JP2004170672A - 光学部材及び光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材及び光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易な、基板を持たない多層膜素子を供給するための、多層膜素子と担体とを具えた光学部材とその製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明の光学部材1は担体3と前記担体表面上に設けられた多層膜素子2とを具える光学部材であって、前記多層膜素子2の一部は前記担体3に固定され、前記多層膜素子2の他の一部は前記担体3から離隔することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は膜のみから構成される多層膜素子を担体上に具えた光学部材、特に光通信用等に用いられるフィルタ等の多層膜素子を具えた光学部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信等の分野に於いて光を合波、分波や利得調整等をする為に、基板上に光学薄膜を複数層積層した多層膜素子が使われてきた。これらの多層膜素子は基板として用いられるガラスやポリイミドの光学的影響を受けて光学性能を充分に高めることが出来ないばかりでなく、光学薄膜自体が発生する応力の為に基板が変形、更には破壊する問題があった。
【0003】
以上の問題を解決する為に、基板を持たない多層膜素子が最近使われ始めている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平3−196001号公報
【特許文献2】
特公平8−27408号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板を持たない多層膜素子は、非常に薄くてもろいので、壊れやすい。又、光通信の導波路等に用いられる場合には、多層膜素子の寸法が例えば約2mm×2mmと小さいので、視認しにくく、取り扱いが困難である。即ち、従来の、基板を持たない多層膜素子は、洗浄したり、搬送したり、それを使用する光学装置に組み込んだりする取り扱いが困難である。その困難の為に、取り扱いのための特別の熟練を必要とし、又は、製造歩留り又は製造品質が低下する。その結果、製造コストが上昇する問題があった。
【0006】
本発明は、基板を持たない多層膜素子の、以上の問題を解決する為になされたものであり、取り扱いが容易な、基板を持たない多層膜素子を供給するための、多層膜素子と担体との光学部材とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
以上の課題を解決する為に、本発明の光学部材は、担体と前記担体表面上に設けられた多層膜素子とを具える光学部材であって、前記多層膜素子の一部は前記担体に固定され、前記多層膜素子の他の一部は前記担体から離隔することを特徴とする(請求項1)。
【0008】
本発明の光学部材の製造方法は、担体と前記担体表面上に設けられた多層膜素子とを具える光学部材の製造方法であって、前記担体表面上の一部に犠牲膜を形成する段階と、前記犠牲膜が形成された部分を含む前記担体表面上に多層膜を形成し、前記多層膜を形成後に、前記犠牲膜を除去することにより、前記多層膜素子を形成する段階とを具えることを特徴とする(請求項2)。
【0009】
又、本発明の光学部材は、請求項2の方法により製造された光学部材であって、多層膜素子の少なくとも一部が担体から離隔することを特徴とする(請求項3)。
【0010】
又、本発明の光学部材において、前記多層膜素子が、前記担体表面上に形成された多層膜の前記担体から浮いた部分であり、前記担体表面上の浮いていない他の部分を介して前記担体と固定されていることが好ましい(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光学部材1を示す図である。図1に示すように、本実施形態の光学部材1は、多層膜素子2と担体3と担体3に付着した多層膜4とを具える。多層膜素子2は所望の光学特性を有した光学多層膜構造を有し、基板を有しない自立膜となっている。又、担体3に付着した多層膜4は、多層膜素子2と同じ多層膜構造を具える。この付着した多層膜4と多層膜素子2とは一体的に形成されているため、多層膜素子2は担体3に付着した多層膜4によって担体3に固定されている。
