JP2741101C - - Google Patents

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JP2741101C
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Taiyo Yuden Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光情報記録媒体にかかわるもので、とくにプリグルーブの深さおよび
幅の値を所定値に設定することにより、ジッターおよびブロックエラーレート等
の信号特性を改善した光情報記録媒体に関するものである。 [従来の技術] この種の光情報記録媒体としては、スパイラル状に案内溝としてプリグルーブ
を形成した透光性の基板と、この基板上に設けるとともに有機色素を含む光吸 収層と、この光吸収層の上に設けた光反射層と、さらにこの光反射層の上に設け
た保護層とを有し、情報を光学的に書き込みおよび読み出し可能なものである。
そして再生信号がCD規格を満足する光情報記録媒体が公知である。 こうした従来公知の光情報記録媒体のプリグルーブの形状としては、トラック
ピッチが1.5〜1.7μm、幅が0.5〜0.7μm、深さが60〜90nm
である。この光情報記録媒体に記録パワー約7.6mWのレーザ光を照射して基
板を約30〜40nmだけ変形させることにより上記プリグルーブ部分にピット
を形成し、光情報の記録を行っていた。 しかしながら、CD規格におけるジッター(ディジタル信号の時間軸方向の揺
れないしゆらぎ)およびブロックエラーレートが悪いという問題がある。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は以上のような間題にかんがみてなされたもので、有機色素からなる光
吸収層を用い、記録光により基板を変形させることによって光情報記録をおこな
う光情報記録媒体において、記録信号を明確に得ることができる光情報記録媒体
を提供することを課題とする。 さらには、CD規格を満足可能な光情報記録媒体において、ジッターを40n
s以下、かつブロックエラーレートを3×10-2以下にすることができる光情報
記録媒体を提供することを課題とする。 [課題を解決するための手段] すなわち本発明は、一方の主面にプリグルーブを形成した透光性を有する基板
と、この基板上に設けるとともに、記録光を吸収する光吸収物質を含む光吸収層
とを有し、該記録光を上記基板を透過して光吸収層に照射することにより情報を
記録する光情報記録媒体であって、上記プリグルーブの左右に位置するランドの
部分における上記光吸収層と上記基板との層界から、上記プリグルーブの部分に
おけるこの層界の最底部までの深さをdsubとし、上記プリグルーブの幅をwsub
としたときに、dsub≧150nmおよびwsub≦0.6μmとするとともに、上
記光吸収層が上記記録光を吸収することにより、上記プリグルーブ部分の上記 基板の主面が変形することを特徴とする光情報記録媒体である。 なお、上記ランドの部分における上記光吸収層の表面から上記プリグルーブの
部分における該表面の最底部の深さをdabsとしたときに、dabs≦0.8×dsu
bとすることができる。 また、上記光吸収層の上に、前記記録光を反射する光反射層を形成することが
できる。 さらに、上記光吸収層の複素屈折率の虚部をkabsとするとともに、その実数
部をnabsとし、上記光吸収層の膜厚をdavとし、再生光の波長をλとし、さら
にρ=nabs・dav/λとしたときに、0.05≦ρ≦1.6、およびkabs≦0
.3とすることができる。 なお、本発明における上記プリグルーブの深さdsubとは、換言すれば基板の
水平面を基準としたときのプリグルーブの最深部と最頂部との差をいい、プリグ
ルーブの幅wsubとはこの深さdsubに対する半値幅(深さdsubの1/2の深さ
における幅の値)をいうもので、従来のプリグルーブに比較してその深さをより
深くし、その幅をより狭くすることによって、光吸収層による記録光の吸収効果
を高め、基板の変形つまりピットの形成をより明確にしようとするものである。 つぎに、第1図ないし第5図にもとづき本発明をより具体的に説明する。 第1図は、本発明による光情報記録媒体1の一部切り欠き斜視図、第2図は同
