JP2004176418A - 温水洗浄便座の操作装置 - Google Patents

温水洗浄便座の操作装置 Download PDF

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Hideki Furukawa
秀記 古川
Kiyokazu Kato
喜代和 加藤
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Abstract

【課題】衛生的で使い勝手の良い温水洗浄便座装置の操作装置を提供すること。
【解決手段】操作装置の洗浄強さダイヤル11は洗浄ノズルからの水勢を電動式流量調節弁により調節するために操作される。操作パネル9の座面26上には、ダイヤル11が設けられる。ダイヤル11の回転軸27は、座面26の軸孔25を貫通して組み付けられ、ダイヤル11の底面11aが座面26に摺接可能となる。ダイヤル11の表面には一指先が嵌合される一凹部29のみが設けられる。一凹部29は常時発光してダイヤル11の位置を認識しやすくしてある。回転軸27は、ボリューム抵抗42に連結され、回転軸27の回転角変化がその抵抗42により抵抗値に変換されてコントローラに入力される。コントローラは、ボリューム抵抗42の抵抗値に基づいて各流量調節弁を制御することにより、ダイヤル11の回転操作量に応じて洗浄強さを調節する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、便器に設置されて人体局部を洗浄するのに使用される温水洗浄便座装置に係り、詳しくは、その操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、温水洗浄便座装置において人体局部を洗浄する場合、ノズルから当該局部に温水が噴射される。この温水の噴射の強さは、使用者が、操作装置に設けられた洗浄強さダイヤルを回転操作して、自由に調整できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−242262号公報 (第2〜7頁、図1〜14)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温水洗浄便座装置が装着される便器が設置されているトイレ空間は、一般的に照明が暗く、視力が衰えた老人が温水の噴射の強さを調整しようとした場合、洗浄強さダイヤルを一瞥するのが容易ではない場合も想定され、温水の噴射の強さを調整に難渋する可能性なしとしなかった。
【0005】
それゆえ、本発明は、かような危惧がない、温水洗浄便座装置の操作装置を提供することを、その技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、洗浄ノズルから噴出される洗浄水による洗浄強さを調節する温水洗浄便座装置に設けられる操作装置であって、
前記洗浄強さを調節するために回転操作され且つ操作パネルに設けられた回転軸を備える洗浄強さダイヤルと、
前記洗浄強さダイヤルの表面上に設けられ、前記洗浄強さダイヤルの軸方向中心から離れた位置に配置され、一指先が嵌め合わされる大きさの指先用凹部と、
前記指先用凹部を発光せしめる発光手段とを備えたことを趣旨とする。
【0007】
上記発明の構成によれば、洗浄強さダイヤルの表面上の指先用凹部が発光されるので、洗浄強さダイヤルの表面上の指先用凹部に難なく一指先を嵌め合わせてその指先を回すことにより、洗浄強さダイヤルが回転軸を中心に回転操作される。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記洗浄強さダイヤルが回転操作されるときの前記回転軸の回転角の変化を電気的値に変換するための変換器と、前記洗浄強さダイヤルの回転操作量に応じて前記洗浄強さを調節するために、前記変換器により変換された電気的値に基づいて作動する電動式調節機器を設けた洗浄強さ制御手段と、前記洗浄強さダイヤルの回転操作量に応じて前記発光手段の発光量は調整する手段とを更に備えたことを趣旨とする。
【0009】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、洗浄強さダイヤルの回転操作量に応じて発光手段の発光量が可変となるので、洗浄強さが強(弱)のときは発光量を強く(弱く)することにより、洗浄強さを視覚的に把握できる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記指先用凹部は、滑らかな凹曲面より構成されたことを趣旨とする。
