JP2004144893A - 減感剤を含有する電子写真方式用トナー - Google Patents

減感剤を含有する電子写真方式用トナー Download PDF

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Abstract

【課題】印刷に代わり電子写真方式を使用して、減感剤層をオンデマンド作製する。
【解決手段】発色剤を含むトナー及び現像剤を用い、減感剤層13を基体シート10に電子写真方式で形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、減感剤を含む電子写真方式用トナー、現像剤、画像およびその様な画像が形成されたシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一つの原稿を多量に複製する方法としては、原稿を高速、多量および安価に複製できる印刷が一般的であった。しかしながら、近年、パーソナルユースを目的とする複製の需要が増加し、ある程度の部数の複製は、印刷機に代わり無版印刷機およびコピー機などの電子写真装置を用いて行われつつある。電子写真方式は、印刷機と異なり版などを必要としないため、少量および多品種の複製に好適であり、印刷と比べ要求即応(オンデマンド、On Demand)な方式であると考えられる。
【0003】
印刷機において、文字および図などの情報を伝達するための画像は、インキを紙などの支持体に定着して形成される。近年、印刷で形成される画像は多種に渡り、画像に要求される品位も高度化の一途を辿っている。この様な動向に応じて、各種の機能を有する高性能のインキが多数開発され、実用に供されている。
【0004】
一方、電子写真装置においては、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0005】
従来より印刷により作製されてきた特殊シートの一つに、感圧複写用シートがある。感圧複写用シートはカーボン紙を挿入する必要がないことから、ノーカーボンシートとも呼ばれ、広く実用化されている。図5には、3枚式のノーカーボンシートを示した。1Pシート及び2Pシートにおいては基体シート60の裏面に発色剤層61が形成されており、発色剤層は発色剤マイクロカプセルを含有する塗工液を塗工または発色剤マイクロカプセルを含有するインキを印刷して形成されている。また、2Pシート及び3Pシートにおいては基体シートの表面に顕色剤層62が形成されており、顕色剤層は顕色剤を含有する塗工液を塗工または顕色剤を含有するインキを印刷して形成されている。実際の使用に当たっては、1P〜3Pを束にして感圧複写帳票を作製する。1Pシートの表面にプリンター及び筆圧などで圧力を加えると、裏面の発色剤マイクロカプセルが破壊され、発色剤が放出される。この結果、発色剤が顕色剤と接触し、発色反応が進行して、画像が複写される。
【0006】
ここで、図5の様に発色剤層および顕色剤層が全面塗工されている場合、シートの何れの部分においても画像が複写されるが、実際に使用される感圧複写帳票においては、画像が複写されては困る領域を含む場合がある。この様な場合、画像が複写されては困る領域に減感剤層63を形成しておけばよく、減感剤層は減感剤を含有するインキを印刷して形成されている。減感剤は、発色剤と顕色剤との反応を阻害するため、画像は複写されない。
【0007】
以上の様な感圧複写用シートに関しては、例えば、非特許文献1、特許文献1〜10に記載されている。
【0008】
【非特許文献1】
シーエムシー編集部編、「特殊機能インキの実際技術」、普及版第1版、株式会社シーエムシー、1999年11月15日、第150〜158頁
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−003898号公報
【特許文献2】
特開昭53−084881号公報
【特許文献3】
特開昭56−010489号公報
【特許文献4】
特開昭48−098914号公報
【特許文献5】
特開昭62−019486号公報
【特許文献6】
特開昭62−178387号公報
【特許文献7】
特開昭62−178388号公報
【特許文献8】
特開平01−145189号公報
【特許文献9】
特開2002−226757号公報
【特許文献10】
特開平01−174485号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様な発色剤層、顕色剤層および減感剤層は、それぞれ、発色剤、顕色剤および減感剤を含有するインキ及び塗工液を用いて、オフセット印刷、フレキソ印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの各種印刷法;ワイヤーバーコーター、エアーナイフコーターなど各種コーター法などで作製されるため、大量生産には適するが、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産には適用が困難であった。
【0011】
このため、少量多品種のシート等を、上記の様なインキ及び塗工液などで作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0012】
この様な状況に鑑み、本発明においては、特に減感剤に着目し、印刷およびコーター塗工などに代わり電子写真方式を使用して減感剤層をオンデマンドに作製できるトナー及び現像剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、減感剤を含む電子写真方式用トナーが提供される。
【0014】
また、トナーと減感剤とを含む電子写真方式用現像剤が提供される。
【0015】
以上の様なトナー及び現像剤を用いれは、減感剤層を電子写真方式によりオンデマンドに形成できる。この結果、減感剤層が形成された少量多品種の感圧複写用シート等を、電子写真方式により簡単にオンデマンド形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】
(減感剤)
減感剤とは、発色剤と顕色剤とのカップリング反応および酸化還元反応(電子の供受反応)等を阻害して発色を抑制するものを言い、使用する発色剤および顕色剤に最適なものが選択される。
【0018】
例えば、カチオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、芳香族アミンベース等の第四級アンモニウム塩;アルキルピリジニウムクロリド等のピリジニウム塩;ノニオン界面活性剤;ポリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のポリヒドロキシ化合物;アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンのプロピレンオキサイド付加物、アルキルアミンのブチレンオキサイド付加体、アルキレンジアミンのエチレンオキサイド付加物、アルキレンジアミンのプロピレンオキサイド付加物、アルキレンジアミンのブチレンオキサイド付加体、ジアルキレントリアミンのエチレンオキサイド付加物、ジアルキレントリアミンのプロピレンオキサイド付加物、ジアルキレントリアミンのブチレンオキサイド付加体などのアルキルアミン類のアルキレンオキシド付加物;ドデシルアミン、ジドデシルアミン等の不揮発性アミン類;アルキルオキサゾリン等のヘテロ環化合物などを使用する。
【0019】
