JP4139643B2 - スクラッチシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剥離性を有する画像、その様な画像を形成し得る電子写真方式用トナー及び現像剤、その様な画像が形成されたシートに関する。また、剥離性を有する隠蔽層、その様な隠蔽層を形成し得る電子写真方式用トナー及び現像剤、その様な隠蔽層が形成されたシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一つの原稿を多量に複製する方法としては、原稿を高速、多量および安価に複製できる印刷が一般的であった。しかしながら、近年、パーソナルユースを目的とする複製の需要が増加し、ある程度の部数の複製は、印刷機に代わりコピー機などの電子写真装置を用いて行われつつある。電子写真方式は、印刷機と異なり版などを必要としないため、少量および多品種の複製に好適であり、印刷と比べ要求即応(オンデマンド、On Demand)な方式であると考えられる。
【0003】
印刷機において、文字および図などの情報を伝達するための画像は、インキを紙などの支持体に定着して形成される。近年、印刷で形成される画像は多種に渡り、画像に要求される品位も高度化の一途を辿っている。この様な動向に応じて、各種の機能を有する高性能のインキが多数開発され、実用に供されている。
【0004】
一方、電子写真装置においては、文字および図などの情報を伝達するための画像は、現像剤が紙などの支持体に定着されて形成される。現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する別粒子(キャリア)とを含む二成分現像剤と、電荷制御能を有するトナー単独の一成分現像剤とに大別される。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤などを用いて作製される。これらのトナー成分の種類および配合量などは注意深く至適化され、帯電性、電気抵抗性、磁気性および流動性などの現像特性、定着性および着色性などの定着特性、保存性、取扱性などのトナーに要求される性能の良好なバランスが実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
各種の機能を有するインキの一つに、インキにより形成された画像が剥離性を有するものがある。剥離性のインキで印刷された画像は使用後に剥離できるため、例えば画像を消去できる。このため、剥離性の画像が形成されたスクラッチシートは、例えば再利用可能である。
【0006】
また、剥離性のインキが隠蔽性も併せ持つ場合、この様なインキで印刷された画像は隠蔽層として使用できる。このため、スクラッチクジ等のスクラッチ隠蔽物を作製できる。この様なスクラッチ隠蔽物は、例えば、実公昭44−12094号公報を始め多数の公報に記載されており、インスタント宝クジ、ファーストフードの景品クジ、葉書、キャンペーンシート等として実用化されている。
【0007】
しかしながら、以上の様な剥離性を有する画像は、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷で形成されるため、大量生産には適するが、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産には不適当な場合があった。
【0008】
このため、少量多品種のスクラッチシート及びスクラッチ組成物などを、上記の様な剥離性インキを用いて印刷により作製すると、納期が長期となったり、費用が高くなる場合があった。
【0009】
この様な状況に鑑み、本発明においては、印刷に代わり電子写真方式を使用して、剥離性を有する画像をオンデマンド作製することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、電子写真方式でオンデマンドに形成された剥離性を有する画像を具備し、
該画像は、剥離剤を含むトナーによって作製されているスクラッチシートが提供される。
また、電子写真方式でオンデマンドに形成された剥離性を有する画像を具備し、
該画像は、トナーと剥離剤とを含む電子写真方式用現像剤によって作製されているスクラッチシートが提供される。
【0011】
本発明の現像剤は剥離性を有しているため、得られる画像は容易に剥離可能である。また、本発明の画像は、電子写真方式によりオンデマンドに作製可能である。
【0012】
剥離性の現像剤で電子写真方式により作製された画像は、使用後に剥離できるため、例えば画像を消去できる。このため、剥離性の画像が形成されたスクラッチシートは、例えば再利用可能である。また、剥離性の現像剤が隠蔽性も併せ持つ場合、この様な現像剤で印刷された画像は隠蔽層として使用できる。このため、スクラッチクジ等のスクラッチ隠蔽物を作製できる。
【0013】
以上の様な剥離性を有する画像は、コピー等の電子写真方式により作製されるため、短い納期で少量多品種を生産するオンデマンド生産に好適である。このため、少量多品種のスクラッチシート及びスクラッチ組成物などを、上記の様な剥離性現像剤を用いて電子写真方式により作製すると、納期を短縮でき、費用を低減できる。
【0014】
この結果、印刷に代わり電子写真方式を使用して、剥離性を有する画像をオンデマンドで作製できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0016】
剥離可能な画像(スクラッチ画像)に要求される基本性能は、例えば以下の通りである。
【0017】
