JP6480076B1 - 吐水装置及び浴槽装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この態様によると、貯溜室内から絞り流路の入口に向かう水流は、誘導面に沿ってスムーズに流れることができ、その乱れの発生を抑えられ、吐水流の形状の乱れを抑えられる。
この態様によると、誘導面の下流側において、流量が大きい領域と流量が小さい領域とが第2方向に交互に設けられ、流量分布の偏りを定常的に生じさせることができる。これら領域を流れる水流は、さらに下流側に向かう途中に流量が均され、その流量の均一化により第2方向での流速分布が均一化するように整流される。この結果、吐出口から吐き出される吐水流の形状の乱れをより抑え易くなる。
この態様によると、流入口の近傍から絞り流路の入口に向けて、貯溜室の一方の壁面ではなく他方の壁面に沿うような水流が支配的に流れる。この貯溜室内を支配的に流れる水流を、貯溜室の他方の壁面の整流溝部により効果的に整流できるため、吐出口から吐き出される吐水流の形状の乱れをより一層抑え易くなる。
この態様によると、貯溜室の容積を大きくし易くなる。よって、貯溜室内の水の水圧を低くして、その流速も低くし易くでき、貯溜室内での流速が均一となるように効果的に整流できる。
吐水装置10は浴槽装置200に用いられる。浴槽装置200は、吐水装置10の他に、浴槽210を備える。浴槽210のリム部215には設置面217が設けられる。吐水装置10は、設置面217に設置される装置本体11を備える。装置本体11は横長扁平に形成され、膜状の横長な吐水流Wが吐出口13から前方に吐き出される。
給水系220は、吐水装置10の上流側に設けられる給水ポンプ221を備える。吐水装置10は、装置本体11の他に、導水部15を備える。給水ポンプ221は、導水部15に吐出側導管223を介して接続され、給水源となる浴槽210に吸引側導管225を介して接続される。給水ポンプ221は、その駆動により、吸引側導管225を通して浴槽210内の浴槽水211を吸引し、吐出側導管223を通して導水部15に水を圧送する。吐水装置10は導水部15に水が圧送されると装置本体11から吐水流Wを吐き出す。
装置本体11の前部には、横長なスリット状の吐出口13が設けられる。導水部15は、吐出口13の横幅方向に間隔を空けて装置本体11から下方に突き出るように複数設けられる。なお、以下の説明では、吐出口13の横幅方向を方向X、これに直交する水平方向を前後方向Y、鉛直方向を上下方向Zという。方向Xは後述する吐出通路33の横幅方向とも一致する。
導水部15は、設置面217に形成される貫通孔229に挿通される。導水部15には下流側に給水するための導水路17が内部に形成され、その先端部には吐出側導管223が接続される。導水部15の設置面217と反対側に突き出た部位にはナット等の固定部材231がねじ込み等により取り付けられる。装置本体11は、固定部材231との間で浴槽210を挟み込むことにより浴槽210に固定される。なお、固定部材231と浴槽210の間にはOリング等のシールリング233が介装される。
吐出通路33の横幅方向X、前後方向Yの寸法を通路幅、奥行寸法とすると、吐出通路33は、平面視において、通路幅より奥行寸法が小さくなるように形成される。また、吐出通路33は、その横断面(図示しない)が通路高さより通路幅が大きくなるように横長に形成される。吐出通路33の横幅方向X両側の側壁面33aは、貯溜室37の奥側から吐出口13側に近づくにつれて、吐出通路33の通路幅が広がるように形成される。
吐水部材19は、第1分割部材としての下側分割部材51と、第2分割部材としての上側分割部材53をねじ等の固定具(図示せず)により組み付けて構成される。各分割部材51、53は樹脂成形品であり、吐水部材19の周壁部49を境界として上下に分割した形状を有する。
