JP2004170506A - ヌクレオチド重合体を含有する電子写真方式用トナー - Google Patents

ヌクレオチド重合体を含有する電子写真方式用トナー Download PDF

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JP2004170506A JP2002333722A JP2002333722A JP2004170506A JP 2004170506 A JP2004170506 A JP 2004170506A JP 2002333722 A JP2002333722 A JP 2002333722A JP 2002333722 A JP2002333722 A JP 2002333722A JP 2004170506 A JP2004170506 A JP 2004170506A
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満 河染
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Abstract

【課題】印刷に代わり電子写真方式を使用して、分子生物学的識別性を有する画像をオンデマンド作製する。
【解決手段】ヌクレオチド重合体を含むトナー及び現像剤を用い、画像を電子写真方式により形成する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヌクレオチド重合体を含む電子写真方式用トナー、現像剤、画像およびその様な画像が形成されたシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一つの原稿を多量に複製する方法としては、原稿を高速、多量および安価に複製できる印刷が一般的であった。しかしながら、近年、パーソナルユースを目的とする複製の需要が増加し、ある程度の部数の複製は、印刷機に代わりコピー機などの電子写真装置を用いて行われつつある。電子写真方式は、印刷機と異なり版などを必要としないため、少量および多品種の複製に好適であり、印刷と比べ要求即応(オンデマンド、On Demand)な方式であると考えられる。
【0003】
印刷機において、文字および図などの情報を伝達するための画像は、インキを紙などの支持体に定着して形成される。近年、印刷で形成される画像は多種に渡り、画像に要求される品位も高度化の一途を辿っている。この様な動向に応じて、各種の機能を有する高性能のインキが多数開発され、実用に供されている。
【0004】
一方、電子写真装置においては、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0005】
各種の機能を有するインキの一つに、例えばDNAを含有するインキが特許文献1に記載されている。また、DNA抽出物質を用いて真贋鑑定認証を行うことが特許文献2に、DNAデータを有するバーコードラベルが特許文献3に、それぞれ記載されている。
【0006】
しかしながら、上記の様な画像は、DNAを含有するインキを用いて、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などで作製されるため、大量生産には適するが、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産には不適当な場合があった。
【0007】
このため、少量多品種のシート等を、上記の様なインキで作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−070951号公報
【特許文献2】
特開2002−140449号公報
【特許文献3】
特開2002−157570号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、本発明においては、DNA及びRNA等を含み分子生物学的な識別性を有する画像を、印刷に代わり電子写真方式を使用してオンデマンドに作製できるトナー及び現像剤の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、ヌクレオチド重合体を含む電子写真方式用トナーが提供される。
【0011】
また、トナーとヌクレオチド重合体とを含む電子写真方式用現像剤が提供される。
【0012】
以上の様な現像剤を用いれは、DNA及びRNA等を含み分子生物学的な識別性を有する画像を、電子写真方式によりオンデマンドに形成できる。この結果、DNA及びRNA等を含み分子生物学的な識別性を有する画像が形成された少量多品種のシート等を、電子写真方式により簡単にオンデマンド形成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
(ヌクレオチド重合体)
ヌクレオチド重合体としては、トナーの定着性および離型性などを損なうことなく、所望の分子生物学的な識別性を有する画像を形成できるものを、高分子量DNA、低分子量DNA、高分子量RNA、低分子量RNA及びこれらの誘導体などの中から選択する。なお、高分子量とは10個以上のヌクレオチド単位が重合したポリマーを言い、低分子量とは9個以下のヌクレオチド単位が重合したオリゴマーを言い、ダイマー及びトリマー等も含むものとする。
【0015】
DNAの調製は、例えば以下の様な方法で行う。
【0016】
(ア)天然物からDNAを抽出する。天然物としては、動物細胞および植物細胞などのクロモソーム、動物細胞および植物細胞などのミトコンドリ及び葉緑体などのオルガネラ、細菌、真菌、ウイルス等を使用し、これらの抽出液を例えばフェノール法などにより除蛋白処理したのち、必要に応じて糖およびRNA等を除去し、例えばクロマトグラム法および超遠心法などでDNAを回収する。この後、必要に応じて、エタノール及びプロパノール等で再結晶することで、高純度のDNAを得ることができる。
【0017】
また、この様にして得られるDNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。DNAのフラグメント化は、制限酵素およびリボザイム等の酵素を用いる方法や、ジメチル硫酸などの化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0018】
反対に、DNAリガーゼ等により連結されたDNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0019】
以上の様にして得られるDNAは、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより、塩基配列および重合度を確認する。
