JP2001116921A - 光学部品及びその製造方法並びに光学部品の製造装置 - Google Patents

光学部品及びその製造方法並びに光学部品の製造装置

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JP2001116921A JP29440599A JP29440599A JP2001116921A JP 2001116921 A JP2001116921 A JP 2001116921A JP 29440599 A JP29440599 A JP 29440599A JP 29440599 A JP29440599 A JP 29440599A JP 2001116921 A JP2001116921 A JP 2001116921A
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Hirokazu Ishikawa
博一 石川
Kazuto Shimoda
和人 下田
Masayasu Kakinuma
正康 柿沼
Toshitaka Kawashima
利孝 河嶋
Teiji Honjo
禎治 本庄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数層の光学薄膜を支持体上に形成した密着
性の良好な光学部品、その製造法及び光学部品の製造装
置を提供すること。 【解決手段】 透明又は半透明の支持体11に珪素より
なる密着層12を介して光学薄膜層13の多数層を積層
することを特徴とする光学部品10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学部品、これら
の製造方法及び光学部品の製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、反射防止コート、高反射ミラー、
エッジフィルター、帯域フィルター、ダイクロイックフ
ィルター等の光学部品の需要が著しく増大してきた。こ
れらの光学部品は、一般にガラス基板上に成膜されてい
るが、コストの点から可撓性のある支持体である例え
ば、プラスチックフィルム等の上に反射防止コート、高
反射ミラー、エッジフィルター、帯域フィルター、ダイ
クロイックフィルター等の機能を奏させるための光学薄
膜を複数層積層させ、形成されたものも開発され、一部
は上市されている。このようにして形成された光学部品
はプラスチックフィルム上の光学薄膜の層数が多くなる
ほど、前記プラスチックフィルムと前記複数層からなる
光学薄膜との間が剥離し易くなるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、この問題点を解
決するために、種々の試験研究が行われてきた。例え
ば、特開昭63−81402号公報、特開昭63−81
403号公報、特開昭63−81404号公報には、酸
化セリウム材料を密着層としてプラスチック支持体上に
設け、その上に酸化珪素よりなる反射防止層を成膜し、
光学薄膜層とプラスチックフィルムとの密着性の向上し
た反射防止フィルターが開示されている。しかし、セリ
ウムはスパッタ用材料としては一般的でなく、また材料
コストも高価であることが問題となっていた。更に、特
開平1−280701号公報では、プラスチックフィル
ム上にアクリル系架橋性硬化樹脂を塗布して紫外線硬化
させたプラスチック支持体上に光学薄膜を多数積層して
反射防止膜を成膜して光学薄膜の支持体との密着性を増
強している。しかし、この方法は塗布工程を必要とする
ので、工業的には極めて煩雑となってしまう。さらに特
開平10−48402号公報には、プラスチック支持体
上にSiO2(O<X<2)の密着層を設け、その上にS
iO2 よりなる光学薄膜層を積層させた反射防止膜に関
する技術が開示されている。しかし、SiO2(O<X<
2)を密着層とする場合、成膜の条件によって変動し易
いXの値を一定に保つのが容易でなく、作製された光学
部品の光学特性がが一定になりにくいという問題があっ
た。
【0004】本発明は、以上の点に鑑み、複数層の光学
薄膜を支持体上に形成した密着性の良好な光学部品、そ
の製造法及び光学部品の製造装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的は、請求項1の
発明によれば、透明又は半透明の支持体上の珪素よりな
る密着層と、その密着層上の複数層からなる光学薄膜層
とを有することを特徴とする光学部品により、達成され
る。
【0006】前記構成によれば、透明又は半透明の支持
体に珪素よりなる密着層を介して光学薄膜層の多数層を
