JP2011246926A - 作業機のカウンタウエイト脱着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、カウンタウエイト脱着装置に過大な荷重がかかって損傷する不具合を解消できる構成のカウンタウエイト脱着装置を提供する。
【解決手段】昇降用油圧シリンダが、カウンタウエイトの荷重がかからない退避状態となったか否かを検出する圧力スイッチ44等の作動状態検出手段を設ける。作動状態検出手段が前記退避状態にないことを検出した際に警報を発する。
【選択図】図5

Description

本発明は、油圧ショベル、解体機、クレーン等の作業機の本体後部にカウンタウエイトを脱着する装置に関する。
油圧ショベル、解体機、クレーン等の作業機においては、作業機本体の前部に掘削、破砕、荷役等を行なうための作業装置を取付け、作業機本体の後部に、これらの作業装置と重量バランスを取るためのカウンタウエイトを搭載している。このようなカウンタウエイトは、作業装置の交換に伴い、作業装置の作業内容や重量に応じて好適な重さのカウンタウエイトに交換したり、あるいは分割されたカウンタウエイトを付加または一部取外したり、作業機の輸送に当たってカウンタウエイトを分離輸送し現地で組立てたりする等のため、作業機本体に対して脱着する必要がある。このようなカウンタウエイト脱着装置として、例えば特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1に記載されたカウンタウエイト脱着装置は、作業機本体の後部に上下に回動可能に取付けられたカウンタウエイト昇降用油圧シリンダと、作業機本体の後部に取付けられ、昇降用油圧シリンダの伸縮により上下に回動される回動アームと、この回動アームの先端より回動可能に垂下され、カウンタウエイトに連結する連結具とにより構成される。そしてカウンタウエイトを作業機本体に取付ける際には、昇降用油圧シリンダを収縮させて回動アームを下げ、地上に置いたカウンタウエイトの連結部に連結具を連結し、次に昇降用油圧シリンダを伸長させて回動アームを上げることによりカウンタウエイトを作業機本体に持ち上げ、カウンタウエイトを作業機本体にボルトにより固定する。
このようにカウンタウエイトを作業機本体に持ち上げて作業機本体に固定した後、昇降用油圧シリンダを若干縮めることにより、昇降用油圧シリンダ、回動アームおよび連結具にはカウンタウエイトによる荷重がかからない退避状態にして作業を行なう。このような退避状態においては、カウンタウエイト側から連結具、回動アームおよび昇降用油圧シリンダに力が伝達されない状態である。このようにカウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、昇降用油圧シリンダを若干縮めて退避状態とする理由は、作業中に作業機本体からカウンタウエイトに伝達される振動が連結具や回動フレーム等に伝わり、その結果、脱着装置の損傷、特に連結具に用いる連結ボルト等が折損する等の損傷を防止するためである。
特許第2922778号公報
上述のように、カウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、連結具等の損傷防止のため、回動アームを上下動させる昇降用油圧シリンダは、回動アームと共に退避状態にしておく必要がある。しかしながら、カウンタウエイトを作業機本体に取付けた状態においては、カウンタウエイト脱着装置は、カウンタウエイトの前面(作業機本体の後部に対向する面)に設けた凹部に格納された状態になるので、作業者がカウンタウエイト脱着装置の状態を目視により確認することが困難となる。このため、昇降用油圧シリンダが伸長したままであることの確認ができず、昇降用油圧シリンダが伸長したまま放置されると、作業機が本来の作業を行なっている際に脱着装置に振動や過大な力が伝達され、連結具等の損傷を起こすことがあるという問題点があった。
また、カウンタウエイト脱着装置を取り扱う作業者は、作業機のオペレータのようにカウンタウエイト脱着装置について熟知している者とは限らない。例えば作業機の輸送業者が輸送、組立を行なう場合がある。このようなカウンタウエイト脱着装置について熟知していない者が組立を行なう際、カウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、昇降用油圧シリンダを退避状態にすることを怠ることがある。このように、昇降用油圧シリンダを伸長したままで作業機本来の作業を行なうと、上述したように脱着装置が損傷するおそれがあった。
