JP2004173841A - 本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操作者の固有情報を検出する第1の検出手段40と、シート状基板11に設けられた発光素子51a、51b及び受光素子52を有し、操作者の血液に関する情報を検出する第2の検出手段50とを備える。発光素子51a、51b及び受光素子52の少なくともいずれか一方は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で半導体基板から切り離されてシート状基板に接合された半導体素子からなる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本人照合のために、指紋検出センサを用いる技術が提案されている。特許文献1には抵抗感知型指紋検出センサが、特許文献2には光電式指紋検出センサが、特許文献3には圧電式指紋検出センサが、特許文献4には静電容量式指紋検出センサがそれぞれ開示されている。
【0003】
しかし、本人照合を指紋だけに頼ると、その本人が生存していない場合にも指紋を採取できるので、犯罪に悪用される懸念がある。そこで、特許文献5には、読み取りローラ上を走査される指の指紋を光学的に読み取ると共に、その近傍に設けた脈拍センサにより脈拍を検出する技術が開示されている。また、特許文献6には、圧力センサを用いて脈拍をモニターする技術や赤外線センサで生体から放出される熱(体温)をモニターする技術が開示されており、特許文献7には血液の酸素濃度や脈拍等の血液情報を光学的に検出する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−6791号公報
【特許文献2】
特開平4−271477号公報
【特許文献3】
特開平5−61965号公報
【特許文献4】
特開平11−118415号公報
【特許文献5】
特開2001−184490号公報
【特許文献6】
特開平6−187430号公報
【特許文献7】
特開平7−308308号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。本人照合を指紋だけに頼ると、その本人が生存していない場合にも指紋を採取できるので、犯罪に悪用される懸念がある。そこで、指紋照合以外の本人照合手段として、脈拍を検出する場合、脈拍はパルスであるので偽造がた易いという問題があった。また、上記特許文献で開示されている光学式センサには、ローラやプリズムが用いられて大型であるため、本人照合装置の小型化・薄型化にも限界があった。
【0006】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、本人照合精度が高く、小型・薄型化が実現可能な本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の本人照合装置は、操作者の固有情報を検出する第1の検出手段と、シート状基板に設けられた発光素子及び受光素子を有し、前記操作者の血液に関する情報を検出する第2の検出手段とを備え、前記発光素子及び受光素子の少なくともいずれか一方は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記シート状基板に接合された半導体素子からなることを特徴とするものである。
【0008】
これにより、本発明では、発光素子から、例えば検知対象者の指に光を照射し、その反射光や透過光を受光素子で受光することで、検知対象者の血液に関する情報、例えば血中酸素量を検出することができる。従って、操作者の固有情報として検出した例えば指紋と血液情報とに基づいて、高い精度で本人照合を行うことができ、本人照合結果の信頼性が向上する。また、本発明では、半導体素子を微小タイル形状に切り離し、フィルムにマウントしてハンドリングできるので、ハンドリングできる半導体素子のサイズを従来の実装技術のものより小さくすることが可能になり、小型且つ薄型の第2の検出手段を得ることができ、結果として小型で薄型の本人照合装置を得ることができる。
【0009】
発光素子としては、互いに発光波長を異ならせて複数設けられることが好ましい。この場合、発光波長は、照射光に対する血液の吸光特性に基づいて設定されることが好ましい。一つの発光波長で血液情報を検出する場合、その波長に対する吸光特性が同じものは人為的に生成可能である。一方、複数の波長に対する吸光特性の相対関係(相関関係)は生存する人間固有のものと考えられる。そのため、指紋等の固有情報を検出した対象が生存する人間のものと見なすことができ、高い精度で本人照合を行うことができる。発光波長は、照射光に対する酸化ヘモグロビンの吸光特性と還元ヘモグロビンの吸光特性との相対関係に基づいて設定されることが好ましい。
【0010】
また、本発明では、発光波長毎に、発光素子を順次発光させるとともに、血液での反射光を前記受光素子で順次受光させる制御装置を有することが好ましい。これにより、波長選択性を有していない一つの受光素子で各発光波長毎の吸光特性を検出することが可能になり、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。受光素子としては、化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタ、MSM構造素子のうちの少なくとも一つを有することが好ましい。
【0011】
一方、本発明では、受光素子が照射光に対して波長選択性を有する構成も採用可能である。これにより、複数の波長に対する吸光特性を同時に検出することが可能になり、検出に要する時間を短くすることができる。受光素子としては、発光波長のそれぞれに対応したカラーフィルタを有したり、発光波長のそれぞれに対応した回折格子型反射層を有することが好ましい。このとき、受光素子としては、化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタのうちの少なくとも一つを有することが好ましい。
【0012】
発光素子としては、有機EL素子、化合物半導体デバイスであって、面発光レーザ及び発光ダイオードの少なくとも一つを有することが好ましい。
【0013】
一方、本発明のカード型情報記録媒体は、上記の本人照合装置を有することを特徴としている。従って、本発明では本人照合精度が高く、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を得ることができる。
【0014】
また、本発明の情報処理システムは、上記のカード型情報記録媒体と、前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴としている。従って、本発明では、小型・薄型化のカード型情報記録媒体を用いた本人照合精度の高い情報処理システムを構築することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の本人照合装置、カード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムの第1の実施形態を、図1ないし図24を参照して説明する。ここでは、本発明を、本人照合装置を内蔵したカード型情報記録媒体及びそれを用いた情報処理システムに適用した例を用いて説明する。
【0016】
(カード型情報記録媒体)
例えば集積回路(IC)を含むICカードとして、メモリカード、I/O(入出力回路)カード、ISO準拠のカードなどが知られている。本実施形態は、これらのクレジットカード、キャッシュカード等として用いられる各種カードに本人照合装置を内蔵させたものである。
【0017】
