JP2004351462A - ダイカストマシンおよび粉体離型剤の供給方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】型締完了後、真空弁の弁体24を開き、粉体離型剤吸引用の真空タンクA130を作動させる。粉体離型剤供給指令に対応して、ノズル122から射出スリーブ96の供給口96aへ粉体離型剤PSが吐出されるとランナー部Rn、キャビティC、排気路Ep、排気路25から管路150、132を経て真空装置タンクAへ吸引・排気されるのでこの排気によって発生するキャビティC内の空気の流れを利用して粉体離型剤を十分に拡散し、キャビティの内面に付着させる。
【選択図】図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型キャビティ内の気体を溶湯圧入前に排気して、高真空状態でダイカストするいわゆる真空ダイカスト法を用いたダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト製品の品質のばらつきによる信頼性低下の原因の一つとして、ダイカスト製品へのガスの含有がある。すなわち、高速、高圧で射出、充填された溶湯は射出スリーブと金型のキャビティ内で乱流となり、空気や気化した金型に塗布された離型剤等を巻き込む。
上記のような問題を克服するため、真空ダイカスト法によるダイカストマシンを用いて鋳造することによって、ダイカスト製品へのガスの含有を抑制し、ダイカスト製品のガスの含有による品質のばらつきを低減する技術が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
真空ダイカスト法を用いたダイカストマシンにおいては、高い強度、品質の製品を鋳造するためには、金型内をより高真空化でき、減圧状態を維持できることが求められている。金型内が高真空化されていないと、鋳造された製品にガスが含有し、鋳造後の焼きなまし等の熱処理を製品に施した際に、製品に歪みや変形が生じやすく、真空ダイカスト法による十分な効果を得ることが難しいからである。より高い強度、品質の製品を鋳造するためには、キャビティ内を高い真空度で減圧することが求められている。
【0003】
一方、ダイカストマシンでは、鋳造した製品の金型からの取り外しを容易にするために、鋳造前に金型のキャビティの内面に離型剤を塗布することが行われている。また、金属溶湯を金型のキャビティ内に射出する際に、射出装置のスリーブとプランジャチップとの間の摩擦を低減するために、鋳造前にスリーブの内周面に潤滑剤を塗布することが行われている。
上記の離型剤や潤滑剤としては、離型材料や潤滑材料を水に溶解させた水溶性離型剤や水溶性潤滑剤が多く用いられているが、これらに代えて粉体状の材料からなる粉体離型剤や粉体潤滑剤が使用されはじめている。
粉体離型剤や粉体潤滑剤は、金型への温度衝撃の緩和、製品内へのガスの混入量の低下、蒸発成膜による高断熱効果、離型性能の向上、騒音の低下、排水処理の不要化等の水溶性離型剤や水溶性潤滑剤と比べて優れた種々の利点を有する。
【0004】
【特許文献1】
米国特許2,785,448号
【特許文献2】
特開2002−239705号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、粉体離型剤や粉体潤滑剤の性能を十分に発揮させるためには、金型のキャビティの表面やスリーブの内周面にこれらを均一に分散付着させる必要がある。
粉体離型剤を金型のキャビティの表面に塗布するには、たとえば、金型を型締した状態でキャビティ内に粉体離型剤を噴射する方法が採られる。
しかしながら、この塗布方法では、キャビティの形状等によってはキャビティの表面に粉体離型剤を均一に分散させることが難しく粉体離型剤が均一に塗布されないと、上記した粉体離型剤の性能が十分に発揮されない。