【0011】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、洗浄強さダイヤルの表面上の指先用凹部に難なく一指先を嵌め合わせてその指先を回すことにより、洗浄強さダイヤルが回転軸を中心に回転操作される。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、洗浄強さダイヤルは、扁平な円盤状をなし、その外周面は操作パネルの表面に対して滑らかに連続するものであることを趣旨とする。
【0013】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、洗浄強さダイヤルが扁平な円盤状をなし、その外周面が操作パネルの表面に対して滑らかに連続することから、操作パネル上における洗浄強さダイヤルの張り出しが少なく、同ダイヤルにの肌触りが良くなる。従って、操作に使用される指以外の指と洗浄強さダイヤルとの干渉が少なくなり、同ダイヤルの上に自然に手が添えられるようになる。又、操作パネル上における引っかかりが少なく、雑巾等による拭き取りが容易となる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の発明において、洗浄強さダイヤルの中心から指先用凹部の中心までの距離が、指先用凹部の内径の1〜2倍の大きさに設定されたことを趣旨とする。
【0015】
上記発明の構成によれば、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の発明の作用に加え、洗浄強さダイヤルを回転させるときの指先用凹部の円弧状の軌跡が適度なサイズとなり、操作に関与する指や手にとってオーバアクションとなることはない。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、指先用凹部に夜光塗料を塗布することにより発光手段を構成することを趣旨とする。
【0017】
上記発明の構成によれば、簡単に、発光手段を構成することができる。
【0018】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、発光手段を、操作パネルの下側に設けられ、指先用凹部を下からに透過するランプから構成することを趣旨とする。
【0019】
上記発明の構成によれば、簡単に、発光手段の発光量(明るさ)を設定することができる。
【0020】
上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、洗浄強さダイヤルの回転方向に沿う方向に延在すべく前記操作パネルに形成された表示面を追加し、表示面を介して操作パネルの下側から光を透過させるようにしたことを趣旨とする。
【0021】
上記発明の構成によれば、洗浄強さダイヤルの位置の認識を、表示面の占有面積の拡大と発光とも相乗により、容易とすることができる。
【0022】
上記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、表示面の幅は、洗浄強さダイヤルが洗浄強さを大きくするように回転される方向に漸増するように設定されていることを趣旨とする。
【0023】
上記発明の構成によれば、簡単に、洗浄強さをダイヤルの位置を示す表示面が絵文字となり、当該位置の認識が極めて容易となる。
【0024】
上記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記発光手段は、トイレ使用者の検知の有無により、点灯・消灯されるようにしたことを趣旨とする。
【0025】
上記発明の構成によれば、発光手段はトイレ使用時しか点灯しないので、常時点灯に比べて、省エネを図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の温水洗浄便座装置の操作装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1に温水洗浄便座装置(以下、単に「洗浄装置」と称する。)1の平面図を、図2に同装置1の側面図をそれぞれ示す。便器2の上に設置された洗浄装置1は、便器2の後部上面に設けられた装置本体3と、装置本体3に回動可能に設けられた便蓋4及び便座5と、便座5の右側において装置本体3から張り出された操作装置6とを備える。便座5の後部下方において、装置本体3には洗浄ノズルとしてのシャワーノズル7及びチャームノズル8が設けられる。これらノズル7,8は、便座5に着座した使用者の局部を洗浄するために洗浄水を噴出するものである。この洗浄装置1は、両ノズル7,8による洗浄を含む洗浄関連機能の他に、温水ヒータによる加熱、洗浄後の温風ファンによる乾燥、便座ヒータによる便座5の暖房等の洗浄に関連しない非洗浄関連機能を備える。温水ヒータ及び温風ファン等は装置本体3の内部に設けられる。便座ヒータは便座5の内部に設けられる。
