以下に、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下の実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、タッチパネルについて図1〜図5を参照して説明する。
図1に、本発明の一態様に係るタッチパネルの断面図の一例を示す。図1に示すタッチパネルでは、基板(TFT基板)1001上に、フォトダイオード1002、トランジスタ1003、保持容量1004、液晶素子1005が設けられている。
フォトダイオード1002と、保持容量1004とは、トランジスタ1003を作製するプロセスにおいて、トランジスタ1003と共に形成することが可能である。フォトダイオード1002は横型接合タイプのpinダイオードであり、フォトダイオード1002が有する半導体膜1006は、p型の導電性を有する領域(p層)と、i型の導電性を有する領域(i層)と、n型の導電性を有する領域(n層)とを有している。なお、本実施の形態では、フォトダイオード1002がpinダイオードである場合を例示しているが、フォトダイオード1002はpnダイオードであっても良い。横型接合タイプのpin接合またはpn接合は、p型を付与する不純物と、n型を付与する不純物とを、それぞれ半導体膜1006の特定の領域に添加することで、形成することが出来る。
また、基板(TFT基板)1001上に成膜した一の半導体膜をエッチングなどにより所望の形状に加工(パターニング)することで、フォトダイオード1002の島状の半導体膜と、トランジスタ1003の島状の半導体膜とを一緒に形成することができ、通常のパネル作製プロセスに追加するプロセスが不要となり、コストを低減できる。
液晶素子1005は、画素電極1007と、液晶1008と、対向電極1009とを有する。画素電極1007は、基板1001上に形成されており、トランジスタ1003と、保持容量1004と、導電膜1010を介して電気的に接続されている。また、対向電極1009は、基板(対向基板)1013上に形成されており、画素電極1007と対向電極1009の間に、液晶1008が挟まれている。なお、本実施の形態では、フォトセンサに用いられているトランジスタについては図示していないが、当該トランジスタも、トランジスタ1003を作製するプロセスにおいて、トランジスタ1003と共に基板(TFT基板)1001上に形成することが可能である。
画素電極1007と、対向電極1009の間のセルギャップは、スペーサー1016を用いて制御することが出来る。図1では、フォトリソグラフィで選択的に形成された柱状のスペーサー1016を用いてセルギャップを制御しているが、球状のスペーサーを画素電極1007と対向電極1009の間に分散させることで、セルギャップを制御することも出来る。
また液晶1008は、基板(TFT基板)1001と基板(対向基板)1013の間において、封止材により囲まれている。液晶1008の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
画素電極1007には、透光性を有する導電性材料、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、酸化亜鉛(ZnO)を含むインジウム亜鉛酸化物(IZO(Indium Zinc Oxide))、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム(Ga)を含む酸化亜鉛、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることが出来る。
また、本実施の形態では、透過型の液晶素子1005を例に挙げているので、画素電極1007と同様に、対向電極1009にも上述した透光性を有する導電性材料を用いることが出来る。
画素電極1007と液晶1008の間には配向膜1011が、対向電極1009と液晶1008の間には配向膜1012が、それぞれ設けられている。配向膜1011、配向膜1012はポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することができ、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理が施されている。ラビングは、配向膜に圧力をかけながら、ナイロンなどの布を巻いたローラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことが出来る。なお、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有する配向膜1011、配向膜1012を直接形成することも可能である。
また、液晶素子1005と重なるように、特定の波長領域の光を通すことができるカラーフィルタ1014が、基板(対向基板)1013上に形成されている。カラーフィルタ1014は、顔料を分散させたアクリル系樹脂などの有機樹脂を基板1013上に塗布した後、フォトリソグラフィを用いて選択的に形成することができる。また、顔料を分散させたポリイミド系樹脂を基板1013上に塗布した後、エッチングを用いて選択的に形成することもできる。或いは、インクジェットなどの液滴吐出法を用いることで、選択的にカラーフィルタ1014を形成することもできる。
また、フォトダイオード1002と重なるように、光を遮蔽することが出来る遮蔽膜1015が、基板(対向基板)1013上に形成されている。遮蔽膜1015を設けることで、基板(対向基板)1013を透過してタッチパネル内に入射したバックライトからの光が、直接フォトダイオード1002に当たるのを防ぐことができる他、画素間における液晶1008の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認されるのを防ぐことができる。遮蔽膜1015には、カーボンブラック、低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜1015を形成することも可能である。
また、基板(TFT基板)1001の画素電極1007が形成されている面とは反対の面に、偏光板1017を設け、基板(対向基板)1013の対向電極1009が形成されている面とは反対の面に、偏光板1018を設ける。
液晶素子は、TN(Twisted Nematic)型の他、VA(Virtical Alignment)型、OCB(optically compensated Birefringence)型、IPS(In−Plane Switching)型等であっても良い。なお、本実施の形態では、画素電極1007と対向電極1009の間に液晶1008が挟まれている構造の液晶素子1005を例に挙げて説明したが、本発明の一態様に係るタッチパネルはこの構成に限定されない。IPS型のように、一対の電極が、共に基板(TFT基板)1001側に形成されている液晶素子であっても良い。
また、本実施の形態では、フォトダイオード1002、トランジスタ1003、保持容量1004に、薄膜の半導体膜を用いている場合を例に挙げているが、単結晶半導体基板、SOI基板などを用いて形成されていても良い。
さて、本実施の形態に示す断面構造では、バックライトからの光は、基板(対向基板)1013側から照射する。すなわち、矢印1020で示すように液晶素子1005を通って、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021に照射される。そして、被検出物1021において反射された矢印1022で示す光は、フォトダイオード1002に入射する。
ここで、特定の色(例えば、赤(R)、緑(G)、青(B))の光の検出をフォトダイオード1002で行うには、バックライトからの矢印1020で示す光が、当該色の画素における液晶素子1005を通過し、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021に照射し、反射された矢印1022で示す光が、当該画素のフォトダイオード1002に入射する必要がある。仮に、バックライトからの矢印1020で示す光が、当該色以外の画素における液晶素子1005を通過し、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021に照射し、反射された矢印1022で示す光が、当該画素のフォトダイオード1002に入射した場合、異なる色の光が混合してしまう。すなわち、当該画素のフォトダイオード1002では、混合した光の強度を検出することになり、カラー撮像が困難となる。