【0020】
(イ)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により増幅されたDNAも使用できる。PCR法においては、耐熱性のDNAポリメラーゼと1対のプライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチドと鋳型DNAとを含む反応溶液の温度を昇降させることにより、鋳型DNAを増幅する。
【0021】
PCR法では、増幅したい鋳型DNA配列を含むものと過剰量の1対のプライマーと耐熱性DNAポリメラーゼを含む反応溶液とを、例えば、95℃で30秒、65℃で30秒、72℃で1分を1サイクルとして30〜40サイクル反応させる。95℃において、プライマーは増幅したいDNA部位のそれぞれで一本鎖DNAの状態で存在している。これをプライマーの配列に応じて適当な温度(例では65℃)に冷却すると、プライマーと鋳型DNAの間で部分二重鎖が形成される。その後、酵素の反応温度(72℃)に上昇させポリメラーゼ反応を実行させる。この1サイクルの反応により、鋳型DNAは1対プライマーから伸張した新しいDNA鎖と合わせて、2倍に増幅される。そして、この反応サイクルを繰り返すことにより、幾何級数的に鋳型DNAを増幅できる。
【0022】
PCR法で増幅される鋳型DNAを含む材料としては、動物細胞および植物細胞などのクロモソーム、動物細胞および植物細胞などのミトコンドリ及び葉緑体などのオルガネラ、細菌、真菌、ウイルス等を使用することができる。また、ヒト、ペット及び家畜などの血液、体毛および唾液などの動物組織;ワイン用ブドウ、ウイスキー用ムギ、酒用イネ等の植物組織などからDNAを増幅し、ヌクレオチド重合体を調製する。
【0023】
また、この様にして得られるDNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。DNAのフラグメント化は、制限酵素およびリボザイム等の酵素を用いる方法や、ジメチル硫酸などの化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0024】
反対に、DNAリガーゼ等により連結されたDNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0025】
以上の様にして得られるDNAは、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより、塩基配列および重合度を確認する。
【0026】
(ウ)化学合成
固相合成法および液相合成法などにより化学合成されたDNAを、ヌクレオチド重合体として用いることもできる。
【0027】
固相合成法においては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド等の樹脂製のビーズ、ピン及びチップ等の支持担体上でリン酸ジエステル法、リン酸トリエステル法、ホスファイト法などによりDNAを化学合成する。
【0028】
リン酸トリエステル法およびホスファイト法による固相合成法の場合、樹脂製支持担体に結合した保護基の導入されたヌクレオシドに対して3’から5’方向にヌクレオチド鎖を延長する。ヌクレオシドの結合したヌクレオチド鎖の5’水酸基の保護基を除去し、それに対してヌクレオチドを縮合する。この2つの操作を繰返すことにより樹脂製支持担体上でヌクレオチド鎖を延長し、縮合反応の後で未反応の水酸基をブロックする。その後、目的とするDNAを支持担体から切り離し回収し精製する。
【0029】
また、液相合成法においては、縮合反応を均一系で行う毎に反応生成物を単離精製し、次のヌクレオチドを縮合する。
【0030】
以上の様に化学合成で得られるDNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。DNAのフラグメント化は、制限酵素およびリボザイム等の酵素を用いる方法や、ジメチル硫酸などの化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0031】
反対に、DNAリガーゼ等により連結されたDNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0032】
以上の様にして得られるDNAは、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより、塩基配列および重合度を確認する。
【0033】
一方、RNAの調製は、例えば以下の様な方法で行う。
【0034】
(ア)天然物から、リボソームRNA、トランスファーRNA、メッセンジャーRNA等のRNAを抽出する。天然物としては、動物細胞および植物細胞などのクロモソーム、動物細胞および植物細胞などのミトコンドリ及び葉緑体などのオルガネラ、細菌、真菌、ウイルス等を使用し、これらの抽出液を例えばフェノール法などにより除蛋白処理したのち、必要に応じて糖およびDNA等を除去し、例えばクロマトグラム法および超遠心法などでRNAを回収する。この後、必要に応じて、エタノール及びプロパノール等で再結晶することで、高純度のRNAを得ることができる。
【0035】
また、この様にして得られるRNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。RNAのフラグメント化は、RNase及びリボザイム等の酵素を用いる方法や、化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0036】
反対に、RNAリガーゼ等により連結されたRNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0037】
以上の様にして得られるRNAは、Donis−Keller法などにより、塩基配列および重合度を確認する。また、RNAを逆転写してDNAを合成し、このDNAの塩基配列および重合度を、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより確認して、元のRNAの塩基配列および重合度を確認する。
【0038】
