JP2004169392A - ドアロック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ストライカ147と、フック133と、ラチェット131と、フック133を付勢するスプリング(第1付勢手段)137と、ロック位置にあるフック133に係合しているラチェット131をフック133から離反する方向に移動させ、ロック解除を行なうカム部(カム)161と、ラチェット131を付勢するスプリング(第2付勢手段)135と、カム部161を駆動するモータ(駆動手段)107とを有するドアロック装置において、カム部161は、フック133がアンロック状態位置にある時のカム部161の位置を初期位置とすると、ロック解除時に初期位置から回転し、ラチェット131をフック133から離反させフック133の回転を可能とし、さらに初期位置まで一回転する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能なフックと、車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記ロック位置にあるフックに係合することにより前記フックのアンロック位置方向への回転を禁止するラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、前記ロック位置にある前記フックに係合している前記ラチェットを前記フックから離反する方向に移動させ、ロック解除を行なうカムと、前記ラチェットを前記フック及び前記カムに係合する方向へ付勢する第2付勢手段と、前記カムを駆動する駆動手段とを有するドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最初に、図7を用いてドアロック装置の基本的な構成を説明する。図7(a)はアンロック状態、図7(b)はハーフロック状態、図7(c)はフルロック状態を示している。
【0003】
図において、車体とドアのうちの一方に設けられたボデー1には、車体とドアのうちの他方に設けられたストライカ2が進入可能なストライカ挿入溝3が形成されている。ストライカ挿入溝3の一方の側のボデー1には、ピン5を用いてフック7が回転可能に設けられている。ストライカ挿入溝3の他方の側のボデー1には、ピン9を用いてラチェット11が回転可能に設けられている。
【0004】
フック7には、ストライカ2が進入可能な係合溝13が形成されている。
【0005】
フック7には、フック7がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時(図7(b)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するハーフロック係止部17と、フルロック位置にある時(図7(c)参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するフルロック係止部19とが形成されている。
【0006】
そして、フック7は図示しない第1付勢手段により矢印I方向(アンロック位置方向)へ、又、ラチェット11は図示しない第2付勢手段により矢印II方向(フック7に係合する方向)へそれぞれ付勢されている。
【0007】
次に、上記構成の作動を説明する。図7(a)に示すアンロック状態で、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7の係合溝13にストライカ2が進入し、ストライカ2が係合溝13の壁面を押すことにより、フック7は第1付勢手段の付勢力に抗してロック方向(矢印I方向と反対方向)へ回転する。
【0008】
フック7が回転すると、ラチェット11の係止部15はフック7のハーフロック係止部17に係合し、図7(b)に示すハーフロック状態となる。
【0009】
更に、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7は更に回転し、ラチェット11の係止部15はフック7のフルロック係止部19に係合し、図7(b)に示すフルロック状態となる。
【0010】
このロック状態を解除するには、図7(c)において、ラチェット11を矢印II方向と逆方向に回転させ、ラチェット11の係止部15と、フック7のフルロック係止部19との係合を解除する。フック7は、図示しない第1付勢手段の付勢力により、アンロック位置方向に回転し、図7(a)のアンロック状態に復帰する。
【0011】
このような構成のドアロック装置において、ロック解除を行う際に、モータを用いてラチェット11を駆動させるドアロック装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
図8、図9を用いて説明する。図8はモータでロック解除されるドアロック装置の分解斜視図、図9は図8のドアロック装置で、分割ハウジングを除いて組み付けた時のロック状態のA方向正面図である。
【0013】
図8において、ストライカ31が挿入可能なストライカ挿入溝33が形成されたベース35には、図7の構成と同じ機能を果たすフック37とラチェット39とが設けられている。これらフック37とラチェット39は、両者に係止され、第1付勢手段、第2付勢手段として機能するスプリング41により、フック37はアンロック方向に、ラチェット39はフック37に係合する方向に付勢されている。
【0014】