さて、一般的に、液晶パネル及び有機ELパネルなどでは、基板(TFT基板)1001には、ガラス基板が用いられることが多い。現在量産されている、液晶パネル及び有機ELパネルなどでは、ガラス基板の厚みは0.5mm〜0.7mm程度のものが多い。一方、画素サイズは、高精細なパネルの場合には、100μm未満である。カラーフィルタ方式を用いる場合には、例えば、ストライプ配置の場合、各色は、画素サイズの3分の1、すなわち、数十μmの間隔で配置されることになる。
バックライトからの矢印1020で示す光が、当該色の画素における液晶素子1005を通過し、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021に照射し、反射された矢印1022で示す光が、当該画素のフォトダイオード1002に入射するためには、光は、基板(TFT基板)1001を往復する1.0mm〜1.4mmの距離を進む間に、数十μmの広がりしか許されないことになる。ここで、基板(TFT基板)1001に接触している被検出物1021を考えることにすると、上記の問題は、基板(TFT基板)1001と被検出物1021との界面における光の反射の問題と等価である。基板(TFT基板)1001からの光の入射角をθとすると、反射光の反射角もθであり、基板(TFT基板)1001の厚さをdとすると、光の広がりの程度は2d・tanθとなる。基板(TFT基板)1001が厚い場合には、小さな入射角、すなわち、バックライトからの光の直進性が要求される。上記の例では、tanθが1/30〜1/50以下が要求され、非常に厳しい直進性が要求されることになる。
そこで、本実施の形態では、絶縁表面を有する基板(絶縁基板)上に、薄膜トランジスタ、フォトセンサなどの、タッチパネルを構成する半導体素子を作製した後に、当該絶縁基板から上記半導体素子を剥離することで、薄膜化されたTFT基板を作製する。この場合、剥離された半導体素子を含む層自体を単独で、TFT基板として用いることができる。なお、剥離により露出した面に樹脂などの絶縁膜を保護層として形成し、剥離された半導体素子を保護するようにしても良い。或いは、剥離された半導体素子を、厚さ10μm乃至200μm、より好ましくは20μm乃至40μmの、厚さの小さいプラスチック等の透光性を有する基板に接着させるようにしても良い。この場合、剥離された半導体素子と、保護層または接着された基板とを合わせたものを、TFT基板として用いることができる。
剥離することで形成されるTFT基板は、画素ピッチと同程度か、それ以下の厚さであることが望ましい。隣り合う画素に着目すると、フォトダイオードはほぼ等間隔で配置されているが、画素ピッチとは、このフォトダイオードどうしの間隔に相当する。フォトダイオードどうしの間隔が等間隔ではない場合、隣り合う画素のうち、最も短いフォトダイオードどうしの間隔を、画素ピッチと判断すれば良い。このような厚さの小さいTFT基板を用いることで、図1に示すように、バックライトからの矢印1020で示す光は、当該色の画素における液晶素子1005を通過し、基板(TFT基板)1001側にある被検出物1021において矢印1022で示すように反射し、当該画素のフォトダイオード1002に入射するまでの距離、すなわち、基板(TFT基板)1001を往復する距離(本実施の形態では数十μm)、だけ進めば良くなる。よって、当該距離を進む間における光の拡散を、画素ピッチ、すなわち画素の間隔(本実施の形態では数十μm)以内に収めるのが容易になり、バックライトから発せられる光に厳しい直進性が要求されない。また、隣接画素からの光が当該画素に入射する際には、入射角が大きくなる。つまり、隣接画素からの光は、TFT基板を斜めに通過する必要があり、直進する場合に比べて、光が進む距離は長くなる。すなわち、隣接画素からの光は、当該画素からの光に比べて光強度が低下する。したがって、厚さの小さいTFT基板を用いることで、隣接する画素のフォトダイオードに光が入射してしまうのを防ぐことができ、異なる色の光の混合を回避しやすく、カラー階調を容易に得ることができる。
なお、剥離工程は、絶縁基板と被剥離層(TFT基板)との間に剥離層を形成し、剥離層と被剥離層との間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該半導体素子層を剥離する方法、耐熱性の高い絶縁基板と被剥離層の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該被剥離層を剥離する方法、絶縁基板と被剥離層の間に剥離層を形成し、剥離層と被剥離層との間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において剥離する方法、被剥離層が形成された絶縁基板を機械的に削除又は溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去する方法等を適宜用いることができる。また、剥離層として窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出させ被剥離層と絶縁基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に転置工程を行うことができる。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメスなどによる機械的な削除を行い、剥離層と半導体素子層とを剥離しやすい状態にしてから、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて絶縁基板から被剥離層を剥離する、或いは剥離を行う際に水などの液体をかけたりしながら剥離してもよい。
その他の剥離方法としては、剥離層をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と過酸化水素水の混合溶液によりエッチング剥離層をエッチングしながら剥離を行うと良い。
以上のような形態とすることで、高分解能且つカラーでの撮像が可能な安価なタッチパネルを提供することができる。また、高分解能且つカラーでの撮像が可能な安価なタッチパネルの作製方法を提供することができる。
次に、本発明の一態様に係るタッチパネルの回路構成について、図2を参照して説明する。タッチパネル100は、画素回路101、表示素子制御回路102及びフォトセンサ制御回路103を有する。画素回路101は、行列方向にマトリクス状に配置された複数の画素104を有する。各々の画素104は、表示素子105とフォトセンサ106を有する。
表示素子105は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)、保持容量、液晶層を有する液晶素子などを有する。薄膜トランジスタは、保持容量への電荷を注入もしくは排出を制御する機能を有する。保持容量は、液晶層に印加する電圧に相当する電荷を保持する機能を有する。液晶層に電圧を印加することで偏光方向が変化することを利用して、液晶層を透過する光の明暗(階調)を作ることで、画像表示が実現される。液晶層を透過する光には、光源(バックライト)によって液晶表示装置の裏面から照射される光を用いる。
なお、カラー画像表示を行うには、例えば、カラーフィルタを用いる方式、所謂、カラーフィルタ方式を用いれば良い。これは、液晶層を透過した光がカラーフィルタを通過することで、特定の色(例えば、赤(R)、緑(G)、青(B))の階調を作ることができる。ここで、カラーフィルタ方式を用いる際に、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色を発光する機能を有する画素104を、各々、R画素、G画素、B画素と呼ぶことにする。
なお、表示素子105が液晶素子を有する場合について説明したが、発光素子などの他の素子を有していてもよい。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子であり、具体的には発光ダイオード、OLED(Organic Light Emitting Diode)等が挙げられる。
