JP2003262720A - 光学多層膜フィルタ - Google Patents

光学多層膜フィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光通信に適応できるバンドパス特性を得るこ
とができる光学多層膜フィルタを提供する。 【解決手段】 第1の光学媒質からなる複数の第1の光
学媒質層と、第1の光学媒質層より高い屈折率を有する
第2の光学媒質からなる複数の第2の光学媒質層とを交
互に積層した複数の積層体を、第1の光学媒質層または
第2の光学媒質層からなるキャビティ層を介して接続し
たマルチキャビティ構成を有する光学多層膜フィルタに
おいて、第1の光学媒質層または第2の光学媒質層のう
ち少なくとも1層を、第1の光学媒質と第2の光学媒質
との間の屈折率を有する第3の光学媒質からなる第3の
光学媒質層により形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信装置や光学
デバイス等に使用される光学多層膜フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】光学多層膜フィルタは、光学的な屈折率
の異なる光学媒質膜、例えば誘電体膜を交互に積み重ね
て形成され、境界面での反射光の干渉を利用して所定の
光学特性を得るものである。現在、単層膜では得られな
い所望の光学特性を得るために、眼鏡などのガラス上お
よびプラスチック上への無反射コーティング、ビデオカ
メラの色分解プリズム、バンドパスフィルタなどの各種
光学フィルタ、発光レーザの端面コーティング等に使用
されている。また、最近の状況として広帯域光波長多重
(高密度波長分割多重(DenseWavelengt
h Division Multiplexing:D
WDM)通信に用いる合波フィルタや分波フィルタ、さ
らに、短距離間に用いられるイーサネット(登録商標)
通信において10Gbps級の広光波長多重(Wide
Wavelength Division Mult
iplexing:WWDM)通信(lEEE802.
3規格)に応用される。
【0003】光学フィルタの設計について、図14から
図16を参照して説明する。図14に示すように、屈折
率n0の基板1上に、屈折率n1の透明な光学媒質膜12
を膜厚d1で形成した単層膜フィルタにおいて、光学媒
質膜12に光が入射した場合に、特性マトリックス
(M)は、式(1)のように定義される。
【0004】
【数1】
【0005】但し、入射光の波長をλ、入射角は入射面
の法線に対しθ、β=2π(n1)(d1)・cos
(θ)/λ、r=(n1)・cos(θ)と定義する。
また、iは虚数を示し、m11、m12、m21、m22は、特
性マトリックス(M)の行列成分であり、m11=m22
cos(β)、m12=1/r・sin(β)、m21=r
・sin(β)である。
【0006】式(1)において、入射角θが0度の場合
には、cos(θ)=1となるため、β=2π(n1
(d1)/λ、r=(n1)となる。また、入射角θ=0
で、かつ、光学膜厚が(n1)(d1)=λ/4の場合に
は、β=π/2であるので、cos(β)=0、sin
(β)=1となる。したがって、m11=m22=0、m 12
=1/(n1)、m21=(n1)となる。さらに、入射角
θ=0で、かつ、光学膜厚が(n1)(d1)=λ/2の
場合には、β=πであるので、cos(β)=−1、s
in(β)=0となる。したがって、m11=m22=0、
12=1/(n 1)、m21=n1となる。また、式(1)
の特性マトリックス(M)から、反射率係数rおよび透
過率係数tは、入射角θが0度の場合には、r=n1
あるため、基板の屈折率がn0の場合に、式(2)、式
(3)となる。
【0007】
【数2】
【0008】式(2)、式(3)から、反射率Rは式
(4)、透過率Tは式(5)となる。
【0009】
【数3】
【0010】光学膜厚が(n1)(d1)=λ/4および
光学膜厚が(n1)(d1)=λ/2の場合には、高い反
射率、高い透過率を得られる。次に、図15に示すよう
な光学多層膜の場合には、全体の特性マトリックス
(M)は、各光学媒質の特性マトリックスをM1、M2
3、...、Mk-1、Mkとした場合に、式(6)とな
る。但し、全体特性マトリックス(M)の行列成分をm
11、mm12、mm21、mm22とした。
【0011】
【数4】
【0012】上記のように、特性マトリックス(M)に
より、式(4)や式(5)と同様に反射率Rと透過率T
を求めることが可能である。式(6)において、入射光
の波長λを設計波長(または中心波長)λ0に固定して
光学膜厚ndを選択することで、光学フィルタとしての
設計が可能となるため、所望のバンドパスフィルタを得
ることができる。
【0013】次に、光波長多重(波長分割多重(Wav
elength DivisionMultiplex
ing:WDM))通信に用いる合波フィルタや分波フ
ィルタの要求仕様について、図16の透過特性を参照し
て説明する。バンドパス特性を評価する基準として、一
般的に−0.5dBでのフィルタ透過幅(または透過帯
幅)W(F)と、−25dBでのクロストーク透過幅(ま
たは−25dB透過波長幅)W(C)と、挿入損失とリッ
プル強度(または透過帯域リップル)が用いられる。
【0014】フィルタ透過幅W(F)は、光信号が透過す
るバンドパス信号の幅を示しており、狭いほど規定され
たバンド帯域の中で多くの信号を通すことが可能とな
る。また、クロストーク幅W(C)は、混信することなし
にバンドパス信号をどれだけ近接させることができるか
を示しており、細いほど混信せずにバンドパス信号を並
べることができる。つまり、フィルタ透過幅W(F)とク
ロストーク幅W(C)がともに狭くなることで、規定され
たバンド帯域の中で通信に使用できるバンドパス信号が
増えることになる。また、挿入損失とは、バンドパス信
号の最大値の値と理想的な透過率100%の強度差を示
している。さらに、リップルとは、バンドパス信号の最
大値付近の部分に透過率が局所的に低下する現象が見ら
れることであり、さざ波とも呼ばれる。リップルが発生
した場合、所望のバンドパス特性が得られないことがあ
る。リップルが発生した場合の信号最大値と局所的透過
率低下値との差をリップル強度とする。理想的なバンド
パス特性として、点線で示した矩形の形状が求められて
いる。
【0015】現在使用されているバンドパスフィルタの
特性としては、−0.5dBでのフィルタ透過幅は2n
m以下で、−25dBでのクロストーク透過幅が4nm
から8nm程度であるが、既にフィルタ透過幅が1nm
以下のバンドパスフィルタの実用化を迎えている。さら
に、次世代の広帯域光波長多重通信(DWDM通信)に
用いるバンドパス特性の要求仕様としては、フィルタ特
性幅が0.1nm、クロストーク幅が0.3nm、挿入
損失が1dB以下、リップル強度が0.2dBという値
が要求されている。このため最適なバンドパス特性の設
計が求められている。また、光学多層膜の総数も数十層
から数百層と非常に多くなるため、膜厚や膜質の均一性
もこれまで以上に高精度なものが要求されるようになっ
ている。
【0016】さらに、幹線の大規模通信だけでなく、L
AN(Loca1 Area Network)通信で
デファクトスタンダードになっているイーサネット通信
においても、光学多層膜フィルタが使用されつつある。
現在のツイストペアによる通信に代わって光ファイバを
用いた10GBASE−Xや10GBASE−Wという
10Gbps級の通信がIEEE802.3規格として
標準化され、普及に向けた検討が進んでいる。この場合
に用いられる多重通信方式は、WWDM通信(CWDM
通信ともいう)と呼ばれ、1310nmや1550nm
付近の波長帯域において、数十nmずれた4つの波長で
4つのデータを重ね合わせて送信し、4つの受光器で別
々に読み取るものである。通信距離は約300mである
が、LANの世界では一番期待されている方式となって
いる。
【0017】このWWDM通信用にも光学多層膜フィル
タが用いられる。評価基準としては、図16に示したフ
ィルタ特性で、フィルタ特性幅が10nm、クロストー
ク幅が20nm以下、挿入損失が1dB以下、リップル
強度が0.5dBという値が要求されている。このWW
DM通信用光学多層膜フィルタでは、低コスト化が最大
の課題とされている。
【0018】多層膜に用いられる薄膜材料として、シリ
コン(Si)、アモルファスシリコン(a−Si)、水
素化アモルファスシリコン(a−Si:H)、二酸化シ
リコン(SiO2)、五酸化タンタル(Ta25)、ア
ルミナ(Al23)、二酸化チタン(TiO2)、二酸
化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ハフニウム(Hf
2)、二酸化ランタン(LaO2)、二酸化セリウム
(CeO2)、三酸化アンチモン(Sb23)、三酸化
インジウム(In23)、酸化マグネシウム(Mg
O)、二酸化ソリウム(ThO2)などの酸化物および
二元以上の酸化物、あるいは、シリコン酸窒化物(Si
xx)、あるいは、シリコン窒化物(SiN)、窒化
アルミニウム(AlN)、窒化ジルコニウム(Zr
N)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化ランタン(La
N)などの窒化物および二元以上の窒化物、あるいは、
フッ素化マグネシウム(MgF2)、三フッ化セリウム
(CeF3)、二フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化
リチウム(LiF)、六フッ化三ナトリウムアルミニウ
ム(Na3AlF6)などのフッ素化物、あるいは、二元
以上のフッ素化物などがある。
【0019】一般には、これらの薄膜材料のうち適当な
屈折率の異なる2種類の物質を選択し、透明基板上に薄
膜形成装置を用いて光学多層膜フィルタを作成する。こ
のような材料を積み重ねて多層膜として形成するため
に、様々な形成装置および形成方法が試みられている。
中でもスパッタ法(スパッタリング法)は、危険度の高
いガスや有毒ガスなどを使用する必要がなく、堆積する
膜の表面凹凸(表面モフォロジ)が比較的良好であるな
どの理由により、有望な成膜装置・方法の一つとなって
いる。その中でも、スパッタ法において化学量論的組成
の膜を得るための優れた装置・方法として酸素ガスや窒
素ガスなどの反応ガスを供給し、膜中の酸素や窒素が欠
落するのを防止する反応性スパッタ装置・方法が有望で
ある。
【0020】反応性スパッタ装置・方法の中でも、電子
サイクロトロン共鳴(Electron Cyclot
ron Resonance:ECR)と発散磁界を利
用して作られたプラズマ流を基板に照射するとともに、
ターケットと接地間に高周波または直流電圧を印加し、
上記ECRで発生させたプラズマ流中のイオンをターケ
ットに引き込み衝突させてスパッタ現象を引き起こすこ
とにより、膜を基板に堆積させる装置・方法(以下、こ
れをECRスパッタ法という)が良好な膜質を得られる
として最も有望である。ECRスパッタ法の特徴は、例
えば、小野地、ジャパニーズジャーナルオブアプライド
フィジクス、第23巻、第8号、L534頁、1984
年(Jpn.J.Appl.Phys.23,no.