ベース35をはさむように分割ハウジング43、モータハウジング45が設けられる。モータハウジング45にはモータ47が設けられ、モータ47の出力軸には、ピニオン49が固着されている。分割ハウジング43には、シャフト51が立設され、このシャフト51にピニオン49に螺合するギヤ部53aを有するカム一体ギア53が回転可能に取り付けられている。このカム一体ギア53には、ラチェット39を駆動するカム部53bと、円弧状の溝53cとが形成されている。
【0015】
分割ハウジング43には、カム一体ギア53の溝53cに係合するストッパ(図示せず)が形成され、カム一体ギア53は、このストッパが円弧状の溝53cの端部に当接する範囲でのみ回転可能となっている。
【0016】
そして、中間部がシャフト51に巻回され、一方の端部側がモータハウジング45に係止され、他方の端部側がカム一体ギア53に係止されたスプリング55により、カム一体ギア53は図9に示す初期位置(分割ハウジング43のストッパがカム一体ギア53の溝53cの一方の端部53dに当接する位置)になるように付勢されている。
【0017】
次に、図9を用いて、ロック解除の作動を説明する。
【0018】
モータ47を用いて、ピニオン49を時計方向に回転させると、カム一体ギア53は反時計方向に回転し、カム部53bがラチェット39を押し、ラチェット39とフック37との係合が解除される。すると、フック37はスプリング41の付勢力により、アンロック方向に回転し、ロック解除がなされる。モータ47の回転を停止すると、スプリング55の付勢力により。カム一体ギア53は初期位置に復帰する。
【0019】
【特許文献1】
特開平2−225782号公報(第2頁〜第4頁、第1図〜第3C図)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図8、図9に示す構成のドアロック装置においては、ロック解除後、カム一体ギア53を初期位置に戻すためにスプリング55を設けているが、このスプリング55はモータ47の空転トルクに勝る必要があるので、強い付勢力が必要である。
【0021】
一方、ロック解除時には、スプリング55の付勢力に抗して、カム一体ギア53を回転させなければならないので、
(1)カム一体ギア53を大形化して、減速比を大きくする。
(2)ラチェット39の回転中心からラチェット39のカム部53bの接触部までの距離を長くする。
等の方法をとっている。
【0022】
このため、以下のような問題点がある。
(1)カム一体化ギア53が大形化するので、ドアロック装置も大形化する。
(2)ラチェット39が長くなるので、ドアロック装置も大型化する。
(3)ラチェット39が長くなり、ラチェット39の回転中心とラチェット39の重心とが離れるので、第2付勢手段であるスプリング41の付勢力も大きなものが必要となり、ドアロック装置が大型化する。
【0023】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、小型化できるドアロック装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能なフックと、車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記ロック位置にあるフックに係合することにより前記フックのアンロック位置方向への回転を禁止するラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、前記ロック位置にある前記フックに係合している前記ラチェットを前記フックから離反する方向に移動させ、ロック解除を行なうカムと、前記ラチェットを前記フック及び前記カムに係合する方向へ付勢する第2付勢手段と、前記カムを駆動する駆動手段とを有するドアロック装置において、前記カムは、前記フックがアンロック状態にある時の前記カムの位置を初期位置とすると、ロック解除する時に、前記初期位置から回転し、前記ラチェットを前記フックから離反させ前記フックの回転を可能とし、さらに初期位置まで一回転することを特徴とするドアロック装置である。
【0025】
前記カムは、前記フックがアンロック状態にある時の前記カムの位置を初期位置とすると、ロック解除する時に、前記初期位置から回転し、前記ラチェットを前記フックから離反させ前記フックの回転を可能とし、さらに初期位置まで一回転することにより、カムを初期位置に戻す付勢手段が不要となる。
【0026】
したがって、カムを駆動する駆動手段が小型化でき、ドアロック装置を小型化できる。
【0027】
又、ラチェットを長くする必要がなく、ドアロック装置を小型化できる。
【0028】
さらに、ラチェットを長くする必要がなく、ラチェットの回転中心とラチェットの重心とが近づくので、第2付勢手段の付勢力も小さなものですみ、ドアロック装置を小型化できる。
【0029】
請求項2記載の発明は、前記カムが一回転すると、前記ラチェットが係合し、前記カムの回転を禁止し、前記フックのロック位置へ移動に伴う前記ラチェットの移動により、前記ラチェットとの係合が解除され、前記カムの回転を許可するストッパ手段を設けたことを特徴とするドアロック装置である。
【0030】
前記カムが一回転すると、前記ラチェットが係合し、前記カムの回転を禁止し、前記フックのロック位置へ移動に伴う前記ラチェットの移動により、前記ラチェットとの係合が解除され、前記カムの回転を許可するストッパ手段を設けたことにより、アンロック時に前記カムが初期位置から一回転すると、カムの回転が禁止されるので、たとえ駆動手段が駆動し続けても、確実に初期位置で停止することができる。
