JP2004171890A - リチウムポリマー二次電池、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の電極と、電極間に形成されたリチウムイオン伝導性ゲル層とからなるリチウムポリマー二次電池の製造方法であって、少なくとも一方の電極に、リチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、一方の電極を加圧して平坦化する工程と、プレカーサー溶液を硬化させてリチウムイオン伝導性ゲル層を一方の電極の表面に形成する工程とを含む方法により、電極への電流集中を防ぐことで上記課題を解決する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムポリマー二次電池、その製造方法及びその製造装置に関する。更に詳しくは、本発明は、リチウムイオン伝導性ポリマーを用いたリチウムポリマー二次電池、その製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、理論エネルギー密度が他の電池と比較して非常に高く、小型軽量化が可能であるため、ポータブル電子機器等の電源として盛んに研究開発されてきた。しかしながら、ポータブル電子機器の高性能化に伴い更なる軽量化、薄型化が求められてきている。また、携帯電話等の機器では非常に多くの繰り返し充電・放電サイクルに対する信頼性、安全性が求められてきている。
これまでリチウム二次電池では、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた電解液を正極と負極の間の電解質に用いているので、液漏れ等に対する信頼性を維持するために鉄やアルミニウムの缶を外装材として使用している。そのためリチウム二次電池の重量や厚みは、その外装材である金属缶の重量・厚みに制限されている。
【0003】
そこで現在、電解質に液体を用いないリチウムポリマー二次電池の開発が盛んに行われている。リチウムポリマー二次電池は、電解質にリチウムイオン伝導性ポリマーあるいはリチウムイオン伝導性ゲルを用いた電池である。電解質が固体であるため電池の封止が容易となり、外装材にアルミラミネートフィルム等の非常に軽くて薄い素材を使用することが可能となり、更なる電池の軽量化、薄型化が可能となってきている。また内部短絡をしない範囲で薄くできることが可能となっている。
このようなリチウムポリマー二次電池は、次にようにして得られる。まず、正極、負極及び多孔質のセパレータにプレカーサー溶液を含浸させる。次いで、加熱、紫外線等の照射により硬化して、電極表面にリチウムイオン伝導性ゲルを形成し、またセパレータにリチウムイオン伝導性ゲルを保持させる。この後、正極と負極の間にセパレータを介在させ、全体を外装体により封止することにより得られる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−283915号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
正極、負極及びセパレータ表面に平坦なリチウムイオン伝導性ゲル層を作製することは困難である。リチウムイオン伝導ゲル層が平坦でない場合、電流集中が起こりやすくなり、電池特性、特にサイクル特性が劣化するという課題を有している。また、平坦性を確保するために電解質層であるリチウムイオン伝導ゲル層を厚くすると、負荷特性の劣化、エネルギー密度が低下するという課題を有している。
例えば、特開2001−283915号公報(特許文献1)には、正極、負極、セパレータ及びリチウムイオン伝導性ゲル層を有し、隆起部を有する電池素子全面を均一に加圧し、小型化、高容量化する方法が開示されている。しかし、この方法でも、不十分な部分が生じることが予想され、電流集中や内部微短絡等が起こる課題を有している。また、これまで電極一枚ずつを加圧して平坦化を行う工程については、あきらかにされていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、鋭意検討の結果、電極表面のリチウムイオン伝導性ゲル層を均一に形成しうる以下の方法を見い出し本発明にいたった。
かくして本発明によれば、一対の電極と、電極間に形成されたリチウムイオン伝導性ゲル層とからなるリチウムポリマー二次電池の製造方法であって、少なくとも一方の電極に、リチウム塩、非水溶媒、重合性モノマー及び重合開始剤を含むリチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、一方の電極を加圧して平坦化する工程と、プレカーサー溶液を硬化させてリチウムイオン伝導性ゲル層を一方の電極の表面に形成する工程とを含むことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方法が提供される。
【0007】
更に本発明によれば、上記方法で製造したリチウムポリマー二次電池であって、一対の電極の少なくとも一方の電極の表面にリチウムイオン伝導性ゲル層が存在しているリチウムポリマー二次電池が提供される。
また本発明によれば、一方の電極及びセパレータと、他方の電極とに含まれる余分なプレカーサー溶液を電極表面から絞り出す手段とプレカーサー溶液を電極表面から絞り出した状態で封口する手段とを兼備したリチウムポリマー二次電池の製造装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法が適用されるリチウムポリマー二次電池は、一対の電極と、電極間に形成されたリチウムイオン伝導性ゲルとからなる。ここで一対の電極とは正極及び負極を意味する。
本発明のリチウムポリマー二次電池の製造方法は、少なくとも一方の電極に、リチウム塩、非水溶媒、重合性モノマー及び重合開始剤を含むリチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、一方の電極を加圧して平坦化する工程を含んでいる。
