JP2004189443A - 板材搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板等の板材を転動体で搬送する際に破損しないようにする。
【解決手段】平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突しないように板材(6)を転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)上で走行させる衝突防止手段(9)を備える。これにより、板材(6)の搬送中における破損が防止される。
【選択図】 図3
【解決手段】平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突しないように板材(6)を転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)上で走行させる衝突防止手段(9)を備える。これにより、板材(6)の搬送中における破損が防止される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板等の板材を搬送するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイの画面を構成するカラーフィルタは、例えば1100mm×1300mmの畳一枚程度の大きさの薄いガラス基板上に例えば16台分の多面付けにより製造され、最後に所望される面付形態又は一枚ごとに切断工程で分断される。カラーフィルタは製膜工程、着色工程等の種々の工程を経てガラス基板上に形成されるが、各工程間において或いは所定の工程中においてガラス基板を受け渡す必要があり、その受け渡しのために搬送装置が用いられる。
【0003】
図6に示すように、従来の搬送装置は、多数の転動体1a,1b,1c,1dを平面上に平行に並べ、全部又は一部の転動体1a,1b,1c,1dを駆動することにより、転動体1a,1b,1c,1d上のガラス基板2を一方向に搬送するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の搬送装置によれば、図6に示すように、ガラス基板2が転動体1a,1b,1c,1dの上を上流側から下流側へと走行する際、隣り合う転動体間でガラス基板2の先端2aが撓んで下流側の転動体の周面に衝突し、その衝撃でガラス基板2が破損する場合がある。ガラス基板2は近年大型化、薄肉化の傾向にあり、従来よりも撓みやすく転動体に衝突すると破損するおそれが高い。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決することができる板材搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突しないように板材(6)を転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)上で走行させる衝突防止手段を備えた板材搬送装置を採用する。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)は転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中における破損が防止される。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体(3a〜3f)の表面に回転軸(7)方向に沿うように切欠(9)を形成し、板材(6)の先端(6a)が順次切欠(9)に対応して進行するよう転動体(3a〜3f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(3a〜3f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、転動体(3a〜3f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f)の切欠(9)に臨むので、板材(6)の先端(6a)は転動体(3a〜3f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中での破損が防止される。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の板材搬送装置において、全転動体(3a〜3f)をその周長(2πr)の非整数倍の間隔(L)で並べると共に、全転動体(3a〜3f)の表面に回転軸(7)方向に沿うように切欠(9)を形成して全転動体(3a〜3f)を同じ周速度(rω)で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠(9)が上流側転動体の切欠(9)よりも、両転動体の間隔(L)を転動体(3a〜3f)の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体(3a〜3f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(3a〜3f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、全転動体(3a〜3f)がその周長(2πr)の非整数倍の間隔(L)で並べられ、隣り合う転動体において下流側転動体の切欠(9)が上流側転動体の切欠(9)よりも両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体(3a〜3f)が同じ周速度で回転するので、隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)は転動体(3a〜3f)の切欠(9)に臨み転動体(3a〜3f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体(10a〜10f)の回転軸(11)を偏心させ、板材(6)の先端(6a)が順次転動体(10a〜10f)の最小径部(12)に対応して進行するよう転動体(10a〜10f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(10a〜10f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、転動体(10a〜10f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(10a〜10f)の最小径部(12)に臨むので、板材(6)の先端(6a)は転動体(10a〜10f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、板材(6)の先端(6a)に対応する転動体を板材(6)の先端(6a)が通過する間だけ降下させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(10a〜10f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0015】
