JP2004061820A - 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード - Google Patents
電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004061820A JP2004061820A JP2002219523A JP2002219523A JP2004061820A JP 2004061820 A JP2004061820 A JP 2004061820A JP 2002219523 A JP2002219523 A JP 2002219523A JP 2002219523 A JP2002219523 A JP 2002219523A JP 2004061820 A JP2004061820 A JP 2004061820A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- developer
- electrophotographic
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】電子写真方式を使用して、書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンド作製する。
【解決手段】可逆的発色剤を含むトナー及び現像剤を用い、画像を電子写真方式により形成する。
【選択図】 なし
【解決手段】可逆的発色剤を含むトナー及び現像剤を用い、画像を電子写真方式により形成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆的発色剤を含む電子写真方式用トナー、現像剤、画像およびその様な画像が形成されたリライトカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポイントカード等として利用されているリライトカードにおいては、カード上の所定領域に形成されたリライト部に、可視可能な情報が書き込まれ、消去され、書換えられる。そして、この様なリライト部は、支持体上に可逆的発色剤を含むリライト層を積層して作製される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、リライト層の形成は、リライト層の原料を支持体上に塗工し硬化する方法や、リライト層を予め作製しておき支持体に接着する方法などにより作製されてきた。リライト層の作製については、例えば、特開平5−96888号公報、特開平5−294092号公報、特開昭61−255891号公報、特開平7−13206号公報、特開平2−44071号公報、特開平3−2089号公報、特開平9−71056号公報、特開平4−174415号公報、特開平7−125483号公報、特開2002−144777号公報、特開2002−154273号公報、特開2002−178673号公報などに記載されている。
【0004】
しかしながら、これらの積層方法は、同一のリライトカードを多量に複製する場合には好適であるが、近年、パーソナルユースを目的とするリライトカードの需要が増加し、従来の方法では、少量多品種のリライトカードを要求即応(オンデマンド、On Demand)に製造することが困難となりつつある。
【0005】
具体的には、従来の方法は大量生産には適するが、短い納期で少量多品種のリライトカードを生産するオンデマンド生産には不適当な場合があった。このため、少量多品種のリライトカードを従来法で作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0006】
一方、電子写真方式は、少量多品種の複製に好適であり、オンデマンドな方式であると考えられる。
【0007】
電子写真装置においては、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0008】
以上の様な電子写真方式は少量多品種の複製に好適な方法であるため、リライト層を電子写真方式により形成できれば、個人向け等の少量多品種のリライトカードをオンデマンドに製造できると考えられる。
【0009】
そこで、本発明においては、電子写真方式を使用して、書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンド作製することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、可視情報の書込み及び消去を可逆的に行える画像を電子写真方式で形成するために使用され、可逆的発色剤を含む電子写真方式用トナーが提供される。
【0011】
また、トナーと可逆的発色剤とを含む電子写真方式用現像剤が提供される。
【0012】
以上の様な現像剤を用いれは、書換え可能な可視情報を形成できる画像が形成された少量多品種のリライトカードを、電子写真方式により簡単にオンデマンド形成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
(可逆的発色剤)
可逆的発色剤としては、トナーの定着性および離型性などを損なうことなく、画像の十分な可逆的発色性を実現するものであれば特に制限されず、可視情報の書込み及び消去(書換え)の方式により使い分ける。可視情報は、例えば矩形のベタ画像に書き込まれるが、ベタ画像は、一般に、温度変化、温度の変化速度などの違い、磁場および電場などにより濁度変化、変色、発色および消色などする可逆的発色剤を含む現像剤を用いて、電子写真方式により形成される。可視情報の書換えは、このベタ画像を加熱および冷却したり、磁場および電場をかける等して、ベタ画像中に文字などの情報を形成および消去することで行われる。
【0015】
書換えの方式としては、ロイコ系染料型、液晶型、磁性体型、示温材料型、高分子型などがあり、それぞれの方式で、以下の様な可逆的発色剤を使用する。
【0016】
(ア)ロイコ系染料型の書換え方式の場合、ロイコ系染料と顕減色剤とを使用する。顕減色剤は分子内に水酸基および/またはカルボキシル基からなる酸性基と、アミノ基からなる塩基性基とを合わせ持ち、水素イオンを熱により可逆的に放出でき、ロイコ系染料のラクトン環が高温加熱で開環し、低温加熱で閉環すると言う化学的な変化を利用して熱可逆的に発色および消色を行う。
【0017】
ロイコ系染料としては、ラクトン、サルトン、スピロピランなどの部分骨格を有するキサンテン系、スピロピラン系、ラクトン系、フルオラン系、サルトン系などが用い、特に、トリアリールメタン系およびフルオラン系のロイコ系染料を用いる。
【0018】
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアニロフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−トリル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−イソアミル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−テトラヒドロフリル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を使用し、必要に応じて2種以上を併用する。
【0019】
顕減色剤は、例えば、ビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩の様に、熱エネルギーの作用によりプロトンを可逆的に放出し、ロイコ系染料に対して顕色作用と減色作用とを併せ持つ。
【0020】
例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基からなる酸性基と、アミノ基からなる塩基性基との双方を有し、熱エネルギーの相違により酸性または塩基性となって、ロイコ系染料を顕色(発色)および減色(消色)させる。
【0021】
具体的には、炭素数12以上のアルキル基を持つことが望ましく、酸性基と塩基性基とを官能基として有する顕減色剤としては、例えば、アミノ安息香酸類、ヒドロキシ安息香酸類、アミノフェノール類、アミノナフテン酸類、ニコチン酸類などを使用する。
【0022】
また、炭素数12以上のアルキル基を持つ脂肪族リン酸類など有機リン酸類、炭素数12以上のアルキル基を持つα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸類、α又はβ−ハロゲン化脂肪族カルボン酸類、オキシ脂肪族カルボン酸類など脂肪族カルボン酸類、4’−ヒドロキシ−n−ヘプタンアニリド、4’−ヒドロキシ−3−メチルオクタンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−トリデカンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−ナノデカンアニリド、3’−ヒドロキシ−n−ナノデカンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−ヘプタデカンアニリドなどの芳香族アミン類、N−シクロヘキシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−シクロヘキシルメチル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−メチル−N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−オクタデシル−2,3,4−トリヒドロキシベンズアミドなどのフェノール類も使用する。
【0023】
なお、耐熱性、耐圧性、耐磨耗性、対環境性などを向上させる目的で、ロイコ系染料および顕減色剤をマイクロカプセル中に内包した状態で使用することもできる。マイクロカプセルは、例えば、界面重縮合法、in situ法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、液中乾燥法などで作製できる。
【0024】
(イ)液晶型の書換え方式の場合、液晶性化合物が、固体、液晶および液体に相転移し、液晶状態において入射光を選択反射する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱的および電磁気的に可逆的に行われる。
【0025】
液晶性化合物としては、サーモトロピック液晶およびオトロピック液晶の何れも使用できる。
