JP2004175379A - 自立袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】胴部20と底部30からなる合成樹脂製の袋本体11を金型成形してなり、袋本体11への内容剤を充填前段階で袋本体11を折り畳み可能にした自立袋10であって、袋本体11におけるラベル添着予定部を含む胴部20の横断面で、胴部20の正面部20Aと背面部20Bとがそれらに挟まれる中央面に関して面対称をなすもの。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可撓自立袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質ボトルの表面にラベルを添着するもの(特許文献1)があるが、硬質ボトルは使用樹脂量が多く、ボトル本体への内容剤の充填前段階から大きな保管スペースを必要とする。
【0003】
これに対し、自立袋として、表裏の合成樹脂製胴部シートと、合成樹脂製底部シートを貼合せて可撓袋本体を形成したものがある。このような自立袋では、硬質ボトルに比し、袋本体の使用樹脂量が少なく、袋本体への内容剤の充填前段階では袋本体を折りたたんで保管できる(特許文献2)。自立袋では、貼合わせ前の胴部シートの表面に予めラベルを印刷する等により付すことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−53115号(2頁、図2)
【0005】
【特許文献2】
特許3077751(3頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自立袋には以下の問題点がある。
▲1▼袋本体は複数枚のシート(胴部シート、底部シート)を用意してこれを貼合わせることにて製造するものであり、製造工程が複雑である。
【0007】
▲2▼表裏の胴部シートを平面的に貼合わせて袋本体の胴部を構成するものであり、内容剤の充填による胴部の膨らみ時に、胴部にしわが入って袋本体の美的外観を損なう。
【0008】
▲3▼胴部シートと底部シートは、貼合わせを可能にするための接着性内側フィルムと、胴部シートの外縁に接する貼合わせ用のヒートシールバーの加熱によっても溶けて汚損しない非接着性外側フィルムとを中間接着層の介在により積層した積層フィルムを用いる。このため、内容剤に界面活性剤や溶剤を含む場合、界面活性剤や溶剤が内側フィルムから中間接着層に浸透して内側フィルムと外側フィルムの剥離を生ずる等、袋品質の安定を損なう虞がある。
【0009】
▲4▼胴部シートと底部シートの貼合わせ交点部が落下の衝撃に対して弱く、割れ易い。
【0010】
▲5▼注ぎ口が表裏の胴部シートの平面的な貼合わせ部分に設けられるから、閉塞し易い。閉塞を防ぐためには、表裏の胴部シートの間にストロー等を挟み込む必要がある。
【0011】
そこで、本出願人は、特願2002−206187により、自立袋において、製造工程を簡易にすること、袋本体の美的外観を向上すること、袋品質の安定を図ること、落下強度を向上すること、注ぎ口を安定確保することを目的とし、胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形し、袋本体への内容剤の充填前段階で袋本体を折りたたみ可能にした自立袋を提案している。
【0012】
しかしながら、金型成形される自立袋では、内容剤の充填前の袋製造段階で金型成形済の袋本体にラベルを添着しようとし、ラベルを3次元状の袋本体に押付けると、袋本体が変形してラベルを正しい位置に確実に添着することができない。
【0013】
本発明の課題は、自立袋において、金型成形済の袋本体に簡易かつ確実にラベルを添着することにある。同時に、製造工程の簡易、袋品質の安定、落下強度の向上、注ぎ口の安定確保を図る。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形してなり、袋本体への内容剤の充填前段階で袋本体を折りたたみ可能にした自立袋であって、袋本体におけるラベル添着予定部を含む胴部の横断面で、該胴部の正面部と背面部とがそれらに挟まれる中央面に関して面対称をなすようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)(図1〜図3)
自立袋10は、図1に示す如く、胴部20と底部30からなる合成樹脂製の袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階で袋本体11を折りたたみ可能にしたものである。