加圧による平坦化工程は、少なくとも一方の電極に対して行われる。平坦化工程が行われた電極表面では、均一な厚さのリチウムイオン伝導性ゲル層(以下、単にゲル層ともいう)が形成されるので、電流集中が起こりにくくなり、電池特性、特にサイクル特性の劣化を防ぐことができる。また、平坦性を確保するためにゲル層を必要以上に厚くする必要がないので、負荷特性及びエネルギー密度を向上できる。
【0009】
この平坦化工程は、両方の電極に対して行うことが好ましい。更に、セパレータを使用した場合は、一方の電極とセパレータを積層した後、平坦化工程に付すことができ、加圧によりセパレータの表面も平坦化できる。
平坦化工程は、次のように行うことができる。まず、加圧が可能な容器中で、電極又は電極とセパレータの積層体にプレカーサー溶液を含浸させる。ここで使用する容器は、含浸及び加圧を妨げない限りは特に限定されない。例えば、1箇所の開口部を少なくとも有する袋、含浸用のプレカーサー溶液を保持しうる箱とその蓋等が挙げられる。このうち取り扱いが容易な袋が好ましい。袋の素材は、プレカーサー溶液を保持でき、加圧に耐えさえすれば特に限定されない。
【0010】
また、含浸には、プレカーサー溶液の電極内部への染込みを十分に行うため、0〜24時間常圧で放置する方法、減圧含浸、加熱による含浸を行う方法等を採用することが好ましい。
更に、プレカーサー溶液を含浸させた後の容器には電極、プレカーサー溶液及び任意にセパレータ以外による隙間の少ない状態であることが好ましい。隙間が多いと、平坦化が十分にできなくなることがある。
加圧が可能な容器としては、取り扱いの容易さから、袋であることが好ましい。袋の厚さは、30〜200μmであることが好ましい。200μmより厚い場合、袋自体が平坦化のための圧力を吸収してしまい、電極表面を均一に平坦化することが困難であるため好ましくない。一方、30μmより薄い場合、袋自体の物理的な強度が弱いため平坦化時に破れる恐れがあり、加えて均一な平坦化が困難であるため好ましくない。
【0011】
また、プレカーサー溶液の硬化が、紫外線等の電磁波により行われる場合、袋の厚さが200μmより大きいと、電磁波の透過率が低下し、重合反応に影響するため好ましくない。更にこの場合、袋の電磁波の透過率は大きい方がよく、50%以上が好ましく、80%以上が更に好ましい。
電極、プレカーサー溶液及び任意にセパレータが保持された容器は、平坦化に付される。平坦化に用いる加圧装置は、電極及び任意にセパレータの表面を平坦化でき、その上に均一な厚さのゲル層を形成することができさえすれば特に限定されない。例えば、図2に示すような容器保持手段と平らな加圧面を備えた加圧用器具(例えば、アイロン形状の器具)、図4に示すような容器保持手段とローラー等が挙げられる。更に、図5に示すような所定の間隔を有する一対のローラー、図6に示すような一対のローラーを2段重ねにした構成でもよい。なお、加圧面の面積は、より均一に加圧するために、電極の面積より大きいことが好ましい。また、ローラーの幅は、より均一に加圧するために、電極の幅より広いことが好ましい。
【0012】
上記平坦化に用いる加圧装置の内、ゴム製のローラーを用いることが好ましい。中でも一対のゴム製のローラーを用いた加圧装置が好ましい。この装置では、同時にローラーを回転させることにより、両面から同時に圧力を与えることができ、電極及び任意にセパレータの表面を平坦化することができる。
ゴム製のローラー表面の凹凸が、凹部の下端を基準とする凸部の上端の高さで表現して、1〜500μmであることが好ましい。500μmより大きい場合には、加圧の際に、ローラーの凹凸が電極及び任意にセパレータ表面に転写されてしまい、表面の平坦化が困難となるため好ましくない。1μmより小さい場合には、加圧の際に、ローラーが容器に対してすべる可能性があり、その結果、十分に平坦化できなくなるため好ましくない。より好ましい凹凸は、1〜100μmの範囲である。
【0013】
なお、容器が袋の場合、袋の厚さが200μmより大きい場合、ローラーの凹凸が電極及び任意にセパレータ表面に与える影響が小さくなり、30μmより厚い場合、ローラーの凹凸が電極及び任意にセパレータに転写されてしまい、表面の平坦化が困難となるため好ましくない。
更に、この加圧は、電極又は任意にセパレータから、余分なプレカーサー溶液を絞り出す工程を兼ねてもよい。これにより電池製造に必要な工程を省略することができる。
【0014】
具体例を挙げて説明する。図1(a)〜(d)に電極を袋に入れた状態を示す。図中、1、4、7、9は袋、2、5はセパレータ、3、8は正極、6、10は負極を意味する。図1(a)はセパレータをかぶせた正極を入れた袋、図1(b)はセパレータをかぶせた負極を入れた袋、図1(c)は正極のみを入れた袋、図1(d)は負極のみを入れた袋の図である。電池を作製する場合、図1(a)と(b)、図1(a)と(d)、図1(c)と(b)の組み合わせがあるが、エネルギー密度を向上させるため、図1(a)と(d)、図1(c)と(b)の電極の組み合わせが好ましい。電極とセパレータが入った袋にプレカーサー溶液を注液し、一対のゴムローラーを用いて袋を平坦化し、必要な場合は不要な液を電極上から絞り出し、袋の口をふさぐ。その状態で加熱あるいは紫外線等の電磁波等により硬化させる。この方法により、電極あるいは電極及びセパレータの表面の平坦化を行うことが可能である。
【0015】
不要なプレカーサー溶液を絞り出す場合、絞り出した直後に封口してしまうことが、より均一な平坦化が可能になり、特にプレカーサー溶液を含浸させた後の容器に電極、プレカーサー溶液及び任意にセパレータ以外による隙間の少ない状態で保持することが可能になる。そのために、電極あるいは電極及びセパレータの表面の制御が容易になり、工程上取り扱いが容易になるために好ましい。更に表面上のゲル層の厚さのばらつきも少なくなり、最終的な電池のエネルギー密度のばらつきも小さくなるために好ましい。
【0016】
