JP2004249334A - 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法 - Google Patents

酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004249334A
JP2004249334A JP2003043462A JP2003043462A JP2004249334A JP 2004249334 A JP2004249334 A JP 2004249334A JP 2003043462 A JP2003043462 A JP 2003043462A JP 2003043462 A JP2003043462 A JP 2003043462A JP 2004249334 A JP2004249334 A JP 2004249334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
cavity
vacuum
die
die casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003043462A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2003043462A priority Critical patent/JP2004249334A/ja
Publication of JP2004249334A publication Critical patent/JP2004249334A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ガス欠陥のない製品を提供し、真空シールを簡易に施すことが可能とし、このためメンテナンスコストを低減でき、また品質のバラツキの低減と生産性の向上を図る。
【解決手段】固定型(2)と、可動型(4)と、該金型キャビティ内を吸引する真空ポンプとを備える真空ダイカストの金型構造(1)において、該金型内部の該キャビティ内と該金型外部の外気とを連通する隙間(18)を包む包囲室(23)を形成し、該包囲室に反応性ガスを供給する反応性ガス供給機構(26等)を設けたことを特徴とする真空ダイカストの金型構造が提供される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品内部に発生するガス欠陥を防止しT6熱処理や溶接を可能とした高品位ダイカスト鋳物を得る手法であって、ダイカスト機や射出成形機などに用いる高真空ダイカスト金型構造及びその周辺設備とこれを用いた鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製品内部に発生するガス欠陥を防止しダイカスト鋳物の付加価値を高める手法として高真空ダイカスト法がある。当鋳造法は、真空度を高めた金型キャビティ内へ溶湯を高速で射出、充填するもので、従来よりバキュラル法やMFT法(Minimum−Fill−Time Process)が知られている。
【0003】
バキュラル法は、Muller Weingarten社とドイツの総合アルミニウムメーカのVaw社が共同開発した工法である。図8に示すように、バキュラル法では、可動するダイベース103に取付けられた可動型104と固定型102との型締めにより製品キャビティ105を形成させた後、溶湯131を吸引管134から真空吸引し、低速射出から高速への切替え時に高真空バルブ110を閉じてその直後高速で溶湯131を射出して成形する。成形完了後、成形品は可動型104の移動に伴って可動型104のキャビティに取付いた状態で図8において左方向へと移動する。可動型104には、多数の穴118が設けられており、押出しピン119がこれらに挿通されて押出し板120に締結されている。従って、図8中左より右方向へ押出し板120が押し込まれると押出しピン119が成形品を可動型キャビティより外部へと押出す。
【0004】
MFT法は、ALCAN BDW社で開発された工法である。図9に示すように、MFT法は、溶湯の供給は、通常のダイカストと同じ様にプランジャスリーブ211の注湯口212から行い、プランジャチップ214が注湯口212を通過した段階で短時間に高真空に減圧する方法である。短時間で真空吸引するために、大容量の真空タンク216と大口径の真空バルブ215を用いて配管抵抗を少なくする工夫がされている。なお、金型の構造、真空吸引や射出のタイミング、成形品の金型からの離型の仕方は既述バキュラル法と同様である。
【0005】
しかし、従来のバキュラル法やMFT法のままでは、高真空バルブが閉じてから射出完了までに金型キャビティと外気とを連通させる隙間(例えば、押出しピンとこれを挿通させる可動主型の押出しピン穴との隙間の他、プランジャスリーブ取付けフランジ部、金型スライド面や分割面、プランジャスリーブとプランジャチップとの隙間、スクイズピン入れ子と主型の隙間等)から真空漏れが瞬時に起こり、製品内部のガス欠陥発生を効率的に抑制できない問題点を有している。
【0006】
特に、金型分割面が多く複雑な金型では、この真空シール方法が極めて難しくかつ複雑なシール構造が必要となるため、真空吸引終了から高速射出完了までの間、キャビティ内の真空度維持または大気流入防止を可能とする新しい技術が必要になっている。
【0007】
このように、これらの手法では、真空排気されたキャビティ内が射出直前の高真空バルブ「閉」によって多くの箇所から瞬間的にリークが生じるため、キャビティ内真空度が経時的に不安定となって製品品質のバラツキを増大させてしまう。また、金型メンテナンスの頻度が多くなり、かつそのメンテナンス性も低下してしまい本来のダイカストの利点である量産性が失われてしまう。このリークを防ぐにはこれら全ての箇所をパッキンやOリング等で真空シールしなければならないため、特に、金型分割面が多く複雑形状の製品ではこの真空シール方法が極めて難しく、その密閉性も乏しいために高真空ダイカストの利点が十分に生かされていなかった。
【0008】
これらの問題解決を図るため、今日迄に、(1)押出しピンを密閉し、キャビティ内ともに真空引きする技術(特許文献1、特許文献2)、(2)キャビティ内を真空引きした後に酸素を充満させる技術(特許文献3、特許文献4)等が提案されている。
【0009】
[押出しピンを密閉し、キャビティ内ともに真空引きする技術]
特許文献1に記載の技術は、押出しピンないし押出し板を格納する空間部を密閉し、当該空間部を金型キャビティの真空吸引と同時に真空引きし、低速射出から高速への切替え時に双方のバルブを閉じてその直後高速で溶湯を射出して成形する金型構造である。
【0010】