また、真空ダイカスト法を用いたダイカストマシンでは、キャビティを減圧したときのシール性能が非常に重要であるが、金型に粉体離型剤の供給口を設けると、シール性能が低下するという不利益も存在する。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、キャビティ内を高真空状態にして射出・充填を行うダイカストマシンにおいて、金型のシール性能を低下させることなく、粉体状の離型剤をキャビティに安定して塗布可能可能なダイカストマシンおよび粉体離型剤の供給方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のダイカストマシンは、固定金型に連通し溶湯の供給口を有する射出スリーブと、前記射出スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された溶湯を前記固定金型と移動金型との間に形成されるキャビティに向けて射出、充填するプランジャと、前記キャビティを密封するシール手段と、前記キャビティを減圧する第1真空装置と、前記移動金型側に取付けられ、前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を遮断・導通する弁体を有する真空弁と、前記弁体により画された前記第1真空装置側の排気路内に接続された粉体離型剤吸引用の第2真空装置と、前記射出スリーブ内へノズルを介し前記粉体離型剤を供給する粉体離型剤供給手段とを有する。
【0008】
好適には、前記粉体離型剤供給手段のノズルは前記溶湯の供給口へ進退可能に配置されている。
【0009】
さらに好適には、前記粉体離型剤吸引用の第2真空装置に接続される管路の一部が前記第1真空装置に接続される排気管路の中に配設されている。
【0010】
好適には、前記ノズルは前記粉体離型剤供給後に前記射出スリーブ内へ供給される潤滑剤の吐出用として使用される。
【0011】
本発明の粉体離型剤の供給方法は、固定金型に連通し溶湯の供給口を有する射出スリーブと、前記射出スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された溶湯を前記固定金型と移動金型との間に形成されるキャビティに向けて射出、充填するプランジャと、前記キャビティを密封するシール手段と、密封された前記キャビティを減圧する第1真空装置と、前記移動金型側に取付けられ、前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を遮断・導通する弁体を有する真空弁と、前記弁体により画された前記第1真空装置側の排気路内に接続された粉体離型剤吸引用の第2真空装置と、前記射出スリーブ内へノズルを介し前記粉体離型剤を供給する粉体離型剤供給手段とを有するダイカストマシンにおける粉体離型剤の供給方法であって、前記固定金型と移動金型との型締完了に対応し前記ノズルから前記粉体離型剤を吐出可能に前記粉体離型剤供給手段を用意し、前記第1真空装置を吸引動作可能にし、前記弁体を駆動して前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を連通し、前記ノズルから前記粉体離型剤を前記射出スリーブ内へ吐出する。
【0012】
好適には、本発明の粉体離型剤の供給方法は、前記粉体離型剤の前記射出スリーブへの所定量吐出が完了したとき、前記弁体を遮断し、かつ、前記第2真空装置の吸引動作を停止するとともに前記第1真空装置を吸引可能に切り換える。
【0013】
本発明では、型締完了後、真空弁の弁体を開き、粉体離型剤吸引用の第2真空装置を作動させる。粉体離型剤供給指令に対応して、ノズルから射出スリーブの供給口へ粉体離型剤が吐出するとキャビティを経て第2真空装置タンクへ吸引・排気される。この排気によって発生するキャビティ内の空気の流れを利用して粉体離型剤を十分に拡散し、キャビティの内面に付着させる。
したがって、キャビティの形状等にかかわらずキャビティを含む溶湯の接触する金型内面に粉体離型剤を一様に塗布する。
この結果、粉体離型剤の塗布むらが発生せず、粉体離型剤のもつ離型、断熱性能を十分に発揮させることができる。
また、第2真空装置タンクによる吸引は、真空ダイカストにおける排気路を使用するので、金型のシール性能が低下することがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1において、ダイカストマシン1は、ベース100と、ベース100上に設置された固定ダイプレート91と、固定ダイプレート91に取り付けられた固定金型2と、固定ダイプレート91の固定金型2とは反対側に設けられた射出装置95と、固定ダイプレート91に対向してベース100上に設置された移動ダイプレート92と、固定金型2に対向するように移動ダイプレート92に取り付けられた移動金型3と、移動ダイプレート92を間において固定ダイプレート91とタイバー80によって連結されたリンクハウジング71と、リンクハウジング71と移動ダイプレート92とを連結する複数のリンクからなるトグル機構110とを備えている。