この請求項5に係る発明によれば、転動体(10a〜10f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材の撓んだ先端が臨む転動体が板材の先端が通過する間だけ降下するので、板材(6)の先端(6a)は転動体(10a〜10f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の板材搬送装置において、各列の転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が各回転軸(7,11,14)上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪(8)で形成された板材搬送装置を採用する。
【0017】
この請求項6に係る発明によれば、各列の転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が各回転軸(7,11,14)上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪(8)で形成されるので、転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が板材(6)に接触する面積が低減する。従って、板材(6)に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、殊に板材(6)がカラーフィルタのガラス基板等である場合はカラーフィルタの光学的性質が良好に維持される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
<実施の形態1>
図1に示すように、この板材搬送装置は、平面上に平行に並べられた複数列の同一径の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを備え、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが原動部4からの動力により伝動部5を介して駆動され、同じ向きに同じ角速度ωで回転するようになっている。転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは、板材であるガラス基板6を一枚ずつ水平に支持しつつ円滑に搬送することができる程度の列数及び間隔で配置される。
【0020】
板材は具体的にはカラーフィルタのガラス基板6であり、このガラス基板6が反フィルタ面を下にして転動体3a,3b,3c,3d,3e,3f上を走行する。もちろん、板材としてカラーフィルタのガラス基板以外のものを搬送することも可能である。ガラス基板6には各種の大きさ及び厚さのものがあるが、例えば大きさが1100mm×1300mm、厚さが0.6mmのガラス基板6が搬送される。
【0021】
各列の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは円柱形ローラであってもよいが、望ましくは図2に示すように、回転軸7上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪8で形成される。このように各列の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転軸7上で転動輪8として分割形成することにより、転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fがガラス基板6に接触する面積が低減し、ガラス基板6に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、ガラス基板6のカラーフィルタとしての光学的性質が良好に維持される。転動輪8は望ましくは車輪の回りをゴム材で被覆したものが用いられるが、被覆材としては例えば表面が硬く摩擦係数の大きいPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)が用いられる。
【0022】
原動部4としては例えば減速機付きのモータが用いられ、伝動部5としては例えばプーリ及びタイミングベルトが用いられる。
【0023】
既述のごとく、ガラス基板6が転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの上を上流側から下流側へと走行する際、隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aに撓みを生じるが、この撓んだ先端6aが下流側の転動体の周面に衝突することがないように、この板材搬送装置は衝突防止手段を備える。
【0024】
衝突防止手段は、具体的には、図1に示すように、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面に回転軸7の方向に沿うように設けられた切欠9によって構成される。ガラス基板6の先端6aが順次切欠9に対応して進行するよう転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転させることにより、ガラス基板6の先端6aと転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面との衝突が防止される。
【0025】
切欠9は、各転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fをその回転軸7の軸線に平行な平面で切り取った形状に形成されるが、この切欠9の平面上に転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの上記軸線に平行に凹部を形成してもよい。また、切欠9の平面と転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの周面との境界にはガラス基板6との接触をより的確に防止するため望ましくは湾曲面からなる面取部が形成される。
【0026】
全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは、より具体的には、その周長(2πr、ただし、rは転動体の半径)の非整数倍の間隔(L)で並べると共に、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面に回転軸方向に沿うように切欠9を形成して全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを同じ周速度(rω、ただし、ωは転動体の角速度)で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠9が上流側転動体の切欠9よりも、両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転させるようになっている。
【0027】
非整数倍は、整数である1,2,3・・・等以外の小数や分数である。転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの間隔(L)を周長(2πr)の整数倍とすると、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの切欠9がいっせいにガラス基板6に対向することになるので、これを防止するため非整数倍としたものである。もちろん、非整数倍の数はガラス基板6を一枚ずつ水平に支持しつつ円滑に搬送することができる程度に定められる。
