JP2004181365A - 低温酸化触媒、その製造方法およびそれを用いた燃料電池用燃料改質装置 - Google Patents

低温酸化触媒、その製造方法およびそれを用いた燃料電池用燃料改質装置 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒である金属微粒子の付着量が少なくても、高い触媒活性を示す低温酸化触媒を提供する。また、その低温酸化触媒の簡便な製造方法、ならびに触媒活性の高い低温酸化触媒を用いることにより、300℃以下の低温でもCOシフト反応を高効率で生じさせることのできる燃料電池用燃料改質装置を提供する。
【解決手段】金属塩と還元剤とを含有する溶液を煮沸して、溶存酸素を除いた状態で調製したコロイド溶液を用いて、基体にコロイド粒子を定着させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、300℃以下の使用温度で優れた触媒活性を示す低温酸化触媒およびその製造方法に関する。さらには、その低温酸化触媒を用いた燃料電池用燃料改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
白金などの金属微粒子が触媒として機能することは広く知られるところである。金属微粒子を触媒として利用する場合、反応原料との接触面積を増やすため、あるいは触媒を取り扱い易くするため、通常は繊維、織布、不織布、フィルムまたは粉体などの基体の表面に金属微粒子を定着させる。基体の表面に金属微粒子を定着させる手段は種々存在するが、たとえば特許文献1には、2価の白金アンミン塩水溶液中にゼオライトを投入し、これを吸引濾過し水洗した後に加熱乾燥して、さらに500℃に加熱しそのまま維持しつつ、所定時間酸素に曝露し、つづけて水素に曝露することにより、ゼオライト上に金属白金を定着させる方法が記載されている。この方法によれば、平均径0.4〜2nmのゼオライトの細孔内に白金超微粒子定着して、一酸化炭素などの双極性の分子を吸着し酸化できる低温酸化触媒が得られる。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−256112号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載の製造方法では、触媒活性を示す白金超微粒子がゼオライトの細孔内で生成されるため、白金超微粒子の原料中に含まれる不純物やその生成過程で生じる残渣が加熱焼成を行っても除去されず、白金超微粒子の表面を覆ったり、細孔内に残留したりすることから、得られた低温酸化触媒について、白金超微粒子の付着量の割に触媒活性が低いという問題があった。
【0005】
この発明は、上記問題点に着目することにより、完成されたものである。その目的とするところは、触媒であるコロイド粒子の付着量が少なくても、高い触媒活性を示す低温酸化触媒を提供することにある。また、その低温酸化触媒の簡便な製造方法を提供することにある。さらには、触媒活性の高い低温酸化触媒を用いることにより、使用温度が300℃以下とくに200℃以下でもCOシフト反応が高効率で起こる燃料電池用燃料改質装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係る低温酸化触媒の製造方法は、金属塩と還元剤とを含有する溶液を煮沸して、溶存酸素を除いた状態で調製したコロイド溶液を用いて、基体にコロイド粒子を定着させることを特徴とする。この方法によれば、安定剤などを含まなくても極めて安定性の高いコロイド溶液を基体に塗布するので、コロイド粒子を生成するために基体を加熱焼成する必要がなくなり、コロイド粒子を基体に定着させることが容易となると共に、残渣の発生などにより触媒活性が低下することもなくなる。また、前記コロイド溶液は、安価な金属塩を出発物質として、簡素な工程で製造できるので、製造コストが極めて安価である。また、前記コロイド溶液は、粒径が均一で、高濃度になっても凝集し難いので、沈殿を防止するための安定剤が不要であり、かつ、基体上に均一に定着することができる。
【0007】
また、この発明に係る低温酸化触媒によれば、触媒の付着率が低くても高い触媒活性を示すことができる。さらに、この発明に係る燃料電池用燃料改質装置によれば、300℃以下とくに150〜200℃の低温でもCOシフト反応を高効率に起こさせることができる。そのため、この装置であれば、燃料電池の発電効率の改善に資すると共に、耐熱性のあまり高くない部材の利用が可能となることから、部材選択の幅が広がる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0009】