フォトセンサ106は、フォトダイオードなど、受光することで電気信号を発する機能を有する素子と、薄膜トランジスタとを有する。なお、フォトセンサ106が受光する光は、バックライトからの光が、被検出物に照射された際の反射光を利用する。
表示素子制御回路102は、表示素子105を制御するための回路であり、ビデオデータ信号線などの信号線(「ソース信号線」ともいう。)を介して表示素子105に信号を入力する表示素子駆動回路107と、走査線(「ゲート信号線」ともいう。)を介して表示素子105に信号を入力する表示素子駆動回路108を有する。例えば、走査線側の表示素子駆動回路108は、特定の行に配置された画素が有する表示素子を選択する機能を有する。また、信号線側の表示素子駆動回路107は、選択された行の画素が有する表示素子に任意の電位を与える機能を有する。なお、走査線側の表示素子駆動回路108により高電位を印加された表示素子では、薄膜トランジスタが導通状態となり、信号線側の表示素子駆動回路107により与えられる電荷が供給される。
フォトセンサ制御回路103は、フォトセンサ106を制御するための回路であり、フォトセンサ出力信号線、フォトセンサ基準信号線等の信号線側のフォトセンサ読み出し回路109と、走査線側のフォトセンサ駆動回路110を有する。例えば、走査線側のフォトセンサ駆動回路110は、特定の行に配置された画素が有するフォトセンサ106を選択する機能を有する。また、信号線側のフォトセンサ読み出し回路109は、選択された行の画素が有するフォトセンサ106の出力信号を取り出す機能を有する。なお、信号線側のフォトセンサ読み出し回路109は、アナログ信号であるフォトセンサの出力を、OPアンプを用いてアナログ信号のままタッチパネル外部に取り出す構成や、A/D変換回路を用いてデジタル信号に変換してからタッチパネル外部に取り出す構成が考え得る。
画素104の回路図について、図3を用いて説明する。画素104は、トランジスタ201、保持容量202及び液晶素子203を有する表示素子105と、フォトダイオード204、トランジスタ205及びトランジスタ206を有するフォトセンサ106とを有する。
トランジスタ201は、ゲートがゲート信号線207に、ソース又はドレインの一方がビデオデータ信号線210に、ソース又はドレインの他方が保持容量202の一方の電極と液晶素子203の一方の電極に電気的に接続されている。保持容量202の他方の電極と液晶素子203の他方の電極は一定の電位に保たれている。液晶素子203は、一対の電極と、該一対の電極の間に液晶層を含む素子である。
トランジスタ201は、ゲート信号線207に”High”(高電位)が印加されると、ビデオデータ信号線210の電位を保持容量202と液晶素子203に印加する。保持容量202は、印加された電位を保持する。液晶素子203は、印加された電位により、光の透過率を変更する。
フォトダイオード204は、一方の電極がフォトダイオードリセット信号線208に、他方の電極がトランジスタ205のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ205は、ソース又はドレインの一方がフォトセンサ基準信号線212に、ソース又はドレインの他方がトランジスタ206のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている。トランジスタ206は、ゲートがゲート信号線209に、ソース又はドレインの他方がフォトセンサ出力信号線211に電気的に接続されている。
次に、フォトセンサ読み出し回路109の構成について、図4を用いて説明する。図4において、画素1列分のフォトセンサ読み出し回路300は、p型TFT301、保持容量302、を有する。また、当該画素列のフォトセンサ出力信号線211、プリチャージ信号線303である。
フォトセンサ読み出し回路300では、画素内におけるフォトセンサの動作に先立ち、フォトセンサ信号線の電位を基準電位に設定する。図4では、プリチャージ信号線303を”Low”(低電位)とすることで、フォトセンサ出力信号線211を基準電圧である高電位に設定することができる。なお、保持容量302は、フォトセンサ出力信号線211の寄生容量が大きい場合には、特別に設けなくても良い。なお、基準電位は、低電位とする構成も可能である。この場合、n型TFTを用いることで、プリチャージ信号線303を”High”とすることで、フォトセンサ出力信号線211を基準電圧である低電位に設定することができる。
次に、本タッチパネルにおけるフォトセンサの読み出し動作について、図5のタイミングチャートを用いて説明する。図5において、信号401〜信号404は、図3におけるフォトダイオードリセット信号線208、トランジスタ206のゲートが接続されたゲート信号線209、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213、フォトセンサ出力信号線211の電位に相当する。また、信号405は、図4におけるプリチャージ信号線303の電位に相当する。
時刻Aにおいて、フォトダイオードリセット信号線208の電位(信号401)を”High”とすると、フォトダイオード204が導通し、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)が”High”となる。また、プリチャージ信号線303の電位(信号405)の電位は”Low”とすると、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は”High”にプリチャージされる。
時刻Bにおいて、フォトダイオードリセット信号線208の電位(信号401)を”Low”にすると、フォトダイオード204のオフ電流により、トランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)が低下し始める。フォトダイオード204は、光が照射されるとオフ電流が増大するので、照射される光の量に応じてトランジスタ205のゲートが接続されたゲート信号線213の電位(信号403)は変化する。すなわち、トランジスタ205のソースとドレイン間の電流が変化する。
時刻Cにおいて、ゲート信号線209の電位(信号402)を”High”にすると、トランジスタ206が導通し、フォトセンサ基準信号線212とフォトセンサ出力信号線211とが、トランジスタ205とトランジスタ206とを介して導通する。すると、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は、低下していく。なお、時刻C以前に、プリチャージ信号線303の電位(信号405)の電位は”Low”とし、フォトセンサ出力信号線211のプリチャージを終了しておく。ここで、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)が低下する速さは、トランジスタ205のソースとドレイン間の電流に依存する。すなわち、フォトダイオード204に照射されている光の量に応じて変化する。
時刻Dにおいて、ゲート信号線209の電位(信号402)を”Low”にすると、トランジスタ206が遮断され、フォトセンサ出力信号線211の電位(信号404)は、時刻D以後、一定値となる。ここで、一定値となる値は、フォトダイオード204に照射されている光の量に応じて変化する。したがって、フォトセンサ出力信号線211の電位を取得することで、フォトダイオード204に照射されている光の量を知ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体素子を支持基板上に形成した後、該半導体素子を支持基板から剥離して可撓性を有する基板上に接着することで、該可撓性を有する基板上に表示素子と、フォトセンサとを有するタッチパネルを作製する構成について説明する。
まず図6(A)に示すように、耐熱性を有する基板700上に、絶縁膜701、剥離層702、絶縁膜703と、半導体膜704とを順に形成する。絶縁膜701、剥離層702、絶縁膜703及び半導体膜704は連続して形成することが可能である。