【0016】
袋本体11は、胴部20と底部30からなる内容剤の収容部21と、胴部20の上縁部の全巾又は全巾近くに渡る広巾の開口を形成し、内容剤のための充填口22Aを形成するための充填口形成部22とを有し、収容部21と充填口形成部22とを肩部23により滑らかにつなぐように、収容部21、充填口形成部22及び肩部23の全体をブロー成形する。肩部23は、自立袋10の側面視(充填口形成部22の後述するシール部22Bの長手方向に沿って見る方向)で、収容部21の側から充填口形成部22の側に向けて逆V字状をなす如くに狭巾化される。
【0017】
自立袋10は、充填口22Aから内容剤を充填した後、充填口形成部22の正面部20Aと背面部20Bをシールバーにより挟圧し、正面部20Aと背面部20Bをヒートシール又は超音波シール等により融着して封止する。これにより、充填口形成部22はシール部22Bになる。
【0018】
自立袋10は、図1に示す如く、袋本体11のブロー成形時に、胴部20の上縁側の一部に注ぎ口24Aを形成するための注ぎ口形成部24を成形できる。注ぎ口形成部24の切断により注ぎ口24Aを形成する。
自立袋10は、ダイレクトブロー成形により製造できる。
【0019】
ダイレクトブロー成形は、パリソンを押出し、パリソンの内部への空気の吹き込みにより円周方向の延伸を行なって袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形は単層又は積層した樹脂層からなる袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形による袋本体11の構成樹脂材料としては、単層のときにはLDPE(低密度ポリエチレン)又はL−LDPE(直鎖低密度ポリエチレン)を採用でき、積層のときには外側層をHDPE(高密度ポリエチレン)、内側層をLDPE又はL−LDPEとするものを採用できる。
【0020】
自立袋10は、袋本体11の折りたたみ形態を、胴部20に底部30を下記(a)又は(b)の如くに重ね合わせたものとすることができる。
【0021】
(a)胴部20を平らにし、平板状の底部30を胴部20の下部に対し折り曲げた形態。
【0022】
(b)底部30をドーム状に膨らまし成形し、底部30の中央部をブロー成形金型のパーティングラインに沿って胴部20の内側へ折り込み、胴部20を平らにした形態。
【0023】
自立袋10は、界面活性剤0.1%〜50%又は溶剤0.1%〜50%の少なくとも1種以上を成分とする内容剤を入れて製品とした自立袋に用いて好適である。
【0024】
しかるに、自立袋10にあっては、袋本体11におけるラベル添着予定部を含む胴部20の略楕円状の横断面(図2(A))で、胴部20の正面側の半部たる円弧状の正面部20Aと、背面側の半部たる円弧状の背面部20Bとがそれらに挟まれる袋本体11の中央面に関して面対称をなす。更に、胴部20は、正面部20Aと背面部20Bの左右の境界に、ブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部41、42をもつ。
【0025】
自立袋10では、胴部20の正面部20Aの表面にラベルLを添着しようとするとき、図2(B)に示す如く、背面部20Bを正面部20Aの側に押し込む如くに反転させる袋本体11の折り畳み状態で、正面部20Aと背面部20Bを重ね合わせ、背面部20Bを袋支持台50の円弧状支持面51に被せ、正面部20Aの表面に接着剤を介する等によってラベルLを貼り付ける。
【0026】
自立袋10によれば以下の作用がある。
▲1▼袋本体11におけるラベル添着予定部を含む胴部20の横断面で、胴部20の正面部20Aと背面部20Bとがそれらに挟まれる中央面に関して面対称をなす。従って、袋本体11の折り畳み形態で、胴部20の正面部20Aと背面部20Bを重ね合わせたときに、正面部20Aの内面に背面部20Bを密着させることができ、この背面部20Bを袋支持台50の支持面51に被せれば、正面部20Aは背面部20Bを介して隙間なく支持台50にバックアップされる状態になり、正面部20Aの表面に接着剤を介する等によってラベルLを貼り付けできる。従って、袋本体11における胴部20(正面部20A、背面部20B)の変形を伴うことなく、胴部20の正しい位置に簡易かつ確実にラベルを添着できる。
【0027】