【0028】
操作装置6は、その上面に操作パネル9を備える。図3に操作装置6及び操作パネル9の平面図を示す。操作装置6は、装置本体3と一体をなす本体カバー10上に固定される。操作パネル9のほぼ中央には、本発明の洗浄強さダイヤル(以下、単に「ダイヤル」と称する。)11が設けられる。このダイヤル11は、前記ノズル7,8から噴出される洗浄水による洗浄強さを調節するために操作される。この洗浄装置1は、各ノズル7,8から噴出される洗浄水による洗浄強さを、本発明の電動式調節機器としての後述する電動式の第1及び第2の流量調節弁46,47(図10参照)により調節するように構成される。従って、ダイヤル11は、これら流量調節弁46,47による洗浄強さを調節するために使用者の人差し指等の指先で操作される。そのために、このダイヤル11は、指先で回すのに好適な外径と厚みを有する。操作パネル9は、このダイヤル11を境に、前側パネル領域(図面左側)と後側パネル領域(図面右側)とに二分される。
【0029】
前側パネル領域には、洗浄関連機能を操作するためのダイヤル11以外の洗浄関連スイッチ群12〜15が設けられる。洗浄関連スイッチ群12〜15は、停止スイッチ12と、洗浄用のおしりスイッチ13及びビデスイッチ14と、一対をなす洗浄位置スイッチ15とを含む。おしりスイッチ13は、おしり洗浄を開始させるために、ビデスイッチ14はビデ洗浄を開始させるために、停止スイッチ13はそれらの洗浄を停止させるためにそれぞれ操作される。洗浄位置スイッチ15は、両ノズル7,8を位置調節するために操作される。
【0030】
ここで、ダイヤル11は、他のスイッチ12〜15よりも大形に構成される。停止スイッチ12、おしりスイッチ13及びビデスイッチ14と、ダイヤル11とは、その順序でほぼ等間隔に一列に配置されている。停止スイッチ12は、操作パネル9上の前端に配置され、急を要する停止操作の際には、使用者が他のスイッチ13〜15から瞬時に区別して操作できるようになっている。これら洗浄関連の停止スイッチ12、おしりスイッチ13、ビデスイッチ14、洗浄位置スイッチ15及びダイヤル11は、毎回頻繁に使用されるものである。
【0031】
後側パネル領域には、非洗浄関連機能を操作するための非洗浄関連スイッチ群17〜21が設けられる。この非洗浄関連スイッチ群17〜21は、乾燥スイッチ17、節電スイッチ18、電源スイッチ19、便座スイッチ20及び温水スイッチ21を含む。乾燥スイッチ17は、洗浄後の乾燥を行うために操作される。この乾燥スイッチ17は、乾燥温度設置も兼ねて操作されるものであり、押す度に設定温度が低温側から高温側へ段階的に切り替わるようになっている。節電スイッチ18は、この洗浄装置1で使用される電力を節約するために、電源スイッチ19は、この洗浄装置1の運転を入り切りするためにそれぞれ操作される。便座スイッチ20は、便座温を切り換えるため、温水スイッチ21は、洗浄水温を切り換えるためにそれぞれ操作される。これら非洗浄関連スイッチ群17〜21の中でも、乾燥スイッチ17がダイヤル11に最も近付けられて配置されている。尚、停止スイッチ12は、乾燥スイッチ17により開始される乾燥動作を停止させるためにも操作れるようになっている。これら非洗浄関連スイッチ群17〜21は、一旦設定が行われた後は、洗浄関連スイッチ群12〜15に比べて使用頻度が少ないものである。
【0032】
次に、ダイヤル11の関連構成について詳しく説明する。図4には、ダイヤル11に対応する操作パネル9上の部位を平面図に示す。図5には、ダイヤル11の側面図を、図6には、同じくダイヤル11の平面図をそれぞれ示す。図7には、図3のA−A線に沿った断面図を、図8には、図5においてダイヤル11を操作パネル9から取り外した状態を断面図にそれぞれ示す。
【0033】
図4に示すように、操作パネル9上のダイヤル11を取り付ける部位には、中央に軸孔25を有するダイヤル座面26が設けられる。このダイヤル座面26は、平坦な円環状をなし、軸孔25との境には円環状のリブ26aが突設される。図5,6に示すように、ダイヤル11は、扁平な円盤状をなしており、その外周面は操作パネル9の表面に対して滑らかに連続する形状を有する。このダイヤル11の底面11aからは一体に形成された回転軸27が突設される。この回転軸27上には、一つの凸条27aが設けられ、その先端部には切欠27bが形成される。又、この底面11a側には、円環状のリブ28aと放射状のリブ28bがそれぞれ形成される。一方、このダイヤル11の表面11b上には、その中心P1から離れた位置に、一本の指先が嵌め合わされる一つの指先用凹部29のみが設けられる。