JP2004167537A - ダイカストマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の金型間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填して鋳造品を鋳造するダイカストマシンであって、先端部がキャビティに突き出すことにより鋳造品を金型から押出す押出しピン71と、鋳造品の金型からの離型を促すための粉体離型剤を供給する粉体供給装置85とを有し、押出しピン71は、粉体供給装置85から供給される粉体離型剤を当該押出しピン71の先端部に導きキャビティに供給する離型剤供給路を備える。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシンは、一対の金型、これら金型をそれぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレート、金型の開閉および型締を行う型締装置、一対の金型の間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填するためのプランジャおよびスリーブを備える射出装置等から構成される。
このダイカストマシンでは、鋳造した製品の金型からの取り外しを容易にするために、鋳造前に金型のキャビティの内面に離型剤を塗布することが行われている。また、金属溶湯を金型のキャビティ内に射出する際に、射出装置のスリーブとプランジャチップとの間の摩擦を低減するために、鋳造前にスリーブの内周面に潤滑剤を塗布することが行われている。
上記の離型剤や潤滑剤としては、離型材料や潤滑材料を水に溶解させた水溶性離型剤や水溶性潤滑剤が多く用いられているが、これらに代えて粉末状の材料からなる粉体離型剤や粉体潤滑剤が使用されはじめている。
粉体離型剤や粉体潤滑剤は、金型への温度衝撃の緩和、製品内へのガスの混入量の低下、蒸発成膜による高断熱効果、離型性能の向上、騒音の低下、排水処理の不要化等の水溶性離型剤や水溶性潤滑剤と比べて優れた種々の利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粉体離型剤や粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させるためには、金型のキャビティの表面やスリーブの内周面にこれらを均一に分散付着させる必要がある。
また、粉体離型剤を金型のキャビティの表面に塗布したり、粉体潤滑剤をスリーブの内周面に塗布するには、金型を型締した状態でキャビティ内に粉体離型剤を噴射する噴射装置が必要である。
しかしながら、鋳造サイクル中には、金型は非常に高温となるため、噴射装置を金型周辺に設けるのは容易ではない。さらに、噴射装置を追加するためのコストを可能な限り抑える必要もある。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、粉末状の離型剤あるいは潤滑剤を簡易な構成で塗布できかつ性能を十分に発揮させることができるダイカストマシンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイカストマシンは、一対の金型間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填して鋳造品を鋳造するダイカストマシンであって、先端部が前記キャビティに突き出すことにより鋳造品を金型から押出す押出しピンと、鋳造品の前記金型からの離型を促すための粉体離型剤を供給する離型剤供給手段とを有し、前記押出しピンは、前記離型剤供給手段から供給される粉体離型剤を当該押出しピンの先端部に導き前記キャビティに供給する離型剤供給路を備える。
【0006】
本発明のダイカストマシンは、好適には、前記キャビティに連通し金属溶湯が供給されるスリーブと、当該スリーブに供給された金属溶湯を前記キャビティに向けて射出、充填するプランジャとの間の摩擦を低減するための粉体潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段をさらに有し、前記押出しピンは、前記潤滑剤供給手段から供給される粉体離型剤を当該押出しピンの先端部に導き前記スリーブに供給する潤滑剤供給路を備える。
【0007】