一例として、本実施形態のカード型情報記録媒体の例を、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示す。図1(A)に示すカードは基板10上にメモリ12を有し、図1(B)に示すカードはメモリ12に加えさらにCPU14を有し、図1(C)に示すカードはメモリ12及びCPU14に加えさらにI/O16を有する。図2(A)に示すカードは図1(C)に示すカードに表示部20及び表示駆動部22をさらに加えたものである。図2(B)に示すカードは図2(A)に示すカードにさらに電源例えば太陽電池24を付加したものである。この他、カードに内蔵される構成は種々変形でき、例えば図2(B)以外のカードにも電源例えば太陽電池24を内蔵させても良い。ここで、図1(A)〜図1(C)及び図2(A)(B)に示すいずれのカードにも本人照合装置30が内蔵されている。
【0018】
(情報処理システム)
図3は、カード型情報記録媒体100と情報処理装置150とから構成される情報処理システムを示している。本実施形態のカード型情報記録媒体100のセンシング領域に、カード所有者が指を触れると、カード型情報記録媒体100がカード所有者の指紋と脈波とを検出し、本人照合装置30にて本人照合が実施される。この照合動作は、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵していれば、情報処理装置150から電力の供給を受けずに実施できる。カード型情報記録媒体100が電源を内蔵していなければ、情報処理装置150の給電部132から電力の供給を受けて実施できる。
【0019】
情報処理装置150は、カード型情報記録媒体100にてカード所有者が登録された本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体100から、本人照合に用いた情報以外の各種情報を読み取って処理する。カード型情報記録媒体100からの認証結果の出力形態として、カード型情報記録媒体100が表示部20(図2(A)(B)参照)を有するのであれば、その表示部20に「カード使用可能」などの使用許可情報を表示すればよい。情報処理装置150を操作するオペレータは、その表示を確認した後に情報処理を開始できる。あるいは、カード型情報記録媒体100にて本人であると認証された後に、カード型情報記録媒体100からパスワード等が出力されて、情報処理装置150に入力されるようにしても良い。こうすると、オペレータを介在させずに情報処理装置150での処理が開始される。情報処理装置150は、カード発行会社のホスト機器120の端末機器として機能し、カード型情報記録媒体100からのパスワードを、ホスト機器120からの情報に基づいて照合する機能を有するものでも良い。
【0020】
いずれの場合も、カード型情報記録媒体100は真正なる本人以外は使用不能のとなるので、カードの紛失、盗難があっても、カードの盗用が防止される。しかも、指紋、血液情報などの個人情報は、カード型情報記録媒体100から外部に読み出されることがないので、個人情報の流出も防止できる。
【0021】
図4は、カード型情報記録媒体100に内蔵される本人照合装置30のブロック図である。図4において、この本人照合装置30には、カード所有者(操作者)の固有情報を検出する第1の検出手段としての指紋検出センサ40と、カード所有者の血液に関する情報として血中酸素量(酸素飽和度)を検出する第2の検出手段としての血液検出センサ50とが設けられている。これらの各センサ40,50の詳細については後述する。指紋検出センサ40にカード所有者の指が接触されたことを感知して、本人照合装置30を起動させる起動スイッチ42を設けることもできる。特に、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵している場合には、起動スイッチ42を設ける意義がある。また、本人照合装置30には、血液検出センサ50にて検出された血液情報を処理して、少なくとも一つの指標を抽出する指標抽出部60が設けられている。
【0022】
指紋検出センサ40からの指紋情報と、指標抽出部60からの抽出情報とは、照合部70に入力される。この照合部70は、比較情報記憶部80に記憶された比較情報と検出情報とを照合するものである。比較情報記憶部80は、指紋検出センサ40からの指紋情報と比較される第1の比較情報が記憶される第1の比較情報記憶部82と、指標抽出部60からの指標と比較されると第2の比較情報が記憶される第2の比較情報記憶部84とを有する。また、照合部70からの照合結果に基づいて、カード所有者が真正であるからカードの使用を許可する信号、例えばパスワードを出力するパスワード出力部90が設けられている。なお、照合部70からの信号は、カード型情報記録媒体100のCPU14にも入力され、例えば図2(A)(B)に示す表示部20にカードの使用を許可する旨の表示、例えば「カード使用可能」などのメッセージの表示、あるいはその旨の点灯または点滅表示などを制御する。
【0023】
次に、本人照合装置30を構成する指紋検出センサ40及び血液検出センサ50について説明する。図5に、これら指紋検出センサ40及び血液検出センサ50の構造例を示す。この図に示す本人照合装置30は、シート状基板としてのプラスチックシート11の一方の面(表面)に指紋検出センサ40が設けられ、他方の面(裏面)に血液検出センサ50が設けられた構成となっている。プラスチックシート11は、後述する発光素子51の発光波長に対して透過性を有しており、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリエステル(PET)、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、塩化ビニール、ナイロン、スチレン系樹脂、アセタール樹脂、メチルペンテン樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂等で形成されている。なお、シート状基板としては、上記プラスチックに限られず、ガラスやSi等で形成してもよい。
【0024】
(指紋検出センサ)
図6に指紋検出センサ40の一例を示す。この指紋検出センサ40は、本出願人により出願された特願2002−58071号に開示されたものと同じである。図6において、M本(Mは2以上の整数)の電源線200と、N本(Nは2以上の整数)の出力線202とを有する。M本の電源線200とN本の出力線202の各交点には静電容量検出素子204が設けられている。図6に示す静電容量検出素子204は、指が接触した時の閉回路として図示されており、指の凹凸パターンに依存して変化する可変容量CFと、信号増幅素子例えば信号増幅MIS型薄膜半導体装置(以下信号増幅用TFTと略記する)206とを有する。静電容量検出素子204に指が接触していない時には、可変容量CFの接地端側はオープン状態である。なお、可変容量CFについては後述する。
【0025】
M本の電源線200の各々は、対応する行に沿って配列されたN個の信号増幅用TFT206のドレインDに接続されている。また、M本の電源線200の各々は、M個の電源用パスゲート210の各々を介して共通電源線212に接続されている。すなわち、電源用パスゲート210はMIS型薄膜半導体装置にて形成され、そのソースSは電源線200に接続され、そのドレインDは共通電源線212に接続されている。電源選択回路220内には、上述のM個の電源用パスゲート210及び共通電源線212に加えて、電源用シフトレジスタ222が設けられている。電源用シフトレジスタ222の電源選択用出力線224に、M個の電源用パスゲート210の各ゲートGが接続されている。
【0026】
