JP2004167563A - 板材加工機におけるワーク搬入出システム及び板材加工機におけるワーク搬入出方法 - Google Patents

板材加工機におけるワーク搬入出システム及び板材加工機におけるワーク搬入出方法 Download PDF

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浩司 津田
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Abstract

【課題】ワーク搬入出の高速化並びにワーク搬入出システムの省スペース化を図る。
【解決手段】板材の加工位置Kに対してY軸方向へ移動自在のキャリッジベース23が、前記加工位置Kを中間として前記Y軸方向に対して直交するX軸方向に長く設けられ、前記加工位置Kを間にしてキャリッジベース23の一方の第1領域S1に第1のワーククランプ群がX軸方向へ移動自在に設けられ、前記加工位置Kを間にして前記キャリッジベース23の他方の第2領域S2に第2のワーククランプ群がX軸方向へ移動自在に設けられる。第1のワーククランプ群でワークWをクランプして板材加工が行われた後に、半製品を第2のワーククランプ群でクランプできるので、第1のワーククランプ群によるワーク搬入と、第2のワーククランプ群による製品搬出が同時に行える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、板材加工機におけるワーク搬入出システム及び板材加工機におけるワーク搬入出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、板材加工機へのワークの搬入及び製品の搬出は、周辺装置であるワーク搬入出装置で行われている。すなわち、板材加工機とワーク搬入出装置とはそれぞれ個々の設置スペースを必要としている。
【0003】
例えば、板材加工機のリアテーブル側のX軸方向に位置する製品置き場の上方にアンローダテーブルとその上方にローダテーブルが待機している。この製品置き場に対してY軸方向に隣接する素材置き場のワークの1枚を一枚取り装置により持ち上げる。このワークの下方にローダテーブルを移動せしめてワークを載置して待機する。一方、板材加工機にて加工された製品をローダ・アンローダにより製品置き場のアンローダテーブルへ搬出して載置する。アンローダテーブルを製品置き場から素材置き場へ移動せしめるときに製品を製品置き場に備えた製品保持装置により保持し、製品を下方の製品置き場へ載置せしめる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
他の例としては、ワーク加工機の近傍に複数の素材を支持する素材支持装置が設けられ、この素材支持装置から上記ワーク加工機へ板状の素材を搬入する素材搬入装置が設けられている。また、上記ワーク加工機の近傍に適数の製品部を有する板状の半製品を支持する半製品支持装置が設けられ、上記ワーク加工機から上記半製品支持装置へ上記半製品を搬出する半製品搬出装置が設けられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−66666号公報
(〔0025〕〜〔0037〕、図1)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−102962号公報
(〔0018〕〜〔0029〕、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の板材加工機へのワーク搬入出方法においては、板材加工機とワーク搬入出装置とはそれぞれ個々の設置スペースを要しているので、設置スペースが大きいという問題点があった。
【0008】
また、板材加工機及びワーク搬入出装置には、それぞれ個々にワークのX軸方向とY軸方向の移動軸を有しており、いずれも同様の機能の移動軸が重複しており、コストアップになるという問題点があった。
【0009】
また、ワークの搬入と板材加工後の製品の搬出の移動距離が長くなる傾向にあり、そのためにワークの搬入出時間が長くなるので生産性が低下するという問題点があった。
【0010】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ワーク搬入出の高速化並びにワーク搬入出システムの省スペース化を図ることのできる板材加工機におけるワーク搬入出システム及びその方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出システムは、板材の加工位置に対してY軸方向へ移動自在のキャリッジベースを、前記加工位置を中間として前記Y軸方向に対して直交するX軸方向に長く設け、前記加工位置を間にしてキャリッジベースの一方の第1領域に第1のワーククランプ群をX軸方向へ移動自在に設けると共に、前記加工位置を間にして前記キャリッジベースの他方の第2領域に第2のワーククランプ群をX軸方向へ移動自在に設けてなることを特徴とするものである。