貯溜室37の上流側には貯溜室37の一部を画定する誘導面81が設けられる。誘導面81は、吐出通路33の対向する下壁面71と上壁面73の両方に設けられる。誘導面81は、貯溜室37の奥側から絞り流路39の入口39aに向かうにつれて、貯溜室37の対向する壁面71、73同士の間隔(以下、壁面間隔という)を連続的に狭めるように設けられる。下壁面71の誘導面81は、流入口35より上流側である前方にずれた位置83から、絞り流路39の入口39aにかけて設けられる。上壁面73の誘導面81も、流入口35より前方にずれた位置85から、絞り流路39の入口39aにかけて設けられる。各誘導面81は、その表面に沿って水流が剥離することなくスムーズに流れるように、段差のない直線状に形成されるが、円弧状に形成されてもよい。
上壁面73の誘導面81には複数の整流溝部87が形成される。各整流溝部87は、貯溜室37の奥側(図8中上側)から絞り流路39の入口39aに向かう第1方向としての前後方向Yに延びるように形成される。また、各整流溝部87は、その前後方向Yと直交する第2方向としての横幅方向Xに並ぶように略等間隔を空けて形成される。
整流溝部87は、誘導面81の奥端部81aから絞り流路39の入口39aにかけての範囲の途中位置に形成される。整流溝部87は、その溝底面87aが円弧状に形成される。より詳細には、整流溝部87の上流側部分89は、絞り流路39の入口39a側に向かうにつれて、連続的に溝深さが深くなるように形成される。また、整流溝部87の下流側部分91は、絞り流路39の入口39a側に向かうにつれて、連続的に溝深さが浅くなるように形成される。また、整流溝部87の溝側面87bは、前後方向Yに沿うように平面状に形成される。
吐水部材19では、図4に示すように、予め定められた流量の水が給水ポンプ221(図2参照)から圧送され、その水が導水路17を通して流入口35から貯溜室37内に流入し、貯溜室37内に一時的に貯溜水として溜められる。貯溜室37内に貯溜水が溜められた状態で流入口35から水が送り込まれることにより、貯溜室37内の貯溜水が加圧され、その水圧により絞り流路39を通して貯溜水が吐出口13に送り出され、吐出口13から吐水流Wが吐き出される。
吐出通路33内に供給される水流は、流入口35から流入したときの急激な流路断面の変化により乱れが生じ易い。また、横長な吐水流Wを勢いよく吐き出すうえで、吐出通路33は、その通路幅が広く、かつ、その通路高さが低い断面形状となる。よって、その内部を流れる水流も横長で薄い形状となり、吐出通路33内での乱流や異物の引っかかり等の影響を受け易くなる。また、流入口35から吐出口13までの距離は吐出口13の横幅方向位置により変化し、吐出口13の横幅寸法、つまり、吐水流Wの横幅寸法が大きくなるほど、その最小距離と最大距離との差が大きくなり易い。以上の要因から、吐出口13から吐き出される吐水流Wは、かりに、吐出通路33に貯溜室37がない場合、吐出口13の横幅方向Xで流速がばらつき易くなり、その形状が乱れ易くなる。
この吐水部材319は、誘導面81以外は本実施形態と構造が共通する。本図では、本実施形態に係る吐水部材19と対応する構成要素には符号に300を加算して示し、その説明を省略する。
Claims (2)
- 吐出通路が内部に形成される吐水部材を備え、
前記吐出通路には、水を吐き出す吐出口と、上流側から流入する水を溜める貯溜室と、前記貯溜室内の水を前記吐出口に送り出す絞り流路とが形成され、
前記吐出通路の対向する壁面のうちの一方の壁面には、前記貯溜室内に上流側から水を送り込む流入口が形成され、
前記流入口を通る側面断面における水平方向を前後方向というとき、
前記吐出通路の対向する壁面のうちの他方の壁面は、前記流入口から流入した水流が突き当たる第1の面と、前記第1の面と第1の境界部を介して連なり、前記前後方向から見て前記第1の境界部から前記一方の壁面側に向けて延びる第2の面とを有し、
前記一方の壁面は、前記流入口が形成される第3の面と、前記第3の面と第2の境界部を介して連なり、前記前後方向から見て前記第2の境界部から前記他方の壁面側に向けて延びる第4の面とを有し、
前記第1の境界部は、前記第2の境界部より前記前後方向で前記吐出通路の奥側に設けられることを特徴とする吐水装置。 - 請求項1に記載の吐水装置と、
前記吐水装置が設置される浴槽と、を備えることを特徴とする浴槽装置。
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