JP2004174388A - 電気炉の排ガス処理方法および排ガス処理装置 - Google Patents

電気炉の排ガス処理方法および排ガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電気炉の排ガス処理において、DXN濃度に応じて各設備を最適に運転し、集塵機出側でのDXN濃度が目標値以下となるように制御する。
【解決手段】電気炉1から発生する排ガスを直接吸引する直引排ガス6と建屋内の雰囲気ガスを吸引する建屋排ガス9を合流させ、合流後排ガス中のダイオキシン類を集塵機10によって除去する排ガスの処理において、電気炉1の操業時期別のDXN濃度予測値、各排ガスの温度と流量の測定結果、および集塵機における温度とDXN除去率の関係を使って集塵機出口のDXN濃度を推定し、排ガスの流量を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の溶解、精錬、特に製鋼用として利用される電気炉から発生する排ガス中に含まれるダイオキシン類(以下「DXN」という。)を除去するための排ガス処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気炉から発生する排ガスの主として排ガス中に含まれるダストを除去する目的で、電気炉から発生する排ガスを直接吸引する直引系ルートと、直引系で吸引できず電気炉から漏れたガスを建屋内の雰囲気ガスとして吸引する建屋系ルートを配設して、両ルートのガスを合流させて集塵機に導入して排ガスを処理した後、大気に放散する方法が利用されている。
【0003】
しかし、前記の方法では、排ガス中に含まれるダストは十分に除去できるが、近年発ガン性が指摘され、その排出量の法的規制が取られたDXNは十分に除去することができず、大気中へ放散されてしまう場合が生じる。すなわち、電気炉で溶解、精錬される金属スクラップには各種の塗料、油分、プラスチック類等の夾雑物が混在しており、これらの夾雑物に起因して溶解、精錬の過程でDXNが生成される。それが電気炉から直接吸引される直引排ガスや電気炉から漏れて建屋内の雰囲気ガスとして吸引される建屋排ガス中に含まれる形で集塵機に導入されるが、一部のDXN、主として気体や微細な液体状のDXNが集塵機に配設された濾布を通過して十分捕集されず、大気中へ放散されてしまうという現象である。
【0004】
この課題を解決するために、特許文献1、特許文献2では、各々、電気炉の直引排ガスを冷却塔で冷却する方法、および直引排ガスと建屋排ガスを台流させる方法によって集塵機に導入される排ガスの温度を70℃以下とすることが提案されている。集塵機に導入される排ガスの温度が70℃以下の場合、排ガス中に含まれるDXNの大部分が融点以下となり、気体や微細な液体状ではほとんど存在せず、ダスト等の排ガス中の粒子に取り込まれるために、該粒子と共に集塵機で効率よく捕集できることになる。
【0005】
しかし前記の方法では、常に集塵機に導入される排ガスを70℃以下とするために次に述べる課題が出てくる。すなわち、集塵機に導入される排ガス中のDXN濃度が低く、導入排ガスの温度を必ずしも70℃以下にしなくても集塵機出側のDXN濃度を目標値以下にできる場合においても、特許文献1の方法では、大規模な直引排ガスの冷却設備を設置する必要があり、また多量の冷却水、空気等の冷却媒体とそれを供給するための動力も必要となる。特許文献2の方法においては、直引排ガスの冷却のために建屋排ガスを利用しているため、特別な冷却媒体を必要としないものの、合流後排ガスの流量が増加するために集塵機と排ガス吸引ファンの容量が増加し、吸引ファンの動力も余計に必要となる。しかも、このように集塵機に導入される排ガス中のDXN濃度が低い場合には、導入排ガスの温度を70℃以下にしても、集塵機での除去されるDXNの総量が大幅に増加することはなく、効果の割に多くのエネルギーを消費しなければならない。
【0006】