【0012】
したがって、板材の加工位置を間にしてキャリッジベースの一方の第1領域に第1のワーククランプ群を設け、他方の第2領域に第2のワーククランプ群を設けたので、例えば第1のワーククランプ群でワークをクランプして板材加工が行われた後に、加工済みの半製品を第2のワーククランプ群でクランプすることにより、キャリッジベースを前進させて、第1領域の第1のワーククランプ群で次のワークをクランプして搬入する工程と、第2領域の第2のワーククランプ群で前記半製品を搬出する工程とを同時に行うことが可能であるので時間短縮が可能となり、ワーク搬入出の高速化となるため生産性の向上が図られる。
【0013】
また、板材加工機のX軸、Y軸方向の移動軸がワーク搬入及び搬出装置のX軸、Y軸方向の移動軸に有効に使用されるので、重複機能が削減されるためにコストダウンが図られる。
【0014】
請求項2によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出システムは、請求項1記載の板材加工機におけるワーク搬入出システムにおいて、前記第1及び第2のワーククランプ群を構成する複数のクランプは、個別にX軸方向へ移動可能に設けてなることを特徴とするものである。
【0015】
したがって、第1及び第2のワーククランプ群の複数のクランプが個別にX軸方向へ移動するので、第1のワーククランプ群と第2のワーククランプ群との間でワークのつかみ替えが容易に行われる。
【0016】
請求項3によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出システムは、請求項1又は2記載の板材加工機におけるワーク搬入出システムにおいて、前記第1領域に、ワークを搬入するワーク取入れ部を設け、前記第2領域に、板材加工された製品を搬出する製品搬出部を設けてなることを特徴とするものである。
【0017】
したがって、ワーク搬入と製品搬出がキャリッジベースの可動範囲の第1領域と第2領域内で行われるので、省スペース化が図られる。
【0018】
請求項4によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出システムは、請求項3記載の板材加工機におけるワーク搬入出システムにおいて、前記ワーク取入れ部及び製品搬出部を、それぞれキャリッジベースの可動範囲の下側に設けてなることを特徴とするものである。
【0019】
したがって、ワーク取入れ部及び製品搬出部がキャリッジベースの可動範囲の下側にあるので、空間の有効利用となり、容易に省スペース化が図られる。
【0020】
請求項5によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出システムは、請求項3又は4記載の板材加工機におけるワーク搬入出システムにおいて、前記ワーク取入れ部及び製品搬出部の基準位置が同一位置であることを特徴とするものである。
【0021】
したがって、ワーク取入れ部及び製品搬出部の基準位置が同一位置であることにより、例えば第1のワーククランプ群によるワーク取入れと第2のワーククランプ群による製品搬出はキャリッジベースのY軸方向の移動で容易に行われる。
【0022】
請求項6によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出方法は、板材の加工位置に対してY軸方向へ移動自在で且つ前記加工位置を中間として前記Y軸方向に対して直交するX軸方向に長く設けたキャリッジベースにおける前記加工位置を間にした両側の領域で、ワークを搬入するワーク取入れと板材加工機で加工された製品を搬出する製品搬出とを同時に行うことを特徴とするものである。
【0023】
したがって、ワークを搬入するワーク取入れと加工された製品を搬出する製品搬出とが同時に行われるので、時間短縮が可能となり、生産性の向上が図られる。
【0024】
請求項7によるこの発明の板材加工機におけるワーク搬入出方法は、請求項6記載の板材加工機におけるワーク搬入出方法において、ワーク取入れを行うワーク取入れ部と製品搬出を行う製品搬出部とを、前記加工位置を間にしてX軸方向の両側に配置していることを特徴とするものである。
【0025】