当技術では、金型キャビティの真空吸引終了後、押出しピンないし押出し板を格納する空間部の真空吸引も終了させなければならない。金型キャビティの真空吸引終了直後、高速で溶湯を金型キャビティ内へ注入する際、上記空間部が真空吸引されていると可動型に設けた押出しピン挿通穴と押出しピンの隙間にアルミが侵入し、押出しピンが固着されてしまうためである。この結果、成形終了後に押出しピンにて成形品を可動型キャビティ外へ押出すことは不可能となり、押出し板への圧下力を高くすれば押出しピンの折損が起こる。このような理由から当該空間部の真空吸引バルブは、金型キャビティと同じタイミングで開閉させなければならない。
【0011】
しかし、ダイカスト金型では、押出しピンの隙間以外に、プランジャスリーブのフランジ嵌合部、可動金型スライド面、プランジャスリーブとチップとの隙間、スクイズピン入れ子と主型との隙間等、キャビティと外気とが連通する多くの隙間が存在するため、上記押出しピンないし押出し板を格納する空間部のみを減圧しても真空バルブ「閉」の直後、急速に真空度低下が生じる。従って、これらのリーク箇所を全て真空シールしなければならず、金型構造が極めて複雑化する問題点がある。特に、複雑形状の成形品の場合は、金型分割面が多くなるため、この真空シール方法はさらに複雑化する。真空シール箇所が多く複雑化すれば一箇所のリークが即座に製品品質バラツキを招くことから、頻繁なシール部のメンテナンスが必要となってダイカストの利点である量産性が生かせない。キャビティ内真空度も経時的に不安定となるため、製品品質も低下する。
【0012】
特許文献2に記載の技術は特許文献1と同様、押出しピンないし押出し板を格納する空間部を密閉し、当該空間部の側壁に真空吸引パイプ接続口を設けることで可動型の押出しピン挿通穴と押出しピンとの隙間を通して金型キャビティ内を真空引きする金型構造と真空吸引方法である。当技術では、以下のような問題点がある。
【0013】
(1)金型キャビティ内を真空引きするための開口部が押出しピン挿通穴と押出しピンとの隙間のみで狭い。このため小物形状部品には対応できるが、形状が大きく金型キャビティ容積も大きくなる金型ではキャビティ内の吸引効率が悪く減圧不充分となって、結果的に空気などを巻き込んだガス欠陥を発生させてしまう。
(2)真空シールを用いない手法のため、高速射出時も金型キャビティ内は真空引きが継続されなければならないため、大物部品で大きな射出圧力を必要とするものでは既述押出しピン挿通穴と押出しピンとの隙間にアルミが差し込んで特許文献1で論じたと同じ不具合が発生してしまう。
【0014】
[キャビティ内を真空引きした後にキャビティ内を酸素で充満させる技術]
特許文献3に記載の技術は、金型キャビティ内を予め真空吸引した後、溶湯の注湯口手前から高圧の酸素を吹き込み、キャビティ内の雰囲気圧が大気圧を超えた時点でアルミ溶湯を高速で射出するダイカスト法である。しかし、当技術では、以下のような問題があった。
【0015】
(1)溶湯温度が最も高いプランジャの内部まで酸素充填されるため、溶湯表面に酸化皮膜が大量発生し、これが後にキャビティ内へ射出されるため当酸化皮膜が粗大な酸化物として製品内部へ巻き込まれて偏析、凝固する。その結果、局部的な強度低下と品質の信頼性が低下する。
(2)(1)の不具合の解消には、キャビティへの入り口(=ゲート)面積を絞り、ゲート間の射出速度をアップさせて溶湯をキャビティ内へ霧状に噴霧させることが有効とされる。(特許文献5、酸素ダイカスト法)しかし、こうした手法は金型ゲート部の損耗が激しく、高価なダイカスト金型の型寿命を著しく短くする問題点がある。
(3)酸素でキャビティ内を大気圧以上に加圧するには、金型キャビティと外気とが連通する全てをシールする必要がありシール構造が複雑化する。シール箇所が多くなることで生じる問題は既述の通りである。
【0016】
特許文献4に記載の技術は、酸素を吹き込む位置が特許文献3と異なるのみで、技術内容や当該技術の問題点は類似している。
【0017】
その他、金型キャビティ内の真空吸引と同時に酸素ガスを当該キャビティ内へ注入し、効率良く酸素でキャビティ内を置換する技術などが「特許文献6」で既に報告されている。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−225096号公報
【特許文献2】
特開平6−850号公報
【特許文献3】
特開2000−84648号公報
【特許文献4】
特開平9−1306号公報
【特許文献5】
特公昭50−21143号公報
【特許文献6】
特公昭57−140号号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガス欠陥のない製品を提供することができるダイカストの金型構造およびダイカスト法であって、真空シールを簡易に施すことが可能で、このためメンテナンスコストが低減でき、また品質のバラツキの低減と生産性の向上を図ることができるダイカストの金型構造およびダイカスト法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、固定型と、該固定型に対し接離自在に対向して設けられた可動型と、該固定型と該可動型との合わせ面に形成される金型キャビティと、該金型キャビティ内を吸引する真空ポンプと、該金型キャビティ内に溶湯を注入するためのプランジャスリーブとプランジャチップとを備える真空ダイカストの金型構造において、該金型内部の該キャビティ内と該金型外部の外気とを連通する隙間を包む包囲室を形成し、該包囲室に反応性ガスを供給する反応性ガス供給機構を設けたことを特徴とする真空ダイカストの金型構造が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、減圧後、キャビティ内に外気が入り込む可能性がある隙間を、反応性ガスでシールドすることが可能となり、外気の浸入によるガス欠陥を防止することが可能である。また、隙間からキャビティ内部に反応性ガスが噴出するためバリの差込みが防止可能である。
本発明の好ましい態様として、前記包囲室と前記反応性ガス供給機構の間にバルブを設けたことを特徴とする上記真空ダイカストの金型構造が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、包囲室およびキャビティを瞬時に反応性ガスにより加圧することが可能である。
本発明の別の好ましい態様として、前記包囲室内を直接減圧する減圧機構を設けたことを特徴とする上記真空ダイカストの金型構造が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、包囲室内の減圧をキャビティ側の減圧とは別途行うことが可能となり、短時間に包囲室内を真空状態にすることが可能である。
