JP5204714B2 - 合金微粒子およびその製造と利用 - Google Patents

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Description

本発明は、数ナノメートル程度の平均粒子径を有する合金微粒子の製造方法に関する。また、かかる方法により製造された合金微粒子の利用に関する。
燃料電池は、水素やメタノール等の燃料を電気化学的に反応させることにより、かかる燃料から電気エネルギーを直接的に取り出す発電装置(発電システム)である。燃料電池は、従来の電池または化石燃料の燃焼による発電システムに比べて、高い発電効率、優れた環境特性(低公害性や二酸化炭素の低排出量)、高温の排出ガス(排熱)の再利用による高い総合効率を有しており、活発に開発が進められている。
このような燃料電池のうち、例えば固体高分子電解質形燃料電池(以下、単に「PEFC」ということもある。)は、電解質にイオン交換膜の高分子膜を使用する燃料電池である。PEFCは、(1)常温から発電ができ、始動特性に優れる、(2)作動温度が90℃程度のため、耐熱温度の低い安価な材料が使用できる、(3)電流密度が高いため、小型・軽量化が可能である、等の特長を有している。このことにより、自動車用、携帯機器用、または家庭用コージェネレーションシステムの電源等としての実用化に向け、開発が進められている。
PEFCは、負極である燃料極と、正極である空気極と、該燃料極と空気極との間に挟まれた固体高分子電解質膜(典型的にはイオン交換膜)とを備えた構成である。かかる電池では、燃料極に供給された燃料(水素ガスやメタノール等の水素イオン源)が水素イオンと電子とに分解され、該水素イオンが燃料極から高分子電解質膜を通って空気極に移動するとともに、電子は導線内(外部回路)を流れて空気極に移動する。空気極では、該空気極に供給された酸素と、上記燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子とが反応して水が生成される。ここで、上記燃料極および/または空気極の電極反応は触媒を必要とし、典型的には触媒活性の高い貴金属(例えば白金族元素の白金(Pt)やルテニウム(Ru)、あるいはPtとRuの合金)が用いられているが、貴金属単体からなる触媒は非常に高価であり、また、例えばPtの単体触媒では被毒作用が起こり得る。このことから、最近では、Ptと、比較的安価な非貴金属との合金系触媒(例えばPt−Fe(鉄)、Pt−Co(コバルト)、Pt−Cr(クロム)、Pt−Ni(ニッケル)、Pt−Cu(銅)等)の開発および利用が進んでいる。特に、上記のような白金−非金属合金粉末をカーボンブラック等の導電性を有する担体に担持した触媒が利用されている。
上記のような合金系触媒において、かかる触媒粉末の粒子径(典型的には平均粒子径)が数ナノメートル〜数十ナノメートル程度に小さい場合には、該触媒粉末全体の表面積(すなわち反応面積)が増大し、触媒活性が向上して上記電極反応が促進され得るため、結果、PEFCの電池特性を向上させることができる。したがって、上記のような白金−非金属合金からなる合金粉末であって上記ナノメートルサイズの粒子径を有する粒子(ナノ粒子)から構成される合金粉末は、PEFC電極用触媒として高い利用価値を有する。
上記ナノ粒子からなるPEFC用合金触媒の製造方法としては、例えば、非特許文献1では、二元金属触媒のナノ粒子の一般的な製造方法であって燃焼工程を包含する製造方法が記載されている。また、非特許文献2では、Pt−Ni合金の製造方法であって200℃〜500℃の還元温度下でPt−Niカルボニル錯体を経由して該錯体を合金化する製造方法が記載されている。これに加えて、非特許文献3では、触媒粒子のサイズを制御するために、長い炭素鎖を含有する界面活性剤や高分子を用いる方法が記載されている。
B. Moreno, et al., "Synthesis of the ceramic-metal catalysts(PtRuNi-TiO2) by the combustion method", J. Phys. Chem. B, 2004, 108,p.11024-11034 Hui Yang, et al., "Structure and electrocatalytic activity ofcarbon-supported Pt-Ni alloy nanoparticles toward the oxygen reductionreaction", J. Power Sources, 2007, 169, p.98-102 T. C. Deivaraj, et al., "Preparation of PtNi nanoparticles for the electrocatalytic oxidation of methanol" J. Mater. Chem. 2003, 13,p.2555-2560
