JP2004168091A - 搬送用台車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷台1と、この荷台1の後側から立ち上がる背パネル2と、前記荷台1の左右両外側から立ち上がる左右両側パネル3,4と、車輪5とを備え、前記左右両側パネル3,4の内の少なくとも一方の側パネル4と前記荷台1とは、それぞれ背パネル2の内側に重なる方向に折り畳み可能に支承され、前記荷台1の前側左右両角部内には、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aに設けられた被係合部10に対し係脱自在な係合手段11が設けられた搬送用台車であって、前記荷台1の係合手段11が設けられる前側左右両角部1a,1bのみを左右両側パネル3,4側に突出させた構成
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳み可能な搬送用台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
折り畳み自在に構成された搬送用台車として、矩形状の荷台と、この荷台の後側から立ち上がる背パネルと、前記荷台の左右両外側から立ち上がる左右両側パネルと、前記荷台の下側に配設された車輪とを備え、前記荷台と前記左右両側パネルの内の少なくとも一方の側パネルとは、それぞれ背パネルの内側に重なる方向に折り畳み可能に支承され、前記荷台の左右両側辺には、左右両側パネルの下辺部に設けられた被係合部に対し係脱自在な係合手段が設けられた搬送用台車が知られている。
【0003】
従来の上記のような折り畳み自在な搬送用台車では、特許文献1、その他多数の特許文献文献に示されるように、荷台の左右両側辺を左右両側パネルの下辺部、具体的には側パネルの下辺を構成するアングル材の水平板部、で支持する構造になっており、従って、左右両側パネル間の巾の広い搬送用台車を製造しようとした場合、当該サイズの搬送用台車に適合した巾広の荷台が必要になる。荷台は、金属板製のものやフレーム上に金属製ネットを張設したものの他、鋼棒材や形鋼を補強材とする合成樹脂製のもの等が知られているが、一般的には、耐荷重性や耐久性その他の物性の特徴から補強材併用合成樹脂製の荷台が使用されることが多い。しかしながら、補強材併用合成樹脂製の荷台は大型で高価な金型を必要とする点から、数多くの巾サイズの荷台を前以って製造しておくことは全体として大幅なコストアップにつながり、従って、巾サイズの種類をあまり多くすることが出来ないのが実状である。
【0004】
【特許文献1】
特開平2000−71995号公報
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る搬送用台車を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、矩形状の荷台1と、この荷台1の後側から立ち上がる背パネル2と、前記荷台1の左右両外側から立ち上がる左右両側パネル3,4と、車輪5とを備え、前記左右両側パネル3,4の内の少なくとも一方の側パネル4と前記荷台1とは、それぞれ背パネル2の内側に重なる方向に折り畳み可能に支承され、前記荷台1の前側左右両角部内には、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aに設けられた被係合部10,12に対し係脱自在な係合手段11,13が設けられた搬送用台車であって、前記荷台1の係合手段11,13が設けられる前側左右両角部1a,1bのみを左右両側パネル3,4側に突出させた構成となっている。
【0006】
上記の本発明に係る搬送用台車を実施する場合、前記荷台1には、少なくとも前記両角突出部1a,1bと後側辺との間に左右横向きに補強材14を設け、この補強材14を前記両角突出部1a,1bと略同一位置まで左右両側に延出させ、当該補強材14の左右両端延出部14aと前記両角突出部1a,1bとが左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されるように構成することが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図1に於いて、1は平面形状が四角形の荷台、2は荷台1の後側辺に立設された背パネル,3,4は荷台1の左右両側辺に立設された側パネル、5は荷台1の下側で四隅近傍位置に配設された車輪である。各パネル2〜4は、パネル下辺部を構成するアングル材6と、このアングル材6の両端間に立設された門形周囲枠7と、当該門形周囲枠7の内側に配設した縦横の格子材8とから構成されている。
【0008】
この実施形態に於ける搬送用台車は、図2に示すように、荷台1は、その後側辺が背パネル2の下辺部2a(アングル材6の水平板部)に上下揺動自在に支承され、前側左右一対の車輪5が取り付けられた台座9a,9bが左右両側パネル3,4の前端下側に固着されると共に、後側左右一対の車輪5が取り付けられた台座9c,9dが背パネル2の左右両端下側に固着され、一方の側パネル3は、背パネル2に対する略直角姿勢から内側(荷台1のある側)へ、その門形周囲枠7の後ろ側支柱部7aを中心に一定角度範囲内で揺動自在に支承され、他方の側パネル4は、背パネル2に対する略直角姿勢と背パネル2と略平行に重なる折り畳み姿勢との間で、その門形周囲枠7の後ろ側支柱部7aを中心に揺動自在に支承されている。
【0009】