光情報記録媒体1の記録前の要部縦断面図、第3図は同光情報記録媒体1の記録
後の要部縦断面図である。 この光情報記録媒体1は透光性の基板2と、この基板2上に形成した光吸収層
3と、この光吸収層3の上に形成した光反射層4と、この光反射層4の上に形成
した保護層5とを有する。なお、必要に応じて基板2と光吸収層3との間、およ
び光吸収層3と光反射層4との間には中間層(図示せず)を設けることもある。 上記基板2には案内溝としてスパイラル状にプリグルーブ6を形成してある。
このプリグルーブ6の左右には、このプリグルーブ6以外の部分すなわちランド
7が位置している。 なお、基板2と光吸収層3とは第一の層界8により互いに接している。光吸 収層3と光反射層4とは第二の層界9により接している。光反射層4と保護層5
とは第三の層界10により接している。 第3図に示すように、光情報記録媒体1に記録光(記録用レーザー光)L1を
照射したときに、光吸収層3がこのレーザー光L1のエネルギーを吸収すること
により発熱し、基板2側に熱変形が生じてピット11を形成している。あるとき
には、光吸収層3に光学的変化が生ずる場合もある。 とくに第2図に示すように、プリグルーブ6の左右に位置するランド7の部分
における上記第一の層界8から、プリグルーブ6の部分における第一の層界8の
最底部までの深さをdsubとする。 上記ランド7の部分における上記第二の層界9から、プリグルーブ6の部分に
おける第二の層界9の最底部の深さ(ランド7の部分における光吸収層3の表面
から、プリグルーブ6の部分における該表面の最底部の深さ)をdabsとする。 光吸収層3の複素屈折率の虚部をkabsとするとともに、その実数部をnabsと
する。 光吸収層3の平均膜厚をdavとする。なお、ここで平均膜厚davとは、(光吸
収層3の体積)/(光吸収層3が形成された領域の面積)により表される。 光吸収層3のプリグルーブ6の部分における膜厚をdgrとする。 光吸収層3のランド7の部分における膜厚をdlnとする。 また、再生光(再生用レーザー光)L2の波長をλとする。 つぎに、ρ=nabs・dav/λにより定義される光学的パラメーターについて
説明する。 本発明者らによる実験およびシュミレーションの結果から、光吸収層3の膜厚
に関するこのρ=nabs・dav/λが非常に重要なパラメーターであることに着
目した。 すなわち、基板2上に光吸収層3および光反射層4を設けた構成を有する光情
報記録媒体1において、CD規格に規定している反射率が70%以上、かつ再生
信号における変調振幅の変調度として示されるI11/Itopが0.6以上(ただ
し、「Itop」は、CDの再生信号における最大反射光量であり、「I11」は、
記録された最長ピットにより回折されて対物レンズに返ってくる反射光量と、非
ピ ット部により反射されて対物レンズに返ってくる反射光量との差に対応する光学
的変調成分である)、および変調度I3/Itopが0.3〜0.7という出力信号
(ただし「I3」は、記録された最短ピットにより回折されて対物レンズに返っ
てくる反射光量と、非ピット部により反射されて対物レンズに返ってくる反射光
量との差に対応する光学的変調成分である)を得るためには、光吸収層3の複素
屈折率の実数部nabsと、プリグルーブ6部分の膜厚dgrとランド7部分の膜厚
dlnとの平均の膜厚ないしはその平均膜厚davと、再生光の波長λとで与えられ
るρ=nabs・dav/λを0.05≦ρ≦1.6の範囲内に設定することにより
、容易に反射率をCD規格に適合する反射率70%以上とすることができること
がわかっている。 上記ρが0.05よりも小さい場合には、光吸収層3の膜厚davを0.05μ
m以下と、相当薄くしなければならないため、製造上実用的ではない。 したがって、0.05≦ρ≦0.6の範囲においては、0.30≦ρ≦0.6
の範囲が実用的であり、十分な変調度を取るためには、0.1以上の範囲が望ま
しく、変調度の大きい安定した記録特性を得るためには0.45±0.1の範囲
が最も望ましい範囲であるということができる。 さらに、第4図に示すようにρが0.6以上の範囲であっても、グラフ上での