【0015】
固定ダイプレート91は、ベース100に固定されており、移動ダイプレート92はベース100に移動可能に設けられている。
リンクハウジング71と固定ダイプレート91とは、移動ダイプレート92を貫通する4本のタイバー80によって連結されている。
【0016】
トグル機構110は、複数のリンクで構成されており、リンクハウジング71と移動ダイプレート92とを連結している。なお、トグル機構110の構成は、周知の構成であり、詳細については省略する。
このトグル機構110は、クロスヘッド72と連結されており、このクロスヘッド72がねじ軸73に沿って矢印A1およびA2方向に移動することにより作動し、リンクハウジング71と移動ダイプレート92とを接近または離隔させる。
ねじ軸73は、リンクハウジング71に設けられた図示しないサーボモータによって駆動され、ねじ軸73の回転によってこれに螺合するクロスヘッド72が矢印A1およびA2方向に移動する。
【0017】
図示しないサーボモータの駆動によってクロスヘッド72を矢印A1方向へ移動させると、トグル機構110が作動し、移動ダイプレート92はリンクハウジング71に対して離隔する向き(型閉方向)に移動し、固定金型2と移動金型3の型閉が行われる。さらに、クロスヘッド72を矢印A2方向に移動させると、タイバー80が伸長し、タイバー80に発生した張力によって固定金型2と移動金型3との型締が行われる。
【0018】
射出装置95は、型締された固定金型2および移動金型3に形成される図示しないキャビティに溶融金属を射出・充填する。キャビティに射出・充填された溶融金属が凝固することにより、ダイカスト製品が得られる。
【0019】
一方、ダイカスト製品を鋳造したのち、ダイカスト製品を取り出す際には、クロスヘッド72を矢印A1方向へ移動させると、移動ダイプレート92はリンクハウジング71に対して接近する向き(型開方向)に移動し、移動金型3は固定金型2に対して開く。固定金型2と移動金型3を開くと、ダイカスト製品は移動金型3に嵌まった状態で移動する。この移動金型3に嵌まった状態のダイカスト製品を後述する押出機構によって移動金型3から押し出すことによって、ダイカスト製品を取り出す。
【0020】
図2は、金型周辺の構造を示す断面図である。また、図3は移動金型3の合わせ面(分割面)の構造を示す図である。なお、図2に示す固定金型2および移動金型3は型締状態にある。図2に示すように、固定金型2の背面側には、射出装置95が設けられている。
【0021】
射出装置95は、固定金型2の背面側に設けられた円筒状の射出スリーブ96と、この射出スリーブ96の内周に嵌合するプランジャチップ97と、プランジャチップ97と一端が連結されたプランジャロッド98と、プランジャロッド98の他端部と連結された射出シリンダ装置99とを備えている。
【0022】
射出スリーブ96は、供給口96aを備えており、この供給口96aからラドル100によって射出スリーブ96内に金属溶湯MLが供給される。
射出シリンダ装置99は、ピストンを内蔵しており、このピストンに連結されたピストンロッド99aとプランジャロッド98とがカップリング99bによって連結されている。この射出シリンダ装置99は、油圧によって駆動され、ピストンロッド99aを伸縮する。
【0023】
プランジャチップ97は、プランジャロッド98に連結されており、射出シリンダ装置99の駆動により、射出スリーブ96内を移動する。プランジャチップ97が金属溶湯MLが供給された射出スリーブ96内を固定金型2側に向けて移動することにより、金属溶湯MLが固定金型2と移動金型3とによって形成されるランナー部Rnを通じてキャビティCに充填される。
なお、98aはプランジャロッド98の外周に軸方向に対し一定ピッチで磁極N,Sが形成され、この磁極の通過数をパルス列として検出するセンサであって、プランジャチップ97の射出速度を計測するものである。図示の如く、センサ出力はマシンコントローラ52へ与えられる。マシンコントローラ52内の52aは射出プランジャ現在位置カウンタであって、プランジャチップ97の位置を示す。また、52bは溶湯供給口通過位置設定レジスタ、52cは高速射出開始位置設定レジスタであって、前記カウンタ52aの値がそれぞれレジスタ52b,52cの値と一致したとき、マシンコントローラ52は対応するバルブの開閉動作を行うようバルブコントローラ51へ指令を与えるようになっている。