【0012】
その為、多層膜素子2と、多層膜素子2を担体3に固定する為の担体3に付着した多層膜4とは、同一プロセスで形成することができる。故に、多層膜素子2を担体3に固定する為に、特別なプロセスを遂行する必要が無くなる。
【0013】
尚、本発明に於ける光学部材1は、多層膜素子2を担体3に固定する方法としては、これだけに限らず、多層膜素子2の光線が通過する部分を担体から離隔するようにして、多層膜素子が担体3に接着されて固定するようにしても良い。このような多層膜素子2を担体3に固定する方法は特に限定されない。その意味で、以上の担体3に付着した多層膜4や接着剤、又は機械的な固定部材を、単に固定部材と総称することもできる。
【0014】
本発明の光学部材1は多層膜素子2の少なくとも一部を担体3から離隔させている。このように離隔させることにより、その間隙に例えばピンセットの先を差し込んで多層膜素子2を挟んで、担体から切り離す等のことをすることが出来るので、取り扱いが容易となる。
【0015】
本発明の光学部材1は、多層膜素子2を複数具えることが好ましい。多層膜素子2の数に比例して光学部材の寸法は大きくなる。多層膜素子2の数は、取り扱いのし易さと、それを使用する対象装置の生産規模、即ち、多層膜素子の必要数から決定される。
【0016】
又、本発明の光学部材1は取り扱いをし易い寸法、形状とすることが好ましい。具体的な取り扱いとしては、多層膜素子を対象装置に組み込む作業、洗浄作業や運搬作業がある。取り扱いをし易い、好ましい寸法は、長さで10mm以上、200mm以下である。
【0017】
図2〜図7は、本発明の光学部材の製造方法の説明図である。この例では光学部材1は、担体3表面上に多層膜素子2を35個具え、多層膜素子2は、担体3へ固定するために多層膜素子2を構成する多層膜が担体3の表面上にも成膜されるようにして製造されている。
【0018】
以下に製造方法を順に示すが、本発明の製造方法は本方法、本手順に限定されるものではない。
(1)担体3上にレジスト膜をスピンコーターにて200nm塗布し、マスクパターンをレジスト膜20上に投影し、レジスト膜を露光後に現像することにより、ストライプ状のレジスト膜パターンを形成する(図2)。
(2)レジスト膜パターン上にAl膜をスパッタ法により100nm形成する(図3)。
(3)レジスト膜を剥離することによりAl膜パターンを形成する(図4)。
(4)Al膜パターン上に多層膜の、1400nm以下の波長をカットし、それ以上の波長を透過するエッジフィルターを反応性スパッタ法により成膜する(図5)。表1に膜構成を2例示す。どちらの多層膜もNb/SiOの交互層構成であり、例1は通常構成であり、例2は例1の構成の多層膜の最下層と最上層に厚いSiO層を更に追加した構成である。
【表1】
Figure 2004170672
【0019】
反応性スパッタ装置は、図9に概要が示されるような100mm×360mmの大きさのターゲット33を2枚使用するデュアルマグネトロンタイプであり、ターゲット33と担体(基板)34間距離は、約120mm、担体34の回転速度は100rpmである。
【0020】
図9にて、30は真空槽、31は真空排気系、32は交流デュアルカソードスパッタ源、左右の33は各々100mm×360mmの純度99.9%の金属ニオブ(Nb)のターゲット、34は担体(基板)、35はターンテーブル、36は真空槽内の全圧を測定する真空計、37はアルゴンガス用流量制御バルブ、38はアルゴンガス供給源、39は酸素ガス用流量制御バルブ、40は酸素ガス供給源、41は圧力制御器である。尚、図9の反応性スパッタ装置は、不図示の位置に100mm×360mmの純度99.9%の金属シリコン(Si)のターゲットが2枚とこのターゲット用の交流デュアルカソードスパッタ源も具える。アルゴンガスは流量制御バルブ37を介して真空槽30に導入され、酸素ガスは流量制御バルブ39を介して真空槽30に導入される。圧力制御器41は、真空計36により検出された真空槽内の全圧力が所定圧力を保ち、且つ、アルゴンガスと酸素ガスの流量比が所定値を保つように、ガスの流量を調節する。
【0021】