本発明の別の好ましい態様として、前記包囲室と前記減圧機構の間にバルブを設けたことを特徴とする上記真空ダイカストの金型構造が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、包囲室を瞬時に減圧することが可能である。
本発明の別の好ましい態様として、前記可動型に設けられた押出しピン挿通穴を挿通することで該可動型を貫通し、一端を該キャビティに臨ませ、他端を押出し板に接続された押出しピンと、該押出し板とをさらに備え、前記包囲室が前記押出しピン挿通穴を前記金型外側から包むことを特徴とする真空ダイカストの金型構造が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、最も開口面積が大きく気体の流入抵抗が少ない押出しピン挿通穴に適用することにより、効果的に反応性ガスによるシールドを行うことが可能である。
本発明の別の側面によると、固定型に対し接離自在に対向して設けられた可動型との合わせ面に形成される金型キャビティにおいて、該金型キャビティ内を真空吸引してプランジャスリーブ内の溶湯をプランジャチップにより射出する真空ダイカスト法であって、該金型キャビティを減圧すると略同時に、該金型キャビティ内と該金型外部の外気とを連通する隙間を包む包囲室を減圧し、該プランジャチップを低速射出から高速射出へ切替えて、該切替えと略同時に、該金型キャビティおよび該包囲室の減圧を停止し、該停止時または該停止時の直前に、反応性ガス供給機構から前記包囲室に反応性ガスを供給することを特徴とする真空ダイカスト法が提供される。このような本発明にかかる真空ダイカストの金型構造によると、効果的に真空吸引、反応性ガスによるシールドを行うことが可能となり、内部に空気の巻き込みやガス欠陥のない高品位のダイカスト製品の製造が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の1例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0022】
図1は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1の型締めが完了した状態の要部断面図を示している。固定型2に対しダイベース3に一体に設けられた可動型4が接離自在に対向する。固定型2と可動型4とが合体した型締め時には、固定型2と可動型4との合わせ面にキャビティ5が形成されるとともに、同キャビティ5の下方向(上流側)に湯口6を介して湯道7が形成され、キャビティ5の上方向(下流側)にオーバーフロー8、ガス抜き通路9、およびキャビティ用高真空バルブ10(以下、Vバルブと記す。)を備えるためのバルブ室が順次連通して形成される。
【0023】
プランジャスリーブ11が固定型2を貫通して、固定型2に嵌着されており、プランジャスリーブ11の内部が湯道7に連通している。プランジャスリーブ11の外部に露出した部分に注湯口12が設けられ、同注湯口12から溶湯がプランジャスリーブ11内に注入される。プランジャスリーブ11の内部にプランジャ13の先端に設けられたプランジャチップ14が摺動自在に嵌入されている。プランジャ13は図示していない往復駆動機構に連結されている。
【0024】
可動型4のバルブ室を形成する部分には、Vバルブ10が嵌入されている。Vバルブ10は、順に真空計15および大型真空タンク16を介して真空ポンプ17に接続されている。真空計15、大型真空タンク16、および真空ポンプ17は、いずれも可動型4の外部に設けられている。
【0025】
また、可動型4には、押出しピン挿通穴18が設けられている。押出しピン19は、押出しピン挿通穴18を挿通することで可動型4を貫通し、その先端をキャビティ5に臨ませている。押出しピン19の別の端は押出し板20に接続されている。押出し板20はロッド21の先端部に接続され、ロッド21の他端部は図示していない押出し機構に接続されている。この押出し機構により、押出しピン19は、押出しピン挿通穴18と平行な方向に摺動可能である。
【0026】
さらに、ダイベース3には、全ての押出しピン挿通穴18を包囲するように密閉板22が設けられている。すなわち、押出しピン挿通穴18、押出しピン19、および押出し板20の全てを包囲し、ロッド21のみが貫通するように、密閉板22はダイベース3に固着されており、これにより全ての押出しピン挿通穴18を包む包囲室23が、ダイベース3、可動型4、および密閉板22により形成される。
【0027】
また、金型構造1には、包囲室23に酸素を供給するための酸素供給機構が設けられている。すなわち、ダイベース3には、酸素供給穴24が設けられている。酸素供給穴24には、酸素制御バルブ25(以下、Oバルブと記す。)を介して高圧酸素タンク26が接続されている。Oバルブ25および高圧酸素タンク26はいずれもダイベース3の外部に設けられている。
【0028】
また、金型構造1には、包囲室23の内部を直接減圧するための減圧機構が設けられている。すなわち、ダイベース3には、減圧穴27が設けられている。減圧穴27には、包囲室用高真空バルブ28(以下、Vバルブと記す。)を介して大型真空タンク16又は図示しない補助真空タンクが接続されている。Vバルブ28および大型真空タンク16又は補助真空タンクはいずれもダイベース3の外部に設けられている。
【0029】
金型キャビティ5と外気とを連通させる隙間は、シール材29によりシールされている。このような隙間として、例えば、プランジャスリーブ11の取付けフランジ部(29a)、金型スライド面や分割面(29b)、プランジャスリーブ11とプランジャチップ14との隙間(29c)、スクイズピン入れ子34と主型2の隙間(29d)、ダイベース3と密閉板22との隙間(29e)、ロッド21と密閉板22との隙間(29f)、可動型4とダイベース3との接合面(29g)等が挙げられる。
なお、スクイズピンは、キャビティ5内へ溶湯が充填された後、肉厚部など引け巣が発生しやすい箇所を局部的に可動するピンで加圧するものであり、必要に応じて設けることができる。凝固の末期にスクイズすることが引け巣解消に有効であるため、プランジャチップ14による射出後、わずかの時間差をおいてスクイズをすると好ましい。スクイズピンは固定型2側、可動型4側のいずれにも取り付けることができ、図示していない往復駆動機構にその一端が接続される。また、金型にスクイズピンが挿通される穴が設けられるため外気と連通する隙間が生じ、このためこの隙間は、シール材29dによりシールする。
【0030】
