JP3082143B2 - 光情報記録媒体およびその記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体およびその記録方法

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JP3082143B2
JP3082143B2 JP02311385A JP31138590A JP3082143B2 JP 3082143 B2 JP3082143 B2 JP 3082143B2 JP 02311385 A JP02311385 A JP 02311385A JP 31138590 A JP31138590 A JP 31138590A JP 3082143 B2 JP3082143 B2 JP 3082143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光情報記録媒体およびその記録方法にかかわ
るもので、とくにプリグルーブの部分における膜厚とラ
ンドの部分における膜厚との差にもとづく光学的パラメ
ーターを所定値域に設定することにより、ジッターおよ
びクロストーク等の再生信号特性を改善した光情報記録
媒体およびその記録方法に関するものである。
[従来の技術] この種の光情報記録媒体としては、スパイラル状に案
内溝としてプリグルーブを形成した透光性の基板と、こ
の基板上に設けるとともに有機色素を含む光吸収層と、
この光吸収層の上に設けた光反射層と、さらにこの光反
射層の上に設けた保護層とを有し、情報を光学的に書き
込みおよび読み出し可能で再生信号がCD規格を満足する
光情報記録媒体が公知である。
こうした従来公知の光情報記録媒体のプリグルーブの
形状としては、トラックピッチが1.5〜1.7μm、幅が0.
3〜0.7μm程度、深さが60〜100nm程度である。この光
情報記録媒体に記録パワー6〜9mWのレーザ光を照射し
て基板を約30〜40nmだけ変形させることにより上記プリ
グルーブ部分に光学的ピットを形成し、光情報の記録を
行っていた。
しかして、光情報をある一定条件下で(最適条件下
で)記録後のジッターおよびブロックエラーレート等は
CD規格を満足するのに充分であるが、記録条件によって
はジッターがくなる場合がある。またジッターが低い
ものでも、そのパワーマージン(記録用許容パワー)が
狭くなっている。また当社製品の比較においてクロスト
ークも大きくなっている。なおここで、ジッターとはデ
ィジタル信号の時間軸方向の揺れ、ないしはゆらぎであ
り、クロストークとは隣接するトラックからの信号の影
響を示すパラメータであり、具体的にはトラック部とト
ラック間部(非トラック部)におけるHF信号の振幅の比
で表される。
すなわち、記録光のレーザーパワーはそれぞれの記録
装置により異なるため、使用する記録装置によっては、
ある光情報記録媒体の最適パワーよりも強いパワーで記
録が行われる場合があり、この光情報記録媒体のプリグ
ルーブが浅く形成されているような場合には、記録光に
より形成される光学的ピットがプリグルーブの左右両側
のランドの部分にまで及ぶこととなり、ピット形が不均
一となる結果、再生波形に乱れが生ずる、つまりジッタ
ーが大きくなってしまう。
また、このランド部分にまで及んだ光学的ピットによ
り、記録されるピット深さに対してピットの幅方向に広
がりが生ずるため、再生波形におけるクロストークも大
きくなってしまうという問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は以上のような問題にかんがみてなされたもの
で、光吸収層を用い、記録光により基板等を変形させる
ことによって光情報記録をおこなう光情報記録媒体にお
いて、最適パワーよりも強いパワーで記録を行つても再
生信号を明確に得ることができる光情報記録媒体及びそ
の記録方法を提供することを課題とする。
とくに、CD規格を満足可能な光情報記録媒体におい
て、ジッターを40ns以下にすることができる光情報記録
媒体およびその記録方法を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段] すなわち第一の発明は、一方の主面にプリグルーブを
形成した透光性を有する基板と、この基板上に設けると
ともに、記録光を吸収する光吸収物質を含む光吸収層
と、この光吸収層上に設けた光反射層とを有し、前記光
吸収層に前記記録光を照射することにより情報を記録す
る光情報記録媒体であって、前記光吸収層の複素屈折率