真空槽の全圧を所定値に制御した状態で、交流デュアルカソードスパッタ源32の電源がONして放電を開始し、ターゲットから金属ニオブをスパッタさせる。本反応性スパッタ装置は、導入された酸素ガスがスパッタされた金属原子に化学的に作用し反応するので、金属をスパッタさせることにより、金属の酸化物薄膜を担体上に堆積させることができる。従って、金属ニオブターゲット33をスパッタさせることにより、担体34面に酸化ニオブ(Nb)層が堆積する。この交流デュアルカソードスパッタ源32の電源は40kHzの交流電源であり、2つのターゲット32に対し25μsecの周期で交互にスパッタリングを行なう。Nb層が所定膜厚に達したら、成膜を終了させ、次には金属シリコン用の不図示の交流デュアルカソードスパッタ源をONさせ、金属シリコン(Si)をスパッタさせることにより、担体34面に2酸化ケイ素(SiO)層が堆積する。SiO層が所定膜厚に達したら、成膜を終了させる。
【0022】
以下に多層膜の成膜手順を示す。
▲1▼担体をスパッタ装置にセットし、槽内を6×10−4Pa以下に排気し、且つ担体を200℃に加熱する。
▲2▼SiO層とNb層を、以下に示された成膜条件で、表1に示された厚みに成膜する。
【0023】
SiO層:容積比でArガスとO2ガスの2:1の混合ガスを槽内に導入し、圧力を0.2Paに制御して、スパッタパワー約3KW、スパッタレート5Å/秒で成膜する。
【0024】
Nb層:容積比でArガスとOガスの2:1の混合ガスを槽内に導入し、圧力を0.2Paに制御して、スパッタパワー約3KW、スパッタレート3.5Å/秒で成膜する。
▲3▼所定の層数の成膜が終了したら、担体を冷却後、真空槽内を大気圧に戻し、担体を取り出す(図5)。
(5)ダイシングソーにより、多層膜面に切り込みを入れる。切り込みの深さは少なくとも担体3表面よりも深くされる。又、切り込みの内部が、Al膜21の上に多層膜22が形成された領域と、多層膜22のみが形成された領域とを含むように切り込み位置が決められる。Al膜21の上に多層膜22が形成された領域は、所望の多層膜素子とほぼ同一形状且つ同一寸法になるように切り込み位置が決められる(図6)。
(6)担体3を10重量%のNaOHに浸漬することにより、多層膜22の下のAl膜21を溶解して、多層膜22を部分的に剥離させる。多層膜の剥離した部分は応力によって上面が凹状に撓む。この剥離した部分が多層膜素子である。図7は、担体を上右方向から見た様子を示す。このように多層膜を部分的に剥離させることにより、担体から離隔した所望形状、所望寸法の多層膜素子2が形成される(図7)。形成された多層膜素子1個の拡大図を図8に示す。
【0025】
以上のようにして多層膜素子2を35個、担体上に具える光学部材が製造される。本発明の多層膜素子の膜構成は表1のものに限らず、成膜装置、成膜条件も上記のものに限らないことは言うまでもない。
【0026】
本発明の光学部材は、それが具える多層膜素子を担体表面から浮かせるばかりでなく、適切な間隙で離隔させることが好ましい。本発明の光学部材は、多層膜を固定部材とする場合、多層膜の膜応力を調整することにより適切な間隙に調節することができる。
【0027】
多層膜は複数の薄膜から構成される。薄膜に生じる応力には、主に▲1▼真応力、▲2▼熱応力、▲3▼外部作用の応力の3種類がある。その他に▲4▼多層膜の膜構成固有の応力がある。▲1▼は成膜時に膜中に取り込まれた空孔や不純物により発生すると言われている。▲2▼は基板と薄膜の線膨張係数が異なる場合に、成膜中の温度から室温に下げるときに発生する応力である。▲3▼は成膜時の真空環境から大気圧に戻して薄膜を取り出す際に、薄膜中の空隙に水分が浸入する事により発生する応力である。
▲4▼は多層膜の互いに隣接する層間で層の構成材料の線膨張係数が異なる場合に、成膜中の温度から室温に下げるときに発生する隣接層間で及ぼし合う応力、又は、層の境界での格子定数のミスフィット等に起因する応力である。
【0028】
本発明の光学部材が具える多層膜素子は基板(本発明の場合は担体)から剥離されているので、▲2▼の熱応力の影響は無視できる。又、本発明の光学部材が具える多層膜素子は、空隙が殆ど無いと言えるほど高密度に成膜されているので、▲3▼の外部作用の応力も無視できる。
【0029】
本発明の光学部材は、多層膜を固定部材とする場合、多層膜の▲1▼の真応力、又は▲4▼の多層膜固有の応力を適正な大きさに調整することにより適切な間隙に調節される。
【0030】