支持基板として機能する基板700には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板等を用いることができる。また、表面に絶縁膜が形成されたステンレス基板を含む金属基板、またはシリコン基板等の半導体基板を用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、上記基板と比較して耐熱温度が一般的に低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
なお本実施の形態では、剥離層702を基板700上の全面に設けているが本発明はこの構成に限定されない。例えばフォトリソグラフィ法などを用いて、基板700上において剥離層702を部分的に形成する様にしても良い。
絶縁膜701、絶縁膜703は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。
ここで、酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い物質であり、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い物質をいう。例えば、酸化窒化珪素とは、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれる物質とすることができる。また、窒化酸化珪素とは、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、珪素が25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上30原子%以下の範囲で含まれる物質とすることができる。但し、上記組成の範囲は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の含有比率は、その合計が100原子%を超えない値をとる。
絶縁膜701、絶縁膜703は、基板700中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜704中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また絶縁膜703は、剥離層702に含まれる不純物元素が半導体膜704中に拡散するのを防ぎ、なおかつ後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。
絶縁膜701、絶縁膜703は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜、膜厚50nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して絶縁膜703を形成するが、各膜の材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層の酸化窒化珪素膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン系樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法、印刷法などによって形成しても良い。また、中層の窒化酸化珪素膜に代えて、窒化珪素膜を用いてもよい。また、上層の酸化窒化珪素膜に代えて、酸化珪素膜を用いていても良い。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
或いは、剥離層702に最も近い、絶縁膜703の下層を酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜で形成し、中層をシロキサン系樹脂で形成し、上層を酸化珪素膜で形成しても良い。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していても良い。
酸化珪素膜は、シランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素などの組み合わせの混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜は、代表的には、シランと一酸化二窒素の混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。
剥離層702は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。なお、ここでは、塗布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法、ノズルプリンティング法、スロットダイコーティング法を含む。
剥離層702が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
剥離層702が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
剥離層702として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処理や加熱処理は、酸素、窒素、一酸化二窒素、一酸化二窒素単体、あるいはガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行ってもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成するとよい。
半導体膜704は、絶縁膜703を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜704の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm)とする。なお半導体膜704は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また、半導体膜704には、シリコン、炭化シリコンの他、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウム、セレン化亜鉛、窒化ガリウム、シリコンゲルマニウムなどのような化合物半導体も用いることができる。
なお半導体膜704は、公知の技術により結晶化しても良い。公知の結晶化方法としては、レーザ光を用いたレーザ結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法がある。或いは、触媒元素を用いる結晶化法とレーザ結晶化法とを組み合わせて用いることもできる。また、基板700として石英のような耐熱性に優れている基板を用いる場合、電熱炉を使用した熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法、950℃程度の高温アニールを適宜組み合わせた結晶法を用いても良い。
例えばレーザ結晶化を用いる場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜704の耐性を高めるために、550℃、4時間の加熱処理を該半導体膜704に対して行なう。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜704に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
連続発振の気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどを用いることが出来る。また連続発振の固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、フォルステライト(Mg2SiO4)レーザ、GdVO4、Y2O3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどを用いることが出来る。
またパルス発振のレーザとして、例えばArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、CO2レーザ、YAGレーザ、Y2O3レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜704に照射してから半導体膜704が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数を用いることで、半導体膜704がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜704中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜704が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って連続的に成長した単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜704の形成が可能となる。