【0024】
ランナー部Rnは、図3に示す移動金型3の分割面3aに形成された溝部Rnaと固定金型2の分割面2aによって形成される。
キャビティCは、固定金型2の分割面2aにダイカスト製品の形状に合わせて形成された凹面Caおよび図3に示す移動金型3の分割面3aにダイカスト製品の形状に合わせて形成された凹面Cbによって形成される。
【0025】
キャビティCの上方には、図2に示すように、排気路Epが形成されている。この排気路Epは、移動金型3の分割面3aに形成された凹面Cbに連なる溝部Epaと、固定金型2の分割面2aに形成された溝部Epbとによって形成される。なお、溝部Epbに隣接する凹部Saは、バルブの当接部である。
【0026】
図2に示すように、固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間に形成された排気路Epに連通してバルブ機構部21が設けられている。
このバルブ機構部21の周辺構造を図4を参照して説明する。
【0027】
図4に示すように、バルブ機構部21は、電磁アクチュエータ22と、電磁アクチュエータ22に連結されたバルブ軸23と、バルブ軸23の先端に一体に形成された円板状の弁体24を備える。
バルブ軸23および弁体24は、たとえば、ステンレス等の金属材料で形成されている。電磁アクチュエータ22は、移動金型3に形成された挿入孔3hに嵌合挿入される有底筒状のガイド部材29の開口端29bにフランジ部材32を介して固定されている。
ガイド部材29と移動金型3に形成された挿入孔3hとの間には、樹脂製のOリング30が介在しており、挿入孔3hとガイド部材29との間をシールしている。
【0028】
ガイド部材29の有底部には、ガイド孔29aが形成されている。このガイド孔29aにバルブ軸23が移動可能に嵌合挿入されている。バルブ軸23は、移動の際の安定化の観点から、ガイド孔29aに嵌合する部分が弁体24側よりも大径化している。また、ガイド孔29aとバルブ軸23とは精密に嵌合しており、ガイド孔29aとバルブ軸23との間はシールされている。
バルブ軸23は、内部が空洞部23aとなっている。軽量化によりバルブ軸23の慣性を減らして、バルブ軸23の移動を高速にするためである。
【0029】
移動金型3には、上記した排気路Epに連通し、バルブ軸23が挿入される排気路26が分割面3aに垂直な方向に沿って形成されている。なお、移動金型3の排気路26が形成される部分は、バルブ機構部21を移動金型3に組み込むために別の金属部材3dで形成されている。
【0030】
排気路26の先端部(分割面3a側)には、弁座部39が形成されている。この弁座部39は、弁体24に相対しており、弁座部39に形成された弁座面39aに弁体24が当接することにより、排気路26を閉塞する。なお、弁座面39aは、移動金型3の分割面3aに沿って形成されている。
この弁座部39は、弁体24よりも軟らかく、弁体24と接触した際になじみの良い材料で形成されている。具体的には、銅合金等の金属材料である。
【0031】
移動金型3には、排気路26に直交する向きに沿って排気路25が形成されている。排気路25と排気路26とは連通している。この排気路25の上方には、装着孔3gが形成されており、この装着孔3gに排気管55が挿入されている。
排気管55は、先端外周部にねじが形成されており、このねじと装着孔3gの内周に形成されたネジとが螺合している。
さらに、装着孔3gの上端側外周には、排気管55と装着孔3gとの間を密封するために、樹脂性のOリング59aおよび59bを介してリング部材59が固定されている。
【0032】
電磁アクチュエータ22は、ケースの内部にバルブ軸23と連結される軸部材22aと、この軸部材22aに固定された図示しない永久磁石と、この永久磁石の周りに設けられた図示しない電磁石とを有する。
電磁石に外部から電力を供給することにより、永久磁石と電磁石との間に吸引力が発生し、軸部材22aが直動する。
電磁アクチュエータ22は、電磁石に供給する電流の向きを適宜変更することにより、弁体24を図4の矢印C1およびC2で示す排気路26を開閉する方向に駆動する。
【0033】