(ア)スクラッチ画像は、必要時に摩損体により摺動され削り取られたり、粘着体により被着され除去される。この際、スクラッチ画像を容易に剥離できることが好ましい(剥離性)。
【0018】
(イ)輸送時、保存時、取扱い時などの必要時以外に、スクラッチ画像に磨耗、傷および剥がれ等が発生することが抑制されていることが好ましい(耐磨耗性)。
【0019】
(ウ)スクラッチ画像を剥離する際に、塵挨の飛散および汚染の発生が抑制されていることが好ましい(抗飛散性)。
【0020】
(エ)スクラッチクジ等のスクラッチ隠蔽物において、スクラッチ画像を「あたり」及び「はずれ」等の情報の隠蔽に使用する場合は、スクラッチ画像が十分な隠蔽性を有しており、スクラッチ画像を透して情報を判読できないことが好ましい(隠蔽性)。
【0021】
(剥離剤)
スクラッチ画像に要求される基本性能のうち、剥離性と耐磨耗性とは相反する性能であり、剥離剤としては、これらの相反する性能をバランス良く実現し、同時にトナーの定着性および離型性などを損なうことなく、高品な画像を実現するものであれば特に制限されないが、例えば、非反応性離型剤および反応性離型剤を使用する。
【0022】
非反応性離型剤としては、蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス;脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などの高沸点石油系溶剤;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フロイン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸;ポリオキシアルキレングリコール類、グリコール類、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビトール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類などの脂肪酸エステル;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレンリン酸エステル類などのリン酸エステル;ステアリン酸カルシウム、オレイン酸ソーダ等の金属石鹸;PTFE、PFA、FEP、ETFE、PCTTE、ECTFE、PVDF、PVF等のフッ素樹脂;ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂、アルキル変性シリコーン樹脂、アラルキル変性シリコーン樹脂、アルキルアラルキル変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、ポリオキシアルキレン変性シリコーン樹脂などの非反応性シリコーン樹脂;タルク等の無機離型剤などを使用する。
【0023】
以上の様な非反応性離型剤はトナーの結着樹脂と反応することなく結着樹脂中に存在し、非反応性離型剤の一部はトナーの表面に僅かにブリードし、剥離性と耐磨耗性との良好なバランスを実現する。この様な観点から、天然ワックス、合成ワックス、高沸点石油系溶剤、非反応性シリコーン樹脂などが好ましい。なお、高沸点石油系溶剤の沸点は100℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。
【0024】
また、反応性離型剤としては、反応性シリコーン樹脂などを使用し、反応性シリコーン樹脂としては、エポキシ変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、カルボキシル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、エポキシポリエーテル変性シリコーン樹脂、ポリエーテル変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂などを使用する。
【0025】
これらの反応性シリコーン樹脂はトナーの結着樹脂と反応し、トナー中に固定され、剥離性と耐磨耗性との良好なバランスが実現される。この様な観点から、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等の付加型シリコーンが好ましく、例えば、エポキシ変性シリコーンのエポキシ基、アクリル変性シリコーンの(メタ)アクリロイル基はトナーの結着樹脂と付加反応する。
【0026】
なお、必要に応じて、二種以上の剥離剤を併用することもできる。
【0027】
以上の様な剥離剤のトナー全体に占める割合は、画像の十分な剥離性を実現するために、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの耐磨耗性、定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0028】
一成分現像剤を作製する場合、剥離剤は、普通、トナーに配合するが、剥離剤を含有しないトナーと剥離剤とを混合して現像剤を調製することもでき、剥離剤を含有するトナーに更に剥離剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0029】
また、二成分現像剤を作製する場合、剥離剤は、普通、トナーに配合するが、キャリアに剥離剤を配合することもでき、剥離剤を含有しないトナーと剥離剤を含有しないキャリアと剥離剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に剥離剤を配合し更に剥離剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0030】
