JP2004173827A - 本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システム - Google Patents

本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システム Download PDF

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貴幸 近藤
Kazuhiko Amano
和彦 天野
Mitsutoshi Miyasaka
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Abstract

【課題】本人照合精度が高く、小型・薄型化が実現可能な光学式センサを提供する。
【解決手段】基板11上に発光素子51と、操作者を介して発光素子51の照射光を検出する光学式撮像素子40とが設けられる。光学式撮像素子40は、製造基板上に分離層を介して形成され、且つ分離層に光が照射されることで製造基板から剥離して基板11に接合されてなる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本人照合のために、指紋検出センサを用いる技術が提案されている。特許文献1には抵抗感知型指紋検出センサが、特許文献2には光電式指紋検出センサが、特許文献3には圧電式指紋検出センサが、特許文献4には静電容量式指紋検出センサがそれぞれ開示されている。
【0003】
しかし、本人照合を指紋だけに頼ると、その本人が生存していない場合にも指紋を採取できるので、犯罪に悪用される懸念がある。そこで、特許文献5には、読み取りローラ上を走査される指の指紋を光学的に読み取ると共に、その近傍に設けた脈拍センサにより脈拍を検出する技術が開示されている。また、特許文献6には、圧力センサを用いて脈拍をモニターする技術や赤外線センサで生体から放出される熱(体温)をモニターする技術が開示されており、特許文献7には血液の酸素濃度や脈拍等の血液情報を光学的に検出する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−6791号公報
【特許文献2】
特開平4−271477号公報
【特許文献3】
特開平5−61965号公報
【特許文献4】
特開平11−118415号公報
【特許文献5】
特開2001−184490号公報
【特許文献6】
特開平6−187430号公報
【特許文献7】
特開平7−308308号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
上記特許文献で開示されている光学式センサには、ローラやプリズムが用いられているため、例えば携帯用カード等にセンサ機能を搭載させるための小型・薄型化を実現することが困難である。また、指紋照合以外の本人照合手段として、脈拍を検出する場合、脈拍はパルスであるので偽造がた易いという問題があった。さらに、上記の技術では指紋検出センサに加えて、脈拍や酸素濃度等の血液情報を検出するセンサを別途設ける必要があるため、装置の大型化、高価格化を招くという問題もあった。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、小型・薄型化が実現可能な本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムを提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、さらに本人照合精度が高い本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の本人照合装置は、基板上に発光素子と、操作者を介して前記発光素子の照射光を検出する光学式撮像素子とが設けられ、前記光学式撮像素子は、製造基板上に分離層を介して形成され、且つ前記分離層に光が照射されることで前記製造基板から剥離して前記基板に接合されてなることを特徴とするものである。
【0008】
従って、本発明では、製造における信頼性が高い製造基板上に、例えば、光を吸収する特性をもつ分離層を設けておき、その製造基板上にTFT等を有する光学式撮像素子を形成する。次に、特に限定されないが、例えば接着層を介して光学式撮像素子を所望の転写体に接合し、その後に分離層に光を照射し、これによって、その分離層において剥離現象を生じせしめて、その分離層と前記製造基板との間の密着性を低下させて、光学式撮像素子を製造基板から離脱させる。これにより、小型・薄型の基板等、どのような転写体にでも、所望の、信頼性の高い光学式撮像素子を転写(形成)できることになる。この本人照合装置では、光学式撮像素子に操作者が指を載せた状態で発光素子を発光させることで、操作者を介した照射光、例えば指内部で散乱した光を光学式撮像素子で受光し、操作者の指紋を撮像することができる。
【0009】
光学式撮像素子としては、CMOS構造素子または電荷結合素子であることが好ましい。また、光としてはレーザー光を採用できる。レーザー光はコヒーレント光であり、分離層内において剥離(アブレーション)を生じさせるのに適する。
【0010】
また、本発明の本人照合装置は、基板上に発光素子と、操作者を介して前記発光素子の照射光を検出する光学式撮像素子とが設けられ、前記発光素子は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記基板に接合された半導体素子からなることを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明では、半導体素子を微小タイル形状に切り離し、フィルムにマウントしてハンドリングできるので、ハンドリングできる半導体素子のサイズを従来の実装技術のものより小さくすることが可能になり、小型且つ薄型の本人照合装置を得ることができる。発光素子としては、化合物半導体デバイスであって、面発光レーザ及び発光ダイオードの少なくとも一つを有することが好ましい。
【0012】
また、本発明では、光学式撮像素子の検出結果に基づいて、前記操作者の脈波情報を検出する脈波検出装置を有することが好ましい。これにより、本発明では光学式撮像素子を用いて操作者の指紋を検出できることに加えて、操作者の脈波も検出することが可能になる。脈波の形状は生存する人間固有のものであり、脈波から抽出される指標もまた、生存する人間固有のものである。この点、脈波自体でなく、その一成分である例えば脈拍等のパルスを直接検出しようとした場合、そのようなパルスは人為的に生成可能である。一方、脈波の波形を偽造することは極めて困難であり、かつ、その脈波中のいずれかの指標をも偽造することは不可能に近い。よって、本発明の一態様によれば、本人照合精度が極めて向上し、本人照合結果の信頼性が向上する。なお、脈波としては、光学式撮像素子の受光量の時間変化に基づいて検出することが可能である。
【0013】
また、基板としては、可撓性を有するシート材を採用することができる。この場合、携帯用カード等、薄型で柔軟性を要するカードに対しても本人照合装置を組み込むことが可能になる。
【0014】
一方、本発明のカード型情報記録媒体は、上記の本人照合装置を有することを特徴としている。従って、本発明では本人照合精度が高く、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を得ることができる。
【0015】
また、本発明の情報処理システムは、上記のカード型情報記録媒体と、前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴としている。従って、本発明では、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を用いた本人照合精度の高い情報処理システムを構築することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムの実施の形態を、図1ないし図44を参照して説明する。ここでは、本発明を、本人照合装置を内蔵したカード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに適用した例を用いて説明する。
【0017】
(カード型情報記録媒体)
例えば集積回路(IC)を含むICカードとして、メモリカード、I/O(入出力回路)カード、ISO準拠のカードなどが知られている。本実施形態は、これらのクレジットカード、キャッシュカード等として用いられる各種カードに本人照合装置を内蔵させたものである。
【0018】
一例として、本実施形態のカード型情報記録媒体の例を、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示す。図1(A)に示すカードは基板10上にメモリ12を有し、図1(B)に示すカードはメモリ12に加えさらにCPU14を有し、図1(C)に示すカードはメモリ12及びCPU14に加えさらにI/O16を有する。図2(A)に示すカードは図1(C)に示すカードに表示部20及び表示駆動部22をさらに加えたものである。図2(B)に示すカードは図2(A)に示すカードにさらに電源例えば太陽電池24を付加したものである。この他、カードに内蔵される構成は種々変形でき、例えば図2(B)以外のカードにも電源例えば太陽電池24を内蔵させても良い。ここで、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示すいずれのカードにも本人照合装置30が内蔵されている。
【0019】
(情報処理システム)
図3は、カード型情報記録媒体1100と情報処理装置150とから構成される情報処理システムを示している。本実施形態のカード型情報記録媒体1100のセンシング領域に、カード所有者が指を触れると、カード型情報記録媒体1100がカード所有者の指紋と脈波とを検出し、本人照合装置30にて本人照合が実施される。この照合動作は、カード型情報記録媒体1100が電源を内蔵していれば、情報処理装置150から電力の供給を受けずに実施できる。カード型情報記録媒体1100が電源を内蔵していなければ、情報処理装置150の給電部132から電力の供給を受けて実施できる。
