JP2004189384A - 反転搬送ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、画像形成装置の設置スペースを抑えるとともに画像形成装置本体の変更を少なくすることが可能な反転搬送ユニット及びそれを装着可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】反転搬送ユニットの本体フレーム100内にモータ122を設置して反転搬送動作の駆動源として用いることで、装置本体内の駆動系の設置スペースを抑えることができる。また、モータ122が本体フレーム100の装置本体への当接面から一部突出して設けられているため、本体フレーム100についても薄くすることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置において、用紙の両面に画像形成を行うために用いられる反転搬送ユニット、及びそれを装着可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、用紙の両面に画像形成するために一方の面に画像形成した用紙を反転して他方の面を画像形成することが行われている。こうした用紙両面への画像形成を行う場合、常に両面に画像形成することはないため、一方の面に画像形成した用紙を反転して搬送する反転搬送ユニットを必要に応じ画像形成装置本体に外付けして両面の画像形成を行うようにしている。反転搬送ユニットを外付けにすると、画像形成装置本体内のレイアウトを大きく変更する必要がないが、その分画像形成装置の幅が大きくなってしまい、設置スペースが増加することになる。そこで、画像形成装置本体内に取り外し自在に反転搬送ユニットを装着して画像形成装置の設置スペースを増加させないようにすることが提案されている。例えば、特許文献1には、記録用紙反転搬送ユニット及び記録用紙再搬送ユニットを着脱自在に装着して用紙を反転搬送して両面記録する点が記載されている。また、特許文献2には、両面ユニットを画像形成装置に搬送ユニットと交換可能に装着できるようにした点が記載されている。この場合、画像形成装置全体の設置スペースの増加はなくなるが、装置本体内のレイアウトに制限が加えられてしまうことになり、給紙部、記録部といったその他の構成を見直さなければならない。また、装置内に反転搬送ユニットのためのスペースを確保することも必要になり、画像形成装置自体が大きくなることも考えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−168407号公報
【特許文献2】
特開2002−116591号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、その設置スペースを抑えるとともに画像形成装置本体の変更を少なくすることが可能な反転搬送ユニット及びそれを装着可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る反転搬送ユニットは、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送手段を備えた画像形成装置の側面に装着されて、前記用紙搬送手段の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送ユニットであって、本体フレームと、用紙を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラを駆動するためのモータとを備えるとともに、前記モータの少なくとも一部は、装着時に画像形成装置内に配置されるように、前記側面に対する前記本体フレームの当接面より外方に突出して配置されていることを特徴とする。さらに、前記モータの前記当接面より突出した部分を覆うカバー部材が設けられていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置は、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送手段を備えるとともに、前記用紙搬送手段の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出するための反転搬送ユニットを側面に装着する画像形成装置であって、前記反転搬送ユニットに設けられたモータは、その少なくとも一部が画像形成装置内に突出するように配置されており、前記側面には、前記モータを収容するための開口部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