また、前記の課題を解決する方法として、特許文献3に開示されているごみ焼却炉におけるダイオキシン類の排出制御技術を金属の溶解、精錬用電気炉に適用することが考えられる。特許文献3では、例えばレーザー多光子イオン化質量分析技術を利用してDXN濃度と強い相関関係のあるクロロベンゼン類もしくはクロロフェノール類の濃度を測定し、その結果に基づいて集塵機の運転温度やDXNを吸着するための活性炭の排ガスへの吹き込み量を調整することが提案されている。金属の溶解、精錬用の電気炉においても、集塵機に導入される排ガス中のクロロベンゼン類等の濃度を測定してDXN濃度を推定すれば、その結果を利用して、直引排ガスの冷却能力、すなわち冷却媒体の供給量や、直引排ガスの冷却のために吸引する建屋排ガス量、すなわち合流後排ガスの流量を制御することができ、DXN濃度に応じた各設備の最適運転が可能と考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開平06−109367号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−132672号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2001−208333号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に金属の溶解、精錬用電気炉は、ごみ焼却炉のように密閉度が高い構造となっておらず、電気炉本体、および排ガスの吸引過程から多量の外気を吸い込んでいる。このため、排ガス中のDXN濃度がごみ焼却炉のそれに比して低い場合が多く、特に電気炉の直引排ガスと建屋内排ガスを合流させた場合の排ガス中DXN濃度は、ごみ焼却炉の場合の数十分の一でしかない。このようにDXN濃度の低い合流ガスにおいて、その中に含まれるクロロベンゼン類等を測定してDXN濃度を推定しようとすると、クロロベンゼン類等の濃度の測定誤差に、クロロベンゼン類等の濃度とDXN濃度の相関関係のばらつきが加わってしまい、精度の低い推定値しか得られないという問題がある。
【0011】
一方、比較的DXN濃度が高く、精度の良い推定値が得られると考えられる直引排ガスでのクロロベンゼン類等の濃度測定では、ガスのサンプリング装置に頻繁に問題が発生する。すなわち、電気炉の直引排ガスには、ごみ焼却炉の排ガスに比べて、数十倍から数百倍の濃度のダストとオイルミストが存在するために、ダストによってガスサンプリングプローブが閉塞する、或いはガスサンプリングプローブやその後流にある配管でオイルミスとが結露して付着するという現象が発生し、長期間に渡って安定的にガスサンプリング、つまりガス中に含まれる物質の濃度が測定できない。
【0012】
以上のように金属の溶解、精錬用の電気炉においては、そのガス特性が影響して、DXN濃度を精度良く、かつ安定的に推定することが極めて困難であるため、前記の如きごみ焼却炉での制御システムをそのまま適用できないという課題がある。
【0013】
そこで、本発明は、電気炉の排ガス処理において、DXN濃度に応じて各設備を最適に運転し、集塵機出側でのDXN濃度が目標値以下となるように制御することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気炉の排ガス処理方法は、電気炉から発生する排ガスを直接吸引する直引系ルートと建屋内の雰囲気ガスを吸引する建屋系ルートを有し、この両ルートのガスを合流させて集塵機に導入し、合流後排ガス中に含まれるDXNをダストと共に集塵機にて除去する排ガスの処理方法において、(1)電気炉の操業時期別に、電気炉から直接吸引する直引排ガス中および建屋内雰囲気ガスを吸引する建屋排ガス中のDXN濃度を予測した結果、(2)直引排ガス、建屋排ガス、合流後排ガスの内、2種類以上のガスの温度と流量の測定結果、および(3)集塵機における温度とDXN除去率の関係によって集塵機出口のDXN濃度を演算して推