この電磁アクチュエータ22は、図2に示したように、バルブコントローラ51に電気的に接続されており、バルブコントローラ51から電力供給を受ける。
バルブコントローラ51は、電磁アクチュエータ22の駆動制御を行い、弁体24を開閉させる。このバルブコントローラ51は、ダイカストマシン1を総合的に駆動制御するマシンコントローラ52に電気的に接続されており、マシンコントローラ52から入力される信号に応じて電磁アクチュエータ22の駆動制御を行う。
【0034】
上記の排気管55は、図2に示したように、真空ポンプ50に接続されている。この真空ポンプ50は、排気管55、排気路25、排気路26および排気路Epを通じてキャビティC内を排気する。真空ポンプ50としては、数Torr〜数十Torr程度の高真空に排気できるものを使用する。
【0035】
移動金型3の分割面3aには、シール部材35をはめ込む溝3bが形成されており、この溝3bにシール部材35がはめ込まれ、シール部材35の一部は分割面3aから突出している。シール部材35の突出した部分が移動金型3の分割面3aと固定金型2の分割面2aを合わせたときに、分割面2aに接触し、分割面2aと分割面3aとの間をシールする。
シール部材35は、たとえば、シリコンゴム等の比較的耐熱性の高い材料で形成されたものを用いることが好ましい。なお、シール部材35を固定金型2の分割面2aにはめ込む構成とすることも可能である。
【0036】
シール部材35は、図3に示したように、移動金型3の分割面3aの外周部に連続して設けられており、継ぎ目が存在しない。
さらに、シール部材35の内周側に、排気路Ep、キャビティCおよびランナー部Rnが配置されており、これらはシール部材35から十分に離隔している。
【0037】
押出機構部41は、図2に示したように、移動金型3の背部に設置されている。
この押出機構部41は、複数の押出ピン42と、押出ピン42の一端を保持する保持板43、44と、保持板43、44が固定された可動板45と、可動板45を移動金型3に対して移動可能に案内する案内軸46と、シール冷却機構部61とを備えている。
【0038】
押出ピン42は、たとえば、ステンレス等の金属部材で形成されており、移動金型3に形成された各挿入孔3kに嵌合挿入されている。なお、後述するように、挿入孔3kは、移動金型3の分割面3aに近いところでのみ押出ピン42に嵌合し、それ以外の部分は押出ピン42が摺動しやすいように、拡径されている。
この挿入孔3kは、図3に示したように、移動金型3の分割面3aに開口している。各挿入孔3kは、ランナー部RnやキャビティCの周辺や排気路Epに対して設けられている。これらの挿入孔3kから押出ピン42の先端部を突き出すことにより、移動金型3に嵌まっているダイカスト製品を押し出すことができる。
【0039】
保持板43、44は、各押出ピン42の拡径した後端部を挟持している。この保持板43、44は、可動板45に固定されている。
可動板45は、図2に示したように、矢印E1およびE2の向きに移動可能に案内されている。この可動板45は、図示しない駆動手段によって、矢印E1およびE2の向きに所定の範囲で移動させられる。矢印E2の向きに可動板45を移動させることにより、押出ピン42の先端部が移動金型3の分割面3aから突出する。
【0040】
押出ピン42と挿入孔3kとは嵌合しており、溶湯金属MLが押出ピン42と挿入孔3kとの間に侵入する可能性はないが、押出ピン42と挿入孔3kとの間に空気が侵入する可能性がある。押出ピン42と挿入孔3kとの間に外部から空気が侵入すると、キャビティC内を減圧した際に、キャビティC内を高真空にすることができない。
【0041】
また、押出ピン42は高温のダイカスト製品に直接触れるため、押出ピン42自体の温度も高温になる可能性がある。このため、押出ピン42と挿入孔3kとの間に樹脂性のシール部材(Oリング)を設けて押出ピン42と挿入孔3kとの間をシールすると、Oリングが高温に耐えられず、連続使用できない可能性があるのでシール冷却機構部61を移動金型3の背部に設けている。
【0042】
上記構成のシール冷却機構部61には、冷却液供給管30が接続されており、冷却液供給管30を通じて冷却液Wが供給される。冷却液Wには、たとえば、水が用いられる。
【0043】
次に、上記構成のダイカストマシン1の動作について説明する。
