JP2004173783A - ミシンの布切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鳩目メスと直線メスの間の布屑を除去する。
【解決手段】鳩目メス部101と直線メス部102とを有する布切りメス100と、布切りメスに対向して配置され鳩目メス受け部160bと直線メス受け部160cとを有するメス受け160と、鳩目メス部に設けられたメス部貫通穴101e、鳩目メス部と鳩目メス受け部が合致した際にメス部貫通穴に連通する鳩目メス受け部に設けられたメス受け部貫通穴160a、両貫通穴が連接した際にエアーを吐出するエアー吐出手段77a,77bにより構成されて鳩目部の打抜き片を外部に排出する打抜き片除去手段と、鳩目メス部と直線メス部の一方を他方に対し移動可能とする移動手段108,110と、移動可能とされた一方が隔離位置にあることに関連して、エアー吐出手段によりエアーを吐出して一方と他方との間に蓄積された布屑を除去する布除去手段とを備えた。
【選択図】図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被縫製物にボタン穴を形成するためのミシンの布切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、布(被縫製物)に形成したボタン穴の周囲にかがり縫いを行うミシンとしてボタン穴かがり縫いミシンが知られている(例えば、特許文献1号参照)。このボタン穴かがりミシンには、ミシン針の近傍に、上下に対峙してメスとメス受けが設けられている。
なお、ボタン穴としては、滴状の穴(鳩目部)と直線状の穴(直線部)が連結して形成される鳩目穴(鳩目ボタン穴ともいう)と、直線状の穴(直線部)のみから形成される眠り目穴とがある。
【0003】
そして、鳩目穴形成用のメスは、例えば、鳩目部を形成する滴状の刃と直線部を形成する直線状の刃とが連結した形状を備えており、また、眠り目穴形成用のメスは、直線部を形成する直線状の刃を備えている。そして、メス受け上に布地を載置した状態で、メスを下降駆動し、布地及びメス受けに対して押し当てることでボタン穴を形成するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−327782号公報(第2−4頁、第1〜2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ボタン穴は、服の種類やデザイン毎に異なる形状が要求されるが、従来のボタン穴かがり縫いミシンにおいては、異なる形状のボタン穴を形成する際には、基本的にメス及びメス受けを交換する必要がある。従って、単に、ボタン穴の直線部の長さのみを変更する場合でも、これに対応したメスとメス受けを用いる必要があり、、これらメス及びメス受け交換作業に手間がかかっていた。
また、スーツの襟に形成するフラワーホールのように、ボタン穴以外の穴の形成にボタン穴かがりミシンを用いることがあるが、このフラワーホールには、直線部分のない鳩目部のみの穴を形成する場合と、眠り目で形成する場合とがあり、いずれの場合にもボタン穴の長さや種類を変更するためには上記同様にメスとメス受けを交換しなければならなかった。
【0006】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、鳩目部と直線部とを切り換えて形成し、布切りメス及びメス受けを取りかえることなく、様々な長さの種類のボタン穴を形成できるミシンの制御装置及びミシンの布切断装置を提供することにあり、特に、鳩目部と直線部との切り換えをスムーズにするため布屑の除去を容易にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載のミシンの布切断装置によれば、被縫製物にボタン穴を形成するとともにボタン穴の周囲に穴かがり縫い目を形成するミシン200に設けられ、鳩目部90と直線部91とからなる鳩目ボタン穴の鳩目部を形成する鳩目メス部101と直線部を形成する直線メス部102とを有する布切りメス100と、前記布切りメスに上下に対向して配置され前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部と前記直線メス部と合致する直線メス受け部とを有するメス受け160とを備える布切り手段201と、前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動して、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断し前記ボタン穴を形成する布切り駆動手段170と、鳩目穴を形成した際に発生する鳩目部の打ち抜き片を除去するために前記鳩目メス部に設けられたメス部貫通穴101e,104aと、前記鳩目メス部と前記鳩目メス受け部が合致した際に一端が前記メス部貫通穴に連通して前記メス部貫通穴に向ってエアーを吐出する前記鳩目メス受け部に設けられたメス受け部貫通穴160aと、前記メス部貫通穴の他端に連結されて前記両貫通穴が連接した際にエアーを吐出するエアー吐出手段77a,77bと、により構成されて前記鳩目部の打ち抜き片を外部に排出する打ち抜き片除去手段と、形成するボタン穴の種類に応じて、前記布切りメスの前記鳩目メス部と前記直線メス部の一方を、他方に対し、近接位置と隔離位置とに移動可能とする移動手段108,110と、前記移動可能とされた一方が前記隔離位置にあることに関連して、前記エアー吐出手段によりエアーを吐出して前記移動可能とされた一方と前記他方との間に蓄積された布屑を除去する布除去手段とを備えたことを特徴とするミシンの布切断装置が提供される。
【0008】
請求項2記載のミシンの布切断装置によれば、前記メス受け貫通穴と前記布切りメスとの間に被縫製物があるか否かを検出する検出手段190を有し、該検出手段により、被縫製物無しと判定された場合のみ、前記エアー吐出手段により前記鳩目メス部と前記直線メス部との間にエアーを吐出することを特徴とする請求項1記載のミシンの布切断装置が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態によるミシンの布切断装置をボタン穴かがりミシン(以下、「ミシン」という。)に適用した場合について詳細に説明する。
図1〜図4に示すミシン200は、自動制御により、ボタン穴を形成するとともに、該ボタン穴の周囲にかがり縫いを施すものである。前記ボタン穴としては、例えば、図15(a)に示すように、滴状の穴(鳩目部90)と直線状の穴(直線部91)が連結して形成される鳩目穴92(以下、「鳩目ボタン穴」ともいう)と、図15(c)に示すように、直線状の穴93のみから形成される眠り目穴94とがある。
【0010】
ミシン200は、被縫製物が上面側に載置されるベッド部11、該ベッド部11から上方に立ち上がった状態の脚柱部12、該脚柱部12からベッド部11上にその長手方向に沿って延出したアーム部13、被縫製物を水平面内で移動させる送り台14、送り台14の上面に布を押える布押え16、ミシン200の動作を制御する制御装置180(図12を参照)、ボタン穴を形成するための布切断装置201、メス受け駆動手段(布切り駆動手段)170、布センサ(検出手段)190等から概略構成される。
【0011】
布切断装置201は、図1、図2などに示すように、メスユニット(布切りメス)100とメス受け160とからなる布切り手段を有し、メス受け160が上、メスユニット100が下に対向するように設けられている。
メスユニット100は、図5、図6に示すように、主に、メス土台部材103上に、鳩目用メス部(鳩目メス部)101と直線用メス部(直線メス部)102とを設けて構成されるものである。
そして、前記メス受け駆動手段170の制御により、布切断装置201のメスユニット100上に布を載置した状態で、メス受け160が下降してボタン穴を形成する構造を備えている。
【0012】
布センサ190は、メス受け160とメスユニット100との間に被縫製物があるか否かを検出するためのものであり、発光部と受光部から構成され、被縫製物が存在すると発光部から照射された光の反射光が受光部で受光できないことにより被縫製物を検出する。
【0013】
次に図1〜7を用いて布切断装置201について詳細に説明する。
鳩目用メス部101は、水平方向に主面を有する略矩形状の平板である支持板101aと、該支持板101aから立設し、略円筒形状に形成された円筒部101cとから一体に形成され、円筒部101cの上端部には、鳩目部90を形成するための滴状の鳩目メス101bが形成されている。円筒部101cの内側は鉛直方向に貫通する打ち抜き片除去経路(メス部貫通穴)101eが形成されている。また、支持板101aの上面の後角には直角に切りかかれた切り欠き101dが形成され、後述のストッパー部材120によって係止されるようになっている。
【0014】
直線用メス部102は、水平方向に主面を有する略矩形状の平板である支持板102aと、該支持板102aから立設する薄板部102cとから一体に形成され、該薄板部102cの上端部には、鳩目ボタン穴92の直線部91や、眠り目穴94を形成するための直線メス102bが形成されている。前記鳩目メス101bと直線メス102bとにより布切りメスが構成され、該布切りメスは、図1等から分かるように、直線メス102bにより形成される直線部91や眠り目穴94の方向が前後方向になるように設けられる。
【0015】
メス土台部材103は、図5に示すように、上方から見ると後縁部が円弧状でほぼ矩形状に形成された土台板103aによって、メスユニット100全体を支持する部材である。
メス土台部材103は、固定ネジ152、152によって、ベッド部11に固定されている。
さらに、土台板103aにネジ151によって固定されているガイドキー150が、ベッド部11に形成された図示しない溝に沿うことで、土台板103aは、前後方向に直交する左右方向(図5の矢印A方向)にスライド可能となっており、左右位置を適宜調節された状態で、前記固定ネジ152、152で固定されるようになっている。
【0016】
メス土台部材103の前部には、鳩目用メス部101及び直線用メス部102を支持するためのメス支持体103bが土台板103aから立ち上がるように一体に形成されている。メス支持体103bの上部は直方体状のブロック体103cとなっており、そのブロック体103cの上面に凹面(図示略)が形成され、該凹面に前記直線用メス部102の支持板102aがはめ込まれている。
さらに、支持板102aの一側縁側は、上から直線メス固定クランプ105bによって押えられ、この直線メス固定クランプ105bは直線メス固定ネジ106bによってブロック体103cの側面に固定されている。これにより直線用メス部102はブロック体103c、つまりメス土台部材103に確実に固定される。