しかしながら、上述のような従来の合金触媒の製造方法では、合金化工程(還元工程)に高温での燃焼処理が不可欠であったり、また、添加した化合物(例えば還元剤)等を除去するための高温処理が必要である。このような高温条件で行う処理は合金触媒粒子の粒子径を増大させる虞があった。また、かかる高温処理や反応工程の煩雑化は高コスト化につながるため好ましくない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来の加熱・燃焼処理よりも低温(例えば100℃未満)条件下で白金族元素と非金属元素との合金からなるナノメートルサイズの微粒子を容易に製造する方法を提供することである。また、そのような方法を用いて製造される合金ナノ粒子を提供することを他の目的とする。さらに、そのような合金ナノ粒子を利用した燃料電池用の合金触媒を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明により提供される合金微粒子の製造方法は、少なくとも一種の白金族元素と少なくとも一種の非貴金属元素とを構成元素とする合金微粒子を製造する方法である。この方法は、上記非貴金属元素のイオンを含む水溶液を用意すること、上記用意した水溶液に還元剤を添加すること、上記還元剤を添加した後に上記白金族元素を構成元素とするイオン化合物を添加すること、および上記水溶液中に上記白金族元素と上記非貴金属元素とからなる合金微粒子を析出させること、を包含する。ここで、上記水溶液を30℃以上100℃未満の温度域に加熱した状態で、上記還元剤の添加、および上記白金族元素のイオン化合物の添加、ならびに上記合金微粒子の析出が行われる。
本発明に係る合金微粒子(粉末状の合金微粒子、または合金微粒子の集合体、もしくは合金微粒子群)の製造方法では、上記還元剤が添加された後の非貴金属元素のイオンを含む水溶液に、上記白金族元素を構成元素とするイオン化合物を添加すると、イオン化された上記白金族元素の反応性が高いので、上記水溶液の液温が上記のような低温域であっても、非貴金属元素イオンは上記白金族元素のイオンとともに還元、合金化されて該白金族元素との合金微粒子として上記水溶液中に析出する。したがって、本発明に係る合金微粒子の製造方法によると、上記のような低温条件下で白金族元素と非貴金属元素との合金微粒子を容易に製造することができる。
ここで開示される合金微粒子の製造方法の好ましい一態様では、上記白金族元素のイオン化合物を添加する前に少なくとも一種の錯化剤を添加し、TEM観察に基づく平均粒子径が1nm〜50nmの範囲内にあることを特徴とする合金微粒子を製造する。
より好ましくは、上記錯化剤としてクエン酸のアルカリ金属塩を用いており、該錯化剤を上記非貴金属元素のイオン化合物の質量に対して少なくとも1質量%の割合で添加する。
かかる態様の製造方法によると、上記錯化剤を添加することにより、上記非貴金属元素の還元、合金化反応の進行が促進され得るとともに、不要な副生成物の生成が最小限に抑制されて、合金微粒子を効率よくまた収率を上げて生成することができる。また、かかる錯化剤を添加することにより、合金微粒子の粒子径の増大が抑制されて、ナノメートルサイズの粒子径を有する合金微粒子を析出させることができる。特に、上記錯化剤としてクエン酸のアルカリ金属塩(例えばクエン酸ナトリウム)を上記割合で添加することにより、該合金微粒子の平均粒子径を上記範囲内に制御することができるのでより好ましい。
ここで開示される合金微粒子の製造方法のより好ましい一態様では、上記白金族元素は白金(Pt)であり、上記非貴金属元素はニッケル(Ni)である。
本発明に係る製造方法は上記元素に特に好ましく適用されて、このことによりPtとNiとを構成元素とするPt−Ni合金微粒子を好適に製造することができる。
ここで開示される合金微粒子の製造方法のさらに好ましい一態様では、上記還元剤として、ヒドラジンを用いる。
かかる態様の製造方法によると、還元剤としてヒドラジン(典型的にはヒドラジン一水和物(抱水ヒドラジンともいう。))を用いることにより、非貴金属元素(例えばNi)と白金族元素(例えばPt)を好ましく還元して合金微粒子として析出させることができる。