【0020】
情報処理装置150は、カード型情報記録媒体1100にてカード所有者が登録された本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体1100から、本人照合に用いた情報以外の各種情報を読み取って処理する。カード型情報記録媒体1100からの認証結果の出力形態として、カード型情報記録媒体1100が表示部20(図2(A)(B)参照)を有するのであれば、その表示部20に「カード使用可能」などの使用許可情報を表示すればよい。情報処理装置150を操作するオペレータは、その表示を確認した後に情報処理を開始できる。あるいは、カード型情報記録媒体1100にて本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体1100からパスワード等が出力されて、情報処理装置150に入力されるようにしても良い。こうすると、オペレータを介在させずに情報処理装置150での処理が開始される。情報処理装置150は、カード発行会社のホスト機器1120の端末機器として機能し、カード型情報記録媒体1100からのパスワードを、ホスト機器1120からの情報に基づいて照合する機能を有するものでも良い。
【0021】
いずれの場合も、カード型情報記録媒体1100は真正なる本人以外は使用不能のとなるので、カードの紛失、盗難があっても、カードの盗用が防止される。しかも、指紋、脈波などの個人情報は、カード型情報記録媒体1100から外部に読み出されることがないので、個人情報の流出も防止できる。
【0022】
図4は、カード型情報記録媒体1100に内蔵される本人照合装置30のブロック図である。図4において、この本人照合装置30には、カード所有者の固有情報及び脈波を検出するためのイメージセンサ(光学式撮像素子)40が設けられている。このセンサ40の詳細については後述する。イメージセンサ40にカード所有者の指が接触されたことを感知して、本人照合装置30を起動させる起動スイッチ42を設けることもできる。特に、カード型情報記録媒体1100が電源を内蔵している場合には、起動スイッチ42を設ける意義がある。また、本人照合装置30には、イメージセンサ40にて検出された信号を処理して脈波を検出するとともに、少なくとも一つの指標を抽出する指標抽出部(脈波検出装置)60が設けられている。
【0023】
イメージセンサ40からの指紋情報と、指標抽出部60からの抽出情報とは、照合部70に入力される。この照合部70は、比較情報記憶部80に記憶された比較情報と検出情報とを照合するものである。比較情報記憶部80は、イメージセンサ40からの指紋情報と比較される第1の比較情報が記憶される第1の比較情報記憶部82と、指標抽出部60からの指標と比較されると第2の比較情報が記憶される第2の比較情報記憶部84とを有する。また、照合部70からの照合結果に基づいて、カード所有者が真正であるからカードの使用を許可する信号、例えばパスワードを出力するパスワード出力部90が設けられている。なお、照合部70からの信号は、カード型情報記録媒体1100のCPU14にも入力され、例えば図2(A)(B)に示す表示部20にカードの使用を許可する旨の表示、例えば「カード使用可能」などのメッセージの表示、あるいはその旨の点灯または点滅表示などを制御する。
【0024】
次に、本人照合装置30を構成するイメージセンサ40について説明する。図5に、イメージセンサ40の構造例を示す。この図に示す本人照合装置30は、シート状基板としてのプラスチックシート11の一方の面(裏面)に光学式のイメージセンサ40と、イメージセンサ40を挟んだ両側に配置された発光素子51、51とが設けられた構成となっている。なお、図5では発光素子51を2個図示しているが、実際にはイメージセンサ40の周囲に3個以上配置してもよい。この場合も、イメージセンサ40を挟んだ両側に発光素子を配置することで、操作者の指を均一に照射することができる。
【0025】
プラスチックシート11は、可撓性を有するとともに、後述する発光素子51の発光波長に対して透過性を有しており、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリエステル(PET)、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、塩化ビニール、ナイロン、スチレン系樹脂、アセタール樹脂、メチルペンテン樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂等で形成されている。なお、シート状基板としては、上記プラスチックに限られず、ガラスやSi等で形成してもよい。
【0026】
(イメージセンサ)
イメージセンサ40としては、一つのセンサセルが一画素(画像を構成する最小単位)に相当するものが、例えば数百万個の2次元マトリクス状に配置され、各画素が一組のフォトダイオードとTFT(Thin Film Transistor)スイッチで構成されるものを用いることができる。また、イメージセンサ40の構造としては、CMOS構造やCCD構造(電荷結合素子)を採用できる。
【0027】
(製造工程)
本実施形態のカード型情報記録媒体1100は、上述のイメージセンサ40が、柔軟性のあるプラスチックシート11上に形成されるが、薄膜のイメージセンサ40を直接にプラスチックシート11上に形成することは困難である。そこで、イメージセンサ40は、転写法によりプラスチックシート11上に接合される。以下、図6乃至図11を参照してその工程について詳述する。
【0028】
[工程1]
図6に示すように、製造基板としての基板100上に分離層(光吸収層)120を形成する。以下、基板100および分離層120について説明する。
基板100については、光が透過し得る透光性を有するものであるのが好ましい。この場合、光の透過率は10%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましい。この透過率が低過ぎると、光の減衰(ロス)が大きくなり、分離層120を剥離するのにより大きな光量を必要とする。
【0029】
また、基板100は、信頼性の高い材料で構成されているのが好ましく、特に、耐熱性に優れた材料で構成されているのが好ましい。その理由は、例えば後述する被転写層140や中間層142を形成する際に、その種類や形成方法によってはプロセス温度が高くなる(例えば350〜1000℃程度)ことがあるが、その場合でも、基板100が耐熱性に優れていれば、基板100上への被転写層140等の形成に際し、その温度条件等の成膜条件の設定の幅が広がるからである。従って、基板100は、被転写層140の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、歪点がTmax以上の材料で構成されているのものが好ましい。具体的には、基板100の構成材料は、歪点が350℃以上のものが好ましく、500℃以上のものがより好ましい。このようなものとしては、例えば、石英ガラス、コーニング7059が挙げられる。
【0030】
また、基板100の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.1〜5.0mm程度であるのが好ましく、0.5〜1.5mm程度であるのがより好ましい。基板100の厚さが薄すぎると強度の低下を招き、厚すぎると、基板100の透過率が低い場合に、光の減衰を生じ易くなる。なお、基板100の光の透過率が高い場合には、その厚さは、前記上限値を超えるものであってもよい。なお、光を均一に照射できるように、基板100の厚さは、均一であるのが好ましい。
【0031】
分離層120は、照射される光を吸収し、その層内および/または界面において剥離(以下、「層内剥離」、「界面剥離」と言う)を生じるような性質を有するものであり、好ましくは、光の照射により、分離層120を構成する物質の原子間または分子間の結合力が消失または減少すること、すなわち、アブレーションが生じて層内剥離および/または界面剥離に至るものがよい。さらに、光の照射により、分離層120から気体が放出され、分離効果が発現される場合もある。すなわち、分離層120に含有されていた成分が気体となって放出される場合と、分離層120が光を吸収して一瞬気体になり、その蒸気が放出され、分離に寄与する場合とがある。このような分離層120の組成としては、例えば、次のA〜Eに記載されるものが挙げられる。
【0032】
A.アモルファスシリコン(a−Si)
このアモルファスシリコン中には、水素(H)が含有されていてもよい。この場合、Hの含有量は、2原子%以上程度であるのが好ましく、2〜20原子%程度であるのがより好ましい。このように、水素(H)が所定量含有されていると、光の照射によって水素が放出され、分離層120に内圧が発生し、それが上下の薄膜を剥離する力となる。アモルファスシリコン中の水素(H)の含有量は、成膜条件、例えばCVDにおけるガス組成、ガス圧、ガス雰囲気、ガス流量、温度、基板温度、投入パワー等の条件を適宜設定することにより調整することができる。
【0033】
B.酸化ケイ素又はケイ酸化合物、酸化チタンまたはチタン酸化合物、酸化ジルコニウムまたはジルコン酸化合物、酸化ランタンまたはランタン酸化化合物等の各種酸化物セラミックス、透電体(強誘電体)あるいは半導体酸化ケイ素としては、SiO、SiO、Siが挙げられ、ケイ酸化合物としては、例えばKSiO、LiSiO、CaSiO、ZrSiO、NaSiOが挙げられる。酸化チタンとしては、TiO、Ti、TiOが挙げられ、チタン酸化合物としては、例えば、BaTiO、BaTiO、BaTi20、BaTi11、CaTiO、SrTiO、PbTiO、MgTiO、ZrTiO、SnTiO、AlTiO、FeTiOが挙げられる。酸化ジルコニウムとしては、ZrOが挙げられ、ジルコン酸化合物としては、例えばBaZrO、ZrSiO、PbZrO、MgZrO、KZrOが挙げられる。