この絞り出した直後に封口してしまう装置としては、例として図7に示すような装置が挙げられる。これは電極とプレカーサー溶液の入った袋を加圧して平坦化、及びプレカーサー溶液を絞り出す工程を行う装置である。この平坦化工程で袋の上部がローラーの上に残っていて、かつ電極及びセパレータが平坦化された状態で、この作業を止める。そして、ローラーの下に設置している袋の封口をすることが可能なヒートシーラーにより、作業が止まった状態で、電極を挟まないように、袋の封口をする。これらの一連の作業が1つの装置で可能な装置である。この装置の加圧する部分とヒートシーラーで加熱する部分とは、装置内で近くに位置しているほうが、絞り出した状態を保持したままにヒートシールを行いやすいために好ましい。なお、図7中、61は電極をつめた袋、62は加圧する道具、63はヒートシーラーを意味する。
【0017】
この装置に電極及びセパレータとプレカーサー溶液の入った袋を用いて、電極及びセパレータ上から余分なプレカーサーを少ない状態で封口することで、電極周辺部を固定することができるために好ましい。少しでも余分なプレカーサー溶液が残った状態では、電極が袋の中を移動することが可能になるために、取り扱い上好ましくない。また、更に電極表面のゲル層が不均一になる可能性が大きくなるために好ましくない。
この装置を使用することにより、電極及びセパレータ上から余分なプレカーサーを少ない状態で封口することが容易になり、表面上のゲル層の厚さのばらつきも少なくなり、最終的な電池のエネルギー密度のばらつきも小さくなるために好ましい。
【0018】
更に、プレカーサー溶液を含浸させた後の容器に封口をした後に、この装置を用いて平坦化及び絞り出す工程を行うことが好ましい。容器の封口をせずにこの装置を用いた場合には、図7上部のローラー上に絞り出した溶液が存在することになり、ローラー表面の汚れ等が生じやすくなり、工程上好ましくない。封口をした場合には、ローラーを用いて、更に絞り出した直後に封口をすることにより、まず、ローラー表面にプレカーサー溶液の絞り出してきた液により、汚れ等なくなるので、工程上好ましい。更に電極あるいは電極及びセパレータの表面の制御が容易になり、ばらつきも小さくなり、最終的な電池のエネルギー密度のばらつきも小さくなる。
【0019】
上記平坦化工程に続いて、プレカーサー溶液を硬化させることで電極又は任意にセパレータの表面にゲル層が形成される。得られたゲル層は、従来より薄型化することが可能である。電極上には0.1〜20μmのゲル層が存在していることが好ましい。特に好ましいゲル層の厚さは、0.1〜10μmである。20μmより厚い場合、厚さが平坦な場合でも、電極間距離が大きくなり、負荷特性に悪影響が生じる恐れがあるため好ましくない。更には電池のエネルギー密度が低下することが予想される。また、0.1μmより薄い場合には、局所的に電流集中が起こる可能性が高くなり、デンドライトの発生が予想され、電池の安全性に影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
【0020】
得られた一方の電極を容器から取り出し、任意にセパレータを積層した他方の電極と重ねることでリチウムポリマー二次電池を得ることができる。なお、任意にセパレータを積層した他方の電極も上記本発明の方法により処理された電極であることが好ましい。
平坦化を行うにあたり、電極及びセパレータとプレカーサー溶液を入れる容器へのプレカーサー溶液の注液量が、少なすぎると電極及びセパレータに含浸が不十分になり、電池特性に悪影響を及ぼすために好ましくない。多すぎると、十分に平坦化できないことも予想でき、またプレカーサー溶液の原料コストの面からも好ましくない。
【0021】
リチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を電極の入った容器中に添加する液量が、電極とセパレータの空隙から求められる体積の1.1倍から30倍量を加えることが好ましく、1.1倍から10倍量を加えることがより好ましい。
このとき、電極の空隙体積は、
電極面積×電極厚−(活物質の真密度)/(電極中の活物質の重量)
から求める。電極中に導電剤や結着剤が入っている場合は活物質と同様に計算し、電極の体積からすべての電極中の物質の体積との差を求め、電極中の空隙体積とする。
また、セパレータの空隙体積は
セパレータの体積−(目付重量)/(骨格密度)
から求める。
【0022】
求めた空隙体積の1.1倍よりも少ない場合、電極及びセパレータに十分な量のプレカーサー溶液が含浸されないこともあるために好ましくない。また、空隙体積の30倍よりも多い量のプレカーサー溶液を添加した場合、十分に加圧されにくくなるために、厚さが増加し、電池のエネルギー密度が低下するために、好ましくない。また、加圧が不十分なために電極上のゲルの厚みにバラツキが生じるために、負荷特性に悪影響を及ぼすために好ましくない。更に好ましくは、1.1倍から10倍量の液量を加えることがコストの面からも、工程上の作業時間の面からも好ましい。
【0023】
電極を入れる容器の大きさは、電極の大きさに規制される。容器の大きさは、電極の大きさに近い方が余分な容器の面積が少なくなり、更には注液した場合に含浸が容易になるために好ましい。特に加圧が可能な容器としては、すでに記載のように取り扱いの容易さ、電極の厚さ数十μm〜数百μmであることから、袋であることが好ましい。袋の大きさとしては、電極の両端部より1〜50mm、図7で示した装置を用いる場合、プレカーサー溶液を絞ったあとの液溜めの部分も含めて、液溜めの生じる電極の端部から5〜50mmであることが好ましい。
【0024】
袋の大きさが電極の両端部から1mmより小さい場合、プレカーサー溶液を硬化させた後に電極の端と袋の端の間を切断するのが困難になるために好ましくない。図7で示した装置を用いる場合、プレカーサー溶液を絞ったあとの液溜めの生じる電極の端部からの袋の大きさが5mmより小さい場合、液溜め部分と封口する部分と切断する部分との確保が困難になる。封口は可能であるものの、積層時に電極の端と袋の端の間を切断するのがより困難になるために好ましくない。
袋の大きさは、電極の大きさに近い方が余分な袋の面積が少なくなり、更には注液した場合に含浸が容易になるために好ましい。電極の両端部から50mmよりも大きな場合は、プレカーサー溶液の注液量が多くなるために、プレカーサー溶液のコストの面から好ましくない。好ましくは電極の両端部から20mm以内であることが、積層時の作業の容易であることから好ましい。