(イ)逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)法により増幅されたRNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。RT−PCR法においては、鋳型RNAを逆転写して鋳型DNAを合成し、この鋳型DNAをPCR法により増幅し、増幅されたDNAを転写して鋳型RNAに戻すことにより、鋳型RNAを増幅する。鋳型RNAを逆転写して鋳型DNAを合成する逆転写酵素としては、ウイルス等を由来とするもの等を使用する。また、DNAからRNAを転写する酵素としては、細菌由来のRNAポリメラーゼ等を使用する。
【0039】
RT−PCR法で増幅される鋳型RNAを含む材料としては、動物細胞および植物細胞などのクロモソーム、動物細胞および植物細胞などのミトコンドリ及び葉緑体などのオルガネラ、細菌、真菌、ウイルス等を使用することができる。より具体的には、ヒト、ペット及び家畜などの血液、体毛および唾液などの動物組織;ワイン用ブドウ、ウイスキー用ムギ、酒用イネ等の植物組織などよりRNAを増幅し、ヌクレオチド重合体を調製する。
【0040】
また、この様にして得られるRNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。RNAのフラグメント化は、RNase及びリボザイム等の酵素を用いる方法や、化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0041】
反対に、RNAリガーゼ等により連結されたRNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0042】
以上の様にして得られるRNAは、Donis−Keller法などにより、塩基配列および重合度を確認する。また、RNAを逆転写してDNAを合成し、このDNAの塩基配列および重合度を、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより確認して、元のRNAの塩基配列および重合度を確認する。
【0043】
(ウ)化学合成
固相合成法および液相合成法などにより化学合成されたRNAを、ヌクレオチド重合体として用いることもできる。
【0044】
固相合成法においては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリルアミド等の樹脂製のビーズ、ピン及びチップ等の支持担体上でリン酸ジエステル法、リン酸トリエステル法、ホスファイト法などによりRNAを化学合成する。その後、目的とするRNAを支持担体から切り離し回収し精製する。
【0045】
また、液相合成法においては、縮合反応を均一系で行う毎に反応生成物を単離精製し、次のヌクレオチドを縮合する。
【0046】
また、この様にして得られるRNAを部分分解してフラグメント化したものも、ヌクレオチド重合体として用いる。RNAのフラグメント化は、RNase及びリボザイム等の酵素を用いる方法や、化学的試薬を用いた限定分解法などにより行う。
【0047】
反対に、RNAリガーゼ等により連結されたRNAも、ヌクレオチド重合体として用いることができる。
【0048】
以上の様にして得られるRNAは、Donis−Keller法などにより、塩基配列および重合度を確認する。また、RNAを逆転写してDNAを合成し、このDNAの塩基配列および重合度を、マキサム−ギルバート法、サンガー法およびDNAチップ法などにより確認して、元のRNAの塩基配列および重合度を確認する。
【0049】
以上では、ヌクレオチド重合体としてDNA及びRNAの調製方法を説明したが、以上の方法で得られたDNAをRNAポリメラーゼ等を用いて転写されたRNAや、以上の方法で得られたRNAを逆転写酵素などを用いて逆転写されたDNAも、ヌクレオチド重合体として使用できる。
【0050】
更に、以上の様にして得られるDNA及びRNAを、化学的および酵素的に修飾し、例えば、UV発色基、ラジオアイソトープ、蛋白結合基、リンカー、官能基などが導入された誘導体;抗体抗原反応、レクチンなどの接着分子、特異的受容体とそのリガンド、DNAやRNAの相補的相互作用基、抗体、抗原または受容体など標識プローブなどが導入された誘導体も、ヌクレオチド重合体として使用できる。
【0051】
なお、以上に説明したヌクレオチド重合体は、必要に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0052】
また、DNAとRNAとのキメラヌクレオチド重合も使用できる。
【0053】
ヌクレオチド重合体のトナー全体に占める割合は、画像の十分な分子生物学的識別性を実現するために比較的高めとし、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、30質量%以上とする場合もあり、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましい。
【0054】
一成分現像剤を作製する場合、ヌクレオチド重合体を、普通、トナーに配合するが、ヌクレオチド重合体を含有しないトナーとヌクレオチド重合体とを混合して現像剤を調製することもでき、ヌクレオチド重合体を含有するトナーに更にヌクレオチド重合体を混合して現像剤を調製することもできる。
【0055】
また、二成分現像剤を作製する場合、ヌクレオチド重合体を、普通、トナーに配合するが、キャリアにヌクレオチド重合体を配合することもでき、ヌクレオチド重合体を含有しないトナーとヌクレオチド重合体を含有しないキャリアとヌクレオチド重合体とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方にヌクレオチド重合体を配合し更にヌクレオチド重合体を混合して現像剤を調製することもできる。
【0056】
以上の様な場合、ヌクレオチド重合体の現像剤全体に占める割合は、画像の十分な分子生物学的識別性を実現するために比較的高めとし、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、30質量%以上とする場合もあり、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましい。
【0057】
(マイクロカプセル及びゲル物質)
以上に説明したヌクレオチド重合体をマイクロカプセルに内包したり、ゲル物質でコートすることにより、ヌクレオチド重合体の耐熱性および耐久性などを向上できる。
【0058】
例えば、ヌクレオチド重合体を適当な媒体中に分散し、その表面にモノマー及びプレポリマーを配置し樹脂化して、カプセル壁を形成したりゲル化することで、ヌクレオチド重合体を内包するマイクロカプセルや、ゲル物質でコートされたヌクレオチド重合体を調製できる。
【0059】
カプセル壁およびゲル物質としては、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレア等を使用する。