上記のような構成を有することで、本体フレームの当接面からモータの少なくとも一部が外方に突出して画像形成装置内に配置される分だけ反転搬送ユニットの幅(画像形成装置の側面からの水平方向の厚さ)を小さくすることができ、設置スペースを抑えることができる。また、反転搬送ユニットの搬送ローラを駆動するモータを搬送ユニット側に設けることで、画像形成装置本体に反転搬送用の駆動系を設置する必要がなくなり、こうした設計上の変更を少なくすることができる。
【0008】
すなわち、反転搬送ユニットで大きなスペースが必要となるモータを外方に突出させて装着時に装置本体内にその一部を配置することで、反転搬送ユニットの幅を必要最小限とすることが可能となる。例えば、搬送ローラの幅をベースに反転搬送ユニットの幅を設計することもできる。また、従来装置本体内に配置されていた反転搬送用の駆動系を反転搬送ユニットに持たせることで、その分装置本体をコンパクト化でき、また必要なときのみ駆動系をセットすればよく、常時装置本体内にセットされていないことから、その分駆動系を単純化できる。
【0009】
また、モータの外方に突出した部分をカバー部材により覆うことで、反転搬送ユニットの取り外し時又はジャム処理時に反転搬送ユニットを画像形成装置から離間させた際に発熱したモータが露出することがなく、モータへの接触を防止することができる。
【0010】
また、画像形成装置の前記側面に係合する係合手段及び前記モータは、画像形成装置への装着時に用紙反転搬送路よりも上方に位置するように、前記本体フレームに配置することで、反転搬送ユニットが安定した状態で装置本体に装着される。すなわち、反転搬送ユニットで重量の大きいモータを係合手段とともに配置することで、重心位置に近い箇所で装置に係合され、より安定した状態とすることができる。
【0011】
なお、本件明細書では、装置本体の「側面」とは、上面及び下面以外の面を意味しており、正面及び背面を含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置全体の概略断面図である。図2は、画像形成装置に反転搬送ユニットを装着した状態の概略断面図である。画像形成装置1の上部には原稿読取部2が配置され、その下部には、底面から給紙部3、記録部4が配されている。
【0013】
原稿読取部2では、原稿カバー10に設けられた原稿トレイ11に載置された原稿が原稿搬送装置12により読取手段に対向する位置に搬送されて原稿読取動作が行われ、原稿排紙トレイ13に排出される。書籍等を読み取る場合には、原稿カバー10を上方に開いてフラットベッドプラテン14に書籍等の読取部分を配置し読取手段により読取動作が行われる。以上の構成は、いわゆるADFタイプ及びフラットベッドタイプを兼ね備えた従来の原稿読取装置と同様のものである。
【0014】
給紙部3では、給紙カセット15及び16が上下2段に配置されており、それぞれフラッパ17及び18に所定のサイズの用紙を複数枚積載しておく。フラッパ17及び18は図において右端部をヒンジにより軸支されており、ピックアップローラ19及び20が左側に配置されている。そして、フラッパ17及び18は、積載された用紙の上面がピックアップローラ19及び20に当接するように上方に付勢されている。この状態でピックアップローラ19又は20が回転駆動すると、摩擦力により用紙が1枚ずつ用紙搬送路に給紙されるようになる。
【0015】
給紙された用紙は、フィードローラ21及びプレスローラ22により記録部4に搬送される。記録部4では、搬送された用紙に画像を記録するために、トナー容器23、メモリ除去ブラシ24、帯電チャージャ25、感光体ドラム26、転写ローラ27、露光ヘッド28及び定着ローラ29が備えられている。まず、感光体ドラム26の表面を帯電チャージャ25を用いて一様に帯電させ、帯電された感光体ドラム26に露光ヘッド28で画像記録信号に応じて露光することで静電潜像を形成する。次に、トナー容器23内のトナーを供給ローラ30から現像ローラ31を介して感光体ドラム26に形成された静電潜像に転移させて可視像化し、転写ローラ27により感光体ドラム26表面に形成されたトナー像を用紙に転写する。そして、転写されたトナー像は、定着ローラ29及びプレスローラ32によって挟持されて加熱・プレスされ用紙に定着される。定着された用紙は、排出ローラ33及びプレスローラ34の間に挟持されて用紙排出トレイ35に搬出される。
【0016】
図1において、給紙部3から用紙排出トレイ35までを一点鎖線で示したのが、用紙搬送路である。そして、排出ローラ33の上流側には用紙後端検知センサ36が設けられている。
【0017】
一方、画像形成装置1の側面には収納開口部38が着脱できないように設けられ、手差し給紙トレイ37が収納開口部38に配設されている。図1では、手差し給紙トレイ37は装置本体に図示しない係止部材により係止されて閉鎖位置にあるが、回動軸39により軸支されて開放位置に回動するようになっている。収納開口部38の下部には手差し給紙された用紙を搬送するためのピックアップローラ40及びそれに圧接するパッド41が配設されており、ピックアップローラ40が回転することで、手差しされた用紙が給紙され、ガイド42に沿ってフィードローラ21及びプレスローラ22の間に搬送される。