【0026】
例えば、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶、ディスコティック液晶などを使用でき、中でも安定であり液晶性が顕著である等の理由から、ネマティック液晶およびコレステリック液晶が好ましく、特にコレステリック液晶が好ましい。
【0027】
ネマティック液晶としては、例えば、以下の様な化合物を使用する。
【0028】
【化1】
上の一般式(1a)〜(1c)で示される様なアゾメチル化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0029】
【化2】
上の一般式(2a)〜(2d)で示される様なエステル化合物(式中、R、R’及びR1〜R6は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0030】
【化3】
上の一般式(3a)及び(3b)で示される様なビフェニル化合物(式中、Rは、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0031】
【化4】
上の一般式(4)で示される様なスチルベン化合物(式中、R、R’、X及びYは独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0032】
【化5】
上の一般式(5a)及び(5b)で示される様なアゾキシ化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0033】
【化6】
上の一般式(6)で示される様なアゾ化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)等を使用する。
【0034】
コレステリック液晶としては、安息香酸コレステリル、塩化コレステリル、オクタン酸コレステリル、ノナン酸コレステリルクロルギ酸コレステリル、炭酸オレイルコレステリル、酢酸コレステリル、エレオステアリン酸コレステリル及びこれらの誘導体;セルロース誘導体などを使用する。
【0035】
また、2−メチルブチル基、3−メチルブトキシ基、4−メチルヘキシル基などの光学活性構造が導入されたネマティック液晶(カイラルネマティック液晶)を使用することもできる。
【0036】
スメクティック液晶としては、カプリル酸、カプリル酸誘導体、カプリル酸塩カプリル酸誘導体塩などを使用する。
【0037】
ディスコティック液晶としては、ベンゼンヘキサアルカノエート及びベンゼンヘキサアルカノエート誘導体、トリフェニレン及びトリフェニレン誘導体、ルフィガロール及びルフィガロール誘導体、トルクセン及びトルクセン誘導体などを使用する。
【0038】
また、以上の様な低分子液晶に加え、高分子液晶も使用できる。高分子液晶としては、以上の様な低分子液晶構造が主鎖に存在している主鎖型、以上の様な低分子液晶構造が側鎖として主鎖に結合している側鎖型の何れでも使用できる。側鎖型高分子液晶の主鎖としては、ポリシロキサンおよびシリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレートおよびアクリル樹脂などを挙げることができる。
【0039】
更に、以上の様な液晶性化合物を例えばマイクロカプセルに封入したり、ゲル化剤によりゲル化して使用することもできる。マイクロカプセルは、例えば、界面重縮合法、in situ法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、液中乾燥法などで作製できる。
【0040】
なお、商品として入手可能な液晶性化合物の商品名および登録商標としては、例えば、BDH Chemical社製スメクチックA相物質S2、Merk社製K24、K30、K36、ZLI1840及びCB15等がある。
【0041】
(ウ)磁性体型の書換え方式の場合、磁性材料を使用し、磁性材料が磁場および電場に応じて配列する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、電磁気可逆的に行われるのが一般的である。
【0042】
磁性材料としては、鉄、クロム、コバルト合金、クニフェ(Cunife)、クニコ(Cunico)、白金コバルト合金、アルニコ、希土類磁石の強磁性体を使用し、保磁力が高い等の理由から、鉄、クロム及びコバルトを含有する合金が好ましい。具体的には、13〜32質量%のクロムと、5〜20質量%のコバルトと、鉄(残部)との合金が好ましく、チタン、バナジウム、モリブデン及びタングステン等を添加しても良い。
【0043】
また、以上の様な磁性材料をマイクロカプセルに封入して使用することもできる。マイクロカプセルを使用する場合、以上の磁性材料に加え、Ni、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Cr合金、Al−Co合金、Fe−Al−Si合金、Sm−Co合金なども使用する。
【0044】
(エ)示温材料型の書換え方式の場合、含結晶水塩を使用し、含結晶水塩が特定の温度において結晶水を可逆的に吸収および放出し、吸収および放出した状態において、それぞれ発色および消色する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱可逆的に行われるのが一般的である。
【0045】
含結晶水塩としては、ヘキサメチレンテトラミン・塩化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・臭化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・沃化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・塩化ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・臭化ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硝酸コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硫酸コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硝酸ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硫酸ニッケル錯体10水塩、ジピリジン硫酸コバルト10水塩、過マンガン酸鉄アンモニウム7水塩、リン酸コバルト8水塩などを使用する。
【0046】
(オ)高分子型の書換え方式の場合、結晶性を有する高分子を使用し、結晶性高分子を溶融状態から徐冷すると濁度の高い固体を形成する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱可逆的に行われる。
【0047】
この様な結晶性高分子としては、例えば、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体などの塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリ(メタ)クリレート或いはアクリレート−(メタ)クリレート共重合体などのアクリル系樹脂;シリコーン樹脂を使用する。
【0048】
更に、これらの熱可塑性樹脂に、炭素数10〜30の飽和または不飽和高級脂肪酸、それらのエステル、マミド及びアンモニウム塩;炭素数20以上の脂肪族飽和ジカルボン酸およびその誘導体などの有機低分子物質を分散させたものも使用する。なお、熱可塑性樹脂と有機低分子物質との比は、有機低分子物質100質量部に対して、熱可塑性樹脂を500〜5000とすることが好ましい。
【0049】
なお、高級脂肪酸の具体例としては、パルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、2−ヘキサデセン酸、トランス−3−ヘキサデセン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−オクタデトセン酸、シス−2−オクタデセン酸、トランス−4−オクタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、エライジン酸、トランス−11−オクタデセン酸、トランス−11−エイコセン酸、エルカ酸、ブラシン酸、セラコレイン酸、トランス−セラコレイン酸、トランス−8,トランス−10−オクタデカジエン酸、リノエライジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プソイドエレオステアリン酸、12,20−ヘンエイコサジエン酸などを挙げることができ、必要に応じて2種以上を併用する。
【0050】
以上では、可逆的発色剤の例を説明してきたが、これらの可逆的発色剤は、必要に応じて、二種以上を併用することもできる。
【0051】
また、可逆的発色剤のトナー全体に占める割合は、画像の十分な書換え特性を実現するために、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0052】
一成分現像剤を作製する場合、可逆的発色剤を、普通、トナーに配合するが、可逆的発色剤を含有しないトナーと可逆的発色剤とを混合して現像剤を調製することもでき、可逆的発色剤を含有するトナーに更に可逆的発色剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0053】
また、二成分現像剤を作製する場合、可逆的発色剤を、普通、トナーに配合するが、キャリアに可逆的発色剤を配合することもでき、可逆的発色剤を含有しないトナーと可逆的発色剤を含有しないキャリアと可逆的発色剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に可逆的発色剤を配合し更に可逆的発色剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0054】
以上の様な場合、可逆的発色剤の現像剤全体に占める割合は、画像の十分な書換え特性を実現するために、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0055】