コロイド溶液の製造には、刊行物(難波征太郎、大倉一郎、「白金コロイドの作り方と使い方」、表面、No.8(1983)、Vol.21、p.450〜456)を参考にした。すなわち、つぎの通りである。
「2.白金コロイドの作り方
2.1 白金コロイド
白金コロイドの調製にはコンデンサー付きの2Lの丸底フラスコを用い、これに蒸留水960mlを入れ、マントルヒーターを用いて十分沸騰させる。これに塩化白金酸水溶液(1g−Pt/L)60mlを加え、再び沸騰するのを待って、クエン酸ナトリウム水溶液(1wt%)120mlを添加し沸騰を続ける。溶液は、はじめ塩化白金酸のため淡黄色であるが、徐々に黒みを帯び、クエン酸ナトリウム添加30分後には茶褐色となる。さらに還流を続けると、1時間後には黒色に変化し、その後は色の変化は認められない。反応を停止するには、反応溶液を氷水浴中に浸すことにより行う。このようにして得られた白金コロイドは非常に安定であり、冷蔵庫に保存すれば、数ヶ月は凝集が認められない。
本調製方法は非常に簡単であるが、調製にあたっては次の3点に注意する必要がある。1)容器の洗浄は注意深く行い、あらかじめ一昼夜王水に浸してから使用する。2)使用する水は特に注意を払う必要があり、イオン交換水を2回蒸留して使用する。3)反応中は常に加熱を行い、はげしく反応している状態に保つことである。これだけの注意を払えば、再現性よく、白金コロイドを調製することができる。
反応中はげしく沸騰させておくのは、空気中の酸素が本反応を阻害するからである。溶存酸素を除いた状態で調製することが必要であり、はげしく沸騰していない状態で調製すると、合成に長時間費やしたり、凝集が起こってしまうなどして再現性のよい結果は得られない。窒素ガスなどの不活性気体を吹き込み、溶存酸素を除去した状態では、70℃付近の低温でも調製できる。
未反応の塩化白金酸やクエン酸ナトリウムは、イオン交換樹脂アンバーライドMB−1を詰めたカラムを通すことにより除去することができる。除去の程度は溶液の電気伝導度を測定することにより判断できるが、100mlのコロイド溶液ではイオン交換樹脂6mlで十分である。この際、イオン交換樹脂に吸着される白金コロイドの量はごくわずかである。」
【0010】
上記の方法により製造したコロイド粒子は、粒径が1nmオーダーで極めて均一性が高く、また高濃度状態でも安定剤を必要とせず殆ど凝集を生じない。そのため、コロイド溶液中に基体を浸漬するなど公知の手段を用いることにより、コロイド粒子を基体上に、簡便、かつ、強固に定着させることができる。また、このコロイド溶液を使用することから、コロイド粒子を生成するために基体ごと加熱焼成する必要がなくなり、製造工程を簡素化できるだけでなく、前記生成による残渣および不純物(副生物)の発生も回避することができる。その結果、この発明に係る製造方法によれば、触媒活性と耐久性とが極めて高い低温酸化触媒を簡便に得ることができる。
【0011】
コロイド溶液を基体に塗布する手段としては、とくに限定されるものではなく、ディップ法またはスプレー法など公知の手段が例示される。基体の種類は、コロイド粒子が定着でき、かつ、低温酸化触媒の担持体として必要な機能すなわち耐酸化性および耐熱性などを備えるものであれば、とくに限定されるものではない。たとえば、炭素類、無機セラミック類または有機ポリマー類が挙げられる。また、これらの2種以上を併用してもよい。炭素類としては、活性炭、木炭、炭素繊維またはカーボンブラックなどが例示される。無機セラミック類としては、アルミナ、チタニア、マグネシア、シリカまたはゼオライトが例示される。有機ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリシリコーン、ナフィオンまたはポリセルロースが例示される。基体の形態・形状もとくに限定されるものではなく、繊維、織布、不織布、フィルムまたは粉体などが例示される。これらの中でもガラス繊維および鱗片状ガラスからなる基体が好適である。ガラス繊維および鱗片状ガラスは、酸・アルカリ溶液を用いて薬液処理されると、その表面が容易に多孔質化する。この多孔質における細孔の平均径は、通常は1〜10nmオーダーであることから、上記のコロイド粒子であれば、多孔質の細孔内に上手く入り込むことができ、そこに強固に定着することができる。
【0012】
