JP4336418B2 - ミシンの布切り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンの布切り装置に際し、例えばボタン穴となる鳩目穴かがりを行うミシンに設けられ、布にボタン穴となる穴部を形成するミシンの布切り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
布(被縫製物)に予めまたは事後的に形成されるボタン穴、例えば鳩目穴にかがり縫い目を施す鳩目穴かがりミシンは、一般に以下の基本的な構成を有している。
この従来の鳩目穴かがり縫いミシンの構成について図6〜図8を参照して説明する。
図6は従来の鳩目穴かがり縫いミシンの斜視図であり、この図に示すように、この鳩目穴かがり縫いミシン200は、ミシンフレーム201としてベッド部201a、ベッド部201a上から立脚した脚柱部201b、この脚柱部201bからベッド部201aに対向して延出されたアーム部201cとを備えている。
【0003】
このミシンフレーム201のアーム部201cに設けられ、下端部に縫い針203を備えた針棒204は、針棒上下駆動機構(図示省略)によって上下動される。布がセットされる送り台206には、送り装置(図示省略)によって鳩目穴の切り込み形状に沿わせた送り駆動が与えられる。
また、アーム部201cに設けた針振り機構207によって、縫い針203の針落ち点は1針毎に左右に振らせられる。
そして、針棒204の上下動及び針振りに併せて、ベッド部201aに設けたルーパー駆動機構(図示省略)がルーパーを動作させ、両者の協働により鳩目穴に沿ってかがり縫いが施される。
【0004】
そして、ミシンフレーム201内には、ベッド部201aに設けられ鳩目形状に対応した下メス(図6では図示省略。図7参照)211と、該下メス211に対向して配置されたハンマー212とを備え、下メス211とハンマー212との間に布を配置した状態で、メスとハンマーとのうちの一方、ここではハンマー212を下メス211に向かって移動させることにより、布に切り込みを入れて鳩目穴を形成する布切り装置210が設けられている。
図6においては、ハンマー212は、脚柱部201bの正面側に形成された開口部209から突出し先端部215aが上下に揺動するハンマー腕部215の先端部215aに設けられている。
【0005】
次ぎに、この布切り装置210について図7及び図8を用いて説明する。
図7は従来の布切り装置の概略斜視図であり、図8は図7の布切り装置により排出される布屑を回収する構成を示す概略構成図である。
【0006】
図7に示すように、この布切り装置210は、ベッド部201aに設けられた下メス211と、この下メス211と噛み合うことで布を切断するハンマー212と、先端部にハンマー212が取り付けられたハンマー腕部215と、ミシンフレーム201内に固定され、シリンダロッド221を進退させることでハンマー212を駆動させるエアシリンダ220と、第1リンク222と、第2リンク223等とを備えている。また、ベッド部201aには、ハンマー212と噛み合う下メス211を固定するメス土台216が設けられ、このメス土台216には、ハンマー212と下メス211とで布が切り込まれた際に発生する布屑を回収する布屑回収皿217に運搬するための布屑シュート218が接続されている。なお、布屑回収皿217は、図示しないがベッド部201aの底部に配置されているものである。
【0007】
この布切り装置210では、シリンダロッド221と、第1リンク222と、第2リンク223を介してハンマー腕部215を作動するように構成されている。つまり、シリンダロッド221の先端部は、第1リンク222の一端部222aに回動自在に取り付けられ、この第1リンク222の他端部222bは、ミシンフレーム201に水平方向に固定されている軸部224に回動自在に支持されている。
第2リンク223の一端部223aは、第1リンク222の一端部222aと他端部222bとの間で回動自在に取り付けられ、他端部223bはハンマー腕部215の基端部215bに回動及びスライド可能に取り付けられている。そして、このハンマー腕部215は、先端部215aと基端部215bの中間で、フレーム201の脚柱部201bに水平に固定された軸部225で支持され、この軸部225を中心に回動自在となっている。この軸部225はアーム部201cの長手方向と直交する方向に、脚柱部201bに配置されている。よって、この軸部225を中心に回動するハンマー腕部215の先端部215aは脚柱部201b内から開口部209を介して外方に突出した状態となっている。
【0008】
そして、第1リンク222の一端部222a側にはベッド部201a内に取り付けられた光センサ(フォトセンサ)226と共同して所定の動作位置を検出するためのカッターセンサ仕切板227が取り付けられている。つまり、シリンダロッド221が引き上がり光センサ226への入力光が、カッターセンサ仕切板227により遮断される位置から上方に移動し、ハンマー212が下メス211に当接して切り込み動作を完了する位置では、カッターセンサ仕切板227による光線の遮断がなくなって光センサ226がONになる。光センサ226がONになったら切り込み完了と判断し、エアシリンダ220をOFFに制御してハンマー212を上昇させるようにシリンダロッド221を伸ばすものである。
【0009】
また、図8に示すようにエアシリンダ220には、該エアシリンダ220に圧送されるエアを切り替えて、エアシリンダ220によるシリンダロッド221の動作を制御する電磁弁228が接続されている。この電磁弁228に空気を圧送する経路229にはレギュレータ230が取り付けられ、供給されるエア圧を確認することができるようになっている。
そして、この電磁弁228には、シリンダロッド221を引き上げる際に排出される排気を外部に排出可能なポート231が設けられている。
このポート231には、一端部232aが下メス211が固定されたメス土台216に接続された排気管232の他端部232bが接続されている。
この排気管232の他端部232bはメス土台216に、該メス土台216に接続された布屑シュート218と連通するように接続されており、排気管232からの排気により下メス211とハンマー212の協働により発生する布屑が布屑シュート218に送られ、布屑シュート218を通ってベッド部内に配設された布屑回収皿217に送られるように構成されている。
【0010】
このように構成されているので、エアシリンダ220が作動してシリンダロッド221が引き上げられると、第1リンク222がフレーム201に固定されている軸部224を中心に回動し、第2リンク223を介して、ハンマー腕部215が軸部225を中心に回動し、先端部215aのハンマー212が、ベッド部201aに取り付けられたメス土台216上の下メス211に向かって移動して、これらハンマー212と下メス211とが噛み合うことによって間にある布が切り込まれる。そして、切り込まれた際に発生した布屑は、シリンダロッド221が引き上げられる際に生じるエアーにより布屑シュート218へ送られ、該布屑シュート218を介して布屑回収皿217で回収される。
詳細には、下メス211には、布屑シュート218と接続されている貫通孔が設けられている。
この貫通孔に切断された布屑が溜まり、その前に生じた布屑をメス土台216側へ押し出す。このようにメス土台216側に押し出された布屑は、該メス土台216内(メス土台の穴内)でエアーにより布屑シュート218へ送り込まれる場所まで押し出されて、エアーの吸引力により布屑シュートへ送り込まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような布切り装置210の構成では、下メス211に向かって移動することで布に切り込んで穴部を形成するハンマー212が、軸部225を支点として円弧運動するハンマー腕部215の先端部215aに取り付けられているため、ハンマー212が下メス211に向かって円弧を描いて移動することになり、該ハンマー212と下メス211を水平に歯合させることが難しいものとなっているとともに、円弧の内側からハンマー212と下メス211とが噛み合うことになり、布における切断箇所の一端側から切断されることになり、一般的に被縫製物の穴部は複数の布が重なって形成されているため布ずれが生じて切断形状が崩れる可能性がある。
これを解消するために、つまり、布に対して直交する方向からメス刃が切り込まれるようにするため、刃を斜めに削らなければならない。この時、切断させる布の厚みを変更すると、それに応じて刃の先端の勾配を変更しなければならなかった。
【0014】
また、切断された布屑は、ベッド部201a内に配設された布屑回収皿217によって集められるが、この布屑回収皿217に大量に溜まると布屑回収皿217の上部に配設された他の機構、例えばルーパーを駆動させるルーパ駆動機構等に布屑が接触し、これら駆動機構に影響を及ぼしまう。このため、溜まった布屑を取り除く作業が必要となるが、ミシン自体を起こすといった煩雑な作業が必要となる。
また、布屑回収皿217に大量の布屑が溜まっても、これら布屑が該布屑回収皿217の上部の機構に接触しないようにするために、布屑回収皿217をベッド部201aのさらに深いところ、すなわちボトムカバーの内側の底板に配置する構成が考えられるが、この構成の場合、布屑回収皿217に溜まった布屑を取り除く作業が一層困難になる。