【0028】
このように、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fがその周長の非整数倍の間隔で並べられ、隣り合う転動体において下流側転動体の切欠9が上流側転動体の切欠9よりも両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが同じ周速度で回転すると、隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の撓んだ先端6aは転動体の切欠9に臨み転動体の表面に衝突することなく進行する。
【0029】
次に、上記構成の搬送装置の作用について説明する。
【0030】
図1、図2及び図3(A)に示すように、原動部4の動力が伝動部5を経て搬送装置の全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fに伝達され、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが上流側から下流側へ少しずつ位相がずれた状態で一斉に同じ向きに同じ周速度で回転する。
【0031】
被搬送物である薄板のガラス基板6が上流側の転動体の上に送り込まれると、図3(A)(B)(C)に示すように、ガラス基板6は転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの回転により左から右へ搬送されていく。
【0032】
ガラス基板6の先端6aよりも後方部分は転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの周面に接触しつつ進行し、ガラス基板6の先端6aは下流側の転動体に乗り移るたびにその切欠9に臨み、転動体の周面に衝突することなく進行する。ガラス基板6の先端6aは、図3(A)では転動体3cの切欠9に、同図(B)では転動体3dの切欠9に、同図(C)では転動体3eの切欠9にそれぞれ臨んでいる。
【0033】
かくて、ガラス基板6は滑らかに転動体3a,3b,3c,3d,3e,3f上を進行し、破損することなく目的の場所まで搬送される。
【0034】
<実施の形態2>
図4に示すように、この実施の形態2に係る搬送装置では、全転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの回転軸11が偏心軸となっており、これらの回転軸11が平面上に配置されている。そして、板材であるガラス基板6の先端6aが順次転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの最小径部12に対応して進行するよう、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの回転が制御されるようになっている。具体的には、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの最小径部12の位相が上流側から下流側に向かって少しずつずらされている。
【0035】
この搬送装置によれば、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fが回転してガラス基板6を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の撓んだ先端6aが転動体の最小径部12に臨む。図4(A)では転動体10cの最小径部12に、同図(B)では転動体10dの最小径部12に、同図(C)では転動体10eの最小径部12に、それぞれガラス基板6の先端6aが臨む。これにより、ガラス基板6の先端6aは転動体の表面に衝突することなく進行し、ガラス基板6の搬送中の破損が防止される。
【0036】
なお、この実施の形態2において実施の形態1における搬送装置と同一部分については同一符号を付して示すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0037】
<実施の形態3>
図5に示すように、この実施の形態3に係る搬送装置では、板材であるガラス基板6の先端6aに対応する転動体をガラス基板6の先端6aが通過する間だけ降下させるようになっている。具体的には、各転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fの回転軸14の両端に図示しないカムが接しており、各カムがガラス基板6の先端6aに対応する転動体を降下させるようになっている。図5(A)では転動体13cが、同図(B)では転動体13dが、同図(C)では転動体13eが、それぞれこの降下させる転動体となる。なお、各転動体はエアシリンダ装置等のアクチュエータにより昇降させるようにしてもよい。
【0038】
この材搬送装置によれば、転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fが回転してガラス基板6を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の進行のタイミングに合わせて、ガラス基板6の撓んだ先端6aが臨む転動体がガラス基板6の先端6aが通過する間だけ降下するので、ガラス基板6の先端6aは転動体転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fの表面に衝突することなく進行する。従って、ガラス基板6の搬送中の破損が防止される。
【0039】
なお、この実施の形態3において実施の形態1における搬送装置と同一部分については同一符号を付して示すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0040】
また、上記各実施の形態では、搬送装置を転動体を六本備えるものとして説明したが、転動体は六本よりも多くても少なくてもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材の撓んだ先端が転動体の表面に衝突しないように板材を転動体上で走行させる衝突防止手段を備えた板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0042】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成し、板材の先端が順次切欠に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が転動体の切欠に臨むので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0043】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の板材搬送装置において、全転動体をその周長の非整数倍の間隔で並べると共に、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成して全転動体を同じ周速度で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠が上流側転動体の切欠よりも、両転動体の間隔を転動体の周速度で除した時間だけ遅延するように全転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端は転動体の切欠に臨み転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0044】