N本の出力線202各々は、対応する列に沿って配列されたM個の信号増幅用TFT206のソースSに接続されている。また、N本の出力線202の各々は、N個の出力信号用パスゲート230の各々を介して共通出力線232に接続されている。すなわち、出力信号用パスゲート230はMIS型薄膜半導体装置にて形成され、そのドレインDは出力線202に接続され、そのソースSは共通出力線232に接続されている。出力信号選択回路240内には、上述のN個の出力信号用パスゲート230及び共通出力線232に加えて、出力信号用シフトレジスタ242が設けられている。出力信号用シフトレジスタ242の出力選択用出力線244に、出力信号用パスゲート230のゲートGが接続されている。
【0027】
図7は、図6に示す静電容量検出素子204の断面図であり、指が接触されていない状態が図示されている。この静電容量検出素子204は、上述の信号増幅素子である信号増幅用TFT206に加えて、信号検出素子208を有する。図7において、絶縁層250上には、ソース領域252A、ドレイン領域252B及びその間のチャネル領域252Cを有する半導体膜252が形成されている。半導体膜252上にはゲート絶縁膜254が形成され、このゲート絶縁膜254を挟んでチャネル領域252Cと対向する領域にゲート電極256が形成されている。この半導体膜252、ゲート絶縁膜254及びゲート電極256で、信号増幅用TFT206が構成される。なお、電源用パスゲート210及び出力信号用パスゲート230も、信号増幅用TFT206と同様にして形成される。この信号用TFT206は第一層間絶縁膜260により被われている。第一層間絶縁膜260上には、図6に示す出力線202に相当する第一配線層262が形成されている。この第一配線層262は信号用TFT206のソース領域252Aに接続されている。
【0028】
第一配線層262は第二層間絶縁膜264により被われている。この第二層間絶縁膜264上には、図6に示す電源線200に相当する第二配線層266が形成されている。この第二配線層266は、信号増幅用TFT206のドレイン領域252Bに接続されている。なお、図7とは異なる構造として、第二配線層266を第一層間絶縁膜260上に形成し、第一配線層262を第二層間絶縁膜264上に形成してもよい。
【0029】
第二層間絶縁膜264上にはさらに、容量検出電極270が形成され、それを被って容量検出誘電体膜272が形成されている。容量検出誘電体膜272は、指紋検出センサ40の最表面に位置して保護膜としても機能し、この容量検出誘電体膜272に指が接触される。この容量検出電極270及び容量検出誘電体膜272により、信号検出素子208が構成される。
【0030】
(製造工程)
本実施形態のカード型情報記録媒体100は、図8に示すように、上述の指紋検出センサ40を含む薄膜ディバイス400が、柔軟性のあるプラスチックシート11上に形成されるが、薄膜ディバイス400を、直接にプラスチックシート11上に形成することは困難である。そこで、指紋検出センサ40は先ず、図8に示すように、例えば第1製造基板430上に形成される。その一例として、第1製造基板430をガラス基板とした時には、その上に形成したアモルファスシリコン層をレーザ結晶化して多結晶シリコン層とし、それにより図7に示した半導体膜252を形成できる。その後は、通常の薄膜半導体製造プロセスを実施することで、第1製造基板430上に、指紋検出センサ40を含む薄膜ディバイス400が形成される。
【0031】
ここで、薄膜ディバイス400は、その上下面の向きを維持した状態で、プラスチックシート11に転写される必要がある。そこで、第1製造基板430及び薄膜ディバイス400は一旦、第2製造基板450に接合され、その後第1製造基板430が剥離される。最後に、第2製造基板450及び薄膜ディバイス400がプラスチックシート11上に転写され、その後第2製造基板450が剥離される。こうして、プラスチックシート11上に薄膜ディバイス400が形成される。
【0032】
このとき、指紋検出センサ40と対向して血液検出センサ50を配置することができる。こうすると、指紋検出センサ40の容量検出誘電体膜272に指をさせれば、その同一の指より指紋と血液情報とを検出することができる。こうすると、指紋及び血液情報の双方を偽造することが極めて困難となるので、本人照合の信頼性がより増大する。 このように、指紋検出センサ40と血液検出センサ50とを対向配置する場合には、プラスチックシート11及び指紋検出センサ40の構成部材が、血液検出センサ50からの発光波長に対して透明である(透過性を有する)必要がある。このために、図7に示す第1,第2配線層262,266及び容量検出電極270を透明電極(例えばITO)にて形成すればよい。
【0033】
なお、上記薄膜ディバイス400をプラスチックシート11に転写する技術の詳細は、本願出願人による転写技術(特開平10−125931、特開平10−177187、特開平11−20360、特開平11−26733、特開平11−26734、特開平11−74533、特開平11−312811)に詳述されているため、ここでは簡略化した。
【0034】
(指紋検出動作)
指紋検出は、図7に示す容量検出誘電体膜272に指を接触させることで実施される。このとき、指紋検出センサ40の起動スイッチ(例えば感圧スイッチ)42が作動し(図4参照)、カード型情報記録媒体100内の電源が作動して、自動的に、指紋検出センサ40に電源が供給される。あるいは、カード型情報記録媒体100を図2の情報処理装置150にセットし、情報処理装置150の給電部132より電源が供給されても良い。
【0035】
本実施形態では、図6に示すM本のうち選択された1本の電源線200に電源電圧を供給し、かつ、そのときの信号を、N本のうち選択された1本の出力線202から検出することで、M×N個の静電容量検出素子204から順次信号を取り出している。指紋検出動作は大別して、(1)指紋パターンの山(凸部)が容量検出誘電体膜272に接触する場合と、(2)指紋パターンの谷(凹部)が容量検出誘電体膜272に対向する場合とがある。
【0036】
(1)指紋パターンの山(凸部)が容量検出誘電体膜272に接触する場合
図9に、この場合の静電容量検出素子204の等価回路を示す。符号300は人体の指紋の山に相当し、図7の容量検出電極270と誘電体膜272を挟んで対向する接地電極300が形成されている。ここで、電源電圧Vddは共通電源線212より供給される。符号CTは、信号増幅用TFT206のトランジスタ容量であり、符号CDは検出電極270と接地電極(指)300との間の容量である。
【0037】
ここで、信号増幅用TFT206のゲート電極長をL(μm)、ゲート電極幅をW(μm)、ゲート絶縁膜の厚みをtox(μm)、ゲート絶縁膜の比誘電率をεox、真空の誘電率をεoとする。このとき、トランジスタ容量CTは、
CT=εo・εox・L・W/tox
となる。
【0038】
また、容量検出電極270の面瀬S(μm2)、容量検出誘電体膜272の厚みをtd(μm)、容量検出誘電体膜の比誘電率をεdとする。このとき、容量CDは、
CD=εo・εd・S/td
となる。
【0039】
図9の等価回路において、信号増幅用TFT206のゲートに印加される電圧VGTは、
VGT=Vdd/(1+CD/CT)…(1)
となる。
容量CDをトランジスタ容量CTよりも充分に大きく設定しておけば(例えばCD>10×CT)、(1)式の分母は無限大となり、
VGT≒0…(2)
と近似される。
この結果、信号増幅用TFT206は、そのゲートにほとんど電圧がかからないためオフ状態となる。よって、信号増幅用TFT206のソース−ドレイン間に流れる電流Iは極めて小さくなる。この電流Iを測定することで、測定箇所が指紋パターンの山(凸部)であることが判定できる。
【0040】
(2)指紋パターンの谷(凹部)が容量検出誘電体膜272に対向する場合
図10に、この場合の静電容量検出素子204の等価回路を示す。符号302が人体の指紋の谷に相当する。この場合は、図9に示す容量CDに加えて、誘電体膜272と指紋の谷との間に、空気を誘電体とする新たな容量CAが形成される。