以上、ここで開示される合金微粒子の製造方法を用いることにより、白金族元素と非貴金属元素とを構成元素とし、ナノメートルサイズの平均粒子径を有する合金微粒子を、従来の燃焼処理や加熱処理に比べてはるかに低温条件の水溶液中で簡単に析出させて、製造することができる。なお、かかる合金微粒子は、例えば該合金微粒子を含む上記水溶液を濾過することで分離され、濾物(残渣)を洗浄、乾燥することにより合金微粒子の粉末として得ることができる。
また、本発明は、他の側面として、ここで開示される合金微粒子の製造方法を適用することにより、燃料電池の電極用合金触媒として機能する合金微粒子を製造する方法を提供する。すなわち、この方法は、ここで開示される合金微粒子の製造方法において、上記白金族元素のイオン化合物の添加前または添加後に、上記炭素担体(典型的には炭素微粒子)を添加することをさらに包含しており、上記合金微粒子を上記炭素担体の表面に析出させる。
このような方法を用いることにより、ここに開示される合金微粒子を炭素担体の表面に好ましく析出させることができる。このように炭素担体に担持された合金微粒子は、燃料電池(例えば固体高分子電解質形燃料電池)の電極用合金触媒として好適に用いることができる。
実施例(例2)における試料2の製造方法を説明する工程図である。 実施例(例3)における試料3の製造方法を説明する工程図である。 実施例(例4)における試料1のX線回折スペクトルである。 実施例(例6)における試料2の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例(例6)における試料2のEDX分析結果である。 実施例(例7)における試料2の走査型透過電子顕微鏡(STEM)写真である。 図7に係る走査型透過電子顕微鏡写真に示された所定箇所におけるEDX分析結果である。 実施例(例7)における試料2の高分解能透過電子顕微鏡(HR−TEM)写真である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、非貴金属元素のイオンを含む水溶液に白金族元素を構成元素とするイオン化合物を添加する方法)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、生成した合金微粒子を粉末として取り出す方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る合金微粒子の製造方法は、ナノメートルサイズの平均粒子径(典型的には、0.5nm〜100nm、例えば平均粒子径1nm〜100nm)を有する合金微粒子であって、少なくとも一種の白金族元素と少なくとも一種の非貴金属元素とを構成元素とする合金微粒子を生成する方法である。かかる製造方法は、非貴金属元素のイオンを含む水溶液を用意すること、該用意した水溶液に還元剤を添加すること、この還元剤を添加した後に白金族元素を構成元素とするイオン化合物を添加すること、および上記水溶液中に上記白金族元素と上記非貴金属元素とからなる合金微粒子を析出させることを包含している。ここで、当該製造方法は、上記水溶液を30℃以上100℃未満(例えば50℃〜90℃)の温度域に加熱した状態で、還元剤の添加、および白金族元素のイオン化合物の添加、ならびに合金微粒子の析出が行われることにより特徴づけられるものである。したがって、上記目的を達成し得る限りにおいて、その他の構成成分(副成分)の内容や組成については、種々の基準に照らして任意に決定することができる。
本発明に係る合金微粒子の製造方法では、該合金微粒子の構成元素である白金族元素として、周期表の第5〜6周期、第8〜10族に位置する元素、すなわち、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)および白金(Pt)の少なくとも一種を用いることができる。より好ましくは、燃料電池(典型的には固体高分子電解質形燃料電池(PEFC))における合金系の電極触媒の構成元素として好適なRuおよび/またはPtであり、特に好ましくはPtである。
また、上記合金微粒子の構成元素である非貴金属元素としては、Ptと合金を構成し得るものが好ましく、例えば遷移金属元素のCr、Fe、Co、Ni、Cu等が挙げられる。より好ましくは強磁性のFe、Co、またはNiであり、特に好ましくは、燃料電池用電極触媒の構成元素としても好適なNiである。
以下では、特に限定することを意図しないが、PtとNiとを構成元素とする合金微粒子を製造する場合を例として、本発明に係る合金微粒子の製造方法について詳細に説明する。