以上のように、本実施の形態にかかるダイカストの金型構造1は、真空シール材29を用いて、可動型4側に押出しピン19および押出し板20を格納する密閉包囲室23が形成されており(図1参照)、当該包囲室23の真空吸引または酸素加圧の操作を行うために高応答性のVバルブ28またはOバルブ25がそれぞれ設けられている。そしてOバルブ25に接続する配管の他端側は、包囲室23を加圧するに足る大容量の加圧酸素タンク26ヘと接続され、またVバルブ28に接続する配管の他端はキャビティ5の真空吸引用に用いる大型高圧真空タンク16または別個に設けられた補助真空タンクヘと接続されている。これらのVバルブ28、Oバルブ25、さらにはキャビティ5を真空吸引するためのVバルブ10は、好ましくは、いずれも電気信号などにより連鎖して作動するシーケンス制御がなされている。
【0031】
なお、前記包囲室23に溜めた酸素を、負圧効果(すなわち、包囲室23の圧力とキャビティ5内の圧力の差)によりキャビティ5内へ自然流入させるために重要となる押出しピン19が挿通する押出しピン挿通穴18と押出しピン19とのクリアランスは、好ましくは10μm〜50μmに調整されている。これより大きいと、前記クリアランスを通してキャビティ5内へ入る酸素が突出するため当位置の製品表面に凹状のへこみが生じてしまう場合があり、これより小さいと、キャビティ5内への酸素充填が遅れる場合がある。なお、上記したように、固定型2と可動型4の接触面にもシール材29が付設され、またプランジャスリーブ11のフランジ部などにも量低限の真空シールを施している。
【0032】
本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1は以上のような構造をしており、以下にその鋳造プロセスを説明する。
【0033】
[型締め]
上記したように、図1は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1の型締めが完了した状態の要部断面図を示している。固定型2および可動型4の各キャビティ面に冷却剤をかけて外冷した後、エア噴霧をし、さらに離型剤を噴霧する。その後、ダイベース3を駆動して可動型4を固定型2に合体して型締めを行い製品33の形状となるキャビティ5を形成させる。真空ポンプ17は常時稼動状態とするのが好ましく、型締めの段階では、Vバルブ10、Vバルブ28、およびOバルブ25は全て閉じた状態である。このとき、大型真空タンク16および補助真空タンクは真空状態であり、キャビティ5および包囲室23は略大気圧の空気雰囲気である。
【0034】
[給湯]
図2は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1の給湯している状態の要部断面図を示している。プランジャチップ14をプランジャスリーブ11の最後端まで移動し、ラドル30にて注湯口12より溶湯31を給湯する。この時のバルブ及び真空タンクの状態は、前記「型締め」のときの状態と同じである。注湯は型締めが完了すればいつでも行うことができる。
【0035】
[チップ前進、真空吸引開始]
図3は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1のチップが前進し、真空吸引を開始する状態の要部断面図を示している。所定量の注湯が完了した後、プランジャ13を駆動してプランジャチップ14を低速で前進させる。プランジャチップ14の先端が注湯口12を塞いでからVバルブ10およびVバルブ28を好ましくは略同時に開く。これにより、真空ポンプ17および真空タンク16の作用で、キャビティ5内と前記包囲室23は、双方とも急速に真空吸引され減圧する。
【0036】
[真空吸引終了、高速射出開始]
図4は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1の真空吸引が終了し、高速射出を開始する状態の要部断面図を示している。低速で前進するプランジャチップ14は、プランジャスリーブ11の外壁面に設けられた位置センサ32による電気信号により所定の位置から高速射出へと切り替える。この切替えについては後述する。
【0037】
この高速射出の直前に金型キャビティ5部の真空吸引を司るVバルブ10と前記包囲室23の真空吸引を司るVバルブ28を閉じ、この動作と略同時に、またはこの動作の直前に外部で高圧酸素タンク26と連通する配管を接続したOバルブ25を開く。これによって前記包囲室23は酸素により瞬時に加圧される。このとき、包囲室23内の酸素圧力は、包囲室23とキャビティ5の容積の比にもよるが、一般的に0.1〜3気圧(10kPa〜300kPa)になるように制御すると好ましい。これより大きいと、前記クリアランスを通してキャビティ5内に突出するガス圧が高くなり、製品表面に凹状のへこみを形成してしまう場合があり、これより小さいと、前記キャビティ5内との圧力差が小さくなって効率的にキャビティ内を酸素シールドできない場合がある。これにより、包囲室23と金型キャビティ5との間に圧力差が生じるため、押出しピン19と押出しピン挿通穴18との隙間を通って酸素はキャビティ5側へも瞬時に自然流入しキャビティ5内を酸素でシールドすることができる(図4A部の拡大図である図5を参照)。なお、後述するように、押出しピン挿通穴18と押出しピン19の隙間は、金型キャビティ5へ連通する各隙間の内で、最も開口面積が大きく気体の流入抵抗が少ないため、キャビティ5には酸素が優先的に流入する。また、これら複数の押出しピンは広いキャビティ領域面内に略均等に分散配置されているためキャビティ内を瞬時に、かつ均等に酸素シールドすることから、真空シールされていない他の隙間やシールが不充分な箇所から外気はキャビティ5へ入り込むことができない。
【0038】
図6は、キャビティ5内の真空度変化と射出速度切替えのタイミングの関係を示す模式図である。射出速度切替えは、公知の技術に従い、例えば、以下のタイミングで行うと好ましい。すなわち、プランジャチップ14の先端が、プランジャチップ14が注湯口12を塞ぐ位置(図6中、aで示す。)を通過し、低速から高速への切替えの所定の位置(図6中、bで示す。)に到るまで、プランジャチップ14は、低速で前進させる。この間、プランジャチップ14の速度は一定とすると好ましい。プランジャチップ14の先端が所定の位置bに到達した時点で、プランジャチップ14を高速射出へと切り替える。換言すると、プランジャチップ14は位置bから急激な加速をし、高速で前進する。高速で前進しているプランジャチップ14は、その後急激に減速し、射出完了位置(図6中、cで示す。)で停止するものとする。このように低速から高速に切替えると、溶湯31を極めて短時間のうちに、キャビティ5内へ充填することができ、湯まわりや湯境などの成形不良が抑えられるという利点がある。なお、位置bは、以下のように定めると好ましい。すなわち、溶湯31の先端がキャビティ5の略入り口(湯口6)付近に達した時点である。また、低速は、具体的には、0.15〜0.35m/sとすると好ましい。また、高速は、具体的には、1.8〜4.5m/sとすると好ましい。
