JP3559510B2 - 吐水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばユニットバスルーム内のバスタブ側壁に設けられて、幻想的な水流を形成することが可能な吐水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ユニットバスルーム等においては、バスルーム内に配置された蛇口やシャワーから単に水(湯)を吐出させるか、または、シャワーから吐出される水を入浴者の身体に局部的に当てることによって、水によるマッサージ効果を得るようにしたものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシャワー等を使用したものにおいては、マッサージ的なリラクゼーション効果は得られるものの、視覚を通してのリラクゼーション効果という点に関しては、ほとんど考慮されていないのが実情である。また、水により幻想的な感覚を得るものとして、例えば照明光で照らされた噴水等が知られているが、一般家庭で幻想的な水流を形成できる装置は未だ存在していないのも実情である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、幻想的な水流が形成されて視覚を通してのリラクゼーション効果が容易に得られ、一般家庭でも使用可能な吐水装置を提供することにある。また、他の目的は、前記目的に加え、バスルーム内で使用する水に幻想的感覚を付与できて、バスルーム内の意匠向上と入浴中の視覚を通してのリラクゼーション効果が同時に得られる吐水装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、水を水流として吐出させる吐出ノズルと、該吐出ノズル内の水に光を照射する光源と、吐出ノズルに水を供給する水供給手段とを備え、吐出ノズルは外周に透明な面を備え、この透明な面に光源からの光を照射することにより水に光を進入させ、吐出ノズルから吐出される水流がかかる部分を光らせることを特徴とする。
【0006】
このように構成することにより、水供給手段で吐出ノズルに供給される水は、吐出ノズル部分で光源から照射された光が進入し、この水が吐出ノズルの吐出口から水流となって吐出される。この水流は、その内部に光が進入していることから、この水流が身体等に触れた時に、その部分が光って幻想的な感覚が得られると共に、視覚を通してのリラクゼーション効果が容易に得られる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、吐出ノズルをバスタブの背当て上部に設けて水 流が入浴者の肩のあたりにかかるように設定し、この水流がかかる入浴者の両肩部分を光らせることを特徴とする。このように構成することにより、バスルーム内に配置されるバスタブの背当て上部に設けた吐出ノズルから光が進入した水流が吐出されることから、この水流を入浴者の背中に向けて吐出させて、入浴者の両肩部分を光らせることができ、入浴者の視覚を通してのリラクゼーション効果がより大きなものとなる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、吐出ノズルが、透明な上面と、下面及び両側面を備え、前記下面に反射作用を持たせたことを特徴とする。このように構成することにより、下面の反射作用で、吐出ノズル内に進入した光が良好に反射されて、より幻想的な水流が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる吐水装置をバスルームに適用した場合の一実施例を示し、図1がそのシステムブロック図、図2がバスタブの要部の斜視図、図3が吐出ノズルの斜視図、図4がその断面図である。
【0010】
図1において、吐水装置1は、バスタブ6の背当て6aの上部に配置された吐出ノズル2と、この吐出ノズル2の例えば上部に配置された光源としてのハロゲンランプ3と、バスタブ6内の水7を吸引口8から吸引して吐出ノズル2に供給する水供給手段としての循環ポンプ4と、バスルームの例えばドア外側の壁面に配置され循環ポンプ4及びハロゲンランプ3を制御する操作盤等からなる制御装置5とを有している。
【0011】
前記吐出ノズル2は、図3及び図4に示すように、内部に扁平な細長い長方形状でその先端に吐出口9aが形成された開口9を有し、その基端部が循環ポンプ4の吐出側に接続された配管10の例えば先端絞り部10aに一体的に固着されている。また、吐出ノズル2は、例えば透明な樹脂の成形によって上面2a、下面2b及び両側面2cの外周全面が透明に形成されている。
【0012】
この吐出ノズル2の上面2aの所定距離上方に、ハロゲンランブ3が配置されて、このハロゲンランプ3の光が上面2aに照射されるように設定されている。ハロゲンランプ3は、1個もしくは吐出ノズル2の上面2aの幅方向(水流17の吐出方向と直交する方向)に複数個配置され、接続コード11(図1参照)を介して制御装置5に電気的に接続されている。