の実数部をnabsとし、前記光吸収層のプリグルーブの
部分における膜厚をdgrとし、前記光吸収層のランドの
部分における膜厚をdlnとし、再生光の波長をλとし、
さらに△C=nabs(dgr−dln)/λとしたときに、
0.15≦△C<0.75とするとともに、前記プリグルーブの
深さの半値幅における該プリグルーブの幅をwsubと
し、前記ランドの部分における前記光吸収層と前記基板
との層界から、前記プリグルーブの部分における該層界
の最底部までの深さをdsubとしたときに、wsub/dsub
≦6.5としたことを特徴とする光情報記録媒体である。
すなわち、プリグルーブ部分の膜厚に対してランド部
分の膜厚を小さくすることにより、ピットの形成箇所の
領域を限定しようとするものである。
なお、上記光吸収層の複素屈折率の虚部をkabsとす
るとともに、その実数部をnabsとし、上記光吸収層の
膜厚をdavとし、再生光の波長をλとし、さらにρ=n
abs・dav/λとしたときに、0.05≦ρ≦1.6、およびk
abs≦0.3とすることができる。
また第二の発明は、上述の第一の発明による光情報記
録媒体を用いて、上記記録光を上記基板側から上記光吸
収層に照射することにより光情報記録を行うことを特徴
とする光情報記録媒体の記録方法である。
つぎに、第1図ないし第5図にもとづき本発明をより
具体的に説明する。
第1図は、本発明による光情報記録媒体1の一部切り
欠き斜視図、第2図は同光情報記録媒体1の記録前の要
部縦断面図、第3図は同光情報記録媒体1の記録後の要
部縦断面図である。
この光情報記録媒体1は透光性の基板2と、この基板
2上に形成した光吸収層3と、この光吸収層3の上に形
成した光反射層4と、この光反射層4の上に形成した保
護層5とを有する。なお、必要に応じて基板2と光吸収
層3との間、および光吸収層3と光反射層4との間には
中間層(図示せず)を設けることもある。
上記基板2には案内溝としてスパイラル状にプリグル
ーブ6を形成してある。このプリグルーブ6の左右に
は、このプリグルーブ6以外の部分すなわちランド7が
位置している。
なお、基板2と光吸収層3とは第一の層界8により互
いに接している。光吸収層3と光反射層4とは第二の層
界9により接している。光反射層4と保護層5とは第三
の層界10により接している。
第3図に示すように、光情報記録媒体1に記録光(記
録用レーザー光)L1を照射したときに、光吸収層3がこ
のレーザー光L1のエネルギーを吸収することにより発熱
し、基板2側に熱変形が生じてピット11を形成してい
る。あるときには、光吸収層3に光学的変化が生ずる場
合もある。
とくに第2図に示すように、プリグルーブ6の左右に
位置するランド7の部分における上記第一の層界8か
ら、プリグルーブ6の部分における第一の層界8の最底
部までの深さをdsubとする。
プリグルーブの幅wsubと深さdsubとの比の値を6.5
以下とし、その深さをより深く、その幅をより狭くする
ことによって、光吸収層3による記録光L1の吸収効果を
め、基板2の変形つまりピット11の形成をより明確に
してある。
なお、上記プリグルーブの深さdsubとは、換言すれ
ば基板の水平面を基準としたときのプリグルーブの最深
部と最頂部との差をいい、プリグルーブの幅wsubとは
この深さdsubに対する半値幅(深さdsubの1/2の深さ
における幅の値)をいうもので、従来のプリグルーブと
は異なりwsub/dsubという比の値を6.5以下として、つ
まりその深さをより深くし、その値をより狭くすること
によって、光吸収層による記録光の吸収効果をめ、基
板の変形つまりピットの形成をより明確にしようとする
ものである。
上記ランド7の部分のおける上記第二の層界9から、
プリグルーブ6の部分における第二の層界9の最底部の
深さ(ランド7の部分における光吸収層3の表面から、
プリグルーブ6の部分における該表面の最底部の深さ)
をdabsとする。
光吸収層3の複素屈折率の虚部をkabsとするととも
に、その実数部をnabsとする。
光吸収層3の平均膜厚をdavとする。なお、ここで平
均膜厚davとは、(光吸収層3の体積)/(光吸収層3
が形成された領域の面積)により表される。
光吸収層3のプリグルーブ6の部分における膜厚をd
grとする。
光吸収層3のランド7の部分における膜厚をdlnとす
る。
また、再生光(再生用レーザー光)L2の波長をλとす
る。
本発明においては、上記光吸収層3の複素屈折率の実
数部nabs、光吸収層3のプリグルーブ6の部分におけ