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良い。
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値電圧のばらつきを抑えることができる。
上述したレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜704が形成される。なお、予め半導体膜704に、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで形成した多結晶半導体を用いるようにしても良い。
また本実施の形態では半導体膜704を結晶化しているが、結晶化せずに非晶質珪素膜または微結晶半導体膜のまま、後述のプロセスに進んでも良い。非晶質半導体、微結晶半導体を用いたTFTは、多結晶半導体を用いたTFTよりも作製工程が少ない分、コストを抑え、歩留まりを高くすることができるというメリットを有している。
非晶質半導体は、珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。珪素を含む気体としては、モノシラン、ジシランが挙げられる。この珪素を含む気体を、水素、水素及びヘリウムで希釈して用いても良い。
次に半導体膜704に対して、p型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素を低濃度に添加するチャネルドープを行う。チャネルドープは半導体膜704全体に対して行っても良いし、半導体膜704の一部に対して選択的に行っても良い。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、ボロン(B)を用い、当該ボロンが1×1016〜5×1017/cm3の濃度で含まれるよう添加する。
次に図6(B)に示すように、半導体膜704を所定の形状に加工(パターニング)し、島状の半導体膜705〜707を形成する。そして、島状の半導体膜705〜707を覆うように、ゲート絶縁膜709を形成する。ゲート絶縁膜709は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素または酸化窒化珪素を含む膜を、単層で、または積層させて形成することができる。積層する場合には、例えば、基板700側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
ゲート絶縁膜709は、高密度プラズマ処理を行うことにより島状の半導体膜705〜707の表面を酸化または窒化することで形成しても良い。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することにより、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に接するように形成される。この5〜10nmの絶縁膜をゲート絶縁膜709として用いる。
上述した高密度プラズマ処理による半導体膜の酸化または窒化は固相反応で進むため、ゲート絶縁膜と半導体膜の界面準位密度をきわめて低くすることができる。また高密度プラズマ処理により半導体膜を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また半導体膜が結晶性を有する場合、高密度プラズマ処理を用いて半導体膜の表面を固相反応で酸化させることにより、結晶粒界においてのみ酸化が速く進んでしまうのを抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁膜を形成することができる。高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜を、ゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを抑えることができる。
次に図6(C)に示すように、ゲート絶縁膜709上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の形状に加工(パターニング)することで、島状の半導体膜705〜707の上方に電極710を形成する。本実施の形態では積層された2つの導電膜をパターニングして電極710を形成する。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
本実施の形態では、1層目の導電膜として窒化タンタル膜またはタンタル膜を、2層目の導電膜としてタングステン膜を用いる。2つの導電膜の組み合わせとして、本実施の形態で示した例の他に、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜、アルミニウム膜とタンタル膜、アルミニウム膜とチタン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の工程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層目の導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とニッケルシリサイド、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSix等も用いることが出来る。
また、本実施の形態では電極710を積層された2つの導電膜で形成しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。電極710は単層の導電膜で形成されていても良いし、3つ以上の導電膜を積層することで形成されていても良い。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
導電膜の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。本実施の形態では1層目の導電膜を20〜100nmの厚さで形成し、2層目の導電膜を100〜400nmの厚さで形成する。
なお電極710を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、酸化窒化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、酸化窒化珪素等のマスクを形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有する電極710を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的に電極710を形成しても良い。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
次に、電極710をマスクとして、島状の半導体膜705〜707に、n型を付与する不純物元素(代表的にはP(リン)またはAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程)。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1015〜1×1019/cm3、加速電圧:50〜70keVとしたが、これに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜709を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜705〜707に、低濃度不純物領域711がそれぞれ形成される。なお、第1のドーピング工程は、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜706をマスクで覆って行っても良い。
