JP2004176391A - 多段伸縮式アーム作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押し込みロープ53の一端にピン12を一体に設け、ピン12をばね15を介してファーストアーム41から移動可能に支持する。ピン12の上端面にストライカ20を取り付け、ピン12の上端部とストライカ20の下端部に周方向に凹状の傾斜面12c,20aを形成し、この傾斜面12c,20aの間にリミットスイッチ30の検出部30aを配置する。リミットスイッチ30は2接点を有し、バケット5の着地により検出部30aに傾斜面20aが当接したとき、およびロープ53の弛みにより検出部30aに傾斜面12cが当接したときそれぞれオンする。これにより単一のセンサ30によりバケット5の着地とロープ53の弛みを検出することができ、複数のセンサを設ける必要がないので取付作業が容易である。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段伸縮式アームを有する多段伸縮式アーム作業機に関し、詳しくは多段伸縮式アームの先端に装着したバケットの着地や掘削反力を受ける押し込みロープの弛み等を検出する安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の安全装置を有する多段伸縮式アーム作業機が知られている(例えば特許文献1参照)。これによると押し込みロープの基端部をばねを介して移動可能に設け、このロープ基端部の所定の移動を一対の非接触式センサにより検出する。これにより押し込みロープに作用する過負荷、および押し込みロープの弛みをそれぞれ検出し、それと同時に警報を発する。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−132008号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記公報記載の装置では、ロープ基端部に一対の非接触式センサを設けるため、限られたスペースで複数のセンサを位置調整しながら取り付ける必要があり、センサの取付作業が煩雑となる。
【0005】
本発明は、センサの取付作業が容易な多段伸縮式アーム作業機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による多段伸縮式アーム作業機は、伸縮可能な複数段のアームを有する多段伸縮式アームと、最終段のアームの先端に設けられる作業装置と、多段伸縮式アームに作用する負荷に応じた張力が付与されるワイヤロープと、ワイヤロープの一端にワイヤロープと一体に設けられる可動体と、多段伸縮式アームに作用する負荷に応じてワイヤロープの一端が移動するように可動体を弾性支持する弾性支持手段と、多段伸縮式アームに作用する負荷が第1の所定値以上のときの可動体の一方への移動、および負荷が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときの可動体の他方への移動をそれぞれ検出する単一のセンサと、センサにより可動体の移動検出されたことを報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7を参照して本発明による多段伸縮式アーム作業機の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる多段伸縮式アーム作業機の側面図である。なお、図1は伸縮アーム4を立設した作業姿勢を示す。図1に示すように多段伸縮式アーム作業機は、油圧ショベルをベースマシンとしている。すなわち、アーム作業機は、走行体1と、走行体1上に旋回可能に搭載された旋回体2とを有する。旋回体2には運転室6が搭載され、運転室6の側方には旋回体2に起伏可能にブーム3が軸支されている。ブーム3の先端部には伸縮可能な多段伸縮式アーム4(以下、伸縮アーム)がアームシリンダ4aを介し鉛直面内に回動可能に軸支され、さらに、ブーム3と伸縮アーム4とはアームシリンダ4aにより接続されている。ブーム3はブームシリンダ3aの伸縮によって起伏し、伸縮アーム4はアームシリンダ4aの伸縮によって回動する。伸縮アーム4の先端(サードアーム43の先端)にはバケット5が装着され、バケット5の開閉動作により掘削作業を行う。
【0008】
伸縮アーム4の構成について説明する。なお、以下では、図1の作業姿勢を基準に上下および前後方向を定義する。図2,3は伸縮アーム4の内部構成を示す側方断面図であり、図2は伸縮アーム4の収縮状態を、図3は伸長状態をそれぞれ示す。図2,3に示すように、伸縮アーム4は、ファーストアーム(アウタアーム)41と、ファーストアーム41内に伸縮可能に挿入されたセカンドアーム42(中間アーム)と、セカンドアーム42内に伸縮可能に挿入されたサードアーム(インナアーム)43とを有する。各アーム41〜43はそれぞれ略矩形状断面を有する。