なお、可逆的発色剤がマイクロカプセルに内包されており、マイクロカプセルの粒子径がトナーの粒子径と同等以上の場合は、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合したり、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有するキャリアとを混合したりして、現像剤を調製できる。
【0056】
また、可逆的発色剤を内包するマイクロカプセルの体積平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、一方、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。マイクロカプセルの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて、体積基準により測定することもできる。
【0057】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0058】
また、情報の十分な可視性を実現するためには透明な結着樹脂が好ましく、透明樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましく、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレー卜樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂などを使用する。
【0059】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0060】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0061】
一方、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂などの様に半透明樹脂を使用すれば、ソフト感のある色彩を実現できる。
【0062】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0063】
加圧定着用には、ワックス類、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0064】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0065】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0066】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0067】
また、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0068】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0069】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0070】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0071】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0072】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0073】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0074】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0075】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0076】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0077】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0078】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0079】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0080】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、フッ素樹脂、ワックス類、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0081】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0082】
(表面処理剤)
表面処理剤としてワックス類をトナー中に配合することにより、トナーの流動性を向上できる。また、トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0083】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0084】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、フッ素樹脂およびステアリン酸亜鉛などの滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0085】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0086】
乾式二成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0087】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0088】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0089】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0090】
乾式一成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0091】
湿式系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0092】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0093】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0094】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0095】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0096】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0097】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0098】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0099】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0100】
なお、可逆的発色剤を内包するマイクロカプセルを使用する場合は、以上の混合工程、混練工程、粉砕工程および分級工程などにおいては、マイクロカプセルが過度に破壊されないよう注意する。例えば、エクストルーダー等で溶融混練する際、スクリューの構成を低混練型とする。
【0101】
(カード)
可逆的発色剤を含有する電子写真方式用の現像剤を使用すれば、オンデマンドトナープリンター等のオンデマンド電子写真方式により、書換え可能な情報を形成できる画像を形成できる。よって、個人向け及び少量多品種のリライトカードを、手軽に作製できる。
【0102】
この様なリライトカードとしては、ポイントカード、プリペイドカード、ディスプレー、電子黒板、チッケト、入場券、鉄道およびバス等の回数券、鉄道およびバス等の定期券、電話カード、診療券、クレジットカード、キャッシュカード、ワードプロセッサ及びパーソナルコンピーター用の一時的出力材料、高速道路通行券、キャッシュカード、会員証、IDカード、ICカード等を挙げることができ、これらのカードを手軽に作製できる。
【0103】
なお、基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0104】
特に、リライトカードの場合は、基材シートとして携帯に要する剛性を具備するものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂フィルム;ポリスチレンフィルム;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体フィルム;三酢酸セルロースフィルム;ポリカーボネートフィルム;アート紙,コート紙,上質紙、合成紙などの一般的な紙類;金属箔;セラミックシート等を使用する。これらの場合、基体シートの厚さは100〜1000μm程度とする。
【0105】
また、リライト用の画像の上下には、保護層、クリーニング層、増感層などの機能層を積層することもできる。
【0106】
(シート)
以上ではリライトカードに付いて詳細に説明したが、本発明の電子写真方式用現像剤は、リライトカードに限らず、例えば、リライトタグ、リライトラベル、リライトシール等のリライトシートのオンデマンド製造にも好適である。
【0107】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0108】
(実施例1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得る。
【0109】
得られる結着樹脂110質量部に、ステアリン酸1質量部と、ポリプロピレン2質量部と、クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部とを混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得る。