【0025】
上記以外のリチウムポリマー二次電池の構成及び製造工程は、特に限定されず、公知の構成及び工程をいずれも使用できる。
まず、正極、負極からなる電極は、任意に集電体上に形成され、基本的には正極又は負極活物質をバインダーにて固定化されたものである。前記集電体の材料としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル等であるが、電気化学的安定性、延伸性及び経済性を考慮すると、正極用にはアルミニウム、負極用には銅が好ましい。集電体の形状は、活物質からなる電極を保持できれば特に限定されないが、箔、メッシュ、エキスパンドメタル、ラス体、多孔体あるいは樹脂フィルムに電子伝導材をコートした形状等が挙げられる。
【0026】
負極活物質は、例えば炭素材料のような電気化学的にリチウムを挿入/脱離し得る材料が好ましい。リチウムの挿入/脱離する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いため、高エネルギー密度電池を構成できるからである。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然もしくは人造黒鉛である。メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。
【0027】
より好ましい炭素材料として、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子が挙げられる。このような黒鉛粒子は、黒鉛粒子をタール、ピッチ等の石炭系重質油、又は重油等の石油系重質油に浸漬して引き上げ、炭化温度以上へ加熱して重質油を分解し、必要に応じて粉砕することによって得られる。この黒鉛粒子を使用すれば、充電時に負極で起こるイオン伝導性ポリマー、有機電解液、リチウム塩の分解反応が有意に抑制できる。よって、充放電サイクル寿命が改善され、また分解反応によるガス発生を抑止することが可能となる。
【0028】
正極活物質としては、負極活物質に炭素質材料を用いる場合には、Lia(A)b(B)cO2(ここで、Aは遷移金属元素の1種又は2種以上の元素である。
Bは周期律表IIIB、IVB及びVB族の非金属元素及び半金属元素、アルカリ土類金属、Zn、Cu、Ti等の金属元素の中から選ばれた1種又は2種以上の元素である。a、b、cはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c≦1.30、0<cである)で示される層状構造の複合酸化物もしくはスピネル構造を含む複合酸化物の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。代表的な複合酸化物としては、LiCoO2、LiNiO2、LiCoxNi1−xO2(0<x<1)等が挙げられる。
【0029】
正極、負極の作製にあたって、必要であれば黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、導電性金属酸化物等の化学的に安定な導電材を活物質と組み合わせて使用し、電子伝導を向上させることができる。
また、正極、負極の作製にあたって必要であればバインダーを用いることもできる。バインダーは化学的に安定で、適当な溶媒には分散又は溶解するが有機電解液には冒されない熱可塑性樹脂の中から選ばれる。多くの樹脂が知られているが、例えば有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に選択的に溶けるが有機電解液には安定なポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好んで使用される。他に使用され得る熱可塑性樹脂は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フッ化ビニル、クロロプレン、ビニルピリジン及びその誘導体、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、環状ジエン(例えばシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等)スチレン−ブタジエンゴム等の重合体及び共重合体である。
【0030】
電極は、活物質と必要であれば、導電材とをバインダー樹脂の溶液で混練してペーストをつくり、これを集電体に適当なコーターを用いて均一な厚みで塗布し、乾燥後プレスすることによって作製される。バインダーの割合は必要最低限とすべきであり、一般に1〜15重量%で十分である。導電材を使用する場合は、導電材の量は活物質層の2〜15重量%が一般的である。
このようにして作製されたそれぞれの電極と一体に、ゲル層が形成される。ゲル層はイオン伝導性ポリマーマトリックス中にリチウム塩を含む有機電解液を含浸もしくは保持させたものである。ゲル層はポリマーマトリックスのモノマーをリチウム塩含有有機電解液との混合物(プレカーサー溶液)を、熱重合や光重合等の方法により重合して作製できる。
【0031】
このために使用できるモノマー成分は、一般的に、ポリエーテルセグメントを有し、重合体が三次元架橋構造を形成するように重合部位に関して多官能である。典型的なそのようなモノマーとしては、ポリエーテルポリオールの末端ヒドロキシル基をアクリル酸又はメタクリル酸(集合的に「(メタ)アクリル酸」という。)でエステル化したものである。よく知られているように、ポリエーテルポリオールはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールを開始剤として、これにエチレンオキシド単独又はプロピレンオキシドを付加重合させて得られる。多官能ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレートを単独又は単官能ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレートと組み合わせて共重合することもできる。
【0032】