【0039】
このような射出速度に対応して、以下のようにキャビティ5内の真空度を制御すると好ましい。すなわち、プランジャチップ14の先端が真空吸引開始位置aを通過したとき、若しくはその後に吸引を開始する。プランジャチップ14の先端が真空吸引開始位置aを通過する前は、プランジャチップ14が完全には注湯口12を塞いでいないため、効果的に吸引を行うことができないからである。キャビティ5内の減圧は、低速射出中、すなわち、プランジャチップ14の先端が真空吸引開始位置aと切替え位置bとの間にあるうちに完了するように制御する。後述するように、高速射出をしているときには、キャビティ5を酸素でシールドする必要があるため、高速射出を開始する前に、キャビティ5および包囲室23を充分に減圧する必要があるためである。
その後、高速射出(すなわち、プランジャチップ14の先端が切替え位置bにあるとき)の直前、またはこれと同時にOバルブ25を開く。これにより、包囲室23およびキャビティ5は、急激に酸素によりシールドされ、包囲室23およびキャビティ5内の真空度は低下する。このようにキャビティ5内の真空度を制御することで、溶湯31がキャビティ5内に供給されるときには、キャビティ5内は充分に酸素によりシールドされる。
なお、特に断らない限り、プランジャチップ14の位置は、プランジャチップ14の先端をもって示し、この位置はプランジャスリーブ11外壁面に設けられた位置センサ32による電気信号により確認することができる。
【0040】
[充填完了]
図7は、本実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造1の充填が完了した状態の要部断面図を示している。酸素により全体が均等にシールドされているキャビティ5中へ、高速でアルミ溶湯31を充填し、射出が完了する。キャビティ5内に圧入された溶湯31は、キャビティ5を満たした後、オーバーフロー8に流入する。射出完了後にOバルブ25を閉じ、凝固を待って型開きを行う。こうして鋳造された成型品である製品33は、オーバーフロー8やガス抜き通路9、バルブ室等で形成された余分な凝固物と一体に、可動型4側キャビティ5に取付いた状態で図7において左方向に移動するが、エアシリンダ等の押出し機構と接続する押出し板20の右方向への移動によって、押出しピン19によりキャビティ5外へ押し出され、製品取りだしロボットによってダイカスト鋳造機の外へと搬送される。なお、余分な凝固物は、後工程のバリ取り時に成型品から除去される。
【0041】
本発明にかかる真空ダイカストの金型構造および真空ダイカスト法は、例えば、以下に掲げるような種々の有利な点を有する。
(1)T6、T7熱処理によるダイカスト鋳物の高強度化
(2)溶接可能によるダイカスト鋳物の付可価値向上
(3)金型分割面の多い複雑形状部品への適用が可能
(4)真空シール法の簡素化と金型コスト、金型メンテナンスコスト低減
(5)品質バラツキの低減と生産性向上
(6)押出しピンとピン穴との隙間拡張
【0042】
本発明にかかる真空ダイカストの金型構造および真空ダイカスト法において、溶湯をキャビティに射出するときに、キャビティ内は酸素で満たされており、キャビティに送り込まれた酸素は、アルミニウム溶湯と反応して微細なAlになって製品内に分散すると考えられる。このため、製品内部に空気、水蒸気等のガスが巻き込まれ、ダイカスト製品にブローホール等のガス欠陥が形成されることはない。このため、本発明によると、強度、伸び等の機械的特性に優れたダイカスト製品を提供することが可能になる。なお、製品内に分散する微細なAlは、ダイカスト製品に悪影響を及ぼすことはない。
【0043】
ダイカスト製品が内部にガスを巻き込んでいると、ダイカスト製品にT6、T7処理等の熱処理を施して機械的特性を向上させようとしたときに、製品内部に取り込まれているガスに起因して熱処理後の製品に膨れが発生する。しかし、本発明によると、ダイカスト鋳物にガス欠陥が無いため(すなわち、ダイカスト製品は内部にガスを巻き込んでいないので)、T6、T7熱処理による高温加熱によっても表面膨れ(=ブリスタ)が発生しない。このためT6、T7熱処理が可能で、さらに機械的特性の優れた製品を提供することができる。また、本発明によると、製品内のガス量が少なく、溶接してもブローホールなどのガス欠陥が生じないため、溶接性に優れたダイカスト鋳物が得られ、製品の付可価値が向上する。
【0044】
また、本発明によると、酸素が溶湯と接触するのが比較的温度の低いキャビティー内であり、温度の高いプランジャ内で接触したときのように、酸化皮膜が大量に発生することはない。このため、本発明によると、従来の技術で生じていた、酸化皮膜が粗大な酸化物として製品内部へ巻き込まれて偏析、凝固するということはない。このため、例えば、溶湯をキャビティ内へ霧状に噴霧させる場合のように、ダイカスト金型に過度の負担をかけること無しに、品質の高い製品を製造することができる。
【0045】
ここで、包囲室は、キャビティ内と前記金型外部の外気とを連通する隙間を包囲するように形成すれば充分であるが、特に、押出しピンと押出しピン挿通穴の隙間を包囲するように包囲室を形成し、この隙間をキャビティ内への酸素供給口として利用すると好ましい。これは以下の理由による。
(1)押出しピンと可動型との隙間の他、プランジャスリーブの取付けフランジ部、金型分割面、プランジャスリーブとチップとの隙間、スクイズピン入れ子と主型の隙間等、金型キャビティヘ連通する多くの隙間の中で押出しピンと可動型との隙間が最も開口面積が大きく、酸素のキャビティへの流入抵抗を小さくできる。
(2)多数の押出しピンの隙間を個々にシールする紛らわしさが解消でき、押出し板も含めこれらを一括して密閉させることが構造的に容易である。また、キャビティ内を酸素でシールドするに足る容量の酸素を瞬間的に保持できるだけの容積を有する包囲室を容易に形成することができる。
(3)酸素を瞬間的に溜める包囲室が、ダイカスト鋳造時の周辺設備(製品取りだしロボット、離型剤噴霧ロボット)の動作に何ら支障を及ぼさず、作業性やメンテナンス性の面でも有利である。
(4)広いキャビティ領域面内に複数の押出しピンが略均等に分散配置されており、各押出しピンの隙間を通って自然流入する酸素がキャビティ内を瞬時にかつ均等に酸素シールドすることができる。
【0046】
