JP2007261607A - スタンディングパウチおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の側面フィルム2、2とその下部に挟み込まれた底面フィルム3とが熱シールされてなる袋本体1を有するスタンディングパウチ10において、樹脂の射出成形により形成された柱状の補強部材11を、袋本体1のサイドシール部4に沿って、少なくともシール部4の端面4aを覆うように接合し、かつ補強部材11の上端面11bが袋本体1の上辺1bより下方に位置すると共に、補強部材11の下端面11aが袋本体1の下辺1aより上方に位置するようにする。サイドシール部4の下部に切欠5aを設け、補強部材11の下端面11aを切欠5a内に突出させることが好ましい。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2は、スタンディングパウチに関するものではないが、袋本体を構成するソフトシートの少なくとも一部の外周端縁を射出成形樹脂で接合シールするとともに、該外周端縁に貫通管路を射出成形樹脂で同時に形成するソフトバッグの製造方法が記載されている。
また、枠体の下端面が袋本体の下辺に達していると、枠体が袋本体の下辺から突出することがある。この場合、自立させたときの安定性が悪くなる。
また、枠体を金型にインサートして成形するとき、枠体を形成するための金型が袋本体を挟み込む箇所で樹脂が漏れ出してバリになることがある。このとき、枠体の下端面が袋本体の下辺より上方に位置していると、バリが枠体の下端面から下向きに伸びるので、バリが袋本体の下辺から突出すると、自立させたときの安定性が悪くなる。
補強部材を構成する樹脂は、前記側面フィルムを構成する少なくとも一層の樹脂層と融着可能な樹脂であることが好ましい。特に、少なくとも一方の側面フィルムの最外層の樹脂層と融着可能な樹脂であることが好ましい。
袋本体の下辺の両側の隅部は、円弧状に断裁されて丸められていることが好ましい。
スタンディングパウチは、袋本体の上辺の開口部にスパウトが取り付けられていることが好ましい。
また、切欠の周縁に位置する側面フィルムの端面の外側角部も射出された樹脂によって覆われて接合されるので、ここが剥離の開始点となりにくい。すなわち、補強部材の下端面が側面フィルムとの接合剥離の開始点となりにくいので、側面フィルムに対する補強部材の接合強度が向上する。
また、第2の切欠の周縁に位置する側面フィルムの端面の外側角部も射出された樹脂によって覆われて接合されるので、ここが剥離の開始点となりにくい。すなわち、補強部材の上端面が側面フィルムとの接合剥離の開始点となりにくいので、側面フィルムに対する補強部材の接合強度が向上する。
そして、補強部材を構成する樹脂が少なくとも一方の側面フィルムの最外層の樹脂層と融着可能な樹脂である場合、射出成形により補強部材と側面フィルムの外表面とを融着させることができ、補強部材の接合強度をより向上することができる。
図1(a)は本発明のスタンディングパウチの一例を示す正面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿う断面図である。図2は、図1のスタンディングパウチにおける袋本体を示す正面図である。図3は、本発明のスパウト付きスタンディングパウチの下部を膨らませて自立させた状態の一例を示す斜視図である。図4は、図3の矢印Bの方向からスタンディングパウチの下部を水平方向に見たときの部分拡大図である。なお、図面中、シール部の領域を明瞭に示すため、交差した平行斜線(クロスハッチング)を用いた場合がある。
前記基材としては、熱融着性を有する単層のプラスチックフィルム、外層に熱融着性を有する樹脂層を備える共押出多層フィルム、熱融着性を有する樹脂層とアルミ箔などの金属箔、紙や各種プラスチックフィルムとをラミネートしたラミネートフィルムなどが例示される。
樹脂層やプラスチックフィルムとしては、特に限定はないが、熱融着性を有しシーラント層ともなりうるものとしてはポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。フィルムの強度を補強する樹脂としては、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、上記ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。補強用樹脂層は、一軸または二軸に延伸されたフィルムであると、強度や寸法安定性に優れ、好ましい。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば20〜900μmが好ましい。袋体の保形性や自立性の点ではより厚い基材が適するが、柔軟性、軽量性や省資源の点では薄い基材が好ましい。特に本発明ではパウチの両側部に補強部材11を設けることにより、薄い基材であっても保形性、自立性を確保することができる。成形性や取扱い性から特に望ましい厚みは、100〜200μmの範囲が好適である。