この指先用凹部29は、滑らかな凹曲面より構成される。この実施の形態では、図6に示すように、ダイヤル11の中心P1から指先用凹部29の中心P2までの距離R1は、指先用凹部29の内径D1の1〜2倍程度の大きさに設定される。ここでは、その大きさの倍率が「1.33」に設定される。上記の距離R1は、ダイヤル11を回転させたときに、その回転に伴って移動する指先用凹部29の円弧軌跡の半径に相当する。又、指先用凹部29の内径D1は通常の大人の指先の腹の外径に相当する。従って、距離R1と内径D1との倍率は、ダイヤル11を一本の指先で回転させる際にその指先が描く円弧軌跡の大きさの程度を表すことになる。指先が描く円弧軌跡が大き過ぎる場合には、指先を動かすためにその指及び手の動きがオーバーアクションとなり、使用者に過大な負担がかかる。これに対し、この円弧軌跡が小さすぎる場合には、指先の動きが少なくなり過ぎて、洗浄強さの微妙な調節が困難になる。従って、この実施の形態では、使用者が指先を動かすのに負担にならず、しかも洗浄強さの微妙な調節を行うことができるように、上記距離R1と内径D1との倍率が適度に設定されている。
【0034】
また、指先用凹部29の内面には夜光塗料が塗布されている。これにより、指先用凹部29は常時発光することになり、トイレ照明が暗くても、指先用凹部29への指の挿入が難なく行え、ダイヤル11の操作性を容易ならしめることができる。
【0035】
尚、指先用凹部29の常時発光は、夜光塗料に代えて、図11に示すように、操作パネル9の窟部に埋設されたランプ80を常時通電・点灯させておくようにしても良い。この場合、指先用凹部29の肉厚はランプ80から照射される光を透過させるように薄くしておくか、ダイヤル11の材質たる樹脂の色を透過性の良い色(例えば乳白色)に設定する必要がある。
【0036】
図7,8に示すように、ダイヤル11の回転軸27は、操作パネル9上のダイヤル座面26の軸孔25を貫通して組み付けられる。この状態で、ダイヤル11の底面11aがダイヤル座面26上に近接して配置され、同ダイヤル11に上から力が加わることにより、両者11a,26が摺接可能に設けられる。軸孔25を貫通した回転軸27は、操作パネル9の下方において、本体カバー10に設けられた対応する軸受部30に組み付けられ、更に本体カバー10の下方で制御基板41上に固定されたボリューム抵抗42に連結される。
【0037】
図9には、本体カバー10の軸受部30を平面図に示す。この軸受部30は、本体カバー10に形成された通し窓31の片隅に円弧状に形成される。軸受部30の内壁には、その円弧面に沿って内向フランジ33が形成される。内向フランジ33の一部には、切欠33aが形成される。内向フランジ33は、回転軸27の凸条27aの切欠27bに嵌め合わされる。内向フランジ33の切欠33aは、両者33,27bを組み付けるために、最初に凸条27aを整合させるところである。即ち、凸条27aを内向フランジ33の切欠33aに整合させながら回転軸を軸受部30に挿通させ、その凸条27aの切欠27bが内向フランジ33の切欠33aと整合したところで、ダイヤル11を回転させる。これにより、凸条27aの切欠27bが内向フランジ33に嵌め合わされて、回転軸27の軸方向の移動が規制される。
【0038】
ボリューム抵抗42は、ダイヤル11が回転操作されるときの回転軸27の回転角の変化を電気的値(抵抗値)に変換するためのものであり、本発明の変換器に相当する。図7,8に示すように、ボリューム抵抗42は、入力軸42aを備え、この入力軸42aが上方へ向けて配置される。この入力軸42aに対して、ダイヤル11の回転軸27が連結される。回転軸27は二重筒構造をなし、その内側の内筒27cに対してボリューム抵抗42の入力軸42aが嵌め込まれる。又、入力軸42aの基端部には、ホルダスイッチ43が装着され、ナット44により固定される。
【0039】
次に、ダイヤル11に関連する電気的構成を説明する。図10にそのブロック図を示す。
【0040】
この操作装置6は電気的構成としてコントローラと45を備える。コントローラ45は、本発明の洗浄強さ制御手段に相当し、ボリューム抵抗11が接続される。又、コントローラ45には、電動式の第1及び第2の流量調節弁46,47が接続される。コントローラ45は、ダイヤル11の回転操作量に応じて洗浄強さを調節するために、回転操作量に応じてボリューム抵抗42により変換された抵抗値に基づき第1及び第2の流量調節弁46,47をそれぞれ制御する。即ち、コントローラ45は、ボリューム抵抗45からの抵抗値に基づき、第1及び第2の流量調節弁46,47の開度を制御するための制御信号を出力する。この制御信号に基づき各流量調節弁46,47の開度が制御されることにより、各ノズル7,8から噴出される洗浄水の勢いが調節され、人体局部の洗浄強さが調節される。尚、各ノズル7,8の何れが使用されるかは、別途設けられた三方弁(図示略)が、おしりスイッチ13及びビデスイッチ14の操作に基づいて制御されることにより選択されるようになっている。