すなわち、本発明では、金型キャビティヘ連通する各隙間の内、最も開口面積が大きく気体の流入抵抗が少ない押出しピン挿通穴と押出しピンの隙間を利用して、キャビティ内に酸素を供給することができる。この場合、前記包囲室と金型キャビティ間の圧力差によって前記包囲室からキャビティ内へ酸素が優先的に吸引され、キャビティ内が酸素でシールドされるため、より簡易に他の隙間から外気がキャビティ内へ入り込むことを防止することができる。このため、本発明によると、金型分割数が増えても固定型と可動型との接触面など、急速にリークしやすい箇所のみの真空シールで、簡易にキャビティ内への外気侵入が防げる。これにより、本発明は、金型分割面の多い複雑形状部品への適用が可能である。
【0047】
このように、本発明において、押出しピン挿通穴と押出しピンの隙間を利用してキャビティ内に酸素を供給すると、真空シール法を簡素化することが可能であり、キャビティ内環境の長期安定化および金型メンテナンス頻度減少を図ることができる。これにより、シールのメンテナンス等の金型コストおよび金型メンテナンスコストを低減することが可能になり、さらに、簡易なシールによりキャビティ内に外気が浸入することを防ぐことができるため、品質のバラツキの低減でき、生産性を向上することができる。
【0048】
また、本発明において、押出しピン挿通穴と押出しピンの隙間を利用してキャビティ内に酸素を供給すると、当該隙間からキャビティ内に酸素が噴出すため、当該隙間へのバリの差込みがない。すなわち、例えば、上記したように、従来の押出しピンを密閉し、キャビティ内ともに真空引きする技術等では、押出しピン挿通穴と押出しピンの隙間にアルミが侵入し、押出しピンが固着されてしまうおそれがあった。しかし、本発明によると、包囲室の圧力とキャビティ内の圧力の差から、押出しピンと押出しピン挿通穴との隙間からキャビティ内に酸素が噴出すため、このようなおそれはない。また、この隙間をさらに拡張することでさらに酸素流入効率の向上が可能である。また、この隙間を比較的広くできるので、押出しピンの折れや曲がりも発生し難い。
【0049】
なお、本発明は、包囲室と酸素供給機構の間にバルブを設けると好ましく、これにより、瞬時の酸素加圧が可能となる。また、本発明は、包囲室内を直接減圧する減圧機構を設けると好ましく、これにより、包囲室用の減圧をキャビティ側の減圧とは別途行うことが可能となり、短時間に包囲室を真空状態にすることが可能となる。さらに、包囲室と当該減圧機構の間にバルブを設けると好ましく、これにより、瞬時に包囲室を減圧することが可能となる。
【0050】
なお、以上は、便宜のため、アルミダイカストについて説明したが、本発明は、アルミダイカスト以外に亜鉛ダイカストにも適用できる。アルミニウムと同様に、キャビティに送り込まれた酸素は、亜鉛溶湯と反応して微細な酸化亜鉛(ZnO)になって製品内に分散し、これはダイカスト製品に悪影響を及ぼすことはないと考えられる。さらに、本発明は、反応性ガスとして上記した酸素ガスに代えて、Mg溶解時、Mgの激しい酸化を抑えるためのカバーガスとして用いられる六弗化硫黄ガスを用いれば、マグネシウム(Mg)のホットチャンバ、コールドチャンバダイカストに適用でき、作業安全性や製品外観が向上する。
【0051】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によると、ガス欠陥のない製品を提供することができるダイカストの金型構造およびダイカスト法であって、真空シールを簡易に施すことが可能で、このためメンテナンスコストが低減でき、また品質のバラツキの低減と生産性の向上を図ることができるダイカストの金型構造およびダイカスト法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る真空ダイカストの金型構造の型締めが完了した状態の要部断面図を示している。
【図2】本発明の実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造の給湯している状態の要部断面図を示している。
【図3】本発明の実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造のチップが前進し、真空吸引を開始する状態の要部断面図を示している。
【図4】本発明の実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造の真空吸引が終了し、高速射出を開始する状態の要部断面図を示している。
【図5】図4A部の拡大図である。
【図6】キャビティ内の真空度変化と射出速度切替えのタイミングの関係を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる真空ダイカストの金型構造の充填が完了した状態の要部断面図を示している。
【図8】従来のバキュラル法による高真空ダイカスト法における金型構造の模式図である。
【図9】従来のMFT法による高真空ダイカスト法における金型構造の模式図である。
【符号の説明】
1,101,201 真空ダイカストの金型構造
2,102,202 固定型
3,103,203 ダイベース
4,104,204 可動型
5,105,205 キャビティ
6 湯口
7 湯道
8,108,208 オーバーフロー
9 ガス抜き通路
10,110,210 キャビティ用高真空バルブ
11,111,211 プランジャスリーブ
12,212 注湯口
13 プランジャ
14,114,214 プランジャチップ
15,115,215 真空計
16,116,216 真空タンク
17,117,217 真空ポンプ
18,118,218 押出しピン挿通穴
19,119,219 押出しピン
20,120,220 押出し板
21,121,221 ロッド
22 密閉板
23 包囲室
24 酸素供給穴
25 酸素制御バルブ
26 高圧酸素タンク
27 減圧用穴
28 包囲室用高真空バルブ
29 シール材
30 ラドル
31,131 溶湯
32 位置センサ
33 製品
34 スクイズピン入れ子
134 吸引管

Claims (6)

  1. 固定型と、該固定型に対し接離自在に対向して設けられた可動型と、該固定型と該可動型との合わせ面に形成される金型キャビティと、該金型キャビティ内を吸引する真空ポンプと、該金型キャビティ内に溶湯を注入するためのプランジャスリーブとプランジャチップとを備える真空ダイカストの金型構造において、
    該金型内部の該キャビティ内と該金型外部の外気とを連通する隙間を包む包囲室を形成し、該包囲室に反応性ガスを供給する反応性ガス供給機構を設けたことを特徴とする真空ダイカストの金型構造。
  2. 前記包囲室と前記反応性ガス供給機構の間にバルブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の真空ダイカストの金型構造。
  3. 前記包囲室内を直接減圧する減圧機構を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の真空ダイカストの金型構造。