図10の等価回路において、信号増幅用TFT206のゲートに印加される電圧VGVは、
VGV=Vdd/{[1+(1/CT)]×1/[(1/CD)+(1/CA)]}…(3)
となる。
【0041】
容量CDをトランジスタ容量CTよりも充分に大きく設定しておけば(例えばCD>10×CT)、(3)式は、
VGV≒Vdd/[1+(CA/CT)]…(4)
と近似される。
さらに、トランジスタ容量CTを、指紋の谷により形成される容量CAよりも充分に大きくしておけば(例えばCT>10×CA)、(4)式は、
VGV≒Vdd…(5)
と近似される。
この結果、信号増幅用TFT206は、そのゲートに電源電圧Vddがかかるためオン状態となる。よって、信号増幅用TFT206のソース−ドレイン間に流れる電流Iは極めて大きくなる。この電流Iを測定することで、測定箇所が指紋パターンの谷(凹部)であることが判定できる。
【0042】
このように、図6に示す可変容量CFは、指紋の山が容量検出誘電体膜272に接触した時は容量CDとなり、指紋の谷が容量検出誘電体膜272に対向としたときは容量CDと容量CAとの和となり、指紋の凹凸に従って容量が変化する。この指紋の凹凸に従った容量変化に基づく電流を検出することで、指紋の山または谷を検出できる。
以上の動作を、M×N個の静電容量検出素子204にて時分割で実施することで、指紋パターンを検出することが可能となる。
【0043】
ここで、電源電圧Vddに正電源を用いる場合には、ゲート電圧がゼロ近傍でドレイン電流が流れないエンハンスメント型N型トランジスタにて、信号増幅用TFT206を形成すればよい。CD>10×CTを満たす場合には、信号増幅用TFT206の伝達特性におけるドレイン電流が最小値となるゲート電圧(最小ゲート電圧)をVminとしたとき、0<Vmin<0.1×Vddを満たせばよい。電源電圧Vddに負電源を用いる場合には、ゲート電圧がゼロ近傍でドレイン電流が流れないエンハンスメント型P型トランジスタにて、信号増幅用TFT206を形成すればよい。CD>10×CTを満たす場合には、信号増幅用TFT206の伝達特性におけるドレイン電流が最小値となるゲート電圧(最小ゲート電圧)をVminとしたとき、0.1×Vdd<Vmin<0を満たせばよい。
【0044】
(血液検出センサ及び指標抽出部)
血液検出センサ50は発光素子51a、51b(発光ダイオード、面発光レーザ、有機ELなど)と受光素子52(フォトトランジスタ、フォトダイオード、有機フォトダイオードなど)とを用いて構成することができる(図5参照)。発光素子51a、51bは、互いに異なる波長の光を発光するものである。
【0045】
発光素子51aあるいは発光素子51bより放射された光は、プラスチックシート11と指紋検出センサ40を透過して、その上に接触している指へ進入する。指の中で光は吸収及び散乱され、その一部が指紋検出センサ40とプラスチックシート11とを透過して受光素子52へ到達する。そして、受光素子52で検知された光量から、発光素子51aあるいは発光素子51bそれぞれの光が指の中で吸収される度合いを見積もることができる。指の中で光を吸収する主な要因の一つとして血液ヘモグロビンが挙げられる。
【0046】
以下、発光素子51a、51bの発光波長について詳述する。
動脈血中の赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)の中で、酸化ヘモグロビン(HbO2)と呼ばれる酸素と結合したヘモグロビンと、酸素を放出した後の還元ヘモグロビンとは吸光特性(吸光スペクトル)に差がある。例えば、図11に示すように、酸化ヘモグロビンは赤外線近傍(波長940nm前後)をよく吸収するのに対して、還元ヘモグロビンは赤色光線(波長660nm前後)をよく吸収する。そのため、二つの発光波長毎に吸光度を測定することにより、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの比が得られるため、被計測者の血液の酸素飽和度を測定することができる。そのため、発光素子51a、51bとしては、これらの波長の光を照射可能なものをそれぞれ選択するが、各ヘモグロビンの吸光度を明確に検出するために、少なくとも800nm以上の波長と、800nm以下の波長をそれぞれ用いることが好ましい。本実施の形態では、発光素子51aが赤外線近傍(波長940nm前後)の発光波長を有し、発光素子51bが赤色光線(波長660nm前後)の発光波長を有するものとする。なお、これら発光素子51a、51bの発光は、図示しない制御装置により制御される。
【0047】
このような血液情報は、生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標を抽出できれば、偽造された指型などをモニタしたものでなく、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。本実施形態では、人為的に偽造が困難な血液情報を検出し、それを処理して抽出される指標を比較しているので、カードの盗用は確実に防止される。
【0048】
受光素子としては、例えばGaAsP系(ガリウム−砒素−リン系)のフォトトランジスタなどを用いることができる。なお、外光のうち波長が700nm以下の光は指の組織を透過しにくい傾向がある。よって、カードに指を接触させた状態で脈波を検出しても、S/Nを高く確保できる。また、発光素子51a、51b及び受光素子52が設けられるシート状基板11の材質も、外光に起因するノイズ等の外乱を排除するために、外光(可視光)を遮光する光学特性を有することが好ましい。
【0049】
発光素子51a、発光素子51b及び受光素子52は、共に微小タイル状素子であり、接着剤等によりプラスチックシート11の片面に接着されている。微小タイル状素子とは、微小なタイル形状(板形状)の半導体デバイスであり、例えば、厚さ1μmから20μm、縦横の大きさ数十μmから数百μmの四角形板状部材である。これらの微小タイル状素子の製造方法については後で説明する。なお、微小タイル状素子の形状は四角形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0050】
図12(a)に示すように、微小タイル状素子1は、接着剤3を介してプラスチックシート11の片面に接着されている。なお、この図においては、図5に対して上下を逆にして図示している。そして、微小タイル状素子1のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線4で接続されている。接着剤3は、例えば、樹脂からなり、絶縁性及び透明性を有していることが好ましい。
【0051】
なお、メタル配線4(及び後述するメタル配線5)は、図示しないインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)から金属を含む液滴を吐出することで金属パターン等を形成する液滴吐出方式で形成することが好ましい。これにより、フォトリソグラフィ、エッチング等で金属パターンを形成する場合に比較して、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。
【0052】
なお、発光素子51a、51bとしては、上記図12(a)に示した構成の他に、自動出力制御(APC:Auto Power Control)回路付きの構成を採ることも可能である。以下、半導体集積回路を用いたAPC回路付き面発光レーザ(発光素子)の構成例について図12(b)乃至図14を参照して詳述する。なお、本実施の形態では、発光素子51a、51bの双方が微小タイル状素子で形成された面発光レーザで構成されるものとして説明する。また、この図においても、図5に対して上下を逆にして図示している。