8,L534(1984).)に記載されている。
【0021】一般的に、RFマグネトロンスパッタ法に
おいては、0.1Pa程度以上のガス圧力でないと安定
なプラズマは得られないのに対し、上記ECRスパッタ
法では、0.01Pa程度以下の分子流領域のガス圧力
で安定なECRプラズマが得られる。また、ECRスパ
ッタ法は、高周波または直流電圧により、ECRにより
生成したイオンをターゲットに当ててスパッタリングを
行うため、低い圧力でスパッタリングができる。
【0022】また、ECRスパッタ法では、基板にEC
Rプラズマ流とスパッタされた粒子が照射される。EC
Rプラズマ流のイオンは、発散磁界により10eVから
数10eVのエネルギーに制御される。また、気体が分
子流として振る舞う程度の低い圧力でプラズマを生成・
輸送しているために、基板に到達するイオンのイオン電
流密度も大きく取れる。したがって、ECRプラズマ流
のイオンは、スパッタされて基板に飛来した原料粒子に
エネルギーを与えるとともに、原料粒子と酸素または窒
素との結合反応を促進することとなり膜質が改善され
る。
【0023】ECRスパッタ法は、特に、外部からの加
熱をしない室温に近い低い基板温度で基板上に高品質の
膜が形成できることが特徴である。ECRスパッタ法に
よる高品質な薄膜堆積については、例えば、天澤他、ジ
ャーナルオフバキュームサイエンスアンドテクノロジ
ー、第B17巻、第5号、2222頁、1999年
(J.Vac.Sci.Technol.B17,n
o.5,2222(1999).)に記載されている。
【0024】また、ECRスパッタ法で堆積した膜の表
面モフォロジは、原子スケールのオーダーで平坦であ
る。したがって、ECRスパッタ法は、ナノメーターオ
ーダーの極薄膜からなる多層膜を形成するのに有望な装
置・方法である。
【0025】さらに、ECRスパッタ法では、反応性ガ
スの分圧を制御することで、堆積膜の屈折率を精度良く
制御することができる。この特性を利用することによ
り、他のスパッタ法では困難な任意の屈折率に調整した
堆積膜を形成し、多層膜として形成することができる。
【0026】図17に、代表的な光学多層膜フィルタの
構成例を示す。光学膜厚nd=λ0/2のキャビティ層4
(2L)と呼ばれる層の上下を、第1の光学媒質層2
(光学膜厚nd=λ0/4;L層)と第1の光学媒質層よ
りも高い屈折率を有する第2の光学媒質層3(光学膜厚
d=λ0/4;H層)とにより交互に積層した多層膜で
挟んだ構造となっている。キャビティ層4は、第1の光
学媒質層2と第2の光学媒質層3とを交互に積層した積
層体のうち、所定の位置の層であり、光学膜厚がλ0
2の整数倍の第1の光学媒質層2または第2の光学媒質
層3により構成される。
【0027】図17では、基板1上に第2の光学媒質層
3(H層)と第1の光学媒質層2(L層)とを繰り返し
23層積層し、この上に2Lのキャビティ層4を形成
し、さらにその上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒
質層2を繰り返し23層積層して全体で47層の多層膜
となっている。このような、キャビティ層4を1つ持つ
層構造を「シングルキャビティ」または「1キャビテ
ィ」と呼ぶことが多い。さらに、キャビティ層4が2
つ、3つ、4つ、5つと増えた場合、それぞれ「ダブル
キャビティ」または「2キャビティ」、「トリプルキャ
ビティ」または「3キャビティ」、「4キャビティ」、
「5キャビティ」と呼ぶ。
【0028】図17を参照し、第1の光学媒質層2とし
て屈折率が1.48の二酸化シリコン(SiO2)、第
2の光学媒質層3として屈折率が2.14の五酸化タン
タル(Ta25)を用いた場合について詳細に説明す
る。ただし、バンドパスフィルタとしての設計波長はλ
0=1550nmとした。基板1としては、一般的に使
用される、BK−7や結晶化ガラス等の基板を用いた。
第2の光学媒質層3の光学膜厚dHは119.23nm
であり、第1の光学媒質層2の光学膜厚dLは181.