【0018】
図2では、手差し給紙トレイ37が回動軸39を中心に外方に回動して収納開口部38より離間した開放位置にある。そして、反転搬送ユニット43が手差し給紙トレイ37の上部に装着されている。反転搬送ユニット43の下部には収納開口部38内に挿着されるように突出部44が形成されており、上部には後述するモータ等の駆動機構が装置本体に挿入されている。反転搬送ユニット43の突出部44の底面45には、図示されていないが爪部が形成されており、画像形成装置本体に設けられた支持台46に引っ掛けて取付けられるようになっている。突出部44は、反転搬送ユニット43が装置本体に装着された状態において、装置本体の最外側面に当接する反転搬送ユニット43の面よりも装置本体側に突出している。
【0019】
反転搬送ユニット43内には反転搬送路47が略コ字状に形成されており、上部の傾斜した搬送路にはフィードローラ48及びプレスローラ49が、下部の傾斜した搬送路にはフィードローラ50及びプレスローラ51がそれぞれ配置されて、この2組の搬送ローラにより用紙が反転搬送される。そして、フィードローラ50及びプレスローラ51の少なくとも一部は、突出部44内に配置されて、収納開口部38内のスペースに位置するようにされている。
【0020】
装置本体内には、排出ローラ33からガイド52に沿って用紙搬出口53までの反転搬出路が形成されており、また、収納開口部38には、手差し給紙口の上部に用紙搬入口54からガイド55に沿ってフィードローラ21までの反転搬入路が形成されている。したがって、反転搬送ユニット43を装着すると、反転搬出路−反転搬送路47−反転搬入路が接続されて、図2の一点鎖線で示すような搬送路が形成される。
【0021】
用紙の反転搬送制御を行う場合には、片面に画像形成した用紙を一旦排出ローラ33を駆動して排出トレイ35に向けて排出動作し、用紙後端検知センサ36が用紙の後端を検知した時点で排出動作を停止する。この時点で用紙の後端部は排出ローラ33及びプレスローラ34に挟持された状態となっている。その後、後述するように、反転搬送ユニット43内のモータを駆動して排出ローラ33を逆送するように回転して用紙の後端から反転搬出路を通り用紙搬出口53に用紙を搬送する。フィードローラ48及びフィードローラ50がそれに連動して回転し、用紙は反転搬送路47を搬送され、用紙搬入口54から反転搬入路に搬送されて、再度フィードローラ21に突き当てられる。その後残りの面(裏面)が記録部4により画像形成されて両面の画像形成制御が行われる。
【0022】
手差し給紙トレイ37と反転搬送ユニット43の対向面57との間には、手差し給紙を行う際の用紙案内口56が形成されている。用紙案内口56が形成されることで、手差し給紙トレイ37を装置本体から取り外すことなく、手差し給紙動作及び反転搬送動作の両方を可能にすることができる。また、用紙案内口56は斜め上方からでも視認できるため、容易に用紙を給紙口に案内することができる。手差し給紙トレイ37の上面には、用紙の位置決めを行うサイドガイド58が設けられており、用紙の大きさに合わせてスライドさせて位置決めしておけば、的確に手差し給紙を行うことができる。
【0023】
画像形成装置1は、装置本体内の用紙搬送路が給紙部3から縦方向に上方に向かって形成されて上部の排出トレイ35に接続されている。このように、用紙搬送路を形成することで、搬送路を短くすることができ、装置本体もコンパクト化することができる。そのため、記録部4の感光体ドラム26、転写ローラ27及び定着ローラ29も用紙搬送路に沿って縦方向に配列され、装置本体の一方側(図1及び図2の例では左側)にレイアウトされる。こうしたレイアウトにすることで、装置本体の設置スペースを給紙部3に積載される用紙の大きさに近づけることができ、装置本体のコンパクト化を図ることができる。一方、原稿読取部2は、フラットベッド14の部分の左側に原稿搬送装置(ADF)12がレイアウトされているため、左右方向の幅を比べると、図1に示すように、下部の給紙部3及び記録部4が配置された筐体5よりdだけ大きくなっている。
【0024】
従来は、こうした幅の違いをデザイン上隠すため、筐体5の幅を原稿読取部2と同じにしていたが、この実施形態では、定着ローラ29が近接して配置された筐体5の側面フレーム部分の方に原稿読取部2の外装体6が突出するようにレイアウトされている。このようにレイアウトすることで、定着ローラ29が発熱しても、近接する側面フレーム部分の外面には空隙が確保されて放熱を効率よく行うことができる。こうして、原稿読取部2の外装体6が突出していないと、定着ローラ29が近接配置される側面フレーム部分が壁面に密着されて設置される場合があり、この場合には定着ローラ29の放熱が悪くなって、故障の原因となるおそれがあるが、この実施形態ではこうしたことを回避できる。