定し、集塵機出口でのDXN濃度が目標値以下となるように合流後排ガスの流量を制御することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電気炉の排ガス処理装置は、電気炉から発生する排ガスを直接吸引する直引系ルートと建屋内の雰囲気ガスを吸引する建屋系ルートを有し、この両ルートのガスを合流させて集塵機に導入し、合流後排ガス中に含まれるダイオキシン類をダストと共に集塵機にて除去する排ガス処理装置において、(1)電気炉の操業時期別に、電気炉から直接吸引する直引排ガス中および建屋内雰囲気ガスを吸引する建屋排ガス中のDXN濃度を予測した結果、(2)直引排ガス、建屋排ガス、合流後排ガスの内、2種類以上のガスの温度と流量の測定結果、および(3)集塵機における温度とDXN除去率の関係によって集塵機出口のDXN濃度を演算して推定し、集塵機出口でのDXN濃度が目標値以下となるように合流後排ガスの流量を制御する制御装置を配設したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1において、電気炉1は建屋内(図示しない)に設置されている。電気炉1から直接ガスを吸吸する直引系ルート6において、電気炉1から吸引された排ガスはタクトを介してその後流側に設けられた燃焼塔2に導入される。導入される排ガス中には未燃焼のCOガスが含まれており、燃焼塔2にて完全に燃焼される。
【0017】
燃焼塔2を出た排ガスはダクトを通って冷却塔3に導入される。この冷却塔3では、冷却水や空気等の安価な冷却媒体を利用し、効率良く排ガスを200℃前後まで冷却する。排ガスの冷却温度を200℃前後とする理由は、この温度以下、例えば150℃を下回る温度まで冷却しようとすると、排ガスと冷却媒体間の熱交換の効率が著しく低下するために、大規模な冷却設備と多量の冷却媒体が必要となるからである。
【0018】
冷却塔3で冷却された排ガスは、その後流側に設けられた直引ファン4、直引ダンパー5(該ファン、ダンパーはいずれか一方しか設置しない場合もある)を介して建屋系ルート9へと送られる。
【0019】
電気炉1で直接吸引できずに漏れ出た排ガスは、建屋内の空気と一緒になり、雰囲気ガスとして建屋上部に設けられた建屋フード7によって捕集される。この建屋排ガスは建屋ダンパー8と建屋系ルート9として配設されているダクトを通って、前記直引系ルート6の直引排ガスと合流され、合流後の排ガスは集塵機10に導入される。
【0020】
集塵機10の後流側には排ガスを吸引するための主ファン11と排ガスを大気へ放散するための煙突12が設置されている。図1では、集塵機10が吸引タイプの例を示しているが、集塵機10を押し込みタイプとし、排ガスを吸引する主ファン11を建屋系ルート9と直引系ルート6の合流点と、集塵機10の間に設置しても良い。
【0021】
次に、図2を使って電気炉の操業と直引排ガスの流量、温度、DXN濃度の関係について説明する。ここで直引排ガスのみを取り上げて説明する理由は以下の3点である。第一は、直引排ガス中に含まれるDXNの濃度が建屋排ガスのそれに比べて数十倍高く、流量を乗じて計算される総量の面でも直引排ガス中のDXN量が全体の8〜9割程度を占め、重要であるという点である。第二は、集塵機でのDXN除去率に大きく影響する排ガス温度を比較すると、直引排ガスの温度が建屋排ガスのそれに比べて数倍高く、1ヒート内での温度変化も大きい点である。最後は、直引排ガスの流量は操業の各時期に発生する排ガス量こに応じて炉からの漏煙を極力防止するように変化されるものであって、DXNの濃度や量を制御するために増減されるものではなく、本発明の制御方法においても制御対象は直引排ガスの流量ではなく、建屋排ガスの流量であるという点である。
【0022】