07nmであり、キャビティ層4の光学膜厚dCは2×
Lで362.15nmである。また、図17では、屈
折率を層の横幅により、模式的に表した。つまり、第1
の光学媒質層2よりも第2の光学媒質層3の横幅が広い
のは、第2の光学媒質層の方の屈折率が大きいことを示
している。
【0029】図17に示した光学多層膜フィルタの透過
特性を図18に示す。図18によれば、極めて急峻で狭
いバンドパス特性が得られるのがわかる。さらに、フィ
ルタ透過幅は、0.1nm以下であり、挿入損失もな
く、リップルもない形状が得られている。しかし、バン
ドパススペクトルの形状は、鋭い三角形の形状であり、
−25dBのクロストーク幅が1nm以上であり、仕様
を大きく超えている。つまり、図16の透過特性におい
て点線で示した矩形の形状(理想的なバンドバス特性)
から外れている。したがって、シングルキャビティでD
WDM通信用のフィルタを作製するのは困難であること
がわかる。
【0030】そこで、キャビティ数を増やすことによ
り、バンドパススペクトル形状を矩形にしようとする試
みがなされている。図19は、例として、第1の光学媒
質層2として屈折率が1.48の二酸化シリコン(Si
2)、第2の光学媒質層3として屈折率が2.14の
五酸化タンタル(Ta25)を用い、キャビティ数を2
とした2キャビティ(ダブルキャビティ)の場合のスペ
クトル形状を示す。バンドパスフィルタとしての設計波
長はλ0=1550nmとした。基板上に第2の光学媒
質層3と第1の光学媒質層2とを交互に40層積層し、
この上に2Lのキャビティ層を形成し、さらにその上に
第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2を繰り返し8
1層積層して、さらにこの上に2Lのキャビティ層を形
成し、さらにその上に第2の光学媒質層3と第1の光学
媒質層2を繰り返し40層積層する。したがって、全体
で163層の多層膜となる。
【0031】上記のようにシングルキャビティを直列配
置して2以上のキャビティを持つ多層膜構造が一般的に
用いられており、ファブリペロー型と呼ばれる。図19
のバンドパススペクトル形状を参照すると、フィルタ透
過幅は約0.1nmを達成しており、挿入損失も0.5
dB程度であるが、−25dBのクロストーク幅はシン
グルキャビティに比較して、狭くなったが、0.2nm
以上であり矩形のプロファイルではないため、要求仕様
を満たさない。
【0032】そこで、さらにキャビティ数を増やし、バ
ンドパススペクトルの形状を矩形のプロファイルに近づ
ける試みがされている。例として、第1の光学媒質層2
として屈折率が1.48の二酸化シリコン(Si
2)、第2の光学媒質層3として屈折率が2.14の
五酸化タンタル(Ta25)を用い、キャビティ数を3
とした3キャビティ(トリプルキャビティ)の場合につ
いて説明する。基板1上に第2の光学媒質層3と第1の
光学媒質層2とが交互に23層積層される。この上に2
Lのキャビティ層が形成される。この上に、第2の光学
媒質層3と第1の光学媒質層2とが繰り返し47層積層
される。さらにこの上に、2Lのキャビティ層が形成さ
れる。さらにその上に、第2の光学媒質層3と第1の光
学媒質層2とが繰り返し47層積層される。さらにこの
上に、2Lのキャビティ層が形成される。さらにその上
に、第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが繰り
返し23層積層される。したがって、全体で143層の
多層膜となる。バンドパスフィルタとしての設計波長は
λ0=1550nmとした。
【0033】図20に3キャビティのバンドパススペク
トル形状を示す。フィルタ透過幅は0.1nm以下を達
成しており、−25dBのクロストーク幅も0.15n
m程度となり、ほぼ矩形プロファイルが得られ、挿入損
失もほぼ0dBとDWDM用の要求仕様を満たしている
ことがわかる。しかしながら、0.5dB以上のリップ
ルが現れており、要求仕様を満たさない。
【0034】このリップルが現れる現象は、4以上のキ
ャビティでも見られる。図21に、第1の光学媒質層2
として屈折率が1.48の二酸化シリコン(Si
2)、第2の光学媒質層3として屈折率が2.14の
五酸化タンタル(Ta25)を用い、キャビティ数を4
とした4キャビティの場合とキャビティ数を5とした5
キャビティのスペクトル形状を示す。設計波長はλ0
1550nmとした。
【0035】4キャビティでは、基板1上に第2の光学
媒質層3と第1の光学媒質層2とが繰り返し多層積層さ
れ、2Lのキャビティ層が4層配置され、全体で191
層の多層膜となる。図21のバンドパススペクトル形状
を参照すると、フィルタ透過幅は0.1nm以下を達成
しており、−25dBのクロストーク幅も約0.1nm
とほぼ矩形プロファイルが得られ、挿入損失もほぼ0d
BとDWDM用の要求仕様を満たしていることがわか
る。しかしながら、1.5dBにも及ぶリップルが現れ
ており、要求仕様を満たさない。
【0036】5キャビティでは、基板上に第2の光学媒
質層3と第1の光学媒質層2とが繰り返し多層積層さ
れ、2Lのキャビティ層が5層配置され、全体で239
層の多層膜となる。図21のバンドパススペクトル形状
を参照すると、フィルタ透過幅は0.1nm以下を達成
しており、−25dBのクロストーク幅も約0.1nm
とほぼ矩形プロファイルが得られ、挿入損失もほぼ0d
BとDWDM用の要求仕様を満たしていることがわか
る。しかしながら、2.5dBにも及ぶリップルが現れ
ており、要求仕様を満たさない。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、2キャ
ビティ、3キャビティ、4キャビティ、5キャビティで
見られたようなリップルが発生する現象は、6以上のキ
ャビティでさらに顕著になる。キャビティ数が増加する
にしたがって、クロストーク幅は小さくなるが、フィル
タ透過幅やリップル強度は大きくなってしまう。フィル
タ透過幅は、層の総数により調整できるが、リップル強
度は、調整できない。
【0038】また、例に示した二酸化シリコン(SiO
2)と五酸化タンタル(Ta25)以外、例えば五酸化
タンタルと水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)の多層膜でも、また、その他の多層膜の組み合わせ
ても、この現象は見られる。
【0039】そのため、0.1nm程度と狭いフィルタ
透過幅を実現しながら、狭いクロストーク幅と矩形に近
いバンドパス特性を得るとともに、挿入損失とリップル
を抑えたバンドパスプロファイルを示すフィルタ構造の
実現が不可欠となっている。
【0040】そこで、本発明の目的は、光通信に適応で
きるバンドパス特性を得ることができる光学多層膜フィ
ルタを提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現するた
め、本発明は、第1の光学媒質からなる複数の第1の光
学媒質層と、第1の光学媒質層より高い屈折率を有する
第2の光学媒質からなる複数の第2の光学媒質層とを交
互に積層した複数の積層体を、第1の光学媒質層または
第2の光学媒質層からなるキャビティ層を介して接続し
たマルチキャビティ構成を有する光学多層膜フィルタに
おいて、第1の光学媒質層または第2の光学媒質層のう
ち少なくとも1層を、第1の光学媒質と第2の光学媒質
との間の屈折率を有する第3の光学媒質からなる第3の
光学媒質層により形成したことを特徴とする。ここで、
光学多層膜フィルタを構成する複数の積層体のうち、少
なくとも1つについて、第1の光学媒質層または第2の
光学媒質層のうち少なくとも1層を、第3の光学媒質層
に置き換えてもよい。
【0042】さらに、第1の光学媒質層、第2の光学媒
質層、および第3の光学媒質層は、これらの光学膜厚が
それぞれ、バンドパスフィルタとしての設計波長λに対
して、λ/4となる膜厚を有し、キャビティ層は、この
キャビティ層の光学膜厚が、バンドパスフィルタとして
の設計波長λに対して、λ/2の整数倍となる膜厚を有
することを特徴とする。
【0043】本発明によれば、第1の光学媒質層または
第2の光学媒質層のうち少なくとも1層を、第1の光学
媒質と第2の光学媒質との間の屈折率を有する第3の光
学媒質からなる第3の光学媒質層により形成することに
より、優れたバンドパスフィルタ特性が得られる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態
を説明するための全図において、同一機能を有するもの
は同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0045】実施の形態1にかかる光学多層膜フィルタ
は、3キャビティの基本構造を有し、基板1と第3のキ
ャビティ層4cと、第3のキャビティ層4cと第2のキ
ャビティ層4bと、第2のキャビティ層4bと第1のキ
ャビティ層4aと、第1のキャビティ層4aと空気との
間の、第1の光学媒質層または第2の光学媒質層の代わ
りに、第1の光学媒質層と第2の光学媒質層の間の屈折
率を有する第3の光学媒質からなる第3の光学媒質層を
配置した構造である。
【0046】具体的な構造は、図1に示すように、透明
基板1上に、第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば11層積層され、その上に第3の光学
媒質層5が形成され、その上に第2の光学媒質層3と第
1の光学媒質層2とが交互に例えば11層積層されてい
る。その上に第3のキャビティ層4cが形成されてい
る。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば20層積層され、第3の光学媒質層5
が形成され、その上に第1の光学媒質層2と第2の光学
媒質層3とが交互に例えば26層積層されている。その
上に第2のキャビティ層4bが形成されている。その上
に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に
例えば19層積層され、第3の光学媒質層5が形成さ
れ、その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば27層積層されている。その上に第1
のキャビティ層4aが形成されている。その上に第2の
光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば8
層積層され、第3の光学媒質層5が形成され、その上に
第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3とが交互に例