  4. 前記包囲室と前記減圧機構の間にバルブを設けたことを特徴とする請求項3に記載の真空ダイカストの金型構造。
  5. 前記金型キャビティ中で成形される成形品を金型から押し出すための押出しピンであって、前記可動型に設けられた押出しピン挿通穴を挿通することで該可動型を貫通し、一端を該キャビティに臨ませ、他端を押出し板に接続された押出しピンと、該押出し板とをさらに備え、
    前記包囲室が前記押出しピン挿通穴を前記金型外側から包むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空ダイカストの金型構造。
  6. 固定型に対し接離自在に対向して設けられた可動型との合わせ面に形成される金型キャビティにおいて、該金型キャビティ内を真空吸引してプランジャスリーブ内の溶湯をプランジャチップにより射出する真空ダイカスト法であって、
    該金型キャビティを減圧すると略同時に、該金型キャビティ内と該金型外部の外気とを連通する隙間を包む包囲室を減圧し、
    該プランジャチップを低速射出から高速射出へ切替えて、該切替えと略同時に、該金型キャビティおよび該包囲室の減圧を停止し、
    該停止時または該停止時の直前に、反応性ガス供給機構から前記包囲室に反応性ガスを供給する
    ことを特徴とする真空ダイカスト法。
JP2003043462A 2003-02-21 2003-02-21 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法 Pending JP2004249334A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003043462A JP2004249334A (ja) 2003-02-21 2003-02-21 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003043462A JP2004249334A (ja) 2003-02-21 2003-02-21 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004249334A true JP2004249334A (ja) 2004-09-09

Family

ID=33026438

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003043462A Pending JP2004249334A (ja) 2003-02-21 2003-02-21 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004249334A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005329464A (ja) * 2004-04-20 2005-12-02 Toshiba Mach Co Ltd ダイカスト装置および減圧鋳造方法
JP2006334649A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Toyota Motor Corp ダイカスト装置およびダイカスト方法
JP2011224591A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Ryobi Ltd 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト法
KR101230415B1 (ko) 2010-12-27 2013-02-25 주식회사 새한산업 알루미늄 도어 패널용 진공 다이캐스팅 금형
CN103357851A (zh) * 2012-04-02 2013-10-23 东南精密株式会社 高真空压铸法
CN103433457A (zh) * 2013-07-31 2013-12-11 清华大学 充氧压铸模具装置
KR101359388B1 (ko) 2012-04-02 2014-02-10 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101359387B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-10 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101359386B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-20 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101359385B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-20 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387572B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 캐비티를 밀폐공간보다 먼저 진공화시키는 자동차의 프런트필러용 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387571B1 (ko) 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 밀폐공간이 캐비티보다 먼저 진공화되는 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387570B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 자동차의 프런트필러용 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387569B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 캐비티 진공화단계보다 밀폐공간 진공화단계가 먼저 시작되는 고진공 다이캐스팅 방법
CN104107894A (zh) * 2014-07-08 2014-10-22 霍山县龙鑫金属制品有限公司 一种泵体压铸方法
KR101512152B1 (ko) 2013-09-30 2015-04-14 동남정밀 주식회사 다이캐스팅 금형용 진공 형성방법
CN106694845A (zh) * 2016-11-30 2017-05-24 中国科学院金属研究所 一种合金压铸成形用高真空模具