【0009】
ファーストアーム41の後面にはブラケット44が設けられ、このブラケット44に図1に示すようにブーム3およびアームシリンダ4aが回動可能に連結される。図2、3に示すように、サードアーム43の下端部には作業用アタッチメント装着用のブラケット43aが設けられ、このブラケット43aに図1に示すバケット5が装着されている。バケット5はバケットシリンダ5aの駆動により開閉する。ファーストアーム41の上部内側面には伸縮シリンダ45のロッド側上端部45aが取り付けられ、セカンドアーム42の上端部には伸縮シリンダ45のチューブ側上端部45bが取り付けられている。伸縮シリンダ45はセカンドアーム42およびサードアーム43の上端を貫通してこれらアーム42,43内に延設されている。
【0010】
セカンドアーム42の上端部にはファーストアーム41の上端に向かってブラケット42aが突設され、このブラケット42aにシーブ用回転軸48を介して紙面に垂直に配置された一対の引き上げシーブ46と一対のホースシーブ47が並んでそれぞれ回転可能に支持されている。各引き上げシーブ46にはそれぞれ引き上げロープ49が掛け回され、各ホースシーブ47には油圧ホース50がそれぞれ掛け回されている。なお、図1に示すように伸縮アーム4(ファーストアーム41)の上端部には開口部4cが設けられ、外部からシーブ46,47、ロープ49、およびホース50を視認可能となっている。
【0011】
図2,3に示すように、引き上げロープ49はファーストアーム41とセカンドアーム42の間に長手方向に配設されるとともに、シーブ46を経由し、セカンドアーム42の上端を貫通して、セカンドアーム42内の伸縮シリンダ45の前方に長手方向に配設されている。引き上げロープ49の一端はファーストアーム41の後面下部の支持部41aに連結され、他端はサードアーム43の上端部43bに連結されている。
【0012】
油圧ホース50は引き上げロープ49と並んでファーストアーム41とセカンドアーム42の間に配設されるとともに、セカンドアーム42の上端を貫通し、セカンドアーム41内に配設されている。油圧ホース50の一端は支持部41aに接続され、他端はサードアーム上端部43bに接続されている。サードアーム上端部43bには図示しない油圧配管の一端が接続され、この油圧配管の他端はサードアーム43内を通過し、サードアーム下端部でバケットシリンダ5aに接続されている。また、旋回体2からブーム3に沿って油圧配管が配設され、この油圧配管はファーストアーム41の外側面に沿って配設され、支持部41aに接続されるとともに、ロッド側上端部45aに接続されている。これにより旋回体2からの圧油がバケットシリンダ5aおよび伸縮シリンダ45にそれぞれ導かれる。
【0013】
セカンドアーム42の後面下端部にはブラケット42bが固設され、このブラケット42bにシーブ用回転軸54を介して紙面に垂直に配置された一対の押し込みシーブ52が回転可能に支持されている。各押し込みシーブ52には押し込みロープ53がそれぞれ掛け回され、これら押し込みロープ53の一端はファーストアーム41の後面下端部に設けられた支持部41bに後述するように上下方向に移動可能に連結されている。押し込みロープ53の他端はサードアーム43内の伸縮シリンダ45の後方を通過し、サードアーム43の上端部43cに移動不能に連結されている。なお、引き上げロープ49と押し込みロープ53は鉄製のワイヤロープである。
【0014】
このように構成されたアーム作業機において、伸縮シリンダ45を伸長させるとそれに伴い引き上げシーブ46とロープ支持部41a間の距離が短くなり、引き上げロープ49が弛む。これにより、サードアーム43が自重によって落下し、ロープ49の一端がサードアーム43により引っ張られ、引き上げシーブ46に沿ってロープ49が移動する。その結果、図3に示すようにシーブ46からロープ支持部41aまでのロープ長さが短くなるとともに、その分だけシーブ46からロープ支持部43bまでのロープ長さが長くなる。このときバケット5内に土砂等を収容していればその重量に応じた負荷(重力)が引き上げロープ49に作用し、引き上げロープ49の張力は負荷に応じた値となる。
【0015】
セカンドアーム42に対してサードアーム43が伸長すると、ホースシーブ47は引き上げシーブ46と一体となって下方に移動する。そのため、引き上げロープ49と同様、油圧ホース50はホースシーブ47に沿って移動する。また、押し込みシーブ52と押し込みロープ53の支持部41b,43cとの距離も図示のように変化する。なお、アーム4の伸縮時には押し込みロープ53にバケット5からの負荷は作用しない。
【0016】