【0110】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得る。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得る。
【0111】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて支持体上に矩形のベタ画像を形成し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0112】
(実施例2)電子写真方式用トナー2、電子写真方式用現像剤2
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えてMerk社製K24を15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー2及び電子写真方式用現像剤2を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0113】
(実施例3)電子写真方式用トナー3、電子写真方式用現像剤3
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、64.4質量%のFeと23質量%のCrと12質量%のCoと0.5質量%のVと0.1質量%のTiとの合金粉15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー3及び電子写真方式用現像剤3を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0114】
(実施例4)電子写真方式用トナー4、電子写真方式用現像剤4
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、オリエンタル技研社製のヘキサメチレンテトラミン・コバルト塩系の示温材料(商品名:オリエンタルサーマルカラーOF−60)15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー4及び電子写真方式用現像剤4を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0115】
(実施例5)電子写真方式用トナー5、電子写真方式用現像剤5
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー5及び電子写真方式用現像剤5を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0116】
(実施例6)電子写真方式用現像剤6
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がクリスタルバイオレットラクトン及びビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩を含んでいるものを使用し、クリスタルバイオレットラクトンの現像剤に占める割合を2質量%とし、ビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤6を調製する。この電子写真方式用現像剤6を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0117】
(実施例7)電子写真方式用現像剤7
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がMerk社製K24を含んでいるものを使用し、Merk社製K24の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤7を調製する。この電子写真方式用現像剤7を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0118】
(実施例8)電子写真方式用現像剤8
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が64.4質量%のFeと23質量%のCrと12質量%のCoと0.5質量%のVと0.1質量%のTiとの合金粉を含んでいるものを使用し、合金粉の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤8を調製する。この電子写真方式用現像剤8を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0119】
(実施例9)電子写真方式用現像剤9
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がオリエンタルサーマルカラーOF−60を含んでいるものを使用し、オリエンタルサーマルカラーOF−60の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤9を調製する。この電子写真方式用現像剤9を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0120】
(実施例10)電子写真方式用現像剤10
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体を含んでいるものを使用し、3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤10を調製する。この電子写真方式用現像剤10を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0121】
以上より、本発明の電子写真方式用現像剤を使用すれば、少量の書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンドに作製できることが分る。
【0122】
【発明の効果】
可逆的発色剤を含むトナー及び現像剤を用いれば、電子写真方式を使用して、書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンド作製できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、可逆的発色剤を含む電子写真方式用トナー、現像剤、画像およびその様な画像が形成されたリライトカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポイントカード等として利用されているリライトカードにおいては、カード上の所定領域に形成されたリライト部に、可視可能な情報が書き込まれ、消去され、書換えられる。そして、この様なリライト部は、支持体上に可逆的発色剤を含むリライト層を積層して作製される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、リライト層の形成は、リライト層の原料を支持体上に塗工し硬化する方法や、リライト層を予め作製しておき支持体に接着する方法などにより作製されてきた。リライト層の作製については、例えば、特開平5−96888号公報、特開平5−294092号公報、特開昭61−255891号公報、特開平7−13206号公報、特開平2−44071号公報、特開平3−2089号公報、特開平9−71056号公報、特開平4−174415号公報、特開平7−125483号公報、特開2002−144777号公報、特開2002−154273号公報、特開2002−178673号公報などに記載されている。
【0004】
しかしながら、これらの積層方法は、同一のリライトカードを多量に複製する場合には好適であるが、近年、パーソナルユースを目的とするリライトカードの需要が増加し、従来の方法では、少量多品種のリライトカードを要求即応(オンデマンド、On Demand)に製造することが困難となりつつある。
【0005】
具体的には、従来の方法は大量生産には適するが、短い納期で少量多品種のリライトカードを生産するオンデマンド生産には不適当な場合があった。このため、少量多品種のリライトカードを従来法で作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0006】
一方、電子写真方式は、少量多品種の複製に好適であり、オンデマンドな方式であると考えられる。
【0007】
電子写真装置においては、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0008】
以上の様な電子写真方式は少量多品種の複製に好適な方法であるため、リライト層を電子写真方式により形成できれば、個人向け等の少量多品種のリライトカードをオンデマンドに製造できると考えられる。
【0009】
そこで、本発明においては、電子写真方式を使用して、書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンド作製することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、可視情報の書込み及び消去を可逆的に行える画像を電子写真方式で形成するために使用され、可逆的発色剤を含む電子写真方式用トナーが提供される。
【0011】
また、トナーと可逆的発色剤とを含む電子写真方式用現像剤が提供される。
【0012】
以上の様な現像剤を用いれは、書換え可能な可視情報を形成できる画像が形成された少量多品種のリライトカードを、電子写真方式により簡単にオンデマンド形成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
(可逆的発色剤)
可逆的発色剤としては、トナーの定着性および離型性などを損なうことなく、画像の十分な可逆的発色性を実現するものであれば特に制限されず、可視情報の書込み及び消去(書換え)の方式により使い分ける。可視情報は、例えば矩形のベタ画像に書き込まれるが、ベタ画像は、一般に、温度変化、温度の変化速度などの違い、磁場および電場などにより濁度変化、変色、発色および消色などする可逆的発色剤を含む現像剤を用いて、電子写真方式により形成される。可視情報の書換えは、このベタ画像を加熱および冷却したり、磁場および電場をかける等して、ベタ画像中に文字などの情報を形成および消去することで行われる。
【0015】
書換えの方式としては、ロイコ系染料型、液晶型、磁性体型、示温材料型、高分子型などがあり、それぞれの方式で、以下の様な可逆的発色剤を使用する。
【0016】