【0034】
C.PZT、PLZT、PLLZT、PBZT等のセラミックスあるいは誘電体(強誘電体)
D.窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックス
E.有機高分子材料有機高分子材料としては、−CH−、−CO−(ケトン)、−CONH−(アミド)、−NH−(イミド)、−COO−(エステル)、−N=N−(アゾ)、ーCH=N−(シフ)等の結合(光の照射によりこれらの結合が切断される)を有するもの、特に、これらの結合を多く有するものであればいかなるものでもよい。また、有機高分子材料は、構成式中に芳香族炭化水素(1または2以上のベンゼン環またはその縮合環)を有するものであってもよい。
【0035】
このような有機高分子材料の具体例としては、ポリエチレン,ポリプロピレンのようなポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリエステル,ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリエーテルスルホン(PES),エポキシ樹脂等があげられる。
F.金属としては、例えば、Al,Li,Ti,Mn,In,Sn,Y,La,Ce,Nd,Pr,Gd,Smまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金が挙げられる。
【0036】
また、分離層120の厚さは、剥離目的や分離層120の組成、層構成、形成方法等の諸条件により異なるが、通常は、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、40nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。分離層120の膜厚が小さすぎると、成膜の均一性が損なわれ、剥離にムラが生じることがあり、また、膜厚が厚すぎると、分離層120の良好な剥離性を確保するために、光のパワー(光量)を大きくする必要があるとともに、後に分離層120を除去する際に、その作業に時間がかかる。なお、分離層120の膜厚は、できるだけ均一であるのが好ましい。
【0037】
分離層120の形成方法は、特に限定されず、膜組成や膜厚等の諸条件に応じて適宜選択される。たとえば、CVD(MOCVD、低圧CVD、ECR−CVDを含む)、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング、イオンプレーティング、PVD等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等が挙げられ、これらのうちの2以上を組み合わせて形成することもできる。
【0038】
例えば、分離層120の組成がアモルファスシリコン(a−Si)の場合には、CVD、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、分離層120をゾルーゲル法によるセラミックスで構成する場合や、有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特に、スピンコートにより成膜するのが好ましい。
【0039】
[工程2]
次に、図7に示すように、分離層120上に、被転写層(薄膜デバイス層)140を形成する。
この薄膜デバイス層140のK部分(図7において1点線鎖線で囲んで示される部分)の拡大断面図を、図7の右側に示す。図示されるように、薄膜デバイス層140は、例えば、SiO膜(中間層)142上に形成されたTFT(薄膜トランジスタ)を含んで構成され、このTFTは、ポリシリコン層にn型不純物を導入して形成されたソース,ドレイン層146と、チャネル層144と、ゲート絶縁膜148と、ゲート電極150と、層間絶縁膜154と、例えばアルミニュウムからなる電極152とを具備する。
【0040】
本実施の形態では、分離層120に接して設けられる中間層としてSiO膜を使用しているが、Siなどのその他の絶縁膜を使用することもできる。SiO膜(中間層)の厚みは、その形成目的や発揮し得る機能の程度に応じて適宜決定されるが、通常は、10nm〜5μm程度であるのが好ましく、40nm〜1μm程度であるのがより好ましい。中間層は、種々の目的で形成され、例えば、被転写層140を物理的または化学的に保護する保護層,絶縁層,導電層,レーザー光の遮光層,マイグレーション防止用のバリア層,反射層としての機能の内の少なくとも1つを発揮するものが挙げられる。なお、場合によっては、SiO膜等の中間層を形成せず、分離層120上に直接被転写層(薄膜デバイス層)140を形成してもよい。
【0041】
被転写層140(薄膜デバイス層)は、図7の右側に示されるようなTFT等の薄膜素子を含む層である。薄膜素子としては、TFTの他に、例えば、薄膜ダイオードや、シリコンのPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)やシリコン抵抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、電極(例:ITO、メサ膜のような透明電極)、スイッチング素子、メモリー、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクター、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、ダイクロイックミラー等がある。このような薄膜素子(薄膜デバイス)は、その形成方法との関係で、通常、比較的高いプロセス温度を経て形成される。したがって、この場合、前述したように、基板100としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高いものが必要となる。
【0042】
[工程3]
次に、図8に示すように、薄膜デバイス層140を、接着層160を介して転写体180に接合(接着)する。接着層160を構成する接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種硬化型接着剤が挙げられる。接着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このような接着層160の形成は、例えば、塗布法によりなされる。前記硬化型接着剤を用いる場合、例えば被転写層(薄膜デバイス層)140上に硬化型接着剤を塗布し、その上に転写体180を接合した後、硬化型接着剤の特性に応じた硬化方法により前記硬化型接着剤を硬化させて、被転写層(薄膜デバイス層)140と転写体180とを接着し、固定する。接着剤が光硬化型の場合、光透過性の基板100または光透過性の転写体180の一方の外側から(あるいは光透過性の基板及び転写体の両外側から)光を照射する。接着剤としては、薄膜デバイス層に影響を与えにくい紫外線硬化型などの光硬化型接着剤が好ましい。なお、図示と異なり、転写体180側に接着層160を形成し、その上に被転写層(薄膜デバイス層)140を接着してもよい。なお、例えば転写体180自体が接着機能を有する場合等には、接着層160の形成を省略してもよい。
【0043】
転写体180としては、特に限定されないが、基板(板材)、特に透明基板が挙げられる。なお、このような基板は平板であっても、湾曲板であってもよい。また、転写体180は、前記基板100に比べ、耐熱性、耐食性等の特性が劣るものであってもよい。その理由は、本発明では、基板100側に被転写層(薄膜デバイス層)140を形成し、その後、被転写層(薄膜デバイス層)140を転写体180に転写するため、転写体180に要求される特性、特に耐熱性は、被転写層(薄膜デバイス層)140の形成の際の温度条件等に依存しないからである。
【0044】
したがって、被転写層140の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、転写体0の構成材料として、ガラス転移点(Tg)または軟化点がTmax以下のものを用いることができる。例えば、転写体180は、ガラス転移点(Tg)または軟化点が好ましくは800℃以下、より好ましくは500℃以下、さらに好ましくは320℃以下の材料で構成することができる。また、転写体180の機械的特性としては、ある程度の剛性(強度)を有するものが好ましいが、可撓性、弾性を有するものであってもよい。このような転写体180の構成材料としては、各種合成樹脂または各種ガラス材が挙げられ、特に、各種合成樹脂や通常の(低融点の)安価なガラス材が好ましい。
【0045】
合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プレピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、プリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0046】
ガラス材としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。このうち、ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスに比べて融点が低く、また、成形、加工も比較的容易であり、しかも安価であり、好ましい。
【0047】
