JP2004176071A - 熱可塑性樹脂用添加剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
難燃性、流動性及び熱変形温度の改善された熱可塑性樹脂組成物、及びその製造方法の提供。
【解決手段】
難燃性熱可塑性樹脂用の添加剤ブレンドとして、メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物に、メラミンポリホスフェートとフェロセン又は有機鉄化合物とを配合した添加剤ブレンドを用いる。好ましくは、樹脂組成物100重量部当たりメラミンポリホスフェートは約0.5〜約5重量部の量で存在し、フェロセン又は有機鉄化合物は約0.2〜約5.0重量部の量で存在する。メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物の例としては、レゾルシノール、ヒドロキノン及びビスフェノールAそれぞれの(テトラフェニル)ビスジフェニルホスフェート、又はそれらの重合体型がある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂用添加剤及び当該添加剤を含む樹脂組成物に関する。具体的には、本発明は、ポリフェニレンエーテル(PPE)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)などを含む樹脂組成物のような熱可塑性樹脂の難燃性、熱変形温度及び流量を改善することができる添加剤に関する。また、本発明は、かかる添加剤を含有する、難燃性、熱変形温度及び流動特性の改善された熱可塑性樹脂組成物の製造方法にも関する。
熱可塑性樹脂は、電気・電子機器部品用及び自動車部品用材料など様々な産業で用いられている。耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)及びポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂組成物のような熱可塑性樹脂組成物は、接着剤、シーラント、ゲル、自動車、ケーブル、電気用途、航空宇宙、スポーツ設備、電気積層板及びIC封入材料としても有用である。ポリフェニレンエーテル樹脂は各種熱可塑性及び熱硬化性材料の添加剤としても有用である。ポリフェニレンエーテル樹脂組成物はその物理的、電気的及び化学的性質ゆえに広範な工業用途に格好の材料である。
米国特許第3383435号、同第4128602号及び同第4128603号には、ポリフェニレンエーテル(PPE)とスチレン系ポリマーのようなビニル芳香族ポリマーとを含む成形材料として有用な熱可塑性ポリマーブレンドが開示されている。ポリフェニレンエーテルとスチレン系ポリマーとを含むポリマーブレンドの重要な利点は、ハロゲンフリーの添加剤(特に含リン化合物)の配合によって、難燃性で電気工業の様々な用途に使用できる成形材料を得ることができることである。特に、電気工業での使用にはUL94による難燃性試験が決定的な重要性をもつ。この試験では、垂直に固定した試験片に繰り返し接炎する。試験片は高度に熱せられる。そのため、場合によっては、有炎燃焼ポリマー材料の滴下(ドリッピング)が起こり、試験片の下におかれた脱脂綿を発火させる。こうした不都合な挙動は、特に、燃焼時間を短くするため多量の難燃剤を使用しなければならないときに観察される。
機械的性質を向上させるためのゴムのような各種高分子添加剤を含有するHIPSのようなスチレン系ポリマー組成物、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)型組成物は、その機械的性質ゆえに広く用いられている。例えばHIPSは、テレビキャビネットの部品の生産など、消費財成形品の製造に広く用いられている。ABSは、高い靭性と耐薬品性が要求される部品の製造に使われている。しかし、スチレン系ポリマーは燃焼性が比較的高いという短所があり、そのため成形品が高温に付されるような用途は制限される。
PPE及びHIPS組成物のような熱可塑性樹脂の難燃性を改善するための幾つかの試みがなされている。しかし、解決策の多くはなんらかの短所を有している。
レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(以下、「RDP」ともいう。)は、有効な難燃性能を与えるための難燃助剤としてPPE/PPO/HIPS組成物に使用されてきた。これは有効な可塑剤でもあり、ポリマー樹脂に望ましい機械的及び化学的性質を与える。添加剤のコスト面だけでなく、多量のRDP(約16〜20部を超えるRDP)は樹脂組成物のモジュラスを低下させしかも樹脂組成物の熱変形温度特性を損なうことが判明しているので、熱可塑性樹脂中のRDPの量は好ましくは最小限にすべきであることも知られている。樹脂組成物中のRDP量を低減できるRDPとの共添加剤として幾つかの化合物が試みられてきた。例えば、フェロセン及びメラミンポリホスフェートは各々RDPの共添加剤として樹脂組成物に使用されてきた。しかし、RDPとの共添加剤としてフェロセン又はメラミンポリホスフェートのいずれかを使用する際に直面する問題は、RDP量を低下させても樹脂組成物の難燃性を保持することができるものの、流動性やアイゾット衝撃性などの樹脂の他の性質が損なわれることである。特に、例えばメラミンポリホスフェートを共添加剤として使用して有効な難燃性を得るには、これを多量に使用する必要がある。そのため、加工処理の際の高温で樹脂からメラミンポリホスフェートのブリードが起こることが多い。
例えば、ハロゲン系難燃剤の添加によって熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃性を付与することも当技術分野において公知である。しかし、ハロゲン系難燃剤を使用するとハロゲン化合物が生成し、樹脂組成物中で不純物として作用する。また、ハロゲン生成物は熱分解生成物として生成することがあり、混練・成形段階に用いられるニーダー、成形装置、金型その他の設備の腐食を起こすことも認められている。ハロゲン系難燃剤の使用は、その分解による有毒ガスの発生という短所も有している。
リン系化合物の使用によって、ハロゲン系難燃剤の使用を避けることが試みられている。例えば、特開昭55−82149号公報には、熱可塑性ポリエステル組成物の難燃性を赤リン又はリン酸化合物の添加によって改善する方法が開示されている。しかし、ハロゲン系難燃剤の使用に伴う短所を避けながら赤リンを添加すると、難燃剤は改善されないことが認められている。特開平8−73720号公報に開示された方法では、この問題の解決が課題とされている。当該公報に開示された方法では、ホスフィン酸のカルシウム又はアルミニウム塩をポリエステルに添加する。しかし、この方法の短所は、難燃性を向上させるには添加剤を多量に添加する必要があり、その結果ポリエステルの成形性が損なわれることである。