まず、非貴金属元素であるNiをイオンとして含む水溶液(Ni水溶液)を用意(典型的には調製)する。かかる水溶液のNi源としては、水系溶媒(典型的には水)に対する溶解度が高いイオン化合物(Ni塩)が好適であり、例えば塩化ニッケル(NiCl)、硫酸ニッケル(NiSO)、硝酸ニッケル(Ni(NO)、酢酸ニッケル(Ni(CHCOO))、2−エチルヘキサン酸ニッケル(NiC15)等が挙げられ、より好ましくはNiCl(典型的には塩化ニッケルの六水和物NiCl・6HO)である。
かかるNi水溶液の濃度としては、該Ni水溶液中のNiイオンが後述の白金族元素のイオンと過不足なく反応し得る量で存在する程度の濃度であることが好ましい。例えばNiイオンが0.1M〜3M(より好ましくは0.5M〜2M、例えば1M±0.2M)となるように調製されることが好ましい。
また、目的に応じて、Niイオン、Ptイオンおよび後述の還元剤のヒドラジンによる還元、合金化反応に悪影響を及ぼさない限りにおいて、適宜別の成分(例えばpH調整剤)を添加してもよい。
調製されたNi水溶液を適当な加熱装置を用いて、所定の速度で攪拌しながら加熱する。好ましくは、上記Ni水溶液の液温が30℃以上100℃未満(より好ましくは40℃〜90℃、特に好ましくは50℃〜70℃、例えば60℃±5℃)となるように加熱する。ここで、以下の工程では、上記Ni水溶液の液温を上記温度範囲内に保つように加熱を維持することが好ましい。
また、攪拌速度としては、添加した試薬が十分にNi水溶液中に拡散、溶解して、効率よく反応させることができる限りにおいて特に制限されないが、例えば200rpm〜600rpmが適当であり、好ましくは300rpm〜500rpmである。
次に、還元剤を用意する。還元剤としては、ヒドラジン(N)を好適に用いることができる。ヒドラジンは塩基性条件下でNiイオンを還元し得る強い還元力を有する。また、ヒドラジンの一部は配位子として機能し、上記Ni水溶液中のNiイオンと錯体(錯イオン)を形成し得るのでNiイオンが上記水溶液中に安定的に存在し得る。その一方、かかる錯体はPtイオンの添加により分解され、該錯体中のNiイオンとPtイオンが上記水溶液中のヒドラジンにより還元されて合金化し得る。このように、ヒドラジンを用いることにより、該ヒドラジンが上記Niイオンの錯化剤として機能して該Niイオンを錯体として安定的に存在させつつ、上記Ni水溶液の液性を塩基性にすると、Ptイオンの添加により錯体が分解されるとともに、効率よくNiイオンとPtイオンを還元、合金化し得るので好ましい。
かかる還元剤(ヒドラジン)の添加量としては、上記Ni水溶液中のNiイオンと過不足なく錯体を形成し得るとともに、Ptイオンの添加により分解された上記錯体のNiイオンをPtイオンとともに還元し、合金化させ得るのに十分な量が添加されることが好ましい。このような添加量としては、Niイオン1モルに対して1モル〜10モル、より好ましくは1.5モル〜6モル、例えば4モル±0.5モル程度が好ましい。このような添加量で、上記温度範囲に維持されたNi水溶液を攪拌しながら、該水溶液中に還元剤を添加する。
また、上記Ni水溶液には、錯化剤を添加することが好ましい。錯化剤としては、Niイオンと錯体を形成し得るものであることが好ましく、例えばクエン酸三ナトリウム(典型的にはその二水和物、Na・2HO)、酢酸ナトリウム(NaCHCOOH)、コハク酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム等が挙げられ、より好ましくはNa・2HOである。このような錯化剤は、NiイオンおよびPtイオン(特にNiイオン)の一連の還元、合金化反応の反応速度を調整することができる。すなわち、かかる錯化剤の添加量により、得られる合金微粒子(特にNi)の核生成速度および粒成長速度を制御し得るので、かかる合金微粒子の平均粒子径をナノメートルサイズに抑制した状態で該合金微粒子を析出させ得る。
また、かかる錯化剤の添加により、Niイオンの還元反応における不要な副生成物(例えば水酸化ニッケル(Ni(OH))の生成が最小限に抑制されて、最終的に析出する合金微粒子の収率を上げることができる。
錯化剤の添加量としては、合金微粒子の平均粒子径をナノメートルサイズ(例えば1nm〜50nm、特に1nm〜10nm)に制御しつつ、且つほぼ100%に近い収率で析出させる場合には、上記錯化剤を少なくともNiのイオン化合物の質量に対して少なくとも1質量%の割合で添加するのが適当であり、例えば1質量%〜3質量%である。あるいは、かかるNiイオン化合物中のNi1モルに対して0.01モルの錯化剤を添加することが好ましい。より好ましくは、0.01モル〜0.1モルであり、特に好ましくは0.01モル〜0.05モルである。錯化剤を該0.1モルよりも過剰に添加すると析出する合金微粒子の平均粒子径が数百nm〜数μmに増大する虞がある。また、錯化剤の添加量が上記0.01モルより下回ると、例えば副生成物Ni(OH)の生成が増加するので好ましくない。このような添加量で、上記温度範囲に維持されたNi水溶液を攪拌しながら、該水溶液中に上記錯化剤を添加する。