えば14層積層されている。したがって、全体で143
層の多層膜となる。
【0047】基板1としては、屈折率1.47の透明基
板、第1の光学媒質層2として屈折率が1.48の二酸
化シリコン(SiO2)、第2の光学媒質層3として屈
折率が2.14の五酸化タンタル(Ta25)、第1の
キャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3のキ
ャビティ層4cとしては第1の光学媒質層2と同様に屈
折率が1.48の二酸化シリコン、第3の光学媒質層5
としては屈折率が1.60の酸化シリコン(SiOx
または酸窒化シリコン(SiOxy)を用いる。
【0048】それぞれの光学膜厚は、バンドパスフィル
タとしての設計波長(以下、設計波長と呼ぶ)をλ0
1550nmとした場合に、第1の光学媒質層2は26
1.82nm,第2の光学媒質層3は119.23n
m、第1のキャビティ層4a、第2のキャビティ層4
b、第3のキャビティ層4cは523.64nmであ
る。また、第3の光学媒質層5は、242.19nmで
ある。
【0049】また、図1においては、第1の光学媒質層
2と第2の光学媒質層3と第1のキャビティ層4aと第
2のキャビティ層4bと第3のキャビティ層4cと第3
の光学媒質層5の屈折率を、それぞれ層の横幅により、
模式的に表した。つまり、第1の光学媒質層2より第2
の光学媒質層3の横幅が広いのは第2の光学媒質層3の
屈折率が大きいためであり、第3の光学媒質層5の横幅
が第1の光学媒質層と第2の光学媒質層との間の幅であ
るのは、第3の光学媒質層5の屈折率が第1の光学媒質
層2と第2の光学媒質層3との間の値であることを示し
ている。
【0050】図2は、図1に示した光学多層膜フィルタ
において、第3の光学媒質層5(C層)を配置した場合
の設計透過特性を示す。比較のために第3の光学媒質層
5に置き換えない3キャビティの基本構成の設計透過特
性も合わせて示す。C層を配置しない場合には、フィル
タ透過幅が0.1nm以下で、リップルが0.6dBも
あるのに対し、C層を配置することにより、リップルが
大きく改善され0.2dB程度になることがわかる。
【0051】実施の形態1では、3キャビティ構造にお
いて、基板1より第3のキャビティ層4cに向かって1
2層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C
層)に置き換え、また第3のキャビティ層4cより第2
のキャビティ層4bに向かって21層目の第2の光学媒
質層3を第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、ま
た、第2のキャビティ層4bより第1のキャビティ層4
aに向かって20層目の第1の光学媒質層2を第3の光
学媒質層5(C層)に置き換え、また、第1のキャビテ
ィ層4aより基板1と反対側の方向に向かって9層目の
第2の光学媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)に置
き換えた構造を例として説明したが、基板1と第3のキ
ャビティ層4cの間の第1の光学媒質層2のうちどの第
1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に、お
よび第2のキャビティ層4bと第1のキャビティ層4a
の間の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒質層
2を第3の光学媒質層5(C層)に、および、第3のキ
ャビティ層4cと第2のキャビティ層4bの間の第2の
光学媒質層3のうちどの第2の光学媒質層を第3の光学
媒質層5(C層)に、および第1のキャビティ層4aと
空気の間の第2の光学媒質層3のうちどの第2の光学媒
質層を第3の光学媒質層5(C層)に置き換えても同様
の効果が得られる。
【0052】また、実施の形態1では、全層の数が14
3層であるが、所望のフィルタ透過幅やクロストーク幅
を得るために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィル
タを構成した場合においても同様の効果が得られること
は言うまでもない。さらに、上記実施の形態1とは逆
に、基板1と第3のキャビティ層4cとの間の第2の光
学媒質層3のうちどの第2の光学媒質層3を第3の光学
媒質層5(C層)に、第2キャビティ層4bと第1キャ
ビティ層4aとの間の第2の光学媒質層3のうちどの第
2の光学媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)に、第
3のキャビティ層4cと第2のキャビティ層4bとの間
の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒質層2を
第3の光学媒質層5(C層)に、第1キャビティ層4a
と空気との間の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光
学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置き換えて
も同様の効果が得られる。
【0053】次に、製造方法について説明する。ECR
スパッタ装置を用いて、光学多層膜フィルタの製造を行
った。図3に電子サイクロトロン共鳴(ECR)装置の
概略図を示す。
【0054】製造方法を具体的に説明する。まず、容器
内を真空にした後、ECRプラズマ源にスパッタガスお
よび反応性ガスを導入し適当なガス圧にする。次に、磁
気コイル9によりECRプラズマ源内に0.0875T
の磁場を発生させた後、導波管と石英窓11を通してE
CRプラズマ源に周波数が2.45GHzのマイクロ波
を導入し、ECR領域8に電子サイクロトロン共鳴(E
CR)プラズマを生成する。ECRプラズマは、発散磁
場により基板1方向にプラズマ流を作る。本実施の形態
に示すECRプラズマ源は、導入したマイクロ波電力を
一旦分岐してプラズマ源の直前で再び結合させるもの
で、ターゲット7からの飛散粒子が石英導入窓に付着す
ることを防ぐことにより、ランニングタイムを大幅に改
善できるものである。ECRプラズマ源と基板1との間
にリング状の円形ターゲット7を配置し、ターゲット7
に高周波電圧を印加してスパッタリングを行って、基板
ホルダ6に取り付けられた基板1上に薄膜を形成する。
【0055】また、複数のECRプラズマ源と複数のタ
ーゲット7を設置し、切り替えてスパッタリングを行う
ことによって、基板1上に屈折率の異なる複数の堆積膜
を多層膜として形成することができる。例えば、実施の
形態1においては、2つのECRプラズマ源に、それぞ
れ、シリコンターゲットとタンタルターゲットを設置
し、第1の光学媒質層2として二酸化シリコン(SiO
2)を、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル(T
25)を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビテ
ィ層4bと第3のキャビティ層4cに二酸化シリコン
を、第3の光学媒質層5(C層)として酸化シリコン
(SiOx)または酸窒化シリコン(SiOx y)を堆
積することによって、光学多層膜フィルタの形成を行っ
た。
【0056】ECRスパッタ装置において、ターゲット
7にシリコンと純アルミニウムを用い、また、反応性ガ
スとして酸素ガスと窒素ガスを、さらに不活性ガスとし
てアルゴンを用いて、酸化シリコン薄膜と酸窒化シリコ
ン薄膜とアルミナ薄膜の成膜を行った。ECRプラズマ
源には、供給する反応性ガスの多少に関わらず、プラズ
マが安定に得られるだけのアルゴンを導入する。
【0057】上記のようにして、基板1上に成膜した酸
化シリコン膜と酸窒化シリコンとアルミナ膜の屈折率の
酸素流量依存性を図4に示す。アルゴンガス流量を20
sccmとし、酸素ガス流量を0から8sccmの間で
変化させ、ECRイオン源に導入するマイクロ波電力を
500W、ターゲットに印加する高周波電力を500W
とした。ただし、酸窒化シリコンでは、酸素と窒素の流
量の合計が10sccmとなるように調整する。また、
基板1は加熱していない。なお、屈折率は638nmレ
ーザによるエリプソメータを用いて測定した。
【0058】図4によれば、酸化シリコン膜と酸窒化シ
リコン膜およびアルミナ膜の屈折率は、酸素流量の増加
にしたがって減少し、屈折率が化学量論的組成を満たす
二酸化シリコンまたはサファイア基板の屈折率になるこ
とがわかる。すなわち、反応性ガスによって良好な膜質
を保ちながら屈折率を制御できることを示している。具
体的には、酸化シリコン膜では、1.47から4.2の
範囲で、また、酸窒化シリコン膜では、1.47から
2.0の範囲で、また、アルミナ膜では、1.61から
4.3の範囲で、屈折率を制御できることを示してい
る。
【0059】さらに、二酸化シリコン膜を含む酸化シリ
コン膜、アルミナ膜のみならず、ECRスパッタ法で形
成できる五酸化タンタル、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、二酸化ハフニウム、二酸化ランタン、二酸化セ
レン、二酸化セリウム、三酸化アンチモン、三酸化イン
ジウム、酸化マグネシウム、二酸化ソリウム等の酸化
物、シリコン窒化物、窒化アルミニウム、窒化ジルコニ
ウム、窒化ハフニウム、窒化ランタン等の窒化物、およ
び、シリコン酸窒化物等の酸窒化物、フッ素化マグネシ
ウム、フッ素化セレン、三フッ化セリウム、二フッ化カ
ルシウム、フッ化リチウム、六フッ化三ナトリウムアル
ミニウム等のフッ素化物、さらには、堆積時に水素を導
入したアモルファスシリコン、あるいは、二元合金の酸
化物、二元合金の窒化物などにおいても反応性ガスの流
量(分圧)による屈折率制御ができる。
【0060】実施の形態2にかかる光学多層膜フィルタ
は、4キャビティの基本構造を有し、基板と第4のキャ
ビティ層と、第4のキャビティ層と第3のキャビティ層
と、第3のキャビティ層と第2のキャビティ層と、第2
のキャビティ層と第1のキャビティ層と、第1のキャビ
ティ層と空気との間の、第1の光学媒質層または第2の
光学媒質層の代わりに、第1の光学媒質と第2の光学媒
質との間の屈折率を有する第3の光学媒質からなる第3
の光学媒質層を配置した構造である。
【0061】具体的な構造は、図5に示すように、透明
基板1上に、第2の光学媒質層3とと第1の光学媒質層
2とが交互に例えば11層積層され、その上に第3の光
学媒質層5が形成され、その上に第2の光学媒質層3と