電気炉の操業においては、材料である金属スクラップを電気炉に装入して溶解する段階と、溶解された金属を精錬する精錬段階がある。材料の電気炉への装入は数回に分けて実施されるのが一般的であり、装入された材料の溶解がある程度進んだ段階で追加の材料を装入して再度溶解するという作業が、所定量の溶融金属が得られるまで繰り返される。電気炉からの排ガスの直接吸引は、操業の各段階に応じて炉からの漏煙を極力防止するように制御されている。その概要を材料の装入および溶解という工程が2回繰り返される場合を例に取って説明する。 最初の材料装入(以下「初装」という。)時には炉内に溶融物がほとんど残っていないため、その材料の溶解段階(以下「溶解1期」という。)では炉内温度が低く、結果として吸引する排ガスの温度も低い。また、溶融物が少ないこと、および炉内温度が低いことから、材料中に含まれる炭素の燃焼反応も活発ではなく、発生ガス量も少ない。したがって、溶解1期の初期の吸引排ガス量が最少で、その温度も最低であり、材料の溶解が進行すると吸引排ガス量を増加させ、排ガス温度も上昇する。
【0023】
次に追加の材料装入(以下「第2装」という。)が行なわれ、その溶解(以下「溶解2期」という。)が始まる。第2装によって冷材が炉内に入り、炉内温度が下がるために発生ガス量は一時的に減少し、排ガス温度も低下する。しかし、溶解1期で生成した溶融物があるために炉内温度は直ぐに上昇し、発生ガス量が増加する。このために溶解2期では、初期から溶解1期後半より吸引排ガス量を多くし、排ガス温度も直ぐに高くなる。材料の溶解が完了すると操業は精錬段階(以下「精錬期」という。)へと移行される。
【0024】
精錬期には炉内に酸素、炭材が多量に吹き込まれるため、発生ガス量が最大となり、吸引排ガス量も最大にされる。また、この時期に排ガス温度もピークに達する。以上の排ガス流量の変化を示したものが図2(a)であり、排ガス温度の変化を示したものが図2(b)である。いずれの図も電気炉から吸引される直引排ガスが建屋排ガスと合流する直前の状態を示している。
【0025】
排ガス中のDXN濃度については、上記の本発明が解決しようとする課題の項で示したごとく、DXN濃度と相関関係の強い代替物質の濃度を測定して連続的にDXN濃度を推定しようとした場合、その精度および代替物質の安定的な測定という面で問題がある。しかし、前記の排ガス量や温度が電気炉の操業状態によって変化するのと同様、排ガス中のDXN濃変も変化していると考えられ、操業段階別の直引排ガス中のDXN濃度を複数の電気炉において実測、調査した結果、いずれの電気炉においても図2(c)の関係が認められた。すなわち、直引排ガス中のDXN濃度は溶解1期で最も高く、溶解2期では溶解1期を若干下回るレベルであり、精錬期は溶解1、2期に比べて、DXN濃度が数分の一から十分の一程度になる。
【0026】
本発明では、以上の電気炉の操業と直引排ガスの流量、温度、DXN濃度の関係を考慮して図3の制御フローによって排ガスの流量制御がなされる。図1の全体概略図と該制御フロでその制御方法を説明する。図1の排ガス制御装置13には該制御フローを実現するための機器およびソフトウエアが格納されている。排ガス制御装置13には3種類のデータが取り込まれる。
【0027】
第一には、排ガスの測定データであり、直引系ルート6に配設された直引排ガスの温度計15と流量計16、建屋系ルート9に配設された建屋排ガスの温度計17と流量計18、集塵機10の入側に配設された合流後排ガスの温度計19と流量計20の内、2種類以上のガスの温度と流量の測定結果である。
【0028】
第二には、電気炉の制御装置14から伝送される溶解1期、溶解2期、精錬期というような操業時期の信号である。第三のデータは入力データであり、本発明の排ガス制御方法を導入しようとする電気炉の過去DXN濃度の測定データである。これには2種類のデータ、すなわち1ヒートの平均データの場合と操業時期別のデータが考えられるが、DXN濃度の測定は費用がかさむために、前者のデータしか存在しないのが一般的である。
【0029】