【0025】
また、図2に示すように、反転搬送ユニット43を装着した際に装着した側面フレーム部分から水平方向の最外方位置は、原稿読取部2の外装体6の突出部よりも内側となるように設定されている。すなわち、外装体6の突出部の最外方位置を通る垂直面に対して距離mだけ内側に反転搬送ユニットの最外方位置がくるように設定されている。このように設定することで、外装体6の突出部により生じた空間を有効に活用することができる。また、反転搬送ユニット43が装着される側面を人が通る通路となるように画像形成装置が設置されている場合に、外装体6の突出部が人の通行を規制して反転搬送ユニット43が通行する人に接触すること防ぐことができる。逆にいえば、外装体6の突出部が意識されるため、反転搬送ユニット43を装着しても人の通行の邪魔になることはない。
【0026】
また、手差し給紙トレイ37についても開放位置にある状態でその最外方位置が、外装体6の突出部の最外方位置を通る垂直面に対して距離nだけ内側に設定される。このように設定することで、反転搬送ユニット43の場合と同様に、外装体6の突出部により生じた空間の有効利用と人の通行の際の接触を防止することが可能となる。
【0027】
図3は、反転搬送ユニット43の内側から見た斜視図を示しており、図4は、その側面から見た駆動機構の概略図を示している。
【0028】
図3に示すように、本体フレーム100は、左右のサイドフレーム101と、その間に下から順に下面フレーム102、背面フレーム103及び上面フレーム104が一体となって形成されている。そして、その内部には、サイドガイド105及び106が反転搬送路に沿ってサイドフレーム101とほぼ平行に固定されている。上面フレーム104の内面には本体支持板107が配設されており、本体支持板107には、ネジ等により装置本体に反転搬送ユニットを固定するための穴部108、109が穿設されている。サイドガイド105及び106は、反転搬送路47に沿って、背面フレーム103の方に湾曲した形状となっている。その湾曲形状に沿って、サイドガイド105及び106の間に外側ガイド110及び内側ガイド111が所定間隔を空けて互いに平行になるように取り付けられている。内側ガイド111は装置本体寄りのガイドで、外側ガイド110は本体フレーム100寄りのガイドである。そして、サイドガイド105及び106、外側ガイド110及び内側ガイド111の4つのガイドにより囲まれた領域に反転搬送路47が形成され、装置本体の用紙搬出口53に接続される搬入口112と用紙搬入口54と接続される搬出口113がそれぞれ形成される。
【0029】
反転搬送路47には、フィードローラ48及びプレスローラ49、フィードローラ50及びプレスローラ51の2組の搬送ローラが上述したように配置されている。フィードローラ48はローラ軸116に固定されており、ローラ軸116はサイドガイド105及び106の間に回転自在に保持されている。プレスローラ49はローラ軸117に固定されており、ローラ軸117は、内側ガイド111に回転自在に保持されている。そして、内側ガイド111に設けられた開口部114、115において、プレスローラ49がフィードローラ48に圧接している。また、フィードローラ50はローラ軸119に固定され、ローラ軸119はサイドガイド105及び106の間に回転自在に保持されている。プレスローラ51はローラ軸118に固定されており、ローラ軸118は、内側ガイド111に回転自在に保持されている。そして、内側ガイド111に設けられた開口部120、121において、プレスローラ49がフィードローラ48に圧接している。
【0030】
フィードローラ48及び50を駆動するためにモータ122及び歯車機構を取付けた歯車支持板123がサイドフレーム101及びサイドガイド106の間に固定されている。歯車支持板123には、穴部が穿設されており、この穴部からモータ軸を突出させてモータ122は取付けられている。モータ122は、その一部がサイドフレーム101の端面から外方に突出しており、その突出部を覆うようにカバー部材124が、サイドフレーム101の端面に沿って装着されている。
【0031】
図4は、反転搬送ユニット43を、サイドフレーム101の方から見た側面図である。歯車機構が理解しやすいように、サイドフレーム101、モータ122及び歯車支持板123は、一点鎖線で描かれている。モータ122のモータ軸125は、上述したように支持板123の穴部より突出し、支持板123のモータ122とは反対側に配置されている。モータ軸125には駆動歯車126が固着されており、駆動歯車126には二段減速歯車127が噛み合っている。二段減速歯車127は、歯車支持板123に回転自在に取り付けられており、大径部歯車部分128及び小径部歯車部分129からなっており、駆動歯車126には大径部127が噛み合っている。