本発明のダイカストマシンは、さらに好適には、前記金型が型締された状態において、前記キャビティ内を排気し減圧する排気手段をさらに有し、前記排気手段により排気を開始したのち、前記押出しピンを通じて前記粉体離型剤を前記キャビティ内に供給し、供給された粉体離型剤を排気により発生する空気の流れによって拡散させて当該キャビティの内面に付着させる。
【0008】
本発明では、キャビティに押出しピンを押し出し、離型剤供給路に離型剤供給手段から粉体離型剤を供給すると、先端部から粉体離型剤がキャビティに供給される。このように、本来、鋳造品を押し出すための押出しピンに離型剤供給路を形成し、離型剤供給手段から粉体離型剤を供給することで、押出しピンに粉体離型剤の塗布を行わせることができ、また、離型剤供給手段側で粉体離型剤の供給、遮断を行えば、制御弁等を金型に設ける必要がない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの要部の構成を示す鉛直方向の断面図である。
図1において、ダイカストマシン1は、固定ダイプレート2に保持された固定金型5と、移動ダイプレート3に保持された移動金型6と、固定金型5に固定された分割体31と移動金型6に固定された分割体32とからなるスリーブ30と、スリーブ30に嵌合するプランジャ40と、スリーブ30に接続された溶湯供給管50と、固定金型5に接続された真空装置61と、移動金型6に設けられた複数の押出しピン71,72と、粉体供給装置85と、冷却液供給装置86とを有する。なお、真空装置61は本発明の排気手段の一実施態様であり、粉体供給装置85は本発明の離型剤供給手段および潤滑剤供給手段の一実施態様である。
【0010】
固定ダイプレート2は図示しないベース上に固定されており、移動ダイプレート3はこのベース上に矢印A1およびA2で示す型開閉方向に移動可能に設置されている。
移動ダイプレート3の背後には、図示しない型締装置が設けられており、この型締装置は図示しない複数のタイバーによって移動ダイプレート3を通じて固定ダイプレート2と連結されている。型締装置の作動によって、移動ダイプレート3が型開閉方向A1およびA2に移動し、固定金型5と移動金型6との型開閉が行われ、固定金型5および移動金型6が型閉された状態で、移動ダイプレート3がさらに型閉方向A2に移動することにより、上記のタイバーが伸長し、固定金型5と移動金型6との型締が行われる。
【0011】
固定金型5には、金属溶湯が充填されるキャビティを構成するための凹部5aおよびこのキャビティに金属溶湯を導くための導入路を構成するための凹部5bとが形成されている。
移動金型6には、固定金型5の凹部5aおよび5bに対応して、キャビティを構成するための凹部6aおよびこのキャビティに金属溶湯を導くための導入路を構成するための凹部6bとが形成されている。
【0012】
真空装置61は、固定金型5の上端部に形成された排気口5hに接続されており、この排気口5hを通じて、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティ内を排気し減圧する。
真空装置61と固定金型5とを連通する管路の間には、制御弁62,63が設けられており、さらに、制御弁62と制御弁63とを連通する管路の間には、制御弁64が設けられている。これらの制御弁62,63および64を適宜開閉することにより、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティ内が減圧される。
【0013】
スリーブ30は、固定金型5と移動金型6の下部に鉛直方向に沿って固定され、半円筒状に形成された2つの分割体31,32から構成されている。これら分割体31,32が固定金型5と移動金型6を型閉することにより接触することで、円筒状のスリーブ30となる。
固定金型5に固定された分割体31には、溶湯供給管50が接続されている。この溶湯供給管50は、図示しない溶湯供給装置から供給された金属溶湯をスリーブ30に導く。導かれた金属溶湯は、スリーブ30の分割体31に形成された給湯口31hを通じてスリーブ30内に供給される。溶湯供給装置には、たとえば、電磁ポンプを用いることができる。
プランジャ40は、スリーブ30の内周に嵌合し、矢印C1およびC2で示す鉛直方向に図示しない射出シリンダ等の駆動源によって駆動される。