なお、以上に説明した減感剤は、必要に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0020】
減感剤のトナー全体に占める割合は、減感剤層の十分な発色抑制効果を実現するために比較的高くし、具体的には、0.1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
【0021】
一成分現像剤を作製する場合、減感剤を、普通、トナーに配合するが、減感剤を含有しないトナーと減感剤とを混合して現像剤を調製することもでき、減感剤を含有するトナーに更に減感剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0022】
また、二成分現像剤を作製する場合、減感剤を、普通、トナーに配合するが、キャリアに減感剤を配合することもでき、減感剤を含有しないトナーと減感剤を含有しないキャリアと減感剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に減感剤を配合し更に減感剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0023】
以上の様な場合、減感剤の現像剤全体に占める割合は、減感剤層の十分な発色抑制効果を実現するために比較的高くし、具体的には、0.1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
【0024】
(マイクロカプセル及びゲル物質)
以上に説明した減感剤をマイクロカプセルに内包したり、ゲル物質でコートすることにより、減感剤の発色抑制効果を制御できる。特に、液媒体を内包するマイクロカプセルに減感剤を内包したり、液媒体を含有するゲル物質で減感剤をコートすれば、加圧によりマイクロカプセル及びゲル物質が破壊などされ減感剤が放出された際に、液媒体も同時に放出されるため、減感剤の移動性が向上する。このため、発色抑制効果が向上する。
【0025】
また、減感剤とは別に、減感剤を含まない液媒体を内包するマイクロカプセル又は減感剤を含まない液媒体を含有するゲル物質を、トナー又は現像剤に存在させることによっても、同様に発色抑制効果が向上する。
【0026】
更に、液媒体を内包するマイクロカプセル又は液媒体を含有するゲル物質を、発色剤層および顕色剤層の少なくとも何れか一方に存在させることによっても、同様に発色抑制効果が向上する。
【0027】
カプセル壁およびゲル物質としては、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレア等を使用する。
【0028】
マイクロカプセルは、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの化学的カプセル化方法;コアセルベーション法、液中硬化被覆法、液中乾燥法、融解分散冷却法などによる物理化学的カプセル化方法;パンコーティング法、気中懸濁化法、噴霧乾燥法などによる機械的カプセル化方法などにより製造できる。
【0029】
例えば、界面重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れにもカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料とマイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料とが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0030】
また、in situ重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れか一方のみにカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成されか、マイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0031】
以上の重合法において使用される界面活性剤は特に制限されず、アニオン性単量体、カチオン性単量体、ノニオン性単量体、アニオン性重合体、カチオン性重合体、ノニオン性重合体の何れでも使用できる。中でも、乳化能が高い、カプセル内包物の保護性が高い、カプセル樹脂壁の凝集性に優れる、カプセル樹脂壁形成反応を阻害しない等の理由から、アニオン性単量体、アニオン性重合体などが好ましい。
【0032】
具体的には、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カイゼン、アラビアゴム、ゼラチン、ロート油などを使用する。
【0033】
また、カプセル化反応の際の全体に対して、界面活性剤の使用量は0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、一方、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましくい。
【0034】
カプセル樹脂壁としては熱可塑性および熱硬化性の何れでも良く、カプセル内包物の性質、所望のマイクロカプセルの構造などを考慮して選択する。中でも、マイクロカプセルの構造を制御し易いなどの理由から、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂などが好ましく、必要に応じて2種類以上の樹脂を併用できる。
【0035】
具体的には、例えば、カプセル樹脂壁を尿素樹脂から作製する場合、メチロール化尿素系化合物を用いたin situ重合法、尿素系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、ハロゲン化カルボニル化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0036】
また、カプセル樹脂壁をメラミン樹脂から作製する場合、メチロール化メラミン系化合物を用いたin situ重合法、メラミン系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0037】
また、カプセル樹脂壁をポリウレタン樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、カルボニルモノオキシ化合部とアミン類とを用いた界面重合法、アミノ−カルボニルモノオキシ化合部を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0038】
また、カプセル樹脂壁をウレタン−尿素樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物と水とを用いた界面重合法、イソシアネート化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0039】
また、カプセル樹脂壁をポリアミド樹脂から作製する場合、アミノ酸誘導体を用いたin situ重合法、カルボン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0040】
また、カプセル樹脂壁をポリエステル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0041】
また、カプセル樹脂壁をポリエーテル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0042】