ここで、白金族元素であるPtを構成元素とするイオン化合物を上記Ni水溶液に添加する前に、アルキル金属の水酸化物(典型的には水酸化ナトリウム(NaOH))を添加することにより、上記Ni水溶液の液性を塩基性(pH=9程度)にしておくことが好ましい。また、このアルカリ金属水酸化物は、典型的には水溶液として上記Ni水溶液に添加される。かかるアルキル金属水酸化物の水溶液の濃度や添加量については特に制限されず、上記液性をpH=9程度の塩基性となるように適宜調整すればよい。
次に、Pt源として、白金族元素のPtを構成元素とするイオン化合物を用意する。このようなイオン化合物として、例えば、塩化白金酸(典型的にはその六水和物;H[PtCl]・6HO)、ヘキサアンミン白金塩化物([Pt(NHCl])、ジニトロジアンミン白金(Pt(NO(NH)、ジクロロテトラアンミン白金(典型的にはその一水和物;Pt(NHCl・HO)が挙げられる。好ましくは塩化白金酸である。
上記のようなPtイオン化合物は、好ましくは水系溶媒に溶解させてPtイオンを含む水溶液として上記Ni水溶液に添加する。Ptイオンが上記Ni水溶液に添加される量としては、上記Ni水溶液中のNiイオンとから構成される合金微粒子が化学量論的に妥当となるような量が適当であり、例えば上記Niイオン1モルに対してPtイオンが0.2モル〜2モルであることが好ましく、より好ましくは0.3モル〜1モルであり、例えば0.4モル±0.1モルである。このような量でPtイオンが含まれるようにPtイオン濃度および添加量を調製して得られたPtイオン化合物の水溶液を、上記液温範囲に保持されたNi水溶液を攪拌しつつ、該Ni水溶液に添加する。
塩基性条件下にある上記Ni水溶液に対してPtイオン(Pt水溶液)を添加すると、例えば還元剤としてヒドラジンが存在している場合には、かかるヒドラジンの一部がNi水溶液のNiイオンと錯体(かかる水溶液中では錯イオン)として存在し得るが、添加されたPtイオンにより該錯イオンが分解され得る。このことにより、それまで上記錯イオンを構成していたNiイオンは上記添加されたPtイオンとともに、系内に存在しているヒドラジン(すなわち上記錯イオンを形成せずに水溶液中に存在しているヒドラジン)によって還元され得、NiとPtを構成元素とする合金微粒子(Pt−Ni合金微粒子)を形成し得る。そしてPt−Ni合金微粒子が析出し、反応容器内の底部に沈殿する。
十分に析出した合金微粒子を沈殿させた後に、かかる合金微粒子は、従来の沈殿物の取出し方法と同様の方法を用いることにより、粉末状態で取り出すことができる。すなわち、例えば上記合金微粒子が析出した分散液(すなわち上記Ni水溶液と上記Pt水溶液との混合溶液)を濾過して沈殿物を濾物として濾液から分離するとともに、かかる濾物を純水等で洗浄して未反応のヒドラジンや副生成物その他塩類を除去した後に、残った残渣を乾燥する。このような工程を経て粉末状態のPt−Ni合金微粒子を得ることができる。なお、上記濾過の前に、遠心分離(例えば3000rpm〜8000rpmの回転速度で5分間〜10分間)を行ってもよい。
以上のようにして製造されたPt−Ni合金微粒子は、TEM観察に基づく顕微鏡像から計測された粒子径(平均粒子径)として、1nm〜50nm(例えば1nm〜20nm、例えば1nm〜10nm)の範囲のナノメートルサイズの粒子径を有するPt−Ni合金ナノ粒子として得ることができる。
ここで、以上のような合金微粒子の製造方法を適用することにより、燃料電池(典型的には固体高分子電解質形燃料電池;PEFC)の電極用合金触媒として機能し得る合金微粒子を製造することができる。かかる電極触媒としての合金微粒子を製造する方法は、担体に担持された合金微粒子の製造方法であり、言い換えれば、上記のような合金微粒子を担体表面に担持する方法である。かかる電極用合金触媒の製造方法は、ここで開示される合金微粒子の製造方法において、上記白金族元素(Pt)のイオン化合物の添加前または添加後に、炭素担体(典型的には炭素微粒子)を添加することをさらに包含する方法であり、この工程を追加することのみで上記合金微粒子を炭素担体の表面に析出(担持)させ、電極用合金触媒を好ましく製造することができる。