(ア)ロイコ系染料型の書換え方式の場合、ロイコ系染料と顕減色剤とを使用する。顕減色剤は分子内に水酸基および/またはカルボキシル基からなる酸性基と、アミノ基からなる塩基性基とを合わせ持ち、水素イオンを熱により可逆的に放出でき、ロイコ系染料のラクトン環が高温加熱で開環し、低温加熱で閉環すると言う化学的な変化を利用して熱可逆的に発色および消色を行う。
【0017】
ロイコ系染料としては、ラクトン、サルトン、スピロピランなどの部分骨格を有するキサンテン系、スピロピラン系、ラクトン系、フルオラン系、サルトン系などが用い、特に、トリアリールメタン系およびフルオラン系のロイコ系染料を用いる。
【0018】
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアニロフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−トリル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−イソアミル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−テトラヒドロフリル)−アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を使用し、必要に応じて2種以上を併用する。
【0019】
顕減色剤は、例えば、ビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩の様に、熱エネルギーの作用によりプロトンを可逆的に放出し、ロイコ系染料に対して顕色作用と減色作用とを併せ持つ。
【0020】
例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基からなる酸性基と、アミノ基からなる塩基性基との双方を有し、熱エネルギーの相違により酸性または塩基性となって、ロイコ系染料を顕色(発色)および減色(消色)させる。
【0021】
具体的には、炭素数12以上のアルキル基を持つことが望ましく、酸性基と塩基性基とを官能基として有する顕減色剤としては、例えば、アミノ安息香酸類、ヒドロキシ安息香酸類、アミノフェノール類、アミノナフテン酸類、ニコチン酸類などを使用する。
【0022】
また、炭素数12以上のアルキル基を持つ脂肪族リン酸類など有機リン酸類、炭素数12以上のアルキル基を持つα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸類、α又はβ−ハロゲン化脂肪族カルボン酸類、オキシ脂肪族カルボン酸類など脂肪族カルボン酸類、4’−ヒドロキシ−n−ヘプタンアニリド、4’−ヒドロキシ−3−メチルオクタンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−トリデカンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−ナノデカンアニリド、3’−ヒドロキシ−n−ナノデカンアニリド、4’−ヒドロキシ−n−ヘプタデカンアニリドなどの芳香族アミン類、N−シクロヘキシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−シクロヘキシルメチル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−メチル−N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−オクタデシル−2,3,4−トリヒドロキシベンズアミドなどのフェノール類も使用する。
【0023】
なお、耐熱性、耐圧性、耐磨耗性、対環境性などを向上させる目的で、ロイコ系染料および顕減色剤をマイクロカプセル中に内包した状態で使用することもできる。マイクロカプセルは、例えば、界面重縮合法、in situ法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、液中乾燥法などで作製できる。
【0024】
(イ)液晶型の書換え方式の場合、液晶性化合物が、固体、液晶および液体に相転移し、液晶状態において入射光を選択反射する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱的および電磁気的に可逆的に行われる。
【0025】
液晶性化合物としては、サーモトロピック液晶およびオトロピック液晶の何れも使用できる。
【0026】
例えば、ネマティック液晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶、ディスコティック液晶などを使用でき、中でも安定であり液晶性が顕著である等の理由から、ネマティック液晶およびコレステリック液晶が好ましく、特にコレステリック液晶が好ましい。
【0027】
ネマティック液晶としては、例えば、以下の様な化合物を使用する。
【0028】
【化1】
上の一般式(1a)〜(1c)で示される様なアゾメチル化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0029】
【化2】
上の一般式(2a)〜(2d)で示される様なエステル化合物(式中、R、R’及びR1〜R6は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0030】
【化3】
上の一般式(3a)及び(3b)で示される様なビフェニル化合物(式中、Rは、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0031】
【化4】
上の一般式(4)で示される様なスチルベン化合物(式中、R、R’、X及びYは独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0032】
【化5】
上の一般式(5a)及び(5b)で示される様なアゾキシ化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)、
【0033】
【化6】
上の一般式(6)で示される様なアゾ化合物(式中、R及びR’は独立に、水素、ハロゲン、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルケニル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアルコキシル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリール基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアラルキル基、一部または全ての水素がハロゲンに置換されていても良いアリールオキシル基、カルボン酸エステル、シアノ基、ニトロ基を表す。)等を使用する。
【0034】
コレステリック液晶としては、安息香酸コレステリル、塩化コレステリル、オクタン酸コレステリル、ノナン酸コレステリルクロルギ酸コレステリル、炭酸オレイルコレステリル、酢酸コレステリル、エレオステアリン酸コレステリル及びこれらの誘導体;セルロース誘導体などを使用する。
【0035】
また、2−メチルブチル基、3−メチルブトキシ基、4−メチルヘキシル基などの光学活性構造が導入されたネマティック液晶(カイラルネマティック液晶)を使用することもできる。
【0036】
スメクティック液晶としては、カプリル酸、カプリル酸誘導体、カプリル酸塩カプリル酸誘導体塩などを使用する。
【0037】
ディスコティック液晶としては、ベンゼンヘキサアルカノエート及びベンゼンヘキサアルカノエート誘導体、トリフェニレン及びトリフェニレン誘導体、ルフィガロール及びルフィガロール誘導体、トルクセン及びトルクセン誘導体などを使用する。
【0038】
また、以上の様な低分子液晶に加え、高分子液晶も使用できる。高分子液晶としては、以上の様な低分子液晶構造が主鎖に存在している主鎖型、以上の様な低分子液晶構造が側鎖として主鎖に結合している側鎖型の何れでも使用できる。側鎖型高分子液晶の主鎖としては、ポリシロキサンおよびシリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレートおよびアクリル樹脂などを挙げることができる。
【0039】
更に、以上の様な液晶性化合物を例えばマイクロカプセルに封入したり、ゲル化剤によりゲル化して使用することもできる。マイクロカプセルは、例えば、界面重縮合法、in situ法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、液中乾燥法などで作製できる。
【0040】
なお、商品として入手可能な液晶性化合物の商品名および登録商標としては、例えば、BDH Chemical社製スメクチックA相物質S2、Merk社製K24、K30、K36、ZLI1840及びCB15等がある。
【0041】
(ウ)磁性体型の書換え方式の場合、磁性材料を使用し、磁性材料が磁場および電場に応じて配列する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、電磁気可逆的に行われるのが一般的である。
【0042】
磁性材料としては、鉄、クロム、コバルト合金、クニフェ(Cunife)、クニコ(Cunico)、白金コバルト合金、アルニコ、希土類磁石の強磁性体を使用し、保磁力が高い等の理由から、鉄、クロム及びコバルトを含有する合金が好ましい。具体的には、13〜32質量%のクロムと、5〜20質量%のコバルトと、鉄(残部)との合金が好ましく、チタン、バナジウム、モリブデン及びタングステン等を添加しても良い。
【0043】
また、以上の様な磁性材料をマイクロカプセルに封入して使用することもできる。マイクロカプセルを使用する場合、以上の磁性材料に加え、Ni、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Cr合金、Al−Co合金、Fe−Al−Si合金、Sm−Co合金なども使用する。
【0044】
(エ)示温材料型の書換え方式の場合、含結晶水塩を使用し、含結晶水塩が特定の温度において結晶水を可逆的に吸収および放出し、吸収および放出した状態において、それぞれ発色および消色する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱可逆的に行われるのが一般的である。
【0045】