【0015】
さらに、ハンマー212及び下メス211とで切断させた布屑は、エアシリンダ220のシリンダロッド221の後退動作によって発生するエアーにより布屑シュート218から布屑回収皿217へ送り込まれるので、既に、布屑回収皿217に布屑が溜まっている場合、エアーの吹き付けにより布屑を飛び散らかしてしまい各機構に巻き込まれてしまうという問題があった。
【0016】
また、ハンマー212及び下メス211とが噛み合うことにより切断された布屑は、下メス211に設けられた貫通孔に溜まっている、その前の切断時に生じた布屑を、エアーが吸引可能な箇所まで押し出すことによりメス土台216に接続されている布屑シュートへ送り込んでいたが、切断(縫製)する生地によっては下メス211とハンマー212の噛合いでは完全に布屑を下メス211に設けられた貫通孔へ押し込むことができずに、切断された布屑の一部である上側の一枚が、下メス211の刃部から浮き上がった状態になってしまうことがある。よって、布切断後に縫製する先メスの場合、この浮き上がった布屑が、布切断位置から縫製位置へ移動する際に生地と一緒に移動し生地の下に布屑が入り込んでしまい、生地と布屑が一緒に縫い込まれてしまうという問題があった。
また、この浮き上がった布屑が縫い込まれはしないものの、下メス211の刃部と重なった状態で、そのまま新たな生地を切断してしまう可能性がある。
このように新たな生地の切断とともに布屑も一緒に切断してしまうと、この重なった部分において下メス211の切れ味が低下してしまうという問題があった。 さらに、また上記のように布屑を次々と下メス211の貫通孔から該貫通孔に接続されているメス土台216の穴に押し込んでいくため、生地切断時に発生させる力の一部がこの布屑を押し込むことにも使われることになるため、その余分な力の分だけ、下メス211の切れ味が低下してしまうという問題があった。
【0017】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的は布に切り込んで切断する際、切断するメス受け(ハンマー)とメス(下メス)とを水平に歯合させることを容易に行うことができるとともに布ずれが生じることがない布切り装置を提供することにある。また、切断する布の厚さに関わらず、該布に所定の深さで正確に切り込むことができる布切り装置を提供することにある。さらに、布への切り込み時に発生する布屑を合理的に回収することができるミシンの布切り装置を提供することにある。また、メスとメス受けとで布を切り込んで切断された布屑によってメスの切れの低下が生じないミシンの布切り装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
下メス(31)及びメス受け(32)の間に被縫製物を介在させ、前記下メス(31)に向かってメス受け(32)を移動させることにより前記被縫製物を切り込んで該被縫製物に穴部を形成するミシンの布切り装置であって、
ミシンベッドフレーム(11)上に立脚された脚柱部12aと該脚柱部12aの上部から前記ミシンベッドフレーム(11)の上面に対向して延出されたアーム部12bとを有する頭部フレーム12と、
下端部にメス受け(32)が取り付けられ、前記アーム部(12b)に上下方向に直線移動可能に設けられたメス駆動軸(40)と、
前記頭部フレーム12に中間部を中心に回動可能に支持され、かつ先端部が前記メス駆動軸(40)に係合され、回動することにより前記メス駆動軸(40)を下方に押圧する回動アーム(50)と、
この回動アーム(50)の基端部に連結され該回動アーム(50)を回動させる駆動部材(60)と、
ミシンベッドフレーム及び頭部フレームの外部に設けられると共に、前記下メス及びメス受けとで前記穴部を形成する際に生じる前記被縫製物の切り屑を回収する切り屑回収部と、
前記下メス(31)に設けられ、前記メス受け(32)に対向する部分に開口部(313a)を有する貫通孔(313)と、
前記下メス(31)と前記切り屑回収部(70)とを接続し、前記切り屑を前記切り屑回収部(70)に案内する案内管(80)と、
前記メス受け(32)の、前記下メス(31)の前記開口部(313a)に対向する面に吹き出し口(501)を備え、前記開口部(313a)に向かってエアーを吹き付けることにより前記切り屑を前記案内管(80)を介して前記切り屑収容部(70)に送る吹き出し手段(500)とを備え、
前記吹き出し手段が、エアーの吹き付けと停止を行う電磁弁を有すると共に、
前記下メスと前記メス受けの噛み合いを検知するセンサを備え、
前記センサの検知信号により前記電磁弁が駆動されて、前記下メスと前記メス受けの噛み合い時に、前記メス受けの吹き出し口から前記下メスの開口部に向かってエアーを吹き付けることを特徴とする。
【0031】
ここで、ミシンベッドフレームとは、ミシンベッドと、該ミシンベッドを外側から覆うボトムカバーとを備えているものである。
【0032】
請求項1記載のミシンの布切り装置にあっては、前記メス受けを下メスに向かって上下方向に直線移動させることができ、前記下メスとメス受けとの間に被縫製物を介在させて、この縫製物に穴部を形成する際、該被縫製物に対して直交する方向から下メスが切り込まれることになる。
したがって、前記被縫製物に穴部を形成する前記下メスとメス受けとを水平に歯合させることが容易に行えるとともに、前記被縫製物への進入角度が該被縫製物に対して直交方向となり、切断部に布ずれなどのずれが発生せず、安定した切断形状とすることができる。すなわち、厚みのある被縫製物に穴部を形成する場合でも、従来のようなメス及びメス受けのうちの一方が他方に向かって円弧状に移動する構成のものと異なり、穴部の一端部側から切断された際に被縫製物を引っ張るといった現象が起こることがない。加えて、下メスの前記縫製物への切り込み角度が該被縫製物と直交するようにメス受けを斜めに削る手間を省くことができる。
【0033】
また、前記駆動部材、回動アーム及びメス駆動軸を駆動させることにより前記メス受けを下メスに移動させて前記被縫製物に前記穴部を形成する際に生じる前記被縫製物の切り屑を回収する切り屑回収部がミシンベッドフレーム及び頭部フレームの外部に設けられているので、前記ミシンベッドフレーム及び頭部フレーム内に切り屑が溜まることがなく、従来と異なり発生した切り屑が前記ミシンベッドフレーム及び頭部フレーム内において他の機構に巻き込まれるといった恐れがない。また、前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレーム内に切り屑が溜まることがないので前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレーム内の掃除が楽になる。そして、前記切り屑回収部に溜まった切り屑を容易に合理的に回収することができる。
【0034】
なお、この切り屑回収部は、前記被縫製物が下メス及びメス受けとにより切り込まれて穴部が形成される際に発生する切り屑を回収するものであれば、どのように構成されていてもよく、例えば、袋状のものが挙げられる。
また、この切り屑回収部は前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレームの外部で、これらミシンベッドフレーム及び前記頭部フレームのいずれかに取り付けられた構成としてもよい。この場合に、着脱可能に設けられていることが好ましい。例えば、切り屑回収部を袋状の切り屑回収部と、前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレームに、その外部に着脱可能に設けられていれば、切り屑が回収された切り屑回収部を集めて廃棄する際、その廃棄が行いやすい。
【0042】
さらに、請求項1記載のミシンの布切り装置にあっては、前記下メス及びメス受けとで穴部を形成する際に生じる切り屑が、メス受け側に設けられた前記吹き出し手段の吹き出し口から前記下メスの開口部に向かって吹き付けられるエアーにより押され前記開口部から貫通孔を通過し前記案内管を介して前記切り屑収容部に送られる。
つまり、前記切り屑が前記下メスに設けられた貫通孔に溜まることない。
したがって、切断後に縫製する先メスの場合に、前記下メス及びメス受けの一方を他方に向かって移動させて前記被縫製物を切り込んで穴部を形成する際に切断された布屑の一部である上側の一枚が、下メスの刃部から浮き上がり、この浮き上がった布屑が生地と一緒に縫い込まれてしまうことがない。
さらに、下メスの刃部と重なった状態でそのまま新たな生地を切断してしまうことがなく、また、前に切断された布屑を、次ぎに切断された布屑により押し出すための余分な力が係ることがなく、下メスの切れが低下することを防止することができ、円滑に布切りを行うことができる。