【0060】
マイクロカプセルは、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの化学的カプセル化方法;コアセルベーション法、液中硬化被覆法、液中乾燥法、融解分散冷却法などによる物理化学的カプセル化方法;パンコーティング法、気中懸濁化法、噴霧乾燥法などによる機械的カプセル化方法などにより製造できる。
【0061】
例えば、界面重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れにもカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料とマイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料とが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0062】
また、in situ重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れか一方のみにカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成されか、マイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0063】
以上の重合法において使用される界面活性剤は特に制限されず、アニオン性単量体、カチオン性単量体、ノニオン性単量体、アニオン性重合体、カチオン性重合体、ノニオン性重合体の何れでも使用できる。中でも、乳化能が高い、カプセル内包物の保護性が高い、カプセル樹脂壁の凝集性に優れる、カプセル樹脂壁形成反応を阻害しない等の理由から、アニオン性単量体、アニオン性重合体などが好ましい。
【0064】
具体的には、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カイゼン、アラビアゴム、ゼラチン、ロート油などを使用する。
【0065】
また、カプセル化反応の際の全体に対して、界面活性剤の使用量は0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、一方、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましくい。
【0066】
カプセル樹脂壁としては熱可塑性および熱硬化性の何れでも良く、カプセル内包物の性質、所望のマイクロカプセルの構造などを考慮して選択する。中でも、マイクロカプセルの構造を制御し易いなどの理由から、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂などが好ましく、必要に応じて2種類以上の樹脂を併用できる。
【0067】
具体的には、例えば、カプセル樹脂壁を尿素樹脂から作製する場合、メチロール化尿素系化合物を用いたin situ重合法、尿素系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、ハロゲン化カルボニル化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0068】
また、カプセル樹脂壁をメラミン樹脂から作製する場合、メチロール化メラミン系化合物を用いたin situ重合法、メラミン系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0069】
また、カプセル樹脂壁をポリウレタン樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、カルボニルモノオキシ化合部とアミン類とを用いた界面重合法、アミノ−カルボニルモノオキシ化合部を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0070】
また、カプセル樹脂壁をウレタン−尿素樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物と水とを用いた界面重合法、イソシアネート化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0071】
また、カプセル樹脂壁をポリアミド樹脂から作製する場合、アミノ酸誘導体を用いたin situ重合法、カルボン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0072】
また、カプセル樹脂壁をポリエステル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0073】
また、カプセル樹脂壁をポリエーテル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0074】
また、カプセル樹脂壁をポリオレフィン樹脂から作製する場合、エチレン、プロピレン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン−ジビニルベンゼン等を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0075】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホンアミド樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0076】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホネート樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0077】
また、カプセル樹脂壁をエポキシ樹脂から作製する場合、エポキシドとヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、エポキシドとアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0078】
また、カプセル樹脂壁をポリカーボネート樹脂から作製する場合、ヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0079】
また、カプセル樹脂壁をフェノール樹脂から作製する場合、芳香族ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、尿素系化合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0080】