有機電解液は非プロトン性の非水溶媒(極性有機溶媒)にリチウム塩を溶かした溶液である。
溶質となるリチウム塩としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiI、LiBr、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(COCF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiSCN及びそれらの組み合わせが挙げられる。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレカーボネート(PC)等の環状炭酸エステル類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン(GBL)等のラクトン類;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン及びその誘導体、1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソラン及びその誘導体;スルホラン及びその誘導体;それらの混合物が挙げられる。
【0033】
負極が、黒鉛系炭素材料を活物質とする場合、ゲル層の有機電解液には黒鉛系炭素材料との副反応を抑制できることが求められる。この目的に適した非水溶媒としては、ECを主体とし、これにPC、GBL、EMC、DEC及びDMCから選ばれる溶媒を混合した系が好ましい。例えばECが2〜50重量%である上記の混合溶媒にリチウム塩を3〜35重量%溶かした有機電解液は低温においても十分満足のいくイオン伝導度を有しているので好ましい。
モノマーとリチウム塩含有有機電解液との配合割合は、重合後、混合物がイオン伝導性ゲル電解質層を形成し、かつその中で有機電解液が連続相を形成するには十分であるが、経時的に電解液が分離してしみ出すほど過剰であってはならない。これは一般にモノマー/電解液の重量比を30/70〜2/98の範囲、好ましくは20/80〜2/98の範囲とすることによって達成することができる。
【0034】
ゲル層には支持材として多孔質のセパレータを使用することができる。その基材にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の有機電解液中で化学的に安定なポリマーの微多孔質膜か、これらポリマー繊維のシート(ペーパー、不織布等)である。これらセパレータは透気度が1〜500sec/cm3であることと、イオン伝導性ゲル電解質を、基材:イオン伝導性ゲル電解質の重量比で91:9〜50:50の比で保持できることが、機械的強度とイオン伝導度との適切なバランスを得るために好ましい。
セパレータを使用することなく電極と一体化したゲル層を形成する場合には、上記本発明の方法により得られたゲル層を有する正負極を、ゲル層を内側にして貼り合わせればよい。
【0035】
セパレータを使用する場合、どちらか一方の電極にセパレータを重ね、その後上記本発明の方法により、プレカーサー溶液をキャスティングし、重合させてセパレータ及び電極と一体化したゲル層を形成できる。これを上述した方法で一体化したゲル層を形成した他方の電極と貼り合わすことによって電池を完成できる。この方法は簡便であり、かつ電極と基材との一体化をゲル層により確実にできるので好ましい。
プレカーサー溶液は、熱重合及び/又は光重合(紫外線硬化)によって簡便にゲル層にすることができる。上記のような電極上にプレカーサー溶液を染込み、塗布した後硬化させる場合には、光重合は特に有効な方法である。
【0036】
光重合開始剤にはラジカル開始剤を使用することができる。特にフォスフィンオキシド系重合開始剤は光吸収波長領域が他の開始剤に比べて広範囲に渡っており、低エネルギー波長の吸収帯でプレカーサー溶液の表面を硬化し、高エネルギー波長の吸収帯でその深部まで硬化することができるので好ましい。この開始剤を用いることで、電極又は電極とセパレータとの存在下でイオン伝導性ポリマーの前駆体を架橋する場合、電極やセパレータの深部まで硬化することができる。特に多孔質な電極の細孔内部まで十分硬化することができる。
【0037】
フォスフィンオキサイド系開始剤は、(1)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、(2)ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド又は(3)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドであることが好ましい。
重合開始剤の量は100〜5000ppmの範囲でよいが、電池内に残存すると電池性能に悪影響を及ぼすため必要以上に添加しない方がよい。
【0038】
熱による架橋反応を起こす熱重合開始剤としては、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、パーオキシジカーボネート系、アゾ化合物系等の熱重合開始剤が挙げられる。中でも(1)t−ブチルパーオキシネオデカノエート、(2)m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、(3)3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド又は(4)t−ブチルパーオキシピバレートが好ましい。上記に示した熱重合開始剤は、レート特性の低下、サイクル特性の劣化等に対する影響が少ないために好ましい。
【0039】
また、熱重合開始剤の添加量としては、できる限り少ないほうが、充放電時に開始剤分解等の反応が少なくなるために好ましい。しかしながら、少なすぎる場合、重合反応が十分に起こらず、未反応のモノマーが残存する可能性があり、好ましくない。以上のことから熱重合開始剤の添加量は、モノマーとリチウム塩、場合によっては非水溶媒を含む総量に、1〜5000ppmの範囲が好ましく、中でも50〜1000ppmが好ましい。熱重合開始剤は、1種又は2種類以上混合して使用してもよい。内部の未反応モノマー、未反応開始剤を低減することができ、電池特性への悪影響を減少することができ、電池の特性を向上することができる。