ここで、用意する炭素担体としては炭素微粒子(カーボンブラック)が好ましく、従来の電極触媒の炭素担体として用いられる炭素微粒子を特に制限なく用いることができ、また市販品を用いることができる(例えばキャボットジャパン株式会社にて購入できる)。かかる炭素微粒子の平均粒子径としては、10nm〜500nmが適当である。また、該炭素微粒子の形状は特に限定されず、例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、あるいはカーボンナノファイバーのような形状の炭素微粒子もかかる炭素担体として包含され得る。また、かかる炭素微粒子の添加量としては、上記合金微粒子を担持させたい量に応じて適宜調整することができるが、電極触媒として好ましく機能し得る程度の担持量を実現するには、例えば合金微粒子を構成する非貴金属元素(Ni)1モルに対して、炭素微粒子が5モル〜30モルとなるように添加することが適当であり、好ましくは10モル〜20モルである。
上記用意した炭素担体は、還元剤(ヒドラジン)を添加後であって塩基性条件にある非貴金属元素のイオン(Niイオン)を含む水溶液に対して、白金族元素(Pt)のイオン化合物(典型的には該イオン化合物の水溶液)を添加する前、または添加した後に加えることができる。上記白金族元素のイオンを添加する前に炭素担体を加えた場合であっても、白金族元素のイオンを添加後に炭素担体を加えた場合であっても、該炭素担体に担持される合金微粒子の担持量に相違は殆どない。また、炭素担体を加える際には、加える対象の水溶液の液温が30℃以上100℃未満(より好ましくは50℃〜90℃、特に好ましくは55℃〜70℃、例えば60℃±3℃)となるように保持することが好ましい。また炭素担体が水溶液中で良好に分散し得るように、適当な攪拌速度(例えば200rpm〜600rpm程度)で攪拌している状態で上記炭素担体を加えることが好ましい。炭素担体の添加後における工程については、ここに開示される合金微粒子の製造方法における工程と同様に行うことができる。
このような方法により、非貴金属元素と白金族元素とを構成元素とする合金微粒子が炭素担体の表面に好ましく析出する。このように炭素担体に担持された合金微粒子を粉末として取り出すことにより、燃料電池の電極用合金触媒体(粉末)として好ましく利用することができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1:Pt−Ni合金微粒子の作製>
以下のような手順でPt−Ni合金微粒子を作製した。
まず、非貴金属元素のNi源として、市販(和光純薬株式会社製)の塩化ニッケルの六水和物(NiCl・6HO)を1.2g用意し、これを純水に溶解して1Mの塩化ニッケル水溶液を調製した。次いで、このNiCl水溶液を、スターラーを用いて350rpm程度の回転速度で攪拌しながら液温が60℃に達するまで加熱した。
次に、還元剤として、市販(和光純薬株式会社製)のヒドラジン一水和物(N・HO)を5g用意し、これを上記60℃に加熱されたNiCl水溶液に添加した。次いで、錯化剤として、市販(和光純薬株式会社製)のクエン酸三ナトリウムの二水和物(Na・2HO)を0.0148g用意し、上記水溶液に添加した。この後に、さらに市販(和光純薬株式会社製)の塩化ナトリウム(NaOH)を用いて約50質量%の高濃度水溶液2.5gを用意し、上記水溶液に添加して上記水溶液全体の液性をpH9程度の塩基性にした。この間、上記水溶液は60℃に保たれるように加熱し且つ上記と同じ回転速度で攪拌を続けた。
次に、市販(ノリタケ機材株式会社製)の塩化白金酸六水和物(H[PtCl]・6HO)を用意し、これを純水に溶解させて10質量%の濃度の水溶液に調製した。このHPtCl水溶液を9.75g量り取って上記Ni水溶液に添加し、液温60℃を維持しながら攪拌を継続することにより、Pt−Ni合金微粒子を析出、沈殿させた。析出した上記微粒子を濾過することにより濾物として濾液から分離し、かかる濾物を洗浄した後の残渣を乾燥して合金微粒子(粉末)を得た。以上のようにして得られた合金微粒子を「試料1」とした。
<例2:炭素担体に坦持された合金微粒子の作製>
次に、図1に示される工程図に基づいて担体である炭素微粒子に担持された合金微粒子を作製した。この担持された合金微粒子作製の手順は、HPtCl水溶液を添加する前(厳密にはHPtCl水溶液の添加前に加えられるNaOH水溶液を加える前)に炭素微粒子を添加する工程が追加された点が上記例1に係る手順とは異なっている。すなわち、図1に示されるように、まず、非貴金属元素のNi源として、例1と同じNiCl・6HOを1.2g用意し(図1における工程番号1(工程1とする。以下同じ))、これを純水に溶解して1Mの塩化ニッケル水溶液を調製した(工程2)。次いで、このNiCl水溶液を、スターラーを用いて350rpm程度の回転速度で攪拌しながら液温が60℃に達するまで加熱した(工程3)。