したがって、ワーク搬入と半製品搬出が加工位置の両側の領域内で行われるので、省スペース化が図られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1を参照するに、この実施の形態に係る板材加工機としての例えばタレットパンチプレス1はベース3の両側に立設したサイドフレーム5,7に上部フレーム9の両側が支持された態様のフレーム構造に構成されている。上部フレーム9の下部には、多種類のパンチPを円周上に適宜な間隔で着脱交換自在に備えた円盤状の上部タレット11が回転自在に装着されている。
【0028】
ベース3の上面には、上部タレット11に対向した下部タレット13が回転自在に装着されており、この下部タレット13には、多種類のパンチPと対向した多数のダイDが円周上に適宜な間隔で配置され且つ着脱交換自在に装着されている。上部タレット11の軸心と下部タレット13の軸心とは同一軸心に配置されており、この上部タレット11と下部タレット13は、制御装置の制御によって、同方向へ同期して回転される。
【0029】
上部タレット11と下部タレット13の図1おいて上側部分に装着されたダイD、パンチPの位置が加工位置Kとなっており、この加工位置KにあるパンチPの上方における上部フレーム9には、ラム(打圧部材)が上下動自在に装着されている。パンチP,ダイDが上部タレット11および下部タレット13の回転によってラムの下方の加工位置Kへ割出し位置決めされ、この位置決めされたパンチPは油圧シリンダのピストンロッドの上下動により作動されるラムにより打圧される。
【0030】
なお、タレットパンチプレス1には固定式のセンタテーブル15とこのセンタテーブル15の両側を移動自在なサイドテーブルとしてのフロントテーブル17(図1において右側)とリアテーブル19(図1において左側)とからなるワークテーブルが設けられている。このワークテーブルに載置されたワークWを前後左右方向へ移動位置決めするためのワーク移動位置決め装置21が設けられている。
【0031】
このワーク移動位置決め装置21はワークテーブルの図1において上端に、Y軸方向へ移動自在なキャリッジベース23が設けられており、このキャリッジベース23は前記加工位置Kを中間としてY軸方向と直交するX軸方向に長く設けられている。
【0032】
また、前記加工位置Kを間にしてキャリッジベース23の図1において右側の第1領域S1にはワークWを把持するワーククランプ27を備えた第1ワーククランプ装置25が複数個、それぞれ個別にX軸方向へ移動自在に設けられており、これらの複数のワーククランプ27で第1のワーククランプ群が構成されている。この実施の形態では、第1のワーククランプ群は3個のワーククランプ27(加工用クランプ)が設けられている。
【0033】
さらに、前記加工位置Kを間にしてキャリッジベース23の図1において左側の第2領域S2にはワークWを把持するワーククランプ31を備えた第2ワーククランプ装置29が複数個、それぞれ個別にX軸方向へ移動自在に設けられており、これらの複数のワーククランプ31で第2のワーククランプ群が構成されている。この実施の形態では、第2のワーククランプ群は2個のワーククランプ31(アンローディングクランプ;ULクランプ)が設けられている。
【0034】
なお、上記の第1のワーククランプ群の複数のワーククランプ装置25及び第2のワーククランプ群の複数のワーククランプ装置29は、それぞれリニアモータ、あるいはサーボモータを搭載し、独立して個別に所望のX軸方向の位置へ移動可能に設けられている。
【0035】
また、上記のワーク移動位置決め装置21は数値制御等の制御装置によって制御され、ワークWの所望位置をパンチPとダイDとの間のパンチ加工位置Kへ位置決めするものである。この位置決めされたワークWはラムに打圧されるパンチPとダイDとの協働によりパンチング加工される。
【0036】
上記の第1領域S1には、ワークWを搬入するワーク取入れ部33が設けられ、上記の第2領域S2にはパンチング加工された製品を搬出する製品搬出部35が設けられている。ワーク取入れ部33と製品搬出部35とは、それぞれキャリッジベース23の可動範囲の図1において下側に設けられている。
【0037】
より詳しくは、図2を併せて参照するに、タレットパンチプレス1のフロントテーブル17の図1において下方側に、換言すれば第1領域S1内のワーク取入れ部33に隣接して図1において下側に素材置き場37が設けられている。この素材置き場37と第1領域S1のワーク取入れ部33との間には、ワークWを積載した素材パレットPwを載置可能な素材パレット用台車39が床上に敷設されたレール41上を走行して往復移動するように設けられている。
【0038】
さらに、第1領域S1のワーク取入れ部33には、上記の素材パレット用台車39の素材パレットPwに積載されたワークWのうちの1枚を持ち上げてからワーク取入れ部33にY軸方向に移動したフロントテーブル17の上に載置すべくワークWを上下動せしめる一枚取り装置43が設けられている。