具体的に、前記吹き出し手段は、前記開口部に向かってエアーを吹き付けることにより前記切り屑を前記案内管を介して前記切り屑収容部に送るものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、エアーコンプレッサと前記メス受けの吹き出し口とを接続して、エアーコンプレッサを制御部で制御することにより、任意にエアーを送る構成としたり、また、メス受けを下メスに向かって移動させる部材と同一の駆動部材を用いて、前記メス受けを下メスに向かって移動させる際に所定のタイミングでエアーを送る様に構成してもよい。たとえば、リンク機構を介してエアーシリンダで前記メス受けを下メスに移動させる構成とした場合、エアーシリンダの排気を利用して、該排気が前記吹き出し口から吹き出すような構成などである。
【0044】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記案内管にエアーを吹き込む送出管を備え、
前記送出管からのエアーにより、前記切り屑が前記案内管を介して前記切り屑回収部に送られることを特徴とする。
【0045】
請求項3記載の発明は、請求項1又は3記載のミシンの布切り装置において、
前記下メス(31)及びメス受け(32)は着脱可能で、かつ互いに交換可能に設けられているこものである。
【0046】
請求項3記載のミシンの布切り装置にあっては、請求項1又は2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記下メス及びメス受けが着脱可能で、且つ互いに交換可能に設けられているので、同形状の穴部を形成する下メス及びメス受けを互いに任意で交換することができる。
例えば、被縫製物に鳩目穴などの穴部を設ける際に位置決めを行う場合、下メスをメス受けに向かって移動させることにより前記被縫製物を切り込んで該被縫製物に鳩目穴などの穴部を形成する構成にして、下メスを被縫製物に近づけることにより該被縫製物に形成される穴部の位置を確認することができる。
【0047】
請求項4記載の発明は、例えば、図5に示すように、請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンの布切り装置において、
前記吹き出し手段(500)は、前記メス受け(320)に設けられ、且つ前記下メス(310)に向かって吹き出すエアーの経路(ハンマー内経路部523)を備え、
この経路(523)の末端の吹き出し口(501)近傍の径Rが、該吹き出し口近傍の上流の径Sより狭くなるように形成されているものである。
【0048】
下メス(31)及びメス受け(ハンマー32)の間に被縫製物を介在させ、メス受け32を下メス31に向かって移動させることにより前記被縫製物を切り込んで該被縫製物に穴部を形成する構成であるので、下メスとメス受けが当接することにより被縫製物が切り込まれるものとなっている。つまり、メス受けの吹き出し口の開口縁部は、下メスの開口部の周縁部と当接する構成となっている。
また、径の細い経路を加工する場合、その長さが長くなればなるほど加工性が低下する。また、布屑を円滑に通すために前記エアーの経路の径を大きくする必要もあるが、経路全部を大きくすれば、加工されるメス受けの強度はその分弱くなる。
【0049】
請求項4記載のミシンの布切り装置にあっては、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記メス受けに設けられ前記下メスに向かって吹き出すエアーの経路の末端の吹き出し口近傍の径は、該吹き出し口近傍より上流の径に対して狭くなるように形成されているので、メス受けを下メスに向かって移動させた際に、下メスが吹き出し口に掛かることがなく強度が確保されるとともに、被縫製物を確実に切断できる。また、細い径の前記エアーの経路を有する前記メス受け製作の加工性の向上を図ることができる。
つまり、吹き出し口近傍の径が狭くなっていることから、その分、吹き出し口近傍の強度の向上を図ることができる。
また、前記吹き出し口付近の径が該吹き出し口近傍の上流の径より狭くなるように形成されているので、前記エアーの経路全体を吹き出し口近傍の上流と同一の径で形成した構成よりも強度の向上を図ることができるとともに、吹き出し口から吹き出すエアー圧を強くすることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るミシンの布切り装置の実施の形態例を図1〜図3に基づいて説明する。
先ず、図1は本発明を適用したミシンの布切り装置を示すミシンを一部破断した概略側面図、図2は図1のミシンの布切り装置の分解斜視図、図3は図1のミシンの布切り装置が備える送出管を説明する概略構成図である。
【0051】
本発明に係るミシンの布切り装置3は、後述する布切りメスである下メス(メス)31及びハンマー32(メス受け)の間に被縫製物を介在させ、前記下メス31及びハンマー(メス受け)32のうちの一方32を他方31に向かって移動させることにより被縫製物である布を切り込んで布に穴部を形成するものである。
この実施の形態における布切り装置3は、被縫製物である布に滴状の穴である穴部とこれに連続する直線状の切り込みとからなるボタン穴(以下、鳩目穴という)を形成するとともに、布の鳩目穴の周囲に対し、一連のかがり縫いを自動的に実行して縫い目を形成する鳩目穴かがり縫いミシン1に用いられている。
そして、この実施の形態の布切り装置3を備えた鳩目穴かがり縫いミシン1は、基本的に次の構造を有している。
【0052】
即ち、図1において、鳩目穴かがり縫いミシン1は、略矩形の箱状をなすベッドフレーム(ミシンベッドフレーム)11と、このベッドフレーム11の奥行き方向から、該ベッドフレーム11上部に立脚された脚柱部12aと該脚柱部12aの上部からベッドフレーム11の上面に対向して延出されたアーム部12bとを有する頭部フレーム12等とから構成され、ミシンテーブル16上に載置されている。
ベッドフレーム11は、頭部フレーム12とともに鳩目穴かがり縫いミシン1の機枠を構成しかつベッド上面を有するベッド11aと、該ベッド11aを下方から覆い、ベッドフレーム11の下部を構成し、該ベッドフレーム11を箱状のものとするボトムカバー11bとを備えている。
【0053】
この鳩目穴かがり縫いミシン1のアーム部12bの前方頭部には、下端部に縫い針21を備えた針棒20が、上下動可能でかつ1針毎に左右の針振り運動可能に配設される。この針棒20は、アーム部12bに配設した図示しない針棒上下駆動機構により上下駆動され、図示しない針振り機構により左右の針振り運動が行われるように構成されている。
なお、これらの機構は周知のものと同様であるので説明は省略する。
【0054】
また、ベッドフレーム11のベッド11aには、針棒20の直下に位置して2個のルーパー24,24が設けられている。これらルーパー24,24は、針棒20の上下動及び針振り運動と同期して作動し、これにより縫い針21と協働して後述する送り台25上に載置される被縫製物に縫い目を形成する。つまり、ルーパー24,24が取り付けられたルーパー土台26及び針棒20は、パルスモータ(図示しない)とタイミングベルトを備えた伝動手段とを有する回動機構27に接続されており、針棒20とルーパー土台26とが同期して垂直な回転軸廻りを回転するようになっている。これは、布の鳩目穴の鳩目部(鳩目穴の滴状の穴の半円状の部分、すなわち、滴状の穴の直線状の切り込みの反対側の周縁部)の周囲をかがり縫いする際に縫い目を放射状とするための機構である。
【0055】
また、ルーパー24,24の近傍に、糸供給源から引き出された芯糸を、縫い針21の左右の針振り位置の間に導出させる図示しない芯糸案内機構が配設され、芯糸を縫い目内に縫い込ませることにより縫い目を補強するよう構成される。
さらに、ベッドフレーム11には、ルーパー24,24の奥行き側(後側)に位置する下メス31が配置され、この下メス31に上方から接離するハンマー(メス受け)32を備えた布切り装置3が配設され、この布切り装置3を所要タイミングで作動させることにより、布に穴部と直線部とからなる鳩目穴を切り込み得るようになっている。
【0056】
ベッドフレーム11の上面11cには、布が載置される送り台25が配設され、この送り台25には布と前記切り込みの両側で押さえる布押さえ28が設けられている。送り台25は全体として薄い矩形状の箱体をなし、図示しない2つのパルスモータを備えた送り装置により駆動されて、左右方向及び前後方向に移動可能になっている。この送り台25は、所定の位置に位置決めされている状態で、その上面に載置された布における鳩目穴の形成予定位置の上下に、ハンマー32と下メス31とが臨むよう設定されている。
【0057】
そして、送り台25は、布切り装置3(この構成の詳細については後述する)により布に鳩目穴が形成された後、所定の位置より前方の縫製開始位置に移動し、布に形成された鳩目穴の切り込み形状に沿って移動するよう設定される。これにより、送り台25に載置した布(被縫製物)を縫い針21の直下の必要位置に移動させ、鳩目穴の切り込み縁部に順次かがり縫いを施すことができる。
【0058】
ここで、上述した鳩目穴かがり縫いミシン1の備えた布切り装置3について説明する。
図1〜図3に示すように、布切り装置3は、ベッド11aに設けられた下メス31に向かって移動するハンマー(メス受け)32が下端部41に取り付けられ、アーム部12bに上下方向に直線移動可能に設けられたメス駆動軸40と、先端部51がメス駆動軸40に係合され、回動することによりメス駆動軸40を下方に押圧する回動アーム50と、該回動アーム50を回動させるエアシリンダ(駆動部材)60と、ハンマー32と下メス31とで布に穴部を形成する際に生じる布屑(切り屑)を回収する布屑回収袋(切り屑回収部)70と、下メス31と布屑回収袋70とを接続し、布屑を布屑回収袋70に案内する案内部(案内管)80等とから概略構成されている。