ピーク点であれば、反射率が70%を越えることが可能である。 0.6<ρ<1.6の範囲においては、ピーク点は2点あり、常に0.6<ρ
<1.10の範囲と、1.10<ρ<1.6の範囲とにあり、それらのピーク点
において高い反射率を得ることができることがわかっている。 ρ>1.6の時には膜厚が厚くなるため、膜厚の制御が困難になり、製造上実
用的ではない。 このρと反射率との関係を示すグラフは、指数関数と周期関数との組み合わさ
れた関数として表され、ρが大きくなるにしたがって周期関数の振幅が大きくな
る。 こうした周期関数の振幅は、光情報記録媒体1を構成する層の複素屈折率、膜
厚、それらの均質性等をパラメーターとして変化する。たとえば、光吸収層3か
ら光が入射する側にある層の屈折率が小さいと、反射率はグラフ全体として反 射率が高くなる方向にシフトする等である。 また、このグラフは光吸収層3の複素屈折率の虚部kabs、およびdavをパラ
メーターとする指数関数で表され、第5図に示すようにkabsが大きくなるほど
グラフ全体の反射率の減衰が大きくなるということもわかっている。 光吸収層3が均質であり、その複素屈折率の実部nabs、膜厚davに不均一な分
布がない限り、上記グラフのピークを示す点の周期には変化がないことが本発明
者らのシミュレーションによりわかっている。 なお、条件により、第4図におけるグラフのボトム点の反射率についても、上
記パラメーター条件を制御することによりこれを高くすることが可能であるが、
ρをボトム点付近に設定した場合には、変調度を大きく取ることが困難であり、
ある場合には、記録前よりも反射率が上昇してしまう場合も生じる。したがって
、ρはピーク点付近に設定することが望ましい。 上記kabsについても言及する。 高い反射率を得るためにはこのkabsが0.3以下であることが必要である。 なお本発明者らは、kabsの数値設定が重要なパラメーターであることを見い
出している。すなわちこのkabsが0.3以下であれば、0に近くなるほど反射
率は向上する。したがって、この範囲が最も望ましい。しかし0に近づくほど記
録感度が悪くなるため、0より大きいことが必要である。具体的には、0.01
以上の範囲が望ましく、実際には0.05前後が望ましい。 上記ρが0.05〜0.6の範囲においては同層の複素屈折率の虚部kabsは
0.3以下であることが望ましい。またρが0.6〜1.6の範囲においては、
kabsは0.2以下であることが望ましい。 つぎに、各層の材質ないし物性等について説明する。 まず、透光性の基板2は、レーザー光に対する屈折率が1.4〜1.6の範囲
内の透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた主として樹脂により形成したもの、
たとえばガラス板、アクリル板、エポキシ板等を用いる。なお、ポリカーボネー
ト等の樹脂を射出成形により成形することが望ましい。また基板2上に他の層、
たとえばSiO2等の耐溶剤層やエンハンス層をコーティングしておいてもよい
。 これらの材料を射出成型法等の手段により成型する。基板2の厚さは、CD規
格に準拠するように、1.1mm〜1.5mmが望ましい。 こうした基板2の光吸収層3側の表面に形成するトラッキングガイド手段とし
ては、スパイラル状に形成した前記プリグルーブ6(第2図、第3図)が望まし
い。プリグルーブ6は、データ信号を記録するときのトラッキングをガイドする
ために用いられる。こうしたプリグルーブ6はスパイラル状に限らず、蛇行して
いてもよい。 このプリグルーブ6部分の深さ、つまり前記dsubは、150nm以上、好ま
しくは160nm以上が望ましい。 またプリグルーブ6の幅wsubは、0.6μm以下、好ましくは0.5μm以
下が望ましい。 光吸収層3部分の深さの比dabs/dsubは、0.8以下、好ましくは0.6以
下が望ましい。 記録光のパワーが約7.5〜7.9mWの範囲において変形する基板2の部分
の高さ、つまりピット11の高さは、プリグルーブ6部分の深さdsubのおよそ
半分で、50nm以上であることが確認されている。 プリグルーブ6とこれに隣合うプリグルーブ6との間の間隔いわゆるトラック