特開平5−179123号公報には、有機リン難燃剤の添加によって難燃性とした組成物が開示されている。この公報に開示された難燃性樹脂組成物は、特にポリカーボネート樹脂を含むもので、有機リン難燃剤、ホウ素化合物、オルガノポリシロキサン及びフッ素樹脂を含んでいる。特開平6−192553号公報の難燃剤樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂とポリアルキレンテレフタレート樹脂を含んでいて、グラフトコポリマー、オリゴマー状有機リン難燃剤及びフッ素化ポリオレフィンを含んでいる。
しかし、赤リンの使用は幾つかの取扱いの問題を起こす。赤リンは粉体爆発の危険性があり、高温で処理すると臭気又はガスを発生しかねない。また、赤リン単独では所望の難燃性を得ることができず、大量に使用するか、或いは他の難燃剤又は難燃助剤と併用する必要があることも認められている。こうした問題を解決すべく赤リンの表面を被覆して安定化することが試みられている。例えば、特開昭52−142751号公報、特公平5−18356号及び特開平5−239260号公報には、熱硬化性樹脂や水酸化アルミニウムなどで被覆した赤リンが開示されている。特公平2−37370号公報には、ポリエステル樹脂と、熱硬化性樹脂被覆赤リンと、所望に応じて補強充填材とを含む難燃性樹脂組成物が開示されている。特開平5−239260号公報及び特開平5−247264号公報には、ポリカーボネートやポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂と無電解メッキ赤リンとを含む難燃性樹脂組成物が開示されている。
かかる難燃性樹脂組成物が例えば電気・電子部品として使用される分野では、組立て作業の単純化及びコスト削減が望まれており、部品の一体化又は薄肉化が推進されてきた。従って、こうした部品に用いられる材料は、成形時に十分な流動性を示し、しかも高い耐熱性と高い難燃性を維持することが必要とされる。
十分な難燃性を付与すべくポリカーボネート樹脂に有機リン系難燃剤を添加すると、耐熱性も大幅に低下する。赤リン又は安定化赤リンを含むポリカーボネート樹脂組成物は長期熱安定性にも欠ける。そのため、かかる材料でできた成形品は、約150℃以下の温度に長期間暴露されると変形することが多い。リン系難燃剤の使用に伴うもう一つの問題は、組成物の流動性が低いため成形加工性に劣ることである。流動性の問題は高温での成形によって解決することができるが、そうすると赤リンが悪臭を発し、分解ガスが発生して金型を汚染する。
従来技術における好ましい難燃助剤として、元素態リン、有機ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル、亜ホスフィン酸エステル、トリフェニルホスフィンオキシドのようなホスフィンオキシド、ホスフィン、亜リン酸エステル及びリン酸エステルのようなリン化合物がある。適当なリン酸エステルには、リン酸フェニルビスドデシル、リン酸フェニルビスネオペンチル、リン酸水素フェニルエチレン、リン酸フェニル−ビス−3,5,5′−トリメチルヘキシル、リン酸エチルジフェニル、リン酸2−エチルヘキシルジ(p−トリル)、リン酸水素ジフェニル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)p−トリル、リン酸トリトリル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ(ノニルフェニル)、リン酸水素フェニルメチル、リン酸ジ(ドデシル)p−トリル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸イソプロピル化トリフェニル、リン酸ハロゲン化トリフェニル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸2−クロロエチルジフェニル、リン酸p−トリルビス(2,5,5′−トリメチルヘキシル)、リン酸2−エチルヘキシルジフェニルなどがある。
一般に、トリフェニルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェートやブチル化トリフェニルホスフェートを始めとするアルキル化トリフェニルホスフェート、ビスネオペンチルピペリジニルジホスフェート、テトラフェニルビスフェノールAジホスフェート、テトラフェニルレゾルシノールジホスフェート、ヒドロキノンジホスフェート、ビスフェノールAジホスフェート、ビスフェノールAポリホスフェート、これらの化合物の混合物、及びこれらの化合物の誘導体が最も好ましいリン酸エステルである。
各種ポリマー組成物用の難燃剤としてトリフェニルホスフェート(TPP)を使用することは、例えば米国特許第4526917号及び同第5206276号に教示されている。しかし、難燃剤としてのTPPの使用は、ポリマー鎖中の酸素の存在又は含ハロゲン難燃剤の併用に依存すると考えられている(Jurgen Troitzsch, Carl Hanserverlag,“International Plastics Flammability Handbook”,2nd Ed., 1990, pp47−49)。その結果、TPPは工業界でポリカーボネート及びポリエーテルの製造には使用されてきたものの、スチレン系ポリマー組成物の製造にはさほど使用されていなかった。
上述の通り、所望の結果を得るにはこれらの添加剤を多量に使用する必要がある。多量の添加剤の使用は、樹脂の熱変形温度及び流動特性に影響を与える。メルトフローに劣ると、熱可塑性樹脂から作られる部品の寸法及びタイプに影響を生じるおそれがあり、さらに組成物の加工処理設備に影響を及ぼすおそれもある。
米国特許第4154712号には、ポリフェニレンエーテルポリマーの分子量を低下させることで加工性を改善できる旨教示されている。しかし、PPEポリマーの分子量の低下は、衝撃強さのような他の性質に悪影響を及ぼすことがある。加工を容易にするため、ポリスチレン、飽和ポリ脂環式樹脂及びテルペンフェノールのような流動性向上剤をPPE樹脂に添加して、粘度を下げ、組成物に高い流動性を付与すればよいことが知られている。しかし、ポリスチレン、テルペンフェノールその他類似の流動性向上剤の添加は、製品の熱変形温度(HDT)を低下させるだけでなく、UL94標準プロトコルに従って測定されるPPE樹脂の燃焼性を通例増大させる。
米国特許第5376724号には、スチレンモノマーのようなビニル芳香族モノマー又は芳香族単位含有量35重量%以上の炭化水素化合物からなる樹脂状添加剤を含むPPE組成物が開示されており、HDT値及び衝撃強さをわずかしか低下させずに樹脂組成物の流動性を改善すると記載されている。米国特許第5081185号には、一方の樹脂が約3.8dl/g以上の高い固有粘度値を有し、他方が約0.33dl/g以下の低い固有粘度値を有する2種類以上のポリフェニレンエーテル樹脂のブレンドを含む組成物が記載されている。2種類のPPE樹脂のブレンドは、該ブレンドの高固有粘度PPE樹脂に比べ、熱変形温度(HDT)を実質的な低下させることなく高いメルトフローを示す。