また、カウンタウエイト脱着装置には、カウンタウエイト取付け後に誤操作等によって昇降用油圧シリンダが伸長することを防止するため、昇降用油圧シリンダのボトム室につながる油圧管路に、人手により開じるストップバルブが取付けられている。しかしながら、このストップバルブを閉め忘れると、誤操作等により、昇降用油圧シリンダが伸長し、前述のように振動や過大な力が脱着装置に作用し、脱着装置が損傷するおそれがある。
このように、カウンタウエイト取付け後に昇降用油圧シリンダが伸長すると、上述した連結具等の損傷を起こす。また、カウンターウエイトの上面には、カウンターウエイト脱着装置を収容する凹部を覆うため、カバーが取付けられているが、カウンタウエイトを作業機本体を取付けた後に誤操作等により昇降用油圧シリンダが伸長すると、回動アームの頂部がカバーに当たり、カバーを損傷するおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、カウンタウエイト脱着装置の姿勢を確実に検出することができ、取付け作業時の確認作業を大幅に簡略化できると共に、カウンタウエイト脱着装置に過大な荷重がかかって損傷したり、カウンタウエイトの上面に設けるカバーが損傷したりする等の不具合を解消できる構成のカウンタウエイト脱着装置を提供することを目的とする。
請求項1の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、
作業機本体に取付けられた昇降用油圧シリンダと、前記作業機本体に取付けられ、前記昇降用油圧シリンダの伸縮により上下動される可動体と、前記可動体に取付けられ、カウンタウエイトに着脱可能に連結される連結具とを備えた作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
前記昇降用油圧シリンダが、カウンタウエイトの荷重がかからない退避状態となったか否かを検出する作動状態検出手段と、
前記作動状態検出手段が前記退避状態にないことを検出した際に警報を発する警報手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、請求項1に記載のカウンタウエイト脱着装置において、
前記作動状態検出手段として、前記昇降用油圧シリンダのボトム室の油圧が、前記退避状態に相当する油圧であるか否かを検出する圧力検出手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、請求項1に記載のカウンタウエイト脱着装置において、
前記作動状態検出手段として、前記昇降用油圧シリンダのストロークまたは傾斜角度が、前記退避状態に相当するストロークまたは傾斜角度であるか否かを検出するストローク検出手段または傾斜角度検出手段を備えたことを特徴とする。
請求項4の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、請求項1に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
前記可動体として、前記昇降用油圧シリンダにより回動される回動アームを備えると共に、
前記作動状態検出手段として、前記回動アームの傾斜角度が、前記退避状態に相当する傾斜角度であるか否かを検出する角度検出手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、請求項1から4までのいずれか1項に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
前記カウンタウエイトが前記作業機本体上に取付けられているか否かを判定する判定手段を備えると共に、
カウンタウエイトが作業機本体上に取付けられている状態であると前記判定手段が判定した際にのみ、前記警報手段による警報発生が許容されることを特徴とする。
請求項6の作業機のカウンタウエイト脱着装置は、請求項2に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