【0039】
この一枚取り装置43としては、X軸方向に延伸された門型フレーム45が床上に立設されており、この門型フレーム45の下方位置を上記の素材パレット用台車39が通過できるように構成されている。門型フレーム45には、ほぼ水平に延伸されたカンチレバー型の一枚取りユニット47が門型フレーム45の支柱に備えたガイドレール49に沿って上下動(Z軸方向に昇降)するように構成されており、前記一枚取りユニット47の下側にはワークWを吸着して持ち上げるべくX軸及びY軸方向に適宜間隔で配置した多数の吸着パッド51から構成される吸着装置53が設けられている。
【0040】
図3を併せて参照するに、タレットパンチプレス1のリアテーブル19の図1において下方側に、換言すれば第2領域S2内の製品搬出部35に隣接して図1において下側に製品置き場55が設けられている。この製品置き場55と第2領域S2の製品搬出部35との間には、タレットパンチプレス1で加工済みの半製品Gを積載する製品パレットPgを載置可能で且つ上下動自在な製品用リフタ装置57が床上に敷設されたレール59上を走行して往復移動するように設けられている。製品用リフタ装置57は、X字形状の一対のリンク61によりリフタテーブル63が水平に支持され、このリフタテーブル63は通常の一般的なリフタ装置の構造と同様に流体圧シリンダ(図示省略)によって上記リンク61を駆動して上下動される構成である。
【0041】
さらに、第2領域S2の製品搬出部35にはアンローダクランプ装置65が設けられている。すなわち、X軸方向に延伸された門型フレーム67が床上に立設されており、この門型フレーム67の下方位置を上記の製品用リフタ装置57が通過できるように構成されている。門型フレーム67には支持フレーム69がほぼ水平に延伸されており、この支持フレーム69の下側には製品搬出部35へ向けてY軸方向に移動するリアテーブル19の上の半製品Gを把持するアンローダクランプ71が支持フレーム69の下側のガイドレール59に沿ってほぼ水平移動自在に設けられている。
【0042】
上記構成により、素材置き場37の素材パレット用台車39にはワークWを積載した素材パレットPwが載置されており、この素材パレット用台車39がレール41上を走行してワーク取入れ部33へ移動する。このときキャリッジベース23及びフロント、リアテーブル17,19は図1の実線の原位置にいる。
【0043】
一枚取りユニット47は図2の実線で示されているように下降し、素材パレット用台車39に載置された素材パレットPw上のワークWの一枚が一枚取りユニット47の吸着パッド51により吸着され、図2の二点鎖線で示されているようにフロントテーブル17の位置より上方へ持ち上げられ待機する。
【0044】
キャリッジベース23及びフロント、リアテーブル17,19は図1の実線の原位置からY軸方向の図1において下方(図2において左方)へ移動し、フロントテーブル17は図2の二点鎖線で示されているように一枚取りユニット47のワークWの下方へ移動されると共に、キャリッジベース23の第1領域S1の3つのワーククランプ27がそれぞれ個別に移動して図1の二点鎖線のように配置され、前記ワークWをクランプする。その後、ワークWが一枚取りユニット47の吸着パッド51から開放されてフロントテーブル17上に載置される。したがって、以上のようにワーク搬入が第1領域S1のワーク取入れ部33で行われる。
【0045】
その後、キャリッジベース23及びワーククランプ27(加工用クランプ)がワークWを加工位置Kに移動位置決めしてパンチング加工が行われる。
【0046】
パンチング加工が終了すると、加工された半製品Gが第1領域S1のワーククランプ27(加工用クランプ)から第2領域S2のワーククランプ31(ULクランプ)につかみ替えされて受け渡され、半製品Gがワーククランプ31により第2領域S2の所定位置に移動される。なお、上記のワーククランプ27とワーククランプ31とのつかみ替えはキャリッジベース23のY軸の原点(図1において上端の実線の原位置)にて行われる。
【0047】
ワーク搬入後の原点セット時に、一枚取り装置43は前述したように一枚取りユニット47が下降して素材パレット用台車39上に積載された次に加工すべきワークWの一枚を吸着パッド51で吸着している。そして、上記のつかみ替え動作が開始されるのと同時に待機中の一枚取りユニット47が上昇し、前記ワークWがパスラインPLまで持ち上げられる。
【0048】
キャリッジベース23及びフロント、リアテーブル17,19がY軸方向の図1において下側へ前進し、以下に示すようにワーク搬入と製品搬出が同時にしかも第1領域S1内のワーク取入れ部33と第2領域S2内の製品搬出部35で行われる。
【0049】