従って、荷の搬送等に使用しないときは、図2に示すように、先ず荷台1を上方に持ち上げて背パネル2の内側に重ねた後、当該折り畳み状態の荷台1の内側に重ねるように側パネル4を内側へ揺動させて折り畳むことにより、台車全体を平面視に於いてL字形に折り畳むことが出来る。この台車の折り畳みによって、同様に折り畳んだ複数台の台車を、L字形の入り隅部にL字形の出隅部を順次嵌合させるようにネスティングすることが出来る。
【0010】
上記構成の搬送用台車には、水平に展開した使用状態の荷台1と左右両側パネル3,4とを係合させるために、例えば図3に示すような被係合部10と係合手段11、又は図4に示すような被係合部12と係合手段13が組み込まれる。
【0011】
図3に示す被係合部10は、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4a(アングル材6の水平板部)の前端近傍の内側辺から立ち上がる垂直板部10aと、この垂直板部10aの上端から外向きに折曲連設された水平板部10bと、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4a(アングル材6の水平板部)上に突設された位置決め用突部10cとから構成されている。そして係合手段11は、図3Aに示すように左右両側パネル3,4を背パネル2に対する直角姿勢より所定角度だけ内側に傾けた状態で荷台1を水平に展開したときに前記被係合部10が嵌入するように、荷台1の左右両側辺の前端近傍位置に設けられた垂直孔部11aと、この垂直孔部11aに被係合部10が嵌入した状態で左右両側パネル3,4を外側へ揺動させたとき、当該被係合部10の水平板部10bが入り込むように前記垂直孔部11aの上端部から外向きに連設した横孔部11bとから構成され、当該横孔部11bに被係合部10の水平板部10bが入り込んだとき、荷台1の左右両側辺が被係合部10の位置決め用突部10cから内側に外れて一段下がり、図3Bに示すように当該位置決め用突部10cと垂直板部10aとで左右両側パネル3,4が荷台1に対して位置決めされるように構成されている。荷台1を折り畳むときは、少し荷台1を持ち上げた状態で左右両側パネル3,4を内側へ揺動させてから荷台1を上方に折り畳めば良い。
【0012】
図4に示す被係合部12は、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4a(アングル材6の水平板部)の前端近傍の内側辺から立ち上がる垂直板部12aと、この垂直板部12aに左右横向きに貫通させた係止孔12bとから構成されている。そして係合手段13は、荷台1を水平に展開したときに前記被係合部12の垂直板部12aが嵌入するように、荷台1の左右両側辺の前端近傍位置に設けられた凹入部13aと、この凹入部13a内に嵌入した前記垂直板部12aの係止孔12bに対し左右横向きに嵌合離脱自在に荷台1に内装された係止杆13bとから構成されている。従って、この図4に示す構成を採用するときは、折り畳まない方の側パネル3は、背パネル2に対する直角姿勢で固定することも出来る。尚、前記係止杆13bは、例えば図6Aに示すように、荷台1の上側に開口する開口部12cから操作する操作部12dを備えたもので、被係合部12の係止孔12bに係合する作用位置と係止孔12bから離脱した非作用位置とに位置決め出来るものであるが、作用位置に付勢保持するためのスプリングが併用されるものであっても良いし、荷台1の底面側から操作出来ように構成されたものであっても良い。
【0013】
以上のように構成される搬送用台車に於いて、図5又は図6に示すように、荷台1は、前記係合手段11,13が設けられる前側左右両角部1a,1bのみが左右両側パネル3、4側に突出されている。従って、図示のように荷台1の両角突出部1a,1bのみが左右両側パネル3,4の下辺部3a,4a(アングル材6の水平板部)上に重なって支持され、当該両角突出部1a,1bから荷台後端までの左右両側辺は、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されない(重ならない)ように構成することが出来る。勿論、左右両側パネル3,4の下辺部3a,4a(アングル材6の水平板部)の巾が広ければ、荷台1の前端から後端までの左右両側辺全体が左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されるように構成しても良い。又、荷台1の前側左右両角部は前側左右一対の台座9a,9bで支持させることが可能であるから、左右両側パネル3,4側の被係合部10,12を内側へ延出させることにより、前記両角突出部1a,1bも左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されないように構成することも可能である。尚、図5Aに於いて、15は荷台1の後側辺から突設させた左右一対の軸受部であり、16は背パネル2の下辺部2a(アングル材6の水平板部)に設けられた左右一対の同心状の片持ち状水平支軸であって、前記軸受部15を介して荷台1を上下揺動自在に支承する。
【0014】