【0041】
以上説明したように本実施の形態の洗浄装置1の操作装置6によれば、次のように使用者が操作することができる。即ち、便座5に着座した使用者が、操作パネル9上のダイヤル11の近傍に片手を添え置き、そのダイヤル11の表面11b上の指先用凹部29に、上から人差し指等の指先の腹をあてがい嵌め合わせる。その指先を軽く回すことにより、そのダイヤル11が回転軸27を中心に回転操作される。そして、この回転軸27の回転角の変化がボリューム抵抗42により抵抗値に変換され、その抵抗値に基づきコントローラb45により電動式の第1及び第2の流量調節弁46,47が制御される。これにより、ダイヤル11の回転操作量に応じて、各ノズル7,8から噴出される洗浄水による洗浄強さが調節される。このため、使用者は、ダイヤル11の外周を複数の指先で摘むことなく、単に一本の指先だけでダイヤル11を軽快かつ確実に回転させて洗浄強さの調節を操作することができる。又、指先用凹部29は、ダイヤル11を回転させたときの回転角の位置を示すことにもなるので、使用者は自分がどの程度の洗浄強さに調節しているいかを確認することができる。このようにダイヤル11の使い勝手を、従来の摘みに比べて向上させることができる。
【0042】
この実施の形態のダイヤル11は、指先一つで回転操作することができるので、従来の摘み67A,67Bとは異なり、ダイヤル11自体を横方向へ捩り傾かせるような力が加わることがない。従って、ダイヤル11と操作パネル9との隙間を拡げたり、ダイヤル11の回転軸27に連結されるボリューム抵抗42等の内部部品に無理な応力が作用したりすることがない。このため、操作装置6の内部へ水が侵入したり、内部部品が無理な応力により破損したりするおそれがない。ここで、この実施の形態では、ダイヤル11の底面11aが平坦なダイヤル座面26に近接して摺接可能に設けられることから、通常は回転するダイヤル11がダイヤル座面26に干渉することはない。又、ダイヤル座面26と軸孔25との境にはリブ26aが形成されており、ダイヤル11とダイヤル座面26との通常の隙間も極めて狭くなっている。このため、万が一、操作パネル9上に水が零れたとしても、軸孔25から本体カバー10内部への水の侵入を防止することができる。更に、ダイヤル11に上から無理な押圧力が作用したとしても、その底面11aが平坦なダイヤル座面26で受け持たれることから、ダイヤル11が押圧力により捩れることがなく、本来のダイヤル11の姿勢が歪むこともない。
【0043】
この実施の形態では、ダイヤル11の表面11b上は滑らかで、単に一つの指先用凹部29が有るだけなので、その表面11bにおける引っかかりが全くなく、トイレ室内の特有の汚れが付着したとしても雑巾等による拭き取りが容易となる。このため、ダイヤル11としては、汚れを溜まり難くすることができ、汚れが溜まっても雑巾等による拭き掃除を容易なものにすることができ、拭き残しをなくすことができ、衛生的なものとすることができる。更に、ダイヤル11の表面11b上が滑らかで突起物がないということから、従来の洗浄強さ摘みのように、突起物に指が当たって衝撃や痛みを感じることがない。このため、身体の不自由な使用者が不用意に触れても衝撃や痛みを回避することができるようになり、操作装置6としてのバリヤフリー性を高めることができる。
【0044】
この実施の形態の操作装置6によれば、ダイヤル11の指先用凹部29が滑らかな凹曲面であることから、その凹部29での指先の動きが滑らかとなり、そのダイヤル11を回転させるときの抵抗感が少なくなる。このため、ダイヤル11を一層軽いフィーリングで操作することができ、その使い勝手を一層高めることができる。又、指先用凹部29に付着した汚れの雑巾等による拭き取りが容易となることから、拭き掃除を一層容易なものとすることができ、ダイヤル11の衛生性を高めることができる。
【0045】
この実施の形態の操作装置6によれば、ダイヤル11が扁平な円盤状をなしており、その外周面が操作パネル9の表面に対して滑らかに連続していることから、操作パネル9上におけるダイヤル11の張り出しが少なく、同ダイヤル11の肌触りが良くなる。従って、操作に使用される指以外の指とダイヤル11との干渉が少なくなり、同ダイヤル11の上に自然に手が添えられるようになる。この意味でも、ダイヤル11の操作フィーリングをより一層向上させることができ、使い勝手のより一層の向上を図ることができる。又、操作パネル9上におけるダイヤル11による引っかかりが少なく、雑巾等による拭き取りが容易になる。このため、ダイヤル11のみならず、操作パネル9の全体の拭き掃除を容易で確実なものにすることができ、操作パネル9の全体を衛生的に保つことができる。