操業時期別のDXN濃度のデータがある場合はそれを直引排ガスと建屋排ガス毎に、1ヒート平均のDXN濃度のデータしかない場合にはそれを操業時期別の直引排ガスと建屋排ガス毎に重み付け、すなわち配分する演算が行なわれる。該演算が、種々の電気炉におけるDXNに関わるデータを利用して構築された考え方に基づいていることは言うまでもない。
【0030】
また、電気炉の制御装置14からは現在の操業時期が何であるかという信号が伝送されてくるので、この信号と上記の配分がなされた操業時期別のDXN濃度のデータによって、現時点の直引排ガスと建屋排ガスのDXN濃度が決定される。一方、各排ガスのルートに設置されている温度計と流量計によって、例えば数十秒毎、一分毎というような一定の周期でガスの温度と流量の測定がなされ、この結果は排ガス制御装置13内の一時記憶装置に書き込まれる。これら測定値の内の流量データと、現時点の直引および建屋の両排ガスのDXN濃度から合流後排ガスのDXN濃度が予測される。
【0031】
排ガス制御装置13内の一時記憶装置に書き込まれた温度測定データは合流後排ガスの温度計算(合流後排ガスの温度を実測している場合は計算しない)に利用される。前記DXN濃度の予測値と該温度計算結果によって、排ガス制御装置13内に記憶された集塵機入側の排ガス温度と集塵機でのDXN除去率の関係(図4)を使って集塵機出側のDXN濃度が予測できることになる。こうして予測されたDXN濃度が予め設定されている集塵機出側の目標DXN濃度範囲に入っていれば、現在の風量バランスが維持され、逆に目標DXN濃度範囲を外れた場合には建屋排ガスの増減すべき流量が演算される。演算された流量は前記の一時記憶装置に送られて、既に記憶されている流量データが書き換えられると共に、合流後排ガスの流量と温度が計算される。これらのデータを基に、再度合流後排ガスのDXN濃度、集塵機でのDXN除去率、集塵機出側のDXN濃度が各々計算され、目標DXN濃度との比較がなされる。このループ計算は瞬時に行われ、風量バランス、すなわち各ファンの回転数や各ダンパーの開度が決定され、排ガス制御装置13から各機器への指示信号が出される。
【0032】
表1は特許文献2に開示されている合流後排ガスの温度を70℃以下とする従来の制御方法と本発明の制御方法における、排ガス流量、排ガス温度、および排ガス中DXN濃度の比較結果例である。
【0033】
【表1】
Figure 2004174388
本発明の制御方法における集塵機出側の目標DXN濃度範囲は、現在新設の電気炉に対して課せられている規制値である0.5ng−TEQ/Nm以下を基に0.46〜0.48ng−TEQ/Nm、従来の制御方法における集塵機入側の排ガス温度制御範囲は、常に70℃以下になるようにすべく66〜68℃とし、いずれも上限値から5〜10%低いレベルで設定されている。
【0034】
従来の制御方法においては、操業時期別の直引排ガス中、および建屋排ガス中のDXN濃度を予測せず、合流後排ガスの温度が制御される。本例では常時68℃に制御されており、集塵機でのDXNの除去率はほぼ一定となるが、合流後排ガス中のDXN濃度が操業期毎に大きく変化するため、集塵機出側のDXN濃度も0.1ng−TEQ/Nm以下から1ng−TEQ/Nm以上まで大きくばらつく。すなわち、直引排ガス中DXN濃度が高く、その温度が低い溶解1期、逆に直引排ガス中DXN濃度が低く、その温度が高い精錬期のいずれの時期においても、合流後排ガスの温度を70℃以下にしようとするために、溶解1期では集塵機出側のDXN濃度が1ng−TEQ/Nmを超えてしまい、精錬期では必要以上に建屋排ガスを吸引して全体風量が著しく大きくなってしまう。本例では集塵機出側のDXN濃度の1ヒート平均値が0.45ng−TEQ/Nmと新設の電気炉に対する規制値以下になっているが、1ヒート合計の排ガス量は、本発明の制御方法に比べて10%程度多くなってしまい、この排ガス量の多さが要因となって、DXNの総排出量も多くなってしまっている。