また、カプセル樹脂壁をポリオレフィン樹脂から作製する場合、エチレン、プロピレン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン−ジビニルベンゼン等を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0043】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホンアミド樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0044】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホネート樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0045】
また、カプセル樹脂壁をエポキシ樹脂から作製する場合、エポキシドとヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、エポキシドとアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0046】
また、カプセル樹脂壁をポリカーボネート樹脂から作製する場合、ヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0047】
また、カプセル樹脂壁をフェノール樹脂から作製する場合、芳香族ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、尿素系化合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0048】
なお、カプセル樹脂壁の原料としては、上記以外にも、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、ポリアミン、ポリカルボン酸、多塩基酸クロライド、酸無水物、エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル化合物、ポリサルファイド、有機アミン類、酸アミド類、水溶性エポキシ化合物、フェノール類、ホルマリン、ホスゲン、スピロアセタール系複素環状アミン、アルデヒド等も使用できる。
【0049】
以上に記載したカプセル樹脂壁のうち、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などは熱硬化性樹脂である。また、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂およびポリカーボネート樹脂などは熱可塑性樹脂である。
【0050】
なお、以上に説明してきたカプセル化反応において、反応温度は、普通20〜100℃とする。特に、耐熱性に乏しいジアゾニウム塩などを使用する場合は、は反応温度を低くする。
【0051】
また、マイクロカプセル樹脂壁を水溶性樹脂壁により作製することもできる。水溶性樹脂壁としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−無水マレイン酸系樹脂、スチレン−無水マレイン酸系樹脂、イソブテン−無水マレイン酸系樹脂、その他のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、酢酸ビニル共重合体、アクリル系共重合体などを使用する。
【0052】
また、コラーゲン、コラーゲン誘導体、にわか、ゼラチン、アルブミン、アルブミン誘導体、カゼイン、大豆タンパク等のポリアミノ酸類;デンプン、加工デンプン、酸変性デンプン、酸化デンプン、アセチルデンプン、メチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミノアルキルデンプン、アミロース、アミロース誘導体、デキストリン、ブリテッシュガム等のデンプン類;セルロース等のセルロース類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;硝酸セルロース、酢酸セルロース、ビスコース等のセルロースエステル類;アラビアゴム、トラガントゴム、カラヤゴム、ローカストビーンゴム、グアーゴム、コンニャクマンナン、アルギン酸、ふのり等の複合多糖類なども使用する。
【0053】
これらの水溶性カプセル樹脂壁を有するマイクロカプセルは、コアセルベーション法、液中硬化被覆法、液中乾燥法などにより製造できる。
【0054】
一成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルは、普通、トナーに配合するが、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、マイクロカプセルを含有するトナーに更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0055】
また、二成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルは、普通、トナーに配合するが、キャリアにマイクロカプセルを配合することもでき、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方にマイクロカプセルを配合し更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0056】
以上の様にして得られるマイクロカプセルを用いて一成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルを、普通、トナーに配合するが、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、マイクロカプセルを含有するトナーに更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0057】
また、二成分現像剤を作製する場合、マイクロカプセルを、普通、トナーに配合するが、キャリアにマイクロカプセルを配合することもでき、マイクロカプセルを含有しないトナーとマイクロカプセルを含有しないキャリアとマイクロカプセルとを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方にマイクロカプセルを配合し更にマイクロカプセルを混合して現像剤を調製することもできる。
【0058】
マイクロカプセルのトナー又は現像剤全体に占める割合は、減感剤層の十分な発色抑制効果を実現するために比較的高くし、具体的には、0.1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの定着性および離型性などを損なわない観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
【0059】
また、マイクロカプセル及びゲルの体積平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、一方、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。なお、マイクロカプセルの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて、体積基準により測定することもできる。