第1領域S1では、前述したようにフロントテーブル17が一枚取りユニット47のワークWの下方へ移動され、キャリッジベース23の第1領域S1の3つのワーククランプ27が前記ワークWをクランプする。ワークWが一枚取りユニット47の吸着パッド51から開放されてフロントテーブル17上に載置される。
【0050】
このとき同時に第2領域S2では、キャリッジベース23及びリアテーブル19の前進に伴って2つのワーククランプ31により把持されている半製品Gがリアテーブル19上に載置された状態でY軸方向に図1において下方側へ前進することにより、半製品Gはアンローダクランプ装置65のアンローダクランプ71にクランプされる。このとき、アンローダクランプ71はタレットパンチプレスの制御装置から与えられた半製品Gの幅のデータによりサーボモータで駆動され、図1の二点鎖線(図3の二点鎖線)で示されているように図1において上方側(図3において左方側)で待機している。
【0051】
同時に、製品搬出部35に待機している製品用リフタ装置57がリアテーブル19の下方の所定位置まで上昇する。アンローダクランプ71が半製品Gをクランプすると、ワーククランプ31が半製品Gをアンクランプし、アンローダクランプ71はY軸方向に図1において下方側(図3において右方側)へ移動する。
【0052】
キャリッジベース23及びリアテーブル19がY軸方向の図1において上側へ後退すると、半製品Gは製品用リフタ装置57のリフタテーブル63上へ集積される。このとき、アンローダクランプ71は半製品Gを開放し、後退して半製品Gを離すことにより、製品搬出が行われる。
【0053】
以上のように、ワークWの搬入と半製品Gの搬出が同時に行われ、次のワークWは前述したようにパンチング加工された後、再び同様にワーク搬入と半製品搬出の工程が繰り返される。
【0054】
以上のことから、ワーク搬入と半製品搬出がキャリッジベース23の可動範囲の第1領域S1と第2領域S2内で行われるので、省スペース化を図ることができる。また、ワーク搬入と半製品搬出が同時に行われるので時間短縮が可能となり、ワーク搬入出の高速化となるため生産性の向上を図ることができる。
【0055】
また、第1及び第2のワーククランプ群の複数のワーククランプ27,31は、それぞれ個別にX軸方向へ移動可能であるので、第1のワーククランプ群と第2のワーククランプ群との間のワークのつかみ替えを容易に行うことができ、上記のワーク搬入と半製品搬出が短時間で同時に行われるように貢献する。
【0056】
また、従来では板材加工機のX軸、Y軸方向の移動軸と、ワーク搬入及び搬出装置のX軸、Y軸方向の移動軸との重複機能が生じていたが、本実施の形態では前記重複機能を削減でき、有効に使用することになるので、コストダウンを図ることができる。
【0057】
また、ワーク取入れ部33及び製品搬出部35の基準位置が同一位置に設けられているので、第1のワーククランプ群によるワーク取入れと第2のワーククランプ群による製品搬出を、単にキャリッジベース23のY軸方向の移動により容易に行うことができる。
【0058】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。この実施の形態では板材加工機としてタレットパンチプレス1を例にとって説明したがその他のパンチプレスあるいはその他の板材加工機であっても構わない。
【0059】
また、前述した実施の形態では製品搬出部35にはアンローダクランプ71が設けられているが、吸着パッド又はマグネットなどの吸着装置を設けても構わない。さらに、前述した実施の形態ではアンローダクランプ71により半製品Gをクランプして製品搬出が行われているが、板材加工機のワーククランプ31側にリアテーブル19の上方から例えば支持フレーム69に設けたストッパピンを下降させて半製品Gの後端縁を引っ掛けるようにした後に、リアテーブル19を後退させて前記半製品Gを下方のリフタテーブル63へ掻き落としても構わない。
【0060】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、板材の加工位置を間にしてキャリッジベースの一方の第1領域に第1のワーククランプ群を設け、他方の第2領域に第2のワーククランプ群を設けたので、例えば第1のワーククランプ群でワークをクランプして板材加工を行った後に、加工済みの半製品を第2のワーククランプ群でクランプでき、キャリッジベースを前進させて、第1領域の第1のワーククランプ群で次のワークをクランプして搬入し、第2領域の第2のワーククランプ群で前記半製品を搬出することを同時に行うことができ、時間短縮を図ることができ、ワーク搬入出の高速化となるため生産性の向上を図ることができる。
【0061】