請求項4に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の回転軸を偏心させ、板材の先端が順次転動体の最小径部に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が転動体の最小径部に臨むので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0045】
請求項5に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、板材の先端に対応する転動体を板材の先端が通過する間だけ降下させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が臨む転動体が板材の先端が通過する間だけ降下するので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0046】
請求項6に係る発明によれば、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の板材搬送装置において、各列の転動体が各回転軸上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪で形成された板材搬送装置であるから、転動体が板材に接触する面積が低減する。従って、板材に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、殊に板材がカラーフィルタのガラス基板等である場合はカラーフィルタの光学的性質が良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の側面図である。
【図2】図1に示す搬送装置の平面図である。
【図3】図1に示す搬送装置の作用を説明する側面図であり、(A)はガラス基板の先端が上流側の転動体の切欠に臨んだ状態を示し、(B)は次の下流側転動体の切欠に望んだ状態を示し、(C)はさらに次の下流側転動体の切欠に望んだ状態を示す。
【図4】本発明の実施の形態2に係る搬送装置の作用を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る搬送装置の作用を示す側面図である。
【図6】従来の搬送装置を示す側面図である。
【符号の説明】
3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f…転動体
6…板材
6a…板材の先端
7,11,14…回転軸
8…転動輪
9…切欠
12…最小径部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板等の板材を搬送するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイの画面を構成するカラーフィルタは、例えば1100mm×1300mmの畳一枚程度の大きさの薄いガラス基板上に例えば16台分の多面付けにより製造され、最後に所望される面付形態又は一枚ごとに切断工程で分断される。カラーフィルタは製膜工程、着色工程等の種々の工程を経てガラス基板上に形成されるが、各工程間において或いは所定の工程中においてガラス基板を受け渡す必要があり、その受け渡しのために搬送装置が用いられる。
【0003】
図6に示すように、従来の搬送装置は、多数の転動体1a,1b,1c,1dを平面上に平行に並べ、全部又は一部の転動体1a,1b,1c,1dを駆動することにより、転動体1a,1b,1c,1d上のガラス基板2を一方向に搬送するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の搬送装置によれば、図6に示すように、ガラス基板2が転動体1a,1b,1c,1dの上を上流側から下流側へと走行する際、隣り合う転動体間でガラス基板2の先端2aが撓んで下流側の転動体の周面に衝突し、その衝撃でガラス基板2が破損する場合がある。ガラス基板2は近年大型化、薄肉化の傾向にあり、従来よりも撓みやすく転動体に衝突すると破損するおそれが高い。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決することができる板材搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突しないように板材(6)を転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)上で走行させる衝突防止手段を備えた板材搬送装置を採用する。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)は転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中における破損が防止される。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体(3a〜3f)の表面に回転軸(7)方向に沿うように切欠(9)を形成し、板材(6)の先端(6a)が順次切欠(9)に対応して進行するよう転動体(3a〜3f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(3a〜3f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、転動体(3a〜3f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(3a〜3f)の切欠(9)に臨むので、板材(6)の先端(6a)は転動体(3a〜3f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中での破損が防止される。