含結晶水塩としては、ヘキサメチレンテトラミン・塩化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・臭化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・沃化コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・塩化ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・臭化ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硝酸コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硫酸コバルト錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硝酸ニッケル錯体10水塩、ヘキサメチレンテトラミン・硫酸ニッケル錯体10水塩、ジピリジン硫酸コバルト10水塩、過マンガン酸鉄アンモニウム7水塩、リン酸コバルト8水塩などを使用する。
【0046】
(オ)高分子型の書換え方式の場合、結晶性を有する高分子を使用し、結晶性高分子を溶融状態から徐冷すると濁度の高い固体を形成する性質を利用する。この場合、情報の書き込む及び消去は、熱可逆的に行われる。
【0047】
この様な結晶性高分子としては、例えば、ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体などの塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリ(メタ)クリレート或いはアクリレート−(メタ)クリレート共重合体などのアクリル系樹脂;シリコーン樹脂を使用する。
【0048】
更に、これらの熱可塑性樹脂に、炭素数10〜30の飽和または不飽和高級脂肪酸、それらのエステル、マミド及びアンモニウム塩;炭素数20以上の脂肪族飽和ジカルボン酸およびその誘導体などの有機低分子物質を分散させたものも使用する。なお、熱可塑性樹脂と有機低分子物質との比は、有機低分子物質100質量部に対して、熱可塑性樹脂を500〜5000とすることが好ましい。
【0049】
なお、高級脂肪酸の具体例としては、パルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ノナコサン酸、メリシン酸、2−ヘキサデセン酸、トランス−3−ヘキサデセン酸、2−ヘプタデセン酸、トランス−2−オクタデトセン酸、シス−2−オクタデセン酸、トランス−4−オクタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸、エライジン酸、トランス−11−オクタデセン酸、トランス−11−エイコセン酸、エルカ酸、ブラシン酸、セラコレイン酸、トランス−セラコレイン酸、トランス−8,トランス−10−オクタデカジエン酸、リノエライジン酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プソイドエレオステアリン酸、12,20−ヘンエイコサジエン酸などを挙げることができ、必要に応じて2種以上を併用する。
【0050】
以上では、可逆的発色剤の例を説明してきたが、これらの可逆的発色剤は、必要に応じて、二種以上を併用することもできる。
【0051】
また、可逆的発色剤のトナー全体に占める割合は、画像の十分な書換え特性を実現するために、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0052】
一成分現像剤を作製する場合、可逆的発色剤を、普通、トナーに配合するが、可逆的発色剤を含有しないトナーと可逆的発色剤とを混合して現像剤を調製することもでき、可逆的発色剤を含有するトナーに更に可逆的発色剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0053】
また、二成分現像剤を作製する場合、可逆的発色剤を、普通、トナーに配合するが、キャリアに可逆的発色剤を配合することもでき、可逆的発色剤を含有しないトナーと可逆的発色剤を含有しないキャリアと可逆的発色剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に可逆的発色剤を配合し更に可逆的発色剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0054】
以上の様な場合、可逆的発色剤の現像剤全体に占める割合は、画像の十分な書換え特性を実現するために、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0055】
なお、可逆的発色剤がマイクロカプセルに内包されており、マイクロカプセルの粒子径がトナーの粒子径と同等以上の場合は、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合したり、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有するキャリアとを混合したりして、現像剤を調製できる。
【0056】
また、可逆的発色剤を内包するマイクロカプセルの体積平均粒子径は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、一方、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。マイクロカプセルの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて、体積基準により測定することもできる。
【0057】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0058】
また、情報の十分な可視性を実現するためには透明な結着樹脂が好ましく、透明樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましく、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレー卜樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂などを使用する。
【0059】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0060】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0061】
一方、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂などの様に半透明樹脂を使用すれば、ソフト感のある色彩を実現できる。
【0062】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0063】
加圧定着用には、ワックス類、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0064】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0065】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0066】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0067】
また、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0068】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0069】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0070】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0071】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0072】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0073】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0074】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0075】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0076】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0077】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0078】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0079】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0080】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、フッ素樹脂、ワックス類、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0081】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0082】
(表面処理剤)
表面処理剤としてワックス類をトナー中に配合することにより、トナーの流動性を向上できる。また、トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0083】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0084】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、フッ素樹脂およびステアリン酸亜鉛などの滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0085】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0086】