本発明の光学部材が具える多層膜素子を担体から適切な間隙で離隔させる為に、▲1▼又は▲4▼の応力を調整することにより、例えば、剥離した多層膜の担体側の部分の構成層の個々の層の応力の合成応力が全体として圧縮に、そして担体と反対側の残りの部分の構成層の個々の層の応力の合成応力が全体として引っ張りに働くようにすることが好ましい。
【0031】
その為に、多層膜の膜構成が積層方向に非対称となるように膜材料と膜厚の組み合わせを選び、多層膜の担体側の部分の構成層に全体として圧縮応力が、そして担体と反対側の残りの部分の構成層に全体として引っ張り応力が働くようにしても良い。又は、多層膜の膜構成は積層方向に対称であるが、多層膜の担体側の構成層の成膜条件と担体と反対側の構成層の成膜条件とを異ならせることにより、多層膜の担体側の部分の構成層に全体として圧縮応力が、そして担体と反対側の残りの部分の構成層に全体として引っ張り応力が働くようにしても良い。更に、膜構成を非中心対称とすることと担体側と担体側と反対側の構成層の成膜に異なる成膜条件を適用することとの両方を行なっても良い。
【0032】
応力は小さすぎると、多層膜素子と担体との間隙が狭すぎるために取り扱い上不都合である。逆に大きすぎると、間隙が充分に大きくなるために取り扱い上の都合は良いが、使用状態で多層膜素子の応力による変形が大きくなりすぎて、光学特性が変化したり、機械的寸法が変化したりすることがあるので好ましくなく、最適応力範囲がある。
【0033】
本発明の光学部材1は、光学部材がそのままの形でユーザに使用されることはない。光学部材が具える多層膜素子が、対象装置の部品として組み込まれ、ユーザに使用される。
【0034】
本発明の光学部材1は、それの製造完了からその光学部材1が具える多層膜素子の対象装置(対象装置の一例として、図11に導波路の一部を示す)への組み込み段階に到る前までの間、担体3から切り離すことなく、光学部材1単位で取り扱いが行なわれる。多層膜素子2を対象装置に組み込む必要が生じた段階で初めて、一枚づつ担体3から切り離し、それを装置に組み込んで使用される。
【0035】
本発明の光学部材1は、この光学部材が具える多層膜素子を光通信の導波路に用いる場合、例えば、図10、図11で示すように取り扱われる。図10は光学部材1が具える多層膜素子2をピンセット6で挟んだ状態を示す。尚、光学部材1は、簡単のために、多層膜素子2を1個だけ具えている。図11は導波路8のフィルタ収納部11に多層膜素子2が取り付けられた状態を示す。フィルタ2の未取り付け状態で、左右の各導波路8はフィルタ収納部の位置にて遮断されている。
【0036】
先ず、多層膜素子2を取り扱いがし易い位置と方向に来るように、光学部材1を作業者に対して所定の位置・方向に置く。この状態で、ピンセット6の先7の一方を光学部材1上の多層膜素子2と担体3との間に差し込み、ピンセット6の先7で多層膜素子2を挟む。多層膜素子2を挟んだら、ピンセット6に、端部5を中心に矢印方向に回転させる力を働かせる。そうすると端部5付近に集中応力が発生し、その応力が限界値を超えたときに、端部5付近は破断し、多層膜素子2は固定部材4から切り離される。この多層膜素子2をピンセット6で挟んだ状態で図11に示される導波路のフィルター収納部11に運び、そこに置く。次に接着剤を導波路8と多層膜素子2との間隙12に流し込み、接着剤12が多層膜素子2の面部14と導波路の端部13に密着し、多層膜素子2をコア9に対して位置出しした状態で、接着剤を硬化することにより、導波路8へ多層膜素子2を固定する。
【0037】
ここで、接着剤12は、導波損失を低減するために、その屈折率がコア9の屈折率と屈折率整合するように選定される。通常はコア9の屈折率と同じか又は近い屈折率の接着剤が好ましい。接着剤の屈折率は多層膜素子の入射及び出射媒質となるので、その光学特性に影響を与える。そこで、接着剤としては、屈折率整合のみならず、必要に応じて多層膜素子の光学特性を考慮して選定することが好ましい。
【0038】
尚、多層膜素子2が安定的に端部5で破断されるためには、端部5付近での曲率半径を多層膜素子の部分よりも小さくすることが好ましい。そうすることにより端部5付近での集中応力を大きくし、より安定的に、端部5に近い位置で破断させることができる。
【0039】