【0017】
ブロック体103cの内部の中心部には、図6で破断線M2で示すように、調節ネジ115a、115bがねじ込まれている。これら調節ネジ115a、115bのねじこみ程度を調節することで、調節ネジ115aの頭部を鳩目メス用土台104側に適度に突出させ、これにより、起立した状態(図6の状態)の鳩目メス用土台104の前側位置を決めている。
【0018】
また、メス支持体103bの内側には直方体状の凹部103d(図6)が形成され、この凹部103d内に鳩目メス用土台104がはめ込まれている。鳩目メス用土台104の上面には凹面(図示略)が形成され、該凹面に鳩目用メス部101の支持板101aがはめ込まれている。メス支持体103bと鳩目メス用土台104の下部を貫通するように、支点軸107が取り付けられ、鳩目メス用土台104はメス支持体103bに対して支点軸107を中心に回動可能となっている。
さらに、支持板101aの一側縁側は、上から鳩目メス固定クランプ105aによって押えられ、この鳩目メス固定クランプ105aは鳩目メス固定ネジ106aによって鳩目メス用土台104に固定されている。これにより鳩目用メス部101は鳩目メス用土台104に確実に固定される。
【0019】
鳩目メス用土台104の鳩目メス固定クランプ105aとは逆の側面には、鳩目用メス部101の位置決めするストッパー部材120がネジ121によって取り付けられている。ストッパー部材120には図示しない横孔が形成され、前記ネジ121に対してこの横孔をスライドさせることで、ストッパー部材120の前後方向の位置を移動させることができる。ストッパー部材120の上面には鳩目メス用土台104の上面に張り出す張り出し部120aが形成されている。ストッパー部材120を適宜スライドさせて位置調節した状態でネジ121で鳩目メス用土台104に固定した上で、鳩目用メス部101の切り欠き101dを張り出し部120aに突き当てて鳩目用メス部101を位置決めし、前述のように鳩目メス固定クランプ105a等で固定するようになっている。
【0020】
前記支点軸107にはバネ108が嵌められ、このバネ108の両端はそれぞれ、鳩目メス用土台104に固定された土台ピン109と、土台板103aとに対して押し付けるように当接している。これにより、鳩目メス用土台104は、バネ108により図6の反時計方向に付勢されている。
【0021】
一方、メス土台部材103の後方には、複動型のエアシリンダ110が設けられている。エアシリンダ110は、土台板103aに対し止ネジ113、113によって水平方向の取付位置を調節可能に取り付けられているシリンダ取付板111に、シリンダネジ112、112により固定されている。エアシリンダ110のロッド110aの先端には、シリンダピン114がねじ込まれている。このシリンダピン114の先端が鳩目メス用土台104に当接している。
【0022】
シリンダピン114には水平方向に貫通するリンク孔114aが形成され、このリンク孔114aにリンク116が通されている。リンク116は、上から見ると図5に示すように略コ字状に形成されている。リンク116の両端は、図6に示すように、U字状に形成され、鳩目メス用土台104に固定されているリンクピン117、117にそれぞれに掛けられている。リンク116は、シリンダピン114とリンクピン117、117に対してスライド自在である。なお、リンクピン117、117それぞれの末端には、Eリング118が取り付けられ、リンク116がリンクピン117、117から外れないようリンク116のスライド移動を規制している。
【0023】
エアシリンダ110がオフのときロッド110aが突出し、このときシリンダピン114によって鳩目メス用土台104を時計方向に押し、この力は前記バネ108の付勢力よりも大きく、鳩目メス用土台104は図6に示す起立した状態を保つ。
エアシリンダ110がオンになると、ロッド110aが引っ込み、リンク116によってリンクピン117、117を介して鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力によって、支点軸107を軸に反時計方向に回動し、倒れるようになっている(図7(b)参照)。
すなわち、エアシリンダ110とバネ108が本発明の移動手段となる。
なお、鳩目メス用土台104を動作させる駆動源としては、エアシリンダ110のような複動型のシリンダに限らず、他の種類のシリンダでもよいし、ソレノイドやモータ等のアクチュエータを用いてもよい。
【0024】
鳩目メス用土台104の内部には、鳩目用メス部101のメス部貫通穴101eに連続するように、打ち抜き片除去経路104aが後ろ斜め下に向かうように形成されている。
鳩目メス101bによって布地が切断されて鳩目部90が形成されると、この鳩目部90と同形状の打ち抜き片が布地から分離する。打ち抜き片除去経路104aの後端部は開口となっており、上記の打ち抜き片は、後述する打ち抜き片除去動作の際、メス受け部貫通穴160aからエアーが吐き出されることにより、打ち抜き片除去経路101e,104aを通って、前記開口から落ちるようになっている。
メス土台部材103の土台板103aにも孔(図示略)が形成され、この孔に対して円筒形状のボス131が圧入されている。前記開口から落ちた打ち抜き片は、ボス131に形成されているボス孔131a内に落ちたり、あるいはその上縁部近傍に落ちる。
【0025】
また、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間に介在する布屑や糸屑は、後述する布屑除去動作1および2の際、メス受け部貫通穴160aからエアーが吐き出されることにより、一部はボス孔131a内やその上縁部近傍に落ち、一部は周辺に吹き飛ばされる。
上記のように、打ち抜き片が排出される経路は、打ち抜き片除去経路104aの開口で一端途切れて、ボス131側に続くようになっている。
なお、土台板103aの上面には、打ち抜き片除去経路104aの前記開口から排出された打ち抜き片が飛び散らないように、前記ボス孔131aの後方を囲むように打ち抜き片ガード122が止めネジ123、123によって固定されている。
【0026】
前記ボス131の内部に、ボス孔131aに連通するようにパイプ133の先端が取り付けられている。パイプ133の他端は吸引器134内部に接続されている。パイプ133は、ボス131に対しては止めネジ132により、吸引器134に対しては止めネジ135により固定されている。
【0027】
吸引器134は、図1に示すように、ベッド部11下内部に設置されている。図6に示すように、吸引器134に対して留め金142が固定され、この留め金142によってエアチューブ140が吸引器134に固定されている。エアチューブ140は図示しないエア供給源からのエアを吸引器134に対して供給するもので、その先端が継手141を介して吸引器134内部のエアパイプ136に接続されている。エアパイプ136の継手141側の端部はしぼられており、エアチューブ140、継手141を通って供給されたエアが加圧されて、エアパイプ136内に矢印A方向に供給されるようになっている。エアパイプ136の先端には、外部に出ている接続パイプ137が接続され、さらに接続パイプ137の先端にホース138が環状のバンド139によって接続されている。また、前記パイプ133は吸引器134内においてエアパイプ136に接続されている。
【0028】
エアチューブ140からエアが供給され、矢印A方向に風が起こり、そのとき生じる負圧によりパイプ133内に矢印B方向の風が生じる。この空気の流れにより、打ち抜き片が吸引され、ホース138によってミシン200の外に導かれるようになっている。
なお、図6において、パイプ133の大部分と接続パイプ137、ホース138については断面で示し、吸引器134については内部構造を概略で示している。
【0029】
平面メス受け160は、図7に示すように、メス受け取付台162に固定され、平坦に形成されたその下面に、鳩目メス101bと合致する鳩目メス受け部160bと直線メス102bと合致する直線メス受け部160cが形成されている。平面メス受け160と鳩目メス101bと直線メス102bとの間で布地を押し切りながら被縫製物を切断してボタン穴を形成する。
後述するように、メス受け取付台162はメス受け駆動手段(布切り駆動手段)170の直動軸40の下端に固定されている。これにより、メス受け160はメス受け駆動手段170によって所定のタイミングで上下に駆動されるようになっている。
【0030】
メス受け取付台162の内部には、横方向にエアが通る横エア孔165が形成されている。横エア孔165の一端はキャップ164によって塞がれており、他端には継手163が取り付けられ、この継手163にエアライン175(図2)が接続されている。横エア孔165のほぼ中央から下方に向かって縦エア孔166が形成され、さらに縦エア孔166は平面メス受け160内に形成されたメス受け部貫通穴(メス受け部貫通穴)160aに接続している。メス受け部貫通穴160aは、鳩目メス101bの真上に位置する。よって、エアライン175から継手163を介してエアが供給されると、そのエアは平面メス受け160のメス受け部貫通穴160aから吹き出す。
このようにメス受け部貫通穴160aからエアが吹き出すと、平面メス受け160と鳩目メス101bとによって切断された打ち抜き片は鳩目用メス部101内のメス部貫通穴101e内に落とされ、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑・糸屑は、その一部がボス孔131a内やその上縁部近傍に落ち、その一部は周辺に吹き飛ばされるようになっている。
【0031】
ところで、起立した状態の鳩目メス用土台104上の鳩目メス101bと、直線メス102bとの間には図6、図7(a)で明らかなように、隙間w2が存在する。この隙間w2の長さは、平面メス受け160と直線メス102bが合致する長さw1より短くなるよう設定されている。特に、w1−w2=2mm以下であることが好ましい。このように設定することで、鳩目メス101b・直線メス102bと平面メス受け160との間で鳩目ボタン穴を形成する際に、1回目に切断し、次いで、隙間w2に対応する切残し部分を切断する際に、直線メス102bと平面メス受け160とによって1回の動作で切断でき、しかも、切断端が1回目の切断端と少し重なることから確実に切断することができる。
ここで、隙間w2の長さが、図14(a)の長さmcに対応し、平面メス受け160と直線メス102bが合致する長さw1が図14(a)の長さmbに対応する。以下においても、隙間w2の長さは「mc」と、長さw1は「mb」として説明する。