ピッチは1.6μmが望ましい。 つぎに、前記光吸収層3はこうした基板2のトラッキングガイド手段の上に形
成した光吸収性の物質からなる層で、レーザーを照射することにより、発熱、溶
融、昇華、変形または変性をともなう層である。この光吸収層3はたとえばシア
ニン色素等の光吸収性の有機色素含有層であることが望ましい。すなわちたとえ
ば溶剤により溶解したシアニン系色素等を、スピンコート法等の手段により、基
板2の表面に一様にコーティングすることによってこれを形成する。 つぎに、前記光反射層4は必要に応じて形成するもので、金属膜であり、たと
えば、金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金を、蒸着法、スパ
ッタ法等の手段によりこれを形成する。反射率70%以上を有することが必要な
ため、これらの中でも、金または金を含む合金を主体とする金属膜が望ましい。 また、光反射層4の酸化を防止するため、光反射層4の上に耐酸化層等の他の
層を設けてもよい。 つぎに、前記保護層5は同じく必要に応じて形成するもので、基板2と同様の
耐衝撃性に優れた樹脂によりこれを形成する。たとえば、紫外線硬化樹脂をスピ
ンコート法により塗布し、これに紫外線を照射して硬化させることによりこれを
形成する。このほか、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン系ハードコート
樹脂等を使用することもある。 [作用] 本発明による光情報記録媒体は公知の光情報記録装置によって記録を行うこと
ができる。光情報記録装置のレーザー照射手段すなわちピックアップを設けた側
に透光性の基板2の表面が面するように光情報記録媒体1を配置する。この光情
報記録媒体1をスピンドルモータにより回転させながら、CD規格に準拠した信
号に変調されたレーザースポットを、前記トラッキングガイド手段にしたがって
トラッキングしながら、ピックアップにより光情報記録媒体1の光吸収層3に照
射することによって、光吸収層が熱を発生し、その熱により基板2を変形させ、
これによりピット11を形成する。 なお記録にあたっては、波長λが780nm付近のレーザースポットを照射す
ることが望ましい。またCD規格との関連から、線速度は1.2〜1.4m/s
ecである必要があり、記録パワーは6〜9mW程度でよい。 本発明においては、プリグルーブ6の形状としてその深さdsubを150nm
以上、かつその幅wsubを0.6μm以下にすることにより、狭いプリグルーブ
6内に光吸収性の材料を多く収容することとなり、吸収した熱がここに閉じこめ
られ、エッジの良いきれいなピット11を作ることができる。すなわち、光吸収
層3の記録用レーザー光L1の吸収にもとづく熱が外部に拡散する割合を抑えら
れてプリグルーブ6内に閉じこめられ、基板2表面に明瞭な変形部(ピット11
)を形成することができる。 さらに光吸収層3のプリグルーブ6部分の深さdabsを、基板2のプリグルー
ブ6の深さdsubの0.8倍以下に形成することにより、従来の光情報記録媒体
に 比較してプリグルーブ6部分の光吸収層3の膜厚dgrがプリグルーブ6以外の部
分(ランド7部分)の膜厚dlnよりも厚くなる。 しかして、光吸収層3の膜厚は厚いほど概して高感度であるため、プリグルー
ブ6内はランド7内より高感度となる。したがって、記録されたピット11はプ
リグルーブ6の幅より広い領域に広がりにくく、基板2表面に明瞭で大きな変形
部を形成することが容易となり、物理的にプリグルーブ6に直行する方向(光情
報記録媒体1の半径方向、ないしはプリグルーブ6の幅方向)が仕切られるため
、ピット11の幅が広がらず、再生信号におけるクロストーク(未記録状態の反
射率を基準としたときの、ピット11があるべき部分の反射率に対する、ピット
11がない部分の反射率の比)、およびジッターの原因を抑制可能となり、これ
らの値を小さくすることができる。 なお、記録用レーザー光L1を反射する光反射層4を光吸収層3の上に形成す
ることにより、基板2を変形させ易くし、記録効率の良好な光情報記録媒体を得
ることができる。 さらに、光吸収層3の膜厚に関するパラメーターρ=nabs・dav/λを0.