次に図7(A)に示すように、フォトダイオードとなる島状の半導体膜705の一部と、nチャネル型TFTとなる島状の半導体膜706と、容量素子となる島状の半導体膜707とを覆うように、マスク712を形成する。そしてマスク712に加えて電極710をマスクとして用い、島状の半導体膜705の一部に、p型を付与する不純物元素(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程)。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm3、加速電圧:20〜40keVとして行なう。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜709を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜705に、p型の高濃度不純物領域713が形成される。
次に図7(B)に示すように、マスク712をアッシング等により除去した後、ゲート絶縁膜709及び電極710を覆うように、絶縁膜を形成する。該絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。
そして、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜709及び該絶縁膜を部分的にエッチングする。上記異方性エッチングによりゲート絶縁膜709が部分的にエッチングされて、島状の半導体膜705〜707上に部分的に形成されたゲート絶縁膜714が形成される。また上記異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜709及び電極710を覆うように形成された絶縁膜が部分的にエッチングされて、電極710の側面に接するサイドウォール715が形成される。サイドウォール715は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。本実施の形態ではエッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いる。なお、サイドウォール715を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
次に図7(C)に示すように、フォトダイオードとなる島状の半導体膜705のうち、p型の高濃度不純物領域713を覆うようにマスク716を形成する。そして、形成したマスク716に加えて電極710及びサイドウォール715をマスクとして用い、n型を付与する不純物元素(代表的にはPまたはAs)を島状の半導体膜705の一部、島状の半導体膜706、島状の半導体膜707に高濃度にドープする(第3のドーピング工程)。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm3、加速電圧:60〜100keVとして行なう。この第3のドーピング工程によって、島状の半導体膜705の一部、島状の半導体膜706、島状の半導体膜707に、n型の高濃度不純物領域717が形成される。
なおサイドウォール715は、後に高濃度のn型を付与する不純物をドーピングし、サイドウォール715の下部に低濃度不純物領域またはノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものである。よって、低濃度不純物領域またはオフセット領域の幅を制御するには、サイドウォール715を形成する際の異方性エッチングの条件またはサイドウォール715を形成するための絶縁膜の膜厚を適宜変更し、サイドウォール715のサイズを調整すればよい。
次に、マスク716をアッシング等により除去した後、不純物領域の加熱処理による活性化を行っても良い。例えば、50nmの酸化窒化珪素膜を形成した後、550℃、4時間、窒素雰囲気中において、加熱処理を行なえばよい。
また、水素を含む窒化珪素膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気中において加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜707を水素化する工程を行なっても良い。或いは、水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜707を水素化する工程を行なっても良い。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを用いることが出来る。加熱処理により、水素化のみならず、半導体膜に添加された不純物元素の活性化も行うことが出来る。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。
上述した一連の工程により、フォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720が形成される。
次に図8(A)に示すように、フォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720を保護するための絶縁膜722を形成する。絶縁膜722は必ずしも設ける必要はないが、絶縁膜722を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がフォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720へ侵入するのを防ぐことが出来る。具体的に絶縁膜722として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。本実施の形態では、膜厚600nm程度の酸化窒化珪素膜を、絶縁膜722として用いる。この場合、上記水素化の工程は、該酸化窒化珪素膜形成後に行っても良い。
次に、フォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720を覆うように、絶縁膜722上に絶縁膜723を形成する。絶縁膜723は、ポリイミド、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜723を形成しても良い。
絶縁膜723の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
次に島状の半導体膜705〜707がそれぞれ一部露出するように絶縁膜722及び絶縁膜723にコンタクトホールを形成する。そして、該コンタクトホールを介して島状の半導体膜705〜707に接する導電膜725〜729を形成する。コンタクトホール開口時のエッチングに用いられるガスは、CHF3とHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
導電膜725〜729は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に導電膜725〜729として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。導電膜725〜729は、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することが出来る。
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることが出来る。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜725〜729を形成する材料として最適である。特にアルミニウムシリコン膜は、導電膜725〜729をパターニングするとき、レジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させても良い。
導電膜725〜729は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、島状の半導体膜705〜707上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、導電膜725〜729と島状の半導体膜705〜707が良好なコンタクトをとることができる。またバリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電膜725〜729を下層からチタン、窒化チタン、アルミニウムシリコン、チタン、窒化チタンの5層構造とすることが出来る。