還元剤としては、水に溶解するものであればとくに限定されるものではなく、アルコール類、クエン酸類、カルボン酸類、ケトン類、エーテル類、アルデヒド類またはエステル類が例示される。また、これらの2種以上を併用してもよい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールまたはグリセリンが例示される。クエン酸類としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸アンモニウムなどのクエン酸塩が例示される。カルボン酸類としては、ぎ酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、アスパラギン酸またはそれらのカルボン酸塩が例示される。ケトン類としては、アセトンまたはメチルエチルケトンが例示される。エーテル類としては、ジエチルエーテルが例示される。アルデヒド類としては、ホルマリンまたはアセトアルデヒドが例示される。エステル類としては、ぎ酸メチル、酢酸メチルまたは酢酸エチルが例示される。これらの中でも、還元性が高く、取り扱いも容易なクエン酸ナトリウムがとくに好ましい。
【0013】
粒径1〜20nmの安定な金属のコロイド粒子を生成する観点からは、還元剤としてアルコール類、クエン酸類またはカルボン酸類が好ましい。とくに粒径1〜5nmの安定な金属のコロイド粒子を生成するためには、クエン酸類が好適である。ただし、コロイド粒子は、粒径が1.6nm未満になると、100℃以下における触媒活性が著しく低下するため、その平均粒径は1.6nm以上であることが好ましい。
【0014】
反応溶液を構成する溶媒は、還元剤および金属塩を溶解できるものであればとくに限定されるものではなく、水、アルコール類、ケトン類またはエーテル類が例示される。また、これらを2種以上併用してもよい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールなどが例示される。ケトン類としては、ぎ酸メチル、酢酸メチルまたは酢酸エチルなどが例示される。エーテル類としては、メチルエチルエーテルまたはジエチルエーテルなどが例示される。金属塩を十分に溶解する観点から、溶媒としては、水またはアルコール類が好ましい。
【0015】
金属塩は、溶媒に溶解し、還元剤により還元されるもので、コロイド粒子となったときに触媒として機能しうるものであれば、その種類をとくに限定されるものではない。たとえば、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、鉛(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)もしくはスズ(Sn)の塩化物、硝酸塩、硫酸塩またはこれらの金属錯化合物が挙げられる。また、これらの2種以上を併用してもよい。2種の金属塩を併用する場合は、合金のコロイド粒子を製造することができる。金属塩として白金塩を用いた場合は、コロイド粒子の粒径がとくに小さくなり、1〜5nmの安定なコロイド粒子が得られる。とくに、塩化白金酸を使用すれば、コロイド粒子の粒径の均一化を一層図ることができる。
【0016】
基体上にコロイド粒子が定着すれば、これを低温酸化触媒として利用することができる。ここで、「低温酸化触媒」とは、300℃以下とくに100〜300℃の温度域で使用する酸化触媒をいう。この低温酸化触媒は、コロイド粒子が不純物や残渣に覆われることがないので、その触媒活性が極めて高い。とくに150〜200℃の低温域では、既存の方法すなわちゼオライトなどの担持体表面において加熱焼成により生成する方法で製造したコロイド粒子を用いたものを比較対照にすると、その触媒活性は2〜3倍にも達する。この点については、実施例で後述する。
【0017】
したがって、この発明に係る低温酸化触媒を燃料電池用燃料改質装置に利用すれば、300℃以下とくに150〜200℃の低温域でCOシフト反応(CO+HO→CO+H)を効率的に起こさせることができる。そのため、この発明に係る燃料電池用燃料改質装置であれば、従来の製造装置および部材などをそのまま流用できるので、極めて簡便、かつ、安価に燃料電池の発電効率を改善することができる。なお、燃料電池用燃料改質装置の製造方法は、とくに限定されるものではなく、公知の手段をそのまま用いることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて、この発明をより具体的に説明する。