【0060】
なお、マイクロカプセルは、必要に応じて、2種以上を併用することもできる。
【0061】
液媒体としては、良好な発色抑制効果の観点から、水、水溶液などの水系媒体;ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステル類;トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート(TOP)、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;ブチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート等の安息香酸エステル類;サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル等のサリチル酸エステル類;ジメチルアジペート(DMA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノレート等の脂肪酸エステル類;フマル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、しゅう酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸エステル類;o−アセチルトリエチルシトレート等のクエン酸エステル類;メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、モノイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン類;o−メチルジフェニルエーテル、m−メチルジフェニルエーテル、p−メチルジフェニルエーテル等のアルキルジフェニルエーテル類;N,N−ジメチルラウリロアミド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等の高級脂肪酸または芳香族スルホン酸のアミド化合物類;トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;ジメチルジフェニルメタン等のジアリールメタン、1−フェニル−1−メチルフェニルエタン、1−ジメチルフェニル−1−フェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フェニルエタン等のジアリールエタン等のジアリールアルカン類;塩素化パラフィン類;アクリル酸エステル系重合性化合物、アクリルアミド系重合性化合物、メタクリル酸系重合性化合物、メタクリル酸エステル系重合性化合物、メタクリルアミド系重合性化合物、無水マレイン酸系重合性化合物、マレイン酸エステル系重合性化合物、スチレン系重合性化合物、ビニルエーテル系重合性化合物、ビニルエステル系重合性化合物、アリルエーテル系重合性化合物などのビニル重合性媒体などを使用する。
【0062】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0063】
また、十分な発色性を実現するためには透明な結着樹脂が好ましく、透明樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましく、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレー卜樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂などを使用する。
【0064】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0065】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0066】
一方、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂などの様に半透明樹脂を使用すれば、ソフト感のある発色を実現できる。
【0067】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0068】
加圧定着用には、ワックス類、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0069】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0070】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0071】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0072】
また、磁性トナーの場合は、磁性粉として、マグネタイト、フェライト、コバルト、鉄、ニッケル等の金属単体またはその合金を用いることもできる。
【0073】
更に、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0074】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、チタンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0075】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0076】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0077】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0078】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0079】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0080】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0081】
なお、色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0082】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0083】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0084】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0085】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0086】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、フッ素樹脂、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0087】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0088】
(表面処理剤)
トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0089】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0090】
(磁性剤)
更に、トナーに磁性剤を含有させて、磁性トナーを作製することもできる。この場合、磁性剤は色材の役割を兼ねることもできる。この様な、磁性剤としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金およびその混合物が挙げられる。
【0091】
なお、磁性剤のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0092】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、ステアリン酸亜鉛などの滑剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0093】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0094】
乾式二成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0095】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0096】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0097】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0098】
乾式一成分系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0099】
湿式系で使用するトナーは、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0100】
なお、発色剤がマイクロカプセルに内包されていたり、ゲル物質でコートされている場合は、これらの粒子径が比較的大きいため、トナーに発色剤を含有させるよりも、キャリアに発色剤を配合したり、トナーと、キャリアと、発色剤とを混合して現像剤を調製する方が好ましい場合もある。
【0101】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0102】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0103】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0104】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0105】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0106】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0107】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0108】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0109】
(シート)
減感剤を含有する電子写真方式用の現像剤を使用すれば、オンデマンドトナープリンター等のオンデマンド電子写真方式により、減感剤層をオンデマンドに形成できる。
【0110】
図1には、2枚式のノーカーボンシートを示した。1Pシートの基体シート10の裏面には発色剤層11が形成されており、発色剤層は発色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、発色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、発色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。また、2Pシートの基体シート10の表面には、顕色剤層12が形成されており、顕色剤層は顕色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、顕色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、顕色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。
【0111】
ここで、図1の様に発色剤層および顕色剤層が全面塗工されている場合、シートの何れの部分においても画像が複写されるが、実際に使用される感圧複写帳票においては、画像が複写されては困る領域を含む場合がある。この様な場合、画像が複写されては困る領域に減感剤層13を形成しておけばよく、減感剤層は減感剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。
【0112】
実際の使用に当たっては、1P及び2Pを束にして感圧複写帳票を作製する。1Pシートの表面にプリンター及び筆圧などで圧力を加えると、発色剤が顕色剤と接触し、発色反応が進行して、画像が複写される。しかしながら、減感剤層が形成されている領域では、減感剤が発色剤と顕色剤との反応を阻害するため、画像は複写されない。
【0113】
図2には、3枚式のノーカーボンシートを示した。1Pシート及び2Pシートにおいては基体シート30の裏面に発色剤層31が形成されており、発色剤層は発色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、発色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、発色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。また、2Pシート及び3Pシートにおいては基体シートの表面に顕色剤層32が形成されており、顕色剤層は顕色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、顕色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、顕色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。更に、2Pシート及び3Pシートにおいては基体シートの表面に減感剤層33が形成されており、減感剤層は減感剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。実際の使用に当たっては、1P〜3Pを束にして感圧複写帳票を作製する。1Pシートの表面にプリンター及び筆圧などで圧力を加えると、発色剤が顕色剤と接触し、発色反応が進行して、画像が複写される。しかしながら、減感剤層が形成されている領域では、減感剤が発色剤と顕色剤との反応を阻害するため、画像は複写されない。
【0114】
図3には、色の異なる発色剤層41a及び41bが、基体シート40に形成されており、減感剤層43及び顕色剤層42が基体シート40に形成されている場合を示した。この場合、基体シートの領域により、異なる色の発色を実現できる。しかしながら、減感剤層が形成されている領域では、減感剤が発色剤と顕色剤との反応を阻害するため、画像は複写されない。
【0115】