通常、充填機のシール金型や冷却金型の当接面は平坦であるが、スパウト21を開口部8に挟み込んで熱融着を行う場合は、スパウト21の融着基部21aの形状に対応した半円形や舟形形状の半割形状の凹部32bをシール金型32の当接面32aに設けておけばよい。スパウト21の融着は確実に行う必要があることから、はじめに、図7(a)に示すようにスパウト21の一部のみをヒートシールする幅の狭い第1のシール金型31を用いてスパウト21の融着基部21aのみを開口部8に融着し、次に、図7(b)に示すように袋本体1の開口部8の周縁全体をヒートシールする幅の広い第2のシール金型32を用いて、未融着のフィルム2、2同士を融着すると同時に融着基部21aの付け根を再度加熱加圧する、2段階融着が好ましい。スパウト21が挟み込まれた側面フィルム2,2は応力が残るので、スパウト21の融着後、冷却金型で押圧して速やかに冷却することが好ましい。
本形態例のスタンディングパウチ10の場合、図1に示すように補強部材11が第2の切欠5bまでの長さとなっているので、補強部材11の上端面11aと袋本体1の上辺1bとの間に、開口部8を密封する熱シール部23(図9参照)を設ける幅が確保される。この結果、補強部材11の上端面11bより上方にシール金型32を位置させることにより、シール金型32が補強部材11に当たることがなく、容易にシール作業を行うことができる。この場合、シール金型32の両端部を袋本体1の左右にはみださせることができるので、1組のシール金型32で幅寸法の異なる袋に対応可能であり、サイズの異なる袋を多品種製造する場合にも、シール金型32を交換する必要がないという利点がある。
図10(a)は、本発明のスタンディングパウチの他の例を示す正面図である。図10(b)は、図10(a)のC−C線に沿う断面図である。図11は、図10のスタンディングパウチの開口部にスパウトを融着する方法を説明する説明図である。図12は、図10のスタンディングパウチにスパウトを取り付けてなるスパウト付きスタンディングパウチの上部を示す部分正面図である。
図13(a)は、本発明のスタンディングパウチのさらに他の例を示す正面図である。図13(b)は、図13(a)のD−D線に沿う断面図である。図14は、図13のスタンディングパウチの開口部にスパウトを融着する方法を説明する説明図である。図15は、図13のスタンディングパウチにスパウトを取り付けてなるスパウト付きスタンディングパウチの上部を示す部分正面図である。
また、側面フィルム2、2と底面フィルム3とを接合するため、袋本体1A、1Bの下部には、融着によりボトムシール部6が形成されている。ボトムシール部6は、上下方向のシール幅が左右のサイドシール部4、4に近いほど大きくなる略円弧状に形成されており、袋の幅方向中央部で底を大きく広げることが可能になっている。
図10に示すスタンディングパウチ10Aの場合、補強部材11、11は、少なくともサイドシール部4の端面4aと延設シール部12の端面を覆うように接合されており、袋本体1Aの上辺1bの両端において屈曲し、該上辺1bに沿う延設部11cを有する形状となっている。また、延設シール部12上において補強部材11の上端面11bは、開口部8の左右両端から離れた位置に位置している。また、袋本体1Aの上辺1bに沿う延設シール部12の長さは、補強部材11の延設部11cの長さよりも長くされている。
図13に示すスタンディングパウチ10Bの場合、補強部材11、11は、少なくともサイドシール部4の端面4aと袋本体1Bの上辺1bにおけるシール部の端面を覆うように接合されており、補強部材11の上端面11bが袋本体1Bの上辺1bより突出した形状となっている。
このため、図11、図14に示すように、開口部8を融着密封するシール金型32の両端部と補強部材11の上端面11bとの間に隙間を確保することができる。袋本体1A、1Bや補強部材11等の材質等は、図1に示すスタンディングパウチ10と同様に設定することができるので、重複する説明を省略する。