前記昇降用油圧シリンダのボトム室およびロッド室と前記昇降用油圧シリンダのコントロール弁の二次側ポートとをそれぞれ接続する油圧管路に、それぞれ前記ボトム室、ロッド室への作動油の供給を禁止するストップバルブを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、作動状態検出手段により、昇降用油圧シリンダが退避状態でないことを検出すると警報手段により警報を発するようにしたので、カウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、警報が発せられた場合には、作業員やオペレータが昇降用油圧シリンダを退避状態となるように収縮させることにより、昇降用油圧シリンダが伸長して可動体が連結具を介してカウンターウエイトに強い張力で連結されたままの状態が解除される。このため、昇降用油圧シリンダが非退避状態となっているままで作業機が稼動する事態の発生が防止される。このため、可動体や連結具等が作業機の振動や過大な負荷により損傷することを防止できる。また、警報が発生しない場合は昇降用油圧シリンダが退避状態にあることを確認できるため、カウンタウエイト取付け作業時の確認作業を大幅に簡略化できる。
また、昇降用油圧シリンダのボトム室につながる油圧管路にストップバルブが取付けられたものにおいて、このストップバルブを閉め忘れ、誤操作等により昇降用油圧シリンダが伸長した場合、警報を発するため、オペレータが昇降用油圧シリンダを収縮させて退避状態とすることにより、連結具等が作業機の振動や過大な力により損傷することを防止できる。
また、カウンタウエイト脱着装置を収容する凹部を覆うため、カウンタウエイトの上面にカバーが取付けられ、かつ昇降用油圧シリンダの伸長によりカウンタウエイト脱着装置の頂部がカバーに到達する構成の場合、警報発生により、カウンタウエイト脱着装置の頂部がカバーに達する前にこの誤操作等を検知することができ、カバーの損傷を防止することが可能となる。
請求項2の発明によれば、ボトム室の圧力検出により退避状態にあるか否かを検出するようにしたので、油圧管路に圧力スイッチを付加する等の手段によって比較的廉価に実現できる。また、既存の装置にも容易に後付けすることができる。
請求項3、4の発明によれば、昇降用油圧シリンダや回動アームの姿勢そのものを直接検出するため、退避状態であるか否かを正確に検出できる。
請求項5の発明によれば、カウンタウエイトが作業機本体上に取付けられた後でのみ警報を発生させるようにしたので、カウンタウエイトの取付け作業あるいは取外し作業の途中で警報が発生されることによるわずらわしさを解消することができる。
請求項6の発明によれば、昇降用油圧シリンダのボトム室の油圧検出により退避状態にあるか否かを検出する構成において、昇降用油圧シリンダのボトム室につながる油圧管路のみならず、ロッド室につながる油圧管路にもストップバルブを設けたので、このストップバルブを閉じておくことにより、昇降用油圧シリンダの誤操作やコントロール弁からの圧油の漏れによりロッド室の油圧が上昇することを防止することができる。これにより、コントロール弁の誤操作等によりロッド室の油圧が上昇し、これに伴ってボトム室の油圧も上昇し、退避状態であるにもかかわらず非退避状態であるとの誤検出を防止することができる。
なお、ロッド室の油圧が上昇するケースとしては、コントロール弁の誤操作以外に、例えば作業機の複数のコントロール弁が縦続接続されるものにおいて、昇降用油圧シリンダ用のコントロール弁より後位のコントロール弁の作動位置への切換えにより、前記後位のコントロール弁より上流における作動油供給管路の油圧が上昇し、昇降用油圧シリンダ用コントロール弁から漏れた圧油が昇降用油圧シリンダのロッド室に供給されるケースがある。
本発明の作業機のカウンタウエイト脱着装置を適用する作業機の一例を示す側面図である。 本発明のカウンタウエイト脱着装置の一実施の形態を示す背面図である。 本実施の形態において、カウンタウエイトを持ち上げてカウンタウエイトを作業機本体に固定した状態を示す図2のE−E断面図である。 本実施の形態において、地上に置いたカウンタウエイトにカウンタウエイト脱着装置の連結具を連結した状態を示す側面図である。 本実施の形態において、カウンタウエイトを作業機本体に取付けた後、昇降用油圧シリンダを若干収縮させて退避状態とした状態を示す断面図である。 本実施の形態のカウンタウエイト脱着装置の油圧回路の一例図である。 (A),(B)はそれぞれ本発明のカウンタウエイト脱着装置の作動状態検出手段の他の例を示す側面図である。 (A),(B)はそれぞれ本発明のカウンタウエイト脱着装置の作動状態検出手段の他の例をさらに示す側面図である。