【0032】
小径部129には、第1伝達歯車130が噛み合っており、第1伝達歯車130には、第2伝達歯車131及び第3伝達歯車132が順次噛み合っており、これらの伝達歯車はいずれも歯車支持板123に回転自在に取り付けられており、図4に示すように、第1伝達歯車130から第3伝達歯車132にいくに従い、サイドフレーム101の端面より外方に突出するように(図4では左方向)に配置されている。そして、このように外方に突出することで、画像形成装置に装着した際に後述するように装置本体内の駆動伝達機構と第3伝達歯車132が噛み合って、モータ122の駆動力が伝達される。
【0033】
小径部129には、別にローラ駆動歯車133が噛み合っており、ローラ駆動歯車133はフィードローラ48を取り付けたローラ軸116に固定されている。ローラ駆動歯車133のサイドガイド106側にはプーリー134が突設されており、フィードローラ50を取り付けたローラ軸119にも同径のプーリー135が固定されている。そして、プーリー134及びプーリー135には無端ベルト136が懸架されている。
【0034】
モータ122が駆動してモータ軸125が回転すると、駆動歯車126が回転して二段減速歯車127が回転する。したがって、小径部129の回転が第1伝達歯車130からローラ駆動歯車133に伝達されて、フィードローラ48が回転する。同時にプーリー134も回転するため、無端ベルト136を介してプーリー135が回転して、フィードローラ50が回転するようになる。こうして、フィードローラ48及び50の回転によって用紙の反転搬送が行われる。
【0035】
モータ122には、2つの取付板部138がモータ軸125を中心として両側の対称位置に延設されており、取付板部138においてそれぞれ固定部材139により歯車支持板123にモータ122は固定される。そして、歯車支持板123は、背面フレーム103図示せぬ装着部材により固定されており、歯車支持板123の固定状態では、モータ122の一部137がサイドフレーム101の内側端面(図4の左側端面)から外方に突出している。
【0036】
図5は、反転搬送ユニット43を装置本体に装着した状態の部分断面概略図であり、図6は、その外観斜視図である。反転搬送ユニット43は、その上部では外方に突出したモータ122及び歯車支持板123に取り付けられた第3伝達歯車132等の駆動伝達機構が装置本体内に挿入されており、下部では突出部44が装置本体の収納開口部38内に挿着されている。
【0037】
反転搬送ユニット43の本体フレーム100には、下面フレーム102及び背面フレーム103の部分に手差し給紙トレイ37を収容する収容部140が形成されている。収容部140は、図6に示すように、手差し給紙トレイ37の幅と同じ幅で切欠くように凹状に形成されており、その両側はサイドフレーム101と略平行になっている。そして、その両側には係合凸部141がそれぞれ設けられている。手差し給紙トレイ37の内部には、図5に示すように、延長板143がスライド可能に配設されており、上部には取っ手144が設けられている。そして、手差し給紙トレイ37が回動軸39を中心に回動して収容部140に収容されると、手差し給紙トレイ37の両側に形成された係合凹部142が嵌合して、収容部140内に保持される。
【0038】
図7は、手差し給紙トレイ37が収容部140に収容された状態で反転搬送ユニット43の背面側から見た外観外略図である。収容部140の両側に設けられた係合凸部141に手差し給紙トレイ37の両側に設けられた係合凹部142が嵌合して保持されている。手差し給紙トレイ37の保持方法としては、図8に示すように、収容部140の上部に係合凸部141を設け、手差し給紙トレイ37の上部に係合凹部142を設けて保持するようにしてもよい。手差し給紙トレイ37が収容部140に保持することができるのであれば、これら以外の方法も採用でき、特に限定されない。
【0039】
また、反転搬送ユニット43の背面フレーム103及び下面フレーム102の中央部をカバー部145として回動軸146を中心として開閉自在にすれば、反転搬送路47内の用紙のジャム処理を容易に行うことが可能になる。そして、カバー部145を開いた際には、手差し給紙トレイ37の回動軸39とカバー部材145の回動軸146とがずれた位置にあるため、図9に示すように、係合凸部141及び係合凹部142が自動的に離脱して手差し給紙トレイ37も開放状態となる。
【0040】