【0019】
(実施例1)
1,500mlフラスコ、100ml三角フラスコ、200ml三角フラスコ、還流コンデンサーおよび撹拌子を王水中に一昼夜浸し、イオン交換および限外濾過した純水を用いて前記器具を十分に洗浄した。イオン交換および限外濾過した純水850mlと撹拌子とを前記1,500mlフラスコに投入し、還流コンデンサーをフラスコ上部に設置して、これを100℃まで加熱・昇温した。純水中の溶存酸素を取り除くため、そのまま1時間煮沸を行った。一方、100ml三角フラスコに、テトラクロロ白金酸6水和物0.1328mg(白金として50mg)を秤量して投入し、そこにイオン交換および限外濾過した純水を加えて50mlとした。また、200ml三角フラスコに、クエン酸ナトリウム1gを秤量して投入し、イオン交換および限外濾過した純水を加えて100mlとした。純水の溶存酸素を取り除いた後、1,500mlフラスコに100ml三角フラスコからテトラクロロ白金酸水溶液を投入し、再度100℃まで加熱・昇温した。さらに、溶存酸素を除去するため、30分間煮沸を行った。つづいて、200mlフラスコからクエン酸ナトリウム水溶液を沸騰状態が維持されるように徐々に添加した。この反応溶液において、白金濃度は50mg/L=2.6×10−4mol/L=1.0×10−3Nであり、白金のモル濃度に対するクエン酸ナトリウムのモル濃度の比は13.2となる。また、クエン酸ナトリウムは一電子供与体として機能するから、白金の当量濃度に対するクエン酸ナトリウムの当量濃度の比は3.3となる。
【0020】
クエン酸ナトリウム水溶液を1,500mlフラスコに全て添加した後、沸騰状態で還元反応を継続させ、反応開始から120分後に反応を止めて、その反応液を室温まで急冷した。冷却した反応溶液をイオン交換樹脂アンバーライトMB−1(オルガノ株式会社製)を詰めたカラムに通し、反応溶液中に残存する金属イオンおよび還元剤を取り除いて安定なコロイド溶液を得た。このコロイド溶液について、プラズマ発光分光分析法によりコロイド粒子の濃度を測定し、さらにコロイド粒子を適当量サンプリングし過酸化水素分解反応を利用して、その触媒活性の状態すなわちコロイド粒子の粒径を調査した。その結果、白金コロイド粒子の濃度は31.25mg/Lで、触媒活性は0.79mol−O/mg−Pt/minであった。また、過酸化水素分解反応を利用したコロイド粒子の測定の精度を確認するため、上記白金コロイド粒子について、透過型電子顕微鏡を用いて、その平均粒径を測定した。その結果、コロイド粒子の平均粒径は3.5nmであり、過酸化水素分解反応を利用した測定結果と一致することが確認された。
【0021】
上記の手段により作製したコロイド溶液中に、市販のアルミナ微粒子を添加し、所定時間浸漬した後、引き上げ自然乾燥させた。その後、アルミナ微粒子を数日間デシケータ内で保管し、コロイド溶液の溶媒を完全に除去した。その後、このアルミナ微粒子における白金コロイド粒子の付着率を測定(白金コロイド粒子を付着する前後の質量差から算出)したところ、白金コロイド粒子の付着率は、0.27質量%であった。
【0022】
この白金コロイド粒子が付着したアルミナ微粒子すなわち低温酸化触媒について、その触媒活性を測定するため、つぎの手段によりCO転化率を測定した。測定条件としては、ガス組成(体積比):CO=0.8%、CO=20.2%、H=38.5%、O=0.8%およびHe=39.7%からなる混合ガスを用いて、空間速度(SV)=11,000h−1(触媒2ml/ガス流量22L/h)として、低温酸化触媒および混合ガスの温度を50、100、150、200、250または300℃としたときにおけるそれぞれのCO転化率を測定した。その結果を「図1」に示す。
【0023】
(実施例2)
実施例1において、クエン酸ナトリウム水溶液を1,500mlフラスコに全て添加した後、沸騰状態で還元反応を継続させた状態に関し、反応開始から反応を止めるまでの時間を短くした以外は同様にして、コロイド溶液と低温酸化触媒とを作製した。このコロイド溶液における白金コロイド粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡の測定により1.1nmであることが判った。また、低温酸化触媒(白金コロイド粒子が定着したアルミナ微粒子)における白金コロイド粒子の付着率は0.20質量%であった。
さらに、実施例1と同じ条件で、この低温酸化触媒のCO転化率を測定した。その結果を「図1」に示す。
【0024】
(比較例1)