なお、導電膜725と導電膜726はフォトダイオード718の高濃度不純物領域713と高濃度不純物領域717にそれぞれ接続されている。導電膜727と導電膜728はnチャネル型TFT719の高濃度不純物領域713に接続されている。導電膜728、導電膜729は容量素子720の高濃度不純物領域717に接続されている。
次に図8(B)に示すように、導電膜729に接するように、絶縁膜723上に画素電極731を形成する。図8(B)では、透光性を有する導電材料を用いて画素電極731を形成し、透過型の液晶素子を作製する例を示すが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の一態様に係るタッチパネルは、半透過型であっても良い。
上記透光性を有する導電材料には、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、酸化亜鉛(ZnO)を含むインジウム亜鉛酸化物(IZO(Indium Zinc Oxide))、ガリウム(Ga)をドープしたZnO、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いて形成することができる。また、透光性を有する導電材料として、導電性高分子材料(導電性ポリマーともいう)を用いることができる。導電性高分子材料としては、π電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン及び又はその誘導体、ポリピロール及び又はその誘導体、ポリチオフェン及び又はその誘導体、これらの2種以上の共重合体などがあげられる。
次に図8(C)に示すように、絶縁膜703、絶縁膜703上に形成されたフォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720、導電膜725〜導電膜729、画素電極731でなる被剥離層738と、仮支持基板737とを、剥離用接着剤736を用いて接着する。そして、剥離層702において被剥離層を基板700より剥離する。これにより被剥離層738は、仮支持基板737側に設けられる。なお、被剥離層738の剥離において、剥離層702は、全て除去されず、絶縁膜703にその一部が残存した状態であっても良い。
仮支持基板737は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよいし、フィルムのような可撓性基板を用いても良い。
また、ここで用いる剥離用接着剤736は、水や溶媒に可溶なものや、紫外線などの照射により可塑化させることが可能であるような、必要時に仮支持基板737と被剥離層とを化学的もしくは物理的に分離することが可能な接着剤を用いる。
なお、上記一例として示した仮支持基板737への転置工程は、他の方法であってもよい。例えば、基板と被剥離層の間に剥離層を形成し、剥離層と被剥離層の間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して、当該被剥離層を剥離する方法、耐熱性の高い支持基板と被剥離層の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、当該被剥離層を剥離する方法、支持基板と被剥離層の間に剥離層を形成し、剥離層と被剥離層との間に金属酸化膜を設け、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによりエッチングで除去した後、脆弱化された金属酸化膜において剥離する方法、被剥離層が形成された支持基板を機械的に削除又は溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去する方法等を適宜用いることができる。また、剥離層として窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出させ被剥離層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に転置工程を行うことができる。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメスなどによる機械的な削除を行い、剥離層と被剥離層738とを剥離しやすい状態にしてから、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて支持基板から被剥離層を剥離すること、または剥離を行う際に水、エタノールなどの液体をかけたりしながら剥離してもよい。
その他の剥離方法としては、剥離層702をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と過酸化水素水の混合溶液によりエッチング剥離層をエッチングしながら剥離を行うと良い。
次に、図9(A)に示すように、被剥離層738の上記剥離により露出した面に、接着剤770を用いて基板744を貼り合わせる。そして、剥離用接着剤736を溶解若しくは可塑化させて、仮支持基板737を取り除く。
基板744は、可視光に対する透光性を有し、その膜厚は、10μm乃至200μm、好ましくは20μm乃至40μmとする。例えば、基板744として、可撓性及び可視光に対する透光性を有するプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または基板744として、フレキシブルな無機材料を用いていても良い。プラスチック基板は、極性基のついたポリノルボルネンからなるARTON(JSR製)を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
接着剤770の材料としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤や嫌気型接着剤など各種硬化型接着剤を用いることができる。
基板744には予め窒化珪素や酸化窒化珪素等の窒素と珪素を含む膜や窒化アルミニウム等の窒素とアルミニウムを含む膜のような透水性の低い保護層を成膜しておいても良い。
なお基板700上に複数のタッチパネルに対応する半導体素子を形成している場合には、被剥離層738をタッチパネルごとに分断する。分断は、レーザ照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。
次に図9(B)に示すように、導電膜725〜導電膜729、画素電極731を覆うように、配向膜750を形成し、ラビング処理を施す。配向膜750は、タッチパネルとなる領域に、パターニング等により選択的に形成する。そして、液晶を封止するためのシール材751を形成する。
一方、透明導電膜を用いた対向電極752と、ラビング処理が施された配向膜753とが形成された基板754を用意する。基板754には、フォトダイオード718と重なる位置に光を遮蔽することが出来る遮蔽膜771と、後に液晶素子760となる領域と重なる位置に特定の波長領域の光を通すことができるカラーフィルタ772とが、形成されている。基板754の対向電極752が形成されている面とは逆の面に、偏光板756を貼り合わせておく。
基板754には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、サファイア基板等の、透光性を有する基板を用いることができる。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、上記基板と比較して耐熱温度が一般的に低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
なお、基板744の厚さは10μm乃至200μm、好ましくは20μm乃至40μmと小さく、可撓性を有している。そのため、表示素子に液晶素子を用いる場合は、均一なセルギャップを保持するために、基板754には、基板744よりも厚さが大きく可撓性の低い基板を用いるか、もしくはガラス基板、石英基板、サファイア基板のように可撓性を殆ど有さない基板を用いることが望ましい。
また、表示素子に自ら発光する発光素子を用いる場合、基板754は必ずしも可視光に対して透光性を有していなくとも良い。この場合、絶縁膜が形成されたステンレス基板、半導体基板なども、基板754として用いることが可能である。