【0032】
さらに本実施の形態の布切断装置201では、平面メス受け160の代わりに、図8に示すように段差メス受け167を取り付けることができる。この段差メス受け167の下面は、直線メス102bと合致する直線メス受け部169と、直線メス受け部169よりも段差167a分下方に突出し鳩目メス101bと合致する鳩目メス受け部168とからなる。段差167aは、鳩目メス101bと鳩目メス受け部168とが合致する際に、直線メス102bが直線メス受け部169に触れないように所定高さ、例えば2〜3mmの高さに形成されている。 段差メス受け167には、平面メス受け160同様に、メス受け部貫通穴167bが形成されている。
この段差メス受け167を用いる場合には、鳩目部90のみ形成することができるようになる。動作の詳細については後述する。
【0033】
次に、メス受け160を駆動させるためのメス受け駆動手段170について説明する。図1〜4に示すように、メス受け駆動手段170は、パルスモータである布切りモータ21、ボールねじ24、リンク腕31、駆動軸35、駆動ギア39および直動軸40から概略構成されている。
電気的な駆動手段である布切りモータ21はベッド部11に固定されており、布切りモータ21の駆動力はモータギア22を介して、噛み合うボールねじギア23に伝わる。このボールねじギア23は、ミシン200に対して回転自在に垂直方向に設けられたボールねじ24に取り付けられている。従って、布切りモータ21の駆動力により、ボールねじギア23を介してボールねじ24が回転するようになっている。
このボールねじ24に設けられたボールねじナット27は、ボールねじ24の回転によりボールねじ24に沿って上下に移動可能となっている。ボールねじナット27の上部には、ハウジング28が固定されており、ボールねじナット27と共に上下動する。
【0034】
リンク腕31は、ハウジング28の両側面を挟むように2本設けられ(図3では1本のみ)、それぞれの一端がハウジング28の両側面に回動可能に取り付けられ、他端はリンク軸32bにより、二股状に形成されたレバー34の一端部に回動可能に固定されている。
駆動軸35は、図4に示すように、ミシンフレーム15に対してほぼ平行であって、回転自在に支持されている。駆動軸35の一端にはレバー34の他端部が回動自在に取り付けられている。そして、レバー34が、リンク腕31を介して駆動され、駆動軸35を支点として、一端側(リンク腕31側)が下がるように回転した際に、レバー34により駆動軸35が回転するようになっている。
また、駆動軸35の他端には、駆動ギア39が固定されている。この駆動ギア39は、図2に示すように、直動軸40の上部に形成されたラック41に噛み合っており、駆動軸35と共に回転することにより、直動軸40を上下動させるようになっている。
【0035】
直動軸40は、駆動ギア39側が切り欠かれた略円筒状の直動メタル42内に納められており、この直動メタル42の内面の2箇所に設けられた、直動メタル42の長さ方向と平行に伸びる溝部43に、直動軸40外面の円周方向2箇所に設けられた凸部44が溝部43に沿って移動自在に嵌合することで、左右に回転することなく上下に摺動可能となっている。
また、直動軸40の下端には、メス受け取付台162が設けられており、このメス受け取付台162にメス受け160が取り付けられている。
【0036】
次にメス受け駆動手段170の動作を説明する。
布切りモータ21が作動すると、モータギア22、ボールねじギア23を介してボールねじ24が回転し、ボールねじナット27及びハウジング28がボールねじ24上を下降する。これにより、ハウジング28に連結されている2本のリンク腕31も下降し、レバー34の一端を図3において時計周り方向に押し下げる。さらにレバー34は駆動軸35を図3中における時計周りに回転させる。
駆動軸35が回転すると、駆動軸35に設けられた駆動ギア39が図2における反時計周りに回転し、駆動ギア39に噛み合っているラック41を有する直動軸40が下降し、これによりメス受け160が上昇位置から、前記直線部切断位置又は鳩目部切断位置まで下降し、メスユニット100上の被縫製物を切断する。
【0037】
切断後は、布切りモータ21を逆回転させてボールねじナット27及びハウジング28を上方に移動させることによりレバー34が回転して、駆動軸35が図3の反時計周りに回転し、駆動ギア39が図2における時計周りに回転するので、直動軸40が上昇しメス受け160が被縫製物から離れる。
【0038】
上記構成を有する布切断装置201は、前後方向に布地を送る本発明の相対移動手段である送り台14との協働により、布地に所定の穴を形成していく。以下に、布切断装置201と送り台14の機械的な動作を図5〜図11を参照しながら説明する。図9〜図11はそれぞれ段階を追ってボタン穴を形成する様子を示す図であり、グレー色はその段階で切断した箇所、斜線部分は前段階で切断した箇所、符号Pはボタン穴の周囲のかがり縫い目を示す。
(1)メス受けとしては平面メス受け160を取り付け、かがり縫目を縫製した後に鳩目ボタン穴92を形成する場合について説明する。
まず、かがり縫いPを形成後、図示しない機構により上糸を切断し、送り台14により布地(被縫製物)をメスユニット100上である所定の布切り位置へ搬送する。このとき、布切断装置201は、図7(a)に示すように、エアシリンダ110はオフ状態でロッド110aは突出し、シリンダピン114により鳩目メス用土台104が押され起立した状態である。鳩目メス101bは被縫製物を切断可能な第一位置にある。
【0039】
メス受け駆動手段170の駆動により、平面メス受け160が所定量下降していく。平面メス受け160が鳩目メス101b及び直線メス102bと近接するある位置まで下降してくると、メス受け取付台162の継手163を介してエアが供給され始め、横エア孔165、縦エア孔166を通って、メス受け部貫通穴160aから、鳩目用メス部101のメス部貫通穴101eに向かってエアが噴射される。この上方からのエアの噴射は、鳩目部90の切断後に平面メス受け160が上昇し鳩目メス101bから十分離れるまで続く。
平面メス受け160が下降しつづけ、終には、鳩目メス101b及び直線メス102bと合致し、被縫製物には、図9(a)のグレー色で示すように、鳩目部90と、直線部91の一部である第1切込みh1が形成される。鳩目部90と第1切込みh1との間には、前述の隙間長さmcに対応する切り残し部分Sが存在している。
【0040】
この切断の際に、鳩目メス101bと平面メス受け160との間に滴状の打ち抜き片が発生すると、打ち抜き片は上方から吹き出すエアにより下方に押され、メス部貫通穴101e、104aを通り、鳩目メス用土台104から排出され、打ち抜き片ガード122により飛散することなく、ボス131のボス孔131aあるいはその周辺に落ちる。
一方、吸引器134においても、継手141からエアが供給され、これによりエアパイプ136に生じた負圧のために、打ち抜き片はボス孔131aに吸い込まれ、吸引器134内に入り、接続パイプ137、ホース138を通り、ミシン200の外部で回収される。継手141から供給されるエアのタイミングは特に限定されず、継手163を介しての上方からのエアが供給され始めてから、布切りの全ての動作が終了するまでの間であればよいが、継手163からのエアの供給とほぼ同時であることがより好ましい。このようなタイミングであれば、上方からのエアと吸い込む勢いが合わさり打ち抜き片を確実に排出できるし、また継手163と継手141にエアを供給するための電磁弁を共通化させることも可能になり、構成・制御ともに簡単にできる。
【0041】
次に、メス受け駆動手段170が逆方向に作動し、平面メス受け160が布の移動と干渉しない高さまで上昇し、停止する。このとき、エアシリンダ110がオンになり、ロッド110aが引き込まれる。これにより、シリンダピン114に通されているリンク116によって鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力により、鳩目メス用土台104は支点軸107を中心に反時計方向に倒れるように回動し、退避し、図7(b)に示す状態になる。このとき鳩目メス101bは、平面メス受け160と合致しない第二位置にある。
ところで、バネ108の付勢力だけに寄らず、リンク116を介してシリンダピン114によっても鳩目メス用土台104を引くように構成したのは、次の理由による。鳩目メス101b上には被縫製物である布が密着していることがあり、バネ108だけであると布との間の摩擦力の関係で鳩目メス用土台104が倒れにくい。そこで、シリンダピン114で引いて、確実に鳩目メス用土台104が退避できるように構成した。
【0042】
エアシリンダ110のロッド110aが引き込まれた後、送り台14を作動させ、布を次の切断位置に移動させる。再度、メス受け駆動手段170によって平面メス受け160が下降し、鳩目メス101bは退避しているため、直線メス102bとのみ合致し、図9(b)でグレー色で示す第2切込みh2が形成される。この切断により、鳩目部90と直線部91がつながる。
【0043】
ここで、切断長が「縫い長さ(ml)−カット長さ補正(lc)」に達していない場合には、再度平面メス受け160が布の移動と干渉しない位置まで上昇し、布が送り台14により所定位置まで移動し、平面メス受け160が下降し、直線メス102bと合致し、図9(c)に示す第3切込みh3が形成される。これにより、鳩目部90と直線部91とからなる鳩目ボタン穴92が得られる。この例では、3回の動作で切断終了したが、回数は一例であって鳩目ボタン穴を形成する場合には2回以上であれば何回でもよい。
なお、2回目以降の切断の際には、打ち抜き片は発生しないので、打ち抜き片を除去するためには、継手163、141へのエアの供給は必要ない。
以上の切断動作終了後、下糸切断等の処理を終了する。
【0044】
また、2回目、及び3回目の切断の前の送り台14による布移動は、必ずその前に切断した切り込みと重なるように位置を調節する。具体的な重なり程度は前記長さmbと隙間長さmcとの値にもよるが、鳩目部90の頂点部分から1mm以上離れ、かつ、鳩目部90と第1切込みh1と同程度(1mm程度ずつ)重なるように、2回目の切断を行なう。3回目の切断の際にも、2回目に切断した第2切込みh2と1mm以上重なるように切断することが好ましい。
すなわち、布切り動作時の送り台14の各移動量は、メスNo.などから分かる「1回目で切断可能な長さ(鳩目部90頂点から直線部91の一部)」、「直線メス102bによる実切断長さmb」、「切り残り長さ」によって算出され、制御されるようになっている。制御の詳細については後で詳述する。