バケット5が地面に着地するとアーム4にはバケット5を介して地面からの負荷(掘削反力)が作用し、サードアーム43は上方に押される。この掘削反力を押し込みロープ53が受けることで、押し込みロープ53に掘削反力に応じた所定の張力が作用し、サードアーム43の上方への移動が阻止される。そして、この状態でバケット5を開閉しバケット5内に土砂等を収容する。
【0017】
この場合、深掘り掘削時等にはバケット5の着地状態を運転室6から目視することが困難である。そのため、効率よく作業を行うには目視によらずにバケット5の着地を検出することが望ましい。また、押し込みロープ53は長時間の使用により伸びて弛むおそれがあり、場合によってはロープ交換が必要となる。そのため、押し込みロープ53の弛みを検出することが望ましい。そこで本実施の形態では、以下のようにバケット5の着地および押し込みロープ53の弛みを検出する。
【0018】
図4は押し込みロープの支持部41bを示す図1のIV部拡大図であり、図5は図4のV−V線断面図である。なお、図4,5では一対の押し込みロープ53のうち、一方の押し込みロープ53の支持部41bのみ示す。押し込みロープ53の端部はソケット56に嵌め込んでカシメられている。ソケット56の端部には、外周面にねじ55a(雄ねじ)が形成されたロッド55が一体に設けられ、押し込みロープ53とロッド55はソケット56を介して一体化されている。ファーストアーム41の下端面にはボス11が形成され、このボス11に筒状のピン12が摺動可能に挿入されている。なお、ボス内のピン12の摺動を促進するようにボス11には、シール部材16,17間に給油するためのニップル11aと給油孔11bが設けられている。ピン12の下端側内周面にはねじ12a(雌ねじ)が形成され、このねじ12aにロッド先端部のねじ55aが螺合するとともに、ねじ55aに螺合したナット13によりピン12とロッド55は一体に締結されている。
【0019】
ピン12の上端部にはばね座部12bが形成され、ボス11の上面にはばね座14が設けられている。ピン12の外周にはばね座部12bとばね座14の間に、コイルばね15が介装されている。図7に示すようにばね15の初期長さL0は自由長L1より短く、密着長さL2より長くセットされている(L1<L0<L2)。すなわち初期状態でばね15は圧縮され、押し上げロープ53にはこのばね力に応じた初期張力T0が作用している。この初期張力T0は、アーム4の伸縮時に押し込みロープ53がシーブ52から脱落しないでスムーズに移動するための値に設定される。
【0020】
バケット5が着地すると押し込みロープ53の張力が増加し、ピン12はばね力に抗して下方に移動する。また、ロープ53が弛むとロープ張力が低下し、ピン12はばね力により上方に移動する。なお、ばね15の初期長さL0の調整は、ロッド55のねじ込み量を調整して行う。ピン12には段部12dが設けられ、ピン12が下方に移動した際にばね15が密着状態となる前に、例えばばね長さLが図7のL3になると段部12dがばね座14に当接する。これによりばね15が密着状態となることが阻止される。なお、図7において、L4(L3<L4<L0)はバケット5が着地したときのばね長さに相当し、L5(L0<L5<L1)はロープ53が弛んだときのばね長さに相当する。バケット5が着地したときはロープ張力はT4に増加し、ロープ53が弛んだときはロープ張力はT5に減少する。
【0021】
ピン12の上端面にはシム18を介して、ボルト19によりストライカ20が装着されている。ピン12の上端部およびストライカ20の下端部にはそれぞれ傾斜面12c,20aが設けられ、この傾斜面12c,20aによりピン12とストライカ20の接合部の外周面に凹部21が形成されている。凹部21にはリミットスイッチ30の検出部30aの先端が配置されている。
【0022】
図6の電気回路図に示すようにリミットスイッチ30は2接点a,bを有している。検出部30aに外力が作用しないときは、スイッチ30に内蔵されたばね(不図示)により検出部30aは中立位置に保持される。ばね15が初期長さL0から所定量伸縮し、検出部30aにピン12またはストライカ20の傾斜面12c,20aが当接して検出部30aに上下方向の外力が作用すると、検出部30aは回動軸30bを支点に回動する。
【0023】
検出部30aがストライカ20に押されて図5のa方向に所定量回動すると、接点aが閉じられ、スイッチ30がオンする。これにより図6に示す警報装置が作動し、ランプ35が点灯するとともにブザー36からブザー音が発生する。また、検出部30bがピン12に押されて図5のb方向に所定量回動すると接点bが閉じられ、スイッチ30がオンする。これにより警報装置が作動し、ランプ37が点灯するとともにブザー38からブザー音が発生する。
【0024】
この場合、バケット5の着地によりピン12が下方に所定量(L0−L4)移動した際(第1の移動)、およびロープ53の弛みによりピン12が上方に所定量(L5−L0)移動した際(第2の移動)にそれぞれスイッチ30がオンするように傾斜面12c,20aおよび検出部30bの位置がそれぞれ調整されている。なお、ピン12に対するストライカ20の位置調整はシム18の厚さを変更して行う。