る膜厚dgr、ランド7の部分における膜厚dln、および
再生光(再生用レーザー光)L2の波長λによって定義さ
れる光学的パラメータΔCを、 ΔC=nabs(dgr−dln)/λとすれば、 0.15≦△C<0.75 とするものである。
すなわち、プリグルーブ6部分の膜厚dgrとランド7
部分の膜厚dlnとの差を従来よりも大きくすることと
し、プリグルーブ6部分が光を多く吸収することができ
るようにした。したがって、基板2の変形ないしは色素
の分解等によってプリグルーブ6の部分にはピット11が
形成され易い。一方、ランド7部分はその膜厚がプリグ
ルーブ6の部分より薄いため光をあまり吸収せず、かつ
一般には金(Au)その他の金属材料による光反射層4
に、プリグルーブ6の底部より近接していて、わずかに
吸収した熱をこの光反射層4を介して放熱し易いために
ピット11が形成されにくい。すなわち、ピット11がラン
ド7部分にまで広がらず、プリグルーブ6に限定してピ
ット11を形成することができる。
また、最適パワーよりも強いパワーで記録した場合で
あっても、余分な熱は光吸収層3から光反射層4に放射
されることになるが、ランド7部分はプリグルーブ6部
分より膜厚が薄いため、上述のように、ランド7部分で
は放熱の割合が比較的高く、ランド7部分にまでピット
11が及ぶことを防止することができる。
さらには、当該ピット11はプリグルーブ6部分の膜厚
dgrと、ランド7部分の膜厚dlnとの差に対して光吸収
層3の複素屈折率の積として規定しているため、光吸収
層3の記録前の複素屈折率が大きくなればなるほど、記
録後、再生時の回析光の回析角が広がり、理想的なピッ
ト11を形成することができる。
とくに、上述の ΔC=nabs(dgr−dln)/λ、 0.15≦△C<0.75 の関係を満足させることによって、記録光のレーザーパ
ワーが最適パワーより強くても、CD規格に規定するジッ
ターを40ns以下にすることができる。さらには、CD規格
に規定する変調度、プッシュプルおよびクロストーク等
もこれらを良好なものとすることができる。
すなわち、ΔCが0.75以上であるときには、ランド7
部分とプリグルーブ6との間の光学的位相差が大きくな
りすぎるため、ジッターを40ns以下にすることができ
ず、変調度もこれを大きくすることが困難となる。また
半径方向でのコントラストが大きくなるために、トラッ
キングが困難になり、以下に説明する光学的パラメータ
ーρ=nsbs・dav/λを所定範囲の値にしたとして
も、プリグルーブ6内での反射率を70%以上にすること
が困難になってしまう。
なお検討の結果、ΔCは製造上の理由(膜厚差が大き
くなり、バラツキが生じやすい)、あるいは反射率を
くするため、0.4以下が望ましい。
△Cが0.15より小さいときには、ランド7部分とプリ
グルーブ6との間の膜厚の差が小さくなるために、プリ
グルーブ6に記録しても、ランブ7部分にまでピット11
が広がり易く、クロストークおよびジッターが大きく、
パワーウィンドウ(パワーマージン)が狭いものとなっ
てしまう。
△Cを0.15以上とすることにより、ジッターを良好な
ものとすることができる。具体的には、ジッターを30ns
以下にすることができる。
つぎに、ρ=nsbs・dav/λにより定義される光学
的パラメーターについて説明する。
本発明者らによる実験およびシュミレーションの結果
から、光吸収層3の膜厚に関するこのρ=nsbs・dav
/λが非常に重要なパラメータであることに着目した。
すなわち、基板2上に光吸収層3および光反射層4を
設けた構成を有する光情報記録媒体1において、CD規格
に規定している反射率が70%以上、かつ再生信号におけ
る変調振幅の変調度として示されるI 11/I topが0.6以
上(ただし、「I top」は、CDの再生信号における最大
反射光量であり、「I 11」は、記録された最長ピットに
より回折されて対物レンズに返ってくる反射光量と、非
ピット部により反射されて対物レンズに返ってくる反射
光量との差に対応する光学的変調成分である)、および
変調度I 3/I topが0.3〜0.7という出力信号(ただし「I
3」は、記録された最短ピットにより回折されて対物レ
ンズに返ってくる反射光量と、非ピット部により反射さ
れて対物レンズに返ってくる反射光量との差に対応する
光学的変調成分である)を得るためには、光吸収層3の
複素屈折率の実数部nabsと、プリグルーブ6部分の膜
厚dgrとランド7部分の膜厚dlnとの平均の膜厚ないし