米国特許第6414084号には、25℃のクロロホルム中で測定して0.2dl/gを超える固有粘度を有するポリフェニレンエーテル樹脂と、温度110℃及び剪断速度30sec-1で1〜250Paの溶融粘度を有する樹枝状ポリマーが教示されている。樹枝状ポリマーは30wt%以下の量で存在し、星形構造であり、コアに結合したポリエステル枝分れ単位を含んでいる。
難燃助剤としてのフェロセンの使用は、Linteris,G.T.; Rumminger,M.D.; Babushok,V.I.; Tsang,W.著, Combustion Institute, Symposium (International) on Combustion, 28th. Proceedings. Vol.2. July 20−August 4, 2000, Edinburgh, Scotland(Combustion Institute(米国ペンシルヴァニア州ピッツバーグ), Candel, S.; Driscoll, J.F.; Burgess, A.R.; Gore, J.P.編)2965−2972pp, 2000に教示されている。
レゾルシノールジフェニルホスフェート(RDP)その他のリン化合物のような添加剤の使用に伴うもう一つの問題は、コスト超過が高いことである。RDPのような添加剤の量を低減すべく、メラミンポリホスフェート又はフェロセンと併用することが試みられている。メラミンポリホスフェート(MPP)又はフェロセンを使用すると流動性及び難燃性の面では良好な結果が得られるが、成形製品のアイゾット衝撃強さに多大な影響を生じる。この問題は、フェロセン又はMPPの添加量レベルが高いときに特に深刻となるが、良好な難燃性を得るにはそうすることが必要である。
米国特許第3383435号 米国特許第4128602号 米国特許第4128603号 特開昭55−82149号公報 特開平8−73720号公報 特開平5−179123号公報 特開平6−192553号公報 特開昭52−142751号公報 特公平5−18356号 特開平5−239260号公報 特公平2−37370号公報 特開平5−239260号公報 特開平5−247264号公報 米国特許第4526917号 米国特許第5206276号 米国特許第4154712号 米国特許第5376724号 米国特許第5081185号 米国特許第6414084号 Jurgen Troitzsch, Carl Hanserverlag,"International Plastics Flammability Handbook",2nd Ed., 1990, pp47−49 Linteris,G.T.; Rumminger,M.D.; Babushok,V.I.; Tsang,W.著, Combustion Institute, Symposium (International) on Combustion, 28th. Proceedings. Vol.2. July 20−August 4, 2000, Edinburgh, Scotland(Combustion Institute(米国ペンシルヴァニア州ピッツバーグ), Candel, S.; Driscoll, J.F.; Burgess, A.R.; Gore, J.P.編)2965−2972pp, 2000
以上の説明から明らかな通り、HDT値、耐衝撃性及び難燃性に対する影響を最小限に抑えるべく、低減した配合量の流動調整剤で高い流動特性を示すPPE又はHIPSのような熱可塑性樹脂組成物を提供することが望まれる。
本明細書では、メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物を含む難燃性熱可塑性樹脂用の添加剤ブレンドであって、メラミンポリホスフェートとフェロセン又は有機鉄化合物とを含んでなる添加剤ブレンドについて開示する。好ましい実施形態では、樹脂組成物100重量部当たりメラミンポリホスフェートは約0.5〜約5重量部の量で存在し、フェロセン又は有機鉄化合物は約0.2〜約5.0重量部の量で存在する。
難燃性、引張特性、曲げ特性及び熱変形温度の改善された熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物と、メラミンポリホスフェートと、フェロセン又は有機鉄化合物とを含む。一実施形態では、組成物は、熱可塑性樹脂100重量部当たり約20重量部以下のレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)を含み、組成物中のレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の量を基準としてメラミンポリホスフェートは約0.5〜約5.0重量部の量で存在し、フェロセン又は有機鉄化合物は約0.2〜約5.0重量部の量で存在する。
難燃性、流動性及び熱変形温度性能の改善された熱可塑性樹脂組成物の押出物の製造方法は、熱可塑性樹脂と、メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステルと、メラミンポリホスフェートと、フェロセンとを混合して混合物を形成し、該混合物を押出すことを含む。
以下の詳細な説明において、上記その他の特徴を例示する。
本発明は、熱可塑性樹脂組成物用の難燃助剤及び/又は流動性向上剤及び/又は耐衝撃性改良剤として用いられる新規添加剤組成物に関する。本発明で想定される熱可塑性樹脂組成物には、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)組成物、HIPSのようなスチレン系ポリマー組成物、及びABS型組成物がある。
本発明の組成物に用いるポリフェニレンエーテルポリマー(本明細書中では「PPE」ともいう。)は、複数のアリールオキシ繰返し単位、好ましくは次の式(I)の繰返し単位を50以上含んでなる公知のポリマーである。
Figure 2004176071
式中、各構造単位について、各Q1は独立に水素、ハロゲン、アルキル(好ましくは炭素原子数7以下の第一又は第二低級アルキル)、アリール(好ましくはフェニル)、式(I)のフェニル核とハロゲン原子との間に2以上の炭素原子を有するハロ炭化水素基(好ましくはハロアルキル)、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられかつ式(I)のフェニル核とハロゲン原子とが2以上の炭素原子で隔てられたハロ炭化水素オキシである。
各Q2は独立に水素、ハロゲン、アルキル(好ましくは炭素原子数7以下の第一又は第二低級アルキル)、アリール(好ましくはフェニル)、式(I)のフェニル核とハロゲン原子との間に2以上の炭素原子を有するハロ炭化水素基(好ましくはハロアルキル)、炭化水素オキシ、又はハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられかつ式(I)のフェニル核とハロゲン原子とが2以上の炭素原子で隔てられたハロ炭化水素オキシである。Q1及びQ2は好適には各々炭素原子数約12以下のものであり、大抵は、各Q1はアルキル又はフェニル、特にC1〜C4アルキルであり、各Q2は水素である。