【0053】
図12(b)は、発光素子51a、51bの概略断面図である。この発光素子51a、51bは、プラスチックシート11上に微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを有して構成されている。微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2は、接着剤3を介して重ねられて貼り合わせられ、プラスチックシート11の片側面に接着剤3で接着されている。そして、微小タイル状素子2のデバイスと基板11に設けられている電子回路とはメタル配線5で接続されている。なお、接着剤3が絶縁性を持つものとすることで、メタル配線4、5におけるショートを確実に回避することができる。
【0054】
次に、図13を参照してより具体的に説明する。
すなわち、発光素子51a、51bは、透明なプラスチックシート11と、面発光レーザ21が形成されている微小タイル状素子1と、フォトダイオード23が形成されている微小タイル状素子2とを有して構成されている。プラスチックシート11と微小タイル状素子1及び微小タイル状素子2とを接着する接着剤3は、透明性及び絶縁性を有している。ここで、微小タイル状素子1と微小タイル状素子2とは、互いに逆の配置にしてもよい。
【0055】
微小タイル状素子1の面発光レーザ21からは、プラスチックシート11に向かってレーザ光(波長λ0)が放射されるとともに、微小タイル状素子2に向かってもレーザ光(波長λ0)が放射される。そして、微小タイル状素子2のフォトダイオード23は、面発光レーザ21の発光軸上に配置されている。したがって、微小タイル状素子2に向けて放射されたレーザ光(波長λ0)はフォトダイオード23に入射し、面発光レーザ21から放射されたレーザ光(波長λ0)の出力(発光量)がフォトダイオード23によって検出される。プラスチックシート11に向かって放射されたレーザ光(波長λ0)は、血液情報検出に用いられる。
【0056】
図14は自動出力制御回路付き面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
微小タイル状素子1の面発光レーザ21から放射されたレーザ光の一部は、微小タイル状素子2のフォトダイオード23に入射する。そこで、フォトダイオード23には面発光レーザ21のレーザ出力に対応した電流が流れる。光モニター回路31は、フォトダイオード23を流れる電流の大きさに応じた出力制御信号をドライバ回路32へ出力する。ここで、光モニター回路31は、所定の基準値とフォトダイオード23を流れる電流の大きさとを比較して、その電流が所望の一定値となるように、即ち面発光レーザ21のレーザ出力が所望の一定値となるように、出力制御信号を生成する。この出力制御信号に応じたレーザ出力となるようにドライバ回路32は面発光レーザ21を駆動させる。
【0057】
これらにより、面発光レーザ21のレーザ出力は、周囲温度の変化及び経時変化などにかかわらず所望の一定値に保たれる。そして、光モニター回路31及びドライバ回路32をプラスチックシート11、微小タイル状素子1又は微小タイル状素子2に設けることで、1つの基板に面発光レーザと自動出力制御回路(APC)を設けることができるので、面発光レーザ装置を大幅に小型化することが可能となるとともに、製造工程が簡素となって製造コストを低減することが可能となる。
【0058】
(微小タイル状素子の製造方法)
次に、上記微小タイル状素子の製造方法について図15乃至図23を参照して説明する。本製造方法では、微小タイル状素子としての化合物半導体デバイス(化合物半導体素子)をシート状基板となるプラスチックシート11上に接合する場合について説明するが、半導体デバイスの種類及びシート状基板の種類に関係なく本方法を適用することができる。なお、本実施形態における「半導体基板」とは、半導体物資から成る物体をいうが、板形状の基板に限らず、どのような形状であっても半導体物資であれば「半導体基板」に含まれる。
【0059】
<第1工程>
図15は、微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。図15において、基板110は、半導体基板であり、例えばガリウム・ヒ素化合物半導体基板とする。基板110における最下位層には、犠牲層111を設けておく。犠牲層111は、アルミニウム・ヒ素(AlAs)からなり、厚さが例えば数百nmの層である。
例えば、犠牲層111の上層には機能層112を設ける。機能層112の厚さは、例えば1μmから10(20)μm程度とする。そして、機能層112において半導体デバイス(半導体素子)113を作成する。半導体デバイス113としては、例えば上述した発光ダイオード(LED)、面発光レーザ(VCSEL)、フォトダイオード(PD)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)などが挙げられる。これらの半導体デバイス113は、何れも基板110上に多層のエピタキシャル層を積層して素子が形成されたものである。また、各半導体デバイス113には、電極も形成し、動作テストも行う。
【0060】
<第2工程>
図16は、微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。本工程においては、各半導体デバイス113を分割するように分離溝121を形成する。分離溝121は、少なくとも犠牲層111に到達する深さをもつ溝とする。例えば、分離溝121の幅及び深さともに、10μmから数百μmとする。また、分離溝121は、後述するところの選択エッチング液が当該分離溝121を流れるように、行き止まりなく繋がっている溝とする。さらに、分離溝121は、碁盤のごとく格子状に形成することが好ましい。
また、分離溝121相互の間隔を数十μmから数百μmとすることで、分離溝121によって分割・形成される各半導体デバイス113のサイズを、数十μmから数百μm四方の面積をもつものとする。分離溝121の形成方法としては、フォトリソグラフィとウェットエッチングによる方法、またはドライエッチングによる方法を用いる。また、クラックが基板に生じない範囲でU字形溝のダイシングで分離溝121を形成してもよい。
【0061】
<第3工程>
図17は、微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131を基板110の表面(半導体デバイス113側)に貼り付ける。中間転写フィルム131は、表面に粘着剤が塗られたフレキシブルな帯形状のフィルムである。
【0062】
<第4工程>
図18は、微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。本工程においては、分離溝121に選択エッチング液141を注入する。本工程では、犠牲層111のみを選択的にエッチングするために、選択エッチング液141として、アルミニウム・ヒ素に対して選択性が高い低濃度の塩酸を用いる。
【0063】
<第5工程>
図19は、微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。本工程においては、第4工程での分離溝121への選択エッチング液141の注入後、所定時間の経過により、犠牲層111のすべてを選択的にエッチングして基板110から取り除く。
【0064】
<第6工程>
図20は、微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。第5工程で犠牲層111が全てエッチングされると、基板110から機能層112が切り離される。そして、本工程において、中間転写フィルム131を基板110から引き離すことにより、中間転写フィルム131に貼り付けられている機能層112を基板110から引き離す。