【0059】
ハンマー32は、アーム部12b側からベッドフレーム11のベッド上面11cに配置されている下メス31に向かって鉛直方向に直線移動可能に構成されており、下メス31と噛み合うことで、送り台25上に被縫製物(布)が配置された状態、つまり、ハンマー32と下メス31との間に介在された状態の布に切り込んで穴部を形成する。
【0060】
このハンマー32は、メス駆動軸40の下端部41に取り付けられており、メス駆動軸40は鉛直方向に延在する円柱状のものであり、アーム部12b下面に設けられた筒部18に挿通されて筒部18に沿って鉛直方向に直線移動可能に支持されている。つまり、筒部18の内壁181には、内側に突出する凸部182が取り付けられ、メス駆動軸40の側壁43に延在方向に形成された長穴44に、該長穴44の延在方向に沿って摺動可能に嵌合しており、この凸部182が上下動するメス駆動軸40の廻り止めと抜け止めとなっている。そして、このメス駆動軸40は付勢手段190によって上方に付勢されている。
【0061】
この付勢手段190は、コイルバネ190であり、筒部18の外壁部183から突出されたバネ掛け191と、このバネ掛け191の下方でメス駆動軸40に設けられたバネ掛け192との間に架設された状態となっている。
また、筒部18は上下方向に開口し、下側の開口はベッド上面に臨み、上側の開口は、アーム部12bの内部と連通しており、外壁部183に設けられたフランジ部185でアーム部12bに固定されている。
このフランジ部185には、筒部18の円周に沿った長穴186…が複数形成されており、この長穴186…にネジなどの止着部材187を挿通して、アーム部12bの下面に設けられた開口縁部にねじ込むことで、筒部18をアーム部12bに固定している。
【0062】
筒部18は、アーム部12bに固定するため止着部材187…が長穴186に挿通される際、その長穴186における締め付け位置を変更することにより、筒部18が支持するメス駆動軸40の軸を中心に回転方向に位置を変更してアーム部12bに固定されるようになっている。つまり、筒部18の、アーム部12bへの取付位置を変更すれば、この筒部18に、凸部182によって抜けないように挿通されているメス駆動軸40の位置も、該メス駆動軸40の軸を中心に回転方向に変更される。よって、アーム部12bに対して、メス駆動軸40を、該メス駆動軸40の軸を中心に回転して所定の位置に固定できるように構成されており、これによりメス駆動軸40の下端部41に設けられたハンマー32の位置の微調整が行える。
そして、この筒部18に挿通されたメス駆動軸40の上部42には、回動アーム50の先端部51に係合する上平面46aを備えた係合部材46が設けられている。
【0063】
この係合部材46の上平面46aは、回動する回動アーム50の先端部51に対応して、該先端部51に当接するように構成されており、該上平面46aを有する係合部材46は、メス駆動軸40の上部42でロールピン47により抜けないように構成されている。
詳細には、係合部材46は円柱状に形成されており、メス駆動軸40の上部42に半円状に切り欠いた部分42aに、円弧状の切り欠きに沿って摺動可能に嵌合されている。この上平面46aが回動アーム50の先端部51により押圧されることにより、メス駆動軸40は下方に移動される。
【0064】
一方、回動アーム50の先端部51の下面51aには、上平面46aと当接する当接板51bが取りつけられている。回動アーム50が回動し、回動アーム50の先端部51が下方に回動すると、この当接板51bが上平面46aに当接して、メス駆動軸40が下方に押圧されるように構成されている。
上下に移動する回動アーム50の先端部51の側面51cには、アーム部12bの所定の位置に取り付けられた先端部位置検出センサー120A,120Bに対応するセンサスリット123が取り付けられ、回動アーム50の先端部51の上限位置と下限位置とをそれぞれ検出されるようになっている。
これら先端部位置検出センサー120A,120Bは、それぞれ固定部材121,121を介してアーム部12bに上下位置を変更可能に設けられており、メス駆動軸40の上下動を制御する制御部(図示しない)に接続されている。
この制御部は、メス駆動軸40の下限位置又上限位置の少なくとも一方の位置において、先端部位置検出センサ120A,120Bからの信号に基づいて、メス駆動軸40の停止時間を制御することが可能であるものである。
【0065】
回動アーム50は、頭部フレーム12のアーム部12bに中間部50aに挿通された軸部(ピンなど)52を中心に回動可能に支持され、先端部51が係合部材46を介してメス駆動軸40に係合されているものである。なお、軸部52はアーム部12bの長手方向と直交して水平に設けられている。
この回動アーム50はアーム部12bの長手方向に沿って配置されているものであり、基端部53には、該回動アーム50を駆動させる第1駆動リンク61の一端部61aが連結され、この第1駆動リンク61の他端部61bには、該第1駆動リンク61を駆動させる第2駆動リンク62が連結され、この第2駆動リンク62には該第2駆動リンク62を駆動させる、エアシリンダ60のシリンダロッド65が連結されている。
【0066】
詳細には、第1駆動リンク61は、一端部61aが回動アーム50の基端部53に軸部55介して回動自在に枢着され、他端部61bが第2駆動リンク62の先端部62aと基端部62bとの中間部分で、該第2駆動リンク62に軸部63を介して回動自在に枢着されている。
この第2駆動リンク62は、先端部62aが頭部フレーム12内に設けられた軸部64(ピンなど)で回動自在に軸支され、基端部62bがシリンダロッド65の先端部65aに固定されたナックル66に、軸材67を介して回動自在に枢着されているものである。なお、これら第1及び第2駆動リンク61,62はそれぞれミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12内に配設されている。
【0067】
このシリンダロッド65の進退駆動を行うエアシリンダ60は、頭部フレーム12内に配設されており、上部60aを頭部フレーム12内に設けられたシリンダ支軸68で回動可能に支持されているものである。このエアシリンダ60によりシリンダロッド65が引き上げられば、つまりシリンダロッド65が後退すれば回動アーム50の先端部51が下方に回動して、メス駆動軸40を下方に直線移動させる。このメス駆動軸40の下方への移動(回動)によりハンマー32を下メス31に向かって移動させて布に穴部を形成することができる。
また、シリンダロッド65が前進すれば、回動アーム50の先端部51は上方に移動(回動)し、先端部51とメス駆動軸40の係合部材46の係合状態が解除される。
そして、付勢手段190によりメス駆動軸40が上方に直線移動することにより、ハンマー32が下メス31から離れる方向に移動するようになっている。
【0068】
布屑回収袋(切り屑回収部)70は、下メス31及びハンマー32とで布に穴部を形成する際に生じる布屑を回収するものであり、鳩目穴かがり縫いミシン1が取り付けられているミシンテーブル16の下面に取り付けられている。
この布屑回収袋70は、下メス31を固定しているメス土台34と案内管80を介して接続されており、下メス31及びハンマー32とが噛み合うことで生じる布屑(切り屑)を回収できるものである。
この案内管80は、下メス31が固定されている、ベッド11aのメス土台34に接続され、該メス土台34から下方に延出された布屑シュート81と、該布屑シュート81と布屑回収袋70とを接続し、ミシンベッドフレーム11のボトムカバー11bの底部から鳩目穴かがり縫いミシン1の外部にまで延びて布屑回収袋に接続された排出管85とを備えている。
【0069】
また、図3に示すように、上記エアシリンダ60には、該エアシリンダ60、該エアシリンダ60により駆動するシリンダロッド65とともにエアシリンダ装置6を構成する電磁弁600が接続されている。
この電磁弁600は、図示しないコンプレッサからエアシリンダ60に供給されるエアを切り替えることにより、エアシリンダ60により駆動するシリンダロッド65の前進と後退とを切り替えるものである。
なお、電磁弁600には、該電磁弁600を介してエアシリンダ60に送られるエアを調節するためのレギュレータ601が接続されている。
この電磁弁600には、シリンダロッド65が前進する際に発生する排気が排出される第1ポート610と、シリンダロッド65が後退する際に発生する排気が排出される第2ポート620とが設けられている。
【0070】
つまり、この電磁弁600の切換により、エアシリンダ60のシリンダロッド65を後退させ布の切断を行う際には、図中のエアシリンダ60の下側に接続されている管603からエアシリンダ60の内部にエアーを供給して内部のピストンを上昇させ、該ピストンの上側の室にあったエアーを管604を介して第2のポート620から排気するように構成されている。また、エアシリンダ60のシリンダロッド65を前進させ布から離間させる際には、図中のエアシリンダ60の上側に接続されている管604からエアシリンダ60の内部にエアーを供給して内部のピストンを下降させ、該ピストンの下側の室にあったエアーを管603を介して第1のポート610から排気するように構成されている。