本明細書及び特許請求の範囲で用いる「ポリフェニレンエーテル樹脂」という用語には、非置換ポリフェニレンエーテルポリマー、芳香環が置換された置換ポリフェニレンエーテルポリマー、ポリフェニレンエーテル共重合体及びこれらのブレンドが包含される。また、米国特許第5089566号(S.Bruce Brown)に記載されているようにビニルモノマー又はポリスチレンやエラストマーのようなポリマーなどの物質をポリフェニレンエーテルに公知の方法でグラフトして得られる部分を有するポリフェニレンエーテルポリマーも包含される。さらに、低分子量ポリカーボネートやキノンや複素環式化合物やホルマールのようなカップリング剤を公知の方法で2本のポリフェニレンエーテル鎖のヒドロキシ基と反応させてさらに高分子量のポリマーとしたカップリング化ポリフェニレンエーテルも包含される。
本発明の組成物に用いるポリフェニレンエーテルポリマーは含アミノアルキル末端基や4−ヒドロキシビフェニル末端基のような各種の末端基を有していてもよく、これらは典型的には酸化カップリング反応による合成時に導入される。ポリフェニレンエーテルポリマーは末端基で官能化又は「封鎖」してもよく、かかる末端基はポリマーにさらに反応性を追加したり、場合によってはポリフェニレンエーテルポリマーと共にアロイやブレンドの製造に使用し得る他のポリマー系との相溶性を高める。例えば、ポリフェニレンエーテルポリマーはエポキシ末端基、ホスフェート末端基又はオルトエステル末端基で官能化することができ、例えば2−クロロ−4−(2−ジエチルホスファトエポキシ)−6−(2,4,6−トリメチル−フェノキシ)−1,3,5−トリゼンのような官能化剤をポリフェニレンエーテルポリマーの末端基の1つ、すなわち末端ヒドロキシ基の1つと反応させればよい。
以上の説明から当業者には自明であろうが、本発明での使用が想定されるポリフェニレンエーテルポリマーには、構造単位の変化とは無関係に、現在公知のすべてのものが包含される。
適当なポリフェニレンエーテルポリマーの具体例には、特に限定されないが、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(3−ブロモ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、これらの混合物などがある。
適当な共重合体には、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位とを含むランダム共重合体がある。
本発明の組成物に用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、25℃のクロロホルム中で測定して約0.2dl/gを超える固有粘度を有し、一般に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約3000〜40000の数平均分子量及び20000〜80000の重量平均分子量を有する。
本発明での使用に適したポリフェニレンエーテルポリマーは対応フェノール又はその反応性誘導体から当技術分野で公知の数多くの方法のいずれかによって製造し得る。ポリフェニレンエーテル樹脂は通例2,6−キシレノールや2,3,6−トリメチルフェノールなどの1種類以上のモノヒドロキシ芳香族化合物の酸化カップリングによって製造される。一般に触媒系がカップリングに用いられ、銅、マンガン又はコバルト化合物のような1種類以上の重金属化合物を通常はその他様々な物質と共に含んでいる。銅化合物を含む触媒系は通常第一銅又は第二銅イオンとハロゲン(例えば塩素、臭素、ヨウ素)イオンと1種類以上のアミンとの組合せであり、例えば塩化第一銅−トリエチルアミンがある。マンガン化合物を含む触媒系は概して二価マンガンをハロゲン、アルコキシド又はフェノキシドなどのアニオンと組合せたアルカリ性の系である。大抵は、マンガンは、ジアルキルアミン、アルキレンジアミン、o−ヒドロキシ芳香族アルデヒド、o−ヒドロキシアゾ化合物、o−ヒドロキシアリールオキシムのような1種類以上の錯化剤及び/又はキレート剤との錯体として存在する。含マンガン触媒の具体例には、塩化マンガン−及び塩化マンガン−ナトリウムメチラートがある。適当なコバルト型触媒系は、コバルト塩とアミンを含む。
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造のための触媒系及び方法の具体例は、米国特許第3306874号、同第3306875号、同第3914266号及び同第4028341号(Hay)、米国特許第3257357号及び同第3257358号(Stamatoff)、米国特許第4935472号及び同第4806297号(S.B.Brown他)並びに米国特許第4806602号(Dwayne M,White他)に記載されている。
一般に、ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、反応時間、反応温度及び触媒量の制御によって調節できる。反応時間が長いほど、平均繰返し単位数が増し、固有粘度が高くなる。ある時点で所望の分子量(固有粘度)が得られたら、反応を慣用手段で止める。例えば、錯金属触媒を利用した反応系の場合、塩酸や硫酸などの酸又は水酸化カリウムなどの塩基の添加によって重合反応を止めることができ、Hayの米国特許第3306875号に教示されている通り、濾過、沈殿その他適当な手段で触媒から生成物を分離すればよい。PPEは好ましくは相溶化又は官能化PPEからなるが、相溶性とはブレンドの成分(つまりPPEとその他のブレンド成分)間での全体的な相分離の最小化を含めて意味する。引張伸びの増加、離層傾向の低減、延性の増加及び相形態安定化の向上は、一般に改善された相溶化の指標である。ブレンドの望ましい物理的性質は、ブレンド成分間の相溶化の改善によってある程度決まる。
PPEは好ましくは相溶化又は官能化PPEからなるが、相溶性とはブレンドの成分(つまりPPEとその他のブレンド成分)間での全体的な相分離の最小化を含めて意味する。引張伸びの増加、離層傾向の低減、延性の増加及び相形態安定化の向上は、一般に改善された相溶化の指標である。ブレンドの望ましい物理的性質は、ブレンド成分間の相溶化の改善によってある程度決まる。
スチレン系ポリマー組成物は、1種類以上のモノアルケニル芳香族化合物から製造される。代表的なモノアルケニル芳香族化合物には、スチレン、α−アルキルスチレンのようなアルキル置換スチレン、及び環置換スチレンがある。α−アルキルスチレンの具体例としては、α−メチルスチレン及びα−エチルスチレンが挙げられ、環置換スチレンの具体例としては、o−エチルスチレン、2,4−ジメチル−スチレン、p−ビニルトルエンのようなビニルトルエン、ビニルアントラセン及びこれらの混合物がある。ポリマーマトリックスには、好ましくはモノアルケニル芳香族モノマーとしてスチレン及び/又はα−メチルスチレンが利用されるが、最も好ましいモノアルケニル芳香族化合物はスチレンである。また、不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル)のような1種類以上の追加のコモノマーを重合性モノマー混合物に配合してもよい。