はその平均膜厚davと、再生光の波長λとで与えられる
ρ=nsbs・dav/λを0.05≦ρ≦1.6の範囲内に設定す
ることにより、容易に反射率をCD規格に適合する反射率
70%以上とすることができることがわかっている。
上記ρが0.05よりも小さい場合には、光吸収層3の膜
厚davを相当薄くしなければならないため、製造上実用
的ではない。
したがって、0.05≦ρ≦0.6の範囲においては、0.30
≦ρ≦0.6の範囲が実用的であり、十分な変調度を取る
ためには、0.1以上の範囲が望ましく、変調度の大きい
安定した記録特性を得るためには0.45±0.1の範囲が最
も望ましい範囲であるということができる。
さらに、第4図に示すようにρが0.6以上の範囲であ
っても、グラフ上でのピーク点であれば、反射率が70%
を越えることが可能である。
0.6<ρ<1.6の範囲においては、ピーク点は2点あ
り、常に0.6<ρ<1.10の範囲と、1.10<ρ<1.6の範囲
とにあり、それらのピーク点においてい反射率を得る
ことができることがわかっている。
ρ>1.6の時には膜厚が厚くなるために、膜厚の制御
が困難になり、製造上実用的ではない。
このρと反射率との関係を示すグラフは、指数関数と
周期関数との組み合わされた関数として表され、ρが大
きくなるにしたがって周期関数の振幅が大きくなる。
こうした周期関数の振幅は、光情報記録媒体1を構成
する層の複素屈折率、膜厚、それらの均質性等をパラメ
ーターとして変化する。たとえば、光吸収層3から光が
入射する側にある層の屈折率が小さいと、反射率はグラ
フ全体として反射率がくなる方向にシフトする等であ
る。
また、このグラフは光吸収層3の複素屈折率の虚部k
abs、およびdavをパラメーターとする指数関数で表さ
れ、第5図に示すようにkabsが大きくなるほどグラフ
全体の反射率の減衰が大きくなるということもわかって
いる。
光吸収層3が均質であり、その複素屈折率の実部nab
s、膜厚davに不均一な分布がない限り、上記グラフの
ピークを示す点の周期には変化がないことが本発明者ら
のシミュレーションによりわかっている。
なお、条件により、第4図におけるグラフのボトム点
の反射率についても、上記パラメーター条件を制御する
ことによりこれをくすることが可能であるが、ρをボ
トム点付近に設定した場合には、変調度を大きく取るこ
とが困難であり、ある場合には、記録前よりも反射率が
上昇してしまう場合も生じる。したがって、ρはピーク
点付近に設定することが望ましい。
上記kabsについても言及する。
い反射率を得るためにはこのkabsが0.3以下である
ことが必要である。
なお本発明者らは、kabsの数値設定が重要なパラメ
ーターであることを見い出している。すなわちこのkab
sが0.3以下であれば、0に近くなるほど反射率は向上す
る。したがって、この範囲が最も望ましい。しかし0に
近づくほど記録感度が悪くなるため、0より大きいこと
が必要である。具体的には、0.01以上の範囲が望まし
く、実際には0.05前後が望ましい。
上記ρが0.05〜0.6の範囲においては同層の複素屈折
率の虚部kabsは0.3以下であることが望ましい。またρ
が0.6〜1.6の範囲においては、kabsは0.2以下であるこ
とが望ましい。
つぎに、各層の材質ないし物性等について説明する。
まず、透光性の基板2は、レーザー光に対する屈折率
が1.4〜1.6の範囲内の透明度のい材料で、耐衝撃性に
優れた主として樹脂により形成したもの、たとえばガラ
ス板、アクリル板、エポキシ板等を用いる。なお、ポリ
カーボネート等の樹脂を射出成形により成形することが
望ましい。また基板2上に他の層、たとえばSiO2等の耐
溶剤層やエンハンス層をコーテイングしておいてもよ
い。
これらの材料を射出成型法等の手段により成型する。
基板2の厚さは、CD規格に準拠するように、1.1mm〜1.5
mmが望ましい。
こうした基板2の光吸収層3側の表面に形成するトラ
ッキングガイド手段としては、スパイラル状に形成した
前記プリグルーブ6(第2図、第3図)が望ましい。プ
リグルーブ6は、データ信号を記録するときのトラッキ
ングをガイドするために用いられる。こうしたプリグル
ーブ6はスパイラル状に限らず、蛇行していてもよい。
プリグルーブ6とこれに隣合うプリグルーブ6との間
の間隔いわゆるトラックピッチは1.6μmが望ましい。
つぎに、前記光吸収層3はこうした基板2のトラッキ
ングガイド手段の上に形成した光吸収性の物質からなる