なお、カプセル樹脂壁の原料としては、上記以外にも、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、ポリアミン、ポリカルボン酸、多塩基酸クロライド、酸無水物、エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル化合物、ポリサルファイド、有機アミン類、酸アミド類、水溶性エポキシ化合物、フェノール類、ホルマリン、ホスゲン、スピロアセタール系複素環状アミン、アルデヒド等も使用できる。
【0081】
以上に記載したカプセル樹脂壁のうち、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などは熱硬化性樹脂である。また、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂およびポリカーボネート樹脂などは熱可塑性樹脂である。
【0082】
なお、以上に説明してきたカプセル化反応において、反応温度は、普通50〜100℃とする。特に、耐熱性に乏しいジアゾニウム塩などを使用する場合は、は反応温度を低くする。
【0083】
また、マイクロカプセル樹脂壁を水溶性樹脂壁により作製することもできる。水溶性樹脂壁としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−無水マレイン酸系樹脂、スチレン−無水マレイン酸系樹脂、イソブテン−無水マレイン酸系樹脂、その他のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、酢酸ビニル共重合体、アクリル系共重合体などを使用する。
【0084】
また、コラーゲン、コラーゲン誘導体、にわか、ゼラチン、アルブミン、アルブミン誘導体、カゼイン、大豆タンパク等のポリアミノ酸類;デンプン、加工デンプン、酸変性デンプン、酸化デンプン、アセチルデンプン、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミノアルキルデンプン、アミロース、アミロース誘導体、デキストリン、ブリテッシュガム等のデンプン類;セルロース等のセルロース類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;硝酸セルロース、酢酸セルロース、ビスコース等のセルロースエステル類;アラビアゴム、トラガントゴム、カラヤゴム、ローカストビーンゴム、グアーゴム、コンニャクマンナン、アルギン酸、ふのり等の複合多糖類なども使用する。
【0085】
これらの水溶性カプセル樹脂壁を有するマイクロカプセルは、コアセルベーション法、液中硬化被覆法、液中乾燥法などにより製造できる。
【0086】
一成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルは、普通、トナーに配合するが、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、マイクロカプセルを含有するトナーに更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0087】
また、二成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルは、普通、トナーに配合するが、キャリアにマイクロカプセルを配合することもでき、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方にマイクロカプセルを配合し更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0088】
以上の様にして得られるマイクロカプセルを用いて一成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルを、普通、トナーに配合するが、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、マイクロカプセルを含有するトナーに更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0089】
また、二成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルを、普通、トナーに配合するが、キャリアにマイクロカプセルを配合することもでき、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方にマイクロカプセルを配合し更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0090】
マイクロカプセル及びゲルのトナー又は現像剤全体に占める割合は、画像の十分な分子生物学的識別性を実現するために比較的高めとし、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、30質量%以上とする場合もあり、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましい。
【0091】
また、マイクロカプセル及びゲルの体積平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、一方、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。なお、マイクロカプセルの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて、体積基準により測定することもできる。
【0092】
なお、マイクロカプセルは、必要に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0093】
(分子生物学認識法)
以上の様なヌクレオチド重合体を含む現像剤により形成された電子写真画像は、分子生物学的に認識できるため、真贋判定および偽造防止などに使用できる。分子生物学的認識とは、ハイブリダイゼーション法、免疫沈降法、ブロッデング法、染色法などの分子生物学で使用される方法により、所定のヌクレオチド重合体の有無を判定することを言い、これらの方法を用いれば画像に所定のヌクレオチド重合体が存在しているか否かを判定できるため、真贋判定および偽造防止などを行える。これらの分子生物学で使用される方法の中でも、感度および操作性の理由から、ハイブリダイゼーション法が好ましい。