これらにより、半導体デバイス113が形成された機能層112は、分離溝121の形成及び犠牲層111のエッチングによって分割されて、所定の形状(例えば、微小タイル形状)の半導体素子(上記実施形態の「微小タイル状素子」)とされ、中間転写フィルム131に貼り付け保持されることとなる。ここで、機能層の厚さが例えば1μmから8μm、大きさ(縦横)が例えば数十μmから数百μmであるのが好ましい。
【0065】
<第7工程>
図21は、微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。本工程においては、(微小タイル状素子161が貼り付けられた)中間転写フィルム131を移動させることで、プラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161をアライメントする。ここで、最終基板171の所望の位置には、微小タイル状素子161を接着するための接着剤173を塗布しておく。
【0066】
<第8工程>
図22は、微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。本工程においては、プラスチックシート11の所望の位置にアライメントされた微小タイル状素子161を、中間転写フィルム131越しに裏押しピン181で押しつけてプラスチックシート11に接合する。ここで、所望の位置には接着剤173が塗布されているので、そのプラスチックシート11の所望の位置に微小タイル状素子161が接着される。
【0067】
<第9工程>
図23は、微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。本工程においては、中間転写フィルム131の粘着力を消失させて、微小タイル状素子161から中間転写フィルム131を剥がす。
中間転写フィルム131の粘着剤は、UV硬化性又は熱硬化性のものにしておく。UV硬化性の粘着剤とした場合は、裏押しピン181を透明な材質にしておき、裏押しピン181の先端から紫外線(UV)を照射することで中間転写フィルム131の粘着力を消失させる。熱硬化性の接着剤とした場合は、裏押しピン181を加熱すればよい。あるいは第6工程の後で、中間転写フィルム131を全面紫外線照射するなどして粘着力を全面消失させておいてもよい。粘着力が消失したとはいえ実際には僅かに粘着性が残っており、微小タイル状素子161は非常に薄く軽いので中間転写フィルム131に保持される。
【0068】
<第10工程>
本工程は、図示していない。本工程においては、加熱処理などを施して、微小タイル状素子161をプラスチックシート11に本接合する。
【0069】
<第11工程>
本工程においては、図12に示すように、微小タイル状素子161の電極とプラスチックシート11上の回路を配線191により電気的に繋ぎ、一つのLSIチップなどの半導体集積回路を完成させる。なお、プラスチックシート11上には、指紋検出センサ40、血液検出センサ50に接続されるドライバー、受光アンプやCPU等の素子を、TFTやSi−ICで設けることも可能である。この場合、各センサ40、50と各素子とを接続する配線を、上述したインクジェットヘッドから金属を含む液滴を吐出して形成することで、構成材料の量を軽減でき、設計変更などにも容易に対応できるため、製造コストを低減することが可能になる。また、配線191もインクジェット方式で形成することが好ましい。
なお、シート状基板としては、プラスチックシートのみならず、シリコン半導体、または石英基板を適用してもよい。
【0070】
<第12工程>
本工程においては、図23に示すように上記工程によってプラスチックシート11の上に形成された微小タイル状素子161の上面に、図12に示すようにさらに微小タイル状素子を重ねて貼り付ける。この微小タイル状素子の更なる貼付は、上記第1工程から第11工程を繰り返すことで行う。これらにより、簡易かつ迅速に、所定の基板上に複数枚の微小タイル状素子を重ねて貼り付けることができる。この後、各素子が接合されたプラスチックシート11の表面に絶縁コーティングを施す。
【0071】
(本人照合装置での動作)
図24は、本人照合装置30の動作フローチャートである。本実施形態では、まず指紋検出センサ40にて指紋情報を検出している(ステップ1)。この指紋情報の検出動作は、カード型情報記録媒体100が電源を内蔵している場合には、図3の情報処理装置150とは非接続で、カード型情報記録媒体100単体で実施してもよい。カード型情報記録媒体100が電源を内蔵しているかいないかに拘わらず、カード型情報記録媒体100を図3の情報処理装置150にセットして、情報処理装置150内の給電部132よりカード型情報記録媒体100に電源を供給して、指紋検出を行っても良い。
【0072】
検出された指紋情報は照合部70に入力される。この照合部70には、指紋情報と比較される第1の比較情報が、比較情報記憶部80の第1の比較情報記憶部82より入力される。そして、照合部70にて指紋情報と第1の比較情報とが比較される。第1の比較情報は、登録された本人固有の指紋情報である。よって、カード所有者がカードに登録された本人であれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ2がYES)。
【0073】
ここで、ステップ2の判断がNOであれば、真正なるカード所有者が操作していないことになる。そこで、照合部70は不一致信号を出力する。カード型情報記録媒体100が表示部20(図2(A)(B)参照)を備えている場合には、この不一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できない旨の表示、例えば「使用不能」の文字などを表示する(ステップ3)。この不一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードに代えて、カード所有者が真正でないのでカードが使用不能である旨の信号を出力する(ステップ4)。これにより、カード型情報記録媒体100の使用が禁止される。
【0074】
また、指紋情報が不一致であると、以降の照合動作は実施されない。ここで、指紋検出は、後述の通り例えば静電容量の検出原理を用いると消費電力が少なくて済む一方で、血液情報を上述の通り光学的に検出すると比較的多くの電力を消費する。よって、指紋が不一致である時には、消費電力が多い血液情報検出動作を実施しないようにしている。
【0075】
ステップ2の判断がYESであると、照合部70からの一致信号に基づいて、血液検出センサ50でのセンシングが開始され、血液情報(吸光度)が検出される(ステップ5)。具体的には、制御装置は、まず発光素子51aにより赤外線近傍の光を発光させ、その反射光を受光素子52で受光させる。次いで、制御装置は発光素子51bにより赤色光線の光を発光させ、その反射光を受光素子52で受光させる。このように、発光波長毎に発光素子51a、51bを順次発光させ、血液で反射した光を受光素子52で順次受光させ、時分割で吸光度を測定することで、受光素子を一つしか設置しない場合でも、複数の発光波長に対する血液情報を容易に得ることが可能になる。そして、指標抽出部60にて、各発光波長毎に得られた吸光度から酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの比が得られるため、被計測者の血液の酸素飽和度(血中酸素量)を指標として抽出する(ステップ6)。
【0076】