実施例1において、低温酸化触媒の作製を行わず、その代わりに市販の白金超微粒子が定着したアルミナ微粒子(N−220 ズードケミー触媒社製)を使用した。このアルミナ微粒子における白金超微粒子の付着率は、0.20質量%であり、また白金超微粒子の比表面積を測定したところ約160m/gであったことから、その平均粒径は実施例2で作製した白金コロイド粒子とほぼ同等の1nm程度と考えられる。さらに、実施例1と同じ条件でCO転化率を測定した。その結果を「図1」に示す。
【0025】
これら実施例および比較例を対比することにより、この発明に係る低温酸化触媒は、既存の方法で製造した触媒よりも触媒活性が高いことが判る。とくに、150〜200℃の範囲では、既存の方法で製造した触媒を基準にして、触媒活性が2〜3倍にも達する。
【0026】
また、実施例1および実施例2とを対比することにより、白金コロイド粒子の平均粒径が大きいほど、より低温域から触媒活性が高くなり始めることが判る。しかし、平均粒径が大きくなれば、白金コロイド粒子は沈殿し易くなることから、その平均粒径は5nm以下とすることが好ましい。すなわち、白金コロイド粒子のより好ましい平均粒径は、3.5〜5nmである。
【0027】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されていることから、つぎのような効果を奏する。この発明に係る低温酸化触媒の製造方法によれば、安定剤などの不純物を含まない極めて安定性の高いコロイド溶液を基体に塗布するので、コロイド粒子を生成するために基体を加熱焼成する必要がなくなり、これに伴い残渣の発生などにより触媒活性が低下することもなくなる。また、前記コロイド溶液は、安価な金属塩を出発物質として、簡素な工程で製造されるので、その製造コストを抑えることができる。また、前記コロイド溶液は、粒径が均一で、高濃度になっても凝集し難いので、沈殿を防止するための安定剤が不要となる。
【0028】
また、この発明に係る低温酸化触媒によれば、300℃以下とくに150〜200℃の環境下で、触媒作用を高効率で生じさせることができる。さらに、この発明に係る燃料電池用燃料改質装置によれば、低温でもCOシフト反応を効率的に生じさせることができる。そのため、この装置であれば、燃料電池の発電効率の改善に資すると共に、耐熱性のあまり高くない部材を利用して、その製造コストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるCO転化率の測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 金属塩と還元剤とを含有する溶液を煮沸して、溶存酸素を除いた状態で調製したコロイド溶液を、基体に塗布して、基体にコロイド粒子を定着させる低温酸化触媒の製造方法。
  2. 上記金属塩が塩化白金酸である請求項1に記載の低温酸化触媒の製造方法。
  3. 上記還元剤がクエン酸ナトリウムである請求項1または2に記載の低温酸化触媒の製造方法。
  4. 上記コロイド粒子の平均粒径が1.6〜5nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の低温酸化触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造した低温酸化触媒。
  6. 請求項5に記載の低温酸化触媒を用いた燃料電池用燃料改質装置。
JP2002351839A 2002-07-16 2002-12-03 低温酸化触媒、その製造方法およびそれを用いた燃料電池用燃料改質装置 Pending JP2004181365A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102309010B1 (ko) * 2020-05-13 2021-10-06 광운대학교 산학협력단 니켈이 첨가된 영가마그네슘을 이용한 탈질 촉매, 탈질 촉매 제조방법 및 이에 따른 탈질 방법

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KR102309010B1 (ko) * 2020-05-13 2021-10-06 광운대학교 산학협력단 니켈이 첨가된 영가마그네슘을 이용한 탈질 촉매, 탈질 촉매 제조방법 및 이에 따른 탈질 방법

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