次に、還元剤として、上記と同じヒドラジン一水和物(N・HO)を5g用意し、これを上記60℃に加熱されたNiCl水溶液に添加した(工程4)。次いで、錯化剤として、上記と同じクエン酸三ナトリウムの二水和物(Na・2HO)を0.0148g用意し、上記水溶液に添加した(工程5)。かかる水溶液を攪拌しつつその液温を60℃に保持した(工程6)。これにより、上記水溶液中のNiイオンと上記ヒドラジンとが錯体を形成し得る(工程7)。
次に、合金微粒子を担持させる担体として、炭素微粒子(カーボン粉末;キャボット社製カーボンブラック「Vulcan(登録商標)XC72」)を0.7g用意し、上記水溶液に添加した(工程8)。そして、該水溶液を60℃に保たれるように加熱し且つ攪拌を続けながら(工程9)、さらに上記と同様の塩化ナトリウム(NaOH)の高濃度水溶液を2.5g用意し、上記水溶液に添加して上記水溶液全体の液性をpH9程度の塩基性にした(工程10)。
次に、上記と同じ塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)を用意し、これを純水に溶解させて10質量%の濃度の水溶液に調製した(工程11)。このHPtCl水溶液を9.75g量り取って上記Ni水溶液に添加し、液温60℃を維持しながら攪拌を継続する(工程12)ことにより、炭素微粒子に担持されたPt−Ni合金微粒子(PtNi/Cナノ粒子)を上記水溶液中に析出、沈殿させた(工程13)。析出した上記微粒子を濾過することにより濾物として濾液から分離し、かかる濾物を洗浄した後に残った残渣を乾燥して合金微粒子を得た(工程14)。以上のようにして得られた炭素微粒子担持の合金微粒子(触媒粉末)を「試料2」とした(工程15)。
<例3:炭素担体に坦持された合金微粒子の作製>
次に、図2に示される工程図に基づいて担体である炭素微粒子に担持された合金微粒子を作製した。この担持された合金微粒子作製の手順は、HPtCl水溶液を添加した(図2における工程9)後に、炭素微粒子を添加する(図2における工程11)点で上記例2に係る手順とは異なっている。このような手順で作製した炭素微粒子担持の合金微粒子(触媒粉末)を「試料3」とした。
<例4:試料1のXRD測定>
上記例1において得られた試料1に係る合金微粒子のX線回折(XRD)測定を実施した。その結果を図3に示す。この結果、試料1に係るXRDのピークは、金属状態のPtのピークにほぼ対応していた。
また、試料1は印加した磁場に対して引き込まれた(磁化した)ことにより、試料1に係る合金微粒子は常磁性を有する物質であることがわかった。
<例5:試料2および試料3のTG測定>
上記例2において得られた試料2に係る炭素微粒子に担持された合金微粒子の熱重量分析(TG)測定を行ったところ、試料2全体に占める合金微粒子の割合は46重量%であることが分かった。すなわち、合金微粒子の炭素微粒子への担持量は46質量%であることが分かった。また、上記例3において得られた試料3についてもTG測定を行ったところ、試料2と同様に、試料3全体に占める合金微粒子の割合(すなわち合金微粒子の担持量)は46質量%であることが分かった。
<例6:試料2および試料3のSEM観察およびEDX測定>
上記試料2に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行うとともに、エネルギー分散型X線分析(EDX)測定を行った。SEM観察による顕微鏡像を図4に示すとともに、EDXスペクトルを図5に示す。この結果、試料2には微粒子が存在しているとともに、かかる微粒子からはPtとNiとが検出された。また、EDXスペクトルに基づいてPtおよびNiのそれぞれが測定領域面積に占める割合(質量比)を算出したところ、Ptは75.48質量%、Niは24.52質量%と算出された。このことにより、かかる割合を原子数比として算出したところ、Ptは48.08原子数%、Niは51.92原子数%と算出され、PtおよびNiがほぼ1:1の原子数比で存在していることがわかった。すなわち、試料2に係る合金微粒子の組成は、Pt0.5Ni0.5で表わされ得ることがわかった。
上記試料3についても、上記試料2と同様にSEM観察およびEDX測定を実施したところ、上記試料2と同様に、試料3に係る合金微粒子の組成はPt0.5Ni0.5で表わされ得ることがわかった。
<例7;試料2のTEM観察およびEDX測定>