図1は本発明のカウンタウエイト脱着装置を適用する作業機の一例を示す側面図であり、この例では作業機が油圧ショベルである場合について示す。図1において、1は下部走行体、2はこの下部走行体1上に旋回装置3を介して旋回可能に設置された上部旋回体(作業機本体)であり、4はこの上部旋回体2のフレームとなる旋回フレームである。旋回フレーム4には運転室5と、原動機や油圧ポンプ等を含み油圧パワーユニットを構成する機械室6が搭載されると共に、後部にはカウンタウエイト7が搭載され、前部には作業装置8が取付けられる。カウンタウエイト7は、作業装置8等に対して作業機全体の重量をバランスさせるために設けられる。
作業装置8は、旋回フレーム4の前部にブームシリンダ9により俯仰動可能に取付けられたブーム10と、このブーム10の先端にアームシリンダ11により回動可能に取付けられたアーム12と、このアーム12の先端にバケットシリンダ13により回動可能に取付けられたバックホウバケット14とからなる。
図2は本発明のカウンタウエイト脱着装置の一実施の形態を示す背面図、図3はそのE−E断面図である。図2、図3において、4は旋回フレーム、24は旋回フレーム4の後端部に一体に設けたカウンタウエイト衝合板である。この衝合板24は、カウンタウエイト7の左右幅と同様の幅を有する。この衝合板24にはカウンタウエイト7の前面が衝合され、不図示の長尺ボルトにより旋回フレーム4にカウンタウエイト7を固定する構成となっている。
20は作業機本体2を構成する旋回フレーム4の後端部に取付けられるカウンタウエイト脱着装置である。カウンタウエイト7の前面には、カウンタウエイト脱着装置20を収容するための凹部7aが、上下方向に貫通して設けられている。この凹部7aは、その上部が後方に拡大された凹部7bとして形成されている。この拡大された凹部7bの底面には、カウンタウエイト脱着装置20に設けられた後述の一対の連結具21をピン22により着脱可能に連結するための一対の連結板23が、溶接またはボルト付けにより取付けられている。
カウンタウエイト脱着装置20は、昇降用油圧シリンダ25と、この昇降用油圧シリンダ25の伸縮を上下動に変換する可動体として備えた回動アーム26と、回動アーム26の自由端に取付けられた前記連結具21とにより構成される。
昇降用油圧シリンダ25は、衝合板24の左右方向の中央部に溶接されたブラケット27,27間に、筒状スペーサ28,28を介してボトム側端部のボス25aを入れ、このブラケット27,27のピン孔、スペーサ28,28およびボトム側端部のボス25aに枢着ピン29を挿着し、この枢着ピン29を中心として上下方向に回動可能に取付けられる。
回動アーム26は、昇降用油圧シリンダ25の左右にそれぞれ1本ずつ、合計2本設けられる。各回動アーム26を取付けるため、衝合板24の左右のブラケット27の外側にそれぞれブラケット30を溶接する。そしてこれらのブラケット27,30間に回動アーム26の根本部を環状スペーサ31を介して挟み、ブラケット27,30に設けたピン孔、スペーサ31および回動アーム26の根本部に設けたピン孔に枢着ピン32を挿着し、各枢着ピン32を中心として各回動アーム26を回動可能に取付ける。左右の回動アーム26の枢着ピン32は同じ高さで同心をなす。また、これらの回動アーム26の枢着ピン32は、昇降用油圧シリンダ25の枢着ピン29より高い位置に設ける。
昇降用油圧シリンダ25のピストンロッド先端のボス25bは、回動アーム26の自由端間に筒状スペーサ34,34を介して挟持され、回動アーム26,26の自由端に設けたピン孔と、スペーサ34,34と、ボス25bとに挿着する連結ピン35により回動アーム26,26の先端に連結する。
回動アーム26,26の自由端には、連結具21を取付けるためのピン37が、これらの回動アーム26,26に設けたピン孔26a,26aに回動可能に貫挿して取付けられる。このピン37の回動アーム26,26より外側部分にボルト挿通孔37aを設け、各ボルト挿通孔37aに連結ボルト38を挿着して連結具21の上部に設けたねじ孔21aに螺合し、連結ボルト38に螺合したナット39を連結具21の上面に締付けて圧接することにより、ピン37の両端に連結ボルト38を介して連結具21を取付ける。
各連結具21には、下方が開放された溝21bを有し、各溝21bにそれぞれカウンタウエイト7に設けた連結板23を入れ、連結板23に設けたピン孔23aと連結具21に設けたピン孔21cにピン22を着脱可能に挿着することにより、連結具21にカウンタウエイト7を着脱可能とする。図3に示すように、連結板23に設けるピン孔23aは、後述のように昇降用油圧シリンダ25を退避状態とすることを可能にするため、横長の長孔に形成している。