【0040】
また、正極と電解質層あるいは負極と電解質層間の溶媒の拡散防止や、各電解質層界面での密着性を上げるために、電解質層の表面に処理を施してもよい。電解質層と正極内部のマトリックス層、負極内部のマトリックス層の組成は、それぞれの特性にあわせて、異なる組成でもよい。正極内部と負極内部とに含浸させるプレカーサー溶液がそれぞれ異なる点としては、重合性モノマーの種類、濃度、電解液の組成、添加剤の有無、リチウム塩の種類、濃度等が挙げられる。
例えば、正極側と負極側の重合性モノマーの濃度をそれぞれ設定することが可能でなる。特に、正極側の重合性モノマー濃度が負極側よりも高いプレカーサー溶液を用いることにより、負荷特性を改善することが可能となる。
【0041】
あるいは、正極側にプロピレンカーボネートを用いることにより、電解質の酸化による劣化を防ぐことができ、負極側にエチレンカーボネートを含んだプレカーサー溶液を用いると、分解等の反応が起こらないために高効率でのリチウム挿入脱離が可能になる。また、低温特性を向上させるために、低温時での性能が悪いエチレンカーボネートが、負極側のみに存在するために、低温時での電池の性能劣化を防ぐことができる。
更に、サイクル特性を向上させるために、負極側に低分子量架橋剤としてビニレンカーボネートを加えることにより、表面皮膜が生成しやすくなり、サイクル特性の改善ができる。また、塩濃度の異なるプレカーサー溶液を用いることも可能になり、正極側の塩濃度が負極側よりも高いプレカーサー溶液を用いることにより、負荷特性を改善することも可能となる。
【0042】
上記方法で作製したリチウムポリマー二次電池は、正極と負極の間にセパレータとは別にゲル層が存在していることにより、電極上のゲル層を均一化、薄型化することができる。
電池の形状は、円筒型、角形、シート状等が挙げられる。また、外装材としては金属、アルミニウムラミネート樹脂フィルム等が挙げられる。円筒型あるいは巻回型の電池は、正極、負極をそれぞれ重合させた後に、正極、負極を巻きとり、セルを封口することで得られる。シート状の電池は、正極、負極をそれぞれ重合させた後に、正極、負極を積層し、アルミニウムラミネート樹脂フィルムを熱融着あるいは熱圧着することにより、セルを封口することで得られる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により具体的に本発明を説明するが、本発明はこれによりなんら制限されるものではない。なお、以下のすべての実施例及び比較例で使用する紫外線の照射には最大出力波長365nmの紫外線を使用した。
【0044】
(実施例1〜5、比較例1)
[正極の作製]
LiCoO2粉末に、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を7重量%と、導電材として平均粒径2μmのアセチレンブラック5重量%とを混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混合溶解して得たペーストを厚さ20μmの圧延アルミ箔にコーティングし、乾燥及びプレス後、正極を得た。
【0045】
[負極の作製]
人造黒鉛粉末に、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を9重量%混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混合溶解して得たペーストを厚さ20μmの圧延銅箔にコーティングし、乾燥及びプレス後、負極を得た
【0046】
[プレカーサー溶液の調製]
LiBF4をエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合溶媒(エチレンカーボネート含有率35体積%)に対して2Mとなるように溶解した電解液を調製し、その電解液と、重合性モノマーであるポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合体を含有しているジアクリレートモノマーを重量比で95:5になるように調整した。更に光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを3000ppmなるように溶解したものを、正極用のプレカーサー溶液とした。また、LiBF4をエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンの混合溶媒(エチレンカーボネート含有率35体積%)に対して1Mとなるように溶解した電解液を調製する以外は正極用と同じように作製したものを負極用のプレカーサー溶液とした。
【0047】
[注液及び電池の作製]
作製した正極3及び負極10を袋(1、9)の中に入れる。その際、正極3にはセパレータ2となる多孔質膜をかぶせた状態(図1(a))とする。負極10はそれのみを入れた状態(図1(d))とする。
これら袋にプレカーサー溶液を注液し、減圧含浸を行い、一枚ずつ加圧していく。加圧の方法としては、図2の模式図に示した方法を採用している。11は加圧する道具(アイロンのようなもの)、12は電極をつめた袋である。加圧する道具、あるいは電極を載せる板は共に、表面が平滑なものを使用する。図2のように、加圧する道具を用いて、注液したプレカーサー溶液が電極一面に染み込むように加圧を行う。加圧後、袋の口のシールを行い、200mW/cm2の強度で紫外線を20秒間照射した。
【0048】
負極についても、正極と同様に行った。このようにして得られた正極+セパレータと負極とを袋から取り出し、図3のように二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルム(外装材)の間に挟み込み、熱融着させることにより図3に示す構造の実施例1のシート状の電池を作製した。図3中、21は正極集電体、22は正極とポリマー電解質、23はセパレータとポリマー電解質、24は負極集電体、25は負極とポリマー電解質、26はアルミニウムラミネート樹脂フィルムを意味する。