なお、図中、609は管603の途中に接続されシリンダロッド65を後退させるためのエアー量を調節し、該シリンダロッド65の後退スピードを調節するためのスピードコントローラである。
【0071】
そして、これら第1及び第2ポート610,620には、これら第1及び第2ポート610,620からの排気を、下メス31が固定されたメス土台34を通って布屑シュート81に案内する送出管90が接続されている。
この送出管90を介して、第1及び第2ポート610,620から排出されたエアは、下メス31及びハンマー32とで布に穴部を形成する際に生じる布屑を、下メス31や布屑シュート81、排出管85から布屑回収袋70に送り出すことができる。つまり、メス土台34には、送出管90と布屑シュート81とを接続する接続管34aが設けられ、この接続管34aには、下メス31に設けられ切断された布屑が通過する貫通孔313が接続されている。
送出管90からの排気がメス土台34を介して布屑シュート81に送り込まれると、切断された布屑が貫通孔313から接続管34a側に吸引された状態となり、該布屑は布屑シュート81に送り込まれる。
【0072】
上記構成の実施の形態に係るミシンの布切り装置3によれば、下メス31と協動して布に穴部を形成するハンマー32は、下メス31に向かって上下方向に直線移動するので、切り込んで穴部が形成させる布に対して直交する方向から該布に切り込むことができる。したがって、布に穴部を形成する下メス31とハンマー32とを水平に歯合させることが容易に行えるとともに、布への進入角度が該被縫製物に対して直交方向となるので、切断部に布ずれなどのずれが発生せず、安定した切断形状とすることができる。すなわち、厚みのある布に穴部を形成する場合でも、従来のようなメス及びメス受けのうちの一方が他方に向かって円弧状に移動する構成のものと異なり、穴部の一端部側から切断された際に布を引っ張るといった現象が起こることがない。布が該布の直交方向から切り込まれるようにメス受けを斜めに削る手間を省くことができる。
【0073】
また、ハンマー32を下メス31に向かって移動させるためのエアシリンダ60と回動アーム50、加えて第1駆動リンク61、第2駆動リンク62とが頭部フレーム12内に設けられているので、これらエアシリンダ60及び回動アーム50、加えて第1駆動リンク61、第2駆動リンク62の駆動時に発生する騒音の低減を図ることができ、また、油などが外部に飛散することがない。つまり、従来の構成と異なり、脚柱部12aに、布に切り込んで穴部を形成するためにメス及びメス受けのうち少なくとも一方を他方に移動させるためのエアシリンダ60及び回動アーム50とが外部に臨むための開口部を形成する必要がない。よって、スッキリとした外観を得ることができるとともに、エアシリンダ60及び回動アーム50の駆動に使用する油の付着等を気にせずに布に穴部を形成することができる。
また、回動アーム50の駆動によりメス駆動軸40が下方に移動する際、回動アーム50の先端部51がメス駆動軸40の上部42に設けられた係合部材46の上平面46aと密着した状態となり、回動アーム50の回動力をメス駆動軸40に効率よく伝達することができる。
【0074】
さらに、下端部41にハンマー32が設けられているメス駆動軸40が、筒部18を介してメス駆動軸40の軸線を中心とする回転方向に位置調節可能に構成されているので、下メス31とハンマー32との位置関係の微調整を行うことができ、例えば、寸法誤差等が生じて、下メス31とハンマー32の位置が若干ずれていても下メス31とハンマー32とを確実に平行に噛み合うように修正することができる。
【0075】
また、アーム部12bに上下位置変更可能に設けられ、エアシリンダ60の駆動により上下に移動する回動アーム50の先端部51の上限位置と下限位置とをそれぞれ検出する先端部位置検出センサー120A,120Bが、メス駆動軸40の上下動を制御する制御部に接続され、この制御部は、メス駆動軸の下限位置又上限位置の少なくとも一方の位置において、先端部位置検出センサー120A,120Bからの信号に基づいて、メス駆動軸の停止時間を制御することが可能であるので、上限位置(ハンマー32の原点位置)と下限位置(ハンマー32の切断位置)の位置調整ができ、メス駆動軸40の停止時間を制御することができることから、確実に布に穴部を形成することができる。さらに、先端部位置検出センサー120A,120Bの上下位置を変更できることから、ハンマー32を下メス31に向かって移動させる距離を制御することができ、布に形成される穴部の深さを調節することができる。
【0076】
また、エアシリンダ60、回動アーム50及びメス駆動軸40を駆動させることによりハンマー32を下メス31に向かって移動させて布に穴部を形成する際に生じる布の布屑を回収する布屑回収袋70が、ミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12の外部に設けられているので、ミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12内に布屑が溜まることがなく、従来と異なり発生した布屑がミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12内において他の機構に巻き込まれるといった恐れがない。また、ミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12内に布屑が溜まることがないのでミシンベッドフレーム11及び頭部フレーム12内の掃除が楽になる。そして、布屑回収袋70に溜まった布屑を容易に合理的に回収することができる。
【0077】
また、シリンダロッド65が前進する際に発生する排気が排出される第1ポート610と、シリンダロッド65が後退する際に発生する排気が排出される第2ポート620とからの排気を、メス31が取付られたメス土台34に案内して、穴部形成の際に生じる布屑を布屑回収袋70に送り出す送出管90を備えているので、布屑は、シリンダロッド65の進退によりハンマー32が下メス31に向かって移動するときと、下メス31から離れるように移動するときのそれぞれにおいて、シリンダ装置6から排気が送出管90を介してメス土台34に案内される。そして、これら送出管90を介して案内された2回の排気により、布屑は、布屑シュート81、排出管85を通って布屑回収袋70に送出されることになる。
【0078】
したがって、送出管90を介して、1回の穴部形成時に2度の排気が、メス土台34、布屑シュート81及び排出管85を通って布屑回収袋70に向かって送られることになり、これら布屑シュート81、排出管85内に布屑が詰まりにくくなる。つまり、穴部形成により発生する布屑が、一度目の排気により布屑回収袋70に送出されなくても、2度目の排気によって布屑シュート81、排出管85から布屑回収袋70に送出されることになり、布屑を布屑回収袋70において確実に回収することができる。
【0079】
なお、以上の実施の形態例においては、メス駆動軸40に取り付けられているものがハンマー(メス受け)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、メス駆動軸40にメスを取り付け、ベッドにハンマーを取り付けた構成としてもよい。
【0080】
本実施の形態のミシンの布切り装置では、下メス31は取付部311でメス土台34に着脱可能に取り付けられ、ハンマー32は取付部321で、メス駆動軸40の下端部41に着脱可能に取り付けられている。これら下メス31とハンマー32のそれぞれの取付部311,321は同形状のものであり、互いに交換可能となっている。
再び図2を用いて説明すると、下メス31の取付部311は、メス土台34に設けられた上方に開口する凹状の載置部341に載置され、下メス31の一方の側面311a側に配置される第1固定板343とこの第1固定板343を下メス31側面311aに押圧する固定ネジ344によりメス土台34に固定されている。この固定ネジ344をしめることで、下メス31の他方の側面をメス土台34から上方に突出した載置部341の側壁341aの内面に当接させて、下メス31の取付部311を第1固定板343と側壁341aとで両側から挟んで固定している。
【0081】
第1固定板343の上端部には、下メス31の一方の側面に係合する係合片343aが形成されており、これにより下メス31は固定時に上方向に移動しないようになっている。この構成により下メス31の幅方向の移動は抑止されている。 また、載置部341の側壁341aの外面側には、下メス31の前後方向の移動を抑止するストッパー板346がストッパーネジ347により取り付け可能となっている。
