.3m/sで、NA0.5の対物レンズを使用し、また周波数
のデューティ比は50/50とした。記録されたディスクに
キセノンランプの光を照射し、実施例1と同じく5時間
かけて記録層を透明化した。透明化後の透明基板側から
の780nmから830nmの波長での光の反射率は80%以上であ
った。記録した500KHzの単一信号および変調信号の何れ
についてもトラッキングサーボをかけることができず、
したがって信号の再生もできなかった。これは、記録に
より形成された空隙が大きくなりすぎたためトラッキン
グサーボがかからなかったためである。
以上、本発明をコンパクトディスクに適用して説明し
てきたが、基板の大きさと記録条件を調整するすること
により、画像情報を記録,再生できることを付記してお
く。
発明の効果 以上の実施例で説明したように、本発明により、CDの
製作に於てこれまで不可欠であった高価なスタンパー製
作工程が不要となるため、同一のソフトのCDやCD−ROM
などの小量生産が安価にかつ手軽にできる。また、予め
反射膜を形成してある光記録媒体に記録する方式である
ため、透明化すればすぐに再生できると言う簡便さを持
っている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光記録媒体の構造を説明する断面図、
第2図は本発明の光記録媒体の斜視図、第3図は本発明
の光記録媒体の再生過程を説明する媒体断面図である。 1……透明基板、2……記録層、3……反射層、4……
案内溝、5……記録による空隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 ▲吉▼彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田村 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−119755(JP,A) 特開 昭61−237239(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に特定の処理により透明化でき
    る光記録層を有し、その上に反射層を有する光記録媒体
    で、前記光記録層が、記録に用いるレーザー光を吸収し
    て光学的な性質の変化として信号が記録され、前記光記
    録層上に形成された光学的性質の変化が、再生に先立つ
    記録層の透明化処理後も保持されることを特徴とする光
    記録媒体。
  2. 【請求項2】記録に用いるレーザー光を照射すること
    で、光記録層に光学的性質の変化の一形態として空隙が
    形成されることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】基板側からの再生光の入射において、再生
    に用いるレーザー光の波長での分光反射率が70%以上で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    光記録媒体。
  4. 【請求項4】透明基板の表面にトラッキングサーボのた
    めの案内溝が形成されていることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】光記録層が特定の処理によって透明化でき
    る有機色素系材料を少なくとも一成分として含有してな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の光
    記録媒体。
  6. 【請求項6】光記録層が光漂白処理によって透明化でき
    る有機色素系材料を少なくとも一成分として含有してな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(5)項記載の光
    記録媒体。
  7. 【請求項7】あらかじめトラッキングサーボのための案
    内溝を形成した透明基板上に光記録層を有し、その上に
    反射層を有する光記録媒体上に、レーザー光を照射する
    ことで前記光記録層に光学的性質の変化を生ぜしめる光
    記録過程と、前記光記録層を透明化する過程と、再生用
    レーザーを照射して前記記録部と透明化された未記録部
    との反射光量の差として信号を再生できる過程からなる
    ことを特徴とする光記録方法。
  8. 【請求項8】光記録過程が、光記録層に記録に用いる光
    を照射することで透明基板と反射層との間の被照射部に
    空隙を生じる形式であることを特徴とする特許請求の範
    囲第(7)項記載の光記録方法。
  9. 【請求項9】再生過程が、透明基板と反射層との間に生
    じた空隙による屈折率の不連続性を利用し反射光量の差
    として信号を検出することを特徴とする特許請求の範囲
    第(7)項記載の光記録方法。
  10. 【請求項10】光記録過程が透明基板表面に形成された
    トラッキングサーボのための案内溝にそって記録光が光
    記録層上を走査しながら記録されることを特徴とする特
    許請求の範囲第(7)項記載の光記録方法。
  11. 【請求項11】光記録層が、特定の処理によって透明化
    できる有機色素系材料を少なくとも一成分として含有し
    てなることを特徴とする特許請求の範囲第(7)項記載
    の光記録方法。
  12. 【請求項12】光記録層が光漂白処理によって透明化で
    きる有機色素系材料を少なくとも一成分として含有して
    なることを特徴とする特許請求の範囲第(11)項記載の
    光記録方法。
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