上記のように、両角突出部1a,1bから荷台後端までの左右両側辺が左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されない(重ならない)ように構成する場合、荷台1の左右両側辺は、その前端部に於いてのみ、前記両角突出部1a,1bを介して左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されるか又は、台座9a,9bで支持されることになるので、荷台1の耐荷重性能が低下する。この問題点を解消するため、図5、図6に示すように、荷台1の少なくとも前記両角突出部1a,1bと後側辺との間に左右横向きに補強材14を配設し、当該補強材14の左右両端を前記両角突出部1a,1bと略同一位置まで外側に延出させ、当該補強材14の左右両端延出部14aと前記両角突出部1a,1bとが左右両側パネル3,4の下辺部3a,4aで支持されるように構成することが出来る。尚、前記補強材14は、荷台1の底面に付設する方法や、荷台1を合成樹脂で成形するときに一体に埋設する方法等、適当な方法で配設することが出来るし、その素材も、形鋼や棒材等、任意のものが利用出来る。
【0015】
又、搬送用台車の折り畳み構造も、上記実施形態のものに限定されない。例えば、背パネル2側から前方に突出する、後ろ側開放で前側が狭くなる台形枠状のベースフレームを連設し、このベースフレームの四隅下側に車輪を設け、左右両側パネル3,4を両方共、背パネル2の内側に折り畳んだ荷台1の外側に重ねるように折り畳み可能に構成した搬送用台車であっても良い。この搬送用台車は、折り畳み状態でベースフレームを互いに入れ子式に嵌合させるように、前後方向にネスティングすることが出来るものである。又、左右両側パネル3,4側の被係合部や荷台1側の係合手段も、上記実施形態に示したものに限定されない。
【0016】
【発明の効果】
本発明は以上のように実施し且つ使用することが出来るものであって、係る本発明の搬送用台車によれば、荷台の係合手段が設けられる前側左右両角部のみを左右両側パネル側に突出させるものであるから、当該荷台が合成樹脂で成形される(補強材をインサートするものを含む)ものである場合、前端から後端まで同一巾の従来の一般的な、横巾サイズが1ランク下の荷台を製造する金型の内、図5B又は図6Bで示す係合手段が設けられる前側左右両端角部エリアAを成形する金型部分のみを横長のものに入れ換えるだけで、横巾サイズが1ランク上の搬送用台車との中間横巾サイズの搬送用台車を製造することが出来る。
【0017】
即ち、荷台が合成樹脂で成形されるものである場合、荷台横巾サイズが段階的に異なる複数種類の搬送用台車を製造しておく場合、その種類を多くすることは設備コストの点で問題があり、どうしてもその種類が少なくなって、荷台横巾サイズが既製サイズの中間にランクされる搬送用台車を市場に提供することが出来なかったが、本発明の構成によれば、荷台横巾サイズが既製サイズの中間にランクされる搬送用台車であっても、設備コストをそれほどかけることなく、容易且つ安価に製造することが出来るのである。
【0018】
尚、請求項2に記載の構成によれば、仮に荷台の前側左右両角突出部のみが左右両側パネル側(当該左右両側パネルに設けられた車輪取付用台座を含む)で支持される構造であっても、当該荷台の左右両側辺の中間位置も補強材延出部を介して左右両側パネル側で支持させることが出来、荷台の前後方向の曲げ強度を高めるための前後方向補強材を併用したり、荷台の厚さを特に厚くする等の対策を講じなくとも、荷台の耐荷重性能を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】台車全体を示す斜視図である。
【図2】台車の折り畳み状態を示す平面図である。
【図3】被係合部と係合手段とを示す要部の縦断正面図であって、A図は荷台を側パネル側で支持する直前の状態を示し、B図は被係合部と係合手段とが互いに係合した状態を示す。
【図4】被係合部と係合手段との別に実施形態を示す要部の縦断正面図であって、A図は荷台を側パネル側で支持する直前の状態を示し、B図は被係合部と係合手段とが互いに係合した状態を示す。
【図5】A図は、図3に示す被係合部と係合手段とで荷台と左右両側パネルとを係合させた状態を示す一部切欠き平面図であり、B図はその要部を示す平面図である。
【図6】A図は、図4に示す被係合部と係合手段とで荷台と左右両側パネルとを係合させた状態を示す要部の平面図であり、B図は更にその要部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 荷台
1a,1b 荷台の前側左右両角突出部
2 背パネル
3,4 側パネル
5 車輪
6 アングル材(各パネル下辺部)
7 門形周囲枠
9a〜9d 車輪取付用台座
10,12 被係合部
11,13 係合手段
Claims (2)
- 矩形状の荷台と、この荷台の後側から立ち上がる背パネルと、前記荷台の左右両外側から立ち上がる左右両側パネルと、車輪とを備え、前記左右両側パネルの内の少なくとも一方の側パネルと前記荷台とは、それぞれ背パネルの内側に重なる方向に折り畳み可能に支承され、前記荷台の前側左右両角部内には、左右両側パネルの下辺部に設けられた被係合部に対し係脱自在な係合手段が設けられた搬送用台車であって、前記荷台の係合手段が設けられる前側左右両角部のみを左右両側パネル側に突出させてある、搬送用台車。
- 前記荷台には、少なくとも前記両角突出部と後側辺との間に左右横向きに補強材が設けられ、この補強材が前記両角突出部と略同一位置まで左右両側に延出され、当該補強材の左右両端延出部と前記両角突出部とが左右両側パネルの下辺部で支持される、請求項1に記載の搬送用台車。
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