上述した実施形態では、反転搬送ユニット43に手差し給紙トレイ37を保持する保持手段を設けて、手差し給紙トレイ37の最大開き位置(図2に示すような開いた状態の位置)よりも反転搬送ユニット43側に保持するようにしているが、装置本体側にこうした保持手段を設けることもできる。例えば、図10に示すように、手差し給紙トレイ37の中間部に係合凸部147が突設され、装置本体に係合凸部147と係合する係合凹部を備えた突起部148が形成して、手差し給紙トレイ37を突起部148で保持するようにしてもよい。また、図11に示すように、手差し給紙トレイ37の回動軸39より装置本体側に係合突起151を形成し、装置本体のフレームには係合突起151に係合する湾曲部152が形成された板バネ149をネジ150により固定して、手差し給紙トレイ37を板バネ149の湾曲部152に保持するようにしてもよい。また、図12に示すように、手差し給紙トレイ37の中間部に係合突起151を突設し、装置本体にも係合突起152を突設して、係合突起151及び152の間にバネ153を係止すれば、手差し給紙トレイ37が回動してバネ153が回動軸39より上方に移動した位置及び下方に移動した位置で手差し給紙トレイ37を保持することができる。
【0041】
反転搬送ユニット43の上部において、モータ122及び第3伝達歯車132等を取り付けた歯車支持板123が挿入される装置本体の部位には、図13に示すように、挿入するための開口部154が設けられており、開口部154にはカバー板155がネジにより装着されている。したがって、反転搬送ユニット43を装着しない場合には、開口部154は閉鎖されて埃等の侵入を防止することができる。また、開口部154を閉鎖する方法としては、ネジ以外にも、図14に示すように、カバー板155の周囲を切断できる程度に薄く形成された接続部分157により開口部154に一体成形してもよい。
【0042】
反転搬送ユニット43が装着されると、第3伝達歯車132は、図15に示すように、排出ローラ33のローラ軸158に取り付けられた歯車160と噛み合うようになる。歯車160は、ワンウェイクラッチ163を介してローラ軸158に取り付けられており、モータ122が回転したときのみワンウェイクラッチ163がクラッチ接続してローラ軸158に伝達される。ローラ軸158にはもう一つの歯車159が取り付けられており、歯車159には装置本体内の搬送ローラを回転駆動するモータ161の駆動力が伝達されるようになっている。歯車159は、ワンウェイクラッチ162を介してローラ軸158に取り付けられており、モータ161が回転したときのみワンウェイクラッチ162がクラッチ接続してローラ軸158に伝達される。したがって、モータ161が回転駆動されているときは、歯車159はクラッチ接続されてローラ軸158は回転し、排出ローラ33が回転して用紙は排出トレイ35に排出されるようになる。このときワンウェイクラッチ163はクラッチ接続されず、ローラ軸158の回転動作に影響はない。
【0043】
一方、モータ122が回転すると、第3伝達歯車132から歯車160に回転駆動が伝達される。この場合、上述したモータ161が回転したときとは逆方向に回転駆動され、歯車160のクラッチが接続されてローラ軸158は、用紙を排出するときとは逆方向に回転する。そして、排出ローラ33は用紙を用紙搬出口53に搬送するようになる。このときワンウェイクラッチ162はクラッチ接続されず、ローラ軸158の回転動作に影響はない。以上のように、歯車159及び160を互いに逆方向に回転したときにクラッチ接続するように設定することで、排出ローラ33の用紙排出動作と反転搬送動作を適宜切り換えて動作させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本体フレームの当接面からモータの少なくとも一部が外方に突出して画像形成装置内に配置される分だけ反転搬送ユニットの幅(画像形成装置の側面からの水平方向の厚さ)を小さくすることができ、設置スペースを抑えることができる。また、反転搬送ユニットの搬送ローラを駆動するモータを搬送ユニット側に設けることで、画像形成装置本体に反転搬送用の駆動系を設置する必要がなくなり、こうした設計上の変更を少なくすることができる。
【0045】
すなわち、反転搬送ユニットで大きなスペースが必要となるモータを外方に突出させて装着時に装置本体内にその一部を配置することで、反転搬送ユニットの幅を必要最小限とすることが可能となる。例えば、搬送ローラの幅をベースに反転搬送ユニットの幅を設計することもできる。また、従来装置本体内に配置されていた反転搬送用の駆動系を反転搬送ユニットに持たせることで、その分装置本体をコンパクト化でき、また必要なときのみ駆動系をセットすればよく、常時装置本体内にセットされていないことから、その分駆動系を単純化できる。
【0046】
また、モータの外方に突出した部分をカバー部材により覆うことで、反転搬送ユニットの取り外し時又はジャム処理時に反転搬送ユニットを画像形成装置から離間させた際に発熱したモータが露出することがなく、モータへの接触を防止することができる。
【0047】