05〜1.6の範囲にするとともに、光吸収層の複素屈折率の虚部kabsを0.
3以下とすることにより、CD規格を満足しかつブロックエラーレートおよびジ
ッターの低い光情報記録媒体とすることができる。 [実施例] つぎに本発明による光情報記録媒体についてその実施例を以下に説明する。 なお、実施例1は基板上に色素含有層を形成したものであり、実施例2は基板、
色素含有層、光反射層、保護層からなるものである。 (実施例1) 幅0.5μm、深さ165nm、およびピッチ1.6μmのスパイラル状のプ
リグルーブを形成した円板状の基板上に、シアニン色素として濃度100g/リ
ットルの3,3,3’,3’テトラメチル4,5,4’,5’−ジベンゾインド
ジカーボシアニンパークロレート(日本感光色素株式会社製、NK−3219 )と、PA1006(三井重圧ファイン社製)との2:1溶液をスピンコートす
ることにより、平均膜厚davが100nmの色素含有層(光吸収層)を形成した
。 上記基板のプリグルーブにおける深さdsubは165nm、プリグルーブの幅
wsubは0.5μm、光吸収層のプリグルーブにおける深さdabsは80nmであ
る。 光吸収層の複素屈折率の虚部kabsは0.08、実数部nabsは2.5、再生光
の波長λは780nmであるから、このときの光学パラメータρは0.32であ
る。 こうして得た光情報記録媒体に基板入射により、波長780nmの半導体レー
ザーでEFM信号をプリグルーブに記録したところ、ブロックエラーレートが0
.5×10-2、およびジッターは7nsと良好であった。ピット11の高さは3
0nmであった。 (実施例2) 幅0.55μm、深さ180nm、およびピッチ1.6μmでスパイラル状に
プリグルーブを設けた円形状基板上に濃度120g/リットルの第6図に示す化
合物(シアニン色素)と、IRG003(日本化薬社製)との2:1溶液をスピ
ンコートして平均膜厚140nmの色素含有層を形成した。さらにスパッタリン
グ法により膜厚50nmの金を製膜してこれを光反射層とし、この上にUV硬化
した保護層を設け、光情報記録媒体を作成した。 上記基板のプリグルーブにおける深さdsubは180nm、プリグルーブの幅
wsubは0.55μm、光吸収層のプリグルーブにおける深さdabsは80nm、
である。 光吸収層の複素屈折率の虚部kabsは0.1、実数部nabsは2.7、再生光の
波長λは800nmであるから、このときの光学パラメータρは0.47である
。 こうして得た光情報記録媒体に実施例1と同様に波長800nmの半導体レー
ザーでEFM信号をプリグルーブに記録し、この記録部を実施例1と同様に再 生したところ、ブロックエラーレートが1.0×10-3、ジッター22nsであ
った。これらはCD規格に定める基準を十分に満足している。なおピット11の
高さ80nmであった。 [発明の効果] 以上のように本発明によれば、プリグルーブを従来のものより深くかつ狭く形
成したので、基板や光吸収層の変形をともなう記録を行う場合、基板の変形がプ
リグルーブの幅および深さにより限定されることとなるため、ピットの幅および
エッジの整った記録を行うことができる。したがって、現在のCD規格に準拠し
た、とくにCD規格に定められたブロックエラーレートおよびジッターの規格値
を満足することが可能な光情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明による光情報記録媒体1の一部切り欠き斜視図、 第2図は同、光情報記録媒体1およびこの光情報記録媒体1への光情報記録方