【0025】
リミットスイッチ30は図4のa−a断面に示すように断面略コ型のブラケット31に取り付けられ、このブラケット31は断面略L型のブラケット32を介し、ファーストアーム41に固設された断面略L型のブラケット33に取り付けられている。ブラケット31とブラケット32はボルト34a,ナット34bを介して締結され、ブラケット32とブラケット33はボルト35a,ナット35bを介して締結されている。ブラケット32のボルト35aの貫通孔32aは図4に示すように上下方向に長孔に形成され、ブラケット31のボルト34aの貫通孔31aは図5に示すように上下方向と直角方向(ピン12との垂直距離方向)に長孔に形成されている。これによりリミットスイッチ30が四方向に位置調整可能である。
【0026】
以上では、一方の押し込みロープ53の支持部41bの構成について説明した。他方の押し込みロープ53の支持部41bには、シム18、ストライカ20、リミットスイッチ30が設けられておらず、この点が上述したものと異なるが、それ以外の構成は同様であり、図示は省略する。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係わる多段伸縮式アーム作業機の特徴的な動作を説明する。
まず、一対の押し込みロープ53の一端部をそれぞれ支持部41bに連結する。この場合、ばね15、ばね座14、ボス11にピン12を挿入し、ばね座14とばね座部12bの間にばね15を配置するとともに、ばね15の初期長さLが所定長さL0となるようにピン12の内側にロッド55をねじ込み、押し込みロープ53に所定の初期張力T0を作用させる。このときピン12の下端はボス11の下端部よりも下方に突出しているため、ロッド55のねじ込み時にばね15の付勢力によりピン12がボス11から外れることがなく、ロッド55のねじ込みが容易である。次いで、ピン12の傾斜面12cに対しストライカ20の傾斜面20aが所定位置となるようにピン12の上端部にシム18を介してストライカ20を取り付ける。さらに、ブラケット31〜33を介してリミットスイッチ30を取り付け、検出部30aの先端を凹部21にセットするとともに、バケット5の着地時およびロープ53が弛んだときにスイッチ30がオンするようにスイッチ30の取付位置を調整する。この場合、長孔32a,31aに沿ってスイッチ30を上下方向および垂直距離方向に別々に移動可能であるため、検出部30aの位置調整が容易である。
【0028】
伸縮シリンダ45の伸長動作により伸縮アーム4を下方に伸ばし、バケット5が地面に着地すると、地面からの反力が押し込みロープ53に作用する。この反力によりロープ張力はT4(>T0)となり、ストライカ20が下方に所定量(L0−L4)移動する。これにより検出部30aがストライカ20の傾斜面20aに押されてa方向に回動し、接点aが閉じられる。その結果、バケット着地検出用のランプ35が点灯するとともにブザー音が発生し、作業員は運転室内でバケット5の着地を認識することができる。この場合、検出部30aは傾斜面20aにより押されるので、検出部30aはストライカ20の移動に伴い徐々に押され、検出部30aに作用する衝撃を和らげることができる。
【0029】
バケット5の着地を認識すると、作業員はバケット5を開閉操作してバケット内に土砂等を収容した後、伸縮シリンダ45を縮退し、バケット5を上方に移動する。この場合、バケット5に土砂を収容すると土砂の重量により引き上げロープ49の張力が増加し、押し込みロープ53の張力は初期状態(バケット5が空の状態)よりも弛む。これにより押し込みロープ張力は初期張力T0よりも小さくなり、ばね長さはL0とL5の間の長さとなる。その結果、リミットスイッチ30がオフし、ランプ35が消灯するとともにブザー音が停止する。
【0030】
一方、長期の使用または何らかのトラブルにより押し込みロープ53が伸びてロープ張力が低下するとピン12が初期位置よりも上方に移動する。そして、ロープ張力がT5(<T0)となり、ピン12が所定量(L5−L0)移動する。これにより検出部30aがピン12の傾斜面12cに押されてb方向に回動し、接点bが閉じられる。その結果、ロープ弛み検出用のランプ37が点灯するとともにブザー音が発生し、作業員はロープ53の所定以上の弛みを認識することができる。
【0031】
押し込みロープ53の弛みを認識すると、作業員は作業を中断し、押し込みロープ53を点検する。そして、場合によってはロープ53を交換する。押し込みロープ53に正常なロープ張力T0が作用すると、ピン12は初期位置に戻される。その結果、リミットスイッチ30はオフし、ランプ37が消灯するとともにブザー音が停止する。
【0032】