【0045】
(2)鳩目ボタン穴形成後に、その周囲にかがり縫いPを縫製する場合について説明する。
まず、送り台14により布を所定の切断位置に布地を搬送後、(1)同様に切断し、その後、送り台14により縫製位置に搬送し、その後糸切り等の処理がなされる。
【0046】
次に、(3)平面メス受け160で眠り目穴94を形成する場合と、(4)で段差メス受け167を用いる場合について説明する。ただし、かがり縫いについては上記(1)、(2)から明らかなように、かがり縫いと布切断の時間的な前後関係は、布切断装置201そのものの動作とは直接関与しないので、以後では布切断装置201の動作についてのみ説明する。
(3)眠り目穴94を形成する場合について説明する。
まず、エアシリンダ110がオンになり、ロッド110aが引き込まれ、鳩目メス用土台104が引っ張られるとともに、バネ108の付勢力により、鳩目メス用土台104は退避し、図7(b)に示す状態になる。この状態で、送り台14により布を所定の布切り位置へ搬送する。
メス受け駆動手段170が作動し、平面メス受け160が所定量下降し、鳩目メス101bは退避しているため、直線メス102bとのみ合致し、図10(a)でグレー色で示す第1切込みh4が形成される。
【0047】
切断量が必要長さに達しない場合には、(1)の2回目動作同様に、平面メス受け160が布の移動と干渉しない程度に上昇し、送り台14が所定距離移動し、再び平面メス受け160を下降させ、2回目の切断を行い、図10(b)に示すように第2切込みh5が形成される。同様に3回目の切断を行なうと、図10(c)に示すように第3切込みh6が切断され、眠り目穴94が形成される。
眠り目穴94の場合、「眠り目オフセット量cc」及び「カット長さ補正lc」の数値を変更することにより、かがり縫い長さに対して切断位置と切断長さを任意に変更することができる。
【0048】
このように、眠り目穴94の場合、切断動作の最初に鳩目メス用土台104を退避させておき、直線メス102bのみにより切断する。また、打ち抜き片は発生しないので、打ち抜き片を除去するためには継手163、141に対してエアは供給されない。
また、2回目及び3回目の切断前の送り台14の移動量は、鳩目ボタン穴92の形成時同様に、その前に切断した切り込みと1mm以上重なるように位置を調節する。
以上(1)〜(3)で説明したように、メスやメス受けの交換することなしに、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94の切り替えや切断長さの変更が自在にできる。
【0049】
(4)次に、段差メス受け167をメス受け取付台162に取り付けた場合について説明する。
段差メス受け167で、鳩目ボタン穴92やフラワーホールのような穴を形成する場合、まず、布切断装置201は、図8(a)に示すように、エアシリンダ110がオフ状態でロッド110aは突出し、シリンダピン114により鳩目メス用土台104が押され起立した状態である。
【0050】
メス受け駆動手段170の駆動により、段差メス受け167が所定量下降していく。段差メス受け167には段差167aが設けられているので、鳩目用メス受け部168のみが鳩目メス101bだけと合致し、図11(a)のグレー色で示すように、鳩目部90のみが形成される。フラワーホールのような穴のみ形成する場合は段差メス受け167を元の位置まで上昇させて動作を終了する。
また、鳩目ボタン穴92の場合はこの後、エアシリンダ110がオンになり、鳩目メス用土台104は退避し、図8(b)の状態になる。一方、段差メス受け167を布の移動と干渉しない高さまで上昇させ、布を送り台14で移動させて段差メス受け167を下降させる動作を、必要長さ分繰り返し、図11(b)〜(d)のグレー色で示すように、第1切込みh7、第2切込みh8、第3切込みh9を順に切り足していき、鳩目ボタン穴92を形成する。なお、2回目、3回目、4回目の切断前の送り台14による布の移動は、それぞれ、その前に形成した切断箇所と少し、例えば1mm以上、重なるように移動させる。
【0051】
前記(1)同様に、1回目の切断時に、段差メス受け167が鳩目メス101bと近接するある位置まで下降してくると、メス受け取付台162の継手163を介してエアが供給され始め、段差メス受け167の下面から、鳩目用メス部101のメス部貫通穴101eに向かってエアが噴射される。これに合わせて、吸引器134側の継手141にもエアが供給され始める。このエアの供給は、鳩目部90の切断後に段差メス受け167が上昇し鳩目メス101bから十分離れるまで続く。
【0052】
段差メス受け167を用いて、眠り目穴94を形成する場合については、前記(2)と全く同様である。
このように、段差メス受け167を用いれば、鳩目部90のみ、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94を形成でき、両ボタン穴の長さも自在に変更できる。
【0053】
次に、ミシンの制御装置180について説明する。
図12に示すように、制御装置180は、ROM51、RAM52、EEPROM53、CPU54、インターフェイス55、主軸モータ駆動回路56a等の駆動回路等から概略構成され、この制御装置180に主軸モータ70等の各種モータ、スタートスイッチ57、押えスイッチ58、操作パネル59(図17を参照)等が接続される。
ROM51には、ボタン穴及び穴かがり縫い目を形成する際に必要となる制御プログラムや制御データが書き込まれている。
【0054】
RAM52(記憶手段)は、後述するEEPROM53に記憶された複数のパターンデータの中から、操作パネル59を介して選択された1つのデータを記憶する。さらにRAM52は、縫製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリアとしても機能する。また、パターンデータから生成される縫い目データや、後述する複数回メスのメス落し位置等も記憶する。
EEPROM53(記憶手段)は、複数のパターンデータと複数のメモリスイッチデータを記憶する。また、パターンデータの値やメモリスイッチデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。なお、これらデータの選択方法やデータ内容の変更方法については後述する。
【0055】
更に、EEPROM53には、後述する打ち抜き片除去動作の際や鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑・糸屑の除去動作の際のエアコンプレッサー77bを作動させる時間(設定時間)が記憶されている。打ち抜き片除去動作の際の設定時間と、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑除去動作の際の設定時間とは同一にしてもよいが、独立して設定してもよい。EEPROM53には更にエアシリンダ110がオンとなる時にメス受け160が位置すべき設定位置(メスユニット100が回動する時にメス受け160が干渉しない位置)が記憶されている。
【0056】
前記パターンデータとしては、図13に示すように、例えば9個のパターンデータがあり、各パターンデータには、パターンデータ1に示すように1〜10のデータ項目に対応した具体的な値が設定されている。
データ項目1は、ボタン穴を形成するメスの種類を設定するものである。図14(a)に示すように鳩目メス101bの形状を幅ewと長さelとによって規定し、鳩目メス101bおよび直線メス102b全体の長さをmaによって規定し、直線メス102bの長さをmbによって規定し、鳩目メス101bと直線メス102bの間の間隙部w2の長さをmcによって規定し、これらの組み合わせを図14(b)に示すように予めテーブルとしてメモリスイッチデータに記憶している。
【0057】
データ項目1では、メスNo.0〜5にはいわゆる標準メス、つまり、直線メス部と鳩目メス部とが一体の図示しないメスが設定されており、メスNo.6〜10にはいわゆる複数回メス、つまり、鳩目メス101bと直線メス102bとの間に間隙部w2が設けられており、後述するように、切り残し部分の切断等のために布に対して複数回下降させる必要があるメスが設定されている。なお、メスNo.0は、眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスに対応する。
データ項目2〜6は、図15(a)に示す鳩目穴かがり縫い目を構成する各部の針数や長さに関するデータである。すなわち、図15(b)に示すように、データ項目2は穴かがり長さ(ml)、データ項目3は直線部針数(ln)、データ項目4は鳩目部針数(en)、データ項目5は直線部メススペース(ls)、データ項目6は鳩目部メススペース(es)である。
【0058】
データ項目7は、かがり縫いの前に布切りを行う先メス、かがり縫いの後に布切りを行う後メスを選択するものである。
データ項目8は、直線部91の長さを変更(補正)するためのカット長さ補正(lc)、データ項目9は、図15(c)に示す眠り穴かがり縫い目を形成する際に、直線状の穴93の形成位置を、眠り穴かがり縫い目の上方部分からオフセットさせるための眠り目オフセット量(cc)である。
【0059】
データ項目10は、穴種類選択データ(ss、「眠り目/鳩目選択」)であり、メス受けとして、平面メス受け160または段差メス受け167の一方を用いる際に、被縫製物に対して、次の▲1▼〜▲4▼の4種類の縫製のうちの1つを選択するものである。
▲1▼平面メス受け160による鳩目ボタン穴92の形成(以下、▲1▼「平面メス受け・鳩目ボタン穴」形成)。
▲2▼平面メス受け160または段差メス受け167による眠り目穴94の形成(以下、▲2▼「眠り目穴」形成)。
▲3▼段差メス受け167による鳩目ボタン穴92の形成(以下、▲3▼「段差メス受け・鳩目ボタン穴」形成)。
▲4▼段差メス受け167による鳩目部90のみの形成(以下、▲4▼「段差メス受け・鳩目部のみ」形成)。
【0060】
具体的には、▲1▼「平面メス受け・鳩目ボタン穴」を選択する場合には「0」を設定し、▲2▼「眠り目穴」を選択する場合には「1」を設定し、▲3▼「段差メス受け・鳩目ボタン穴」を選択する場合には「2」を設定し、▲4▼「段差メス受け・鳩目部のみ」を選択する場合には「3」を設定することで、所望の穴とかがり縫目を設定することができる。
【0061】
前記メモリスイッチデータとしては、図16に示すように、例えばメモリスイッチNo.1〜36まで設定されており、各メモリスイッチには、「メモリスイッチの内容」欄に記載された事項に対応する値が、「設定値」欄に示すように、設定されている。例えば、メモリスイッチNo.1には、メスNo.1の鳩目幅(ew)についての設定値は2.1mmであることが入力されており、メモリスイッチNo.13には、メスNo.6の全体メス長さ(ma)についての設定値は18mmであることが入力されている。