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の板材搬送装置において、全転動体(3a〜3f)をその周長(2πr)の非整数倍の間隔(L)で並べると共に、全転動体(3a〜3f)の表面に回転軸(7)方向に沿うように切欠(9)を形成して全転動体(3a〜3f)を同じ周速度(rω)で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠(9)が上流側転動体の切欠(9)よりも、両転動体の間隔(L)を転動体(3a〜3f)の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体(3a〜3f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(3a〜3f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、全転動体(3a〜3f)がその周長(2πr)の非整数倍の間隔(L)で並べられ、隣り合う転動体において下流側転動体の切欠(9)が上流側転動体の切欠(9)よりも両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体(3a〜3f)が同じ周速度で回転するので、隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)は転動体(3a〜3f)の切欠(9)に臨み転動体(3a〜3f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体(10a〜10f)の回転軸(11)を偏心させ、板材(6)の先端(6a)が順次転動体(10a〜10f)の最小径部(12)に対応して進行するよう転動体(10a〜10f)を回転させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(10a〜10f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、転動体(10a〜10f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材(6)の撓んだ先端(6a)が転動体(10a〜10f)の最小径部(12)に臨むので、板材(6)の先端(6a)は転動体(10a〜10f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の板材搬送装置において、板材(6)の先端(6a)に対応する転動体を板材(6)の先端(6a)が通過する間だけ降下させることにより、板材(6)の先端(6a)と転動体(10a〜10f)の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置を採用する。
【0015】
この請求項5に係る発明によれば、転動体(10a〜10f)が回転して板材(6)を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材(6)の先端(6a)が撓んでも、板材の撓んだ先端が臨む転動体が板材の先端が通過する間だけ降下するので、板材(6)の先端(6a)は転動体(10a〜10f)の表面に衝突することなく進行する。従って、板材(6)の搬送中の破損が防止される。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の板材搬送装置において、各列の転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が各回転軸(7,11,14)上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪(8)で形成された板材搬送装置を採用する。
【0017】
この請求項6に係る発明によれば、各列の転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が各回転軸(7,11,14)上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪(8)で形成されるので、転動体(3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f)が板材(6)に接触する面積が低減する。従って、板材(6)に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、殊に板材(6)がカラーフィルタのガラス基板等である場合はカラーフィルタの光学的性質が良好に維持される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
<実施の形態1>
図1に示すように、この板材搬送装置は、平面上に平行に並べられた複数列の同一径の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを備え、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが原動部4からの動力により伝動部5を介して駆動され、同じ向きに同じ角速度ωで回転するようになっている。転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは、板材であるガラス基板6を一枚ずつ水平に支持しつつ円滑に搬送することができる程度の列数及び間隔で配置される。
【0020】
板材は具体的にはカラーフィルタのガラス基板6であり、このガラス基板6が反フィルタ面を下にして転動体3a,3b,3c,3d,3e,3f上を走行する。もちろん、板材としてカラーフィルタのガラス基板以外のものを搬送することも可能である。ガラス基板6には各種の大きさ及び厚さのものがあるが、例えば大きさが1100mm×1300mm、厚さが0.6mmのガラス基板6が搬送される。
【0021】
各列の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは円柱形ローラであってもよいが、望ましくは図2に示すように、回転軸7上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪8で形成される。このように各列の転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転軸7上で転動輪8として分割形成することにより、転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fがガラス基板6に接触する面積が低減し、ガラス基板6に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、ガラス基板6のカラーフィルタとしての光学的性質が良好に維持される。転動輪8は望ましくは車輪の回りをゴム材で被覆したものが用いられるが、被覆材としては例えば表面が硬く摩擦係数の大きいPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)が用いられる。
【0022】
原動部4としては例えば減速機付きのモータが用いられ、伝動部5としては例えばプーリ及びタイミングベルトが用いられる。
【0023】
既述のごとく、ガラス基板6が転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの上を上流側から下流側へと走行する際、隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aに撓みを生じるが、この撓んだ先端6aが下流側の転動体の周面に衝突することがないように、この板材搬送装置は衝突防止手段を備える。
【0024】
衝突防止手段は、具体的には、図1に示すように、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面に回転軸7の方向に沿うように設けられた切欠9によって構成される。ガラス基板6の先端6aが順次切欠9に対応して進行するよう転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転させることにより、ガラス基板6の先端6aと転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面との衝突が防止される。