第1の光学媒質層2とが交互に例えば11層積層されて
いる。その上に第4のキャビティ層4dが形成されてい
る。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば20層積層され、第3の光学媒質層5
が形成され、その上に第1の光学媒質層2と第2の光学
媒質層3とが交互に例えば26層積層されている。その
上に第3のキャビティ層4cが形成されている。その上
に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に
例えば19層積層され、第3の光学媒質層5が形成さ
れ、その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば27層積層されている。その上に第2
のキャビティ層4bが形成されている。その上に第2の
光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば8
層積層され、第3の光学媒質層5が形成され、その上に
第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3とが交互に例
えば38層積層されている。その上に第1のキャビティ
層4aが形成されている。その上に第2の光学媒質層3
と第1の光学媒質層2とが交互に例えば19層積層さ
れ、第3の光学媒質層5が形成され、その上に第2の光
学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば14
層積層されている。したがって、全体で192層の多層
膜となる。
【0062】実施の形態1と同様に、基板1としては、
屈折率1.47の透明基板、第1の光学媒質層2として
屈折率が1.48の二酸化シリコン(SiO2)、第2
の光学媒質層3として屈折率が2.14の五酸化タンタ
ル(Ta25)、第1のキャビティ層4aと第2のキャ
ビティ層4bと第3のキャビティ層4cと第4のキャビ
ティ層4dとしては第1の光学媒質層2と同様に屈折率
が1.48の二酸化シリコン、第3の光学媒質層5とし
ては屈折率が1.60の酸化シリコン(SiO x)また
は酸窒化シリコン(SiOxy)を用いる。
【0063】それぞれの光学膜厚は、設計波長をλ0
1550nmとした場合に、第1の光学媒質層2は26
1.82nm、第2の光学媒質層3は119.23n
m、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dは
ともに523.64nmである。また、第3の光学媒質
層5は242.19nmである。
【0064】また、実施の形態1と同様に、図5におい
ても、第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3と第1
のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3の
キャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと第3の光
学媒質層5の屈折率を、層の横幅により、模式的に表し
た。つまり、第1の光学媒質層2より第2の光学媒質層
3の横幅が広いのは第2の光学媒質層3の方の屈折率が
大きいためであり、第3の光学媒質層5の横幅が第1の
光学媒質層2と第2の光学媒質層3との間の幅であるの
は、第3の光学媒質層5の屈折率が第1の光学媒質層2
と第2の光学媒質層3との間であることを示している。
【0065】図6は、図5に示した光学多層膜フィルタ
において、第3の光学媒質層5(C層)を配置した場合
の設計透過特性を示す。比較のために第3の光学媒質層
5に置き換えない4キャビティの構成の設計透過特性も
合わせて示す。第3の光学媒質層5(C層)を配置しな
い場合には、フィルタ透過幅が0.1nm以下で、リッ
プルが1dB程度もあるのに対し、第3の光学媒質層5
(C層)を配置することにより、リップルが大きく改善
され0.3dB程度になることがわかる。
【0066】実施の形態2では、4キャビティ構造にお
いて、基板1より第4のキャビティ層4dに向かって1
2層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C
層)に置き換え、第4のキャビティ層4dより第3のキ
ャビティ層に向かって21層目の第2の光学媒質層3を
第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、また第3のキ
ャビティ層4cより第2のキャビティ層4bに向かって
20層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5
(C層)に置き換え、また、第2のキャビティ層4bよ
り第1のキャビティ層4aに向かって9層目の第2の光
学媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、
また、第1のキャビティ層4aより基板1と反対の方向
に向かって10層目の第1の光学媒質層2を第3の光学
媒質層5(C層)に置き換えた構造を例として説明した
が、基板1と第4のキャビティ層4dの間の第1の光学
媒質層2のうちどの第1の光学媒質層2を第3の光学媒
質層5(C層)に、および第2のキャビティ層4bと第
3のキャビティ層4cとの間の第1の光学媒質層2のう
ちどの第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C
層)に、および第1のキャビティ層4aと空気の間の第
1の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒質層2を第3
の光学媒質層5(C層)に、および、第4のキャビティ
層4dと第3のキャビティ層4cとの間の第2の光学媒
質層3のうちどの第2の光学媒質層を第3の光学媒質層
5(C層)に、および第2のキャビティ層4bと第1の
キャビティ層4aの間の第2の光学媒質層3のうちどの
第2の光学媒質層を第3の光学媒質層5(C層)に置き
換えても同様の効果が得られる。
【0067】また、実施の形態2では、全層の数が19
2層であるが、所望のフィルタ幅やクロストーク幅を得
るために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィルタを
構成した場合においても同様の効果が得られることは言
うまでもない。さらに、上記実施の形態2とは逆に、基
板1と第4のキャビティ層4dとの間の第2の光学媒質
層3のうちどの第2の光学媒質層3を第3の光学媒質層
5(C層)に、第2キャビティ層4bと第1キャビティ
層4aとの間の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光
学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に、第3のキ
ャビティ層4cと第2のキャビティ層4bとの間の第2
の光学媒質層3のうちどの層を第3の光学媒質層5(C
層)に、第1キャビティ層4aと空気との間の第2の光
学媒質層3のうちどの第2の光学媒質層3を第3の光学
媒質層5(C層)に、第3キャビティ層4cと第4キャ
ビティ層4dとの間の第1の光学媒質層2のうちどの第
1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置き
換えても同様の効果が得られる。
【0068】また、製造方法は、実施の形態1と同様
に、ECRスパッタ装置を用いて、2つのECRプラズ
マ源に、それぞれ、シリコンターゲットとタンタルター
ゲットを設置して、第1の光学媒質層2として二酸化シ
リコンを、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル
を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと
して二酸化シリコンを形成し、第1の光学媒質層2また
は第2の光学媒質層3の代わりに導入する第3の光学媒
質層5として例えば酸化シリコンや三窒化シリコンを堆
積することによって、形成することができる。反応性ガ
スの流量(分量)により、屈折率を制御することによ
り、最適なフィルタ特性を得ることができる。
【0069】実施の形態3にかかる光学多層膜フィルタ
は、5キャビティの基本構造を有し、基板と第5のキャ
ビティ層4eと、第5のキャビティ層4eと第4のキャ
ビティ層4dと、第4のキャビティ層4dと第3のキャ
ビティ層4cと、第3のキャビティ層4cと第2のキャ
ビティ層4bと、第2のキャビティ層4bと第1のキャ
ビティ層4aと、第1のキャビティ層4aと空気との間
の、第1の光学媒質層または第2の光学媒質層の代わり
に、第1の光学媒質と第2の光学媒質との間の屈折率を
有する第3の光学媒質からなる第3の光学媒質層を配置
した構造である。
【0070】具体的な構造は、図7に示すように、透明
基板1上に、第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば12層積層され、その上に第3の光学
媒質層5が形成され、その上に第1の光学媒質層2と第
2の光学媒質層3とが交互に例えば10層積層されてい
る。その上に第5のキャビティ層4eが形成されてい
る。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば11層積層され、第3の光学媒質層5
が形成され、その上に第2の光学媒質層3と第1の光学
媒質層2とが交互に例えば23層積層され、第3の光学
媒質層5が形成され、その上に第1の光学媒質層2と第
2の光学媒質層3とが交互に例えば11層積層されてい
る。その上に第4のキャビティ層4dが形成されてい
る。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば47層積層され、その上に第3のキャ
ビティ層4cが形成されている。その上に第2の光学媒
質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば19層積
層され、第3の光学媒質層5が形成され、その上に第2
の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば
27層積層されている。その上に第2のキャビティ層4
bが形成されている。その上に第2の光学媒質層3と第
1の光学媒質層2とが交互に例えば20層積層され、第
3の光学媒質層5が形成され、その上に第1の光学媒質
層2と第2の光学媒質層3とが交互に例えば26層積層