以上の様な場合、剥離剤の現像剤全体に占める割合は、画像の十分な剥離性を実現するために、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの耐磨耗性、定着性および離型性などを損なわない観点から、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
【0031】
以上の様な剥離剤を含有する現像剤を使用すれば、例えば以下の様にしてスクラッチ画像を作製できる。
【0032】
(ア)剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により画像を形成する。得られた画像は摺動および被着により容易に剥離できる。
【0033】
(イ)印刷により剥離下地層を形成し、剥離下地層上に、剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により画像を形成する。得られた画像は、剥離下地層が形成されているため、摺動および被着により容易に剥離できる。特に、剥離下地層が形成されていることに加え、画像が剥離剤を含有しているため、良好な剥離性を実現できる。剥離下地層は剥離インキを用いて形成され、画像の剥離性および耐磨耗性の安定性を向上する。
【0034】
なお、剥離インキは少なくとも剥離剤とビヒクルとを含有しており、剥離剤としては、天然ワックス、合成ワックス、高沸点石油系溶剤、高級脂肪酸、アルコール類、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、リン酸エステル、金属石鹸、フッ素樹脂、非反応性シリコーン樹脂、反応性シリコーン樹脂および無機離型剤などを使用する。ビヒクルとしては、植物油、加工油、鉱油などの油類;天然樹脂、加工樹脂、合成樹脂などの樹脂類;可塑剤;ワックス;炭化水素化合物、アルコール類、グリコール類、エステル類、ケトン類などの溶剤などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。また、剥離インキとしては、蒸発乾燥性インキ、浸透乾燥性インキ、冷却固化乾燥性インキ、加湿乾燥性インキ、加圧乾燥性インキ、酸化重合硬化性インキ、二液硬化性インキ、触媒硬化性インキ、熱硬化性インキ、紫外線硬化性インキ、電子線硬化性インキ等を使用する。
【0035】
(ウ)剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により剥離下地層を形成する。例えば、剥離剤を含有する現像剤で画像が形成される領域にベタ画像をコピー等により形成する。次に、得られた剥離下地層上に、印刷により画像を形成する。得られた画像は、剥離下地層が形成されているため、摺動および被着により容易に剥離できる。
【0036】
(エ)剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により剥離下地層を形成する。例えば、剥離剤を含有する現像剤で画像が形成される領域にベタ画像をコピー等により形成する。次に、得られた剥離下地層上に、剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により画像を形成する。剥離下地層が形成されていることに加え、画像が剥離剤を含有しているため、画像の良好な剥離性および耐磨耗性を実現できる。また、剥離下地層および画像の何れもが電子写真方式で作製されるため、オンデマンド性に優れる。
【0037】
(飛散抑制剤)
画像を剥離する際に、塵挨の飛散および汚染の発生を抑制するために、トナーに飛散抑制剤を添加する場合がある。飛散抑制剤としてはエラストマー類などを使用し、エラストマー類としては、天然ゴム、塩素ゴム等の天然ゴム系エラストマー;ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のブタジエン系エラストマー;イソプレンゴム;クロロプレンゴム;ニトリルゴム;アクリルゴム等を使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0038】
以上の様な飛散抑制剤のトナー全体に占める割合は、塵挨の飛散を十分に抑制するために、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの性能を損なわない観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
【0039】
一成分現像剤を作製する場合、飛散抑制剤は、普通、トナーに配合するが、飛散抑制剤を含有しないトナーと飛散抑制剤とを混合して現像剤を調製することもでき、飛散抑制剤を含有するトナーに更に飛散抑制剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0040】
また、二成分現像剤を作製する場合、飛散抑制剤は、普通、トナーに配合するが、キャリアに飛散抑制剤を配合することもでき、飛散抑制剤を含有しないトナーと飛散抑制剤を含有しないキャリアと飛散抑制剤とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に飛散抑制剤を配合し更に飛散抑制剤を混合して現像剤を調製することもできる。
【0041】