【0014】
押出しピン
押出しピン71,72は、移動金型6に形成された貫通穴に移動可能に挿入されている。押出しピン72は、先端部がキャビティを構成するための凹部6aに突出可能となっており、押出しピン71は、先端部が金属溶湯を導くための導入路を構成するための凹部6bに突出可能となっている。
押出しピン71は、移動金型6の背面側の押出し板73に移動可能に設けられており、この押出しピン71は押出し板73に設けられた油圧シリンダ77と連結されている。油圧シリンダ77の駆動により、押出しピン71は押出し板73に対して矢印B1およびB2の向きに駆動される。
押出しピン72は、押出し板73に固定されている。
押出しピン71は、押出しピン72よりも大きな径を有しており、この押出しピン71は後述するように、粉体離型剤および粉体潤滑剤をキャビティおよびスリーブに供給する。
【0015】
押出しピン71は、移動ダイプレート3の背後に固定された油圧シリンダ75とは独立した油圧シリンダ77と連結されている。この油圧シリンダ77を駆動することにより、通常の押出し動作を行わずに(押出し板73を移動させずに)押出しピン71を移動金型6に対して接近または離隔する矢印B1およびB2の向きに移動し、押出しピン71の先端部が、移動金型6の凹部6bに出没する。また、押出し板73は、移動ダイプレート3の背後に固定された油圧シリンダ75のロッド76と連結されている。この油圧シリンダ75を駆動することにより、押出し板73は矢印B1およびB2の向きに移動する。これにより、油圧シリンダ77も移動する。この押出し板73の矢印B1およびB2の向きの移動により、押出しピン71,72の先端部が、移動金型6の凹部6b,6aに同時に出没する。
【0016】
図2は、押出しピン71の構造を示す図である。
図2に示すように、押出しピン71の先端部71Fから後端部71Rにかけて、押出しピン71には、離型剤用供給路71Aと、潤滑剤供給路71Bと、冷却液循環路71Cとが形成されている。
【0017】
離型剤用供給路71Aは、後端部71R側の導入口71Abが可撓性の配管75を介して粉体供給装置85に接続されており、この粉体供給装置85から粉体離型剤PSの供給を受ける。この離型剤用供給路71Aの先端部71F側は、側面に向けて開口する開口部71Aaとなっている。この開口部71Aaは、移動金型6の凹部6a側に向いており、離型剤用供給路71Aを通じて供給された粉体離型剤PSが開口部71Aaから移動金型6の凹部6a側に向けて噴射される。
【0018】
潤滑剤供給路71Bは、後端部71R側の導入口71Bbが可撓性の配管75を介して粉体供給装置85に接続されており、この粉体供給装置85から粉体潤滑剤PGの供給を受ける。この潤滑剤用供給路71Bの先端部71F側は、側面に向けて開口する開口部71Baとなっている。この開口部71Baは、スリーブ30側に向いており、離型剤用供給路71Bを通じて供給された粉体潤滑剤PGが開口部71Baからスリーブ30に向けて噴射される。
【0019】
冷却液循環路71Cは、冷却液CLを押出しピン71の後端部71R側から先端部71F側に導いたのち、再び後端部71R側に戻るように形成されている。冷却液循環路71Cの導入口71Caと排出口71Cbとは、冷却液供給装置86と可撓性の配管75によって接続されており、新しい冷却液CLが導入口71Caから供給され、押出しピン71内を循環した冷却液CLが排出口71Cbを通じて回収される。
冷却液CLには、たとえば、水が用いられ、冷却液CLは、鋳造サイクル中には、常時押出しピン71に供給される。これにより、押出しピン71が過剰に高い温度になることが防止される。
【0020】
粉体供給装置85は、図示しない制御弁を内蔵しており、制御弁を制御することにより、粉体離型剤PSおよび粉体潤滑剤PGを押出しピン71に供給する。この粉体供給装置85は、たとえば、所定圧力のエアによって粉体離型剤PSおよび粉体潤滑剤PGを押出しピン71に供給する。
粉体離型剤PSは、粉末状の材料から形成されており、固定金型5と移動金型6との間に形成されるキャビティの内面に付着させることにより、このキャビティの内面に金属溶湯が直接触れるのを防ぎ、鋳造された鋳造品の離型を容易にする。この粉体離型剤PSがキャビティの内面と金属溶湯との間に介在することにより、断熱、保温作用も果たす。粉体離型剤PSの形成材料は、金属溶湯を構成する材料に応じて適宜選択される。