転写体180として合成樹脂で構成されたものを用いる場合には、大型の転写体180を一体的に成形することができるとともに、湾曲面や凹凸を有するもの等の複雑な形状であっても容易に製造することができ、また、材料コスト、製造コストも安価であるという種々の利点が享受できる。したがって、合成樹脂の使用は、大型で安価なデバイス(例えば、液晶ディスプレイ)を製造する上で有利である。なお、転写体180は、例えば、液晶セルのように、それ自体独立したデバイスを構成するものや、例えばカラーフィルター、電極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイスの一部を構成するものであってもよい。さらに、転写体180は、金属、セラミックス、石材、木材紙等の物質であってもよいし、ある品物を構成する任意の面上(時計の面上、エアコンの表面上、プリント基板の上等)、さらには壁、柱、天井、窓ガラス等の構造物の表面上であってもよい。
【0048】
[工程4]
次に、図4に示すように、基板100の裏面側から光を照射する。
この光は、基板100を透過した後に分離層120に照射される。これにより、分離層120に層内剥離および/または界面剥離が生じ、結合力が減少または消滅する。分離層120の層内剥離および/または界面剥離が生じる原理は、分離層120の構成材料にアブレーションが生じること、また、分離層120に含まれているガスの放出、さらには照射直後に生じる溶融、蒸散等の相変化によるものであることが推定される。
【0049】
ここで、アブレーションとは、照射光を吸収した固定材料(分離層120の構成材料)が光化学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分子の結合が切断されて放出することをいい、主に、分離層120の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散(気化)等の相変化を生じる現象として現れる。また、前記相変化によって微小な発砲状態となり、結合力が低下することもある。分離層120が層内剥離を生じるか、界面剥離を生じるか、またはその両方であるかは、分離層120の組成や、その他種々の要因に左右され、その要因の1つとして、照射される光の種類、波長、強度、到達深さ等の条件が挙げられる。
【0050】
照射する光としては、分離層120に層内剥離および/または界面剥離を起こさせるものであればいかなるものでもよく、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α線、β線、γ線)等が挙げられる。そのなかでも、分離層120の剥離(アブレーション)を生じさせ易いという点で、レーザ光が好ましい。このレーザ光を発生させるレーザ装置としては、各種気体レーザ、固体レーザ(半導体レーザ)等が挙げられるが、エキシマレーザ、Nd−YAGレーザ、Arレーザ、COレーザ、COレーザ、He−Neレーザ等が好適に用いられ、その中でもエキシマレーザが特に好ましい。
【0051】
エキシマレーザは、短波長域で高エネルギーを出力するため、極めて短時間で分離層2にアブレーションを生じさせることができ、よって隣接する転写体180や基板100等に温度上昇をほとんど生じさせることなく、すなわち劣化、損傷を生じさせることなく、分離層120を剥離することができる。また、分離層120にアブレーションを生じさせるに際して、光の波長依存性がある場合、照射されるレーザ光の波長は、100nm〜350nm程度であるのが好ましい。
【0052】
図12に、基板100の、光の波長に対する透過率の一例を示す。図示されるように、300nmの波長に対して透過率が急峻に増大する特性をもつ。このような場合には、300nm以上の波長の光(例えば、波長308nmのXe−Clエキシマレーザー光)を照射する。また、分離層120に、例えばガス放出、気化、昇華等の相変化を起こさせて分離特性を与える場合、照射されるレーザ光の波長は、350から1200nm程度であるのが好ましい。また、照射されるレーザ光のエネルギー密度、特に、エキシマレーザの場合のエネルギー密度は、10〜5000mJ/cm程度とするのが好ましく、100〜500mJ/cm程度とするのがより好ましい。また、照射時間は、1〜1000nsec程度とするのが好ましく、10〜100nsec程度とするのがより好ましい。エネルギー密度が低いかまたは照射時間が短いと、十分なアブレーション等が生じず、また、エネルギー密度が高いかまたは照射時間が長いと、分離層120を透過した照射光により被転写層140に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0053】
なお、分離層120を透過した照射光が被転写層140にまで達して悪影響を及ぼす場合の対策としては、例えば、分離層(レーザー吸収層)120上にタンタル(Ta)等の金属膜を形成する方法がある。これにより、分離層120を透過したレーザー光は、金属膜の界面で完全に反射され、それよりの上の薄膜素子に悪影響を与えない。
【0054】
レーザ光に代表される照射光は、その強度が均一となるように照射されるのが好ましい。照射光の照射方向は、分離層120に対し垂直な方向に限らず、分離層120に対し所定角度傾斜した方向であってもよい。また、分離層120の面積が照射光の1回の照射面積より大きい場合には、分離層120の全領域に対し、複数回に分けて照射光を照射することもできる。また、同一箇所に2回以上照射してもよい。また、異なる種類、異なる波長(波長域)の照射光(レーザ光)を同一領域または異なる領域に2回以上照射してもよい。
【0055】
次に、図10に示すように、基板100に力を加えて、この基板100を分離層120から離脱させる。図10では図示されないが、この離脱後、基板100上に分離層が付着することもある。次に、図11に示すように、残存している分離層120を、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法またはこれらを組み合わせた方法により除去する。これにより、被転写層(薄膜デバイス層)140が、転写体180に転写されたことになる。なお、離脱した基板100にも分離層の一部が付着している場合には同様に除去する。なお、基板100が石英ガラスのような高価な材料、希少な材料で構成されている場合等には、基板100は、好ましくは再利用(リサイクル)に供される。すなわち、再利用したい基板100に対し、本発明を適用することができ、有用性が高い。
【0056】
以上のような各工程を経て、被転写層(薄膜デバイス層)140の転写体180への転写が完了する。その後、被転写層(薄膜デバイス層)140に隣接するSiO膜の除去や、被転写層140上への配線等の導電層や所望の保護膜の形成等を行うこともできる。本実施の形態では、被剥離物である被転写層(薄膜デバイス層)140自体を直接に剥離するのではなく、被転写層(薄膜デバイス層)140に接合された分離層において剥離するため、被剥離物(被転写層140)の特性、条件等にかかわらず、容易かつ確実に、しかも均一に剥離(転写)することができ、剥離操作に伴う被剥離物(被転写層140)へのダメージもなく、被転写層140の高い信頼性を維持することができる。
【0057】
続いて、基板上にCMOS構造のTFTを形成し、これを転写体に転写する場合の具体的な製造プロセスの例を図13〜図23を用いて説明する。
(工程1)図13に示すように、基板(例えば石英基板)100上に、分離層(例えば、LPCVD法により形成されたアモルファスシリコン層))120と、中間層(例えば、SiO膜)142と、アモルファスシリコン層(例えばLPCVD法により形成される)143とを順次に積層形成し、続いて、アモルファスシリコン層143の全面に上方からレーザー光を照射し、アニールを施す。これにより、アモルファスシリコン層143は再結晶化してポリシリコン層となる。
【0058】
(工程2)続いて、図14に示すように、レーザーアニールにより得られたポリシリコン層をパターニングして、アイランド144a,144bを形成する。
(工程3)図15に示されるように、アイランド144a,144bを覆うゲート絶縁膜148a,148bを、例えば、CVD法により形成する。
(工程4)図16に示されるように、ポリシリコンあるいはメタル等からなるゲート電極150a,150bを形成する。
(工程5)図17に示すように、ポリイミド等からなるマスク層170を形成し、ゲート電極150bおよびマスク層170をマスクとして用い、セルフアラインで、例えばボロン(B)のイオン注入を行う。これによって、p+層172a,172bが形成される。
【0059】
(工程6) 図18に示すように、ポリイミド等からなるマスク層174を形成し、ゲート電極150aおよびマスク層174をマスクとして用い、セルフアラインで、例えばリン(P)のイオン注入を行う。これによって、n+層146a,146bが形成される。
(工程7) 図19に示すように、層間絶縁膜154を形成し、選択的にコンタクトホール形成後、電極152a〜152dを形成する。このようにして形成されたCMOS構造のTFTが、図7〜図11における被転写層(薄膜デバイス層)140に該当する。なお、層間絶縁膜154上に保護膜を形成してもよい。
【0060】
(工程8)図20に示すように、CMOS構成のTFT上に接着層としてのエポキシ樹脂層160を形成し、次に、そのエポキシ樹脂層160を介して、TFTを転写体(例えば、ソーダガラス基板)180に貼り付ける。続いて、熱を加えてエポキシ樹脂を硬化させ、転写体180とTFTとを接着(接合)する。なお、接着層160は紫外線硬化型接着剤であるフォトポリマー樹脂でもよい。この場合は、熱ではなく転写体180側から紫外線を照射してポリマーを硬化させる。
【0061】
(工程9)図21に示すように、基板100の裏面から、例えば、Xe−Clエキシマレーザー光を照射する。これにより、分離層120の層内および/または界面において剥離を生じせしめる。
(工程10)図22に示すように、基板100を引き剥がす。
(工程11)最後に、分離層120をエッチングにより除去する。これにより、図23に示すように、CMOS構成のTFTが、転写体180に転写されたことになる。
【0062】
なお、上記薄膜ディバイスをプラスチックシート11に転写する技術の詳細は、本願出願人による転写技術(特開平10−125931、特開平10−177187、特開平11−20360、特開平11−26733、特開平11−26734、特開平11−74533、特開平11−312811)に詳述されている。