ストッパー板346,346には、下メス31の前後端面31a,31bのそれぞれに当接するストッパー部346a,346aと、ストッパーネジ347,347が挿入される長穴346b,346bとが設けられている。つまり、ストッパー板346の取り付け位置は、長穴346bに挿入されたストッパーネジ347の締める位置により調節可能となっており、この調節により、ストッパー部346aの位置を変更して、下メス31の前後端面にそれぞれ当接させることにより下メス31の前後方向の位置決めを行い任意の位置で固定させることができる。
【0082】
一方、ハンマー32も前記下メス31とほぼ同様の構成で、メス駆動軸40の下端部41に取り付けられている。
つまり、メス駆動軸40の下端部41には、ハンマー32の321が固定される固定部411が設けられている。
固定部411は、取付部321の底面321aが当接する底部と、底部から鉛直下方に突出し、ハンマー32の取付部321の一方の側面321bが当接する側壁411aとを有している。また、ハンマー32の取付部321の他方の側面321b側には第2固定板413と、この第2固定板413に挿通され、該固定板413を下端部41に取り付ける固定ネジ414とが配置されている。この固定ネジ414を締め込むことにより、第2固定板413はハンマー32の側面側に移動し、側壁411aとでハンマー32の取付部321を挟持し、該ハンマー32を下端部41に対し幅方向に移動しないように固定している。
【0083】
また、第2固定板413の下端部には、ハンマー32の一方の側面に係合する係合片413aが形成されており、これによりハンマー32は固定時に下方向に移動しないようになっている。
また、側壁の外面側には、上述したストッパー板346が前後方向にストッパーネジ347を介してそれぞれ取り付けられており、このストッパー板346によりハンマー32の前後方向の移動が抑制されている。
このように構成された布切り装置を備えたミシンにおいて、メス駆動軸40にメス31を、メス土台34側にハンマー32を取り付けたい場合に、それぞれを交換することで容易に対応することができる。
これは、例えば、鳩目穴を基準にして切断位置の確認を行いたい場合などに有効である。すなわち、メス駆動軸40側にメス31が設けられていれば、手動により、メス駆動軸40を下方に降ろし、メス31を被縫製物の鳩目穴の形成箇所に当てて、その切断位置を視認することができる。
【0084】
なお、上述したようなミシンの布切り装置の他の実施の形態として、図4に示すような、ハンマー32と下メス31とで被縫製物に鳩目穴(穴部)を形成する際に切断された布屑を回収するためのエアーの配管経路を備えたものとしてもよい。
【0085】
図4は、本発明を適用したミシンの布切り装置の他の実施の形態の布屑を回収するために、メス及びハンマーに接続されたエアーの経路を説明するエアー経路の概略構成図である。
【0086】
この図に示すエアー経路を備えた布切り装置を有するミシンは、メス及びハンマーに接続された、布屑を回収する経路(メス駆動軸40の下端部41、メス土台34を含む)のみ異なり、その他の構成は、上述したものとほぼ同様の構成である。したがって、上述した実施の形態と同様の構成には同名称、同符号を用いて説明は省略する。
【0087】
図4に示すミシンの布切り装置は、上述したものと同様に、メス31とハンマー32の間に被縫製物を介在させ、ハンマー32を下メス31に向かって移動させることにより前記被縫製物を切り込んで該被縫製物に穴部を形成するミシンの布切り装置である。
そして、この布切り装置には、メス31及びハンマー32とで鳩目穴を形成する際に生じる布生地(被縫製物)の布屑(切り屑)を回収する切り屑回収袋(切り屑収容部)70と、下メス31に設けられ、ハンマー32に対向する部分に開口部313aを有する貫通孔313と、下メス31と切り屑回収袋70とを接続し、布屑を切り屑回収袋70に案内する案内管80(布屑シュート81、排出管85で構成)と、ハンマー32の、下メス31の開口部313aに対向する面に吹き出し口501を備え、開口部313aに向かってエアーを吹き付けることにより布屑を案内管80を介して布屑収容袋70に送る吹き出し手段500とが設けられている。
【0088】
すなわち、先の実施の形態のミシンの布切り装置のエアー経路の構成と異なりハンマー32から下メス31側に向かってエアーを吹き出すことで、布の切断時に形成される布屑を布屑シュート81に押し出し、該布屑シュート及び排出管85を介して布屑収容袋70に送り出すように構成されているものである。
【0089】
吹き出し手段500は、メス駆動軸40の下端部41に取り付けられたハンマー32の吹き出し口501と、エアーコンプレッサ502と、該エアーコンプレッサ502に接続されて、エアーコンプレッサ502からのエア量を調節するレギュレータ503と、レギュレータ503に接続され、エアーコンプレッサ502から供給されたエアーを後述する吹き出し口501から吹き出させる電磁弁510とを有し、吹き出し口501と電磁弁510とを接続し、該吹き出し口501から下メス31に向かって吹き出すエアーの供給経路520を備えている。
なお、電磁弁510は図示しない制御部により制御されていても良い。この制御部は上述した実施の形態の制御部と同一のものであってもよいし、また、上述したものとは別の制御部であってもよい。
【0090】
供給経路520は、電磁弁510とハンマー32が取り付けられているメス駆動軸40の下端部41とを接続する供給管521と、メス駆動軸40の下端部41内に設けられた下端部内経路部522と、該下端部41に取り付けられたハンマー32の吹き出し口501を有するハンマー内経路部523とを備えている。
これら供給管521と下端部内経路部522とハンマー内経路部523とは互いに連通するように接続されている。
【0091】
この電磁弁510は、エアーコンプレッサ502から供給されたエアーを止めたり、また供給管521に流したりすることにより、吹き出し口501から所定のタイミングでエアーが吹き出されるように構成されている。
このタイミングは、ハンマー32が下メス31に向かって移動して、ハンマー32と下メス31とが合致した際、つまり、被縫製物を切り込んで切断し、布屑が形成された時点でエアーが吹き出されていればよいものであり、ハンマー32が下メス31に向かって移動し始めて(降り始めて)噛み合ったときに吹き出すようにしたり、また降りて(切断して)上がるときから吹き出すようにしてもよい。
このようにハンマー32と下メス31とが噛み合ったとき(合致したとき)、つまり布を切断した瞬間を含むタイミングでエアーが吹き出すようにすれば、効率よく布屑を布屑収容袋に送り出すことができる。
なお、ハンマー32と下メス31とが噛み合ったとき、つまり切断した瞬間にエアーが吹き出されていればよく、切断する前から吹き出し口からエアーが吹き出されていてもよく、切断した後も吹き出されていてもよい。
【0092】
このような構成のミシンの布切り装置では、ハンマー32が下メス31に向かって移動して、ハンマー32及び下メス31の間に介在させた生地を下メス31の鳩目形状にならって切断する。このときに、ハンマー32とメス31の噛み合い(合致)を検知するセンサ(上述した先の実施の形態のミシンの布切り装置の先端部位置検出センサー120B)がONし、その信号を受けて電磁弁510からエアーを供給管521に流出する。供給管521内のエアーはメス駆動軸40の下端部41内の下端部内経路部522、ハンマー内経路部523を介して吹き出し口501から、下メス31の開口部313aに向かって吹き出す。
吹き出し口501から吹き出したエアーにより、ハンマー32と下メス31との間にある切断された布屑は、開口部313aに押され、該開口部313aから貫通孔313を通り、布屑シュート81、排出管85を介して布屑収容袋70に送り出される。よって、鳩目穴形成時に切断される布屑は布屑収容袋70に回収され、下メス31の刃部は勿論、貫通孔にも溜まることがない。
【0093】
また、上述した他の実施の形態では、電磁弁510からのエアーによってのみ行われているが、メス土台34に接続された送出管90と先の実施の形態で述べた電磁弁600とを接続して、該送出管90によりメス駆動軸40を駆動させるシリンダ装置の排気を導き、電磁弁510からのエアーと電磁弁600からの排気との協同により布屑を布屑収容袋に送り込むようにしてもよい。
このように、電磁弁510からのエアーと電磁弁600からの排気とで、布屑を回収できるようにすれば、一層、効率良く布屑を布屑収容袋に送り込むことができ、布屑を確実に回収することができる。
また、電磁弁510を用いずに、送出管90をメス駆動軸40の下端部41に接続して、電磁弁600からの排気のみで、布屑をハンマー32側から下メス31側に押して送るようにしてもよい。
さらに、またはハンマーをメスと噛み合わせた際に動作するシリンダ(シリンダ60とは別)の排気を用いてもよい。
【0094】
なお、上記の別例のミシンの布切り装置では、メス駆動軸40にハンマー32が取り付けられ、下メス31及びハンマー32の間に布を介在させ、ハンマー32を下メス31に向かって移動させることにより布を切り込んで該布に穴部を形成する構成とし、ハンマー32の吹き出し口501から下メス31の開口部に向かってエアーを吹き付けることにより切断された布屑を案内管80を介して布屑収容袋70に送る構成としているが、これに限らず、メス駆動軸40に下メス(以下、布切りメスという)を取り付け、メス土台34にハンマー32を取り付けて、ハンマー32側から布切りメス側にエアーを吹き出すように構成されていてもよい。