積層されているため、前記支持体と前記光学薄膜層との
密着性が良好となる。
【0007】また、好ましくは、請求項7の発明によれ
ば、請求項1の構成において、前記密着層が略1nm乃
至略10nmの厚さを有する光学部品である。
【0008】そして、好ましくは、請求項8の発明によ
れば、請求項1の構成において、前記密着層が略1nm
乃至略5nmの厚さを有する光学部品である。
【0009】前記構成によれば、前記密着層が略1nm
乃至略10nm又は略1nm乃至略5nmの厚さである
ため、この密着層の厚さが薄くなり、且つ密着強度は充
分に保たれ、しかも光学部品の光学特性に何ら影響をあ
たえない。
【0010】また、前記目的は、請求項18の発明によ
れば、支持体上に珪素のメタルターゲットを用いて密着
層をスパッタにより形成する工程と、前記密着層上に光
学薄膜原材料のターゲットを用いて複数層からなる光学
薄膜を形成することを特徴とする光学部品の製造方法に
より、達成される。
【0011】前記方法によれば、支持体上に珪素のメタ
ルターゲットを用いて密着層をスパッタにより形成する
工程と、この密着層上に光学薄膜原材料のターゲットを
用いて複数層からなる光学薄膜層を形成するので、前記
支持体と前記光学薄膜層との密着性が極めて向上し、耐
久性も良好となる。
【0012】前記目的は、請求項22の発明によれば、
支持体を保持する第1の保持部と、前記第1の保持部か
ら送出される前記支持体を受け取るための第2の保持部
と、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に配置
されると共に、前記支持体に対してスパッタするための
珪素のメタルターゲットと、を有することを特徴とする
光学部品の製造装置により、達成される。
【0013】前記構成によれば、前記光学部品の製造装
置は、支持体を保持する第1の保持部と、前記第1の保
持部から送出される前記支持体を受け取るための第2の
保持部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部との間
に配置されると共に、前記支持体に対してスパッタする
ための珪素のメタルターゲットとを有するので、前記支
持体上に前記珪素のメタルターゲットで密着層を形成す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を図1及び図2を参照しながら、詳細に説明する。な
お、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例
であるから、技術的に好ましい種々限定が付されている
が、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を
限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られる
ものではない。
【0015】図1は、本発明の実施の形態である光学部
品、例えばダイクロイックフィルターの構成を示す図で
ある。図1に示すようにダイクロイックフィルター10
は、先ず、支持体11を有している。この支持体11
は、例えばプラスチックフィルム11aと、このプラス
チックフィルム11aを保護するためのハードコート層
11bとを有している。このプラスチックフィルム11
aは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタアクリレー
ト、ポリカーボネート又はアモルファスポリオレフィン
(APO)等のプラスチックフィルムが好適である。ま
た、前記ハードコート層は、シリコーン樹脂又はエポキ
シ樹脂等により形成されている。そして、前記プラスチ
ックフィルム11aは、その厚みが例えば188μmで
あり、前記ハードコート層11bの厚みが、例えば6μ
mである。
【0016】このように構成される支持体11の上に
は、図1に示すように密着層12が形成されている。こ
の密着層12は、珪素(Si)より形成されている。厚
みは、例えば1nm乃至10nmであり、好適な範囲
は、1nm乃至5nmである。図1に示すように本実施
の形態に係るダイクロイックフィルター10は、2nm
nの厚みで珪素(Si)を形成している。このように珪
素(Si)の密着層12の厚さを薄くしても、密着強度
は充分であり、しかもダイクロイックフィルター10の
光学特性も良好であった。この密着層12によって密着
されるのが図1に示す光学薄膜層13である。この光学
薄膜層13は、ダイクロイックフィルター10の場合
は、例えば酸化ニオブ(Nb 2O 3)のような高屈折率