粉体潤滑剤PGは、粉末状の材料からなり、スリーブ30の内周面に付着させることにより、スリーブ30の内周面とこれに嵌合するプランジャ40の外周面との間の摩擦を低減する。粉体潤滑剤PGの形成材料としては、たとえば、タルク等の材料が用いられる。
【0021】
次に、上記構成のダイカストマシン1による鋳造動作の一例について図3〜図10を参照して説明する。
まず、図3に示すように、移動ダイプレート3を型閉方向A2に移動させ、固定金型5と移動金型6との型締を行う。
図2に示すように、固定金型5と移動金型6とを型締すると、固定金型5と移動金型6の分割面は密着し、固定金型5と移動金型6の間には、閉空間であるキャビティCが形成されるとともに、キャビティCへ金属溶湯を導く導入路Cinが形成される。
さらに、固定金型5と移動金型6との型締により、分割体31と分割体32の分割面は密着し、分割体31および32によってスリーブ30が構成される。このスリーブ30は、導入路Cinと連通している。
【0022】
固定金型5と移動金型6との型締が完了したのち、図4に示すように、プランジャ40を矢印C1で示す鉛直上向きに上昇させ、プランジャ40の先端部(プランジャチップ)をスリーブ30の給湯口31hよりも上方に位置させる。
これにより、スリーブ30がプランジャ40によりシールされ、キャビティCは外部から完全に閉塞された状態となる。
【0023】
プランジャ40を上昇させたのち、制御弁64を閉じた状態で、制御弁62,63を開く。これにより、固体金型5の上端部に形成された排気口5hを通じてキャビティCおよびスリーブ30の一部によって形成された閉空間から空気が排気され始める。
【0024】
真空装置61による排気を開始すると、キャビティC内に存在する空気は、たとえば、図4において点線で示すように、排気口5hに向かって流れる。この空気の流れは、キャビティCの導入部CinからキャビティCの最奥部付近に位置する排気口5hに向かっている。
【0025】
真空装置61による排気の開始直後、あるいは、排気の開始の直前に、図5に示すように、油圧シリンダ77を駆動し押出しピン71のみをキャビティCの導入路Cinに突出させる。このとき、他の押出しピン72は動かない。その後、粉体供給装置85から粉体離型剤PSを押出しピン71の離型剤用供給路に供給する。
これにより、粉体離型剤PSは押出しピン71の離型剤用供給路を通って、キャビティCに突出した押出しピン71の先端部の開口からキャビティCに向けて噴射される。噴射された粉体離型剤PSは、図4に示した空気の流れによって、キャビティCの導入部CinからキャビティCの最奥部に向かって急速に拡散する。
【0026】
これにより、図6に示しように、キャビティC内には、粉体離型剤PSが略均一に分散し、キャビティCの内面に粉体離型剤PSが一様に付着する。
粉体離型剤PSを所定量供給したのち、粉体供給装置85からの粉体離型剤PSの供給を停止する。
【0027】
キャビティCの内面への粉体離型剤PSの塗布が完了したところで、制御弁62を閉じ、制御弁64を開くことにより、キャビティC内の排気を停止する。これにより、制御弁64および63を通じて大気がキャビティC内に侵入し、キャビティC内の圧力は大気圧となる。
【0028】
次いで、図6に示すように、プランジャ40を矢印C2の向きに下降させて、プランジャ40の先端部を溶湯供給管50の給湯口31hよりも下方に位置させる。この状態から、粉体供給装置85から粉体潤滑剤PGを押出しピン71の潤滑剤用供給路に供給する。
【0029】
図6に示すように、押出しピン71の先端部からスリーブ30に向けて粉体潤滑剤PGが噴射され、スリーブ30の内周面に粉体潤滑剤PGが塗布される。
粉体潤滑剤PGを所定量供給したのち、粉体供給装置85からの粉体潤滑剤PGの供給を停止する。
【0030】
スリーブ30の内周面への粉体潤滑剤PGの塗布が完了したのち、図7に示すように、油圧シリンダ77を駆動して押出しピン71の先端部を移動金型6内に没入させたのち、溶湯供給管50を通じて、金属溶湯MLをスリーブ30内に供給する。
これにより、プランジャ40によって下部が閉塞された状態にあるスリーブ30内に金属溶湯MLが収容される。
【0031】