以上の様な場合、飛散抑制剤の現像剤全体全体に占める割合は、塵挨の飛散を十分に抑制するために、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、一方、トナーの性能を損なわない観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
【0042】
(結着樹脂)
結着樹脂はトナーの構成要素を十分結着し、トナーの良好な定着性および帯電性などを実現するものであれば特に制限されないが、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ワックス類;これらの樹脂の単量体成分の共重合体などを使用し、必要に応じて複数の樹脂を併用することもできる。
【0043】
例えば、スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂の単量体成分の共重合体の具体例として、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びスチレン誘導体のホモポリマー;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体などを使用する。
【0044】
更に、架橋構造を有する樹脂を結着樹脂として使用することもできる。結着樹脂の架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。
【0045】
以上の様な結着樹脂の中でも、加熱定着用には、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0046】
加圧定着用には、ワックス類、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0047】
また、湿式トナーの場合は、アクリル系樹脂、ビニルトルエン重合体、マレイン酸重合体およびこれらの樹脂の単量体成分の共重合体が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0048】
なお、結着樹脂のトナー全体に占める割合は、普通、50〜95質量%とする。
【0049】
(色材)
色材としては、トナーの特性を低下させることなく十分に着色できるものであれば特に制限されないが、チャネルカーボン、ファーネスカーボン等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファーストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;分散染料、油溶性染料などを用い、必要に応じて複数の色材を併用することもできる。
【0050】
また、磁性トナーの場合は、磁性粉として、マグネタイト、フェライト、コバルト、鉄、ニッケル等の金属単体またはその合金を用いることもできる。
【0051】
更に、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物、タルク、マイカ、ネフェリンサイアナイト等の体質顔料も使用できる。
【0052】
黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などを用いる。
【0053】
カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー等を作製する。
【0054】
イエロー色材としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168及び180等を使用し、C.I.ソルベントイエロー93,162,163等の染料を併用しても良い。
【0055】
マゼンタ色材としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などを使用し、具体的には、C.Iピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221及び254等を使用する。
【0056】
シアン色材としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などを使用し、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62及び66等を使用する。
【0057】
白色トナーの場合、白色色材として、酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等を使用する。
【0058】
(隠蔽性色材)
隠蔽層を電子写真方式により形成する場合は、隠蔽性を発現する色材を含有する隠蔽性現像剤を使用する。隠蔽性色材としては、隠蔽層が情報を十分に隠蔽し、隠蔽層を透して情報が判読できないものを使用する。この様な隠蔽性色材として、アルミニウム粉、黄銅粉、銅粉、鉄粉、銀粉、金粉、白金粉などの金属粉;炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー等の粘土鉱物;タルク、マイカ、ネフェリンサイナイト等の体質顔料;カーボンブラック、磁性体、上に示すイエロー色材、マゼンタ色材およびシアン色材を混合して黒色に調色された色材などの黒色色材;酸化チタン、チタン白、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、ジルコニア、酸化ジルコニア等の白色色材を使用する。
【0059】
なお、以上の様な色材は、単独で又は複数を混合して、固体および液体の状態で用いることができ、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性なども考慮して選択される。