層で、レーザーを照射することにより、発熱、溶融、昇
華、変形または変性をともなう層である。この光吸収層
3はたとえばシアニン色素等の光吸収性の有機色素含有
層であることが望ましい。すなわちたとえば溶剤により
溶解したシアニン系色素等を、スピンコート法等の手段
により、基板2の表面に一様にコーテイングすることに
よってこれを形成する。
つぎに、前記光反射層4は必要に応じて形成するもの
で、金属膜であり、たとえば、金、銀、銅、アルミニウ
ム、あるいあこれらを含む合金を、蒸着法、スパッタ法
等の手段によりこれを形成する。反射率70%以上を有す
ることが必要なため、これらの中でも、金または金を含
む合金を主体とする金属膜が望ましい。
また、光反射層4の酸化を防止するため、光反射層4
の上に耐酸化層等の他の層を設けてもよい。
つぎに、前記保護層5は同じく必要に応じて形成する
もので、基板2と同様の耐衝撃性に優れた樹脂によりこ
れを形成する。たとえば、紫外線硬化樹脂をスピンコー
ト法により塗布し、これに紫外線を照射して硬化させる
ことによりこれを形成する。このほか、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、シリコーン系ハードコート樹脂等を使用
することもある。
[作用] 本発明による光情報記録媒体は公知の光情報記録装置
によって記録を行うことができる。光情報記録装置のレ
ーザー照射手段すなわちピックアップを設けた側に透光
性の基板2の表面が面するように光情報記録媒体1を配
置する。この光情報記録媒体1をスピンドルモータによ
り回転させながら、CD規格に準拠した信号に変調された
レーザースポットを、前記トラッキングガイド手段にし
たがってトラッキングしながら、ピックアップにより光
情報記録媒体1の基板2側から光吸収層3に照射するこ
とによって、光吸収層が熱を発生し、その熱により基板
2を変形させ、これによりピット11を形成する。
なお記録にあたっては、波長λが780nm付近のレーザ
ースポットを照射することが望ましい。またCD規格との
関連から、線速度は1.2〜1.4m/secである必要があり、
記録パワーは6〜9mW程度でよい。
本発明においては、プリグルーブ6の部分における膜
厚dgrと、ランド7の部分における膜厚dlnとの差に関
係する光学的パラメータΔCに値を0.15〜0.75とした。
つまり基板2の変形ないしは光吸収層3の色素の分解等
によりピット11が形成されるプリグルーブ6内ではその
膜厚が大きく、左右のランド7部分では膜厚が小さくな
っている。したがって、狭くかつ深いプリグルーブ6内
に光吸収性の材料を多く収容することとなり、最適パワ
ーよりも強いパワーで記録が行われても余分の熱はプリ
グルーブ6内の光吸収層3に吸収され、ランド7部分に
までピット11が及ぶことを防止することができる。かく
して吸収した熱がここに閉じこめられ、エッジの良いき
れいなピット11を作ることができる。すなわち、光吸収
層3の記録用レーザー光L1の吸収にもとづく熱が外部に
拡散する割合を抑えられてプリグルーブ6内に閉じめら
れ、基板2表面に明瞭な変形部(ピット11)を形成する
ことができる。
しかして、光吸収層3の膜厚は厚いほど概して感度
であるため、プリグルーブ6内はランド7内より感度
となる。したがって、記録されたピット11はプリグルー
ブ6の幅より広い領域に広がりにくく、基板2表面に明
瞭で大きな変形部を形成することが容易となり、物理的
にプリグルーブ6に直行する方向(光情報記録媒体1の
半径方向、ないしはプリグルーブ6の幅方向)が仕切ら
れるため、ピット11の幅が広がらず、再生信号における
クロストークおよびジッターの原因を制御可能となり、
これらの値を小さくすることができる。
さらには、本発明による光情報記録媒体1のピット11
は、そのピットの深さとピット幅との比が大きいために
再生時の回折光(読取りレーザー光)の回折角が広が
り、記録後のプッシュプルが小さく、変調度が大きく
て、ジッターの少ない理想的なピット11が形成される。
なおまた屈折率nabsが大きな場合には、ピット11の光
学的形状を良好なものとすることができる。
とくにCD規格を満足する再生信号を得ることができる
光情報記録媒体においてwsub/dsub≦6.5の関係を満足
させることにより、ジッターを30nm以下にすることがで
き、CD規格を満足する光情報記録媒体においては、通常
のCDプレーヤーにより安定した再生性を確保することが
可能である(第6図参照)。さらに、CD規格に規定する