【0094】
DNA及びRNA等のヌクレオチド重合体は、塩基対合則に従って、相補的な塩基配列を持つヌクレオチド重合体と特異的に結合し、安定な二重鎖を形成する。この操作をハイブリダイゼーションという。
【0095】
ハイブリダイゼーションの際には、画像に含まれているヌクレオチド重合体と相補なヌクレオチド重合体に適当なプローブを結合しておき、このプローブ化相補ヌクレオチド重合体を用いて、画像に含まれているヌクレオチド重合体の有無を判定する。例えば、発光性のプローブを有する相補ヌクレオチド重合体を使用し、画像に含まれるヌクレオチド重合体とハイブリダイゼーションを行う。画像が所定のヌクレオチド重合体を含有していれば、発光性プローブ化相補ヌクレオチド重合体が画像中のヌクレオチド重合体と二重鎖を形成して画像に固定されるため、画像部分の発光をもって、ヌクレオチド重合体の存在を確認できる。画像がヌクレオチド重合体を含有していなければ、ハイブリダイゼーション後も画像部分は発光しないため、ヌクレオチド重合体が存在していないことを確認できる。よって、例えば真の物品にヌクレオチド重合体を含有する現像剤によって電子写真画像を形成すれば、真の物品の画像にのみにヌクレオチド重合体が存在することとなり、ハイブリダイゼーション後に画像部分が発光することをもって、真の物品を判定できるため、真贋判定および偽造防止などを行える。
【0096】
プローブの方法としては、発色性基および蛍光基など導入し蛍光および燐光などの発光および消光などを利用する光学的方法、染色性基を利用する染色法、放射性核種を利用した放射線的方法、電気化学的方法などを利用する。
【0097】
なお、調製直後のDNAは二本鎖で存在しているが、現像剤中では変性され一本鎖で存在していると考えられる。このため、現像剤に添加するDNAと同様のDNAにプローブを導入することで検出用のDNAを調製できる。DNAを含む現像剤で形成された電子写真画像中には+鎖および−鎖の何れもが一本鎖で存在しているため、検出用DNAとして画像中のDNAと同じDNAにプローブが導入されたものを使用すれば、プローブ化DNAは画像中の+鎖および−鎖の何れとハイブリダイズするため、真贋判定および偽造防止を行える。
【0098】
一方、RNAは調製直後において既に一本鎖である。このため、相補的な一本鎖にプローブが導入されたものを検出用に使用する。
【0099】
なお、以上の何れの場合においても、画像中のDNAの検出にはプローブ化DNA及びプローブ化RNAの何れも使用でき、画像中のRNAの検出にはプローブ化一本鎖DNA及びプローブ化RNAの何れも使用できる。
【0100】
また、ヌクレオチド重合体がマイクロカプセルに内包されていたり、ゲル物質でコートされている場合、必要に応じて画像を加圧、加熱および加湿などして、マイクロカプセル及びゲル物質を破壊するか透過性を向上し、ヌクレオチド重合体を放出させた後、分子生物学的認識を行う。
【0101】
具体的には、マイクロカプセル樹脂壁が熱硬化性樹脂の場合、加圧によりマイクロカプセルを破壊または透過性を向上できる。また、マイクロカプセル樹脂壁が熱可塑性樹脂の場合、加圧および加熱によりマイクロカプセルを破壊または透過性を向上できる。更に、マイクロカプセル樹脂壁が水溶性樹脂壁の場合、加圧、加熱および加湿によりマイクロカプセルを破壊または透過性を向上できる。
【0102】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0103】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0104】
また、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0105】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0106】
加圧定着用には、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0107】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0108】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0109】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0110】
また、磁性トナーの場合は、磁性粉として、マグネタイト、フェライト、コバルト、鉄、ニッケル等の金属単体またはその合金を用いることもできる。
【0111】
更に、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0112】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0113】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0114】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0115】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0116】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0117】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0118】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0119】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0120】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0121】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0122】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0123】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0124】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、フッ素樹脂、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0125】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0126】