CN114226689A (zh) * 2021-12-01 2022-03-25 河北欧瑞特铝合金有限公司 一种真空金属型模具

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005329464A (ja) * 2004-04-20 2005-12-02 Toshiba Mach Co Ltd ダイカスト装置および減圧鋳造方法
JP2006334649A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Toyota Motor Corp ダイカスト装置およびダイカスト方法
JP2011224591A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Ryobi Ltd 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト法
KR101230415B1 (ko) 2010-12-27 2013-02-25 주식회사 새한산업 알루미늄 도어 패널용 진공 다이캐스팅 금형
KR101359386B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-20 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387571B1 (ko) 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 밀폐공간이 캐비티보다 먼저 진공화되는 고진공 다이캐스팅 방법
KR101359388B1 (ko) 2012-04-02 2014-02-10 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101359387B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-10 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
CN103357851A (zh) * 2012-04-02 2013-10-23 东南精密株式会社 高真空压铸法
KR101359385B1 (ko) * 2012-04-02 2014-02-20 동남정밀 주식회사 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387572B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 캐비티를 밀폐공간보다 먼저 진공화시키는 자동차의 프런트필러용 고진공 다이캐스팅 방법
US8826965B2 (en) 2012-04-02 2014-09-09 Dongnam Precision Co., Ltd. High-vacuum die-casting method
KR101387570B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 자동차의 프런트필러용 고진공 다이캐스팅 방법
KR101387569B1 (ko) * 2012-04-02 2014-04-23 동남정밀 주식회사 캐비티 진공화단계보다 밀폐공간 진공화단계가 먼저 시작되는 고진공 다이캐스팅 방법
CN103433457A (zh) * 2013-07-31 2013-12-11 清华大学 充氧压铸模具装置
KR101512152B1 (ko) 2013-09-30 2015-04-14 동남정밀 주식회사 다이캐스팅 금형용 진공 형성방법
CN104107894A (zh) * 2014-07-08 2014-10-22 霍山县龙鑫金属制品有限公司 一种泵体压铸方法
CN106694845A (zh) * 2016-11-30 2017-05-24 中国科学院金属研究所 一种合金压铸成形用高真空模具
CN114226689A (zh) * 2021-12-01 2022-03-25 河北欧瑞特铝合金有限公司 一种真空金属型模具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004249334A (ja) 酸素シールドを用いた高真空ダイカスト法
CN106975738B (zh) 真空压铸设备和高真空压铸方法
JP3994735B2 (ja) ダイカスト方法及びダイカストマシーン
JPS60250867A (ja) ダイカスト方法及びダイカスト装置
WO2009067512A1 (en) Vacuum die casting machine and process
JP2000024767A (ja) 鋳造装置の給湯システム
US7290585B2 (en) Method of coating lubricant in metallic injection machine
CN113523223A (zh) 一种铝/镁合金真空压铸成型方法及装置
JP2000135551A (ja) 無孔質ダイキャスト装置
JP2011200901A (ja) 溶融金属高圧射出成形品の製造方法
JP2010167430A (ja) 縦型鋳造装置及び鋳造方法
JP2008246503A (ja) 鋳造方法及びダイカストマシン
JP2004322138A (ja) ダイカスト鋳造における新規低圧鋳造法
US20010002617A1 (en) Apparatus and methods for die casting
JP2004122146A (ja) 厚肉製品の高圧鋳造法
JP2007190607A (ja) ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法
US20210129213A1 (en) Vaccum die casting method and a die for vaccum die casting
JPS61182868A (ja) 減圧加圧鋳造方法およびその装置
JPWO2008088064A1 (ja) 鋳造方法及びダイカストマシン
JP2002224807A (ja) 真空ダイカスト装置及び真空ダイカスト方法
JPH05123845A (ja) 真空鋳造装置および真空鋳造方法
JP2743789B2 (ja) 無孔質ダイキャスト装置
US2866240A (en) Mechanism for reducing porosity of die castings
JP4581502B2 (ja) 鋳造方法および鋳造装置
JP2005088033A (ja) 内燃機関用ピストンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070810