上述の熱可塑性樹脂はその優れた化学的及び機械的性質ゆえに様々な用途で幅広い有用性を有しているが、これらの性能を向上させるため難燃助剤の添加が必要とされることが多い。本明細書の背景技術の項で説明した通り、熱可塑性樹脂の流動性、熱変形温度及び難燃性のような性質をすべて維持又は向上させるには、難燃剤の使用量を低減することが重要である。
本発明の組成物は、1種類以上の難燃剤(概して有機リン酸エステル)も含んでいる。有機リン酸エステルは、好ましくは次式の芳香族リン酸エステル化合物である。
Figure 2004176071
式中、Rは同一又は異なる基であって、少なくとも1つのRがアリールであることを条件として、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキル置換アリール、ハロゲン置換アルキル、アリール置換アルキル、ハロゲン又はこれらの基の組合せである。
具体例には、フェニルビスドデシルホスフェート、フェニルビスネオペンチルホスフェート、フェニル−ビス(3,5,5′−トリメチルヘキシルホスフェート)、エチルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジ(p−トリル)ホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)p−トリルホスフェート、トリトリルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスフェート、ジ(ドデシル)p−トリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、2−クロロエチルジフェニルホスフェート、p−トリルビス(2,5,5′−トリメチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどがある。好ましいリン酸エステルは各Rがアリールであるものである。特に好ましいのはトリフェニルホスフェートであるが、これは置換されていなくてもよいし、例えばイソプロピル化トリフェニルホスフェートのように置換されていてもよい。
或いは、有機リン酸エステルは、以下の式の1種類以上の二官能性又は多官能性化合物又はポリマーでもよい。
Figure 2004176071
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立にC1〜C20炭化水素、アリール又はアルキル置換アリールであり、X1、X2及びX3はハロゲンであり、m及びrは0又は1〜4の整数であり、n及びpは1〜30である。m及び/又はrが0のとき、芳香環は好ましくはハロゲン置換基を含まずに水素を含む。
具体例には、レゾルシノール、ヒドロキノン及びビスフェノールAそれぞれの(テトラフェニル)ビスジフェニルホスフェート、又はそれらの重合体型がある。上記の二官能性及び多官能性芳香族ホスフェートの製造方法は英国特許第2043083号に記載されている。
別の展開は、Axelrodの米国特許第4254775号に記載されているように、ポリフェニレンエーテル樹脂用難燃剤として、ジフェニルペンタエリトリトールジホスフェートなどのある種の環状ホスフェートを使用することである。
その他の適当な難燃剤には、塩化ホスホニトリル、亜リン酸エステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、トリス(アジリジニル)ホスフィンオキシド又はテトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライドのようなリン−窒素結合を含む化合物がある。これらの難燃剤は市販されている。
好ましいリン酸エステル難燃剤には、例えばレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)のようなレゾルシノール系のもの、及びビスフェノールAテトラフェニルジホスフェートのようなビスフェノール系のものがある。置換フェニル基を有するホスフェートも好ましい。特に好ましい実施形態では、有機リン酸エステルは、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)又はこれらの1種類以上を含む混合物からなる群から選択される。
本組成物は、リン酸エステル化合物と共に、好ましくはフェロセン又はフェロセン誘導体を含む。適当なフェロセン誘導体は、次式で表されるジ−π−シクロペンタジエニル鉄錯体である。
Figure 2004176071
様々な置換基がシクロペンタジエニル環のペンダント基として結合していてもよい。これらの化合物の代表例は、ジ−π−シクロペンタジエニル鉄(フェロセン)、ビスインデニル鉄(II)(ジベンズフェロセン)、1,1′−ジアセチルフェロセン、1,2−ジアセチルフェロセン、1,1−ジフェロセニルエタン、ジメチルアミノエチルフェロセン、メチルアミノメチルフェロセン、フェロセニルアセトニトリル、フェロセニルカルボナール、フェロセンスルホン酸、1,2−ジフェロセニルエタン、ジフェロセニルメタン、フェニルフェロセン、フェロセンカルボキシアルデヒド、Ω−フェロセニル脂肪酸、フェニルシロクペンタフェロセン、1,1′−(1,3−シクロペンチレン)フェロセン、フェニルシロクペンチルフェロセン及び類似化合物、ベンゾイルフェロセン並びにアセチルフェロセンである。また、アザフェロセンのような複素環式π錯体も使用し得る。理論に束縛されるものではないが、ポリマー組成物の難燃特性を向上させると思料されるフェロセンの特徴は、分子中に以下の構造が存在することである。
Figure 2004176071
フェロセンは芳香族であるので、フリーデル・クラフツアシル化、アルキル化、スルホン化及びアミノメチル化のような芳香族置換反応によって広範なフェロセン化合物及び誘導体を与える。好ましくは、フェロセン誘導体は該誘導体を配合したポリマー樹脂を劣化させない。その他の適当な有機鉄化合物には、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄イミダゾリル及び鉄ベンゾイミダゾリルがある。
本発明は、特定量のメラミンポリホスフェートとフェロセンを併用すると、RDPの量を低減できるだけでなく、難燃性が向上し、しかも熱可塑性樹脂組成物の曲げ特性、引張特性及び熱変形温度も大幅に改善されるという予想外の知見に基づく。