クロストークも良好なものとすることができる。
さらに、光吸収層3の膜厚に関するパラメーターρ=
nabs・dav/λを0.05〜1.6の範囲にするとともに、光
吸収層の複素屈折率の虚部kabsを0.3以下とすることに
より、CD規格を満足しかつブロックエラーレートおよび
ジッターの低い光情報記録媒体とすることができる。
[実施例] つぎに本発明による光情報記録媒体についてその実施
例を以下に説明する。
(実施例1) 幅wsubが390nm、ならびに深さdsubが130nmのスパイ
ラル状のプリグルーブを形成した円板状のポリカーボネ
ート製基板上に、第7図に示すシアニン色素No.1を30重
量部、第8図に示すシアニン色素No.2を50重量部、そし
て4−ニトロソ−4′−ヨードジフエニルアミンを20重
量部をジアセトンアルコールに溶解し、濃度70g/リット
ルとしたものを塗布し、さらに金の製膜による光反射
層、およびその上層にUV硬化した保護層を形成して、CD
とした。
wsub/dsub=390/130=3.00であり、nabs=2.5、dg
r=194nm、およびdln=123nmであり、ΔC=0.23であ
る。
こうした条件において最適パワー6.5mw、7.5mw、8.5m
wで記録を行った。このそれぞれのジッターおよびクロ
ストークを第9図の表に示す。この表から最適パワーに
おいてはジッターおよびクロストークが小さく、さらに
パワーを上げても、これらの増加が少ないことがわか
る。
なお、第9図および第10図にいう、ピット部および非
ピット部のジッターとは、3Tおよび11Tそれぞれの信号
長を基準としたときのピット部および非ピット部の信号
長のバラツキを合計値で示したものである。
(比較例) 幅wsubが620nm、ならびに深さdsubが70nmのスパイ
ラル状のプリグルーブを形成した円板状のポリカーボネ
ート製基板上に、上述の実施例1と同様にして光吸収
層、光反射層および保護層を形成し、CDとした。
wsub/dsub=620/70=8.86であり、nabs=2.5、dgr
=151.4nm、およびdln=116.4nmであり、ΔC=0.11で
ある。
こうした条件において最適パワー7.0mw、8.0mw、9.0m
wで記録を行った。このそれぞれのジッターおよびクロ
ストークを第10図の表に示す。この表から最適パワーに
おいては実施例1のものよりジッターおよびクロストー
クが大きく、さらにパワーを上げてもこれらの増加傾向
がより顕著となることがわかる。
(実施例2) 幅wsubが500nm、ならびに深さdsubが77nmのスパイ
ラル状のプリグルーブを形成した円板状のポリカーボネ
ート製基板上に、上述の実施例1と同様にして光吸収
層、光反射層および保護層を形成し、CDとした。
wsub/dsub=500/77=6.49であり、nabs=2.5、dgr
=220nm、およびdln=172nmであり、ΔC=0.15であ
る。
こうしたCDについて記録光の波長770〜810nm、最適パ
ワー6.8mw〜7.8mwで記録を行った。このジッターは3T
(Tは基準時間幅)の非ピット部で30nsec、ピット部で
25nsec、11Tの非ピット部で23nsec、ピット部で20nsec
であり、クロストークは0.35であった。
実施例1と同様にジッターおよびクロストークが小さ
く、さらにパワーを上げても、これらの増加が少ないこ
とがわかる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、プリグルーブ部分にお
ける膜厚とランド部分における膜厚との差に関係する光
学的パラメーターΔCを0.15〜0.75とし、プリグルーブ
を従来のものより深くかつ狭く形成することとしたの
で、基板や光吸収層の変形をともなう記録を行う場合、
基板の変形がプリグルーブ内に限定されることとなるた
め、ピットの幅およびエッジの整った記録を行うことが
できる。したがって、現在のCD規格に準拠した、とくに
CD規格に定められたジッターの規格値(40ns以下)を満
足することが可能な光情報記録媒体を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光情報記録媒体1の一部切り欠き
斜視図、 第2図は同、光情報記録媒体1およびこの光情報記録媒
体1への光情報記録方法を説明するための要部縦断面
図、 第3図は同、プリグルーブ6にピット11を形成した状態
の要部縦断面図、 第4図はρ(=nabs・dav/λ)と反射率との関係の