【0031】
請求項3記載の発明は、前記ストッパ手段を前記カムに一体的に形成したことを特徴とする請求項2記載のドアロック装置である。
【0032】
前記ストッパ手段を前記カムに一体的に形成したことにより、部品点数の削減が行える。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
【0034】
最初に、本実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図である図1を用いて全体構成を説明する。本実施の形態例のドアロック装置は、自動車のバックドア用ドアロック装置であり、ボデー側に取り付けられるものである。尚、図1は見やすいように天地を逆にしている。又、本実施の形態例のフック、ラチェット等のドアロック装置の基本部分は、従来例と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0035】
図において、プレート101、ロアボデー103、アッパボデー105とが積層されている。
【0036】
プレート101とロアボデー103との間には、駆動源であるモータ107が設けられる。このモータ107の出力軸にはウォーム109が取り付けられている。シャフト111は、ロアボデー103の穴113を挿通し、プレート101、アッパボデー105に支持される。このシャフト111には、プレート101とロアボデー103との間に配設され、ウォーム109に螺合するヘリカルギア115が回転可能に取り付けられている。ヘリカルギア115の上面にはカムストッパ117が一体的に形成され、このカムストッパ117はロアボデー103の穴113を介して、ロアボデー103とアッパボデー105との間の空間に突出している。ロアボデー103の上面側には、図示しないストライカが挿通するストライカ係合溝119が形成されている。アッパボデー105にも、ロアボデー103のストライカ係合溝119と対向する部分に、ストライカ係合溝121が設けられている。
【0037】
シャフト123は、ロアボデー103のストライカ係合溝119の一方の側の穴125を挿通し、プレート101、アッパボデー105に回転可能に支持される。又、シャフト127は、ロアボデー103のストライカ係合溝119の他方の側の穴129を挿通し、プレート101、アッパボデー105に回転可能に支持される。
【0038】
シャフト123には、ロアボデー103とアッパボデー105との間に配設されるラチェット131が取り付けられている。シャフト127には、ロアボデー103とアッパボデー105との間に配設されたフック133が取り付けられている。
【0039】
又、中間部がシャフト123に巻回され、一方の端部側がロアボデー103に係止され、他方の端部側がラチェット131に係止される第2付勢手段であるスプリング135により、ラチェット131はフック133、ヘリカルギア115のカムストッパ117に係合する方向に付勢されている。同様に、中間部がシャフト127に巻回され、一方の端部側がロアボデー103に係止され、他方の端部側がフック133に係止される第1付勢手段であるスプリング137により、フック133はアンロック方向に付勢されている。
【0040】
次に、図1のドアロック装置を組付け、アッパボデーを一部破断した状態で、矢印B方向から見た図である図2を用いて説明する。
【0041】
一般のドアロック装置のラチェットとフックと同様に、ラチェット131には係止部141が、フック133には、ラチェット131の係止部141が係合するハーフロック係止部143、フルロック係止部145が形成され、さらに、ストライカ147が進入可能な係合溝149が形成されている。
【0042】
次に、図3を用いてラチェット131の説明を行う。図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)の右側面図である。ラチェット131は芯金151と樹脂とからなり、射出成形法等により製造されるものである。又、ラチェット131にはストッパ部153とカム当接部155とが形成されている。
【0043】
次に、図4を用いてヘリカルギア115の説明を行う。図4(a)はヘリカルギアの斜視図、図4(b)は図4(a)の上面図である。
【0044】
カムストッパ117は、ラチェット131のカム当接部155が当接するカム部161と、ラチェット131のストッパ部153が当接するストッパ部163とから構成されている。カム部161は、ヘリカルギア115の回転軸上に形成され、そのカム面161aは、図4(b)の範囲Cで示す面であり、ヘリカルギア115の回転軸からカム面161aまでの距離が徐々に長くなるうずまき線状となっている。又、ストッパ部163はカム部161上に形成されている。
【0045】
そして、ラチェット131のストッパ部153には、図1、図3(b)に示すように、ヘリカルギア115のカムストッパ117のカム部161と干渉するのを避けるために、切欠153aが形成されている。
【0046】
次に、上記構成のドアロック装置の作動を図5、図6を用いて説明する。図5は図1に示すドアロック装置のアンロック状態→フルロック状態への作動を説明する図で、(a)図はアンロック状態、(b)図はハーフロック状態、(c)図はフルロック状態を示す。図6は図1に示すドアロック装置をロック解除する場合の、ヘリカルギア115のカム部とラチェット131の作動を説明する図である。