法を説明するための要部縦断面図、 第3図は同、プリグルーブ6にピット11を形成した状態の要部縦断面図、 第4図はρ(=nabs・dav/λ)と反射率との関係のグラフ、 第5図は光吸収層3の複素屈折率kabsと反射率との関係のグラフ、 第6図は実施例2の光吸収層を形成するためのシアニン色素を示す図である。 1......光情報記録媒体 2......透光性の基板 3......光吸収層 4......光反射層 5......保護層 6......プリグルーブ(案内溝) 7......ランド 8......第一の層界 9......第二の層界 10......第三の層界 11......ピット dsub.....ランド7の部分における光吸収層3と基板2との第一の層界8から
、プリグルーブ6の部分における第一の層界8の最底部の深さ dabs.....ランド7の部分における光吸収層3と光反射層4との第二の層界9
から、プリグルーブ6の部分における第二の層界9の最底部の深さ nabs.....光吸収層3の複素屈折率の実数部 kabs.....光吸収層3の複素屈折率の虚数部 dav......光吸収層3の平均膜厚 dgr......光吸収層3のプリグルーブ6の部分における膜厚 dln......光吸収層3のランド7の部分における膜厚 wsub.....プリグルーブ6の幅 λ........再生光の波長 L1......記録用レーザー光 L2......再生用レーザー光

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一方の主面にプリグルーブを形成した透光性を有する基板と
    、 この基板上に積層するとともに、記録光を吸収する光吸収物質を含む光吸収層
    とを有し、 該記録光を前記基板を透過して光吸収層に照射することにより前記プリグルー
    ブ内にピットを形成して情報を記録する光情報記録媒体であって、 前記プリグルーブの左右に位置するランドの部分における前記光吸収層と前記
    基板との層界から、前記プリグルーブの部分における該層界の最底部までの深さ
    をdsubとし、 前記プリグルーブの幅をwsubとし、 前記ランドの部分における前記光吸収層の表面から、前記プリグルーブの部分
    における該表面の最底部までの深さをdabsとしたときに、 dsub≧150nm、 wsub≦0.6μm、および dabs≦0.8×dsubとするとともに、 前記光吸収層が前記記録光を吸収することにより、前記プリグルーブ部分の前
    記基板の主面が変形して前記ピットが形成されることを特徴とする光情報記録媒
    体。 【請求項2】 一方の主面にプリグルーブを形成した透光性を有する基板と
    、 この基板上に積層するとともに、記録光を吸収する光吸収物質を含む光吸収層
    とを有し、 該記録光を前記基板を透過して光吸収層に照射することにより前記プリグルー
    ブ内にピットを形成して情報を記録する光情報記録媒体であって、 前記プリグルーブの左右に位置するランドの部分における前記光吸収層と前記
    基板との層界から、前記プリグルーブの部分における該層界の最底部までの深さ
    をdsubとし、 前記プリグルーブの幅をwsubとし、 前記ランドの部分における前記光吸収層の表面から、前記プリグルーブの部分
    における該表面の最底部までの深さをdabsとしたときに、 dsub≧150nm、 wsub≦0.6μm、 dabs≦0.8×dsubとし、かつ 前記光吸収層の複素屈折率の虚部をkabsとするとともに、その実数部をnabs
    とし、 前記光吸収層の膜厚をdavとし、 再生光の波長をλとし、さらに ρ=nabs・dav/λとしたときに、 0.05≦ρ≦0.6、および kabs≦0.3とするとともに、 前記光吸収層が前記記録光を吸収することにより、前記プリグルーブ部分の前
    記基板の主面が変形して前記ピットが形成されることを特徴とする光情報記録媒
    体。

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