【0049】
[評価方法]
定電流16mAで電池電圧4.2Vになるまで充電し、4.2Vに到達後、定電圧で12時間充電した。放電は定電流、それぞれ16mA、80mA、160mAで電池電圧2.75Vになるまで放電した。その後、定電流80mAで電池電圧4.2Vになるまで充電し、4.2Vに到達後、定電圧で12時間充電、80mAで2.75Vまで放電を300サイクル繰り返した。
【0050】
実施例2〜4及び比較例1
プレカーサー溶液を注液した電極を以下のように加圧すること以外は、上記と同様にして、実施例2〜4、比較例1の電池を作製する。
実施例2での加圧の方法は、図4に示している方法である。図4中、31は加圧する道具(ゴムローラー)、32は電極をつめた袋である。加圧する道具、あるいは電極を載せる板は共に、表面が平滑なものを用いている。加圧する道具を用いて、注液したプレカーサー溶液が電極一面に染み込むように加圧を行う。
【0051】
実施例3での加圧の方法は、図5に示している方法である。図5中、41は電極をつめた袋、42は加圧する道具(ツインゴムローラー)である。加圧する道具を用いて、注液したプレカーサー溶液が電極一面に染み込むように、両面から同程度の線圧力がかかるようにして加圧を行う。この方法により、電極あるいはセパレータ上のプレカーサー溶液を電極表面、セパレータ表面から絞り出すことが可能となる。
【0052】
実施例4での加圧の方法は、図6に示している方法である。図6中、51は電極をつめた袋、52は加圧する道具(ツインゴムローラーが2個連結されている)である。加圧する道具を用いて、注液したプレカーサー溶液が電極一面に染み込むように、2段階で両面から同程度の線圧力がかかるようにして加圧を行う。
実施例3の方法に比較して、更に電極表面、セパレータ表面から絞り出すことが可能となる。
【0053】
比較例1では注液した状態で加圧をせずに、電池を作製した。
実施例2〜4と比較例1の電池の評価方法は、実施例1と同様である。
[評価]
図8に放電電流16mA、80mA、160mAのときの放電容量を測定した結果を示す。放電容量が高いほど、負荷特性が優れていることを示す。
実施例1は、比較例1よりも、均一に電極表面にゲル層が存在しているために、負荷特性が優れている。
実施例2は、実施例1よりも、電極一面に加圧ができ、電極の表面をより平坦にできるため、負荷特性が優れている。
【0054】
実施例3は、実施例2よりも、両面から同程度の線圧力をかけることができ、電極の表面をより平坦にできるため、負荷特性が優れている。
実施例4は、実施例3よりも、2回連続してローラーにてプレカーサー溶液を絞り出すことができ、電極の表面をより平坦にできるため、負荷特性が優れている。
更に、実施例1、2、3、4とだんだんと電極表面のゲル層が薄く、厚さが均一になるため、負荷特性を向上できる。特に実施例3、4では電極あるいはセパレータ上のプレカーサー溶液を電極表面、セパレータ表面から絞り出すことが可能となるため、電極表面のゲル層が薄く均一にできるために、特に優れた電池の製造方法であることが判明した。
【0055】
図9にサイクル数と放電容量との関係を示す。放電容量が高いほど、サイクル特性が優れていることを意味する。
実施例1〜4はすべて電極表面のゲル層の厚さが均一に制御できているために、ゲル層が不均一である比較例1と比較して、サイクル特性に優れることが判明した
【0056】
実施例5及び6
[正極の作製]、[負極の作製]、[プレカーサー溶液の調製]は実施例1と同様に行った。
【0057】
[注液及び電池の作製]
プレカーサー溶液を含浸させた後の袋に封口をした後に、図7に示した装置を用いて平坦化及び絞り出す工程を行い、絞り出した状態を保持して更に封口行うこと以外は実施例3と同様に30セルの電池を形成した(実施例5)。また、実施例3と同様の方法で30セルの電池を形成した(実施例6)。
【0058】
[評価方法]
定電流16mAで電池電圧4.2Vになるまで充電し、4.2Vに到達後、定電圧で12時間充電した。放電は、定電流、80mAで2.75Vまで放電を10サイクル繰り返した。このときの電池の容量、平均電圧、体積から電池のエネルギー密度を算出した。
その結果、電池のエネルギー密度が420Wh/lに到達した電池の数が実施例5では、29個、実施例6では、16個であった。
【0059】
この結果より、絞り出した状態を保持して、更に封口をすることにより電池を作成することで、電極近辺に余分のプレカーサー溶液が存在しにくくなるために、電池厚さを薄く均一にすることが可能である。それによりエネルギー密度の小さな電池の個数が減少することが判明した。更に電池のエネルギー密度のバラツキが小さくなることも判明した。
【0060】
実施例7と8、比較例2と3
[正極の作製]、[負極の作製]、[プレカーサー溶液の調製]は実施例1と同様に行った。
【0061】
[注液及び電池の作製]
作製した正極3及び負極10を袋(1、9)の中に入れる。その際、正極3にはセパレータ2となる多孔質膜をかぶせた状態(図1(a))とする。負極10は電極のみを入れた状態(図1(d))とする。袋の大きさは電極の両端から10mm、もう一方の両端から40mmの袋を用いた。
これら袋にプレカーサー溶液を注液した。注液する量は、正極+セパレータの袋と、負極の入っている袋にそれぞれ異なる量とした。それぞれの空隙体積の倍数を示す。
【0062】
【表1】
【0063】
プレカーサー溶液を注液後減圧含浸し、袋の封口をした後に一枚ずつ加圧していく。加圧の方法としては、図7のように、加圧する道具を用いて、注液したプレカーサー溶液が電極一面に染み込むように加圧を行い、加圧後、同じ装置を用いて、絞り出した直後の袋の口のシールをおこなった。
その結果、比較例2ではプレカーサー注液量が少なく、十分に含浸することができないことが目視にて確認できた。その他は十分に含浸できていることを確認した。それらの電極に対して200mW/cm2の強度で紫外線を20秒間照射した。
【0064】