サイドシール部4の下部には切欠5aが設けられており、補強部材11の下端面11aが切欠5a内に突出している。これにより、補強部材11を射出成形で形成と同時に袋本体1A、1Bに接合するとき、金型の型締め時に切欠5aを通して補強部材11の下端面11aを成形する金型同士を、側面フィルム2、2またはそれらと底面フィルム3を介することなく直接当接させることができる。よって、金型同士で緩みのないキャビティを形成することができ、補強部材11の下端面11aからのバリの発生を抑制することができる。また、切欠5aの周縁に位置する側面フィルム2、2の端面の外側角部9a(図2参照)も射出された樹脂によって覆われ、補強部材11の下端部が切欠5aの周縁を跨いで接合される。この結果、補強部材11の下端面11aが側面フィルム2、2との接合剥離の開始点となりにくいので、サイドシール部4に対する補強部材11の接合強度が向上する。
袋本体1A、1Bの上辺1bの両端より中央に向けて延設シール部12を延設することにより、シール金型32の両端部をサイドシール部4まで到達させなくても容易に開口部8の密封シールを行うことができる。すなわち、袋本体1A、1Bの全高にわたってサイドシール部4の幅を広げなくても、シール金型32の両端と左右の補強部材11、11との隙間を十分に確保することができる。
Claims (10)
- 一対の側面フィルムと下部に挟み込まれた底面フィルムとが熱シールされてなる袋本体を有するスタンディングパウチであって、
樹脂の射出成形により形成された柱状の補強部材が前記袋本体のサイドシール部に沿って、少なくともシール部の端面を覆うように接合されており、前記補強部材の上端面は、袋本体の上辺より下方に位置すると共に、前記補強部材の下端面は、袋本体の下辺より上方に位置することを特徴とするスタンディングパウチ。 - 一対の側面フィルムと下部に挟み込まれた底面フィルムとが熱シールされてなる袋本体を有するスタンディングパウチであって、
前記袋本体がさらに、開口部を残して上辺の両端から中央に向けて熱シール部が延設されると共に、樹脂の射出成形により形成された柱状の補強部材が前記袋本体のサイドシール部またはサイドシール部と上辺の延設されたシール部に沿って、少なくともシール部の端面を覆うように接合されており、前記補強部材の下端面は、袋本体の下辺より上方に位置することを特徴とするスタンディングパウチ。 - 前記サイドシール部の下部に切欠が設けられており、前記補強部材の下端面が前記切欠内に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載のスタンディングパウチ。
- さらに前記サイドシール部の上部に第2の切欠が設けられており、前記補強部材の上端面が前記第2の切欠内に突出していることを特徴とする請求項3に記載のスタンディングパウチ。
- 前記補強部材を構成する樹脂が前記側面フィルムを構成する少なくとも一層の樹脂層と融着可能な樹脂であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
- 前記補強部材を構成する樹脂が少なくとも一方の前記側面フィルムの最外層の樹脂層と融着可能な樹脂であることを特徴とする請求項5に記載のスタンディングパウチ。
- 前記袋本体の下辺の両側の隅部が円弧状に断裁されて丸められていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
- 前記袋本体の上辺の開口部にスパウトが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のスタンディングパウチ。
- 請求項8に記載のスタンディングパウチの製造方法であって、
一対の側面フィルム同士およびそれらと下部に挟み込まれた底面フィルムとの熱シールが完了した袋本体を金型にインサートして樹脂の射出成形により柱状の補強部材を設けたのち、前記袋本体の上部にスパウトを取り付けることを特徴とするスタンディングパウチの製造方法。 - 請求項8に記載のスタンディングパウチの製造方法であって、
一対の側面フィルム同士およびそれらと下部に挟み込まれた底面フィルムとの熱シールが完了した袋本体を金型にインサートして樹脂の射出成形により柱状の補強部材を設けたのち、補強部材付きの袋を充填機にセットして内容物の充填を行い、充填後に前記袋本体の上部にスパウトを取り付けることを特徴とするスタンディングパウチの製造方法。
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