そして、シール材751で囲まれた領域に液晶755を滴下し、別途用意しておいた基板754を、対向電極752と画素電極731とが向かい合うように、シール材751を用いて貼り合わせる。なおシール材751にはフィラーが混入されていても良い。
対向電極752には、画素電極731に用いることができる透光性を有する導電材料を、用いることができる。画素電極731と液晶755と対向電極752が重なり合うことで、液晶素子760が形成される。
上述した液晶の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いているが、本発明はこれに限定されない。基板754を貼り合わせてから液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
また本実施の形態では、全てのフォトダイオード718、nチャネル型TFT719、容量素子720において、ゲート絶縁膜714の膜厚を全て同じにしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、より高速での駆動が要求される回路において、他の回路よりもTFTが有するゲート絶縁膜の膜厚を薄くするようにしても良い。
なお本実施の形態では薄膜トランジスタを例に挙げて説明しているが、本発明はこの構成に限定されない。薄膜トランジスタの他に、単結晶シリコンを用いて形成されたトランジスタ、SOI基板を用いて形成されたトランジスタなども用いることができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様に係るタッチパネルにおける、パネルと光源の配置について説明する。
図10は、本発明の一態様に係るタッチパネルの構造を示す斜視図の一例である。図10に示すタッチパネルは、一対の基板間に液晶素子、フォトダイオード、薄膜トランジスタなどを含む画素が形成されたパネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、反射板1606と、複数の光源1607を有するバックライト1608と、回路基板1609とを有している。
パネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、反射板1606とは、順に積層されている。光源1607は導光板1605の端部に設けられており、導光板1605内部に拡散された光源1607からの光は、第1の拡散板1602、プリズムシート1603及び第2の拡散板1604によって、対向基板側から均一にパネル1601に照射される。
なお、本実施例では、第1の拡散板1602と第2の拡散板1604とを用いているが、拡散板の数はこれに限定されず、単数であっても3以上であっても良い。そして、拡散板は導光板1605とパネル1601の間に設けられていれば良い。よって、プリズムシート1603よりもパネル1601に近い側にのみ拡散板が設けられていても良いし、プリズムシート1603よりも導光板1605に近い側にのみ拡散板が設けられていても良い。
またプリズムシート1603は、図10に示した断面が鋸歯状の形状に限定されず、導光板1605からの光をパネル1601側に集光できる形状を有していれば良い。
回路基板1609には、パネル1601に入力される各種信号を生成もしくは処理する回路、パネル1601かた出力される各種信号を処理する回路などが設けられている。そして図10では、回路基板1609とパネル1601とが、FPC(Flexible Printed Circuit)1611を介して接続されている。なお、上記回路は、COG(Chip ON Glass)法を用いてパネル1601に接続されていても良いし、上記回路の一部がFPC1611にCOF(Chip ON Film)法を用いて接続されていても良い。
図10では、光源1607の駆動を制御する、制御系の回路が回路基板1609に設けられており、該制御系の回路と光源1607とがFPC1610を介して接続されている例を示している。ただし、上記制御系の回路はパネル1601に形成されていても良く、この場合はパネル1601と光源1607とがFPCなどにより接続されるようにする。
なお、図10は、パネル1601の端に光源1607を配置するエッジライト型の光源を例示しているが、本発明の一態様に係るタッチパネルは光源1607がパネル1601の直下に配置される直下型であっても良い。
例えば、被検出物である指1612をTFT基板側からパネル1601に近づけると、バックライト1608からの光が、パネル1601を通過し、その一部が指1612において反射し、再びパネル1601に入射する。各色に対応する光源1607を順に点灯させ、色ごとに撮像データの取得を行うことで、被検出物である指1612のカラーの撮像データを得ることが出来る。
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
本発明の一態様に係るタッチパネルは、高分解能である撮像データの取得を行うことができるという特徴を有している。よって、本発明の一態様に係るタッチパネルを用いた電子機器は、タッチパネルをその構成要素に追加することにより、より高機能のアプリケーションを搭載することができるようになる。本発明の一態様に係るタッチパネルは、表示装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係るタッチパネルを用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図11に示す。
図11(A)は表示装置であり、筐体5001、表示部5002、支持台5003等を有する。本発明の一態様に係るタッチパネルは、表示部5002に用いることができる。表示部5002に本発明の一態様に係るタッチパネルを用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された表示装置を提供することができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図11(B)は携帯情報端末であり、筐体5101、表示部5102、スイッチ5103、操作キー5104、赤外線ポート5105等を有する。本発明の一態様に係るタッチパネルは、表示部5102に用いることができる。表示部5102に本発明の一態様に係るタッチパネルを用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された携帯情報端末を提供することができる。
図11(C)は現金自動預け入れ払い機であり、筐体5201、表示部5202、硬貨投入口5203、紙幣投入口5204、カード投入口5205、通帳投入口5206等を有する。本発明の一態様に係るタッチパネルは、表示部5202に用いることができる。表示部5202に本発明の一態様に係るタッチパネルを用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された現金自動預け入れ払い機を提供することができる。そして、本発明の一態様に係るタッチパネルを用いた現金自動預け入れ払い機は、指紋、顔、手形、掌紋及び手の静脈の形状、虹彩等の、生体認証に用いられる生体情報の読み取りを、より高精度で行うことが出来る。よって、生体認証における、本人であるにもかかわらず本人ではないと誤認識してしまう本人拒否率と、他人であるにもかかわらず本人と誤認識してしまう他人受入率とを、低く抑えることができる。
図11(D)は携帯型ゲーム機であり、筐体5301、筐体5302、表示部5303、表示部5304、マイクロホン5305、スピーカー5306、操作キー5307、スタイラス5308等を有する。本発明の一態様に係るタッチパネルは、表示部5303または表示部5304に用いることができる。表示部5303または表示部5304に本発明の一態様に係るタッチパネルを用いることで、高分解能である撮像データの取得を行うことができ、より高機能のアプリケーションが搭載された携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図11(D)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5303と表示部5304とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。