照合部70には、抽出された指標と、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部84からの第2の比較情報とが入力される。そして、照合部70にて指標と第2の比較情報とが比較される(ステップ7)。第2の比較情報は、登録された本人の血液の酸素飽和度(血中酸素量)の指標である。よって、抽出された指標が登録された本人のものであれば、照合部70にて両者が一致した判断できる(ステップ7がYES)。なお、第2の比較情報は許容幅をもって記憶されており、抽出された指標がその許容幅内であれば一致と判断される。特に、血中酸素量は、本人の体調等により変動するため、時間毎や運動直後等、各種条件下での血中酸素量を予め計測しておき、これらの計測結果から許容幅を設定することが好ましい。
【0077】
このように、血液の酸素飽和度(血中酸素量)は生体から発せられる生体信号であり、それを処理して抽出した指標も生体独自のものである。よって、このような指標が記憶情報と一致していれば、確かに生存するカード所有者の指をモニタしたものであることが判明する。また、指標によっては、登録された本人の年齢、性別などを反映するため、年齢チェック及び/または性別チェックも実施することができる。
【0078】
ステップ7の判断がNOであれば、ステップ3及び/またはステップ4が実施されるので、カードの盗用が防止される。
ステップ7の判断がYESであれば、真正でかつ生存しているカード所有者が操作したことになる。そこで、照合部70は一致信号を出力する。カード型情報記録媒体100が表示部20を備えている場合には、この一致信号は図2(A)(B)に示すCPU14に入力される。CPU14は、表示駆動部22を制御して、表示部20にカードが使用できる旨の表示、例えば「使用可能」の文字などを表示する(ステップ8)。この一致信号はパスワード出力部90にも入力され、パスワード出力部90はパスワードを出力する(ステップ9)。これにより、カード型情報記録媒体100での照合動作が完了する。
【0079】
(履歴情報記憶部及び情報更新部)
図4に示すように、本人照合装置30には、指標抽出部60にて抽出された指標の履歴情報を記憶する履歴情報記憶部130と、その履歴情報に基づいて、比較情報記憶部80の第2の比較情報記憶部82に記憶されている第2の比較情報を更新する情報更新部140とをさらに設けることができる。
【0080】
吸光度から抽出される指標の中には、上述した通り、年齢依存性などのように経時的に変化する指標がある。このため、常に一定の指標を第2の比較情報として記憶していると、時の経過により本人の指標とは異なるものとなってしまう。そこで、血液検出センサ50にて吸光度を検出する度に、抽出された指標を履歴情報として履歴情報記憶部130に記憶させる。この履歴情報記憶部130には、例えば過去複数回に検出された複数の指標が履歴情報として記憶される。情報更新部140は、その履歴情報に基づいて、例えば過去複数回に検出された指標の移動平均を演算し、その移動平均値を第2の比較情報として更新する。こうして、指標と比較される第2の比較情報は最新の情報に更新される。よって、照合エラーを低減できる。
【0081】
以上のように本実施の形態では、指紋検出センサ40のみならず、血液検出センサ50により血中酸素量を用いて本人照合を実施しているので、より本人照合精度を高くすることができることに加えて、半導体基板から切り離された微小タイル状素子をプラスチックシート11上に接合して血液検出センサ50を形成しているので、ハンドリング性が向上してプラスチックシート11上に容易、且つ迅速に半導体素子を実装できるとともに、小型で薄型の血液検出センサ50及びカード型情報記録媒体を得ることが可能になる。
また、本実施の形態では、時分割で吸光度を測定することで、受光素子を一つしか設置しない場合でも、複数の発光波長に対する血液情報を容易に得ることが可能になり、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
【0082】
図25は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
この図において、図5に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施形態と上記の第1の実施形態とが異なる点は、複数の発光素子毎に波長選択性を有する受光素子を設けたことである。
【0083】
図25に示すように、血液検出センサ50は、発光素子51a、51bと、各発光素子と対で設けられた受光素子52a、52bとから構成される。各受光素子52a、52bは、対となる発光素子51a、51bの発光波長に対応した波長選択性を有している。受光素子52a、52bとしては、カラーフィルタを備え、上記第1〜第12工程で製造されたフォト・ダイオードやフォト・トランジスタを用いることができる。この場合、各受光素子52a、52bが備えるカラーフィルタは、対応する発光素子51a、51bの発光波長の光を透過させるものが選択される。なお、カラーフィルタは、プラスチックシート11と受光素子52a、52bとの間にそれぞれ配置する構成であったり、受光素子52a、52b自体に設ける構成であってもよい。
【0084】
また、波長選択性を有する受光素子52a、52bとしては、発光素子51a、51bの発光波長にそれぞれ対応した回折格子型反射層を有するものであてもよい。図26は、回折格子型反射層を有する受光素子52a、52bの一例を示す概略断面図である。受光素子52a、52bとしての微小タイル状素子2は、タイル状部材における一方面側(例えば上面側)に設けられたフォトダイオード受光部23aと、フォトダイオード受光部23aの上面の周端部に設けられた第1電極23bと、タイル状部材におけるフォトダイオード受光部23aと同一面に設けられた第2電極23cと、タイル状部材における他方面側(例えば下面側)に設けらた回折格子型反射層(DBR :Distributed Bragg Reflector)23dとで構成されている。
【0085】
回折格子型反射層23dは、回折格子を反射器として集積したものであり、波長選択性があり、発光素子51a、51bから放射された光(波長λ0)に対する反射率が10パーセント以下であり、そのレーザ光(波長λ0)に対して非反射(Anti Reflection)層として作用する。したがって、微小タイル状素子2に回折格子型反射層23dを設けることにより、発光素子51a、51bからのレーザ光(波長λ0)の反射が抑えられ、雑音を低減することができる。換言すると、受光素子52a、52bのそれぞれに対して、発光素子51a、51bの発光波長のみを反射させない(透過させる)回折格子型反射層23dを設けることで、受光素子52aは発光素子51aから放射された光のみを、受光素子52bは発光素子51bから放射された光のみを受光することができる。なお、回折格子型反射層23dは、タイル状部材における下面側ではなく上面側に設けてもよい。
【0086】
図27は図26に示す微小タイル状素子2を改良した概略断面図である。これらの微小タイル状素子2の相違点は、回折格子型反射層23eが設けられている点である。回折格子型反射層23eは、フォトダイオード受光部23aの上面に設けられている。この構成により、微小タイル状素子2は、発光素子51a、51bから放射された光(波長λ0)に対して、下面のみならず上面でも反射を抑えることができ、さらに雑音を低減することができる。
【0087】
なお、上記実施の形態では、発光素子51及び受光素子52をプラスチックシート11の裏面側(指紋検出センサ40の配置面と逆側)に設ける構成としたが、同じ側(面)に設ける構成であってもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、発光素子51及び受光素子52のいずれもを、第1〜第12工程で形成された微小タイル状素子で構成するものとして説明したが、いずれか一方のみを微小タイル状素子で構成し、他方を他の素子で構成することも可能である。例えば、微小タイル状素子で構成された発光素子51a、51bとしては、上記面発光レーザの他に発光ダイオード(LED)を用いることができ、他の素子で構成された発光素子51としては、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)装置を用いることができる。有機EL装置は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