なお、警報装置の解除スイッチを設け、この解除スイッチの操作によりリミットスイッチ30がオンした場合であっても警報装置を強制的にオフするようにしてもよい。これによりロープ53に弛みが発生したとき、ブザー音が鳴りっぱなしになることを防止できる。この場合、ブザー音のみ停止し、ランプ37は点灯を継続するようにしてもよい。
【0033】
以上の実施の形態の多段伸縮式アーム作業機によれば以下のような作用効果を奏する。
(1)押し込みロープ53の一端部をばね15を介して移動可能に弾性支持し、バケット5の着地に相当するロープ一端部の移動、およびロープ53の弛みに相当するロープ一端部の移動を2接点を有するリミットスイッチ30によりそれぞれ検出するようにした。これによりバケット5の着地およびロープ53の弛みといった伸縮アーム4に作用する負荷に相関がある複数の状態を検出する場合に、複数のセンサを設ける必要がなく、センサの取付作業が容易である。すなわち単一のセンサ30により負荷の所定値(第1の所定値)T4以上の状態および所定値(第2の所定値)T5以下の状態を検出することができる。
(2)バケット5の着地およびロープ53の弛みを検出するセンサとして接触式のリミットスイッチ30を用いたので、掘削作業現場等で用いても誤作動が少なく、センサの信頼性が高い。
(3)リミットスイッチ30によりバケット5の着地を検出するので、掘削作業を効率よく行うことができる。また、ロープ53の弛みを検出するので、ロープ53の弛みがない正常状態で掘削作業を行うことができる。
(4)ピン12およびストライカ20のリミットスイッチ30との当接部を傾斜面12c,20aとしたので、検出部30aに徐々に外力が作用し、リミットスイッチ30が衝撃から保護される。
(5)ピン12とストライカ20をシム18を介して結合するようにしたので、ピン12に対するストライカ20の位置調整が容易である。
(6)リミットスイッチ30をブラケット32の長孔32aに沿って上下方向に移動可能とするとともにブラケット31の長孔31aに沿ってピン12との垂直距離方向に移動可能としたので、ピン12およびストライカ20に対するリミットスイッチ30の位置調整が容易である。
【0034】
上記実施の形態では、リミットスイッチ30によりバケット5の着地と押し込みロープ53の弛みを検出するようにしたが、負荷の増加および減少と相関関係があれば、バケット5の着地やロープ53の弛み以外を検出してもよい。例えば負荷が所定値以上増加したとき、掘削反力が許容値(例えばロープ53の最大許容張力)を越えたことを検出することもできる。また、リミットスイッチ30を押し込みロープ53の一端部に設けるようにしたが、引き上げロープ49の一端部に設けるようにしてもよい。この場合、上述したのと同様に引き上げロープ49の一端部をばね15を介して移動可能に設け、引き上げロープ49に第1の所定値以上の負荷が作用したとき、および第2の所定値以下の負荷が作用したとき、それぞれスイッチ30がオンするようにすればよい。
【0035】
押し込みロープ53の一端部に押し込みロープ53と一体に可動するピン12およびストライカ20を設けるようにしたが、可動体としてのピン12およびストライカ20を一体化して設けてもよい。また、ストライカ20に第1の当接部としての傾斜面20aを設け、ピン12に第2の当接部としての傾斜面12cを設けるようにしたが、当接部を傾斜面にせず、ピン12の移動方向と直角な面としてもよい。ばね15を介してピン12を移動可能に支持するようにしたが、弾性支持手段としてばね15以外の他の弾性体を用いてもよい。
【0036】
バケット5の着地とロープ53の弛みを区別するために、ブザー36,38からそれぞれ異なる音色のブザー音を発生するようにしてもよい。ランプ35,37やブザー36,38などの警報装置によりバケット5の着地と押し込みロープ53の弛みを報知するのではなく、音声出力置などを報知手段として用いてもよい。第1の支持部材としてのブラケット32によりリミットスイッチ30を上下方向に位置調整可能に支持し、第2の支持部材としてのブラケット31によりリミットスイッチ30を垂直距離方向に位置調整可能に支持したが、さらに前後方向にも位置調整可能にしてもよい。
【0037】
また、上記では、ファーストアーム41とセカンドアーム42を伸縮シリンダ45で連結したが、これに限らない。すなわち、セカンドアーム42とサードアーム43を伸縮シリンダ45で連結してもよい。アーム41〜43をそれぞれ略矩形断面としたが、他の形状(例えば5角形、6角形や円形等)でもよい。また、3段の伸縮アーム4を用いるようにしたが、それ以上の段数があってもよい。すなわち中間アーム42を複数段備えるものでもよい。
【0038】