【0063】
(発光素子及び指標抽出部)
発光素子51は、発光ダイオード(LED)、面発光レーザ(VCSEL)、有機ELなどを用いて構成することができる。ここでは、発光素子51として面発光レーザを用いる場合の例で説明する。
【0064】
発光素子からの発光波長は、血液中のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選定されることが好ましい。受光レベルが血流量に応じて変化するので、脈波(例えば容積脈波)波形を検出することができる。このような発光素子としては、面発光レーザの他に、InGaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LEDなどを用いることができ、発光波長は350〜600nm(ピーク波長は450nm付近)である。受光素子としては、例えばGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタなどを用いることができ、主要感度領域は300〜600nmである。
この構成により、血液量の変動に対する受光レベルの変化が大きくなるため脳波の検出精度が高まる(すなわち、S/NのSを高めることができる)。
一方、プラスチックシート11に、外光(可視光)を吸収し赤外光を透過する光学特性を持たせ、発光素子の発光波長を赤外光にする構成も好適である。
この構成により、外光(可視光)は受光素子へ到達しないので、外光に起因するノイズ等の外乱を排除(遮断)することができる。すなわち、S/NのNを下げることで、S/Nを高めて脈波の検出精度を向上させることができる(ただし、この場合、前述の300〜600nmの発光波長の光は透過しないため、使うことはできない)。
【0065】
発光素子51は、微小タイル状素子であり、接着剤等によりプラスチックシート11の片面に接着されている。微小タイル状素子とは、微小なタイル形状(板形状)の半導体デバイスであり、例えば、厚さ1μmから20μm、縦横の大きさ数十μmから数百μmの四角形板状部材である。この微小タイル状素子の製造方法については後で説明する。なお、微小タイル状素子の形状は四角形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0066】
図24(a)に示すように、微小タイル状素子1は、接着剤3を介してプラスチックシート11の片面に接着されている。なお、この図においては、図5に対して上下を逆にして図示している。そして、微小タイル状素子1のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線4で接続されている。接着剤3は、例えば、樹脂からなり、絶縁性及び透明性を有していることが好ましい。
【0067】
なお、メタル配線4(及び後述するメタル配線5)は、図示しないインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)から金属を含む液滴を吐出することで金属パターン等を形成する液滴吐出方式で形成することが好ましい。これにより、フォトリソグラフィ、エッチング等で金属パターンを形成する場合に比較して、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。
【0068】
なお、発光素子51としては、上記図24(a)に示した構成の他に、自動出力制御(APC:Auto Power Control)回路付きの構成を採ることも可能である。以下、半導体集積回路を用いたAPC回路付き面発光レーザ(発光素子)の構成例について図24(b)乃至図26を参照して詳述する。図14(b)は、発光素子51の概略断面図である。なお、この図においても、図5に対して上下を逆にして図示している。
【0069】
この発光素子51は、プラスチックシート11上に微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを有して構成されている。そして、微小タイル状素子2のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線5で接続されている。なお、接着剤3が絶縁性を持つものとすることで、メタル配線4、5におけるショートを確実に回避することができる。
【0070】
次に、図25を参照してより具体的に説明する。
すなわち、発光素子51は、透明なプラスチックシート11と、面発光レーザ21が形成されている微小タイル状素子1と、フォトダイオード23が形成されている微小タイル状素子2とを有して構成されている。プラスチックシート11と微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを接着する接着剤3は、透明性及び絶縁性を有している。ここで、微小タイル状素子1と微小タイル状素子2とは、互いに逆の配置にしてもよい。
【0071】
微小タイル状素子1の面発光レーザ21からは、プラスチックシート11に向かってレーザ光(波長λ)が放射されるとともに、微小タイル状素子2に向かってもレーザ光(波長λ)が放射される。そして、微小タイル状素子2のフォトダイオード23は、面発光レーザ21の発光軸上に配置されている。したがって、微小タイル状素子2に向けて放射されたレーザ光(波長λ)はフォトダイオード23に入射し、面発光レーザ21から放射されたレーザ光(波長λ)の出力(発光量)がフォトダイオード23によって検出される。プラスチックシート11に向かって放射されたレーザ光(波長λ)は、脈波検出に用いられる。
【0072】
図26は自動出力制御回路付き面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
微小タイル状素子1の面発光レーザ21から放射されたレーザ光の一部は、微小タイル状素子2のフォトダイオード23に入射する。そこで、フォトダイオード23には面発光レーザ21のレーザ出力に対応した電流が流れる。光モニター回路(制御装置)31は、フォトダイオード23を流れる電流の大きさに応じた出力制御信号をドライバ回路32へ出力する。ここで、光モニター回路31は、所定の基準値とフォトダイオード23を流れる電流の大きさとを比較して、その電流が所望の一定値となるように、即ち面発光レーザ21のレーザ出力が所望の一定値となるように、出力制御信号を生成する。この出力制御信号に応じたレーザ出力となるようにドライバ回路32は面発光レーザ21を駆動させる。
【0073】
これらにより、面発光レーザ21のレーザ出力は、周囲温度の変化及び経時変化などにかかわらず所望の一定値に保たれる。そして、光モニター回路31及びドライバ回路32をプラスチックシート11、微小タイル状素子1又は微小タイル状素子2に設けることで、1つの基板に面発光レーザと自動出力制御回路(APC)を設けることができるので、面発光レーザ装置を大幅に小型化することが可能となるとともに、製造工程が簡素となって製造コストを低減することが可能となる。
【0074】
次に、上記発光素子51におけるフォトダイオード23を有する微小タイル状素子2からの反射光(戻り光)による雑音を低減する構成例について図27乃び図28を参照して説明する。図27は図25に示す発光素子51における微小タイル状素子2の変形例を示す概略断面図である。
微小タイル状素子2は、タイル状部材における一方面側(上面側)に設けられたフォトダイオード受光部23aと、フォトダイオード受光部23aの上面の周端部に設けられた第1電極23bと、タイル状部材におけるフォトダイオード受光部23aと同一面に設けられた第2電極23cと、タイル状部材における他方面側(下面側)に設けらた回折格子型反射層(DBR :Distributed Bragg Reflector)23dとで構成されている。
【0075】
回折格子型反射層23dは、回折格子を反射器として集積したものであり、波長選択性があり、微小タイル状素子1の面発光レーザ21から放射されたレーザ光(波長λ)に対する反射率が10パーセント以下であり、そのレーザ光(波長λ)に対して非反射(Anti Reflection)層として作用する。したがって、微小タイル状素子2に回折格子型反射層23dを設けることにより、微小タイル状素子2からのレーザ光(波長λ)の反射が抑えられ、雑音を低減することができる。なお、回折格子型反射層23dは、タイル状部材における下面側ではなく上面側に設けてもよい。
【0076】
図28は図27に示す微小タイル状素子2を改良した概略断面図である。これらの微小タイル状素子2の相違点は、回折格子型反射層23eが設けられている点である。回折格子型反射層23eは、フォトダイオード受光部23aの上面に設けられている。この構成により、微小タイル状素子2は、微小タイル状素子1から放射されたレーザ光(波長λ)に対して、下面のみならず上面でも反射を抑えることができ、さらに雑音を低減することができる。
【0077】
(微小タイル状素子の製造方法)
次に、上記微小タイル状素子の製造方法について図29乃至図37を参照して説明する。本製造方法では、微小タイル状素子としての化合物半導体デバイス(化合物半導体素子)をシート状基板となるプラスチックシート11上に接合する場合について説明するが、半導体デバイスの種類及びシート状基板の種類に関係なく本方法を適用することができる。なお、本実施形態における「半導体基板」とは、半導体物資から成る物体をいうが、板形状の基板に限らず、どのような形状であっても半導体物資であれば「半導体基板」に含まれる。
【0078】
<第1工程>
図29は、微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。図29において、基板110は、半導体基板であり、例えばガリウム・ヒ素化合物半導体基板とする。基板110における最下位層には、犠牲層111を設けておく。犠牲層111は、アルミニウム・ヒ素(AlAs)からなり、厚さが例えば数百nmの層である。