【0046】
この実施の形態の操作装置6によれば、ダイヤル11において、その中心P1から指先用凹部19の中心P2までの距離R1が、指先用凹部29の内径D1の1〜2倍、特には「1.33倍」の大きさに設定されている。従って、このダイヤル11を回転させるときに指先用凹部29が描く円弧軌跡が適度なサイズとなり、操作に関与する使用者の指や手にとってオーバアクションとなることがなく、指や手の関節の動きを少なくすることができる。このため、使用者の操作に対する負担を軽減することができ、ダイヤル11としての使い勝手の更なる向上を図ることができる。
【0047】
また、洗浄強さダイヤル11の位置を更に認識しやすくするために、図12及び図13に示すように、洗浄強さダイヤル11の回転方向に沿う方向に沿って、操作パネル9に透明若しくは薄い色のアクリル板90を嵌め込み、下からランプ92を点灯させるようにしても良い。
【0048】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で、下記に示すように、構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
【0049】
(1)ランプ80・92の発光量を洗浄強さに応じて調整させるようにすることも可能である。すなわち、ボリューム42の回転各角度の応じて変化する抵抗値に反比例した電圧をランプ80・92に印加させることにより、洗浄強さが強(弱)の場合、発光量つまり照度を大きく(少なく)させるようにすることが可能となる。
【0050】
(2)ランプ80・92の点灯・消灯を、トイレ内の人の有無に依拠させるようにしても良い。具体的には、人検知センサをトイレ内の適所(便座装置に付設が望ましい)に設け、このセンサのオン・オフに応じて、ランプ80・92の点灯・消灯する回路をコントローラ45に持たせるようにすることも可能である。
【0051】
(3)前記実施の形態では、操作装置6を洗浄装置1に一体的に設けたが、操作パネルを洗浄装置とは別体のリモコンの操作盤に設けても良い。この場合、操作盤を洗浄装置から離して壁等に取り付けて使用することになるが、この場合にも、前記実施の形態と同様に、ダイヤルに関連して操作装置を衛生的なものにすることができ、その使い勝手を向上させることができる。
【0052】
(4)前記実施の形態では、電動式調節機器として、第1及び第2の流量調節弁46,47を設けたが、これに限られるものではなく、洗浄スイッチトリラクタンスモータの吐出量を調節することのできる電動式ポンプを設けてもよい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、洗浄強さダイヤルとしては、汚れを溜まり難くすることができ、汚れの拭き掃除を容易なものにすることができ、拭き残しをなくすことができて、衛生的なものとすることができる。併せて、指先一つだけで軽快かつ確実に洗浄強さの調節を操作することができ、使い勝手を向上させることができる。しかも、発光により指挿入を簡単にできる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に対して、拭き掃除を一層容易なものとすることができ、洗浄強さダイヤルの衛生性を高めることができる。併せて、洗浄強さダイヤルを一層軽いフィーリングで操作することができ、その使い勝手を一層高めることができる。
【0055】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に対して、操作パネル全体の拭き掃除を容易で確実なものにすることができ、操作パネル全体を衛生的に保つことができる。併せて、洗浄強さダイヤルの操作フィーリングをより一層向上させることができ、その使い勝手のより一層の向上を図ることができる。
【0056】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の発明の効果に加え、使用者の操作に対する負担を軽減することができ、洗浄強さダイヤルとしての使い勝手の更なる向上を図ることができる。
【0057】
請求項5に記載の発明によれば、簡単に、発光手段を構成することができる。
【0058】
請求項6に記載の発明によれば、簡単に、発光手段の発光量(明るさ)を設定することができる。
【0059】
請求項7に記載の発明によれば、洗浄強さダイヤルの位置を示す表示面を大きく設定でき、当該位置の認識を発光と相まって、容易に把握することができる。