添加剤組成物は、好ましくは熱可塑性樹脂組成物100重量部当たり約0.5〜約5.0部のメラミンポリホスフェート及び約0.2〜約5.0部のフェロセン又は有機鉄化合物を含む。さらに好ましくは、添加剤組成物は、熱可塑性樹脂組成物中のレゾルシノールジフェニルホスフェート12部当たり約0.5〜約5.0部のメラミンポリホスフェート及び約0.2〜約5.0部のフェロセン又は有機鉄化合物を含む。さらに好ましくは、添加剤組成物は、レゾルシノールジフェニルホスフェート12部当たり0.5部のメラミンポリホスフェート及び0.2部のフェロセン又は有機鉄化合物を含み、さらに好ましくはメラミンポリホスフェート0.5部当たり0.5部のフェロセン又は有機鉄化合物を含む。また、添加剤組成物は、RDP12部当たり1.0部のMPP及び0.2部のフェロセン又は有機鉄化合物を含んでいてもよく、さらに好ましくはMPP1.0部当たり0.5部のフェロセン又は有機鉄化合物を含む。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、フェロセン及びMPPは凝縮相機構及び気相機構によって作用すると考えられる。フェロセンは、C−Cカップリング反応を触媒して、架橋を促進し燃料生成を低減することが知られている。先行技術文献には、メタロセンがオレフィン重合の有効な触媒であることが教示されている。従って、フェロセンはHIPSのようなスチレン系ポリマーから遊離したオレフィン残基の再重合を触媒することによって燃料生成を低減できるものと考えられる。
熱可塑性樹脂組成物は、また、ドリップ防止剤、染料、顔料、追加の流動性向上剤、耐衝撃性改良剤、着色剤、補強剤、充填材、ガラス繊維、安定剤、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤からなる群から選択される1種類以上の添加剤の有効量も含んでいてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、一般に、均質ブレンドを得るのに適した条件下で上記成分をブレンディングすることによって製造される。ブレンディングは、単軸又は二軸押出機その他上記成分に剪断力を与え得る混合装置を用いて実施できる。最初からすべての成分を加工装置に加えてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、加工時に別々の押出機を用いて製造してもよいし、加工時に複数の成分を添加できる複数の供給口を備えた単一の押出機を用いて製造することもできる。メルトのガス抜き(大気圧又は減圧)が行えるように1箇所以上のベント口を供給口間の各セクションで用いるのが好ましい。例えば、混合装置に設けられたベント口を介してメルトを真空に引くことによってブレンド組成物中の揮発性不純物を除去することができる。ブレンディングの時間及び温度並びに成分の添加については、過度の実験を要することなく当業者が適宜設定できるであろう。また、本発明の組成物から製造された成形品も本発明の別の実施形態をなす。
本発明の発明の幾つかの実施形態を例示するために以下に実施例を挙げる。これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。特記しない限り、パーセントはすべて組成物全体の総重量を基準とした重量%であり、部はすべて重量部である。
例1
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たり16部のレゾルシノールジフェニルホスフェート(RDP)を添加剤としてポリフェニレンエーテル樹脂と均質にブレンドして、第一の対照樹脂組成物を製造した。ポリフェニレンエーテル樹脂は、General Electric社から市販のNoryl 190Xであった。
第一の対照樹脂組成物の一部を取って、GEP Selkirk 53mm Twin Screw,W&P押出機を用いて供給速度300ポンド/時、スクリュー速度270rpm、トルク72%で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。試験法の詳細は表1の後に記載する。
例2
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たり12部のRDPを添加剤としてNoryl 190Xポリフェニレンエーテル樹脂と均質にブレンドして、第二の対照樹脂組成物を製造した。
第二の対照樹脂組成物の一部を取って、GEP Selkirk 53mm Twin Screw,W&P押出機を用いて供給速度300ポンド/時、スクリュー速度270rpm、トルク72%で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。
例3
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たりMPPの量が0.5重量部となり、フェロセンの量が0.2重量部となるように、第一の対照樹脂組成物(例1で製造したもの)の一部にメラミンポリホスフェート(MPP)及びフェロセンを均質にブレンドすることによって添加剤組成物を製造した。その結果、組成物中のRDP16部当たりMPPの量は0.5重量部であり、フェロセンの量は0.2重量部である。
こうして得た組成物を例1と同じ条件下で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。
例4
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たりMPPの量が0.5重量部となり、フェロセンの量が0.5重量部となるように、第二の対照樹脂組成物(例2で製造したもの)の一部にMPP及びフェロセンを均質にブレンドすることによって添加剤組成物を製造した。その結果、組成物中のRDP12部当たりMPPの量は0.5重量部であり、フェロセンの量は0.5重量部である。
こうして得た樹脂組成物を例1と同じ条件下で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。
例5
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たりMPPの量が1.0重量部となり、フェロセンの量が0.2重量部となるように、第二の対照樹脂組成物(例2で製造したもの)の一部にメラミンポリホスフェート(MPP)及びフェロセンを均質にブレンドすることによって添加剤組成物を製造した。その結果、組成物中のRDP12部当たりMPPの量は1.0重量部であり、フェロセンの量は0.2重量部である。
こうして得た樹脂組成物を例1と同じ条件下で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。
例6
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部当たりMPPの量が1.0重量部となり、フェロセンの量が0.5重量部となるように、第二の対照樹脂組成物(例2で製造したもの)の一部にMPP及びフェロセンを均質にブレンドすることによって添加剤組成物を製造した。その結果、熱可塑性樹脂組成物中のRDP12部当たりMPPの量は1.0重量部であり、フェロセンの量は0.5重量部である。