図3において、40,41はそれぞれ昇降用油圧シリンダ25のボトム室、ロッド室に作動油を供給する油圧管路、42は油圧管路40に設けられたストップバルブ、43は本発明により油圧管路41に設けたストップバルブ、44は本発明により昇降用油圧シリンダ25の作動状態検出手段として設けた圧力スイッチである。
このカウンタウエイト脱着装置を用いてカウンタウエイト7の取付けを行なう際は、図4に示すように、昇降用油圧シリンダ25を収縮させることにより回動アーム26を下げ、地面に置いてあるカウンタウエイト7の連結板23に連結具21をピン22により連結する。
その後、昇降用油圧シリンダ25を伸長させることにより、回動アーム26を枢着ピン32を中心として矢印Rで示すように回動させてカウンタウエイト7を持ち上げる。そして図3に示したように、カウンタウエイト7の前面を衝合板24に衝合させて不図示の長尺ボルトによりカウンタウエイト7を旋回フレーム4に固定する。
その後、図5に示すように、昇降用油圧シリンダ25を若干収縮させることにより、回動アーム26を矢印rで示すように回し、連結具21を下げて退避状態とする。この退避状態では、昇降用油圧シリンダ25はカウンタウエイト7の荷重を担うことなく、連結具21にはカウンタウエイト7による張力は発生しない。
図5に示すように、昇降用油圧シリンダ25を退避状態にした後、カウンタウエイト7の前面の凹部7aの上面を塞ぐカバー46を取付けると共に、後方を監視するリアカメラ47をカウンタウエイト7上に取付ける。そして、昇降用油圧シリンダ25のボトム室、ロッド室にそれぞれつながる油圧管路40,41に設けられたストップバルブ42,43を閉じる。
カウンタウエイト7を旋回フレーム4から取外して地面に降下させる場合には、前述の工程と逆の手順をとる。
図6は本発明によるカウンタウエイト脱着装置の油圧回路の一例を示す図である。図6において、50,51は機械室6内に設置された主油圧ポンプおよびパイロット油圧ポンプである。52,53,54は主油圧ポンプ50の吐出管路55に縦続接続されたコントロール弁である。これらのコントロール弁は旋回フレーム4上に搭載されているものであり、これらの弁のうち、コントロール弁53は予備コントロール弁として備えられたものである。本実施の形態においては、この予備コントロール弁53を昇降用油圧シリンダ25のコントロール弁として使用する。56は運転室5に操作レバーが設けられたコントロール弁53用のパイロット弁である。
昇降用油圧シリンダ25のボトム室につながる油圧管路40には、前述のようにストップバルブ42に設けられ、このストップバルブ42とボトム室との間に圧力スイッチ44が取付けられる。58は昇降用油圧シリンダ25を収縮させる際、すなわちカウンタウエイト7を取外す際に、その降下速度を制限するために設けられたスローリターン弁、59はコントロール弁53が切換えられた際にのみ昇降用油圧シリンダ25の伸縮を行なわせるために設けたパイロット付き逆止弁である。
60は旋回フレーム4上に搭載されたコントローラ、61はこのコントローラ60からの指令信号により警報を発する警報手段であり、この警報手段61は作業機に備えたホーンや、運転室5に備える音響あるいは音声発生装置もしくは表示画面での表示またはこれらの複合出力により警報を発するものである。このコントローラ60には、リアカメラ47が接続され、本実施の形態においては、この接続信号はカウンタウエイト7が旋回フレーム4に取付けられた状態を示す信号として利用される。
図5に示したように、連結具21にカウンタウエイト7の荷重が加わらない退避状態では、昇降用油圧シリンダ25のボトム室に生じる油圧はほとんどタンク圧に近い。一方カウンタウエイト7を支持している状態では例えば25MPa以上である。このため、圧力スイッチ44が作動する油圧(しきい値)として例えば10MPa程度に設定しておけば、図3に示したように昇降用油圧シリンダ25が伸長状態にあり、昇降用油圧シリンダ25にカウンタウエイト7の荷重がかかったままの状態(非退避状態)にあるか退避状態であるかにより、圧力スイッチ44は作動または不作動となる。したがって、圧力スイッチ44の作動状態により、昇降用油圧シリンダ25が退避状態にあるか否かを検知することができる。圧力スイッチ44は信号線62を通してコントローラ60に接続されており、コントローラ60は、この信号線62に現れる信号を入力する。