一方、本発明の制御方法では、操業時期別の直引排ガス中、および建屋排ガス中のDXN濃度を予測し、且つ排ガス流量と温度を測定して建屋排ガスの流量、すなわち合流後排ガスの流量を制御し、集塵機出側のDXN濃度が常に目標範囲に入るようにするため、各期共DXN濃度がほぼ一定となる。すなわち、合流後排ガスの温度が高くなり、集塵機でのDXN除去率が低下する可能性があっても、電気炉の操業期別に当該時期のDXN濃度を的確に予測して、その結果を制御に利用する本発明の方法では、合流後排ガスの温度を不必要に下げないために全体風量を増加することがない。したがって、本発明の制御方法を採用すれば、集塵機や主ファンの容量を小さくすることができ、当然のことながらファンの動力も削減することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の制御方法とそれを具現化する制御装置によれば、集塵機出側の目標DXN濃度、換言すれば規制値を十分に満足しつつ、コンパクトで安価な集塵システムを提供できると共に、動力(エネルギー)とそのコストも削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る全体概略図である。
【図2】電気炉の操業段階と直引排ガスの特性を示し、(a)直引排ガス量、(b)直引排ガス温度、(c)直引排ガス中DXN濃度である。
【図3】本発明の制御フロー図である。
【図4】集塵機入側の排ガス温度とDXN除去率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1.電気炉
2.燃焼塔
3.冷却塔
4.直引ファン
5.直引ダンパ
6.直引系ルート
7.建屋フード
8.建屋ダンパ
9.建屋系ルート
10.集塵機
11.主ファン
12.煙突
13.排ガス制御装置
14.電気炉制御装置
15.直引排ガスの温度計
16.直引排ガスの流量計
17.建屋排ガスの温度計
18.建屋排ガスの流量計
19.合流後排ガスの温度計
20.合流後排ガスの流量計

Claims (2)

  1. 電気炉から発生する排ガスを直接吸引する直引系ルートと建屋内の雰囲気ガスを吸引する建屋系ルートを有し、この両ルートのガスを合流させて集塵機に導入し、合流後排ガス中に含まれるダイオキシン類(以下DXNという)をダストと共に集塵機にて除去する排ガスの処理方法において、(1)電気炉の操業時期別に、電気炉から直接吸引する直引排ガス中および建屋内雰囲気ガスを吸引する建屋排ガス中のDXN濃度を予測した結果、(2)直引排ガス、建屋排ガス、合流後排ガスの内、2種類以上のガスの温度と流量の測定結果、および(3)集塵機における温度とDXN除去率の関係によって集塵機出口のDXN濃度を演算して推定し、集塵機出口でのDXN濃度が目標値以下となるように合流後排ガスの流量を制御することを特徴とする電気炉の排ガス処理方法。
  2. 電気炉から発生する排ガスを直接吸引する直引系ルートと建屋内の雰囲気ガスを吸引する建屋系ルートを有し、この両ルートのガスを合流させて集塵機に導入し、合流後排ガス中に含まれるダイオキシン類をダストと共に集塵機にて除去する排ガス処理装置において、(1)電気炉の操業時期別に、電気炉から直接吸引する直引排ガス中および建屋内雰囲気ガスを吸引する建屋排ガス中のDXN濃度を予測した結果、(2)直引排ガス、建屋排ガス、台流後排ガスの内、2種類以上のガスの温度と流量の測定結果、および(3)集塵機における温度とDXN除去率の関係によって集塵機出口のDXN濃度を演算して推定し、集塵機出口でのDXN濃度が目標値以下となるように合流後排ガスの流量を制御する制御装置を配設したことを特徴とする電気炉の排ガス処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103575104A (zh) * 2012-08-10 2014-02-12 安阳市岷山有色金属有限责任公司 一种还原炉管道改进装置

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