層と酸化珪素(SiO 2)のような低屈折率層とをそれ
ぞれ交互に成膜し、全体で21層とした光学薄膜層であ
る。このように、21層、積層した場合でも、密着層1
2である珪素(Si)の密着強度は充分で、光学薄膜1
3が剥離することがなかった。図1では、酸化ニオブ
(Nb 2O 3)を用いているが、それ以外にも酸化チタ
ン、酸化タルタル、インジウムティンオキサイド(IT
O)、酸化錫又は酸化セリウム等であってもよい。
【0017】光学薄膜層13として、ダイクロイックフ
ィルター10ではなく、反射防止膜を形成する場合は、
酸化珪素を例えば4層乃至8層、積層した光学薄膜層が
用いられる。また、光学薄膜層として、高反射ミラーを
形成する場合は、例えば酸化ニオブ(n=2.4 高屈
折材料H)及び二酸化珪素(n=1.46,低屈折材料
L)を用いた場合、基板(支持体)/密着層/(H/2
・L・H/2)・6の13層で反射率は、99%以上と
なる。このとき、L及びHは、λ/4の光学薄膜であ
る。そして、光学薄膜層として、帯域フィルターを形成
する場合は、基板(支持体)/密着層/(H/4・L/
2・H/4)・4 (L/2・H・L/2)・4の18
層で、設計波長800nmとして場合、図3の実線及び
破線に示すように、525nm乃至625nmに対して
良好な帯域フィルターとなる。このような帯域フィルタ
ーを最適化して示したのが図4である。さらに、光学薄
膜層として、エッジフィルターを形成する場合は、基板
(支持体)/密着層/(L/2・H・L/2)・7の1
5層で、設計波長680nmとすれば、図5のa及びb
に示すように、400nm乃至550nmを透過、60
0nm乃至750nmを阻止帯とするエッジフィルター
ができる。このような図5に示すa及びbのエッジフィ
ルターを最適化して示したのが図6である。以上のよう
に各種光学薄膜層を9層乃至15層以上にわたって積層
し、これを支持体11に形成した珪素(Si)の密着層
12で密着させた場合でも、支持体11との剥離は見ら
れなかった。
【0018】本発明の実施の形態に係るダイクロイック
フィルター10は、以上のように構成されており、図1
に示す支持体11と21層からなる光学薄膜層13との
密着性が著しく改善された。以下、このダイクロイック
フィルター10の剥離試験の結果を示す。 ダイクロイックフィルターの剥離試験 (テスト内容)ダイクロイックフィルター10の表面に
粘着テープ(例えばスコッチテープ等)を貼り、この粘
着テープをダイクロイックフィルター10の表面に対し
て垂直方向に引き上げても、光学薄膜層13は支持体1
1から剥離することがなかった。
【0019】次に、上述のダイクロイックフィルター1
0を製造する方法及びその製造装置について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る光学部品の製造装置
である光学薄膜層形成装置20を示す図である。この光
学薄膜形成装置20は、外気雰囲気と内部雰囲気を隔離
し得る筐体21を有している。この筐体21には、筐体
21内部を不純物(ガス等)の真空に保つためのターボ
ポンプ31が設けられていると共に、図示しない水分除
去手段をも有している。また、この筐体21内部には、
支持体11を巻き出すための第1の保持部である巻きだ
しロール24を有している。この巻きだしロール24の
近傍には、巻きだしロール24から巻き出された支持体
11を、筐体21に設けられたRFエッチ28に案内す
るためのガイドロール25a,25bが設けられてい
る。ここでRFエッチ28は、高周波(Radio F
requency)プラズマエッチングのことであり、
アルゴン若しくは酸素雰囲気中で、プラズマをたてて、
プラスチック製の支持体11の表面をエッチングするこ
とで、きれいな表面を形成させるものである。
【0020】また、この光学薄膜装置20は、図2に示
すように冷却ドラム27を有している。この冷却ドラム
27は、前記支持体11の温度上昇を押さえるためのも
のである。そして、この冷却ドラム27に支持体11を
案内するためのガイドロール25c、25eが、図2に
示すように配置されている。図2において冷却ドラム2
7の左側に相当する筐体21側には、ニオブ(Nb)を
支持体11にスパッタするためのメタルターゲットであ
るNbスパッタ22が配置されている。また、図2にお
いて冷却ドラム27の右側に相当する筐体21側には、
珪素(Si)を交流又は直流で支持体11にスパッタす
るためのメタルターゲットであるSiスパッタ23が配
置されている。このSiスパッタ23の図において上部
の筐体21側には、ガス導入バルブ29が設けられてい