▲2▼袋本体11の胴部20において、上述▲1▼の如くに重なり合う正面部20Aと背面部20Bがそれらの境界に稜線部41、42をもつことにより、正面部20Aと背面部20がそれらの稜線部41、42を介してずれなく密着するものになる。従って、正面部20Aは背面部20Bを介して隙間なく、かつずれなく支持台50にバックアップされる状態でラベルを添着される。
【0028】
尚、胴部20の正面部20Aと背面部20Bが図3に示す如く、面対称をなさない場合には、正面部20Aと背面部20Bを重ね合わせたときに、正面部20Aの内面に背面部20Bを密着させることができず、両者の間に隙間を生ずる。正面部20Aは背面部20Bと隙間を介して支持台51にバックアップされるものになり、ラベルを正面部20Aの表面に押付けると、正面部20Aが変形してラベルを正しい位置に添着できない。
【0029】
また、自立袋10は以下の作用もある。
(1)合成樹脂製の可撓袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階では袋本体11を折りたたんで平積み保管でき、内容剤の充填時には袋本体11を3次元状に膨らませて自立可能にする。袋本体11は、ブロー成形によって薄肉可撓状にされ、従来のフィルムを貼り合わせた袋に比して使用樹脂量は少なく、平積み保管によって保管効率も良い。
【0030】
(2)袋本体11への内容剤の充填口形成部22は、袋本体11の胴部20の上縁の全幅又は全幅近くに渡って設けることができ、内容剤の充填性は良い。
【0031】
(3)袋本体11からの内容剤の注ぎ口形成部24は、袋本体11のブロー成形時に、胴部20の一部として成形し、又はブロー成形された胴部20の上縁の開口部をシールして形成することができる。また、注ぎ口形成部24は、袋本体11のブロー成形時に3次元状に成形されるから、閉塞しにくい。
【0032】
(4)袋本体11の折りたたみ形態は、胴部20と底部30を重ね合わせたほぼ平面状にすることができる。
【0033】
(5)袋本体11をブロー成形するものであるから、従来の自立袋で必要なフィルムの裁断やフィルムのシールが大幅に省略可能となるため、製造工程は簡易である。
【0034】
(6)袋本体11は胴部20と底部30を3次元状に成形したものであり、内容剤の充填による胴部20の膨らみ時に、胴部20にしわが入ることがなく、袋本体11の美的外観を向上できる。
【0035】
(7)袋本体11をシートの貼合わせによって構成するものでないから、接着層を介在させた積層フィルムにより袋本体11を構成することを必ずしも必要としない。従って、袋本体11を単層フィルムにより構成することができ、界面活性剤や溶剤を含む内容剤が積層フィルムの接着層に浸透して該積層フィルムの剥離を生ずる等がなく、袋品質の安定を図ることができる。
【0036】
(8)袋本体11の胴部20と底部30が一体成形され、落下の衝撃に対して強く、割れにくい。
【0037】
(9)袋本体11に形成した注ぎ口形成部24を、袋本体11の底部30に平行をなす水平方向に対し0度〜90度、好適には30度〜60度の範囲内、最適には45度で傾けることにより、注ぎ出し易くできる。
【0038】
(10)袋本体11に形成した注ぎ口形成部24を、袋本体11の外方に突出状にすることを金型設計できることから、その突出形状を自由に構成でき、注ぎ口の突出長を長くしたり、注ぎ口の口幅を広くする等、注ぎ出し易い袋を簡易に製造できる。
【0039】
尚、本発明の自立袋は、金型成形によるものであれば、ブロー成形によるものに限らず、インジェクション成形によるもの等であっても良い。
【0040】
(第2実施形態)(図4、図5)
第2実施形態の自立袋10が第1実施形態の自立袋10と異なる点は、袋本体11におけるラベル添着予定部を含む胴部20の横断面が角型状(本実施形態では六角形状をなすことにある(図4、図5(A))。
【0041】
自立袋10の胴部20は、正面部20Aと背面部20Bと両側面部20Cからなり、両側面部20Cの長手方向に沿う中央部(袋本体11の中央面)にブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部41、42をもち、胴部20の正面側の半部たる平面状の正面部20A及び両側面部20Cの稜線部41、42で区画される半分と、背面側の半部たる平面状の背面部20B及び両側面部20Cの稜線部41、42で区画される半分とが、それらに挟まれる袋本体11の中央面に関して面対称をなす。更に、胴部20は、ブロー成形により、正面部20Aと両側面部20Cの境界に稜線部43をもち、背面部20Bと両側面部20Cの境界に稜線部44をもつ。