【0047】
最初に、図5を用いて、アンロック状態からフルロック状態までの作動を説明する。図5(a)に示すアンロック状態で、ストライカ147とロアボデー103とを相対的に近づけていくと、フック133の係合溝149にストライカ147が進入し、ストライカ147が係合溝149の壁面を押すことにより、フック133はスプリング137(第1付勢手段)の付勢力(図において、矢印III方向)に抗してロック方向へ回転する。
【0048】
フック133が回転すると、ラチェット131の係止部141はフック133のハーフロック係止部143に係合し、図5(b)に示すハーフロック状態となる。
【0049】
更に、ストライカ147とロアボデー103とを相対的に近づけていくと、フック133は更に回転し、ラチェット131の係止部141はフック133のフルロック係止部145に係合し、図5(c)に示すフルロック状態となる。
【0050】
次に、ロック解除する時のカムストッパ117の作動を説明する。図5(a)〜図5(c)に示すように、アンロック状態→フルロック状態までは、カムストッパ117は停止している。さらに、アンロック状態である図5(a)に示すように、アンロック状態では、ラチェット131のストッパ部155にカムストッパ117のストッパ部163が当接し、カムストッパ(ヘリカルギア115)117の回転が禁止されている(カムストッパ117のストッパ部163がこの位置にある状態を「初期位置」とする)。
【0051】
フルロック状態でロック解除する場合、図5(c)に示すように、ラチェット131の係止部141がフック133のフルロック係止部145に係合し、ラチェット131のストッパ部155はカムストッパ117のストッパ部163より離反し、カムストッパ(ヘリカルギア115)117の回転は可能となっている。
【0052】
又、ラチェット131のカム当接部155はスプリング135(第2付勢手段)により、カムストッパ117のカム部161方向に付勢されている。
【0053】
そこで、モータ107を駆動し、ウォーム109を介してヘリカルギア115を図5(c)で反時計方向に回転させる。
【0054】
すると、図6(a)に示すように、カムストッパ117のカム部161(カム面161a)がフック133のカム当接部155を押す。カム部161(カム面161a)は、ヘリカルギア115の回転軸からカム面161aまでの距離が徐々に長くなるうずまき線状となっているので、図6(a)→図6(b)に示すように、ラチェット131はスプリング135の付勢力に抗して矢印IVと反対方向に回転し始める。
【0055】
そして、図6(c)に示すように、ラチェット131の矢印IVと反対方向の回転により、ラチェット131の係止部141がフック133のフルロック係止部145から離反し、両者の係合が解除される。フック133はスプリング137(第1付勢手段)の付勢力により、アンロック状態に復帰する。一方、モータ107はさらに駆動され、カムストッパ117が一回転すると、カムストッパ117のストッパ部163がラチェット131のストッパ部153に当接し、カムストッパ(ヘリカルギア115)117の回転が禁止される図5(a)に示すアンロック状態へ復帰する。
【0056】
上記構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)カムストッパ117は、フック133がアンロック状態にある時のカムストッパ117の位置を初期位置とすると、ドアロック装置をロック解除する時に、カムストッパ117は、初期位置から回転し、ラチェット131をフック133から離反させ、ラチェット131の係止部141とフック133のフルロック係止部145との係合を解除し、さらに初期位置まで一回転することにより、カムストッパ117を初期位置に戻す付勢手段が不要となる。
【0057】
したがって、カムストッパ117を駆動するモータ107、ウォーム109、ヘリカルギア115(駆動手段)を小型化でき、ドアロック装置を小型化できる。
【0058】
又、ラチェットを長くする必要がなく、ドアロック装置を小型化できる。
【0059】
さらに、ラチェットを長くする必要がなく、ラチェットの回転中心とラチェットの重心とが近づくので、スプリング135(第2付勢手段)の付勢力も小さなものですみ、ドアロック装置を小型化できる。
(2)アンロック時に、カムストッパ117が一回転すると、カムストッパ117のストッパ部163がラチェット131のストッパ部153に当接し、カムストッパ117の回転が禁止されるので、たとえモータ107への給電が続いても、確実に初期位置で停止することができる。
(3)カム部161とストッパ部153とを一体的に形成したので、部品点数の削減が行える。
(4)ドアロック装置を小型化できるので、ロアボデー103、アッパボデー105内にモータ107からフック133、ラチェット131までのすべての部品を配置できるようになり、車両に搭載する場合、車両のレイアウトの自由度が向上する。
【0060】
又、従来例で説明を行った図8、図9に示すドアロック装置では、ベース35がボデー上に取り付けられ、モータハウジング45はボデー1内に収納される。したがって、ボデーパネルにモータハウジング45が挿通する穴を設けなければならない。このため、組み付け性が悪く、ボデーパネルの剛性も低下する。しかし、本実施の形態例のドアロック装置では、ロアボデー103、アッパボデー105内にモータ107からフック133、ラチェット131までのすべての部品を配置できるので、ボデーパネルに穴を開ける必要がなくなり、組み付け性が向上し、ボデーパネルの剛性の低下もない。