【0062】
CPU54は、ROM51の制御プログラムや制御データにしたがって、ボタン穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する。
CPU54は、インターフェイス55を介して、操作パネル59に接続され、操作パネル59上の表示を制御するとともに、操作パネル59を介して入力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うようになっている。作業者は、操作パネル59を介して、図13や図16等に示した各データを選択したり、選択したデータを変更できるようになっている。
【0063】
さらに、CPU54は、インターフェイス55を介して、主軸モータ駆動回路56aに接続され、主軸モータ70の回転を駆動制御する。主軸モータ70は、ミシン針を上下に駆動する上軸や、ミシン針と協働して縫い目を形成するルーパー機構を駆動するモータである。
また、CPU54は、インターフェイス55を介してX軸モータ駆動回路56bに接続されるとともに、インターフェイス55を介してY軸モータ駆動回路56cに接続され、X軸モータ71とY軸モータ72を駆動制御しながら、送り台14を所定の方向に駆動する。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、旋回モータ駆動回路56dに接続され、旋回モータ73を制御駆動する。この旋回モータ73によってミシン針及びルーパが回転運動し、鳩目穴92等の周りに、放射状の縫い目が形成される。
【0064】
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、布切りメスモータ駆動回路56eに接続され、布切りメスモータ74を制御駆動する。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、スタートスイッチ57に接続され、スタートスイッチ57から起動信号が入力すると、主軸モータ70等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり縫い及び布切り処理を行わせる。
また、CPU54は、インターフェイス55を介して、押えスイッチ58に接続され、押えスイッチ58から起動信号が入力すると、布押えシリンダ75に連結した布押えシリンダ駆動電磁弁75aを所定のタイミングで駆動し、布押え16を上下動させる。
また、また、CPU54は、インターフェイス55を介して、X軸モータ71、Y軸モータ72、旋回モータ73、布切りメスモータ74の原点位置を検知するためのX軸原点センサ71a、Y軸原点センサ72a、旋回原点センサ73a、布切りメス原点センサ74aに接続され、これら各モータが原点位置に戻っているか否かを示す信号に対応し、この信号に基づいて各種制御を行なう。
【0065】
CPU54には更にインターフェイス55を介して前記エアシリンダ110を駆動するエアシリンダー駆動電磁弁76aが接続されている。CPU54は、インターフェイス55を介して、エアシリンダー駆動電磁弁76aを所定のタイミングで駆動し、これにより、鳩目メス用土台104を倒したり起立させる。
また、制御装置180によって、インターフェイス55及びエアコンプレッサー駆動電磁弁77aを介して、エアチューブ140やエアライン175にエアを供給するエアコンプレッサー77bのオン/オフ動作が制御される。エアコンプレッサー駆動電磁弁77aおよびエアコンプレッサー77bは本発明のエアー吐出手段に対応する。
【0066】
CPU54には更にインターフェイス55を介して布センサ190が接続されている。制御装置180は後述するように、鳩目メス101bを起立させる直前に布センサ190によりメス受け部貫通穴160aとメスユニット100との間に被縫製物が無いと判定された場合のみ、エアー吐出手段77a,77bにより鳩目用メス部101と直線用メス部102との間にエアーを吐出する等の制御を行なう。
【0067】
操作パネル59は、図17に示すようにパターンNo.表示部59a、パターンNo.+/−キー59b、データ項目表示部59c、データ項目+/−キー59d、データ表示部59e、データ+/−キー59f、データ設定キー59g、準備キー59hとから構成される。
パターンNo.表示部59aは、現在選択しているパターンNo.を表示するものであり(図17では「1」)、パターンNo.+/−キー59bにより数字を1〜9の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるパターンデータを選択できる。
【0068】
データ項目表示部59cは、パターンNo.表示部59aで選択したパターンデータの中のデータ項目を表示するものであり(図17では「2」)、データ項目+/−キー59dにより数字を1〜10の範囲の中で1つずつ変更することによって、異なるデータ項目を選択できる。
データ項目表示部59cにおいてデータ項目を選択すると、データ表示部59eにそのデータ項目について予め設定されている数字が表示される。そして、データ+/−キー59fによってデータ表示部59eの数字を所定の範囲の中で所定間隔ずつ増減することによって、値を変更できる。
データ設定キー59gは、データ設定作業を行う際に操作するスイッチである。つまり、データ設定キー59gを押すことによりデータ値の変更などが可能となる。また、各項目や数字の選択や変更は、再度、データ設定キー59gを押すことで確定する。
準備キー59hは、穴かがり作業の準備を可能にするとともに、設定作業の終了後、選択あるいは設定しなおしたデータ値に対応する縫い目データ等を作成するためのキーである。また、準備キー59hは、電源投入時に押されている場合は、メモリスイッチデータを変更するためのキーを兼用する。
【0069】
次に、図18〜20のフローチャートを用いてボタン穴かがり縫い目形成作業の流れについて説明する。
まず、ミシンの主電源(図示せず)のオン操作の際に、準備キー59hも同時にオン操作した場合、つまりステップS100においてYesの場合は、ステップS103に移り、後述するメモリスイッチの設定を行う。
また、ステップS100においてNoの場合、あるいはステップS103におけるメモリスイッチデータ設定後、ステップS104に移行する。
【0070】
ステップS104において、パターンNo.+/−キー59bが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS105に移り、パターンNo.の更新を行なう。
ステップS104においてNoの場合、あるいはステップS105におけるパターンNo.更新後、ステップS106に移行する。
ステップS106において、データ設定スイッチが操作されるか否かを監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS107において後述するデータ設定を行う。
ステップS106においてNoの場合、あるいはステップS107におけるデータ設定後、ステップS108に移行する。
【0071】
ステップS108では、準備キー59hの操作を監視する。そして、操作されない場合、つまりNoの場合は、ステップS104に戻り、操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS109に移り、現在選択されているパターンにおけるデータ項目「1」に設定されているメスNo.に基づいて複数回メスが選択されているかどうか判定する。そしてYesの場合、ステップS110において後述する布屑除去動作1を行なう。これにより、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑および糸屑が除去される。ステップS109においてNoの場合、あるいはステップS110における動作終了後、ステップS111において1針毎の縫い目データと複数回メスのメス落とし位置等の各種データを生成する。これらデータは、設定されたパターンデータ、メモリスイッチデータの内容に基づいて主軸モータ70等の駆動源を駆動するために生成されるデータであり、この他、送り台14の位置に関するデータ、メスを駆動する布切りモータ21の駆動量のデータ等を含むものである。
そして、ステップS112において布押え16が下降して布を送り台14の上面に押え付け、ステップS113において、X/Yモータ71、72、旋回モータ73、布切りメスモータ74を原点位置に移動させる原点検索が行われ、図19のステップS114に移行し、布押え16が上昇する。
【0072】
次いでステップS115において、押えスイッチ58の操作が監視され、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS116において布押え16が下降する。作業者は、例えば、布押え16による布の押え位置等を確認し、布の位置を調節する必要がある場合等は、ステップS117において再び押えスイッチ58をオン操作することでステップS118で布押え16が上昇し、ステップS115に戻る。
また、ステップS117において押えスイッチ58がオン操作されない、つまりNoの場合は、ステップS119においてスタートスイッチ57の操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合ステップS120に移行する。
【0073】
ステップS120において、図13に示すパターンデータ内のデータ項目「7」で先メスが選択されているかどうか判定する。先メスであればステップS121において後述する布切りメス動作が実行される。
ステップS120においてNoの場合、あるいはステップS121における布切りメス動作実行後、ステップS122において穴かがり動作が開始される。この穴かがり動作には、送り台14を縫い始め位置へ移動させる動作や、穴かがり後の糸切り等の一連の動作が含まれる。
【0074】
穴かがり動作の途中でステップS123において針棒旋回開始か否かが判断され、Yesの場合はステップS124に移行してステップS110と同様の布屑除去動作1が実行される。