また、コントローラ60にはリアカメラ47の信号線63が接続されており、この信号線63は旋回フレーム4に予め配線されている。リアカメラ47がカウンタウエイト7に取付けられる前は、リアカメラ47のリード線がこの信号線63に接続されておらず、コントローラ60は、圧力スイッチ44の出力を参照しない。リアカメラ47がカウンタウエイト7上に取付けられ、リアカメラ47のリード線がこの信号線63に接続されると、コントローラ60はリアカメラ47が取付けられたことを認識する。コントローラ60は、リアカメラ47が取付けられたことを、カウンタウエイト7が旋回フレーム4に取付けられた状態を示すものと判定し、圧力スイッチ44の状態を参照する。この時、圧力スイッチ44が作動していれば、昇降用油圧シリンダ25のボトム室の油圧がしきい値を超えていることになるので、昇降用油圧シリンダ25は退避状態にないと判定し、信号線64を通して警報手段61に警報を発生させる。
作業員またはオペレータは、この警報を受け、ストップバルブ42,43が閉じた後であればこれらのストップバルブ42,43を開き、コントロール弁53を収縮側に切換えて昇降用油圧シリンダ25を収縮させる。この昇降用油圧シリンダ25の収縮により、昇降用油圧シリンダ25にはカウンタウエイト7の荷重がかからない状態となり、昇降用油圧シリンダ25のボトム室の油圧が低下し、圧力スイッチ44は不作動状態になり、コントローラ60は警報手段61による警報を停止する。
また、カウンタウエイト7を旋回フレーム4に取付けた後、ストップバルブ42,43を閉め忘れ、コントロール弁53を誤操作することにより昇降用油圧シリンダ25を伸長させると、昇降用油圧シリンダ25のボトム室の油圧が上昇し、圧力スイッチ44が作動し、警報手段61は警報を発生するため、作業員またはオペレータはこのコントロール弁53の誤操作を中止する。そして、作業員またはオペレータは、コントロール弁53を操作することにより、昇降用油圧シリンダ25を警報が停止するまで収縮させて退避状態とする。
以上に説明したように、本実施の形態においては、昇降用油圧シリンダ25が退避状態であるか否かを圧力スイッチ44により検出し、非退避状態にあれば警報手段61により警報を発するようにしたので、カウンタウエイト7を旋回フレーム4に取付けた後、警報が発せられた場合には、作業員やオペレータが昇降用油圧シリンダを退避状態となるように収縮させることにより、昇降用油圧シリンダ25が伸長して回動アーム26が連結具21を介してカウンターウエイト7に強い張力で連結されたままの状態が解除される。
このため、昇降用油圧シリンダ25が非退避状態のままで作業機が稼動する事態の発生が防止される。このため、回動アーム26や連結具21が作業機の振動や過大な負荷により損傷することを防止できる。また、警報が発生しない場合は昇降用油圧シリンダ25が退避状態にあることを確認できるため、カウンタウエイト取付け作業時の確認作業を簡略化できる。
また、本実施の形態のように、昇降用油圧シリンダ25のボトム室につながる油圧管路40にストップバルブ42が取付けられたものにおいて、このストップバルブ42を閉め忘れ、誤操作により昇降用油圧シリンダが伸長した場合、警報を発するため、オペレータや作業員が昇降用油圧シリンダ25を収縮させて退避状態とすることにより、連結具21等が作業機の振動や過大な負荷により損傷することを防止できる。
また、図5に示したように、カウンタウエイト脱着装置を収容する凹部7aを覆うカバー46がカウンタウエイト7の上面に取付けられ、かつ昇降用油圧シリンダ25の伸長によりカウンタウエイト脱着装置の頂部がカバー46に到達する場合、コントロール弁53の誤操作等で昇降用油圧シリンダ25が伸長した場合、警報によりこの誤操作を検知することができ、誤操作を中断することにより、カバー46の損傷を防止することが可能となる。
また、本実施の形態においては、昇降用油圧シリンダ25のボトム室の圧力検出により退避状態にあるか否かを検出するようにしたので、図3、図5で示したように、油圧管路40に圧力スイッチ44を付加する等の手段によって比較的廉価に実現できる。また、既存の装置にも容易に後付けすることができる。