(表面処理剤)
トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0127】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0128】
(磁性剤)
更に、トナーに磁性剤を含有させて、磁性トナーを作製することもできる。この場合、磁性剤は色材の役割を兼ねることもできる。この様な、磁性剤としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金およびその混合物が挙げられる。
【0129】
なお、磁性剤のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0130】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、ステアリン酸亜鉛などの滑剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0131】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0132】
乾式二成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0133】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0134】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0135】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0136】
乾式一成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0137】
湿式系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0138】
なお、ヌクレオチド重合体がマイクロカプセルに内包されていたり、ゲル物質でコートされている場合は、これらの粒子径が比較的大きいため、トナーにヌクレオチド重合体を含有させるよりも、キャリアにヌクレオチド重合体を配合したり、トナーと、キャリアと、ヌクレオチド重合体とを混合して現像剤を調製する方が好ましい場合もある。
【0139】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0140】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0141】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0142】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0143】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0144】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0145】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0146】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0147】
(シート)
ヌクレオチド重合体を含有する電子写真方式用の現像剤を使用すれば、オンデマンドトナープリンター等のオンデマンド電子写真方式により、分子生物学的識別性を有する画像をオンデマンドに形成できる。
【0148】
例えば、分子生物学的識別性の現像剤を用いて電子写真方式により支持体の表面に部分画像およびパターン画像などを形成することにより、支持体表面に分子生物学的識別性の画像を形成できる。
【0149】
また、分子生物学的識別性の現像剤を用いて電子写真方式により支持体の表面に均一なベタ画像を形成することにより、支持体表面に均一な分子生物学的識別性被膜を形成でき、支持体の表面を手軽に改質できる。
【0150】
なお、基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0151】
(用途分野)
以上に説明してきた本発明の現像剤を用いれば、分子生物学的識別性を有する画像をオンデマンドに形成できる。このため、少量多品種の分子生物学的識別性を有する画像を簡単に形成できる。また、重合度がnのヌクレオチド重合体は4のバリエーションがあり情報量が極めて多く、また、真贋判定を1/4の精度で行えるため、信頼性が高い。更に、生物材料由来のヌクレオチド重合体を使用し、ヌクレオチド重合体の配列をゲノムの指紋領域のものとすると、1個の固体を由来とするヌクレオチド重合体を含有する画像を1種類のヌクレオチド重合体で完全に同定できるため、信頼性が高い。これらの特性を利用して、ヌクレオチド重合体を含むオンデマンド画像の用途として、以下の様な例を考えられる。
【0152】
(ア)希少価値の高い美術品などの製作者の同定:製作者の髪毛などからPCR法によりDNAを調製し、このDNAを含む電子写真画像を美術品に形成することで、美術品の真贋判定および偽造防止を行う。1人の製作者の美術品の数には限りがあり、美術品製作者は多数いるため、少量多品種の真贋判定用画像が要求される。また、美術品は高額であるため高精度の真贋判定が要求される。
【0153】
(イ)サラブレッド等の高額動物の血統書:血統書を付与するサラブレッドの血液からPCR法によりDNAを調製し、このDNAを含む電子写真画像で血統書を作製することで、血統書の真贋判定および偽造防止を行う。一般に血統書の必要枚数は限られており、サラブレッドは多数いるため、少量多品種の真贋判定用画像が要求さる。また、サラブレッドは高額であるため高精度の真贋判定が要求される。
【0154】
(ウ)希少価値の高いワインなどのラベル:ビンテージワイン等の原料ブドウからPCR法によりDNAを調製し、このDNAを含む電子写真画像でワインビンに貼付されるラベルを作製することで、ビンテージワインの真贋判定および偽造防止を行う。一般にワインラベルの必要枚数は限られており、ワインは多数あるため、少量多品種の真贋判定用画像が要求さる。また、ビンテージワインは高額であるため高精度の真贋判定が要求される。更に、ワインをサンプリングすることなく真贋判定を行えるため、真贋判定の際にワインビンを開ける必要がなく、ワインを劣化させることなく非破壊的に真贋判定を行える。