また、上記試料2に対して、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いてTEM観察およびEDX測定を実施した。TEM観察結果を図6に、EDXスペクトルを図7に示す。なお、図6の符号1〜3は、EDXの測定箇所であって図7におけるPoint1〜3にそれぞれ対応している。これらの結果より、試料2には、確かに図6のTEM像に基づく平均粒子径として1nm〜10nm程度の粒子径を有する微粒子が生成しており、いずれの測定箇所からもPtおよびNiが検出された。これにより試料2にはPt−Ni合金からなる微粒子が生成していることが確認された。
さらに、上記試料2については、高分解能透過電子顕微鏡(HR−TEM)を用いてTEM観察を行った。その結果、図8に示されるTEM像により、1nm〜10nm程度の粒子径(平均粒子径)を有する微粒子の存在が確認された。
<例8:試料2の表面積測定>
次に、上記試料2に対して、合金微粒子が担持された炭素微粒子(担体)のBET表面積を窒素ガス吸着法に基づいて測定した。この結果、かかるBET表面積は161.8m/gであった。
一方、試料2におけるPtの(触媒)活性表面積を、回転ディスク電極およびサイクリックボルタンメトリーを用いて得られた電流−電圧曲線(サイクリックボルタモグラム)から算出した。その結果、試料2は、Pt1gに対して25mの活性表面積を有していることが分かった。
以上より、例2に係る手順で得られた炭素担体に担持された合金微粒子は、実用的な燃料電池用の電極触媒として適用可能であることが確認された。
以上より、本実施例によると、Ni源としてのNiCl水溶液を60℃程度に加熱し、このような液温条件下で、還元剤としてのヒドラジンを加えた後、塩基性条件下でPt源としてのHPtCl水溶液を添加することにより、好ましくPt−Ni合金微粒子であって数nm〜10nm程度の平均粒子径を有する合金ナノ粒子を容易に作製することができた。また、かかる方法では、従来の燃焼処理や高温処理よりもはるかに低温の液温条件(60℃)下で上記合金ナノ粒子を作製することができた。また、かかる方法を用いることにより、担体である炭素微粒子に適当な担持量で担持された上記合金ナノ粒子を容易に作製することができた。このように担持された上記合金ナノ粒子は、燃料電池の実用的な電極触媒として好ましく用いることができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも一種の白金族元素と少なくとも一種の非貴金属元素とを構成元素とする合金微粒子であってTEM観察に基づく平均粒子径が1nm〜50nmの範囲内にある合金微粒子100℃未満の低温条件下で製造する方法であって、
    前記低温条件下で前記非貴金属元素のイオンを含む水溶液を用意すること、
    前記低温条件下で前記用意した水溶液に還元剤を添加すること、
    前記低温条件下で前記還元剤を添加した後に前記白金族元素を構成元素とするイオン化合物を添加すること
    前記低温条件下で前記水溶液中に前記白金族元素と前記非貴金属元素とからなる合金微粒子を析出させること、および
    前記低温条件下で前記析出させた合金微粒子を前記水溶液から分離し、前記低温条件下で乾燥すること、
    を包含しており、
    ここで、前記白金族元素のイオン化合物を添加する前に少なくとも一種の錯化剤を添加し、且つ
    前記水溶液を30℃以上100℃未満の温度域に加熱した状態で、前記還元剤の添加、および前記白金族元素のイオン化合物の添加、ならびに前記合金微粒子の析出が行われる、製造方法。
  2. 前記錯化剤としてクエン酸のアルカリ金属塩を用いており、該錯化剤を前記非貴金属元素のイオン化合物の質量に対して少なくとも1質量%の割合で添加する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記白金族元素は白金(Pt)であり、前記非貴金属元素はニッケル(Ni)である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記還元剤として、ヒドラジンを用いる、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の方法を用いて製造される合金微粒子。
  6. 前記白金族元素のイオン化合物の添加前または添加後に、前記炭素担体を添加することをさらに包含しており、前記合金微粒子を前記炭素担体の表面に析出させる、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項に記載の方法を用いて前記炭素担体の表面に析出する合金微粒子であって燃料電池用合金触媒として機能する合金微粒子。

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