されている。その上に第1のキャビティ層4aが形成さ
れている。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒
質層2とが交互に例えば8層積層され、第3の光学媒質
層5が形成され、その上に第2の光学媒質層3と第1の
光学媒質層2とが交互に例えば14層積層されている。
したがって、全体で240層の多層膜となる。
【0071】実施の形態1と同様に、基板1としては、
屈折率1.47の透明基板、第1の光学媒質層2として
屈折率が1.48の二酸化シリコン(SiO2)、第2
の光学媒質層3として2.14の五酸化タンタル(Ta
25)、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層
4bと第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4
dと第5のキャビティ層4eとしては第1の光学媒質層
2と同様に屈折率が1.48の二酸化シリコン、第3の
光学媒質層5としては屈折率が1.60の酸化シリコン
(SiOx)または酸窒化シリコン(SiOxy)を用
いる。
【0072】それぞれの光学膜厚は、設計波長をλ0
1550nmとした場合に、第1の光学媒質層2は26
1.82nm、第2の光学媒質層3は119.23n
m、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと
第5のキャビティ層4eはともに523.64nmであ
る。また、第3の光学媒質層5は、242.19nmで
ある。
【0073】また、実施の形態1と同様に、図7におい
ても、第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3と第1
のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3の
キャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと第5のキ
ャビティ層4eと第3の光学媒質層5の屈折率を、層の
横幅により、模式的に表した。つまり、第1の光学媒質
層2より第2の光学媒質層3の横幅が広いのは第2の光
学媒質層3の方が屈折率が大きいためあり、第3の光学
媒質層5の横幅が第1の光学媒質層2と第2の光学媒質
層3との間の幅であるのは、第3の光学媒質層5の屈折
率が第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3との間で
あることを示している。
【0074】図8は、図7に示した光学多層膜フィルタ
において、第3の光学媒質層5(C層)を配置した場合
の設計透過特性を示す。比較のために第3の光学媒質層
5に置き換えない5キャビティの構成の設計透過特性も
合わせて示す。第3の光学媒質層5(C層)を配置しな
い場合は、フィルタ透過幅が0.1nm以下で、リップ
ルが2dB以上もあるのに対し、第3の光学媒質層5
(C層)を配置することにより、リップルが大きく改善
され0.1dB程度になることがわかる。
【0075】実施の形態3では、5キャビティ構造にお
いて、基板1より第5のキャビティ層4eに向かって1
3層目の第2の光学媒質層3を第3の光学媒質層5(C
層)に置き換え、第5のキャビティ層4eより第4のキ
ャビティ層4dに向かって12層目の第1の光学媒質層
2と36層目の第2の光学媒質層3をともに第3の光学
媒質層5(C層)に置き換え、また第3のキャビティ層
4cより第2のキャビティ層4bに向かって20層目の
第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置
き換え、また、第2のキャビティ層4bより第1のキャ
ビティ層4aに向かって21層目の第2の光学媒質層3
を第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、また、第1
のキャビティ層4aより基板1と反対の方向に向かって
9層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C
層)に置き換えた構造を例として説明したが、第5のキ
ャビティ層4eと第4のキャビティ層4dとの間の第1
の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒質層2を第3の
光学媒質層5(C層)に、および第3のキャビティ層4
cと第2のキャビティ層4bとの間の第1の光学媒質層
2のうちどの第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5
(C層)に、および第1のキャビティ層4aと空気との
間の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒質層を
第3の光学媒質層5(C層)に、および、基板1と第5
のキャビティ層4eとの間の第2の光学媒質層3のうち
どの第2の光学媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)
に、第5のキャビティ層4eと第4のキャビティ層4d
との間の第2の光学媒質層3のうちどの第2の光学媒質
層3を第3の光学媒質層5(C層)に、および第2のキ
ャビティ層4bと第1のキャビティ層4aの間の第2の
光学媒質層3のうちどの第2の光学媒質層3を第3の光
学媒質層5(C層)に置き換えても同様の効果が得られ
る。図7では、第5のキャビティ層4eより第4のキャ
ビティ層4dに向かって、まず第1の光学媒質層2を第
3の光学媒質層5(C層)に置き換え、次に第2の光学
媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)に置き換えてい
るが、まず第2の光学媒質層3を第3の光学媒質層5
(C層)に置き換え、次に第1の光学媒質層2を第3の
光学媒質層5(C層)に置き換えても同様の効果が得ら
れる。
【0076】また、実施の形態3では、全層の数が24
0層であるが、所望のフィルタ幅やクロストーク幅を得
るために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィルタを
構成した場合においても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0077】また、製造方法は、実施の形態1と同様
に、ECRスパッタ装置を用いて、2つのECRプラズ
マ源に、それぞれ、シリコンターゲットとタンタルター
ゲットを設置して、第1の光学媒質層2として二酸化シ
リコンを、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル
を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと
第5のキャビティ層4eとして二酸化シリコンを形成
し、第1の光学媒質層2または第2の光学媒質層3の代
わりに導入する第3の光学媒質層5として例えば酸化シ
リコンや三窒化シリコンを堆積することによって、形成
することができる。反応性ガスの流量(分量)により、
屈折率を制御することにより、最適なフィルタ特性を得
ることができる。
【0078】実施の形態4にかかる光学多層膜フィルタ
は、3キャビティの基本構造を有し、第2のキャビティ
層4b第1のキャビティ層4aとの間の、第1の光学媒
質層2の代わりに、第1の光学媒質と第2の光学媒質と
の間の屈折率を有する第3の光学媒質からなる第3の光
学媒質層5を配置した構造である。
【0079】具体的な構造は、図9に示すように、透明
基板1上に、第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば21層積層されている。その上に第3
のキャビティ層4cが形成されている。その上に第2の
光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば4
3層積層されている。その上に第2のキャビティ層4が
形成されている。その上に第2の光学媒質層3と第1の
光学媒質層2とが交互に例えば21層積層され、その上
に第3の光学媒質5が形成され、その上に第2の光学媒
質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば21層積
層されている。その上に第1のキャビティ層4aが形成
されている。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学
媒質層2とが交互に例えば22層積層されている。した
がって、全体で132層の多層膜となる。
【0080】実施の形態1と同様に、基板1としては、
屈折率1.47の透明基板1、第1の光学媒質層2とし
て屈折率が1.48の二酸化シリコン(SiO2)、第
2の光学媒質層3として2.14の五酸化タンタル(T
25)、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ
層4bと第3のキャビティ層4cとしては第1の光学媒
質層2と同様に屈折率が1.48の二酸化シリコン、第
3の光学媒質層5としては屈折率が1.60の酸化シリ
コン(SiOx)または酸窒化シリコン(SiOxy
を用いる。
【0081】それぞれの光学膜厚は、設計波長をλ0
1550nmとした場合に、第1の光学媒質層2は26
1.82nm,第2の光学媒質層3は119.23n
m、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cはともに523.64nmで
ある。また、第3の光学媒質層5は、242.19nm
である。
【0082】また、実施の形態1と同様に、図9におい
ても、第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3と第1
のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3の
キャビティ層4cと第3の光学媒質層5の屈折率を、層
の横幅により、模式的に表した。つまり、第1の光学媒
質層2より第2の光学媒質層3の横幅が広いのは第2の
光学媒質層3の方の屈折率が大きいためであり、第3の
光学媒質層5の横幅が第1の光学媒質層2と第2の光学
媒質層3との間の幅であるのは、第3の光学媒質層5の
屈折率が第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3の間
であることを示している。
【0083】図10は、図9に示した光学多層膜フィル