例えば、先に説明した実施の形態のように下メス31及びハンマー32は着脱可能で、かつ互いに交換可能に設けられている構成などの場合が挙げられる。
【0095】
次ぎに、上述したような布切りメス及びハンマーを着脱可能で且つ互いに交換可能に設けられ、ハンマー32側から布切りメス側にエアーを吹き出すことを可能としたさらに別のミシンの布切り装置の構成を以下に図5を用いて説明する。
図5は、本発明を適用したミシンの布切り装置のさらに別の実施の形態の概略構成を説明するものであり、このミシンの布切り装置のエアーの経路の概略構成を説明するためにミシンの布切り装置の要部(布切りメス、メス土台、ハンマー、メス駆動軸)を断面で示した布切り装置の概略側断面図である。
【0096】
この図において、上述したミシンの布切り装置と同様の構成については同符号を付して説明は省略する。なお、図中、11aはミシンのベッド、11cはベッド上面、12bはアーム部、18はメス駆動軸400が内挿された筒部、20は針棒、21は縫い針、24はルーパー、25は送り台(想像線で示す)、26はルーパー土台、27はルーパー24,24が取り付けられたルーパー土台26及び針棒20に接続され、これらを駆動させる回動機構、81は布屑シュート、190はメス駆動軸40を上方に直線移動させてハンマー320を布切りメス310から離れる方向に移動させるコイルバネ、195はコイルバネ190が掛けられたバネ掛けであり、これら上述したミシン1の構成要素と同一名称のものは、その作用効果も同様であり説明は省略する。なお、布屑シュート81は、図示しないが、一端部に他の実施の形態と同様に排出管と布屑収容袋が接続されており、該布屑シュートに送られた布屑は布屑収容袋で収容されるようになっている。また、この布屑収容袋はミシン本体部の外部に設けられているものである。
【0097】
この図に示すミシンの布切り装置は、上述したミシン1の備える布切り装置と同様に、布切りメス310とハンマー320の間に布などの被縫製物を介在させ、ハンマー320を布切りメス310に向かって移動させることにより被縫製物を切り込んで該被縫製物に穴部を形成するように構成されている。また、図示しないが、上述した吹き出し手段500を備えている。なお、布切りメス310はハンマー320の下側に配置されるものであり図では下メスとなっている。
【0098】
そして、この布切り装置においては、上述した先の実施の形態のミシンの布切り装置の構成と同様に構成され、アーム部12bに設けられた筒部18内を上下に駆動するメス駆動軸400を備えており、このメス駆動軸400の下端部410にハンマー320が取り付けられ、ベッド11aの上面11cに設けられたメス土台340に、ハンマー320とで被縫製物を切断する布切りメス310が取り付けられている。
【0099】
布切りメス310は、上述した下メス31と同様に構成されており、その構成をより詳細に説明すると、ハンマー320に対向する部分に開口部313aを有する貫通孔313が形成されている。
この貫通孔313は布切りメス310が取り付けられているメス土台340の土台内経路部340aに接続されており、この土台内経路部340aは、図示しない排出管とともに案内管を構成する布屑シュート81に接続されている。
また、メス土台340には、土台内経路部340aに接続された下側継手部527が設けられている。
【0100】
この下側継手部527は布切りメス310の貫通孔313に接続される部分と、布屑シュート81に接続される部分の間に設けられている。
また、土台内経路部340aには、布屑シュート81の接続部分と下側継手部が接続されている部分の間に、ねじ込むことにより布屑シュート81へのエアーの流れを遮断する止め栓560が取り付けられた遮断口561が設けられている。遮断口561はタップを切ることで形成され、止め栓560が螺合された状態となっている。
後述するが、この止め栓560を遮断口561にねじ込んでメス土台340に接続された布屑シュートへのエアーの流れを遮断することにより、下側継手部527に、上述した送出管90や、電磁弁510に接続された供給管521などを接続してエアーをメス土台340に供給した際に、メス土台340では土台内経路部340aの上方の開口からエアーが吹き出すようになっている。
【0101】
一方、ハンマー320は、ハンマー32と同様に布切りメス310の開口部313aに対向する面に吹き出し口501が形成され、布切りメス310の開口部313aに向かってエアーを吹き付けることにより布屑を案内管80を介して布屑収容袋70に送ることができるように構成されている。この吹き出し口501は、ハンマー320とメス310とが噛み合ったときに、布切りメス310の開口部313aのほぼ中央の位置に配置されるように構成されている。
そして、このハンマー320には、末端が上述した吹き出し口501であり、下端部410の下端部内経路部522A(後述する)の連通孔531に接続されるハンマー内経路部(エアーの経路)523が設けられている。
このハンマー内経路部523では、該ハンマー内経路部523の末端の吹き出し口501近傍の径Rが、吹き出し口501近傍の上流の径Sより狭くなるように形成されている。
【0102】
そして、このハンマー320が取り付けられているメス駆動軸400の下端部410には、上述したような吹き出し手段500の供給管521が接続される上側継手部528が設けられ、この継手部528は、下端部410内に設けられた下端部内経路部522Aと連通している。
この下端部内経路部522Aには、固定されたハンマー320のハンマー内経路部523に連通される連通孔531と、下端部内経路部522Aから外部にエアーを排出できる排出口532が設けられている。
この図においては、排出口532はバネ掛け195をメス駆動軸400の下端部410に固定しているバネ掛け固定部197によって塞がれている。
このバネ掛け固定部197は、図示しないビスなどにより下端部410に止着されており着脱可能となっている。
【0103】
このように構成されたミシンの布切り装置においては、布切りメス310とハンマー320とが噛み合うと、つまり、布切りメス310とハンマー320とで生地を切り込むと、生地はメスの鳩目形状にならって切り取られ、布屑が生じる。このときに、布切りメス310とハンマー320との噛み合い時を検知するセンサー(図示省略)がONし、その信号を受けて上述したようにエアーが供給管が接続されている上側継手部528を介して、メス駆動軸400の下端部410内の下端部内経路部522A、ハンマー内経路部523を介して吹き出し口501から、布切りメス310の開口部313aに向かって吹き出す。
【0104】
このように吹き出したエアーにより、ハンマー320と布切りメス310との間にある切断された布屑は、開口部313aから貫通孔313に押されて、布屑シュート81に送り出され、布屑収容袋に送り込まれる。
よって、鳩目穴形成時に切断される布屑は布屑収容袋に回収され、メス310の刃部は勿論、貫通孔313にも溜まることがない。
また、このミシンの布切り装置においては、布切りメス310とハンマー320とを取り外し、互いに交換することができる。
つまり、メス駆動軸400の下端部410に布切りメス310を取り付け、ベッド上面11c側のメス土台340にハンマー320を取り付けた構成である。
このように構成した場合は、電磁弁510等からエアーを供給する供給管521(図4参照)を上側継手部528から下側継手部527に付け替えて、メス土台340の遮断口561に止め栓560をねじ込んで布屑シュート81へのエアーの経路を遮断する。これにより、供給されたエアーは下から上に向かって吹き出される。
【0105】
そして、メス駆動軸400の下端部410に設けられた上側継手部528を止め栓(図示略)に付け替えて該継手部部分からエアーが外部に漏れないようにする。また、バネ掛け195を備えたバネ掛け固定部197を布屑シュート81a(破線で示す)が取り付けられた布屑シュート付き固定部に切り替えて、該布屑シュート付き固定部のバネ掛けにコイルバネ190の一端部を掛ける。
下端部410に取り付けられた布屑シュート付き固定部は、下端部内経路部522Aに設けられた排出口532と布屑シュート81aとを接続するものである。なお、この布屑シュート81aは布屑収容袋に接続されている。
【0106】
このような構成において電磁弁510からエアーが排気されると下側継手部527に接続された供給管を介してメス土台340に流れ、土台内経路部340aを通り、メス土台340に取り付けられたハンマー320の吹き出し口501から、布切りメス310の開口部313aに向かってエアーが吹き出される。
このとき切断された布屑はエアーにより開口部313aから貫通孔313に押圧され、下端部内経路部522Aを通り、布屑シュート81aを介して布屑収容袋に送り出される。
【0107】
よって、鳩目穴形成時に切断される布屑は布屑収容袋に回収され、布切りメス310の刃部は勿論、貫通孔にも溜まることがない。
つまり、このような構成によれば、布切断時にエアーが吹き出し口501から開口部313aに向かって吹き出すことより、切断された布屑を確実に布屑シュートに押し込んで布屑収容袋に送り込むことができる。