こうして得た樹脂組成物を例1と同じ条件下で押出した。押出物の難燃性、アイゾット衝撃強さ、流動性、曲げ特性及び熱変形温度を試験した。得られた値を下記の表1に示す。
Figure 2004176071
表1に示す通り、対照例1及び2(MPPとフェロセンを含まない)を例3〜6(MPPとフェロセンを含む)と対比すると、難燃性が改善され、組成物の他の性質、すなわち、アイゾット衝撃強さ、曲げ弾性率、曲げ強さ、流動性、熱変形温度及び引張伸び率が保持されていることが分かる。
例7
本例では、例3及び5で得た組成物について、誘導結合プラズマ(ICP)法で鉄の分析を行った。予測鉄濃度が0.060%(純度98%に基づく)に対して、ICP分析で得られた鉄は約0.057%であると予測される。このように、押出時の鉄の損失は約5%にすぎない。試料で得られた鉄の実測値は0.054〜0.0599%の範囲にあった。ICP分析の誤差は±5%である。
難燃性試験は、熱可塑性樹脂組成物の短冊状試験片を用いて、VOランクに関するUL−94プロトコルに従って行った。
上記の例で製造した組成物の燃焼性を、UL−94のような特定のUL規格に合格する可能性を予測する難燃性試験装置を用いて試験した。UL−94プロトコルでは、5インチ(12.7cm)×1/2インチ(1.3cm)×厚さ1.6mmの寸法の短冊状試験片が必要とされ、UL−94ランクはその厚さについて規定される。内炎の高さが3/4インチ(1.9cm)の炎を、試験片の下端と炎の底部とが3/8インチ(1.0cm)離れるように各試験片に当てる。炎をその位置に10秒間保った後、取り去る。燃焼時間は試験片から発する炎が消えるのに要する時間として定義される。試験片の燃焼が30秒以内に止まったら、再度10秒間接炎する。V−0、V−1及びV−2評価についての基準を以下の表2に示す。
Figure 2004176071
V−0ランクでは、1回目又は2回目の接炎で各燃焼時間が10秒を超えてはならない。5枚の試験片についての燃焼時間の合計は50秒を超えてはならない。滴下粒子が試験片下方に置かれた綿ガーゼを着火させることは許されない。
V−1ランクでは、1回目又は2回目の接炎で各燃焼時間が30秒を超えてはならない。5枚の試験片についての燃焼時間の合計は250秒を超えてはならない。滴下粒子が試験片下方に置かれた綿ガーゼを着火させることは許されない。
V−2ランクでは、1回目又は2回目の接炎で各燃焼時間が30秒を超えてはならない。5枚の試験片についての燃焼時間の合計は250秒を超えてはならない。滴下粒子が試験片下方に置かれた綿ガーゼを着火させることは許される。
熱変形温度は、ASTM D648に準拠した試験法で測定した。
ノッチ付アイゾット試験は、ASTM D256に準拠した試験法で行った。試験結果は、試験片の単位幅当たりの吸収エネルギーとして示し、フィート×ポンド/インチ(ft・lbs/in)単位で表す。
剪断粘度(すなわち、流動性)はKayenessキャピラリーレオメーターを用いて各剪断速度で測定した。
有益な効果として、RDPを難燃剤として含む熱可塑性樹脂組成物にMPPとフェロセン(又は有機鉄化合物)を添加すると、MPPとフェロセンの組合せを含まない組成物に比して、熱可塑性樹脂組成物の難燃性が向上する。驚くべきことに、有効量のフェロセン(又は有機鉄化合物)とMPPを併用しても、組成物のアイゾット衝撃強さは損なわれない。さらに、樹脂組成物の曲げ特性及び流動度も損なわれない。また、RDPとの共添加剤としてMPPとフェロセン(又は有機鉄化合物)を使用しても、樹脂組成物の熱変形温度特性は損なわれない。
以上、例示的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明の技術的範囲から逸脱せずに、構成要素に様々な変更を加えたり、均等物で置換することができることは当業者には明らかであろう。さらに、本発明の技術的範囲から逸脱せずに、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるべく様々な修正を加えることができる。従って、本発明は、発明を実施するための最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって規定される技術的範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。

Claims (24)

  1. メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物を含む難燃性熱可塑性樹脂用の添加剤ブレンドであって、当該添加剤ブレンドが、
    メラミンポリホスフェート、及び
    フェロセン又は有機鉄化合物
    を含んでなる添加剤ブレンド。
  2. 樹脂組成物100重量部当たりメラミンポリホスフェートが約0.5〜約5.0重量部の量で存在し、フェロセン又は有機鉄化合物が約0.2〜約5.0重量部の量で存在する、請求項1記載の添加剤ブレンド。
  3. 有機鉄化合物が、鉄アセチルアセトナート、鉄イミダゾリル、鉄ベンゾイミダゾリル、ジ−π−シクロペンタジエニル鉄(フェロセン)、ビスインデニル鉄(II)(ジベンズフェロセン)、1,1′−ジアセチルフェロセン、1,2−ジアセチルフェロセン、1,1−ジフェロセニルエタン、ジメチルアミノエチルフェロセン、メチルアミノメチルフェロセン、フェロセニルアセトニトリル、フェロセニルカルボナール、フェロセンスルホン酸、1,2−ジフェロセニルエタン、ジフェロセニルメタン、フェニルフェロセン、フェロセンカルボキシアルデヒド、Ω−フェロセニル脂肪酸、フェニルシロクペンタフェロセン、1,1′−(1,3−シクロペンチレン)フェロセン、フェニルシロクペンチルフェロセン、ベンゾイルフェロセン、アセチルフェロセン及びアザフェロセンからなる群から選択される、請求項1記載の添加剤ブレンド。
  4. 難燃性、引張特性、曲げ特性及び熱変形温度の改善された熱可塑性樹脂組成物であって、当該組成物が、
    熱可塑性樹脂、
    メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物、
    メラミンポリホスフェート、及び
    フェロセン又は有機鉄化合物
    を含んでなる熱可塑性樹脂組成物。