また、画像形成装置の前記側面に係合する係合手段及び前記モータは、画像形成装置への装着時に用紙反転搬送路よりも上方に位置するように、前記本体フレームに配置することで、反転搬送ユニットが安定した状態で装置本体に装着される。すなわち、反転搬送ユニットで重量の大きいモータを係合手段とともに配置することで、重心位置に近い箇所で装置に係合され、より安定した状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反転搬送ユニットを装着しない状態の画像形成装置全体の概略断面図である。
【図2】反転搬送ユニットを装着した状態の画像形成装置全体の概略断面図である。
【図3】反転搬送ユニットの斜視図である。
【図4】反転搬送ユニットの側面から見た概略断面図である。
【図5】反転搬送ユニットを装着した状態の部分断面概略図である。
【図6】反転搬送ユニットを装着した状態の概観斜視図である。
【図7】手差し給紙トレイを反転搬送ユニットに収容した状態の説明図である。
【図8】手差し給紙トレイを反転搬送ユニットに収容した状態の別の例の説明図である。
【図9】反転搬送ユニットのカバー部材を開いた際の説明図である。
【図10】手差し給紙トレイを装置本体に保持する例の説明図である。
【図11】手差し給紙トレイを装置本体に保持する別の例の説明図である。
【図12】手差し給紙トレイを装置本体に保持する別の例の説明図である。
【図13】反転搬送ユニットの上部を装置本体に挿入する際の説明図である。
【図14】反転搬送ユニットの上部を装置本体に挿入する際の別の例の説明図である。
【図15】反転搬送ユニットを装着した際の用紙搬送駆動機構の説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 給紙部
4 記録部
5 筐体
6 外装体
33 排出ローラ
34 プレスローラ
35 排出トレイ
36 用紙後端検知センサ
37 手差し給紙トレイ
38 収納開口部
39 回動軸
40 ピックアップローラ
41 パッド
42 ガイド
43 反転搬送ユニット
44 突出部
45 底面
46 支持台
47 反転搬送路
48 フィードローラ
49 プレスローラ
50 フィードローラ
51 プレスローラ
52 ガイド
53 用紙搬出口
54 用紙搬入口
55 ガイド
56 用紙案内口
57 対向面
58 サイドガイド
100 本体フレーム
101 サイドフレーム
102 下面フレーム
103 背面フレーム
104 上面フレーム
105 サイドガイド
106 サイドガイド
110 外側ガイド
111 内側ガイド
122 モータ
123 歯車支持板
124 カバー部材
126 駆動歯車
127 二段減速歯車
130 第1伝達歯車
131 第2伝達歯車
132 第3伝達歯車
133 ローラ駆動歯車
134 プーリー
135 プーリー
136 無端ベルト
140 収容部
141 係合凸部
142 係合凹部
143 延長板
144 取っ手
145 カバー部
146 回動軸
154 開口部
155 カバー板
156 ネジ
157 接続部分
158 ローラ軸
159 歯車
160 歯車
161 モータ
162 ワンウェイクラッチ
163 ワンウェイクラッチ

Claims (3)

  1. 給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送手段を備えた画像形成装置の側面に装着されて、前記用紙搬送手段の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送ユニットであって、本体フレームと、用紙を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラを駆動するためのモータとを備えるとともに、前記モータの少なくとも一部は、装着時に画像形成装置内に配置されるように、前記側面に対する前記本体フレームの当接面より外方に突出して配置されていることを特徴とする反転搬送ユニット。
  2. 前記モータの前記当接面より突出した部分を少なくとも覆うカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反転搬送ユニット。
  3. 給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送手段を備えるとともに、前記用紙搬送手段の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出するための反転搬送ユニットを側面に装着する画像形成装置であって、前記反転搬送ユニットに設けられたモータは、その少なくとも一部が画像形成装置内に突出するように配置されており、前記側面には、前記モータを収容するための開口部が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
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