したがって、布屑が布切りメス310の刃部から浮き上がり、生地とともに縫い込まれることがなくなり、また、布屑と生地とが一緒に切断されることにより布切りメス310の切れ味の低下を防ぐことができる。
さらに、生地に穴部を形成する際に切断される布屑をハンマーにより次々と布屑シュート側に押し出すことがなく、布切りメス及びハンマーによる切断力は低下することがない。
【0108】
また、本実施の形態の布切り装置を備えたミシンは、鳩目穴かがり縫いミシンとしたがこれに限らず、布等の被縫製物に切り込んで、該被縫製物に穴部を形成するものであれば、どのようなミシンにも適用できるものである。その他、具体的な
細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0109】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係るミシンの布切り装置によれば、メス受けを下メスに向かって上下方向に直線移動させることができ、前記下メスとメス受けとの間に被縫製物を介在させて、この縫製物に穴部を形成する際、該被縫製物に対して直交する方向から下メスを切り込ませることができる。よって、前記被縫製物に穴部を形成する前記下メスとメス受けとを水平に歯合させることが容易に行えるとともに、前記被縫製物への進入角度が該被縫製物に対して直交方向となり、切断部に布ずれなどのずれが発生せず、安定した切断形状とすることができる。
【0113】
さらに、請求項1記載の発明に係るミシンの布切り装置によれば、前記駆動部材、回動アーム及びメス駆動軸を駆動させることによりメス受けを下メスに移動させて前記被縫製物に前記穴部を形成する際に生じる前記被縫製物の切り屑を回収する切り屑回収部がミシンベッドフレーム及び頭部フレームの外部に設けられているので、前記ミシンベッドフレーム及び頭部フレーム内に切り屑が溜まることがなく、従来と異なり発生した切り屑が前記ミシンベッドフレーム及び頭部フレーム内において他の機構に巻き込まれるといった恐れがない。また、前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレーム内に切り屑が溜まることがないので前記ミシンベッドフレーム及び前記頭部フレーム内の掃除が楽になる。そして、前記切り屑回収部に溜まった切り屑を容易に合理的に回収することができる。
【0116】
さらに、請求項1記載の発明に係るミシンの布切り装置によれば、前記下メス及びメス受けとで穴部を形成する際に生じる切り屑が、メス受け側に設けられた前記吹き出し手段の吹き出し口から前記下メスの開口部に向かって吹き付けられるエアーにより押され前記開口部から貫通孔を通過し前記案内管を介して前記切り屑収容部に送られ、前記切り屑が前記下メスに設けられた貫通孔に溜まることない。
したがって、切断後に縫製する先メスの場合に、メス受けを下メスに向かって移動させて前記被縫製物を切り込んで穴部を形成する際に切断された布屑の一部である上側の一枚が、下メスの刃部から浮き上がり、この浮き上がった布屑が生地と一緒に縫い込まれてしまうことがない。
さらに、下メスの刃部と重なった状態でそのまま新たな生地を切断してしまうことがなく、また、前に切断された布屑を、次ぎに切断された布屑により押し出すための余分な力が係ることがなく、下メスの切れが低下することを防止することができ、円滑に布切りを行うことができる。
【0117】
請求項3記載の発明に係るミシンの布切り装置によれば、請求項1又は3記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記下メス及びメス受けが着脱可能で、且つ互いに交換可能に設けられているので、同形状の穴部を形成する下メス及びメス受けを互いに任意で交換することができる。
【0118】
請求項4記載の発明に係るミシンの布切り装置によれば、請求項1から3のいずれか一項記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記メス受けに設けられ前記下メスに向かって吹き出すエアーの経路の末端の吹き出し口近傍の径は、該吹き出し口近傍より上流の径に対して狭くなるように形成されているので、メス受けを下メスに向かって移動させた際に、下メスが吹き出し口に掛かることがなく強度が確保されるとともに被縫製物を確実に切断することができる。また、細い径の前記エアーの経路を有する前記メス受け製作の加工性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したミシンの布切り装置を示すミシンを一部破断した概略側面図である。
【図2】図1のミシンの布切り装置の分解斜視図である。
【図3】図1のミシンの布切り装置が備える送出管を説明する概略構成図である。
【図4】本発明を適用したミシンの布切り装置の他の実施の形態の布屑を回収するために、メス及びハンマーに接続されたエアーの経路を説明するエアー経路の概略構成図である。
【図5】本発明を適用したミシンの布切り装置のさらに別の実施の形態の概略構成を説明するミシンの布切り装置の要部概略側断面図である。
【図6】従来の鳩目穴かがり縫いミシンの斜視図である。
【図7】図6の鳩目穴かがり縫いミシンが備える従来の布切り装置の概略斜視図である。
【図8】図7の布切り装置により排出される布屑を回収する構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 鳩目穴かがり縫いミシン(ミシン)
3 布切り装置
6 エアシリンダ装置
11 ベッドフレーム(ミシンベッドフレーム)
11a ベッド
11b ボトムカバー
12 頭部フレーム
12a 脚柱部
12b アーム部
18 筒部
31 下メス(メス)
32 ハンマー(メス受け)
40 メス駆動軸
41 下端部
42 メス駆動軸の上部
43 メス駆動軸の側壁
44 長穴
46 係合部材
46a係合部材の上平面
47 ロールピン
50 回動アーム
51 先端部
60 エアシリンダ
70 布屑回収袋(切り屑回収部)
80 案内管
90 送出管
120A,120B 先端部位置検出センサー
186 長穴
187 止着部材
310 布切りメス(メス)
313 貫通孔
313a開口部
320 ハンマー(メス受け)
500 吹き出し手段
501 吹き出し口
523 ハンマー内経路部(エアーの経路)
510 電磁弁
600 電磁弁
610 第1のポート
620 第2のポート

Claims (4)

  1. 下メス及びメス受けの間に被縫製物を介在させ、前記下メスに向かって前記メス受けを移動させることにより前記被縫製物を切り込んで該被縫製物に穴部を形成するミシンの布切り装置であって、
    ミシンベッドフレーム上に立脚された脚柱部と、該脚柱部の上部から前記ミシンベッドフレームの上面に対向して延出されたアーム部とを有する頭部フレームと、
    下端部に前記メス受けが取り付けられ、前記アーム部に上下方向に直線移動可能に設けられたメス駆動軸と、
    前記頭部フレームに中間部を中心に回動可能に支持され、かつ先端部が前記メス駆動軸に係合され、回動することにより前記メス駆動軸を下方に押圧する回動アームと、
    この回動アームの基端部に連結され該回動アームを回動させる駆動部材と、
    ミシンベッドフレーム及び頭部フレームの外部に設けられると共に、前記下メス及びメス受けとで前記穴部を形成する際に生じる前記被縫製物の切り屑を回収する切り屑回収部と、
    前記下メスに設けられ、前記メス受けに対向する部分に開口部を有する貫通孔と、
    前記下メスと前記切り屑回収部とを接続し、前記切り屑を前記切り屑回収部に案内する案内管と、
    前記メス受けの、前記下メスの前記開口部に対向する面に吹き出し口を備え、前記開口部に向かってエアーを吹き付けることにより前記切り屑を前記案内管を介して前記切り屑回収部に送る吹き出し手段とを備え、
    前記吹き出し手段が、エアーの吹き付けを制御する電磁弁を有すると共に、
    前記下メスと前記メス受けの噛み合いを検知するセンサを備え、
    前記センサの検知信号により前記電磁弁が駆動されて、前記下メスと前記メス受けの噛み合い時に、前記メス受けの吹き出し口から前記下メスの開口部に向かってエアーを吹き付けることを特徴とするミシンの布切り装置。
  2. 前記案内管にエアーを吹き込む送出管を備え、
    前記送出管からのエアーにより、前記切り屑が前記案内管を介して前記切り屑回収部に送られることを特徴とする請求項1記載のミシンの布切り装置。
  3. 請求項1又は2記載のミシンの布切り装置において、
    前記下メス及びメス受けは着脱可能で、かつ互いに交換可能に設けられていること
    を特徴とするミシンの布切り装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンの布切り装置において、
    前記吹き出し手段は、前記メス受けに設けられ、且つ前記下メスに向かって吹き出すエアーの経路を備え、
    この経路の末端の吹き出し口近傍の径が、該吹き出し口近傍の上流の径より狭くなるように形成されていること
    を特徴とするミシンの布切り装置。
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