【0013】
そして、この吐出ノズル2は、図2に示すように、バスタブ6の背当て6aの上部の幅方向に延びる位置に配置され、その吐出口9aが前方に開口している。なお、吐出ノズル2から吐出される水流17は、バスタブ6内に入浴中の入浴者の肩のあたりにかかるように設定されている。また、この例においては、吐出ノズル2の外周全面を透明に形成したが、例えばハロゲンランプ3と対向する面のみを透明に形成することもできる。
【0014】
前記循環ポンプ4は、図1に示すように、その吸引側がバスタブ6の吸引口8に配管12を介して接続され、吐出側が前記配管10を介して吐出ノズル2に接続されると共に、接続コード13を介して制御装置5に電気的に接続されている。なお、制御装置5には、例えば吐水装置1の作動をオン・オフする電源スイッチ14、ハロゲンランプ3の光量を調整する光量調整つまみ15、循環ポンプ4による吐出流量(すなわち循環ポンプ4の回転数)を調整する流量調整つまみ16等の各種操作釦が設けられている。また、制御装置5は、循環ポンプ4の空運転防止のために、例えばバスタブ6内の水7の有無を図示しないセンサで検知し、この検知信号で吐水装置1を作動させるように構成されている。
【0015】
次に、この吐水装置1の動作について説明する。入浴者が吐水装置1を使用して入浴する場合は、先ず、制御装置5の電源スイッチ14をオンさせて吐水装置1を作動させる。吐水装置1が作動すると、ハロゲンランプ3が点灯すると共に循環ポンプ4が作動して、バスタブ6内の水7が吸引口8から吸引されて配管12、10を介して吐出ノズル2の開口9に供給され、この吐出ノズル2の開口9内を流れる水7に、ハロゲンランプ3の光が照射される。
【0016】
このハロゲンランプ3から照射される光は、吐出ノズル2の透明な上面2aから開口9内の水7に照射されて水7内に進入し、この水7に進入した光が光ファイバー作用により水7の界面で反射屈折されつつ吐出ノズル2の開口9内を流れ、開口9の吐出口9aから該吐出口9aの形状に略対応した薄い板状の水流17となって、バスタブ6の内側に向けて放物線状に吐出される。そして、この水流17は、内部に光が進入されていることから、水流17が入浴者の身体の肩のあたりにかかると、かかった部分が光る幻想的な水流17となる。
【0017】
これにより、入浴中の入浴者がリラックスした気分となる視覚を通してのリラクゼーション効果を得ることができる。また、幻想的な水流17がバスタブ6に供給されることにより、バスルーム内に従来の水では得られない格別な感覚(雰囲気)が得られて、バスルーム内の意匠向上が図れることになる。
【0018】
このように、上記実施例の吐水装置1にあっては、吐出ノズル2をバスタブ6の背当て6a上部に配置し、この吐出ノズル2の透明な上面2aにハロゲンランプ3の光が照射されて、この光が吐出ノズル2内の水7内に進入して水流17が形成されるため、水流17が接触する部分を光らせることができる等、幻想的な水流17を得ることができて、例えば一般家庭のバスルームに使用した場合に、バスルーム内に従来では得られない水による意匠感覚が得られて、バスルーム自体の意匠向上を図ることができる。
【0019】
また、吐出ノズル2をバスタブ6の背当て6a上部に配置しているため、吐出される水流17を入浴中の入浴者の肩から首にかけての部分にかけることができて、幻想的な水流17による視覚を通したリラクゼーション効果が得られると共に、水流17の両肩部分への直接的な当接によりマッサージ効果を得ることもできる等、快適な入浴が可能になる。
【0020】
さらに、吐出ノズル2をバスタブ6に配置し、この吐出ノズル2上にハロゲンランプ3を配置すると共に、循環ポンプ4で吐出ノズル2にバスタブ6内の水7を供給することにより、吐水装置1を形成できることから、例えば循環ポンプ4をジェットバス用の循環ポンプと兼用させること等により、その構成を簡略化することができて、一般家庭等において容易に使用できる吐水装置1が得られる。
【0021】
図5及び図6は、本発明に係わる吐水装置のそれぞれ他の実施例を示し、以下、上記実施例と同一部位には同一符号を付して説明する。先ず、図5に示す吐水装置の特徴は、吐出ノズル2の下面2bに反射板18を配設した点にあり、この反射板18によって、ハロゲンランプ3から吐出ノズル2内の水に進入した光が反射され、光ファイバー作用が良好となってより幻想的な水流17を得ることができる。この反射板18としては、吐出ノズル2と別体のものに限らず、例えば吐出ノズル2の下面2b自体に反射作用を持たせたり、下面2b等に反射塗料を塗布することによって一体的に形成することもできる。
【0022】
また、図6に示す吐水装置の特徴は、光源としてハロゲンランプ3ではなく、高輝度発光ダイオード19を使用した点にある。すなわち、プリント基板20上に複数個(図では4個)の高輝度発光ダイオード19を一列状態で実装し、このプリント基板20をケース21内に収容して、その下部をポッティング材22で保持すると共に、この光源を例えば吐出ノズル2の透明な下面2bの下方に配置する。