タにおいて、第3の光学媒質層5(C層)を配置した場
合の設計透過特性を示す。比較のために第3の光学媒質
層5に置き換えない3キャビティの基本構成の設計透過
特性を合わせて示す。第3の光学媒質層5(C層)を配
置しない場合は、フィルタ透過幅が約0.1nmで、リ
ップルが0.2dBであり要求仕様範囲内であるが、第
3の光学媒質層5(C層)を配置することによって、リ
ップルが改善され0.1dB程度になることがわかる。
【0084】第4の実施例では、3キャビティ構造にお
いて、第2のキャビティ層4bより第1のキャビティ層
4aに向かって24層目の第1の光学媒質層2を第3の
光学媒質層5(C層)に置き換えた構造を例として説明
したが、第2のキャビティ層4bと第1のキャビティ層
4aの間の第1の光学媒質層2のうちどの第1の光学媒
質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置き換えても同
様の効果が得られる。
【0085】また、第4の実施例では、全層の数が13
2層であるが、所望のフィルタ幅やクロストーク幅を得
るために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィルタを
構成した場合においても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0086】また、製造方法は、実施の形態1と同様
に、ECRスパッタ装置を用いて、2つのECRプラズ
マ源に、それぞれ、シリコンターゲットとタンタルター
ゲットを設置して、第1の光学媒質層2として二酸化シ
リコンを、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル
を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cとして二酸化シリコンを形成
し、第1の光学媒質層2の代わりに導入する第3の光学
媒質層5として例えば酸化シリコンや三窒化シリコンを
堆積することによって、形成することができる。反応性
ガスの流量(分量)により、屈折率を制御することによ
り、最適なフィルタ特性を得ることができる。
【0087】実施の形態5にかかる光学多層膜フィルタ
は、4キャビティの基本構造を有し、第3のキャビティ
層4cと第2のキャビティ層4bとの間、および第2の
キャビティ層4bと第1のキャビティ層4aとの間の、
第1の光学媒質層2の代わりに、第1の光学媒質と第2
の光学媒質との間の屈折率を有する第3の光学媒質から
なる第3の光学媒質層5を配置した構造である。
【0088】具体的な構造は、図11に示すように、透
明基板1上に、第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層
2とが交互に例えば21層積層されている。その上に第
4のキャビティ層4dが形成されている。その上に第2
の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば
43層積層されている。その上に第3のキャビティ層4
cが形成されている。その上に第2の光学媒質層3と第
1の光学媒質層2とが交互に例えば21層積層され、そ
の上に第3の光学媒質5が形成され、その上に第2の光
学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば23
層積層されている。その上に第2のキャビティ層4bが
形成されている。その上に第2の光学媒質層3と第1の
光学媒質層2とが交互に例えば21層積層され、その上
に第3の光学媒質5が形成され、その上に第2の光学媒
質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば21層積
層されている。その上に第1のキャビティ層4aが形成
されている。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学
媒質層2とが交互に例えば22層積層されている。した
がって、全体で178層の多層膜となる。
【0089】実施の形態1と同様に、基板1としては、
屈折率1.47の透明基板、第1の光学媒質層2として
屈折率が1.48の二酸化シリコン(SiO2)、第2
の光学媒質層3として屈折率が2.14の五酸化タンタ
ル(Ta25)、第1のキャビティ層4aと第2のキャ
ビティ層4bと第3のキャビティ層4cと第4のキャビ
ティ層4dとしては第1の光学媒質層2と同様に屈折率
が1.48の二酸化シリコン、第3の光学媒質層5とし
ては屈折率が1.60の酸化シリコン(SiO x)また
は酸窒化シリコン(SiOxy)を用いる。
【0090】それぞれの光学膜厚は、設計波長をλ0
1550nmとした場合に、第1の光学媒質層2は26
1.82nm、第2の光学媒質層3は119.23n
m、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dは
ともに523.64nmである。また、第3の光学媒質
層5は、242.19nmである。
【0091】また、実施の形態1と同様に、図11にお
いても、第1の光学媒質層2と第2の光学媒質層3と第
1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3
のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと第3の
光学媒質層5の屈折率を、層の横幅により、模式的に表
した。つまり、第1の光学媒質層2より第2の光学媒質
層3の横幅が広いのは第2の光学媒質層3の方の屈折率
が大きいためあり、第3の光学媒質層5の横幅が第1の
光学媒質層2と第2の光学媒質層3との間の幅であるの
は、第3の光学媒質層5の屈折率が第1の光学媒質層2
と第2の光学媒質層3の間であることを示している。
【0092】図12は、図11に示した光学多層膜フィ
ルタにおいて、第3の光学媒質層5(C層)を配置した
場合の設計透過特性を示す。比較のために第3の光学媒
質層5置き換えない4キャビティの構成の設計透過特性
も合わせて示す。第3の光学媒質層5(C層)を配置し
ない場合は、フィルタ透過幅が約0.1nmで、リップ
ルが0.1dBであり要求仕様範囲内であるが、挿入損
失が0.2dBある。第3の光学媒質層5(C層)を配
置することにより、リップル強度を使用範囲内にとどめ
ながら挿入損失を改善することができる。
【0093】実施の形態5では、4キャビティ構造にお
いて、第3のキャビティ層4cより第2のキャビティ層
4bに向かって24層目の第1の光学媒質層2を第3の
光学媒質層5(C層)に置き換え、第2のキャビティ層
4bより第1のキャビティ層4aに向かって24層目の
第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置
き換えた構造を例として説明したが、第3のキャビティ
層4cと第2のキャビティ層4bとの間の第1の光学媒
質層2のうちどの第1の光学媒質層2を第3の光学媒質
層5(C層)に、第2のキャビティ層4bと第1のキャ
ビティ層4aの間の第1の光学媒質層2のうちどの第1
の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)に置き換
えても同様の効果が得られる。
【0094】また、実施の形態5では、全層の数が17
8層であるが、所望のフィルタ幅やクロストーク幅を得
るために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィルタを
構成した場合においても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0095】また、製造方法は、実施の形態1と同様
に、ECRスパッタ装置を用いて、2つのECRプラズ
マ源に、それぞれ、シリコンターゲットとタンタルター
ゲットを設置して、第1の光学媒質層2として二酸化シ
リコンを、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル
を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと
して二酸化シリコンを形成し、第1の光学媒質層2の代
わりに導入する第3の光学媒質層5として例えば酸化シ
リコンや三窒化シリコンを堆積することによって、形成
することができる。反応性ガスの流量(分量)により、
屈折率を制御することにより、最適なフィルタ特性を得
ることができる。
【0096】上記の光学多層膜フィルタを用いて、WW
DM通信への応用を行った。フィルタ構造は、実施の形
態2に示したような4キャビティの基本構造を有し、基
板1と第4のキャビティ層4dと、第4のキャビティ層
4dと第3のキャビティ層4cと、第3のキャビティ層
4cと第2のキャビティ層4bと、第2のキャビティ層
4bと第1のキャビティ層4aと、第1のキャビティ層
4aと空気との間の、第1の光学媒質層2または第2の
光学媒質層3の代わりに、第1の光学媒質と第2の光学
媒質との間の屈折率を有する第3の光学媒質5からなる
第3の光学媒質層5を配置した構造である。
【0097】具体的な構造を、図5を参照して、説明す
る。透明基板1上に、例えば第2の光学媒質層3が1層
積層され、その上に第3の光学媒質層5が形成され、そ
の上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交
互に例えば3層積層されている。その上に第4のキャビ
ティ層4dが形成されている。その上に第2の光学媒質
層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば6層積層さ
れ、第3の光学媒質層5が形成され、その上に第2の光
学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例えば4層
積層されている。その上に第3のキャビティ層4cが形
成されている。その上に第2の光学媒質層3と第1の光
学媒質層2とが交互に例えば5層積層され、第3の光学
媒質層5が形成され、その上に第2の光学媒質層3と第
1の光学媒質層2とが交互に例えば5層積層されてい
る。その上に第2のキャビティ層4bが形成されてい
る。その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2
とが交互に例えば4層積層され、第3の光学媒質層5が
形成され、その上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒
質層2とが交互に例えば6層積層されている。その上に
第1のキャビティ層4aが形成されている。その上に第
2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互に例え
ば3層積層され、第3の光学媒質層5が形成され、その
上に第2の光学媒質層3と第1の光学媒質層2とが交互
に例えば2層積層されている。したがって、全体で48
層の多層膜となる。
【0098】基板1としては、屈折率が、1.47の透
明基板、第1の光学媒質層2として2.14の五酸化タ
ンタル(Ta25)、第2の光学媒質層3として屈折率
が3.25の水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4
bと第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4d
としては第1の光学媒質層2と同様に屈折率が2.14
の五酸化タンタル、第3の光学媒質層5としては屈折率
が1.90の酸化シリコン(SiOx)または酸窒化シ
リコン(SiOxy)を用いる。
【0099】それぞれの光学膜厚は、設計波長がλ0
1540nmの場合、第1の光学媒質層2は179.9
1nm、第2の光学媒質層3は118.46nm、第1
のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4bと第3の
キャビティ層4cと第4のキャビティ層4dはともに3
59.81nmである。また、第3の光学媒質層5は、
202.63nmである。設計波長がλ0=1560n
mの場合、第1の光学媒質層2は182.24nm、第
2の光学媒質層3は120.00nm、第1のキャビテ
ィ層4aと第2のキャビティ層4bと第3のキャビティ
層4cと第4のキャビティ層4dはともに364.49
nmである。また、第3の光学媒質層5は、205.2
6nmである。設計波長がλ0=1580nmの場合、
第1の光学媒質層2は184.58nm、第2の光学媒
質層3は121.54nm、第1のキャビティ層4aと
第2のキャビティ層4bと第3のキャビティ層4cと第
4のキャビティ層4dはともに369.16nmであ
る。また、第3の光学媒質層5は、207.89nmで
ある。設計波長がλ0=1600nmの場合、第1の光
学媒質層2は186.92nm、第2の光学媒質層3は
123.08nm、第1のキャビティ層4aと第2のキ
ャビティ層4bと第3のキャビティ層4cと第4のキャ
ビティ層4dはともに373.83nmである。また、
第3の光学媒質層5は、210.53nmである。
【0100】図13は、設計波長をλ0=1540n
m、1560nm、1580nm、1600nmとし、
光学多層膜フィルタに第3の光学媒質層5(C層)を配
置した場合の設計透過特性を示す。全ての設計波長λ0
においてリップル強度が0.1dB程度、フィルタ透過
幅が10nm、クロストーク幅が20nmであり、バン
ドパススペクトルの形状が矩形のプロファイルとなる信
号が得られている。したがって、設計波長を適当に選択
することによって、WWDM通信に適用したフィルタ特
性を得ることができる。
【0101】実施の形態6では、4キャビティ構造にお
いて、基板1より第4のキャビティ層4dに向かって2
層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C
層)に置き換え、第4のキャビティ層4dより第3のキ
ャビティ層4cに向かって7層目の第2の光学媒質層3
を第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、また第3の
キャビティ層4cより第2のキャビティ層4bに向かっ
て6層目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5
(C層)に置き換え、また、第2のキャビティ層4bよ
り第1のキャビティ層4aに向かって5層目の第2の光
学媒質層3を第3の光学媒質層5(C層)に置き換え、
また、第1のキャビティ層4aより空気に向かって4層
目の第1の光学媒質層2を第3の光学媒質層5(C層)
に置き換えた構造を例として説明したが、基板1と第4
のキャビティ層4dの間、および第2のキャビティ層4
bと第3のキャビティ層4cの間、および第1のキャビ
ティ層4aと空気の間の第1の光学媒質層2のうちどの
3層を第3の光学媒質層5(C層)に、および、第4の
キャビティ層4dと第3のキャビティ層4cの間、およ
び第2のキャビティ層4bと第1のキャビティ層4aの
間の第2の光学媒質層3のうちどの2層を第3の光学媒
質層5(C層)に置き換えても同様の効果が得られる。
【0102】また、実施の形態6では、全層の数が48
層であるが、所望のフィルタ幅やクロストーク幅を得る
ために、適宜層数を変化させて光学多層膜フィルタを構
成した場合においても同様の効果が得られることは言う
までもない。
【0103】また、製造方法は、実施の形態1と同様
に、ECRスパッタ装置を用いて、2つのECRプラズ
マ源に、それぞれ、シリコンターゲットとタンタルター
ゲットを設置して、第1の光学媒質層2として二酸化シ
リコンを、第2の光学媒質層3として五酸化タンタル
を、第1のキャビティ層4aと第2のキャビティ層4b
と第3のキャビティ層4cと第4のキャビティ層4dと
して二酸化シリコンを形成し、第1の光学媒質層2また
は第2の光学媒質層3の代わりに導入する第3の光学媒
質層5として例えば酸化シリコンや三窒化シリコンを堆
積することによって、形成することができる。反応性ガ
スの流量(分量)により、屈折率を制御することによ
り、最適なフィルタ特性を得ることができる。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、フィルタ特性の形状を
調整し、また、リップルを少なくすることにより、光通
信に適応できるバンドパス特性を有する光学多層膜フィ
ルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1にかかる光学多層膜フィルタの
構造を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1にかかる光学多層膜フィルタの
フィルタ特性を示す説明図である。
【図3】 電子サイクロトロン共鳴(ECR)装置の概
略図である。
【図4】 電子サイクロトロン共鳴(ECR)を用いて
作製した膜の特性を示す図である。
【図5】 実施の形態2にかかる光学多層膜フィルタの
構造を示す断面図である。
【図6】 実施の形態2にかかる光学多層膜フィルタの
フィルタ特性を示す説明図である。
【図7】 実施の形態3にかかる光学多層膜フィルタの
構造を示す断面図である。
【図8】 実施の形態3にかかる光学多層膜フィルタの
フィルタ特性を示す説明図である。
【図9】 実施の形態4にかかる光学多層膜フィルタの
構造を示す断面図である。
【図10】 実施の形態4にかかる光学多層膜フィルタ
のフィルタ特性を示す説明図である。
【図11】 実施の形態5にかかる光学多層膜フィルタ
の構造を示す断面図である。
【図12】 実施の形態5にかかる光学多層膜フィルタ
のフィルタ特性を示す説明図である。
【図13】 WWDMへ応用した場合の光学多層膜フィ
ルタのフィルタ特性を示す説明図であるる。
【図14】 光学多層膜フィルタの原理を説明するため
の説明図である。
【図15】 光学多層膜フィルタを説明するための説明
図である。
【図16】 光学多層膜フィルタの特性における性能を
示す説明図である。
【図17】 光学多層膜フィルタの構造を説明するため
の図である。
【図18】 従来の1キャビティの多層膜フィルタの透
過率特性を示す説明図である。
【図19】 従来のダブルキャビティの多層膜フィルタ
の透過率特性を示す説明図である。
【図20】 従来のトリプルキャビティの多層膜フィル
タの透過率特性を示す説明図である。
【図21】 従来の4キャビティおよび5キャビティの
多層膜フィルタの透過率特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1…基板、2…第1の光学媒質層、3…第2の光学媒質
層、4…キャビティ層、4a…第1のキャビティ層、4
b…第2のキャビティ層、4c…第3のキャビティ層、
4d…第4のキャビティ層、4e…第5のキャビティ
層、5…第3の光学媒質層、6…基板ホルダ、7…ター
ゲット、8…ECR領域、9…磁気コイル、10…高周
波電力、11…石英窓、12…光学媒質層、13…第1
の光学媒質層、14…第2の光学媒質層、15…第3の
光学媒質層、16…第k−1の光学媒質層、17…第k
の光学媒質層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 順一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小野 俊郎 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA04 GA13 GA45 GA55 GA62

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光学媒質からなる複数の第1の光
    学媒質層と、第1の光学媒質層より高い屈折率を有する
    第2の光学媒質からなる複数の第2の光学媒質層とを交
    互に積層した複数の積層体を、前記第1の光学媒質層ま
    たは前記第2の光学媒質層からなるキャビティ層を介し
    て接続したマルチキャビティ構成を有する光学多層膜フ
    ィルタにおいて、 前記第1の光学媒質層または前記第2の光学媒質層のう
    ち少なくとも1層を、前記第1の光学媒質と前記第2の
    光学媒質との間の屈折率を有する第3の光学媒質からな
    る第3の光学媒質層により形成したことを特徴とする光
    学多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学多層膜フィルタに
    おいて、 前記第1の光学媒質層、前記第2の光学媒質層、および
    前記第3の光学媒質層は、これらの光学膜厚がそれぞ
    れ、バンドパスフィルタとしての設計波長λに対して、
    λ/4となる膜厚を有し、 前記キャビティ層は、このキャビティ層の光学膜厚が、
    バンドパスフィルタとしての設計波長λに対して、λ/
    2の整数倍となる膜厚を有することを特徴とする光学多
    層膜フィルタ。
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