本発明を実施する場合、圧力スイッチ44等の作動状態検出手段の出力信号の如何によってのみ、警報手段61による警報を発するようにしてもよい。しかし、本実施の形態のように、カウンタウエイト7が旋回フレーム4上に取付けられた後でのみ警報を発生させることにより、カウンタウエイトの取付け作業や取外し作業の途中で警報が発生されることによるわずらわしさを解消することができる。なお、カウンタウエイト7が旋回フレーム4に取付けられたか否かを判定する手段として、本実施の形態においてはリアカメラ47の接続情報を用いたが、この代わりに、例えばカウンタウエイト7を旋回フレーム4に取付けられたか否かを検出するリミットスイッチ等のセンサを設ける等、カウンタウエイト取付けを判定する手段としては他の手段を用いてもよい。
また本実施の形態においては、昇降用油圧シリンダ25のロッド室につながる油圧管路41にもストップバルブ43を設けたので、コントロール弁53が昇降用油圧シリンダ25bが収縮する方向に誤操作された場合、ストップバルブ43が閉められていることにより、ロッド室の油圧が上昇し、これによりボトム室の油圧が上昇する事態の発生が防止される。これにより、誤操作による退避状態にあるにも係らず、非退避状態であるとの誤検出を防止することができる。
なお、ストップバルブ43が無い場合、ストップバルブ42が閉じている際に昇降用油圧シリンダ25内の油圧が上昇するケースとしては、誤操作以外に、昇降用油圧シリンダ25用のコントロール弁53の後位のコントロール弁54が切換えられることにより、このコントロール弁54の上流側の油圧管路55の油圧が上昇し、その結果コントロール弁53において漏れた圧油が油圧管路41を通して昇降用油圧シリンダ25のロッド室に加わるケースがある。
図7、図8は作動状態検出手段の他の例を示す側面図である。図7(A)、(B)の例は、昇降用油圧シリンダ25のストロークを検出する方式のものである。このうち、図7(A)に示すものは、昇降用油圧シリンダ25のチューブ25cに回転式ストロークセンサ65を取付け、そのストロークセンサ65のリールに巻かれたワイヤ66をピストンロッド25dの先端に接続し、昇降用油圧シリンダ25の伸縮に伴うストローク量の変化を、ストロークセンサ65におけるリールの回転量に変換し、その回転量をストローク量として検出するようにしたものである。検出したストローク量はコントローラ60において退避状態に相当する基準ストロークと比較され、退避状態であるか否かが判定される。
図7(B)の例は、昇降用油圧シリンダ25のチューブ25cの先端内に磁気センサ67を取付け、ピストンロッド25dの側面に所定のピッチで磁気スケールを形成し、この磁気スケールを磁気センサ67で読み取ることにより、ピストンロッドのストロークを検出するようにしたものである。このストロークの変化により退避状態であるかを検出する手段としては、リミットスイッチをチューブ25cに取付け、ピストンロッド25dにストライカを取付けたものであってもよい。また、近接スイッチをチューブ25cに取付け、ピストンロッド25dに近接スイッチを作動させる磁性体を取付けたものであってもよい。
図8(A),(B)は回動アーム26の傾斜角度検出により退避状態を検出するようにした作動状態検出手段を示す。図8(A)の例は、回動アーム26の回動中心部に角度センサ70を設け、回動アーム26にはその傾斜角度検出用ステー71を取付け、このステー71を角度センサ70の検出軸に連結したものである。この構成においては、回動アーム26が回動すると、ステー71を介して角度センサ70の検出軸を回動させ、これにより回動アーム26の傾斜角度を検出する。検出した傾斜角度はコントローラ60において退避状態に相当する基準傾斜角度と比較され、退避状態であるか否かが判定される。
図8(B)の例は、回動アーム26を取付けるブラケット30に近接スイッチ72を取付け、回動アーム26には磁性体73を取付け、回動アーム26が回動して磁性体73が近接スイッチ72の検出範囲に入ると、近接スイッチ73が作動するようにしたものである。この構成によれば、退避状態にある時に近接スイッチ72が作動するように近接スイッチ72や磁性体73の位置を設定するか、または昇降用油圧シリンダ25が伸長して退避状態から脱すると近接スイッチ72が作動するように設置することにより、退避状態であるか否かが検出できる。なお、近接スイッチの代わりにリミットスイッチを用いることもできる。図8(A)、(B)のように傾斜角度を検出する方式は昇降用油圧シリンダ25について適用してもよい。
図7、図8に示すように昇降用油圧シリンダのストロークや傾斜角度、あるいは回動アーム26の傾斜角度を検出して退避状態であるか否かを判定するようにすれば、昇降用油圧シリンダや回動アームの姿勢そのものを直接検出するため、油圧の如何にかかわらず、退避状態であるか否かを正確に検出できる。