【0060】
また、以上の様な色材のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0061】
一成分現像剤を作製する場合、隠蔽性色材は、普通、トナーに配合するが、隠蔽性色材を含有しないトナーと隠蔽性色材とを混合して現像剤を調製することもでき、隠蔽性色材を含有するトナーに更に隠蔽性色材を混合して現像剤を調製することもできる。
【0062】
また、二成分現像剤を作製する場合、隠蔽性色材は、普通、トナーに配合するが、キャリアに隠蔽性色材を配合することもでき、隠蔽性色材を含有しないトナーと隠蔽性色材を含有しないキャリアと隠蔽性色材とを混合して現像剤を調製することもでき、トナー及びキャリアの少なくとも一方に隠蔽性色材を配合し更に隠蔽性色材を混合して現像剤を調製することもできる。
【0063】
以上の様な場合、色材の現像剤全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0064】
以上の様な隠蔽性色材を含有する現像剤を使用すれば、例えば以下の様にしてスクラッチクジ等のスクラッチ隠蔽物を製造できる。
【0065】
(ア)「あたり」及び「はずれ」等の情報を形成し、情報上に剥離剤および隠蔽性色材を含有する現像剤を用いて電子写真方式により剥離性の隠蔽層を形成する。例えば、剥離剤および隠蔽性色材を含有する現像剤で、情報が形成される領域にベタ画像をコピー等して隠蔽層を形成する。隠蔽層は摺動および被着により容易に剥離でき、情報を読取ることができる。
【0066】
(イ)「あたり」及び「はずれ」等の情報を形成し、形成された情報上に印刷により剥離下地層を形成し、剥離下地層上に、剥離剤および隠蔽性色材を含有する現像剤を用いて電子写真方式により隠蔽層を形成する。得られた隠蔽層は、剥離下地層が形成されているため、摺動および被着により容易に剥離できる。特に、剥離下地層が形成されていることに加え、現像剤が剥離剤を含有しているため、良好な剥離性および耐磨耗性を実現できる。剥離下地層は剥離インキを用いて形成され、画像の剥離性および耐磨耗性の安定性を向上する。
【0067】
(ウ)「あたり」及び「はずれ」等の情報を形成し、剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により剥離下地層を形成する。例えば、剥離剤を含有する現像剤で情報が形成される領域にベタ画像をコピー等により形成する。得られた剥離下地層上に、印刷により隠蔽層を形成する。得られた隠蔽層は、剥離下地層が形成されているため、摺動および被着により容易に剥離できる。なお、この場合の隠蔽層は、剥離剤を含んでいなくても構わない。
【0068】
なお、隠蔽層は隠蔽インキにより形成され、隠蔽インキは少なくとも隠蔽性色材とビヒクルとを含有している。隠蔽性色材としては、金属粉、粘土鉱物、体質顔料、黒色色材、白色色材などを使用する。ビヒクルとしては、植物油、加工油、鉱油などの油類;天然樹脂、加工樹脂、合成樹脂などの樹脂類;可塑剤;ワックス;炭化水素化合物、アルコール類、グリコール類、エステル類、ケトン類などの溶剤などを使用し、必要に応じて複数を併用することもできる。また、隠蔽インキとしては、蒸発乾燥性インキ、浸透乾燥性インキ、冷却固化乾燥性インキ、加湿乾燥性インキ、加圧乾燥性インキ、酸化重合硬化性インキ、二液硬化性インキ、触媒硬化性インキ、熱硬化性インキ、紫外線硬化性インキ、電子線硬化性インキ等を使用する。
【0069】
(エ)「あたり」及び「はずれ」等の情報を形成し、剥離剤を含有する現像剤を用いて電子写真方式により剥離下地層を形成する。例えば、剥離剤を含有する現像剤で画像が形成される領域にベタ画像をコピー等により形成する。得られた剥離下地層上に、剥離剤および隠蔽性色材を含有する現像剤を用いて電子写真方式により隠蔽層を形成する。剥離下地層が形成されていることに加え、隠蔽層が剥離剤を含有しているため、良好な剥離性および耐磨耗性を実現できる。また、剥離下地層および隠蔽層の何れもが電子写真方式で作製されるため、オンデマンド性に優れる。
【0070】
なお、この場合の隠蔽層は、剥離剤を含んでいなくても構わない。
【0071】
(オ)以上では、「あたり」及び「はずれ」等の情報を形成した上に、剥離下地層を形成する例を示したが、「あたり」及び「はずれ」等の情報を予め形成することなく、「あたり」及び「はずれ」等の情報が抜けた状態の剥離下地層を形成し、その上に隠蔽層を形成することでも、スクラッチ隠蔽物を作製できる。この場合、隠蔽層を剥離すると、剥離下地層が形成された領域上の隠蔽層は除去されが、情報に対応して剥離下地層が形成されていない領域上の隠蔽層は残存する。この結果、残存した隠蔽層の形状から、「あたり」及び「はずれ」等の情報を判読できる。例えば、剥離下地層に「あたり」と言う文字状に抜けた部分が存在する場合、隠蔽層を剥離すると「あたり」と言う文字状に隠蔽層が残存する。この結果、「あたり」と言う情報を判読できる。
【0072】
なお、この場合の隠蔽層は、剥離剤を含んでいない。
【0073】
(電荷制御剤)
電荷制御剤としては、トナーの特性を低下させることなく十分に電荷を制御できるものであれば特に制限されないが、負極性電荷制御剤および正極性電荷制御剤を用いる。
【0074】
負極性電荷制御剤の具体例としては、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸およびそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、及びノンメタルカルボン酸系化合物などが有るが、Cr錯塩染料などの電子受容性染料、電子受容性有機錯体、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、塩素化パラフィン等が好ましい。