図21に示すように針棒旋回時には鳩目部の穴かがり動作のため針棒ガイド79(図1参照)の下方にある針80(図1参照)の下に被縫製物Wの鳩目形成部分が位置することになる。このとき被縫製物Wは、作業者に対して最前進位置となるが、ミシン200に対しては最後退位置となり、メス受け部貫通穴160aの直下には被縫製物Wが存在せず、このタイミングでメス受け部貫通穴160aからエアーを吐出することにより縫製の途中でも鳩目用メス部101と直線用メス部102との間に溜った布屑を除去することができる。また、エアーを吐出する際には鳩目用メス部101を倒す必要があるが鳩目穴の穴かがり時には、鳩目用メス部101の上にも被縫製物Wが存在しないので、鳩目用メス部101を倒すことにより鳩目メス101bが被縫製物Wを傷つけることも無く好都合である。なお、ステップS123においては、針棒旋回の開始を判断せずとも、鳩目部の縫製が行なわれるタイミングを判断できれば良く、例えば縫いデータにより送り台14の左右方向への移動が開始されたか否かを判断して鳩目部の縫製の開始を判断しても良い。
なお、この布屑除去動作は穴かがり動作と平行して行なわれ、布屑除去動作中も鳩目部の穴かがり動作が実行されている。
【0075】
布屑除去動作1が終了した後も残りの穴かがり動作が継続して行なわれ、ステップS125に移行し、所定の穴かがり動作が終了する。その後、ステップS126に移行し、送り台14、針棒等を原点位置に移動する。
次いで、ステップS127において、パターンデータ内のデータ項目「7」で後メスが選択されているか否か判定し、後メスが選択されている場合、つまりYesの場合は、ステップS128に移行し、ステップS121と同様の布切りメス動作が実行される。
ステップS127において後メスではないと判定した場合、あるいはステップS128の布切りメス動作終了後、ステップS129において布押え16が上昇し、ステップS115に戻り、再び押えスイッチ58の操作監視状態となり、押えスイッチ58のオンにより上述の穴かがり動作が繰り返される。
【0076】
次に、前記ステップS110、S124における布屑除去動作1の流れについて、図20のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS200において布センサ190からの信号によりメス受け部貫通穴160aとメスユニット100との間に被縫製物が有るか無いかを判断し、被縫製物がない場合にステップS201に移行してエアシリンダ110をオンにし、鳩目用メス部101を倒す。なお、この時、例えば図21に示す位置に被縫製物Wがある時は、布センサ190の下方には、被縫製物Wは存在せず、布無しと判断される。
次にステップS202に移行してエアコンプレッサー77bをオンとして鳩目用メス部101と直線用メス部102との間にエアーを吐出する。これにより、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑および糸屑が除去される。このエアー吐出時間は、次のステップS203において予めEEPROM53に記憶されている設定時間が経過するまで行なわれる。なお、本発明の「移動可能とされた一方が前記隔離位置にあることに関連して、前記エアー吐出手段によりエアーを吐出」とは、本実施形態においては、エアシリンダ110がオンとなって鳩目用メス部101が倒れて直線用メス部102と隔離した位置にある時にエアコンプレッサー77bをオンとすることに対応する。
【0077】
布屑除去動作を行なう場合、被縫製物の形状や被縫製物に対するボタン穴の位置によっては、鳩目穴かがり縫いの動作中にも被縫製物が鳩目用メス部101の上にある可能性がある。そのような場合、布屑除去を行なうために鳩目用メス部101を倒すと鳩目メス101bの先端により被縫製物に対して形成されたかがり縫いの縫い糸が切断されたり、被縫製物が傷つけられたりする不具合が発生する可能性があるが、このように被縫製物があるか否かを判断して、被縫製物が無い場合にのみ布屑除去動作を行なうことによって、そのような不具合を防止することができる。
また、鳩目メス101bや直線メス102bの上方を送り台14によって移動中の被縫製物の上からエアーを吐出すると、鳩目メス101bや直線メス102bに被縫製物が押し付けられ、縫い糸や被縫製物が傷つけられる可能性があるが、この不具合も被縫製物が無い場合にのみ布屑除去動作を行なうことによって防止することができる。
【0078】
ステップS203の終了後ステップS204に移行して次に行なわれるボタン穴の形成において鳩目が設定されているか否かが判断され、Yesの場合はステップS205でエアシリンダ110をオフとして鳩目用メス部101を起立させる。ステップS205の動作終了後及びステップS204でNoの場合はステップS206でエアコンプレッサー77bをオフとして布屑除去動作1のサブルーチンを終了し、ステップS111またはステップS125に戻る。また、ステップS200で被縫製物ありと判断された場合には布屑除去動作を行なわず、ステップS111またはステップS125に戻る。
【0079】
次に、前記ステップS103におけるメモリスイッチ設定の流れについて、図22のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS400において操作パネル59の項目表示部に「1」が表示され、メモリスイッチNo.1の設定値がデータ表示部59eに表示される。
次いで、ステップS401においてデータ項目+/−キー59dの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS402においてメモリスイッチNo.を更新し、データ項目表示部59cに表示すると共に対応する値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS402の後、あるいはステップS401でNoの場合はステップS403に移行する。
【0080】
ステップS403では、データ+/−キー59fの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS404において、データ項目表示部59cに表示されているメモリスイッチNo.に対応した設定値を更新し、更新後の設定値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS404の後、あるいはステップS403でNoの場合はステップS405に移行する。
ステップS405では準備キー59hの操作を監視し、オン操作されない場合、つまりNoの場合はステップS401に戻り、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS406に移行し、設定されたメモリスイッチデータがEEPROM53に記憶され、その後ステップS104に移行する。
【0081】
次に、前記ステップS107におけるデータ設定の流れについて、図23のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS300において操作パネル59のデータ項目表示部59cに「1」が表示され、データ項目1に設定されているメスNo.がデータ表示部59eに表示される。
次いで、ステップS301においてデータ項目+/−キー59dの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS302においてデータ項目ナンバーを更新してデータ項目表示部59cに表示すると共に、対応する値をデータ表示部59eに表示する。
ステップS302の後、あるいはステップS301でNoの場合はステップS303に移行する。
【0082】
ステップS303では、データ+/−キー59fの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合、ステップS304において、選択されているデータ項目に対応した値を更新し、更新後の値をデータ表示部59eに表示する。ステップS304の後、あるいはステップS303でNoの場合はステップS305に移行する。
ステップS305ではデータ設定キー59gの操作を監視し、オン操作された場合、つまりYesの場合は、ステップS306において変更後のデータに更新し、ステップS108に移行する。また、ステップS305でデータ設定キー59gが操作されない場合は、ステップS301に戻る。
【0083】
次に、前記ステップS121における布切りメス動作の流れについて、図24〜26のフローチャートを用いて説明する。前提として、オペレータは、形成したい穴に応じて、適切なメス、メス受けを取り付け、それに合わせて操作パネル59から所定のデータ設定をしている。
【0084】
まず、ステップS500において、例えばパターンデータ内のデータ項目「1」に設定されているメスNo.から、複数回メスが選択されているかどうか判定する。そして、標準メスと平面メス受け160が取り付けられていれば、複数回メスではなくNoとなり、ステップS501において平面メス受け160を降下させ、布にボタン穴を形成する。このとき、メスNo.0、つまり眠り目穴94を形成するための直線状の刃のみを備えたメスが選択されている場合には、ステップS501において眠り目が形成され、メスNo.1〜5が選択されている場合には、鳩目ボタン穴が形成される。ステップS501が終了した後、図25のステップS518へ移行する。
【0085】
また、ステップS500において複数回メスであると判定した場合、ステップS502において、パターンデータ内のデータ項目「10」の設定がss=1であるか否か、つまり眠り目穴が選択されているか否かを判定する。
そして、眠り目穴が選択されている場合、つまりss=1が選択されている場合には、ステップS503に移行する。ステップS503において、エアシリンダ110をオンにし、鳩目用メス部101が倒れる。これ以後は、直線用メス部102による切断のみ可能となる。
次に、ステップS504で、送り台14を前記ステップS111(図18)で算出した1回目メス受け落し位置(布切り位置)まで移動させる。そして、ステップS505において、平面メス受け160または段差メス受け167を切断位置まで下降させ、直線メス102bの形状やメス受けとの合致長さに対応する直線状の穴が被縫製物に形成され、図25のステップS514に移行する。
【0086】
一方ステップS502において、眠り目穴が選択されていない場合、つまりss=0、2、3が選択されている場合、ステップS506に移行する。
ステップS506では、所定の切断位置まで平面メス受け160あるいは段差メス受け167を下降させる。被縫製物には、平面メス受け160であれば、鳩目用メス部101の鳩目メス101bと直線用メス部102の直線メス102bの形状や大きさに応じた鳩目部90及び直線部91の一部が形成される。段差メス受け167であれば、鳩目部90のみ形成される。いずれの場合も鳩目部90が形成される結果、被縫製物から鳩目部90と同形状の打ち抜き片が分離される。