図4には、色の異なる発色剤層51a及び51bが、基体シート50に積層されており、減感剤層53及び顕色剤層52が基体シート50に形成されている場合を示した。この場合、混色することができ、広範な色を実現できる。しかしながら、減感剤層が形成されている領域では、減感剤が発色剤と顕色剤との反応を阻害するため、画像は複写されない。
【0116】
なお、基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0117】
(発色剤層)
発色剤層は発色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、発色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、発色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。
【0118】
発色剤とは、顕色剤とカップリング反応および酸化還元反応(電子の供受反応)等を起して発色するものを言い、ジアゾニウム系発色剤およびロイコ系発色剤などを使用する。
【0119】
ジアゾニウム系発色剤としては、例えば、4−(4′−メチルフェニルチオ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩、4−ピロリヂノ−3−メチルベンゼンジアゾニウム塩、4−モルフォリノ−2,5−ジブトキシベンゼンジアゾニウム塩、4−モルフォリノベンゼンジアゾニウム塩、4−モルフォリノ−2,5−オクトキシベンゼンジアゾニウム塩、4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)−2,5ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩、4−N,N−ジエチルアミノベンゼンジアゾニウム塩、3−(−2−オクチルオキシエトキシ)−モルフォリノベンゼンジアゾニウム塩、4−N−ヘキシル−N−トリルアミノ−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム塩などを使用でき、塩としては、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、1,5−ナフタレンスルホネート、パーフルオロアルキルカルボネート、パーフルオロアルキルスルフォネート、塩化亜鉛塩、塩化錫塩などを挙げることができる。
【0120】
また、ロイコ系発色剤としては、トリアリールメタン系発色剤、ジフェニルメタン系発色剤、チアジン系発色剤、キサンテン系発色剤、スピロピラン系発色剤などを使用でき、より具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3′−ジクロロースピロージナフトピラン、3−ベンジルピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等を使用できる。
【0121】
(顕色剤層)
顕色剤層は顕色剤を含有する塗工液により塗工方式で形成されるか、顕色剤を含有するインキにより印刷で形成されるか、顕色剤を含有する現像剤により電子写真方式で形成される。
【0122】
顕色剤とは、発色剤とカップリング反応および酸化還元反応(電子の供受反応)等を起して発色剤を発色させるものを言い、使用する発色剤に最適なものが選択される。
【0123】
例えば、酸性白土、活性白土、アタバルジャイト、ゼオライト等の粘土物質;安息香酸、サリチル酸、3,5−ジ−(α−メチルベンジル)サリチル酸などの芳香族カルボン酸;芳香族カルボン酸の亜鉛塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩などの多価金属塩;フェノールホルムアルデヒド樹脂、フェノールアセチレン樹脂などのフェノール樹脂;フェノール樹脂の多価金属塩などを使用できる。
【0124】
より具体的には、クレー系顕色剤、レゾルシン系顕色剤、フロログルシン系顕色剤、ピラゾロン系顕色剤、ジケトン系顕色剤、オキシジフェニル系顕色剤、ナフトール系顕色剤、フェノール系顕色剤、フェノールレジン系顕色剤、ビスフェノール系顕色剤、サリチル酸系顕色剤、ヒドロキシ安息香酸エステル系顕色剤などを使用でき、例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルフォニルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−N−ドデシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3一ナフトエ酸テトラデシルアミド、アセトアニリド、アセトアセトアニリド、ベンゾイルアセトアニリド、2−クロロ−5−オクチルアセトアセトアニリド、1−フェニル−3−メチル−5−ビラゾロン、1−(2′−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2′,4′,6′−トリクロロフェニル)−3−ペンズアミド−5−ビラゾロン、1−(2′,4′,6′−トリクロロフエニル)−3−アニリノ−5−ビラゾロン、1−フェニル−3−フェニルアセトアミド−5−ビラゾロン、1−(2−ドデシルオキシフェニル)−2−メチルカーボネイトシクロヘキサン−3,5−ジオン、1−(2−ドデシルオキシフェニル)シクロヘキサン−3,5−ジオン、N−フェニル−N−ドデシルバルビツール酸、N−フェニル−N−(3−ステアリルオキシ)ブチルバルビツール酸、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸およびその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸およびその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル酸およびその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸プチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノ−ル、p−クミルフェノール等を使用する。
【0125】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0126】
(実施例1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得る。
【0127】
得られる結着樹脂100質量部に、ステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部および減感剤として日本油脂社製カチオン界面活性剤粉末(商品名:カチオンM2−100)25質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得る。
【0128】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得る。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得る。
【0129】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて、紙に減感剤層をオンデマンドに作製できる。また、感圧複写帳票を作製できる。
【0130】
(実施例2)電子写真方式用現像剤2