【0075】
また、正極性電荷制御剤の具体例としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジンアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩および4級アンモニウム塩又はオニウム塩のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、例えば、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類などが有るが、電子供与性のニグロシン染料、第四級アンモニウム塩などが好ましい。
【0076】
なお、電荷制御剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.01〜10質量%とする。
【0077】
(離型剤)
定着時のオフセットを低減し、通紙性などを改良するために、離型剤を配合することもできる。この様な離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等を使用する。これらの離型剤は溶融粘度が低いため、定着時に離型剤として機能する。
【0078】
なお、離型剤のトナー全体に占める割合は、普通、0.1〜20質量%とする。
【0079】
(表面処理剤)
トナーの表面に表面処理剤として微粉体を付着させることにより、トナーの流動性を向上できる。この様な微粉体として疎水性シリカ等を使用するが、疎水性シリカをトナーの表面に付着すると、流動性が向上するのみならず、トナーのクリーニング性および帯電性も向上できる。また、疎水性シリカ以外に、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、脂肪酸金属塩、ポリ弗化ビニリデン、ポリスチレン等の微粉末も使用できる。
【0080】
なお、表面処理剤の使用量は、トナー100質量部に対して、普通、0.1〜20質量%とする。
【0081】
(磁性剤)
更に、トナーに磁性剤を含有させて、磁性トナーを作製することもできる。この場合、磁性剤は色材の役割を兼ねることもできる。この様な、磁性剤としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等の金属;これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属;これらの金属の合金およびその混合物が挙げられる。
【0082】
なお、磁性剤のトナー全体に占める割合は、普通、1〜20質量%とする。
【0083】
(その他の添加剤)
トナーには、以上に説明した成分以外に、フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛などの滑剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤などの添加剤を必要に応じて使用できる。
【0084】
(現像剤)
現像剤の種類には、乾式二成分系、乾式一成分系、湿式系などが有り、以上で説明した成分を有するトナーを用いて、それぞれの現像剤を作製できる。
【0085】
乾式二成分系で使用するトナーは、剥離剤、飛散抑制剤、隠蔽性色材、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整する。なお、トナーの体積平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。この様なトナーをキャリアと混合して乾式二成分現像剤を作製する。乾式二成分系で使用するキャリアは、芯材をコート剤で被覆することで作製され、体積平均粒子径が10〜200μmとなる様に調整する。
【0086】
キャリアの芯材としては、表面酸化の鉄粉、表面未酸化の鉄粉、ニッケル粉、銅粉、亜鉛粉、コバルト粉、マンガン粉、クロム粉、希土類粉などの金属粉;これらの金属の酸化物粉;これらの金属の合金粉;これらの合金の酸化物粉;フェライト粉;マグネタイト粉などを使用する。
【0087】
キャリアのコート剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;フェノール樹脂;ジ−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体;スチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリアミド;ポリビニルブチラール;ニグロシン;アミノアクリレート樹脂;塩基性染料およびそのレーキ;シリカ微粒子;アルミナ微粒子などを単独または複数で用いる。これらのコート剤を溶剤中に溶解または懸濁し、これをキャリア表面に塗工したり;コート剤を単に粉体で混合する等の方法でキャリアが作製される。
【0088】
なお、トナーとキャリアとの混合比は、現像剤全体に対して、トナーが1〜15質量%となるようにする。
【0089】
乾式一成分系で使用するトナーは、剥離剤、飛散抑制剤、隠蔽性色材、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤などに加え、例えば磁性トナーの場合、磁性剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が1〜20μmとなる様に調整し、キャリアと混合することなく乾式一成分現像剤を作製する。