グラフ、 第5図は光吸収層3の複素屈折率kabsと反射率との関
係のグラフ、 第6図はdsub/wsubと、ジッターとの関係を示すグラ
フ、 第7図はシアニン色素No.1の構造式を示す図、 第8図はシアニン色素No.2の構造式を示す図、 第9図は本発明の実施例1の結果を示す表、 第10図は比較例1の結果を示す表である。 1……光情報記録媒体 2……透光性の基板 3……光吸収層 4……光反射層 5……保護層 6……プリグルーブ(案内溝) 7……ランド 8……第一の層界 9……第二の層界 10……第三の層界 11……ピット dsub……ランド7の部分における光吸収層3と基板2
との第一の層界8から、プリグルーブ6の部分における
第一の層界8の最底部の深さ dabs……ランド7の部分における光吸収層3と光反射
層4との第二の層界9から、プリグルーブ6の部分にお
ける第二の層界9の最底部の深さ nabs……光吸収層3の複素屈折率の実数部 kabs……光吸収層3の複素屈折率の虚数部 dav……光吸収層3の平均膜厚 dgr……光吸収層3のプリグルーブ6の部分における膜
厚 dln……光吸収層3のランド7の部分における膜厚 wsub……プリグルーブ6の幅 λ……再生光の波長 L1……記録用レーザー光 L2……再生用レーザー光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 恵美子 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−132656(JP,A) 特開 昭60−50641(JP,A) 特開 昭59−154658(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の主面にプリグルーブを形成した透光
    性を有する基板と、 この基板上に設けるとともに、記録光を吸収する光吸収
    物質を含む光吸収層と、 この光吸収層上に設けた光反射層とを有し、 前記光吸収層に前記記録光を照射することにより情報を
    記録する光情報記録媒体であって、 前記光吸収層の複素屈折率の実数部をnabsとし、 前記光吸収層のプリグルーブの部分における膜厚をdgr
    とし、 前記光吸収層のランドの部分における膜厚をdlnとし、 再生光の波長をλとし、さらに △C=nabs(dgr−dln)/λとしたときに、 0.15≦△C<0.75 とするとともに、 前記プリグルーブの深さの半値幅における該プリグルー
    ブの幅をwsubとし、 前記ランドの部分における前記光吸収層と前記基板との
    層界から、前記プリグルーブの部分における該層界の最
    底部までの深さをdsubとしたときに、 wsub/dsub≦6.5 としたことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記光吸収層の複素屈折率の虚部をkabs
    とするとともに、その実数部をnabsとし、 前記光吸収層の膜厚をdavとし、 再生光の波長をλとし、さらに ρ=nabs・dav/λとしたときに、 0.05≦ρ≦1.6、および kabs≦0.3 であることを特徴とする請求項(1)記載の光情報記録
    媒体。
  3. 【請求項3】一方の主面にプリグルーブを形成した透光
    性を有する基板と、 この基板上に設けるとともに、記録光を吸収する光吸収
    物質を含む光吸収層と、 この光吸収層上に設けた光反射層とを有し、 前記光吸収層に前記記録光を照射することにより情報を
    記録する光情報記録方法であって、 前記光吸収層の複素屈折率の実数部をnabsとし、 前記光吸収層のプリグルーブの部分における膜厚をdgr
    とし、 前記光吸収層のランドの部分における膜厚をdlnとし、 再生光の波長をλとし、さらに △C=nabs(dgr−dln)/λとしたときに、 0.15≦△C<0.75 とするとともに、 前記プリグルーブの深さの半値幅における該プリグルー
    ブの幅をwsubとし、 前記ランドの部分における前記光吸収層と前記基板との
    層界から、前記プリグルーブの部分における該層界の最
    底部までの深さをdsubとしたときに、 wsub/dsub≦6.5 とし、 前記記録光を前記基板側から前記光吸収層に照射するこ
    とにより光情報記録を行うことを特徴とする光情報記録
    媒体の記録方法。
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