乾式二成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0087】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0088】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0089】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0090】
乾式一成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0091】
湿式系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0092】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0093】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0094】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0095】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0096】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0097】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0098】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0099】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0100】
なお、可逆的発色剤を内包するマイクロカプセルを使用する場合は、以上の混合工程、混練工程、粉砕工程および分級工程などにおいては、マイクロカプセルが過度に破壊されないよう注意する。例えば、エクストルーダー等で溶融混練する際、スクリューの構成を低混練型とする。
【0101】
(カード)
可逆的発色剤を含有する電子写真方式用の現像剤を使用すれば、オンデマンドトナープリンター等のオンデマンド電子写真方式により、書換え可能な情報を形成できる画像を形成できる。よって、個人向け及び少量多品種のリライトカードを、手軽に作製できる。
【0102】
この様なリライトカードとしては、ポイントカード、プリペイドカード、ディスプレー、電子黒板、チッケト、入場券、鉄道およびバス等の回数券、鉄道およびバス等の定期券、電話カード、診療券、クレジットカード、キャッシュカード、ワードプロセッサ及びパーソナルコンピーター用の一時的出力材料、高速道路通行券、キャッシュカード、会員証、IDカード、ICカード等を挙げることができ、これらのカードを手軽に作製できる。
【0103】
なお、基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0104】
特に、リライトカードの場合は、基材シートとして携帯に要する剛性を具備するものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂フィルム;ポリスチレンフィルム;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体フィルム;三酢酸セルロースフィルム;ポリカーボネートフィルム;アート紙,コート紙,上質紙、合成紙などの一般的な紙類;金属箔;セラミックシート等を使用する。これらの場合、基体シートの厚さは100〜1000μm程度とする。
【0105】
また、リライト用の画像の上下には、保護層、クリーニング層、増感層などの機能層を積層することもできる。
【0106】
(シート)
以上ではリライトカードに付いて詳細に説明したが、本発明の電子写真方式用現像剤は、リライトカードに限らず、例えば、リライトタグ、リライトラベル、リライトシール等のリライトシートのオンデマンド製造にも好適である。
【0107】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0108】
(実施例1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得る。
【0109】
得られる結着樹脂110質量部に、ステアリン酸1質量部と、ポリプロピレン2質量部と、クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部とを混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得る。
【0110】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得る。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得る。
【0111】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて支持体上に矩形のベタ画像を形成し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0112】
(実施例2)電子写真方式用トナー2、電子写真方式用現像剤2
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えてMerk社製K24を15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー2及び電子写真方式用現像剤2を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0113】
(実施例3)電子写真方式用トナー3、電子写真方式用現像剤3
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、64.4質量%のFeと23質量%のCrと12質量%のCoと0.5質量%のVと0.1質量%のTiとの合金粉15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー3及び電子写真方式用現像剤3を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0114】
(実施例4)電子写真方式用トナー4、電子写真方式用現像剤4
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、オリエンタル技研社製のヘキサメチレンテトラミン・コバルト塩系の示温材料(商品名:オリエンタルサーマルカラーOF−60)15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー4及び電子写真方式用現像剤4を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0115】
(実施例5)電子写真方式用トナー5、電子写真方式用現像剤5
クリスタルバイオレットラクトン3質量部およびビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩15質量部に代えて、3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体15質量部使用する以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1の場合と同様にして、電子写真方式用トナー5及び電子写真方式用現像剤5を調製し、ポイントカードを作製する。矩形部分には、ポイントを可視情報として記入でき書き換えることができる。
【0116】
(実施例6)電子写真方式用現像剤6
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がクリスタルバイオレットラクトン及びビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩を含んでいるものを使用し、クリスタルバイオレットラクトンの現像剤に占める割合を2質量%とし、ビスフェノール酢酸・ステアリルアミン塩の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤6を調製する。この電子写真方式用現像剤6を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0117】
(実施例7)電子写真方式用現像剤7
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がMerk社製K24を含んでいるものを使用し、Merk社製K24の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤7を調製する。この電子写真方式用現像剤7を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0118】
(実施例8)電子写真方式用現像剤8
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が64.4質量%のFeと23質量%のCrと12質量%のCoと0.5質量%のVと0.1質量%のTiとの合金粉を含んでいるものを使用し、合金粉の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤8を調製する。この電子写真方式用現像剤8を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0119】
(実施例9)電子写真方式用現像剤9
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層がオリエンタルサーマルカラーOF−60を含んでいるものを使用し、オリエンタルサーマルカラーOF−60の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤9を調製する。この電子写真方式用現像剤9を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0120】