【0079】
例えば、犠牲層111の上層には機能層112を設ける。機能層112の厚さは、例えば1μmから10(20)μm程度とする。そして、機能層112において半導体デバイス(半導体素子)113を作成する。半導体デバイス113としては、例えば上述した発光ダイオード(LED)、面発光レーザ(VCSEL)、フォトダイオード(PD)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などが挙げられる。これらの半導体デバイス113は、何れも基板110上に多層のエピタキシャル層を積層して素子が形成されたものである。また、各半導体デバイス113には、電極も形成し、動作テストも行う。
【0080】
<第2工程>
図30は、微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。本工程においては、各半導体デバイス113を分割するように分離溝121を形成する。分離溝121は、少なくとも犠牲層111に到達する深さをもつ溝とする。例えば、分離溝121の幅及び深さともに、10μmから数百μmとする。また、分離溝121は、後述するところの選択エッチング液が当該分離溝121を流れるように、行き止まりなく繋がっている溝とする。さらに、分離溝121は、碁盤のごとく格子状に形成することが好ましい。
また、分離溝121相互の間隔を数十μmから数百μmとすることで、分離溝121によって分割・形成される各半導体デバイス113のサイズを、数十μmから数百μm四方の面積をもつものとする。分離溝121の形成方法としては、フォトリソグラフィとウェットエッチングによる方法、またはドライエッチングによる方法を用いる。また、クラックが基板に生じない範囲でU字形溝のダイシングで分離溝121を形成してもよい。
【0081】
<第3工程>
図31は、微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131を基板110の表面(半導体デバイス113側)に貼り付ける。中間転写フィルム131は、表面に粘着剤が塗られたフレキシブルな帯形状のフィルムである。
【0082】
<第4工程>
図32は、微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。本工程においては、分離溝121に選択エッチング液141を注入する。本工程では、犠牲層111のみを選択的にエッチングするために、選択エッチング液141として、アルミニウム・ヒ素に対して選択性が高い低濃度の塩酸を用いる。
【0083】
<第5工程>
図33は、微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。本工程においては、第4工程での分離溝121への選択エッチング液141の注入後、所定時間の経過により、犠牲層111のすべてを選択的にエッチングして基板110から取り除く。
【0084】
<第6工程>
図34は、微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。第5工程で犠牲層111が全てエッチングされると、基板110から機能層112が切り離される。そして、本工程において、中間転写フィルム131を基板110から引き離すことにより、中間転写フィルム131に貼り付けられている機能層112を基板110から引き離す。
これらにより、半導体デバイス113が形成された機能層112は、分離溝121の形成及び犠牲層111のエッチングによって分割されて、所定の形状(例えば、微小タイル形状)の半導体素子(上記実施形態の「微小タイル状素子」)とされ、中間転写フィルム131に貼り付け保持されることとなる。ここで、機能層の厚さが例えば1μmから8μm、大きさ(縦横)が例えば数十μmから数百μmであるのが好ましい。
【0085】
<第7工程>
図35は、微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。本工程においては、(微小タイル状素子161が貼り付けられた)中間転写フィルム131を移動させることで、プラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161をアライメントする。ここで、最終基板171の所望の位置には、微小タイル状素子161を接着するための接着剤173を塗布しておく。
【0086】
<第8工程>
図36は、微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。本工程においては、プラスチックシート11の所望の位置にアライメントされた微小タイル状素子161を、中間転写フィルム131越しに裏押しピン181で押しつけてプラスチックシート11に接合する。ここで、所望の位置には接着剤173が塗布されているので、そのプラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161が接着される。
【0087】
<第9工程>
図37は、微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131の粘着力を消失させて、微小タイル状素子161から中間転写フィルム131を剥がす。
中間転写フィルム131の粘着剤は、UV硬化性又は熱硬化性のものにしておく。UV硬化性の粘着剤とした場合は、裏押しピン181を透明な材質にしておき、裏押しピン181の先端から紫外線(UV)を照射することで中間転写フィルム131の粘着力を消失させる。熱硬化性の接着剤とした場合は、裏押しピン181を加熱すればよい。あるいは第6工程の後で、中間転写フィルム131を全面紫外線照射するなどして粘着力を全面消失させておいてもよい。粘着力が消失したとはいえ実際には僅かに粘着性が残っており、微小タイル状素子161は非常に薄く軽いので中間転写フィルム131に保持される。
【0088】
<第10工程>
本工程は、図示していない。本工程においては、加熱処理などを施して、微小タイル状素子161をプラスチックシート11に本接合する。
【0089】
<第11工程>
本工程においては、図24に示すように、微小タイル状素子161の電極とプラスチックシート11上の回路を配線191により電気的に繋ぎ、一つのLSIチップなどの半導体集積回路を完成させる。なお、プラスチックシート11上には、イメージセンサ40、発光素子51に接続されるドライバー、受光アンプやCPU等の素子を、TFTやSi−ICで設けることも可能である。この場合、センサ40、発光素子51と各素子とを接続する配線を、上述したインクジェットヘッドから金属を含む液滴を吐出して形成することで、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。また、配線191もインクジェット方式で形成することが好ましい。
なお、シート状基板としては、プラスチックシートのみならず、シリコン半導体、または石英基板を適用してもよい。
【0090】
<第12工程>
本工程においては、図24に示すように上記工程によってプラスチックシート11の上に形成された微小タイル状素子161の上面に、図24に示すようにさらに微小タイル状素子を重ねて貼り付ける。この微小タイル状素子の更なる貼付は、上記第1工程から第11工程を繰り返すことで行う。これらにより、簡易かつ迅速に、所定の基板上に複数枚の微小タイル状素子を重ねて貼り付けることができる。この後、各素子が接合されたプラスチックシート11の表面に絶縁コーティングを施す。
【0091】
(指紋検出動作)
指紋検出は、イメージセンサ40に指を接触させることで実施される。このとき、イメージセンサ40の起動スイッチ(例えば感圧スイッチ)42が作動し(図4参照)、カード型情報記録媒体1100内の電源が作動して、自動的に、イメージセンサ40及び発光素子51に電源が供給される。あるいは、カード型情報記録媒体1100を図2の情報処理装置150にセットし、情報処理装置150の給電部132より電源が供給されても良い。
【0092】
図5に示すように、イメージセンサ40に指を接触させ発光素子51が発光すると、その照射光により指が照射されると、指内部で散乱した散乱光をイメージセンサ40で撮像(受光)する。そして、撮像した画像イメージから指紋パターンを検出する。一方、指標抽出部60においては、イメージセンサ40の特定エリアまたは全体における平均受光量の時間変化から脈波情報を検出する。
【0093】
図38は、上記の指標抽出部60にて検出された脈波の1拍分の波形を示している。図38に示すように、この脈波には下記の特徴がある。
(1)1拍分の脈波に順次変極点P1〜P5が現われる。
(2)変極点P1〜P5は、波高y1〜y5を有する。
(3)脈波開始時刻t0を基準として、各変極点P1〜P5が出現するまでの時間はT1〜T5であり、次の1拍の脈波が開始するまでの経過時間(周期)はT6である。
本実施形態では、このような変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つか、あるいは時刻t0から変極点P1〜P5のいずれかが生ずるまでの時間T1〜T5または周期T6の少なくとも一つを、指標抽出部60が抽出することができる。
【0094】
このような脈波は、生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標を抽出できれば、偽造された指型などをモニタしたものでなく、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。この点、脈波自体でなく、その一成分である例えば脈拍等のパルスを直接検出しようとした場合、そのようなパルスは人為的に生成可能である。本実施形態では、人為的に偽造が困難な脈波を検出し、それを処理して抽出される指標を比較しているので、カードの盗用は確実に防止される。
【0095】