このようにして得られた正極+セパレータと負極とを袋から取り出し、図3のように二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルム(外装材)の間に挟み込み、熱融着させることにより図3に示す構造のシート状の電池を作製した。図3中、21は正極集電体、22は正極とポリマー電解質、23はセパレータとポリマー電解質、24は負極集電体、25は負極とポリマー電解質、26はアルミニウムラミネート樹脂フィルムを意味する。
【0065】
[評価方法]
定電流16mAで電池電圧4.2Vになるまで充電し、4.2Vに到達後、定電圧で12時間充電した。放電は定電流、それぞれ16mA、80mA、160mAで電池電圧2.75Vになるまで放電した。その後、定電流80mAで電池電圧4.2Vになるまで充電し、4.2Vに到達後、定電圧で12時間充電、80mAで2.75Vまで放電を7サイクル繰り返した。このときの電池の容量、平均電圧、体積から電池のエネルギー密度を算出した。
【0066】
図10に放電電流16mA、80mA、160mA、400mAのときの放電容量を測定した結果を示す。放電容量が高いほど、負荷特性が優れていることを示す。
実施例7と8はほぼ同等の負荷特性の性能を示しているものの、比較例3では160mA、400mAのときに放電容量が小さくなっている。これは電極表面のゲル層の厚さに起因しており、容器中に加えるプレカーサー量は、空隙体積の30倍よりも多い量を加える注液量は好ましくないことが判明した。
【0067】
【発明の効果】
本発明のリチウムポリマー二次電池の製造方法によれば、電極あるいは電極及びセパレータを平坦にするための加圧工程を含むので、サイクル特性が向上した電池を提供することができる。
加圧工程が、リチウムポリマー二次電池の電極あるいは電極及びセパレータの表面のプレカーサー溶液を絞り出す工程を兼ねることで、優れた負荷特性、高エネルギー密度を有するリチウムポリマー二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】袋詰めした電極の模式図である。
【図2】加圧の方法の模式図である。
【図3】電池の模式図である。
【図4】加圧の方法の模式図である。
【図5】加圧の方法の模式図である。
【図6】加圧の方法の模式図である。
【図7】余分なプレカーサー溶液を電極表面から絞り出す手段とプレカーサー溶液を電極表面から絞り出した状態で封口する手段とを兼備した装置の模式図である。
【図8】実施例1〜4、比較例1の負荷特性を評価するためのグラフである。
【図9】実施例1〜4、比較例1のサイクル特性を評価するためのグラフである。
【図10】実施例7と8、比較例3の負荷特性を評価するためのグラフである。
【符号の説明】
1、4、7、9 袋
2、5 セパレータ
3、8 正極
6、10 負極
11、31、42、52、62 加圧する道具
12、32、41、51、61 電極をつめた袋
63 ヒートシーラー
21 正極集電体
22 正極とポリマー電解質
23 セパレータとポリマー電解質
24 負極集電体
25 負極とポリマー電解質
26 アルミラミネート樹脂フィルム
Claims (9)
- 一対の電極と、電極間に形成されたリチウムイオン伝導性ゲル層とからなるリチウムポリマー二次電池の製造方法であって、少なくとも一方の電極に、リチウム塩、非水溶媒、重合性モノマー及び重合開始剤を含むリチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、一方の電極を加圧して平坦化する工程と、プレカーサー溶液を硬化させてリチウムイオン伝導性ゲル層を一方の電極の表面に形成する工程とを含むことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- リチウムポリマー二次電池が、一対の電極間にリチウムイオン伝導性ゲル層を保持するセパレータを備え、
一方の電極とセパレータを積層し、一方の電極とセパレータに、リチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、一方の電極とセパレータを加圧して、一方の電極とセパレータを平坦化する工程、
他方の電極に、リチウムイオン伝導性ゲル形成用のプレカーサー溶液を加圧が可能な容器中で含浸させた後、他方の電極を加圧して、他方の電極を平坦化する工程と、プレカーサー溶液を硬化させてリチウムイオン伝導性ゲル層を一方の電極及びセパレータの表面に形成する工程とが含まれる請求項1に記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。 - 平坦化工程が、一方の電極及びセパレータと、他方の電極とに含まれる余分なプレカーサー溶液を絞り出す工程を兼ねる請求項2に記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- 平坦化工程が、一方の電極及びセパレータと、他方の電極とに含まれる余分なプレカーサー溶液を電極表面から絞り出した直後の状態で容器を封口する工程を含むことからなる請求項2又は3に記載リチウムポリマー二次電池の製造方法。
- 平坦化工程が、ローラーを用いて行われる請求項1〜4のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- ローラーが、その表面に1〜500μmの凹凸を有する請求項5に記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- 容器が、30〜300μmの厚さ、50%以上の光の透過率を有する袋である請求項1〜6のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法で製造したリチウムポリマー二次電池であって、一対の電極の少なくとも一方の電極の表面にリチウムイオン伝導性ゲル層が存在しているリチウムポリマー二次電池。
- 一方の電極及びセパレータと、他方の電極とに含まれる余分なプレカーサー溶液を電極表面から絞り出す手段とプレカーサー溶液を電極表面から絞り出した状態で封口する手段とを兼備したリチウムポリマー二次電池の製造装置。
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