【0060】
請求項8に記載の発明によれば、洗浄強さダイヤルの位置を示す表示面が光る絵文字となり、当該位置の認識を極めて容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、温水洗浄便座装置を示す平面図である。
【図2】温水洗浄便座装置を示す側面図である。
【図3】操作装置の操作パネルを示す平面図である。
【図4】操作パネルのダイヤル座面とダイヤルを示す部分平面図である。
【図5】ダイヤルを示す正面図である。
【図6】ダイヤルを示す平面図である。
【図7】図3のA−A線に沿った断面図である。
【図8】図7においてダイヤルを取り外した状態を示す断面図である。
【図9】本体カバーの軸受部を示す平面図である。
【図10】電気的構成を示すブロック図である。
【図11】図7に示す構成の変形例を示す断面図である。
【図12】洗浄強さダイヤルを示す表示装置の例の平面図である。
【図13】図12に示す装置の下側の断面図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置
6 操作装置
7 シャワーノズル
8 チャームノズル
9 操作パネル
11 洗浄強さダイヤル
25 軸孔
26 ダイヤル座面
27 回転軸
29 指先用凹部
42 ボリューム抵抗(変換器)
45 コントローラ(洗浄強さ制御手段)
46 第1流量調節弁(電動式調節機器)
47 第2流量調節弁(電動式調節機器)

Claims (10)

  1. 洗浄ノズルから噴出される洗浄水による洗浄強さを調節する温水洗浄便座装置に設けられる操作装置であって、
    前記洗浄強さを調節するために回転操作され且つ操作パネルに設けられた回転軸を備える洗浄強さダイヤルと、
    前記洗浄強さダイヤルの表面上に設けられ、前記洗浄強さダイヤルの軸方向中心から離れた位置に配置され、一指先が嵌め合わされる大きさの指先用凹部と、
    前記指先用凹部を発光せしめる発光手段とを備えたことを特徴とする温水洗浄便座装置の操作装置。
  2. 前記洗浄強さダイヤルが回転操作されるときの前記回転軸の回転角の変化を電気的値に変換するための変換器と、
    前記洗浄強さダイヤルの回転操作量に応じて前記洗浄強さを調節するために、前記変換器により変換された電気的値に基づいて作動する電動式調節機器を設けた洗浄強さ制御手段と、
    前記洗浄強さダイヤルの回転操作量に応じて前記発光手段の発光量は調整する手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  3. 前記指先用凹部は、滑らかな凹曲面より構成されたことを特徴とする請求項1に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  4. 前記洗浄強さダイヤルは、扁平な円盤状をなし、その外周面は前記操作パネルの表面に対して滑らかに連続するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  5. 前記洗浄強さダイヤルの中心から前記指先用凹部の中心までの距離が、前記指先用凹部の内径の1〜2倍の大きさに設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  6. 前記発光手段は、前記指先用凹部に塗布された夜光塗料である、請求項1に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  7. 前記発光手段は、前記操作パネルの下側に設けられ、前記指先用凹部を下から透過するランプである、請求項1に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  8. 前記洗浄強さダイヤルの回転方向に沿う方向に延在すべく前記操作パネルに形成された表示面を備え、前記表示面を介して前記操作パネルの下側から光をさせるようにした、請求項1に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  9. 前記表示面の幅は、前記洗浄強さダイヤルが前記洗浄強さを大きくするように回転される方向に漸増するように設定されている、請求項8に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
  10. 前記発光手段は、トイレ使用者の検知の有無により、点灯・消灯されるようにした、請求項1に記載の温水洗浄便座装置の操作装置。
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