次に、ステップS507で前記エアコンプレッサー77bが約50m秒オンした後、オフする。これにより、鳩目部90の打ち抜き片が除去される。次いでステップS508で後述の布屑除去動作2が実行される。これにより、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑および糸屑が除去される。
【0087】
次いで、ステップS509で、パターンデータ内のデータ項目「10」の設定がss=3であるか否か、つまり鳩目部90のみが選択されているか否か判定する。鳩目部90のみが選択されている場合(Yes)には、布切り動作は終了するため、図25のステップS518に移行する。
データ項目10の設定がss=0、2のいずれかである場合、つまり平面メス受け160または段差メス受け167による鳩目ボタン穴92が選択されている場合、ステップS509からステップS510に移行する。
ステップS510において、メモリスイッチNo.36で設定されている「空送り可能メス高さ」に従って、平面メス受け160(段差メス受け167)を送り台14の移動に差し支えない高さまで上昇させる。
次に、ステップS511で、エアシリンダ110をオンすることで、鳩目用メス部101が図7(b)または図8(b)に示すように倒れ、図25のステップS512に移行する。以後は、直線メス102bによる布切りだけが可能となる。
【0088】
図25のステップS512では、送り台14を、隙間w1(図7(a))に対応する、前記ステップS111で算出した2回目の布切り位置まで移動させる。このときの移動量は、前述のように1回目に切断した切り口に少し重なるような位置にメス受けが下降するよう制御される。具体的には、平面メス受け160であれば、前記隙間w2に対応する切り残し部分を切断するための位置であり、段差メス受け167であれば、鳩目部90に接続する直線部91の先端部分を切断する位置である。
次いで、ステップS513では、平面メス受け160あるいは段差メス受け167を切断位置まで下降させ、布地を切断し、ステップS514に移行する。
【0089】
ステップS514で、前記ステップS111で算出したメス落とし回数と同一回数のメス受け落とし動作が行なわれたか否かを判定し、Noの場合には、ステップS515に移行し、前記ステップS510同様に、空送り高さまで平面メス受け160または段差メス受け167を上昇させる。次いで、ステップS516において、送り台14を前記ステップS111で算出された次のメス受け落し位置(布切り位置)まで移動させる。
そして、ステップS517において、メス受けを切断位置まで下降させて、所定長さ切り足し、ステップS514に戻り、再び前記ステップS111で算出したメス落とし回数と同一回数のメス受け落とし動作が行なわれたか否かを判定し、Yesの場合、つまりボタン穴の形成が終了した場合には、ステップS518に移行する。ここで、平面メス受け160または段差メス受け167を元の原点位置(最上位置)まで上昇させ、次いで、ステップS519で、エアシリンダ110をオフにして、鳩目用メス部101を起立させ、布切りメス動作処理を終了する。
なお、ステップS509やステップS501を経てステップS519に至った場合には、エアシリンダ110はオフのままであるが、オフの状態でオフの命令を出力しても何も生じないので問題ない。
【0090】
ところで、ステップS506やステップS501の鳩目ボタン穴92あるいは鳩目部90を形成するための切断における下降位置と、その他の下降位置は、前者の方がより低い位置まで下降するように制御される。これは、鳩目を形成するときの方が合致面積が大きくメス受けをより強い力で押し込む必要があるからである。
【0091】
次に、前記ステップS508における布屑除去動作2の流れについて、図26のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS520においてエアシリンダ110オンの際の設定位置(鳩目用メス部101が倒れる時にメス受け160が干渉しない位置)までメス受け160を移動した後、ステップS521でエアシリンダ110をオンにし、鳩目用メス部101を倒す。次にステップS522においてエアコンプレッサー77bをオンとして鳩目用メス部101と直線用メス部102との間にエアーを吐出する。これにより、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑および糸屑が除去される。このエアー吐出時間は、次のステップS523において予めEEPROM53に記憶されている設定時間が経過するまで行なわれる。次いでステップS524でエアコンプレッサー77bをオフとして布屑除去動作2のサブルーチンを終了し、図24のメインルーチンのステップS509に移行する。
【0092】
この布屑除去動作2では、メス受け160とメスユニット100の間に被縫製物が存在するが、ステップS506で被縫製物に鳩目穴92が形成され、ステップS507で打ち抜き片が除去されているので、メス受け部貫通穴160aからのエアーは鳩目穴92を通って下方に至る。従って、布屑除去動作1のステップS201のように布センサ190からの信号によりメス受け部貫通穴160aとメスユニット100との間に被縫製物が有るか無いかを判断する必要がない。
また、エアコンプレッサー77bをステップS507でオフした後ステップS522で再度オンしているが、上記ステップS507ではオフせずにオンの状態のまま布屑除去動作2に移行してもよい。この場合、ステップS522は省略される。
【0093】
以上において、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑や糸屑を除去する動作として、図20の布屑除去動作1と図26の布屑除去動作2の2つの例を示したが、この他、オペレーターが所望の時に手動にて動作させるようにしてもよい。この場合、エアコンプレッサー77bを手動にて作動させるための操作手段(図示せず)を設け、この操作手段が操作された場合に布センサ190により布が検出されないことを条件に布屑除去動作を行なうようにする。
【0094】
ここで、上述のように、ステップS512及びS516、S504においては、送り台14を所定量移動させることで、送り台14に対する布切断装置201の位置(メス受け位置)を相対的に変更し、所定長さのボタン穴を形成していく。
【0095】
以上の布切断装置201を備えるミシン200によれば、縫製中に発生した布屑や糸屑が、鳩目用メス部101と直線用メス部102の間に蓄積しても、布屑除去動作1および布屑除去動作2において、エアコンプレッサー77bをオンとして鳩目用メス部101と直線用メス部102との間にエアーを吐出することにより、上記布屑および糸屑が除去される。従って、鳩目メス101bを直線メス102b方に対して常に正規の近接位置に移動可能となり、鳩目メス部を破損することがない。
【0096】
また、ミシン200によれば、鳩目用メス部101が回動することで、鳩目メス101bが布切断可能な第一位置と、退避する第二位置とを移動するように構成し、さらに送り台14で布地を前後方向に移動できることから、平面メス受け160を用いる場合には、メス受け、メスの交換をすることなしに、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94の切り替えや切断長さの変更が自在にできる。また、段差メス受け167を用いれば、メス受け、メスの交換をすることなしに、鳩目部90のみ、鳩目ボタン穴92、眠り目穴94を形成でき、かつ、様々な長さのボタン穴を形成できる。
【0097】
<第2の実施の形態>
図27、図28を参照して第2の実施の形態について説明する。図27、図28において、図5〜7と全く同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態におけるメスユニット300では、メス土台部材103の代わりに、メス土台部材303を用いている。メス土台部材303は、前記メス土台部材103同様に、土台板303aが固定ネジ152、152によってミシン200のベッド部に固定され、土台板303aの前部に、メス支持体303bが立ち上がるように形成され、さらにメス支持体303bの上部にブロック体303cとなっており、その上面に、第1の実施の形態と同様に、直線用メス部102がはめ込まれている。ただし、ここでのメス支持体303bは、前記メス支持体103bに比較すると後側が短くブロック体303cを真下から支持する程度の幅に形成されており、後述の鳩目メス用土台304は支持していない。
【0098】
また、土台板303aの上面には、平坦に形成されたスライド部303dが設けられ、このスライド部303dの中央に、前後方向に沿ってガイド溝303eが設けられている。
一方、スライド部303dの上面には、鳩目メス用土台304が設けられている。鳩目メス用土台304の上面には、第2の実施の形態同様に、鳩目用メス部101が固定され、鳩目用メス部101の内側にはメス部貫通穴(打ち抜き片除去経路)101eが形成されている。鳩目メス用土台304の下面には、前記ガイド溝303eに嵌合する嵌合突起304bが設けられている。これにより、鳩目メス用土台304は、ガイド溝303eに沿ってスライド部上面を前後に移動可能となっている。
【0099】
鳩目メス用土台304の中には、鳩目用メス部101の打ち抜き片除去経路101eに連続する打ち抜き片除去経路304aが形成されている。この打ち抜き片除去経路304aは、後ろ斜め下方に向かって形成されていた前記打ち抜き片除去経路104aと異なり、鳩目メス用土台304の前後移動の経路と重ならないように、図27(b)における紙面手前斜め下方に向かうように形成されている。鳩目メス101bによって切断された打ち抜き片は、打ち抜き片除去経路101e、304aを通って、ボス孔131aに落ち、外部に排出されていく。なお、打ち抜き片除去経路304aの向きに応じて、布屑ガード306が鳩目メス用土台304の側面がわを囲むように設けられ、止めネジ307、307によって土台板303aに固定されている。
【0100】
前記エアシリンダ110同様のエアシリンダ310を固定するシリンダ取付板301は、鳩目メス用土台304の前後移動に干渉しない位置で止めネジ302、302により、前後に調節可能であるように、土台板303aの上面に固定されている。
ロッド310aの先端には、外側にネジが切られているネジ部310bが固定され、このネジ部310bが、ナット305を介して、鳩目メス用土台304の後面に形成されたネジ穴に前後位置を調節して取り付けられている。従って、第2の実施の形態においては、鳩目メス用土台304は、ロッド310aの出没に応じて前後移動するようになっており、エアシリンダ310がオフでロッド310aが突出しているとき起立した状態で(図28(a))となり、オンでロッド310aが引き込まれるとネジ部310bを介して鳩目メス用土台304が引っ張られ、後方に移動する。