【0023】
この吐水装置1によれば、高輝度発光ダイオード19自体の消費電力が上記ハロゲンランプ3に比較して極めて小さい(例えば1個当たり20mA)ことから、熱対策が不要になると共に、ポッティング材22で十分な防湿効果が得られることから、安全低電圧で駆動でき、光源自体やその周囲の構成が簡略化されて、吐水装置1を安価に形成できるという作用効果が得られる。この実施例の場合は、例えば複数の高輝度発光ダイオード19の発光色を異ならせることによって、より幻想的な水流17を得ることもできる。
【0024】
なお、本発明は、上記した各実施例のそれぞれに限定されるものでもなく、例えば図5に示す実施例と図6に示す実施例を組み合わせることもできるし、光源としては、ハロゲンランプ3や高輝度発光ダイオード19以外に、一般的な発光ダイオードや他の適宜のランプ、あるいは保温効果のある遠赤外線ランプを使用することもできる。また、上記実施例においては、吐出ノズル2をバスタブ6の背当て6a上部に一個配置したが、背当て部6aに複数個配置したり、例えば図2の二点鎖線で示すように、吐出ノズル2をバスタブ6の側壁6bに一個もしくは複数個設けることもできるし、バスルーム内のカウンター等に設けることもできる。
【0025】
さらに、吐出ノズル2をバスルームに限らず、例えば洗面台やトイレ等の一般家庭に設けられる蛇口(水栓)の代わりに使用することもできるし、吐出ノズル2の吐出口9aの形状も一枚の扁平形状に限らず、円形や楕円形あるいは所定幅で分割された形状の吐出口とする等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、水供給手段で吐出ノズルに供給される水に光源から照射された光が進入して水流が形成され、これが吐出ノズルの吐出口から吐出されるため、身体等に触ることにより当該部分が光る幻想的な水流が得られ、例えばこの水流を体感することにより、一般家庭においても水流による視覚を通したリラクゼーション効果を容易に得ることができる。
【0027】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、バスルーム内に配置されるバスタブの背当て上部に吐出ノズルが配置されているため、水流を入浴者の肩や首部分等に向けて吐出させてこれらの部分を光らせることができて、入浴者の視覚を通してのリラクゼーション効果をより大きなものとす ることができる。
【0028】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加え、吐出ノズルが、透明な上面と、下面及び両側面を備え、下面に反射作用が持たせられるため、下面の反射作用で、吐出ノズル内に進入した光が良好に反射されて、より幻想的な水流を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる吐水装置をバスルームに適用した場合の一実施例を示すシステムブロック図
【図2】同そのバスタブの要部の斜視図
【図3】同吐出ノズルの斜視図
【図4】同その断面図
【図5】本発明に係わる吐水装置の他の実施例を示す吐出ノズルの断面図
【図6】本発明に係わる吐水装置のさらに他の実施例を示す光源の断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・吐水装置
2・・・・・・・・・吐出ノズル
2a・・・・・・・・上面
2b・・・・・・・・下面
2c・・・・・・・・側面
3・・・・・・・・・ハロゲンランプ
4・・・・・・・・・循環ポンプ
5・・・・・・・・・制御装置
6・・・・・・・・・バスタブ
6a・・・・・・・・背当て
6b・・・・・・・・側壁
7・・・・・・・・・水
8・・・・・・・・・吸引口
17・・・・・・・・水流
18・・・・・・・・反射板
19・・・・・・・・高輝度発光ダイオード
20・・・・・・・・プリント基板
21・・・・・・・・ケース
22・・・・・・・・ポッティング材

Claims (3)

  1. 水を水流として吐出させる吐出ノズルと、該吐出ノズル内の水に光を照射する光源と、前記吐出ノズルに水を供給する水供給手段とを備え、
    前記吐出ノズルは外周に透明な面を備え、この透明な面に前記光源からの光を照射することにより水に光を進入させ、前記吐出ノズルから吐出される水流がかかる部分を光らせることを特徴とする吐水装置。
  2. 前記吐出ノズルをバスタブの背当て上部に設けて水流が入浴者の肩のあたりにかかるように設定し、この水流がかかる入浴者の両肩部分を光らせることを特徴とする請求項1記載の吐水装置。
  3. 前記吐出ノズルは、透明な上面と、下面及び両側面を備え、前記下面に反射作用を持たせたことを特徴とする請求項2記載の吐水装置。
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