上述した指標は、図39に示す指標抽出部60にて抽出できる。低域遮断フィルタ61は、指標抽出部60にて検出された脈波のうち、所定のカットオフ周波数よりも低域の周波数を遮断し、高域周波数のみを取り出す。遮断された低周波数帯域には、副交感神経系機能である例えば呼吸性の変動(例えば0.15Hz)や、交感神経系機能である例えば筋ポンプ作用のマイヤーウェーブ(例えば0.1Hz)など、自律神経機能を反映する成分が含まれている。さらにこの低周波数帯域には、体動に伴う周波数成分も含まれている。低域遮断フィルタ61は、心臓の拍動に基づく脈波波形を阻害する不要な低周波数帯域を除去できる。
低域遮断フィルタ61は、低域遮断周波数を0.4〜0.5Hzの範囲中の値とすることが好ましい。0.4〜0.5Hzを越える周波数を遮断すると、心臓の拍動に基づく脈波波形の特徴が失われてしまうからである。
【0096】
RAM62はワーキングメモリとして機能し、低域遮断フィルタ61の出力が記憶される。微分回路63は、低域遮断フィルタ61の出力波形を時間微分する。微分値として0が出力された点が変極点P1〜P5となる。波高抽出部64Aは、RAM62内の波形の中から、微分回路63からの微分値0に対応する変極点P1〜P5の波高y1〜y5の少なくとも一つを、指標として抽出する。時間抽出部64Bは、時刻t0から変極点P1〜P5に至るまでの時間T1〜T5の少なくとも一つを、指標として抽出する。なお、波高抽出部64A及び時間抽出部64Bのいずれか一方のみを設けるものでも良い。
【0097】
また、図39に代えて、図40に示す指標抽出部60を用いても良い。図40では、波高抽出部64Aに代えて波高比率抽出部65Aが、時間抽出部64Bに代えて時間比率抽出部65Bが設けられている。波高比率抽出部65Aは、波高y1〜y5のうちの任意の2つの波高比率、例えばy2/y1,y3/y1,y4/y1,y5/y1などのうち少なくとも一つの波高比率を指標として求める。時間比率抽出部65Bは、時間T1〜T6のうちの任意の2つの時間比率、例えばT1/T6,T2/T6,T3/T6,T4/T6,T5/T6などのうち少なくとも一つの時間比率を指標として求める。特に、時間T2あるいは時間T4は駆出時間と称されるもので、時間比率T2/T6またはT4/T6が生体を現す指標として好適である。なお、本来の駆出時間T2に相当するピークP2は個人差または同一人でも体調によって現れない場合があり、その場合にはピークP4が早めに現われるので、ピークP4に達する時間T4を駆出時間としても差し支えない。また、波高比率抽出部65A及び時間抽出部65Bのいずれか一方のみを設けるものでも良い。このような比率を指標とすれば、波高そのもの、あるいは時間そのものを指標とする場合と比較して、脈波波形中の相対値が求められるので、精度が高まる。
【0098】
図41(A)は検出された脈波の原波形、図41(B)は図41(A)の速度波形(一次微分波形)、図41(C)は図41(A)の加速度波形(二次微分波形)をそれぞれ示す波形図である。図41(C)の加速度波形は、図42に示すように、より明確な変極点a〜eを有する。そこで、加速度波形の変極点a〜eのうちの任意の2つの変極点の波高比率もまた、指標として利用することができる。
【0099】
このような波高比率として、例えばb/a,c/a,d/a,e/aなどは、年齢に依存して変化する指標である。この中でも特に、波高比率b/a,d/aが年齢依存率が顕著であるので、各種年齢のカード所有者の生体指標として好適であり、照合精度が高まる。また、これらの指標の中には男女の性別を反映するものもあり、性別チェックにも利用できる。
【0100】
このような波高比率は、図43に示す指標抽出部60にて抽出可能である。図43に示すように、指標抽出部60にて検出された脈波は低域遮断フィルタ61を通過し、一次微分回路66で一次微分され、さらに二次微分回路67にて二次微分され、RAM62に記憶される。波高比率抽出部68は、RAM62に記憶された二次微分波形(図42に示す加速度波形)から、例えば波高比率b/aを抽出する。
【0101】
(本人照合装置での動作)
図44は、本人照合装置30の動作フローチャートである。本実施形態では、まずイメージセンサ40による撮像にて指紋情報を検出している(ステップ1)。この指紋情報の検出動作は、カード型情報記録媒体1100が電源を内蔵している場合には、図3の情報処理装置150とは非接続で、カード型情報記録媒体1100単体で実施してもよい。カード型情報記録媒体1100が電源を内蔵しているかいないかに拘わらず、カード型情報記録媒体1100を図3の情報処理装置150にセットして、情報処理装置150内の給電部132よりカード型情報記録媒体1100に電源を供給して、指紋検出を行っても良い。
【0102】
検出された指紋情報は照合部70に入力される。この照合部70には、指紋情報と比較される第1の比較情報が、比較情報記憶部80の第1の比較情報記憶部82より入力される。そして、照合部70にて指紋情報と第1の比較情報とが比較される。第1の比較情報は、登録された本人固有の指紋情報である。よって、カード所有者がカードに登録された本人であれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ2がYES)。
【0103】
ここで、ステップ2の判断がNOであれば、真正なるカード所有者が操作していないことになる。そこで、照合部70は不一致信号を出力する。カード型情報記録媒体1100が表示部20(図2(A)(B)参照)を備えている場合には、この不一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できない旨の表示、例えば「使用不能」の文字などを表示する(ステップ3)。この不一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードに代えて、カード所有者が真正でないのでカードが使用不能である旨の信号を出力する(ステップ4)。これにより、カード型情報記録媒体1100の使用が禁止される。なお、指紋情報が不一致であると、以降の照合動作は実施されない。
【0104】
ステップ2の判断がYESであると、照合部70からの一致信号に基づいて、指標抽出部60により脈波が検出される(ステップ5)。次に、指標抽出部60にて、上述した各種指標のうちの少なくとも一つが抽出される(ステップ6)。この照合部70には、抽出された指標と、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部84からの第2の比較情報とが入力される。そして、照合部70にて指標と第2の比較情報とが比較される(ステップ7)。第2の比較情報は、登録された本人の脈波の指標である。よって、抽出された指標が登録された本人のものであれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ7がYES)。なお、第2の比較情報は許容幅をもって記憶されており、抽出された指標がその許容幅内であれば一致と判断される。
【0105】
このように、脈波は生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標が記憶情報と一致していれば、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。また、指標によっては、登録された本人の年齢、性別などを反映するため、年齢チェック及び/または性別チェックも実施することができる。
【0106】
ステップ7の判断がNOであれば、ステップ3及び/またはステップ4が実施されるので、カードの盗用が防止される。
ステップ7の判断がYESであれば、真正でかつ生存しているカード所有者が操作したことになる。そこで、照合部70は一致信号を出力する。カード型情報記録媒体1100が表示部20を備えている場合には、この一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できる旨の表示、例えば「使用可能」の文字などを表示する(ステップ8)。この一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードを出力する(ステップ9)。これにより、カード型情報記録媒体1100での照合動作が完了する。
【0107】
(履歴情報記憶部及び情報更新部)
図4に示すように、本人照合装置30には、指標抽出部60にて抽出された指標の履歴情報を記憶する履歴情報記憶部130と、その履歴情報に基づいて、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部82に記憶されている第2の比較情報を更新する情報更新部1140とをさらに設けることができる。
【0108】
脈波から抽出される指標の中には、上述した通り、年齢依存性などのように経時的に変化する指標がある。このため、常に一定の指標を第2の比較情報として記憶していると、時の経過により本人の指標とは異なるものとなってしまう。そこで、イメージセンサ40及び指標抽出部60にて脈波を検出する度に、抽出された指標を履歴情報として履歴情報記憶部130に記憶させる。この履歴情報記憶部130には、例えば過去複数回に検出された複数の指標が履歴情報として記憶される。情報更新部1140は、その履歴情報に基づいて、例えば過去複数回に検出された指標の移動平均を演算し、その移動平均値を第2の比較情報として更新する。こうして、指標と比較される第2の比較情報は最新の情報に更新される。よって、照合エラーを低減できる。
【0109】
このように本実施の形態では、指紋情報及び脈波情報の双方で本人照合を実施しているので、本人照合精度をより高くすることができることに加えて、イメージセンサ40の撮像結果からこれら指紋情報及び脈波情報を得ているので、各情報を検出するセンサを個別に設ける必要がなく、装置の大型化、高価格化を防ぐことが可能である。また、本実施の形態では、レーザ光を用いた転写法によりイメージセンサ40をプラスチックシート11上に接合するとともに、半導体基板から切り離された微小タイル状素子をプラスチックシート11上に接合して発光素子51を形成しているので、ハンドリング性が向上してプラスチックシート11上に容易、且つ迅速に半導体素子を実装できるとともに、本人照合装置30及びカード型情報記録媒体を得ることが可能になる。