エアシリンダ310で押された鳩目メス用土台304の前方の位置は、第1の実施の形態同様に、前記ブロック体303cの後部の内部に設けられた調節ネジ115、115により決定している。
【0101】
上記構成を有するメスユニット300と平面メス受け160(あるいは段差メス受け167でもよい)とによって行なう切断動作は、第1の実施の形態で述べた(1)〜(4)とほぼ同様であって、唯一、鳩目メス用土台304は後方に直進することで退避する点だけが異なる。
すなわち、鳩目部90を切断する場合には、図28(a)に示すように鳩目メス用土台304が前方にあって、平面メス受け160と鳩目メス101b及び直線メス102bとが合致する。段差メス受け167であれば、鳩目メス101bとのみ合致する。このときの鳩目メス101bの位置が第一位置である。
【0102】
また、第1の実施の形態と同様のタイミングで、エアが継手163、141に供給され、切断により生じた打ち抜き片および鳩目用メス部101と直線用メス部102の間の布屑が打ち抜き片除去経路101e、304aを通り鳩目メス用土台304の側面から排出される。打ち抜き片は、吸引器134で吸引されて、排出される。
【0103】
直線部91あるいは眠り目穴94を形成する場合には、図28(b)に示すように鳩目メス用土台304が平面メス受け160(段差メス受け167)と干渉しない位置まで後方に退避し、平面メス受け160(段差メス受け167)と直線メス102bのみとにより布地が切断される。このときの鳩目メス101bの位置が第二位置である。
【0104】
以上のメスユニット300を有する布切断装置が設けられたミシンであっても、鳩目メス101bが固定された鳩目メス用土台304を前後に移動できるように構成したので、前記布切断装置201を備えたミシン200同様に、平面メス受け160を使えば、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成することができる。段差メス受け167を使えば、鳩目ボタン穴92と眠り目穴94をそれぞれ自在な長さで形成できるうえに、鳩目部90のみ形成することもできる。
【0105】
以上、本発明の布切断装置を第1及び第2の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態には限定されない。例えば、各実施の形態のそれぞれで、メス受け及びメスの上下の位置関係を入れ替えてもよい。
また、第一位置と第二位置とを移動するメスあるいはメス受けの退避方向は、前後方向とは限らず横方向であってもよい。また、退避の具体的な機構も適宜変更可能である。
【0106】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、鳩目穴を形成した際に発生する鳩目部の打ち抜き片を除去するために前記鳩目メス部に設けられたメス部貫通穴と、前記鳩目メス部と前記鳩目メス受け部が合致した際に一端が前記メス部貫通穴に連通して前記メス部貫通穴に向ってエアーを吐出する前記鳩目メス受け部に設けられたメス受け部貫通穴と、前記メス受け部貫通穴の他端に連結されて前記両貫通穴が連接した際にエアーを吐出するエアー吐出手段と、により構成されて前記鳩目部の打ち抜き片を外部に排出する打ち抜き片除去手段と、形成するボタン穴の種類に応じて、前記布切りメスの前記鳩目メス部と前記直線メス部の一方を、他方に対し、近接位置と隔離位置とに移動可能とする移動手段と、前記移動可能とされた一方が前記隔離位置にあることに関連して、前記エアー吐出手段によりエアーを吐出して前記移動可能とされた一方と前記他方との間に蓄積された布屑を除去する布屑除去手段とを備えたので、布切りメス及びメス受けを取りかえることなく、種々な長さの種類のボタン穴を形成できる。また、縫製中に発生した布屑を除去することにより、移動手段により鳩目メス部と直線メス部の一方を他方に対して近接位置に移動する際に妨げとならず、鳩目メス部を破損するおそれがなく鳩目メス部または直線メス部の移動がスムーズに行なえる。また、この布屑除去手段は、打ち抜き片除去手段のエアー吐出手段を用いるので、構成が複雑となることがなくコストをアップさせることなく、布屑の除去を容易に行なうことができる。
【0107】
請求項2に記載の発明によれば、検出手段により前記メス受け貫通穴と前記布切りメスとの間に被縫製物が無しと判定された場合のみ、前記エアー吐出手段により前記鳩目メス部と前記直線メス部との間にエアーを吐出するので、鳩目メスや直線メスの上方を送り台によって移動中の被縫製物の上からエアーを吐出することにより縫い糸や被縫製物が傷つけられるのを防止することができる。また、無駄な動作を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかるミシンの全体構造を一部破断した状態で示す側面図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるミシンの全体構造を一部破断した状態で示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるミシンの全体構造を示す背面図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるミシンの全体構造を示す上面図である。
【図5】図1のミシンに設けられるメスユニットを示す上からの平面図である。
【図6】図5のメスユニットとこれに接続される吸引器を示す側面図であり、破断線M1により一部破断して示している。
【図7】図5のメスユニットを有する布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部が起立した状態であり、(b)は鳩目用メス部が倒れた状態を示す。
【図8】図5のメスユニットを有し、メス受けとして段差メス受けを用いた布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部が起立した状態であり、(b)は鳩目用メス部が倒れた状態を示す。
【図9】図7の動作時に鳩目ボタン穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図10】図7または図8の動作時に眠り目穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図11】図8の動作時に鳩目ボタン穴を形成する様子を順を追って説明するための図である。
【図12】図1のミシンの制御装置を示すブロック図である。
【図13】パターンデータを示す図面である。
【図14】メスNo.に対応するデータを示す図面(a)及び(b)である。
【図15】鳩目ボタン穴に形成される穴かがり縫い目の形状を示す図(a)、データテーブルを示す図(b)及び眠り目ボタン穴に形成される穴かがり縫い目の形状を示す図(c)である。
【図16】メモリスイッチデータを示す図面である。
【図17】操作パネルを示す図面である。
【図18】ボタン穴かがり縫い目形成作業の流れを示すフローチャートである。
【図19】ボタン穴かがり縫い目形成作業の流れを示すフローチャートである。
【図20】布屑除去動作1の流れを示すフローチャートである。
【図21】鳩目部の穴かがり動作中の布の位置を示すためのミシンの上からの平面図である。
【図22】メモリスイッチ設定の流れを示すフローチャートである。
【図23】データ設定の流れを示すフローチャートである。
【図24】布切り動作の流れを示すフローチャートである。
【図25】布切り動作の流れを示すフローチャートである。
【図26】布屑除去動作2の流れを示すフローチャートである。
【図27】第2の実施の形態のメスユニットを示す図であり、(a)は上からの平面図で、(b)は側面図であり、1部を破断して示している。
【図28】図27のメスユニットを有する布切断装置の動作を示す側面図で、(a)は鳩目用メス部が前進している状態であり、(b)は直線用メス部材が退避した状態を示す。
【符号の説明】
77a,77b エアー吐出手段
90 鳩目部
91 直線部
100 布切りメス
101 鳩目用メス部
101e,104a メス部貫通穴
102 直線用メス部
108,110 移動手段
160 メス受け
160a メス受け部貫通穴
160b 鳩目メス受け部
160c 直線メス受け部
170 布切り駆動手段
190 検出手段
200 ミシン
201 布切り手段

Claims (2)

  1. 被縫製物にボタン穴を形成するとともにボタン穴の周囲に穴かがり縫い目を形成するミシンに設けられ、
    鳩目部と直線部とからなる鳩目ボタン穴の鳩目部を形成する鳩目メス部と直線部を形成する直線メス部とを有する布切りメスと、前記布切りメスに上下に対向して配置され前記鳩目メス部と合致する鳩目メス受け部と前記直線メス部と合致する直線メス受け部とを有するメス受けとを備える布切り手段と、
    前記布切りメスと前記メス受けが接離するように一方を上下方向に駆動して、布切りメスとメス受けとが接し合致したときに被縫製物を切断し前記ボタン穴を形成する布切り駆動手段と、
    鳩目穴を形成した際に発生する鳩目部の打ち抜き片を除去するために前記鳩目メス部に設けられたメス部貫通穴と、前記鳩目メス部と前記鳩目メス受け部が合致した際に一端が前記メス部貫通穴に連通して前記メス部貫通穴に向ってエアーを吐出する前記鳩目メス受け部に設けられたメス受け部貫通穴と、前記メス受け部貫通穴の他端に連結されて前記両貫通穴が連接した際にエアーを吐出するエアー吐出手段と、により構成されて前記鳩目部の打ち抜き片を外部に排出する打ち抜き片除去手段と、
    形成するボタン穴の種類に応じて、前記布切りメスの前記鳩目メス部と前記直線メス部の一方を、他方に対し、近接位置と隔離位置とに移動可能とする移動手段と、
    前記移動可能とされた一方が前記隔離位置にあることに関連して、前記エアー吐出手段によりエアーを吐出して前記移動可能とされた一方と前記他方との間に蓄積された布屑を除去する布除去手段とを備えたことを特徴とするミシンの布切断装置。
  2. 前記メス受け貫通穴と前記布切りメスとの間に被縫製物があるか否かを検出する検出手段を有し、該検出手段により、被縫製物無しと判定された場合のみ、前記エアー吐出手段により前記鳩目メス部と前記直線メス部との間にエアーを吐出することを特徴とする請求項1記載のミシンの布切断装置。
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