【0155】
(エ)凍結精子などのラベル:精子からPCR法によりDNAを調製し、このDNAを含む電子写真画像で凍結精子保存用チューブに貼付されるラベルを作製することで、凍結精子の真贋判定および偽造防止を行う。一般に凍結精子保存用ラベルの必要枚数は限られており、凍結精子保存は多数あるため、少量多品種の真贋判定用画像が要求さる。また、倫理問題の観点から凍結精子の真贋判定には高精度が要求される。更に、凍結精子をサンプリングすることなく真贋判定を行えるため、真贋判定の際に凍結精子を解凍する必要がなく、凍結精子を劣化させることなく非破壊的に真贋判定を行える。
【0156】
(オ)預金通帳などの預金者の同定:預金者の髪毛などからPCR法によりDNAを調製し、このDNAを含む電子写真画像を預金通帳に形成することで、預金通帳の真贋判定および偽造防止を行う。預金通帳およびカード等に付与された電気および磁気的な真贋判定法および偽造防止法と併用することにより、より高精度の真贋判定を行う。
【0157】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0158】
(実施例1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
ビンテージワインの原料ブドウからPCR法によりDNA1を調製する。また、このDNA1にUV発色基を導入した検出用DNA1を調製する。
【0159】
一方、スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得る。
【0160】
得られる結着樹脂100質量部に、ステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部およびDNA1の50質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得る。
【0161】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得る。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得る。
【0162】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて、真贋判定用の画像を形成する。この画像の真否は、検出用DNA1によりはハイブリダイゼーション法により判定できる。
【0163】
(実施例2)電子写真方式用現像剤2
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がDNA1を含んでいるものを使用し、トナーとしてDNA1を含まないものを作製し、DNA1の現像剤に占める割合を35質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤2を調製する。この電子写真方式用現像剤2を使用して、真贋判定用画像をオンデマンドに作製できる。
【0164】
(実施例3)電子写真方式用現像剤3
トナーとしてDNA1を含まないものを作製し、DNA1の現像剤に占める割合が35質量%となるよう、トナーとキャリアとDNA1とを混合する以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤3を調製する。この電子写真方式用現像剤3を使用して、真贋判定用画像をオンデマンドに作製できる。
【0165】
(実施例4)電子写真方式用現像剤4
DNA1をメラミンでカプセル化することで、平均粒子径7μmのヌクレオチド重合体内包マイクロカプセルを得る。このマイクロカプセルをDNA1の代わりに使用する以外は、電子写真方式用現像剤3の場合と同様に電子写真方式用現像剤4を調製する。この電子写真方式用現像剤4を使用して、真贋判定用画像をオンデマンドに作製できる。なお、真贋判定に先立ち画像を加圧してマイクロカプセルを破損した後に、画像の真否を、検出用DNA1によりハイブリダイゼーション法で判定する。
【0166】
(実施例5)電子写真方式用現像剤5
サラブレッドの血液よりRT−PCR法によりRNA1を調製する。また、このRNA1と相補な一本鎖DNAにUV発色基を導入した検出用DNA2を調製する。
【0167】
ここで、DNA1の代わりにRNA1を使用する以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤5を調製する。この電子写真方式用現像剤5を使用して、真贋判定用画像をオンデマンドに作製できる。なお、真贋判定は、検出用DNA2を用いてハイブリダイゼーション法により行う。
【0168】
【発明の効果】
ヌクレオチド重合体を含むトナー及び現像剤を用いれば、印刷に代わり電子写真方式を使用して、分子生物学的識別性を有する画像をオンデマンド作製できる。

Claims (7)

  1. ヌクレオチド重合体を含む電子写真方式用トナー。
  2. 前記ヌクレオチド重合体は、高分子量DNA、低分子量DNA、高分子量RNA、低分子量RNA及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1記載の電子写真方式用トナー。
  3. 前記ヌクレオチド重合体のトナー全体に占める割合は、10〜50質量%である請求項1又は2記載の電子写真方式用トナー。
  4. 前記ヌクレオチド重合体はマイクロカプセルに内包されているか、又はゲル物質でコートされている請求項1乃至3何れかに記載の電子写真方式用トナー。
  5. トナーとヌクレオチド重合体とを含む電子写真方式用現像剤。
  6. 前記ヌクレオチド重合体はマイクロカプセルに内包されているか、又はゲル物質でコートされている請求項5記載の電子写真方式用現像剤。
  7. 請求項1乃至4何れかに記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項5又は6記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成される真贋判定用画像が形成されたシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013047828A (ja) * 2012-10-16 2013-03-07 Kyocera Document Solutions Inc 現像剤

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