【0025】
切欠9は、各転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fをその回転軸7の軸線に平行な平面で切り取った形状に形成されるが、この切欠9の平面上に転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの上記軸線に平行に凹部を形成してもよい。また、切欠9の平面と転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの周面との境界にはガラス基板6との接触をより的確に防止するため望ましくは湾曲面からなる面取部が形成される。
【0026】
全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fは、より具体的には、その周長(2πr、ただし、rは転動体の半径)の非整数倍の間隔(L)で並べると共に、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの表面に回転軸方向に沿うように切欠9を形成して全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを同じ周速度(rω、ただし、ωは転動体の角速度)で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠9が上流側転動体の切欠9よりも、両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fを回転させるようになっている。
【0027】
非整数倍は、整数である1,2,3・・・等以外の小数や分数である。転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの間隔(L)を周長(2πr)の整数倍とすると、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの切欠9がいっせいにガラス基板6に対向することになるので、これを防止するため非整数倍としたものである。もちろん、非整数倍の数はガラス基板6を一枚ずつ水平に支持しつつ円滑に搬送することができる程度に定められる。
【0028】
このように、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fがその周長の非整数倍の間隔で並べられ、隣り合う転動体において下流側転動体の切欠9が上流側転動体の切欠9よりも両転動体の間隔(L)を転動体の周速度(rω)で除した時間だけ遅延するように全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが同じ周速度で回転すると、隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の撓んだ先端6aは転動体の切欠9に臨み転動体の表面に衝突することなく進行する。
【0029】
次に、上記構成の搬送装置の作用について説明する。
【0030】
図1、図2及び図3(A)に示すように、原動部4の動力が伝動部5を経て搬送装置の全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fに伝達され、全転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fが上流側から下流側へ少しずつ位相がずれた状態で一斉に同じ向きに同じ周速度で回転する。
【0031】
被搬送物である薄板のガラス基板6が上流側の転動体の上に送り込まれると、図3(A)(B)(C)に示すように、ガラス基板6は転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの回転により左から右へ搬送されていく。
【0032】
ガラス基板6の先端6aよりも後方部分は転動体3a,3b,3c,3d,3e,3fの周面に接触しつつ進行し、ガラス基板6の先端6aは下流側の転動体に乗り移るたびにその切欠9に臨み、転動体の周面に衝突することなく進行する。ガラス基板6の先端6aは、図3(A)では転動体3cの切欠9に、同図(B)では転動体3dの切欠9に、同図(C)では転動体3eの切欠9にそれぞれ臨んでいる。
【0033】
かくて、ガラス基板6は滑らかに転動体3a,3b,3c,3d,3e,3f上を進行し、破損することなく目的の場所まで搬送される。
【0034】
<実施の形態2>
図4に示すように、この実施の形態2に係る搬送装置では、全転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの回転軸11が偏心軸となっており、これらの回転軸11が平面上に配置されている。そして、板材であるガラス基板6の先端6aが順次転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの最小径部12に対応して進行するよう、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの回転が制御されるようになっている。具体的には、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fの最小径部12の位相が上流側から下流側に向かって少しずつずらされている。
【0035】
この搬送装置によれば、転動体10a,10b,10c,10d,10e,10fが回転してガラス基板6を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の撓んだ先端6aが転動体の最小径部12に臨む。図4(A)では転動体10cの最小径部12に、同図(B)では転動体10dの最小径部12に、同図(C)では転動体10eの最小径部12に、それぞれガラス基板6の先端6aが臨む。これにより、ガラス基板6の先端6aは転動体の表面に衝突することなく進行し、ガラス基板6の搬送中の破損が防止される。
【0036】
なお、この実施の形態2において実施の形態1における搬送装置と同一部分については同一符号を付して示すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0037】
<実施の形態3>
図5に示すように、この実施の形態3に係る搬送装置では、板材であるガラス基板6の先端6aに対応する転動体をガラス基板6の先端6aが通過する間だけ降下させるようになっている。具体的には、各転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fの回転軸14の両端に図示しないカムが接しており、各カムがガラス基板6の先端6aに対応する転動体を降下させるようになっている。図5(A)では転動体13cが、同図(B)では転動体13dが、同図(C)では転動体13eが、それぞれこの降下させる転動体となる。なお、各転動体はエアシリンダ装置等のアクチュエータにより昇降させるようにしてもよい。
【0038】