まず、ダイカストマシン1が図1に示した状態、すなわち、固定金型2と移動金型3とが型開状態にある状態から、マシンコントローラ52の制御により、トグル機構110を作動させ、固定金型2と移動金型3とを型締する。
固定金型2と移動金型3とが型締されると、固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aの間は、シール部材35によってシールされる。
ダイカストマシン1の起動時には、上記したシール冷却機構部61には、冷却液Wが供給された状態にある。
また、ダイカストマシン1の起動時には、真空ポンプ50も起動されるが、バルブ機構部21の弁体24は排出路26を閉じた状態にある。したがって、キャビティC内は排気されない。
【0044】
一方、射出装置95の射出スリーブ96には、所定の量の、たとえば、アルミニウム合金等の溶湯がラドル100によって供給される。
ラドル100による溶湯の供給が完了すると、プランジャチップ97がマシンコントローラ52の制御により駆動される。プランジャチップ97の先端がスリーブ96の供給口96aを通過すると、射出スリーブ96がプランジャチップ97によって密封され、スリーブ96側からのキャビティCへの空気の侵入が遮断される。
なお、プランジャチップ97の移動開始時には、プランジャチップ97は通常低速で移動される。
【0045】
マシンコントローラ52は、たとえば、プランジャチップ97の検出位置からプランジャチップ97が射出スリーブ96の供給口96aを通過したことを判断し、バルブ機構部21の弁体24を開ける指令をバルブコントローラ51に出力する。
バルブコントローラ51は、マシンコントローラ52からの指令を受けて、バルブ機構部21の電磁アクチュエータ22を駆動する電力を電磁アクチュエータ22に供給する。
【0046】
電磁アクチュエータ22が駆動されると、図5に示すように、弁体24が矢印C2の向きに移動し、固定金型2の分割面2aに形成された当接面Saに弁体24が当接して止まる。このとき、電磁アクチュエータ22によって弁体24を駆動しているため、たとえば、弁体24は数msec〜十数msecの時間でかつ略一定時間で開く。たとえば、弁体24の駆動に油圧シリンダを用いた場合には、弁体24が完全に開くまで2百数十msecの時間を要し、かつ、時間にばらつきが発生する。
【0047】
この弁体24の移動により、弁体24と弁座面39aとの間に隙間が形成される。この弁体24と弁座面39aとの間の隙間から、キャビティCに連通する排出路Ep、排出路26、排出路25および排出管55を通じてキャビティCの空気(ガス)が排気される。
【0048】
固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aの間は、シール部材35によって確実にシールされており、また、押出ピン42と移動金型3との間は、シール冷却機構部61に設けたOリングによって確実にシールされているため、キャビティC内は急速に減圧される。
【0049】
ここで、図6に示すグラフを参照して、キャビティC内の減圧と射出速度との関係について説明する。
同図のグラフ(1)は、キャビティC内の減圧曲線を示しており、グラフ(2)はプランジャチップ97の射出速度波形を示している。なお、グラフ(3)は、比較例として、従来の電磁切換弁および油空圧シリンダ装置を用いてバルブを開閉する場合のキャビティC内の減圧曲線を示しており、グラフ(4)は排気路を閉じるときにはキャビティ内に射出・充填された溶融金属の慣性力によってバルブを駆動させる場合のキャビティC内の減圧曲線を示している。グラフ(3)(4)は、シール冷却機構部61を備えておらず、かつ、固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間に連続的にシール部材を介在させていない場合である。
【0050】
グラフ(1)に示すように、減圧開始時点をPt1とすると、弁体24の応答性がよいため、減圧開始時点Pt1からキャビティC内は急速に減速される。さらに、押出ピンと金型の間あるいは固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間から空気の漏れがほとんど存在しないため、減圧が短時間で効率よく行われるのがわかる。
【0051】