キャリアとして、マグタイト粒子の表面にフェノール樹脂がコートされ、フェノール樹脂層が減感剤として日本油脂社製の樹脂練り込み型カチオン界面活性剤(商品名:エレガン264WAX)を含んでいるものを使用し、トナーとしてカチオン界面活性剤を含まないものを作製し、カチオン界面活性剤の現像剤に占める割合を25質量%とする以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤2を調製する。この電子写真方式用現像剤2を使用して、紙に減感剤層をオンデマンドに作製できる。また、感圧複写帳票を作製できる。
【0131】
(実施例3)電子写真方式用現像剤3
トナーとしてカチオン界面活性剤を含まないものを作製し、カチオン界面活性剤の現像剤に占める割合を25質量%となるよう、トナーとキャリアと日本油脂社製の樹脂練り込み型カチオン界面活性剤(商品名:エレガン264WAX)とを混合する以外は、電子写真方式用現像剤1の場合と同様に電子写真方式用現像剤3を調製する。この電子写真方式用現像剤3を使用して、紙に減感剤層をオンデマンドに作製できる。また、感圧複写帳票を作製できる。
【0132】
(実施例4)電子写真方式用現像剤4
モンサント社製スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scripset−520)を少量の水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5質量%、pH4.6に調製した水溶液200質量部中に、呉羽化学工業社製アルキルナフタレン(商品名:KMC−113)194質量部に減感剤として日本油脂社製のノニオン界面活性剤(商品名:プロノン204)6質量部を加熱および溶解した液を乳化および分散させて平均粒径2μmの乳化物を得る。次に、この乳化物に、住友化学社製メラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品名:Sumirez Resin513)60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間撹拌し、平均粒子径2μmの減感剤内包マイクロカプセルを得る。
【0133】
このマイクロカプセルをカチオン界面活性剤の代わりに使用し、ノニオン界面活性剤の現像剤に占める割合を25質量%となるようする以外は、電子写真方式用現像剤3の場合と同様に電子写真方式用現像剤4を調製する。この電子写真方式用現像剤4を使用して、紙に減感剤層をオンデマンドに作製できる。また、感圧複写帳票を作製できる。
【0134】
(実施例5)電子写真方式用現像剤5
モンサント社製スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scripset−520)を少量の水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5質量%、pH4.6に調製した水溶液200質量部中に、呉羽化学工業社製アルキルナフタレン(商品名:KMC−113)200質量部を乳化および分散させて平均粒径2μmの乳化物を得る。次に、この乳化物に、住友化学社製メラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品名:Sumirez Resin513)60質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間撹拌し、平均粒子径2μmの可塑剤内包マイクロカプセルを得る。
【0135】
一方、スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得る。
【0136】
得られる結着樹脂100質量部に、ステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部および減感剤として日本油脂社製カチオン界面活性剤粉末(商品名:カチオンM2−100)30質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得る。
【0137】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナーを収率50%で得る。この電子写真方式用トナーの98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部と、フェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部と、可塑剤内包マイクロカプセル5質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤5を得る。
【0138】
得られた電子写真方式用現像剤5を用いて、紙に減感剤層をオンデマンドに作製できる。また、感圧複写帳票を作製できる。
【0139】
【発明の効果】
減感剤を含むトナー及び現像剤を用いれば、印刷に代わり電子写真方式を使用して、減感剤層をオンデマンド作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感圧複写帳票を説明するための模式的断面図である。
【図2】感圧複写帳票を説明するための模式的断面図である。
【図3】感圧複写帳票を説明するための模式的断面図である。
【図4】感圧複写帳票を説明するための模式的断面図である。
【図5】感圧複写帳票を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
10  基体シート
11  発色剤層
12  顕色剤層
13  減感剤層
30  基体シート
31  発色剤層
32  顕色剤層
33  減感剤層
40  基体シート
41a 発色剤層
41b 発色剤層
42  顕色剤
43  減感剤層
50  基体シート
51a 発色剤層
51b 発色剤層
52  顕色剤層
53  減感剤層
60  基体シート
61  発色剤層
62  顕色剤層
63  減感剤層

Claims (8)

  1. 減感剤を含む電子写真方式用トナー。
  2. 前記減感剤のトナー全体に占める割合は、20〜50質量%である請求項1記載の電子写真方式用トナー。
  3. 液媒体を内包するマイクロカプセル又は液媒体を含有するゲル物質を更に含む請求項1又は2記載の電子写真方式用トナー。
  4. 液媒体を内包するマイクロカプセルに前記減感剤が内包されているか又は液媒体を含有するゲル物質で前記減感剤がコートされている請求項1又は2記載の電子写真方式用トナー。
  5. トナーと減感剤とを含む電子写真方式用現像剤。
  6. 液媒体を内包するマイクロカプセル又は液媒体を含有するゲル物質を更に含む請求項5記載の電子写真方式用現像剤。
  7. 液媒体を内包するマイクロカプセルに前記減感剤が内包されているか又は液媒体を含有するゲル物質で前記減感剤がコートされている請求項5記載の電子写真方式用現像剤。
  8. 請求項1乃至4何れかに記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項5乃至7何れかに記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成される減感剤層を有する感圧複写用シート。
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