以上本発明を実施の形態により説明したが、本発明は、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。本発明は例えば作業機本体が非旋回式である場合にも適用できる。また、昇降用油圧シリンダの伸縮によりシーブやスプロケットを上下動させ、シーブに掛けたロープ(可動体)やスプロケットに掛けたチェーン(可動体)にカウンタウエイトを接続してカウンタウエイトを上下動させる構成とすることもできる。
1:下部走行体、2:上部旋回体(作業機本体)、3:旋回装置、4:旋回フレーム、5:運転室、6:機械室、7:カウンタウエイト、7a,7b:凹部、8:作業装置、20:カウンタウエイト脱着装置、21:連結具、22:ピン、23:連結板、24:衝合板、25:昇降用油圧シリンダ、26:回動アーム、27,30:ブラケット、29,32:枢着ピン、35:連結ピン、37:ピン、38:連結ボルト、40,41:油圧管路、42,43:ストップバルブ、44:圧力スイッチ、46:カバー、47:リアカメラ、50:主油圧ポンプ、51:パイロット油圧ポンプ、52,53,54:コントロール弁、56:パイロット弁、60:コントローラ、61:警報手段、65:ストロークセンサ、66:ワイヤ、67:磁気センサ、70:角度センサ、71:ステー、72:近接スイッチ、73:磁性体

Claims (6)

  1. 作業機本体に取付けられた昇降用油圧シリンダと、前記作業機本体に取付けられ、前記昇降用油圧シリンダの伸縮により上下動される可動体と、前記可動体に取付けられ、カウンタウエイトに着脱可能に連結される連結具とを備えた作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記昇降用油圧シリンダが、カウンタウエイトの荷重がかからない退避状態となったか否かを検出する作動状態検出手段と、
    前記作動状態検出手段が前記退避状態にないことを検出した際に警報を発する警報手段とを備えたことを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
  2. 請求項1に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記作動状態検出手段として、前記昇降用油圧シリンダのボトム室の油圧が、前記退避状態に相当する油圧であるか否かを検出する圧力検出手段を備えたことを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
  3. 請求項1に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記作動状態検出手段として、前記昇降用油圧シリンダのストロークまたは傾斜角度が、前記退避状態に相当するストロークまたは傾斜角度であるか否かを検出するストローク検出手段または傾斜角度検出手段を備えたことを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
  4. 請求項1に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記可動体として、前記昇降用油圧シリンダにより回動される回動アームを備えると共に、
    前記作動状態検出手段として、前記回動アームの傾斜角度が、前記退避状態に相当する傾斜角度であるか否かを検出する角度検出手段を備えたことを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記カウンタウエイトが前記作業機本体上に取付けられているか否かを判定する判定手段を備えると共に、
    カウンタウエイトが作業機本体上に取付けられている状態であると前記判定手段が判定した際にのみ、前記警報手段による警報発生が許容されることを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
  6. 請求項2に記載の作業機のカウンタウエイト脱着装置において、
    前記昇降用油圧シリンダのボトム室およびロッド室と前記昇降用油圧シリンダのコントロール弁の二次側ポートとをそれぞれ接続する油圧管路に、それぞれ前記ボトム室、ロッド室への作動油の供給を禁止するストップバルブを備えたことを特徴とする作業機のカウンタウエイト脱着装置。
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