る。このガス導入バルブ29は、Nbスパッタ22やS
iスパッタ23によってニオブ(Nb)や珪素(Si)
を支持体11にスパッタする際に、このスパッタを誘導
するための例えばアルゴン又は窒素等の不活性ガス、若
しくはその他の反応ガスを導入するためのものである。
【0021】すなわち、スパッタで形成する光学薄膜が
例えば、図1に示す酸化珪素(SiO 2)や五酸化ニオ
ブ(Nb 2O 5)の場合は、Nbスパッタ22とSiス
パッタ23で、それぞれ、ニオブ(Nb)や珪素(S
i)を用いると共に、ガス導入バルブ29からアルゴン
と共に酸素を導入することで、酸化珪素(SiO 2)や
五酸化ニオブ(Nb 2O 5)の光学薄膜を形成すること
になる。このガス導入バルブ29の図2の上部で、冷却
ドラム27と支持体11を巻き取るための第2の保持部
である巻き取りロール26との間には、透過率モニター
30が設けられている。また、冷却ドラム27から支持
体11を、透過率モニター30及び巻き取りロール26
に案内するためのガイドロール25fが設けられてい
る。この透過率モニター30では、必要に応じて、支持
体11に成膜された光学膜の膜厚が、予め設計された透
過率特性を満たしているか否かをモニターし、その結果
を外部の図示しない表示部に表示するようになってい
る。図2において、この透過率モニター30の上部に
は、上述した巻き取りロール26が配置され、最終的
に、この巻き取りロール26で巻き取ることになる。ま
た、密着層12をスパッタにより形成する際、筐体21
内の残留水分により珪素が酸化されるのを防ぐため、筐
体21内部あるいは外部に接続した上述の図示しない水
分除去手段によって、筐体21内の水分を除去すること
が望ましい。
【0022】本実施の形態に係る光学薄膜形成装置20
は、以上のように構成されているが、この光学薄膜形成
装置20を用いた光学部品の製造方法を、例えばダイク
ロイックフィルター10について以下、説明する。先
ず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)より
成り、その厚みが例えば188μmである帯状の可撓性
プラスチックフィルム11aを用いる。このプラスチッ
クフィルム11a上には、図1に示すように、シリコー
ン樹脂より成るハードコート層11bを例えば厚さ6μ
mで形成し、前記支持体11を形成する。このように形
成された、支持体11をロール状にして、図2の巻きだ
しロール24に設置し、支持体11の一端部が巻き取り
ロール26に係合するようにする。このように配置する
ことで、支持体11は、巻きだしロール24からガイド
ロール25a,25b、25cを介し、冷却ドラム27
を経て、ガイドロール25e、25fを介し、巻き取り
ロール26に巻き取られることになる。密着層12を成
膜するときの支持体11の走行速度は、例えば2.5m
/minである。また、光学薄膜層13を成膜する場合
は、例えば0.2m/minである。上記の配置された
支持体11上に密着層である珪素(Si)を成膜するこ
とになる。具体的には、先ず筐体21内にガス導入バル
ブ29からアルゴンガスを注入し、筐体21内をアルゴ
ンガス雰囲気とする。このときのアルゴンガスの流量
は、例えば200sccmである。この状態で、図2の
Siスパッタ23を用いて上述のように、珪素(Si)
薄膜を、例えば2nmの厚みで、支持体11上に形成す
る。このときのスパッタ電力は、例えば0.8kwであ
る。
【0023】支持体11上に、珪素(Si)の成膜が終
了すると、このように珪素(Si)が成膜されている支
持体11を巻き取りロール26から取り外し、巻きだし
ロール24に取り付ける。このように取り付けられた珪
素(Si)が成膜されている支持体11の一端部を上述
と同様に巻き取りロール26に配置する。そして、次
に、図1に示す酸化珪素(SiO 2)を成膜する。具体
的には、筐体21に付いている真空排気装置であるター
ボポンプ31で排気し、ガス導入バルブ29から、酸素
とアルゴンを注入し、筐体21内を酸素/アルゴン雰囲
気とする。その後、図2に示すSiスパッタ22を用い
て酸化珪素(SiO 2)の薄膜を例えば151.4nm
成膜する。この酸化珪素(SiO 2)の薄膜形成が終了
した後、この珪素(Si)と酸化珪素(SiO 2)が成
膜されている支持体11を巻きだしロール24に配置
し、筐体21の雰囲気をガス導入バルブ29を用いて酸
素/アルゴン雰囲気とし、図2に示すNbスパッタ22
を用いて五酸化ニオブ(Nb2 O5 )の薄膜を例えば、
95.9nmの厚みで成膜する。このようにして、図1
に示す順番通りに、酸化珪素(SiO 2)の薄膜と五酸