次いで、図8に示すように、プランジャ40を矢印C1の向きに上昇させて、プランジャ40の先端部がスリーブ30の給湯口31hを閉塞する位置に移動させる。
この状態から、図9に示すように、プランジャ40をさらに矢印C1の向きの移動させて、スリーブ30内に収容された金属溶湯MLを導入路Cinを通じてキャビティC内に射出、充填する。これにより、鋳造品Wが鋳造される。
【0032】
鋳造品Wの鋳造が完了すると、図10に示すように、プランジャ40を矢印C2の向きに下降させたのち、移動ダイプレート3を型開方向A1に移動し、固定金型5と移動金型6とを開く。固定金型5と移動金型6とを開くと、鋳造品Wは固定金型5から離脱し、移動金型6とともに移動する。
移動ダイプレート3を所定の位置まで移動したのち、油圧シリンダ75を駆動して押出し板73を矢印B2の向きに移動させ、押出しピン71,72の先端部を移動金型6の凹部6a,6bにそれぞれ突出させ、押出しピン71,72により鋳造品Wを押し出すことにより移動金型6から離型する。
上記の工程により、鋳造品Wが得られる。
【0033】
本実施形態では、固定金型5と移動金型6とを型締した状態において、キャビティC内を排気し、この排気によって発生するキャビティC内の空気の流れを利用して粉体離型剤PSを十分に拡散させ、キャビティCの内面に付着させる。この結果、キャビティCの形状等にかかわらず粉体離型剤PSを一様に塗布することが可能となる。
また、本実施形態では、キャビティC内を排気するための排気口5hをキャビティCの最奥部に配置し、押出しピン71をキャビティCの導入路Cinに突出させて、押出しピン71の先端部から粉体離型剤PSをキャビティC側に向けて噴射することにより、粉体離型剤PSをキャビティCの全体に行き渡らせることが可能となる。
この結果、粉体離型剤PSの塗布むらが発生せず、粉体離型剤PSのもつ離型、断熱性能を十分に発揮させることが可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、粉体離型剤PSの塗布後、移動金型6の凹部6bに突出した状態の押出しピン71の先端部からスリーブ30内に向けて粉体潤滑剤PGを噴射することにより、粉体潤滑剤PGをスリーブ30の内周全体に塗布することができる。
【0035】
また、本実施形態では、押出しピン71へ粉体離型剤PSおよび粉体潤滑剤PGを供給する粉体供給装置85は、金型5,6から離れて設置されているとともに、粉体供給装置85側で粉体離型剤PSおよび粉体潤滑剤PGの供給および停止動作を行う。このため、金型5,6に粉体離型剤PSおよび粉体潤滑剤PGを噴射するための制御弁等の機器を設置する必要がなく、装置構成が非常に簡素化される。粉体供給装置85は、金型5,6やスリーブ30から離れて設置されているため、熱の影響を受けず、粉体供給装置85に制御弁等の各種機器を用いても安定した動作が得られる。
【0036】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、スリーブが鉛直方向に沿って配置された構造のダイカストマシンを例に挙げて説明したが、本発明はスリーブが水平方向に沿って配置された構造のダイカストマシンにも適用可能である。
また、上述した実施形態では、粉体離型剤および粉体潤滑剤の双方を供給する場合について説明したが、粉体離型剤あるいは粉体潤滑剤の一方のみを供給する構成とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、真空装置61を用いてキャビティ内を減圧しながら粉体離型剤を塗布する場合について説明したが、キャビティ内を減圧せずに、押出しピンから粉体離型剤を噴射させてキャビティの内面に塗布する構成とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、単一の押出しピンに粉体離型剤および粉体潤滑剤の供給路を形成する構成としたが、複数の押出しピンに粉体離型剤および粉体潤滑剤の双方あるいはいずれか一方の供給路を形成する構成とすることも可能である。この場合には、各押出しピンの粉体離型剤および粉体潤滑剤の噴射方向を適宜調整し、最も効果的な塗布が行われる配置とするのが好ましい。