この材搬送装置によれば、転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fが回転してガラス基板6を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間でガラス基板6の先端6aが撓んでも、ガラス基板6の進行のタイミングに合わせて、ガラス基板6の撓んだ先端6aが臨む転動体がガラス基板6の先端6aが通過する間だけ降下するので、ガラス基板6の先端6aは転動体転動体13a,13b,13c,13d,13e,13fの表面に衝突することなく進行する。従って、ガラス基板6の搬送中の破損が防止される。
【0039】
なお、この実施の形態3において実施の形態1における搬送装置と同一部分については同一符号を付して示すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0040】
また、上記各実施の形態では、搬送装置を転動体を六本備えるものとして説明したが、転動体は六本よりも多くても少なくてもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材の撓んだ先端が転動体の表面に衝突しないように板材を転動体上で走行させる衝突防止手段を備えた板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0042】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成し、板材の先端が順次切欠に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が転動体の切欠に臨むので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0043】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の板材搬送装置において、全転動体をその周長の非整数倍の間隔で並べると共に、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成して全転動体を同じ周速度で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠が上流側転動体の切欠よりも、両転動体の間隔を転動体の周速度で除した時間だけ遅延するように全転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端は転動体の切欠に臨み転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0044】
請求項4に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の回転軸を偏心させ、板材の先端が順次転動体の最小径部に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が転動体の最小径部に臨むので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0045】
請求項5に係る発明によれば、請求項1に記載の板材搬送装置において、板材の先端に対応する転動体を板材の先端が通過する間だけ降下させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにした板材搬送装置であるから、転動体が回転して板材を一方向に搬送する際に隣り合う転動体間で板材の先端が撓んでも、板材の撓んだ先端が臨む転動体が板材の先端が通過する間だけ降下するので、板材の先端は転動体の表面に衝突することなく進行する。従って、板材の搬送中の破損が防止される。
【0046】
請求項6に係る発明によれば、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の板材搬送装置において、各列の転動体が各回転軸上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪で形成された板材搬送装置であるから、転動体が板材に接触する面積が低減する。従って、板材に対する擦過傷、汚れの付着等が防止され、殊に板材がカラーフィルタのガラス基板等である場合はカラーフィルタの光学的性質が良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る搬送装置の側面図である。
【図2】図1に示す搬送装置の平面図である。
【図3】図1に示す搬送装置の作用を説明する側面図であり、(A)はガラス基板の先端が上流側の転動体の切欠に臨んだ状態を示し、(B)は次の下流側転動体の切欠に望んだ状態を示し、(C)はさらに次の下流側転動体の切欠に望んだ状態を示す。
【図4】本発明の実施の形態2に係る搬送装置の作用を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る搬送装置の作用を示す側面図である。
【図6】従来の搬送装置を示す側面図である。
【符号の説明】
3a〜3f,10a〜10f,13a〜13f…転動体
6…板材
6a…板材の先端
7,11,14…回転軸
8…転動輪
9…切欠
12…最小径部
Claims (6)
- 平面上に平行に並べられた複数列の転動体を備える板材搬送装置において、板材の撓んだ先端が転動体の表面に衝突しないように板材を転動体上で走行させる衝突防止手段を備えたことを特徴とする板材搬送装置。
- 請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成し、板材の先端が順次切欠に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにしたことを特徴とする板材搬送装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の板材搬送装置において、全転動体をその周長の非整数倍の間隔で並べると共に、全転動体の表面に回転軸方向に沿うように切欠を形成して全転動体を同じ周速度で回転させ、且つ隣り合う転動体において下流側転動体の切欠が上流側転動体の切欠よりも、両転動体の間隔を転動体の周速度で除した時間だけ遅延するように全転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにしたことを特徴とする板材搬送装置。
- 請求項1に記載の板材搬送装置において、全転動体の回転軸を偏心させ、板材の先端が順次転動体の最小径部に対応して進行するよう転動体を回転させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにしたことを特徴とする板材搬送装置。
- 請求項1に記載の板材搬送装置において、板材の先端に対応する転動体を板材の先端が通過する間だけ降下させることにより、板材の先端と転動体の表面との衝突を防止するようにしたことを特徴とする板材搬送装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の板材搬送装置において、各列の転動体が各回転軸上に複数箇所にわたり取り付けられた転動輪で形成されたことを特徴とする板材搬送装置。
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