本発明の光学部材が具える多層膜素子の洗浄に当たっては、真の洗浄対象は多層膜素子であるが、本発明の光学部材はそのままの形で、洗浄機のハンガーに乗せる等することにより、光学部材ごと洗浄される。ハンガーが直接多層膜素子に触れることはない。例えば、超音波洗浄機で洗浄する場合に、超音波が多層膜素子の離隔された間隙に良く入り込むので、多層膜素子の表面のみならず、担体側である裏面も高い清浄度で洗浄することができる。又、多層膜素子は担体にしっかりと保持されているので、洗浄液の揺動や洗浄中の搬送の振動などの力で多層膜素子が所定の取り付け位置から外れて、傷がついたり、散逸したりすることがないので、多層膜素子の製造歩留りも向上することができる。
【0040】
本発明の光学部材の運搬に当たっては、光学部材をそのまま運搬箱に収納して、輸送機関を含めた手段を用いて運搬される。一般に運搬する際には、品物を運搬時の振動で動かないように固定しなければならない、多層膜素子のように小さくて、高い清浄度の維持が必要で、傷が付きやすい品物を運搬箱に固定することは一般に容易ではない。本発明の光学部材は充分に大きくて保持しやすく、傷や汚れに対する許容度が高い担体を固定すれば良いので、運搬箱への収納が容易であり、極めて安全に運搬が可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の光学部材は、担体上に多層膜素子を担持し、担体単位で多層膜素子を取り扱うことができるので、取り扱いが容易である。又、本発明の光学部材の製造方法は、取り扱いがし易い光学部材を確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光学部材を示す。
【図2】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。
【図3】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。
【図4】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。
【図5】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。
【図6】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。
【図7】本発明の実施形態の光学部材の製造方法を示す。本図は製造された光学部材を示す。
【図8】図7で製造された光学部材の拡大図であり、発明を理解しやすくするために、多層膜素子を1個のみ示す。
【図9】本発明の実施形態の光学部材の製造方法で多層膜の成膜に用いる反応性スパッタ装置を示す。
【図10】本発明の実施形態の光学部材の多層膜素子を担体から切り離す為にピンセットで挟んでいる様子を示す。
【図11】導波路のフィルタ収納部付近の様子を示す。
【符号の説明】
1 光学部材
2 多層膜素子
3 担体
4 多層膜
5 端部
6 ピンセット
7 ピンセットの先
8 導波路
9 コア
10 クラッド
11 フィルタ収納部
12 間隙(接着剤)
13 導波路の端部
14 多層膜素子の面部
20 レジスト膜
21 Al膜
22 多層膜
23 切り込み
30 真空槽
31 真空排気系
32 交流デュアルカソードスパッタ源
33 ターゲット
34 担体(基板)
35 ターンテーブル
36 真空計
37 アルゴンガス用流量制御バルブ
38 アルゴンガス供給源
39 酸素ガス用流量制御バルブ
40 酸素ガス供給源
41 圧力制御器

Claims (4)

  1. 担体と前記担体表面上に設けられた多層膜素子とを具える光学部材であって、前記多層膜素子の一部は前記担体に固定され、前記多層膜素子の他の一部は前記担体から離隔することを特徴とする光学部材。
  2. 担体と前記担体表面上に設けられた多層膜素子とを具える光学部材の製造方法であって、前記担体表面上の一部に犠牲膜を形成する段階と、前記犠牲膜が形成された部分を含む前記担体表面上に多層膜を形成し、前記多層膜を形成後に、前記犠牲膜を除去することにより、前記多層膜素子を形成する段階とを具えることを特徴とする光学部材の製造方法。
  3. 請求項2の方法により製造された光学部材であって、多層膜素子の少なくとも一部が担体から離隔することを特徴とする光学部材。
  4. 前記多層膜素子が、前記担体表面上に形成された多層膜の前記担体から浮いた部分であり、前記担体表面上の浮いていない他の部分を介して前記担体と固定されていることを特徴とする請求項1記載の光学部材。
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