【0090】
湿式系で使用するトナーは、剥離剤、飛散抑制剤、隠蔽性色材、結着樹脂、色材、電荷制御剤などを用いて作製され、体積平均粒子径が0.1〜3μmとなる様に調整する。この様なトナーをキャリアと混合して湿式現像剤を作製する。湿式系で使用するキャリアとしては、体積固有抵抗が1012〜1015Ωcm、誘電率が2〜3の絶縁性液体などを使用する。
【0091】
(トナー及び現像剤の製造方法)
乾式トナーは製造方法により、粉砕トナーと重合トナーとに大別される。
【0092】
粉砕トナーの製造方法としては、例えば、剥離剤、飛散抑制剤、隠蔽性色材、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、磁性剤などの必要なトナー成分を、ヘンシェルミキサー及びボールミル等の混合機で十分に混合する。
【0093】
次に、得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を相溶させ、トナー成分を均一に分散させる。その後、得られた混練物を冷却固化し、ハンマーミル及びジェットミル等で粉砕し、サイクロン及びミクロンセパレーター等で分級して造粒し、所望のトナーを得る。
【0094】
さらに必要に応じて表面処理剤などを、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合することもできる。
【0095】
一方、重合トナーの製造方法としては、例えば、ディスク及び多流体ノズル等を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法;単量体には可溶で得られる重合体が不要な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法などの乳化重合法;予め一次極性乳化重合粒子を調製後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いる。
【0096】
中でも、重合性モノマーと他のトナー成分とを含むモノマー組成物を直接重合してトナー粒子を生成する方法が好ましい。また、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させるシード重合方法も好ましい。
【0097】
以上の様にして得られたトナーは、必要に応じてキャリアと混合される。混合は、Vブレンダーなどを用いて行われる。
【0098】
一方、湿式トナーの場合は、ボールミル及びアトライタ等の混合機にトナー成分とキャリア液体とを投入し、十分に分散させて、混合工程および造粒工程を同時に行う。
【0099】
(シート)
剥離剤を含有する電子写真方式用の現像剤を使用すれば、シルクスクリーン印刷およびグラビア印刷などの印刷ではなく、オンデマンドトナープリンター等のオンデマンド電子写真方式により、剥離性を有する画像を形成できる。よって、画像を容易に除去できるスクラッチシートとして、小規模な教育機関の教材、画像の改ざん保護層、画像の耐擦れ保護層、擬似接着剤を使ったクジ、シュリンクラップラベル、耐水保護層等を、オンデマンドで簡単に作製できる。
【0100】
更に、現像剤に隠蔽性色材を添加することにより、剥離性の隠蔽層をオンデマンドに作製できる。よって、隠蔽層を容易に除去できるスクラッチ隠蔽物として、小規模小売店のスクラッチクジ、シュリンクラップラベル、DMのギミック、改ざん防止アンダー層(例えば淡色で数字印字部の下に地紋を形成し、文字を改ざんしようとすると地紋も剥がれてしまう)等を、オンデマンドで簡単に作製できる。
【0101】
なお、上記のシート上には、剥離剤を含まない通常の現像剤により形成された画像や、印刷により形成された画像を存在させることもできる。
【0102】
また、基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0103】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用する。
【0104】
(実施例1)電子写真方式用トナー1、電子写真方式用現像剤1
スチレン800質量部およびアクリロニトリル200質量部をトルエン10000質量部に溶解し、これにAIBN3質量部、更に、50質量%体積平均粒子径5μmのアゾジカルボンアミドを加えて分散させた後、重合反応させて、結着樹脂を得た。
【0105】
得られた結着樹脂110質量部に、ステアリン酸1質量部、ポリプロピレン2質量部および新日本石油化学社製の高沸点石油系溶剤SAS−296(商品名)5質量部を混合し、これを時間処理量5kg/hrで2軸押出し溶融混練機(温度制御シリンダー数7、ベント数1)で第5シリンダーまで樹脂温度130℃で混練し、第6シリンダーにベントを設置して150℃で脱気し、第7シリンダーで180℃で発泡させて、スポンジ状の混練物を得た。
【0106】
この混練物をジェットミル(圧力:0.5MPa)で粉砕し、風力分級機で分級して体積平均粒子径7μmの電子写真方式用トナー1を収率50%で得た。この電子写真方式用トナー1の98.6質量部に疎水性シリカ微粒子1.4質量部をヘンシルミキサーにて混合し、この混合物7質量部とフェノール樹脂が表面にコートされたマグネタイト粒子93質量部とを混合して、二成分系の電子写真方式用現像剤1を得た。
【0107】
得られた電子写真方式用現像剤1を用いて、紙に画像をコピー機により作製した。その後、形成された画像を剥離したところ画像を綺麗に除去でき、紙を再利用できた。