また、上述した実施形態では、押出しピン71を駆動する油圧シリンダ77と、押出し板73を駆動する油圧シリンダ75を設ける構成としたが、油圧シリンダ77を設けずに、粉体の噴射時に押出し板73の駆動により押出しピン71の先端部をキャビティに突出させる構成とすることも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、粉末状の離型剤あるいは潤滑剤を用いて鋳造を行う際に、粉体離型剤および粉体潤滑剤を簡易な構成で塗布できるとともに、均一に塗布することができるため、粉体離型剤および粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す鉛直方向の断面図である。
【図2】押出しピンの構造を示す図である。
【図3】本発明のダイカストマシンの鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図4】図3に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図5】図4に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図6】図5に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図7】図6に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図8】図7に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図9】図8に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図10】図9に続く鋳造動作の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン
2…固定ダイプレート
3…移動ダイプレート
5…固定金型
6…移動金型
30…スリーブ
31,32…分割体
40…プランジャ
50…溶湯供給管
61…真空装置
71,72…押出しピン
73…押出し板
85…粉体供給装置
86…冷却液供給装置
PS…粉体離型剤
PG…粉体潤滑剤
CL…冷却媒体
Claims (5)
- 一対の金型間に形成されるキャビティに金属溶湯を射出、充填して鋳造品を鋳造するダイカストマシンであって、
先端部が前記キャビティに突き出すことにより鋳造品を金型から押出す押出しピンと、
鋳造品の前記金型からの離型を促すための粉体離型剤を供給する離型剤供給手段とを有し、
前記押出しピンは、前記離型剤供給手段から供給される粉体離型剤を当該押出しピンの先端部に導き前記キャビティに供給する離型剤供給路を備える
ダイカストマシン。 - 前記離型剤供給路を具備しない押出しピンをさらに有し、
前記離型剤供給路を具備する押出しピンを前記離型剤供給路を具備しない押出しピンとは独立に前記キャビティに対して移動させる駆動手段をさらに有する
請求項1に記載のダイカストマシン。 - 前記キャビティに連通し金属溶湯が供給されるスリーブと、当該スリーブに供給された金属溶湯を前記キャビティに向けて射出、充填するプランジャとの間の摩擦を低減するための粉体潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段をさらに有し、
前記離型剤供給路を具備する押出しピンは、前記潤滑剤供給手段から供給される粉体離型剤を当該押出しピンの先端部に導き前記スリーブに供給する潤滑剤供給路を備える
請求項1または2に記載のダイカストマシン。 - 前記金型が型締された状態において、前記キャビティ内を排気し減圧する排気手段をさらに有し、
前記排気手段により排気を開始したのち、前記押出しピンを通じて前記粉体離型剤を前記キャビティ内に供給し、供給された粉体離型剤を排気により発生する空気の流れによって拡散させて当該キャビティの内面に付着させる
請求項1〜3のいずれかに記載のダイカストマシン。 - 前記押出しピンは、前記キャビティにおける金属溶湯の導入路に対して突き出し可能に設けられており、
前記離型剤供給路は、前記押出しピンの先端部において前記キャビティ側に向けて開口しており、
前記潤滑剤供給路は、前記押出しピンの先端部において前記スリーブ側に向けて開口している
請求項3または4に記載のダイカストマシン。
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