(実施例10)電子写真方式用現像剤10
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体を含んでいるものを使用し、3質量%のベヘン酸を含む塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体の現像剤に占める割合を10質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤10を調製する。この電子写真方式用現像剤10を使用して、ポイントカードを製造できる。
【0121】
以上より、本発明の電子写真方式用現像剤を使用すれば、少量の書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンドに作製できることが分る。
【0122】
【発明の効果】
可逆的発色剤を含むトナー及び現像剤を用いれば、電子写真方式を使用して、書換え可能な可視情報を形成できる画像をオンデマンド作製できる。
Claims (9)
- 可視情報の書込み及び消去を可逆的に行える画像を電子写真方式で形成するために使用され、可逆的発色剤を含む電子写真方式用トナー。
- 前記可逆的発色剤は、ロイコ系染料と顕減色剤との組み合わせ、液晶性化合物、磁性材料、示温材料または結晶性高分子である請求項1記載の電子写真方式用トナー。
- 前記可逆的発色剤のトナー全体に占める割合は、0.1〜40質量%である請求項1又は2記載の電子写真方式用トナー。
- 前記可逆的発色剤は、マイクロカプセルに内包されている請求項1乃至3何れかに記載の電子写真方式用トナー。
- トナーと可逆的発色剤とを含む電子写真方式用現像剤。
- 前記可逆的発色剤は、マイクロカプセルに内包されている請求項5記載の電子写真方式用現像剤。
- 請求項1乃至4何れかに記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項5又は6記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成される画像。
- 請求項7記載の画像が形成されたリライトシート。
- リライト部が請求項7記載の画像よりなるリライトカード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002219523A JP2004061820A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002219523A JP2004061820A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004061820A true JP2004061820A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31940402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002219523A Pending JP2004061820A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004061820A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007233101A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-09-13 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、及び静電荷像現像用現像剤。 |
JP2007240953A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、及び静電荷像現像用現像剤。 |
CN102236281A (zh) * | 2010-04-26 | 2011-11-09 | 株式会社东芝 | 图像形成装置与图像形成方法 |
JP7435228B2 (ja) | 2020-05-12 | 2024-02-21 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真用トナー並びにこれを用いた電子写真画像形成装置及び電子写真画像形成方法 |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219523A patent/JP2004061820A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007233101A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-09-13 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、及び静電荷像現像用現像剤。 |
JP2007240953A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、及び静電荷像現像用現像剤。 |
JP4661641B2 (ja) * | 2006-03-09 | 2011-03-30 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、及び静電荷像現像用現像剤。 |
CN102236281A (zh) * | 2010-04-26 | 2011-11-09 | 株式会社东芝 | 图像形成装置与图像形成方法 |
JP2011232740A (ja) * | 2010-04-26 | 2011-11-17 | Toshiba Corp | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2013250583A (ja) * | 2010-04-26 | 2013-12-12 | Toshiba Corp | 画像形成装置及び制御方法 |
US8615189B2 (en) | 2010-04-26 | 2013-12-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Image forming apparatus and image forming method |
US8892020B2 (en) | 2010-04-26 | 2014-11-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Image forming apparatus and image forming method |
JP7435228B2 (ja) | 2020-05-12 | 2024-02-21 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真用トナー並びにこれを用いた電子写真画像形成装置及び電子写真画像形成方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4236970B2 (ja) | 薄膜被覆トナーの製造方法 | |
JP4072041B2 (ja) | 薄膜被覆微トナーの製造方法 | |
JP2004061820A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、リライトカード | |
JP2004061818A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP2004233650A (ja) | トナー | |
JP4139643B2 (ja) | スクラッチシート | |
JP2004061813A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP2004061811A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP4051236B2 (ja) | 電子写真方式用トナーおよびシート | |
JP2004061822A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP2004061819A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP2004061817A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP2004144895A (ja) | 病害生物防除剤を含有する電子写真方式用トナー | |
JP2004061816A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、シート | |
JP4085705B2 (ja) | 画像形成用トナー、その製造方法、それを用いた現像剤、及び画像形成方法ならびに画像形成装置 | |
JP3277796B2 (ja) | 磁気記録体 | |
JPH06313880A (ja) | 書換え可能型表示媒体 | |
JP2004061815A (ja) | 電子写真方式用トナー、電子写真方式用現像剤、画像、シート | |
JP4015522B2 (ja) | 電子写真方式用現像剤 | |
JPH0990887A (ja) | 磁気記録体及び磁気記録体の記録消去方法並びに磁気記録体の記録消去装置 | |
JP2004144892A (ja) | 発色剤を含有する電子写真方式用トナー | |
JP2004144894A (ja) | 顕色剤を含有する電子写真方式用トナー | |
JPS6366564A (ja) | 粉体トナ− | |
JP2004144893A (ja) | 減感剤を含有する電子写真方式用トナー | |
JP4240775B2 (ja) | カードとカード添付用台紙とのマッチング方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050630 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20050630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070320 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070711 |