【0042】
自立袋10では、胴部20の正面部20Aの表面にラベルLを添着しようとするとき、図5(B)に示す如く、背面部20Bを正面部20Aの側に押し込む如くに反転させる袋本体11の折り畳み形態で、正面部20Aと背面部20Bを重ね合わせ、背面部20B及び両側面部20Cの半分を袋支持台50の角型状支持面51に被せ、正面部20Aの表面に接着剤を介する等によってラベルLを貼り付ける。
【0043】
従って、第2実施形態の自立袋10にあっても、第1実施形態の自立袋10におけると同様に、以下の作用がある。
【0044】
▲1▼袋本体11におけるラベル添着予定部を含む胴部20の横断面で、胴部20の正面部20Aと背面部20Bとがそれらに挟まれる中央面に関して面対称をなす。従って、袋本体11の折り畳み形態で、胴部20の正面部20Aと背面部20Bを重ね合わせたときに、正面部20Aの内面に背面部20Bを密着させることができ、この背面部20Bを袋支持台50の支持面51に被せれば、正面部20Aは背面部20Bを介して隙間なく支持台50にバックアップされる状態になり、正面部20Aの表面に接着剤を介する等によってラベルLを貼り付けできる。従って、袋本体11における胴部20(正面部20A、背面部20B)の変形を伴うことなく、胴部20の正しい位置に簡易かつ確実にラベルを添着できる。
【0045】
▲2▼袋本体11の胴部20において、上述▲1▼の如くに重なり合う正面部20Aと背面部20Bが稜線部43、44をもつことにより、それらの稜線部43、44同士が互いに係合し合い、正面部20Aと背面部20Bをずれなく密着させることができる。従って、正面部20Aは背面部20Bを介して隙間なく、かつずれなく支持台50にバックアップされる状態でラベルLを添着される。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、自立袋において、金型成形済の袋本体に簡易かつ確実にラベルを添着することができる。同時に、製造工程の簡易、袋品質の安定、落下強度の向上、注ぎ口の安定確保も図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の自立袋を示す斜視図である。
【図2】図2は自立袋の胴部の横断面を示し、(A)は面対称をなす正面部と背面部を示す断面図、(B)はラベルの貼付け状態を示す断面図である。
【図3】図3は自立袋の胴部の横断面の比較例を示し、(A)は非面対称をなす正面部と背面部を示す断面図、(B)はラベルの貼付け状態を示す断面図である。
【図4】図4は第2実施形態の自立袋を示す斜視図である。
【図5】図5は自立袋の胴部の横断面を示し、(A)は面対称をなす正面部と背面部を示す断面図、(B)はラベルの貼付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 自立袋
11 袋本体
20 胴部
20A 正面部
20B 背面部
20C 側面部
41、42、43、44 稜線部
Claims (3)
- 胴部と底部からなる合成樹脂製の袋本体を金型成形してなり、袋本体への内容剤の充填前段階で袋本体を折りたたみ可能にした自立袋であって、
袋本体におけるラベル添着予定部を含む胴部の横断面で、該胴部の正面部と背面部とがそれらに挟まれる中央面に関して面対称をなす自立袋。 - 前記袋本体における胴部の正面部と背面部のそれぞれが稜線部をもつ請求項1に記載の自立袋。
- 前記袋本体における胴部が正面部と背面部と両側面部とからなり、正面部と両側面部の境界と、背面部と両側面部の境界のそれぞれに稜線部を設けてなる請求項2に記載の自立袋。
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JP2008013233A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-01-24 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 自立袋形ブロー成形減容容器 |
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2002
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