【0089】
一方、第1〜第12工程で形成された微小タイル状素子で構成された受光素子52としては、上記フォトダイオードの他にフォトトランジスタ、MSM(Metal Semiconductor Metal;金属−半導体−金属)構造素子を用いることができる。MSM構造素子は、半導体上に櫛形電極を配列した構造を有しており、例えばフォトダイオードとして用いることができる。また、他の素子で構成された受光素子52としては、上記指紋検出センサ40と同様の製造方法で製造される薄膜Si−PD(フォトダイオード)、薄膜Si−PTr(フォトトランジスタ)、薄膜Si−MSM構造素子を用いることができ、これらはアモルファスシリコン(a−Si成膜)か多結晶シリコン(p−Si転写)で形成することが可能である。
【0090】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の本人照合装置は必ずしもカード型情報記録媒体に限らず、他の携帯型電子機器、設置型電子機器などに搭載しても良い。また、例えば指紋検出センサ40を使用しないモードを付加し、このモードを選択したときは現在の血液情報のみを検出し、検出した血液情報と記憶部84に記憶されている健康時の血液情報と照合することで、現在の健康状態を管理することも可能である。このように、第1の検出手段を選択的に使用することで、本発明の本人照合装置を健康管理装置として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1とは異なる本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体の概略説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体及び情報処理装置から構成される情報処理システムのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカード型情報記録媒体に内蔵される本人照合装置のブロック図である。
【図5】指紋検出センサ、血液検出センサが形成されたプラスチックシートの正面図である。
【図6】指紋検出センサの概略説明図である。
【図7】図6に示す容量検出素子の断面図である。
【図8】カード型情報記録媒体の製造工程を示す概略説明図である。
【図9】指紋の山を接触させた時の静電容量検出素子の等価回路図である。
【図10】指紋の谷を接触させた時の静電容量検出素子の等価回路図である。
【図11】ヘモグロビンの波長と吸光度との関係を示す図である。
【図12】(a)、(b)は発光素子の概略断面図である。
【図13】発光素子の具体例を示す概略断面図である。
【図14】面発光レーザの自動出力制御回路を示す回路図である。
【図15】微小タイル状素子の製造方法の第1工程を示す図である。
【図16】微小タイル状素子の製造方法の第2工程を示す図である。
【図17】微小タイル状素子の製造方法の第3工程を示す図である。
【図18】微小タイル状素子の製造方法の第4工程を示す図である。
【図19】微小タイル状素子の製造方法の第5工程を示す図である。
【図20】微小タイル状素子の製造方法の第6工程を示す図である。
【図21】微小タイル状素子の製造方法の第7工程を示す図である。
【図22】微小タイル状素子の製造方法の第8工程を示す図である。
【図23】微小タイル状素子の製造方法の第9工程を示す図である。
【図24】図3に示す本人照合装置の動作タイミングチャートである。
【図25】血液検出センサの第2の実施形態を示す概略断面図である。
【図26】回折格子型反射層を有する微小タイル状素子の断面図である。
【図27】回折格子型反射層を有する微小タイル状素子の断面図である。
【符号の説明】
10 基板、11 プラスチックシート(シート状基板、拡散装置)、23 フォトダイオード(検出装置)、23d 回折格子型反射層、40 指紋検出センサ(第1の検出手段)、50 血液検出センサ(光学式センサ)、51a、51b 発光素子、52 受光素子、110 半導体基板
Claims (13)
- 操作者の固有情報を検出する第1の検出手段と、
シート状基板に設けられた発光素子及び受光素子を有し、前記操作者の血液に関する情報を検出する第2の検出手段とを備え、
前記発光素子及び受光素子の少なくともいずれか一方は、半導体基板に形成され、且つフィルムに貼付された状態で前記半導体基板から切り離されて前記シート状基板に接合された半導体素子からなることを特徴とする本人照合装置。 - 請求項1記載の本人照合装置において、
前記発光素子は、互いに発光波長を異ならせて複数設けられることを特徴とする本人照合装置。 - 請求項2記載の本人照合装置において、
前記発光波長は、照射光に対する前記血液の吸光特性に基づいて設定されることを特徴とする本人照合装置。 - 請求項3記載の本人照合装置において、
前記発光波長は、照射光に対する酸化ヘモグロビンの吸光特性と還元ヘモグロビンの吸光特性との相対関係に基づいてそれぞれ設定されることを特徴とする本人照合装置。 - 請求項2から4のいずれかに記載の本人照合装置において、
前記発光波長毎に、前記発光素子を順次発光させるとともに、前記血液での反射光を前記受光素子で順次受光させる制御装置を有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項5記載の本人照合装置において、
前記受光素子は、化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタ、MSM構造素子のうちの少なくとも一つを有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項2から4のいずれかに記載の本人照合装置において、
前記受光素子は、照射光に対して波長選択性を有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項7記載の本人照合装置において、
前記受光素子は、前記発光波長のそれぞれに対応したカラーフィルタを有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項7記載の本人照合装置において、
前記受光素子は、前記発光波長のそれぞれに対応した回折格子型反射層を有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項8または9記載の本人照合装置において、
前記受光素子は、化合物半導体デバイスであって、フォト・ダイオード、フォト・トランジスタのうちの少なくとも一つを有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項1から10のいずれかに記載の本人照合装置において、
前記発光素子は、有機EL素子、化合物半導体デバイスであって、面発光レーザ及び発光ダイオードの少なくとも一つを有することを特徴とする本人照合装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の本人照合装置を有することを特徴とするカード型情報記録媒体。
- 請求項12に記載のカード型情報記録媒体と、
前記カード型情報記録媒体の情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置とを有することを特徴とする情報処理システム。
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