【0061】
尚、本発明は、上記実施の形態例に限定するものではない。上記実施の形態例では、フック133をアンロック位置方向に付勢する第1付勢手段としてスプリング137を用い、ラチェット131をフック133及びカムストッパ117方向へ付勢する第2付勢手段としてスプリング135を用いたが、従来例の図8、図9で示すように、フックとラチェット両者に係止され、第1付勢手段、第2付勢手段として機能するスプリングを用いてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、 前記カムは、前記フックがアンロック状態にある時の前記カムの位置を初期位置とすると、ロック解除する時に、前記初期位置から回転し、前記ラチェットを前記フックから離反させ前記フックの回転を可能とし、さらに初期位置まで一回転することにより、カムを初期位置に戻す付勢手段が不要となる。
【0063】
したがって、カムを駆動する駆動手段が小型化でき、ドアロック装置を小型化できる。
【0064】
又、ラチェットを長くする必要がなく、ドアロック装置を小型化できる。
【0065】
さらに、ラチェットを長くする必要がなく、ラチェットの回転中心とラチェットの重心とが近づくので、第2付勢手段の付勢力も小さなものですみ、ドアロック装置を小型化できる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、前記カムが一回転すると、前記ラチェットが係合し、前記カムの回転を禁止し、前記フックのロック位置へ移動に伴う前記ラチェットの移動により、前記ラチェットとの係合が解除され、前記カムの回転を許可するストッパ手段を設けたことにより、アンロック時に前記カムが初期位置から一回転すると、カムの回転が禁止されるので、たとえ駆動手段が駆動し続けても、確実に初期位置で停止することができる。
【0067】
請求項3記載の発明によれば、前記ストッパ手段を前記カムに一体的に形成したことにより、部品点数の削減が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図である。
【図2】
図1のドアロック装置を組付け、アッパボデーを一部破断した状態で、矢印B
方向から見た図である図である。
【図3】図1のラチェットを説明する図であり、(a)図は正面図、(b)図は(a)図の右側面図である。
【図4】図1のヘリカルギアを説明する図であり、(a)図はヘリカルギアの斜視図、(b)図は(a)図の上面図である。
【図5】図1に示すドアロック装置のアンロック状態→フルロック状態への作動を説明する図で、(a)図はアンロック状態、(b)図はハーフロック状態、(c)図はフルロック状態を示す図である。
【図6】図1に示すドアロック装置をロック解除する場合のラチェットとカムストッパのカム部の作動を説明する図である。
【図7】ドアロック装置の基本的な構成を説明する図で、(a)図はアンロック状態、(b)図はハーフロック状態、(c)図はフルロック状態を示す図である。
【図8】モータでロック解除されるドアロック装置の分解斜視図である。
【図9】図8のドアロック装置で、分割ハウジングを除いて組み付けた時のロック状態のA方向正面図である。
【符号の説明】
117 カムストッパ
131 ラチェット
133 フック
135 スプリング(第2付勢手段)
137 スプリング(第1付勢手段)
147 ストライカ
149 係合溝
161 カム部
163 ストッパ部
Claims (3)
- 車体、扉のうちの一方に設けられたストライカと、
車体、扉のうちの他方に設けられ、前記ストライカが進入可能な係合溝が形成され、該係合溝に前記ストライカが進入可能なアンロック位置と、前記係合溝に進入した前記ストライカが離脱不可能なロック位置との間を回転可能なフックと、
車体、扉のうちの他方に回転可能に設けられ、前記ロック位置にあるフックに係合することにより前記フックのアンロック位置方向への回転を禁止するラチェットと、
前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1付勢手段と、
前記ロック位置にある前記フックに係合している前記ラチェットを前記フックから離反する方向に移動させ、ロック解除を行なうカムと、
前記ラチェットを前記フック及び前記カムに係合する方向へ付勢する第2付勢手段と、
前記カムを駆動する駆動手段とを有するドアロック装置において、
前記カムは、前記フックがアンロック状態にある時の前記カムの位置を初期位置とすると、ロック解除する時に、前記初期位置から回転し、前記ラチェットを前記フックから離反させ前記フックの回転を可能とし、さらに初期位置まで一回転することを特徴とするドアロック装置。 - 前記カムが一回転すると、前記ラチェットが係合し、前記カムの回転を禁止し、前記フックのロック位置へ移動に伴う前記ラチェットの移動により、前記ラチェットとの係合が解除され、前記カムの回転を許可するストッパ手段を設けたことを特徴とするドアロック装置。
- 前記ストッパ手段を前記カムに一体的に形成したことを特徴とする請求項2記載のドアロック装置。
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