【0110】
また、本実施の形態では、光学式のイメージセンサ40で指紋を検出するため、静電容量式を用いた場合のように、静電気によりセンサが損傷することもなく、信頼性を向上させることができる。特に、本実施の形態では、指をイメージセンサ40に直接当接させるのではなく、イメージセンサ40とは逆側のプラスチックシート11の面に当接させるので、指が直接接触することによる物理的損傷や静電気損傷等、接触によるイメージセンサ40の破損や汚れを防止して、信頼性を大幅に向上させるを防止することができる。
さらに、本実施の形態では、自動出力制御により面発光レーザの出力を制御しているので、本人照合対象である検知対象者に向けて出射されるレーザ光の強度を調整(抑制)することができるため、いわゆるアイセーフ対策として安全性を向上させることも可能である。
【0111】
なお、上記実施の形態では、指をイメージセンサ40に当接させないで指紋情報及び脈波情報を検出する構成で説明したが、イメージセンサ40に当接させる構成としてもよい。この場合、プラスチックシート11は、必ずしも発光素子51の照射光に対して透明である必要はなく、プラスチックシート11の選択幅を拡げることができる。また、発光素子51は、イメージセンサ40を挟んだ両側に設けることが好ましいが、少なくとも一つあれば指紋情報及び脈波情報を得ることができる。
【0112】
また、上記実施の形態では、レーザーアブレーションにより剥離させたイメージセンサ40をプラスチックシート11に転写するとともに、微小タイル素子をプラスチックシート11に接合して発光素子51を形成する構成としたが、これに限定されるものではなく、イメージセンサ40をプラスチックシート11に転写し、発光素子としての有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)装置をプラスチックシート11上に直接形成してもよい。この有機EL装置は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。一方、微小タイル素子をプラスチックシート11に接合して発光素子51を形成し、上記転写法とは異なる製造方法でイメージセンサ40を形成する構成としてもよい。
【0113】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の本人照合装置は必ずしもカード型情報記録媒体に限らず、他の携帯型電子機器、設置型電子機器などに搭載しても良い。また、例えば指紋検出を行わないモードを付加し、このモードを選択したときは現在の脈波情報のみを検出し、検出した脈波情報と記憶部84に記憶されている健康時の脈波情報と照合することで、現在の健康状態を管理することも可能である。このように、指紋検出を選択的に実施することで、本発明の本人照合装置を健康管理装置として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1とは異なる本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体及び情報処理装置から構成される情報処理システムのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体に内蔵される本人照合装置のブロック図である。
【図5】イメージセンサ、脈波検出センサが形成されたプラスチックシートの正面図である。
【図6】イメージセンサ製造の第1の工程を示す断面図である。
【図7】イメージセンサ製造の第2の工程を示す断面図である。
【図8】イメージセンサ製造の第3の工程を示す断面図である。
【図9】イメージセンサ製造の第4の工程を示す断面図である。
【図10】イメージセンサ製造の第5の工程を示す断面図である。
【図11】イメージセンサ製造の第6の工程を示す断面図である。
【図12】基板のレーザー光の波長に対する透過率の変化を示す図である。
【図13】TFT製造における第1の工程を示す断面図である。
【図14】TFT製造における第2の工程を示す断面図である。
【図15】TFT製造における第3の工程を示す断面図である。
【図16】TFT製造における第4の工程を示す断面図である。
【図17】TFT製造における第5の工程を示す断面図である。
【図18】TFT製造における第6の工程を示す断面図である。
【図19】TFT製造における第7の工程を示す断面図である。
【図20】TFT製造における第8の工程を示す断面図である。
【図21】TFT製造における第9の工程を示す断面図である。
【図22】TFT製造における第10の工程を示す断面図である。
【図23】TFT製造における第11の工程を示す断面図である。
【図24】発光素子の概略断面図である。
【図25】発光素子の具体例を示す概略断面図である。
【図26】面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
【図27】微小タイル状素子の変形例を示す概略断面図である。
【図28】微小タイル状素子の変形例を示す概略断面図である。
【図29】微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す図である。
【図30】微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す図である。
【図31】微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す図である。
【図32】微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す図である。
【図33】微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す図である。
【図34】微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す図である。
【図35】微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す図である。
【図36】微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す図である。
【図37】微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す図である。
【図38】脈波の波形の特徴を説明するための波形図である。
【図39】指標を抽出する指標抽出部の一例を示すブロック図である。
【図40】指標を抽出する指標抽出部の他の例を示すブロック図である。
【図41】(A)〜(C)は検出された脈波の波形図である。
【図42】加速度波形の特徴を説明するための概略説明図である。
【図43】波高比率を抽出する指標抽出部のブロック図である。
【図44】図3に示す本人照合装置の動作タイミングチャートである。
す図である。
【符号の説明】
11 プラスチックシート(基板)、31 光モニター回路(制御装置)、40 イメージセンサ(光学式撮像素子)、51 発光素子、60 指標抽出部(脈波検出装置)、100 基板(製造基板)、110 半導体基板、120 分離層、1100 カード型情報記録媒体

Claims (10)

  1. 基板上に発光素子と、操作者を介して前記発光素子の照射光を検出する光学式撮像素子とが設けられ、
    前記光学式撮像素子は、製造基板上に分離層を介して形成され、且つ前記分離層に光が照射されることで前記製造基板から剥離して前記基板に接合されてなることを特徴とする本人照合装置。
  2. 請求項1記載の本人照合装置において、
    前記光学式撮像素子は、CMOS構造素子または電荷結合素子であることを特徴とする本人照合装置。
  3. 請求項1または2記載の本人照合装置において、
    前記光はレーザ光であることを特徴とする本人照合装置。
  4. 基板上に発光素子と、操作者を介して前記発光素子の照射光を検出する光学式撮像素子とが設けられ、
    前記発光素子は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記基板に接合された半導体素子からなることを特徴とする本人照合装置。
  5. 請求項4記載の本人照合装置において、
    前記発光素子は、化合物半導体デバイスであって、面発光レーザ及び発光ダイオードの少なくとも一つを有することを特徴とする本人照合装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の本人照合装置において、
    前記光学式撮像素子の検出結果に基づいて、前記操作者の脈波情報を検出する脈波検出装置を有することを特徴とする本人照合装置。
  7. 請求項6記載の本人照合装置において、
    前記脈波検出装置は、前記光学式撮像素子の受光量の時間変化に基づいて、前記操作者の脈波情報を検出することを特徴とする本人照合装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の本人照合装置において、
    前記基板は、可撓性を有するシート材であることを特徴とする本人照合装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の本人照合装置を有することを特徴とするカード型情報記録媒体。
  10. 請求項9に記載のカード型情報記録媒体と、
    前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴とする情報処理システム。
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