  5. 当該組成物が熱可塑性樹脂100重量部当たり約20重量部以下の有機リン酸エステル化合物を含み、有機リン酸エステル化合物の量を基準としてメラミンポリホスフェートが約0.5〜約5.0重量部の量で存在し、フェロセン又は有機鉄化合物が約0.2〜約5.0重量部の量で存在する、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 有機鉄化合物が、鉄アセチルアセトナート、鉄イミダゾリル、鉄ベンゾイミダゾリル、ジ−π−シクロペンタジエニル鉄(フェロセン)、ビスインデニル鉄(II)(ジベンズフェロセン)、1,1′−ジアセチルフェロセン、1,2−ジアセチルフェロセン、1,1−ジフェロセニルエタン、ジメチルアミノエチルフェロセン、メチルアミノメチルフェロセン、フェロセニルアセトニトリル、フェロセニルカルボナール、フェロセンスルホン酸、1,2−ジフェロセニルエタン、ジフェロセニルメタン、フェニルフェロセン、フェロセンカルボキシアルデヒド、Ω−フェロセニル脂肪酸、フェニルシロクペンタフェロセン、1,1′−(1,3−シクロペンチレン)フェロセン、フェニルシロクペンチルフェロセン、ベンゾイルフェロセン、アセチルフェロセン及びアザフェロセンからなる群から選択される、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 有機リン酸エステルが次式のものである、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2004176071
    式中、Rは同一又は異なる基であって、少なくとも1つのRがアリールであることを条件として、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキル置換アリール、ハロゲン置換アルキル、アリール置換アルキル、ハロゲン又はこれらの基の組合せである。
  8. 有機リン酸エステル化合物が、以下のものからなる群から選択される式のものである、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2004176071
    式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立にC1〜C20炭化水素、アリール又はアルキル置換アリールであり、X1、X2及びX3はハロゲンであり、m及びrは0又は1〜4の整数であり、n及びpは1〜30であり、m及び/又はrが0のときは芳香環はハロゲン置換基を含まずに水素を含む。
  9. 有機リン酸エステル化合物がRDP及びBPA−DPからなる群から選択される、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. さらに、ドリップ防止剤、染料、顔料、流動性向上剤、耐衝撃性改良剤、着色剤、補強剤、充填材、ガラス繊維、安定剤、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤からなる群から選択される1種類以上の添加剤の有効量を含む、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリル/ブタジエンスチレンゴム又はスチレン系ポリマー組成物を含む、請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂である、請求項11記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. スチレン系ポリマー組成物が耐衝撃性ポリスチレンである、請求項11記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. スチレン系ポリマー組成物がモノアルケニル芳香族化合物のホモポリマー又はコポリマーからなる、請求項11記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. モノアルケニル芳香族化合物が、スチレン、アルキル置換スチレン、環置換スチレン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項14記載の熱可塑性樹脂組成物。
  16. アルキル置換スチレンが、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン及びこれらの混合物からなる群から選択されるα−アルキルスチレンからなる、請求項15記載の熱可塑性樹脂組成物。
  17. 環置換スチレンが、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−ビニルトルエン、ビニルアントラセン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15記載の熱可塑性樹脂組成物。
  18. 難燃性、流動性及び熱変形温度性能の改善された熱可塑性樹脂組成物の押出物の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂、メラミンポリホスフェート以外の有機リン酸エステル化合物、メラミンポリホスフェート及びフェロセン又は有機鉄化合物を混合して混合物を形成し、
    上記混合物を押出す
    ことを含んでなる方法。
  19. 混合物が熱可塑性樹脂100重量部当たり約20重量部以下の有機リン酸エステルを含み、組成物中の有機リン酸エステルの量を基準としてメラミンポリホスフェートが約0.5〜約5.0重量部の量で存在し、フェロセンが約0.2〜約5.0重量部の量で存在する、請求項18記載の方法。
  20. 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリル/ブタジエンスチレンゴム又はスチレン系ポリマー組成物からなる、請求項18記載の方法。
  21. 有機リン酸エステルが次式のものである、請求項18記載の方法。
    Figure 2004176071
    式中、Rは同一又は異なる基であって、少なくとも1つのRがアリールであることを条件として、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキル置換アリール、ハロゲン置換アルキル、アリール置換アルキル、ハロゲン又はこれらの基の組合せである。
  22. 有機リン酸エステル化合物がRDP及びBPA−DPからなる群から選択される、請求項18記載の方法。
  23. 有機リン酸エステル化合物が、以下のものからなる群から選択される式のものである、請求項18記載の方法。
    Figure 2004176071
    式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立にC1〜C20炭化水素、アリール又はアルキル置換アリールであり、X1、X2及びX3はハロゲンであり、m及びrは0又は1〜4の整数であり、n及びpは1〜30であり、m及び/又はrが0のときは芳香環はハロゲン置換基を含まずに水素を含む。
  24. さらに、処理に際して、ドリップ防止剤、染料、顔料、流動性向上剤、耐衝撃性改良剤、着色剤、補強剤、充填材、ガラス繊維、安定剤、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤からなる群から選択される1種類以上の添加剤の有効量をブレンドに配合することを含んでなる、請求項18記載の方法。
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