また、板材加工機のX軸、Y軸方向の移動軸をワーク搬入及び搬出装置のX軸、Y軸方向の移動軸に有効に使用できるので、重複機能を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0062】
請求項2の発明によれば、第1及び第2のワーククランプ群の複数のクランプを個別にX軸方向へ移動するように設けたので、第1のワーククランプ群と第2のワーククランプ群との間でワークのつかみ替えを容易に行うことができる。
【0063】
請求項3の発明によれば、ワーク搬入と半製品搬出をキャリッジベースの可動範囲の第1領域と第2領域内で行うので、省スペース化を図ることができる。
【0064】
請求項4の発明によれば、ワーク取入れ部及び製品搬出部をキャリッジベースの可動範囲の下側に設けたので、空間の有効利用となり、容易に省スペース化を図ることができる。
【0065】
請求項5の発明によれば、ワーク取入れ部及び製品搬出部の基準位置を同一位置に設けたので、例えば第1のワーククランプ群によるワーク取入れと第2のワーククランプ群による製品搬出をキャリッジベースのY軸方向の移動で容易に行うことができる。
【0066】
第1のワーククランプ群と第2のワーククランプ群との間でワークのつかみ替えを容易に行うことができる。
【0067】
請求項6の発明によれば、ワークを搬入するワーク取入れと加工された製品を搬出する製品搬出とを同時に行うことができるので、時間短縮を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
【0068】
請求項7の発明によれば、ワーク搬入と半製品搬出を加工位置の両側の領域内で行うので、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、タレットパンチプレスにおけるワーク搬入出システムの平面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【符号の説明】
1 タレットパンチプレス(板材加工機)
11 上部タレット
13 下部タレット
17 フロントテーブル
19 リアテーブル
21 ワーク移動位置決め装置
23 キャリッジベース
25 第1ワーククランプ装置
27 ワーククランプ(加工用クランプ)
29 第2ワーククランプ装置
31 ワーククランプ(アンローディングクランプ)
33 ワーク取入れ部
35 製品搬出部
37 素材置き場
39 素材パレット用台車
43 一枚取り装置
47 一枚取りユニット
53 吸着装置
55 製品置き場
57 製品用リフタ装置
65 アンローダクランプ装置
71 アンローダクランプ
S1 第1領域
S2 第2領域
K 加工位置

Claims (7)

  1. 板材の加工位置に対してY軸方向へ移動自在のキャリッジベースを、前記加工位置を中間として前記Y軸方向に対して直交するX軸方向に長く設け、前記加工位置を間にしてキャリッジベースの一方の第1領域に第1のワーククランプ群をX軸方向へ移動自在に設けると共に、前記加工位置を間にして前記キャリッジベースの他方の第2領域に第2のワーククランプ群をX軸方向へ移動自在に設けてなることを特徴とする板材加工機におけるワーク搬入出システム。
  2. 前記第1及び第2のワーククランプ群を構成する複数のクランプは、個別にX軸方向へ移動可能に設けてなることを特徴とする請求項1記載の板材加工機におけるワーク搬入出システム。
  3. 前記第1領域に、ワークを搬入するワーク取入れ部を設け、前記第2領域に、板材加工された製品を搬出する製品搬出部を設けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の板材加工機におけるワーク搬入出システム。
  4. 前記ワーク取入れ部及び製品搬出部を、それぞれキャリッジベースの可動範囲の下側に設けてなることを特徴とする請求項3記載の板材加工機におけるワーク搬入出システム。
  5. 前記ワーク取入れ部及び製品搬出部の基準位置が同一位置であることを特徴とする請求項3又は4記載の板材加工機におけるワーク搬入出システム。
  6. 板材の加工位置に対してY軸方向へ移動自在で且つ前記加工位置を中間として前記Y軸方向に対して直交するX軸方向に長く設けたキャリッジベースにおける前記加工位置を間にした両側の領域で、ワークを搬入するワーク取入れと板材加工機で加工された製品を搬出する製品搬出とを同時に行うことを特徴とする板材加工機におけるワーク搬入出方法。
  7. ワーク取入れを行うワーク取入れ部と製品搬出を行う製品搬出部とを、前記加工位置を間にしてX軸方向の両側に配置していることを特徴とする請求項6記載の板材加工機におけるワーク搬入出方法。
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