【0108】
(実施例2)電子写真方式用トナー2、電子写真方式用現像剤2
東洋アルミニウム社製アルミ粉UF500(商品名)30質量部を更に使用すること以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1と同様にして、電子写真方式用トナー2及び電子写真方式用現像剤2を作製した。
【0109】
一方、図1に示す様なスピードクジの背景および「ドリンク無料」と言う情報をコピー機により予め形成しておき、その後、図1(a)に示す様に、図中の楕円および菱形に示す隠蔽層を、電子写真方式用現像剤2を用いて形成した。
【0110】
下部の情報は、得られた隠蔽層によって完全に隠蔽された。この隠蔽プリント部をコインで削ったところ、図1(b)に示す様に隠蔽層は綺麗に除去され、下部に隠されていた「ドリンク無料」と言う情報を判読できた。
【0111】
(実施例3)電子写真方式用トナー3、電子写真方式用現像剤3
高沸点石油系溶剤SAS−296(商品名)を使用しないこと以外は、電子写真方式用トナー2及び電子写真方式用現像剤2と同様にして、電子写真方式用トナー3及び電子写真方式用現像剤3を作製した。
【0112】
一方、図2に示す様にスピードクジの背景を、コピー機により形成した。次に、図2(a)の破線の□に示す領域に、電子写真方式用現像剤1を用いて、文字抜けを有する剥離下地層を形成した。抜けている文字は、左の□から、「3%」「5%」及び「7%」であり、割引率の情報である。その後、図2(b)に示す様に、□の領域に隠蔽層を、電子写真方式用現像剤3を用いて形成し、割引率を完全に隠蔽した。この隠蔽プリント部のうち、右端の□をコインで削ったところ、図2(c)に示す様に「7%」と言う文字以外の隠蔽層は綺麗に除去され、割引率が「7%」と言う情報を判読できた。
【0113】
(実施例4)電子写真方式用トナー4、電子写真方式用現像剤4
高沸点石油系溶剤SAS−296(商品名)に代えて、信越シリコーン社製の非反応性シリコーン樹脂KS61を使用すること以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1と同様にして、電子写真方式用トナー4及び電子写真方式用現像剤4を作製し、スクラッチシートを作製する。
【0114】
(実施例5)電子写真方式用トナー5、電子写真方式用現像剤5
高沸点石油系溶剤SAS−296(商品名)に代えて、信越シリコーン社製の反応性シリコーン樹脂KNS50Dを使用し、紫外線を照射して反応を進行させるたこと以外は、電子写真方式用トナー1及び電子写真方式用現像剤1と同様にして、電子写真方式用トナー5及び電子写真方式用現像剤5を作製し、スクラッチシートを作製する。
【0115】
以上より、本発明の電子写真方式用現像剤を使用すれば、少量のスクラッチシート及びスピードクジ等をオンデマンドに作製できることが分った。
【0116】
【発明の効果】
剥離剤を含むトナー及び現像剤を用いれば、印刷に代わり電子写真方式を使用して、剥離性を有する画像をオンデマンド作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像が形成されたシートを説明するための模式図である。
【図2】画像が形成されたシートを説明するための模式図である。

Claims (9)

  1. 電子写真方式でオンデマンドに形成された剥離性を有する画像を具備し、
    該画像は、剥離剤を含むトナーによって作製されているスクラッチシート。
  2. 電子写真方式でオンデマンドに形成された剥離性を有する画像を具備し、
    該画像は、トナーと剥離剤とを含む電子写真方式用現像剤によって作製されているスクラッチシート。
  3. 前記剥離剤は、天然ワックス、合成ワックス、高沸点石油系溶剤、高級脂肪酸、アルコール類、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、リン酸エステル、金属石鹸、フッ素樹脂、非反応性シリコーン樹脂、反応性シリコーン樹脂および無機離型剤からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1又は2記載のスクラッチシート。
  4. 前記剥離剤のトナー全体に占める割合は、0.01〜40質量%である請求項1乃至3何れか記載のスクラッチシート。
  5. 飛散抑制剤を更に含有する請求項1乃至4何れかに記載のスクラッチシート。
  6. 隠蔽性色材を更に含有する請求項1乃至5何れかに記載のスクラッチシート。
  7. 請求項1記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項2記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成された剥離下地層が形成されたスクラッチシート。
  8. 請求項1記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項2記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成され、剥離性を有する隠蔽層が形成されたスクラッチ隠蔽物。
  9. 請求項1記載の電子写真方式用トナーを含む電子写真方式用現像剤、又は請求項2記載の電子写真方式用現像剤を用いて電子写真方式により形成された剥離下地層が形成された請求項記載のスクラッチ隠蔽物。
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