以上では掘削作業を行う場合について説明したが、伸縮アーム4にバケット以外の他の作業装置を装着し、掘削以外の他の作業を行うようにしてもよい。また、上記実施の形態は、油圧ショベルをベースマシンとして用いたが、他の作業機(例えばホイールショベルやクレーン)をベースマシーンとして用いることもできる。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のアーム作業機に限定されない。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、多段伸縮式アームのワイヤロープの一端を負荷に応じて移動可能に支持し、負荷が第1の所定値以上および第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときのロープ一端部の可動体の移動を単一のセンサにより検出するようにした。これにより負荷が第1の所定値以上の状態および第2の所定値以下の状態を単一のセンサからの信号によって認識することができ、複数のセンサを設ける必要がなく、センサの取付作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る多段伸縮式アーム作業機を示す側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る多段伸縮式アームの内部構成を示す側方断面図(アームが縮退した状態を示す図)。
【図3】本発明の実施の形態に係る多段伸縮式アームの内部構成を示す側方断面図(アームが伸長した状態を示す図)。
【図4】図1のIV部拡大図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】本発明の実施の形態に係わる多段伸縮式アーム作業機に設けられるリミットスイッチの電気回路図。
【図7】本発明の実施の形態に係わる多段伸縮式アーム作業機の押し込みロープに作用する負荷と押し込みロープを支持するばねの長さとの関係を示す図。
【符号の説明】
4 多段伸縮式アーム 5 バケット
12 ピン 15 ばね
18 シム 20 ストライカ
30 リミットスイッチ 31〜33 ブラケット
31a,32a 貫通孔 35,37 ランプ
36,38 ブザー 41 ファーストアーム
49 引き上げロープ 53 押し込みロープ
Claims (5)
- 伸縮可能な複数段のアームを有する多段伸縮式アームと、
最終段の前記アームの先端に設けられる作業装置と、
前記多段伸縮式アームに作用する負荷に応じた張力が付与されるワイヤロープと、
前記ワイヤロープの一端にワイヤロープと一体に設けられる可動体と、
前記多段伸縮式アームに作用する負荷に応じて前記ワイヤロープの一端が移動するように前記可動体を弾性支持する弾性支持手段と、
前記多段伸縮式アームに作用する負荷が第1の所定値以上のときの前記可動体の一方への移動、および負荷が前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下のときの前記可動体の他方への移動をそれぞれ検出する単一のセンサと、
前記センサにより前記可動体の移動が検出されたことを報知する報知手段とを備えることを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。 - 請求項1に記載の多段伸縮式アーム作業機において、
前記ワイヤロープは、作業対象物から前記作業装置に及ぼされる反力を受けるための押し込みロープであり、前記センサは、前記一方への移動を検出したとき前記作業装置と前記作業対象物との接触を検出し、前記他方への移動を検出したとき前記押し込みロープの弛みを検出することを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。 - 請求項1または2に記載の多段伸縮式アーム作業機において、
前記センサは、複数の接点を有するリミットスイッチであり、前記可動体は、前記一方へ移動したとき前記リミットスイッチに当接する第1の当接部、および前記他方へ移動したとき前記リミットスイッチに当接する第2の当接部を有することを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。 - 請求項3に記載の多段伸縮式アーム作業機において、
前記可動体は、前記第1の当接部を有する第1の可動体と、前記第2の当接部を有する第2の可動体からなり、前記第1の可動体と第2の可動体はシムを介して結合されることを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。 - 請求項3または4に記載の多段伸縮式アーム作業機において、前記リミットスイッチは、前記可動体の移動方向への位置調整が可能な第1の支持部材および前記可動体との垂直距離を位置調整可能な第2の支持部材を介して支持されることを特徴とする多段伸縮式アーム作業機。
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