化ニオブ(Nb2 O5 )の薄膜を例えば21層積層し光
学薄膜層13が完成することになる。
【0024】そして、それぞれの薄膜の厚みは、例えば
図1に示す厚みとなる。ところで、このように積層され
る薄膜のうち、酸化珪素(SiO 2)層は、低透過率層
であり、五酸化ニオブ(Nb2 O5 )層は、高透過率層
である。このように低透過率層の酸化珪素(SiO 2)
層と高透過率層の五酸化ニオブ(Nb2 O5 )層を1組
として、図1に示すように例えば10組積層することで
ダイクロイックフィルター10が製造されることにな
る。
【0025】以上のようにして製造されたダイクロイッ
クフィルター10は、21層も支持体11上に積層して
も、上述のテストの結果のとおり光学薄膜層13が支持
体11から剥離することがなかった。また、密着層であ
る珪素(Si)層は2nmという薄さでも充分、密着層
としての役割を果たすため、その上に積層された光学薄
膜層13の光学特性にも影響がなく、良好なダイクロイ
ックフィルター10を製造することができた。
【0026】なお、本実施の形態においては、低透過率
層として酸化珪素(SiO 2)を用いたが、酸化珪素
(SiO 2)に代えて、弗化マグネシウム層としてもよ
い。この場合、一般には、マグネシウムを材料として、
電子ビームによる蒸着を行う。
【0027】
【発明の効果】以上のべたように、本発明によれば、多
数層の光学薄膜を支持体上に形成した密着性の良い光学
部品、その製造法及び光学部品の製造装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイクロイックフィ
ルターの概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光学薄膜形成装置2
0を示す概略断面図である。
【図3】帯域フィルターの特性を示した図である。
【図4】帯域フィルターの形成例を示す図である。
【図5】エッジフィルターの特性を示した図である。
【図6】エッジフィルターの形成例を示す図である。
【符号の説明】 10・・・ダイクロイックフィルター、11・・・支持
体、11a・・・プラスチックフィルター、11b・・
・ハードコート層、12・・・密着層、13・・・光学
薄膜層、20・・・光学薄膜層形成装置、21・・・筐
体、22・・・Nbスパッタ、Siスパッタ、24・・
・巻きだしロール、25a,25b,25c,25e,
25f・・・ガイドロール、26・・・巻き取りロー
ル、27・・・冷却ドラム、28・・・RFエッチ、2
9・・・ガス導入バルブ、30・・・透過率モニター、
31・・・ターボポンプ
フロントページの続き (72)発明者 柿沼 正康 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 河嶋 利孝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 本庄 禎治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA09 GA13 GA14 GA19 GA27 GA34 GA36 GA60 2K009 AA15 BB24 CC01 CC33 CC42 DD04 DD09 EE00 4K029 AA11 AA25 BA42 BA43 BA45 BA46 BA47 BA48 BA50 BB02 BC07 BD09 CA05 DC02 EA00 EA01 EA04 EA05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明又は半透明の支持体上の珪素よりな
    る密着層と、 その密着層上の複数層から成る光学薄膜層とを有するこ
    とを特徴とする光学部品。
  2. 【請求項2】 前記支持体が可撓性のある支持体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  3. 【請求項3】 前記支持体が有機物であることを特徴と
    する請求項1に記載の光学部品。
  4. 【請求項4】 前記可撓性のある支持体がプラスチック
    フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の光学
    部品。
  5. 【請求項5】 前記支持体がポリエチレンテレフタレー
    ト、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタアクリ
    レート、ポリカーボネート又はアモルファスポリオレフ
    ィンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載
    の光学部品。
  6. 【請求項6】 前記支持体が、その表面にハードコート
    層を持つプラスチックフィルムであることを特徴とする
    請求項1に記載の光学部品。
  7. 【請求項7】 前記密着層が略1nm乃至略10nmの
    厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の光学部
    品。
  8. 【請求項8】 前記密着層が略1nm乃至略5nmの厚
    さを有することを特徴とする請求項1に記載の光学部
    品。
  9. 【請求項9】 前記光学部品が反射防止ミラー、高反射
    ミラー又はフィルターであることを特徴する請求項1に
    記載の光学部品。
  10. 【請求項10】 前記フィルターがエッジフィルター、
    帯域フィルター又はダイクロイックフィルターであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の光学部品。
  11. 【請求項11】 前記密着層を含む前記多層膜の膜数が
    4乃至8であり、且つ反射防止機能を有することを特徴
    とする請求項1に記載の光学部品。
  12. 【請求項12】 前記密着層を含む前記多層膜の膜数が
    9以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学部
    品。
  13. 【請求項13】 前記支持体上に前記密着層を設け、そ
    の上に低屈折率層上に高層折率層が積層された組又は高
    屈折率層上に低屈折率層が積層された組が4組以上積層
    されたことを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  14. 【請求項14】 前記支持体上に前記密着層を設け、そ
    の上に低屈折率層上に高層折率層が積層された組が4組
    以上積層された最外層に低屈折率層を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の光学部品。
  15. 【請求項15】 前記支持体上に前記密着層を設け、そ
    の上に高屈折率層上に低屈折率層が積層された組が4粗
    以上積層された最外層に高屈折率層を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の光学部品。
  16. 【請求項16】 前記低屈折率層が酸化珪素又は弗化マ
    グネシウムであることを特徴とする請求項15に記載の
    光学部品。
  17. 【請求項17】 前記高層折率層が酸化チタン、酸化タ
    ンタル、酸化ニオブ、インジウム ティン オキサイ
    ト、酸化錫又は酸化セリウムであることを特徴とする請
    求項15に記載の光学部品。
  18. 【請求項18】 支持体上に珪素のメタルターゲットを
    用いて密着層をスパッタにより形成する工程と、 前記密着層上に光学薄膜原材料のターゲットを用いて複
    数層から成る光学薄膜を形成する工程とを有することを
    特徴とするする光学部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記交流又は直流スパッタ時にアルゴ
    ン又は窒素を成膜室に導入して前記密着層を形成するこ
    とを特徴とする請求項18に記載の光学部品の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記アルゴン又は前記窒素の導入量を
    制御しながら前記密着層を形成することを特徴とする請
    求項19に記載の光学部品の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記密着層の形成後にこの密着層の光
    の透過率をモニターしながら前記アルゴン又は前記窒素
    の導入量を制御することを特徴とする請求項20に記載
    の光学部品の製造方法。
  22. 【請求項22】 支持体を保持する第1の保持部と、 前記第1の保持部から送出される前記支持体を受け取る
    ための第2の保持部と、 前記第1の保持部と前記第2の保持部との間に配置され
    ると共に、前記支持体に対してスパッタするための珪素
    のメタルターゲットと、を有することを特徴とする光学
    部品の製造装置。
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