一方、グラフ(3)やグラフ(4)では、バルブの駆動にシリンダ装置を用いるため、減圧開始時点Pt1から実際に減圧が開始されるまでのタイムラグが比較的長く、また、押出ピンと金型の間あるいは固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間から空気の漏れが存在するため、効率良く減圧されないことが分かる。
【0052】
プランジャチップ97の移動の進行に伴って、キャビティCとスリーブ96を連通するランナー部Rnにも金属溶湯MLが充填される。この状態においては、キャビティC内は、たとえば、20〜40Torr程度の高真空状態となっている。
【0053】
キャビティC内への金属溶湯MLの射出・充填は、プランジャチップ97の射出速度を高速に切り換えることによって行われる。すなわち、図6に示す高速射出開始時点Pt2において、射出速度が高速に切り換えられる。
しかしながら、高速射出に切り換える前に、バルブ機構部21に金属溶湯MLが侵入するのを防ぐために、排気路を弁体24によって閉じる必要がある。
排気路26を弁体24によって閉じるタイミングは、高速射出開始時点Pt2の直前が好ましい。すなわち、弁体24によって排気路26を閉じたのちには、キャビティC内の排気が行われず、空気の漏れによってキャビティC内の圧力が上昇する可能性があるからである。
【0054】
また、弁体24の駆動に電磁アクチュエータ22を用い、さらに、バルブ軸23を軽量化しているため、数msec〜十数msec程度の短時間で閉じることが可能であり、かつ、電磁アクチュエータ22の応答にばらつきがほとんどないため、高速射出開始時点Pt2の直前に行うことができる。
【0055】
なお、弁体24によって排気路26を閉じるタイミングは、プランジャチップ97の検出位置や金型内に設けた圧力センサ等でキャビティC内の圧力をマシンコントローラ52が検出することによって決定する。マシンコントローラ52は、これらの信号の検出に応じて、バルブコントローラ51に指令を出力する。
【0056】
電磁アクチュエータ22を駆動して、弁体24によって排出路26を閉じたとき、弁体24は高速で弁座部39の弁座面39aに衝突するため、弁体24が弁座部39から反発して跳ね上がる可能性があるが、弁座部39の形成材料として、反発を抑制する材料、すなわち、弁体24の形成材料よりも軟らかく、かつ、なじみの良い材料を用いているため、弁体24が弁座部39に衝突した際の跳ね上がりを極力抑制することができる。この結果、誤って、バルブ機構部21に金属溶湯が侵入することを防ぐことができる。
【0057】
高速射出開始時点Pt2において、高速射出に切り換えられると、金属溶湯MLは、キャビティC内に充填され、凝固する。これにより、所望のダイカスト製品が得られる。
【0058】
型締状態にある固定金型2と移動金型3から成形されたダイカスト製品を取り出すには、トグル機構110を作動させて、固定金型2と移動金型3とを開く。
固定金型2と移動金型3とを開く(この時、プランジャチップは所定圧でランナー部に続くビスケット部を押しつけている)と、成形されたダイカスト製品は固定金型2から離れる。
この状態で押出機構部41を動作させ、押出ピン42を移動金型3の分割面3aから突出させることにより、ダイカスト製品を移動金型3から取り外すことができる。
【0059】
さらに、シール冷却機構部61には連続的に冷却液Wが供給されているため、
シール冷却機構部61の温度は移動金型3の温度よりも十分に低下する。
以上のように、キャビティCと真空ポンプ50とを連通する排気路を開閉する弁体の駆動に電磁アクチュエータ22を用いることにより、排気路の開閉を速やかに行うことができる。電磁アクチュエータ22は、電力によって駆動されるため、作動油等を供給する必要がなく、バルブ機構部21を小型化することが可能である。このため、金型に対するバルブ機構部21の配置の自由度が増し、弁体24およびキャビティCと真空ポンプ50とを連通する排気路の配置を最適化することが容易となる。
【0060】
以上説明した電磁アクチュエータ22により駆動される弁体24の外周部は図4に示すように、アルミ合金等の溶湯が固化して覆われており、製品取り出しのため移動金型3が左方へ移動すると、前記固化部分は、前記キャビティCおよび排気路Epの固化部分とともに固定金型2から離脱する。その後、前述したように、押出しピン42の動作によりこれら固化部分は成形品即ち、製品とともに移動金型3から離脱されるようになっている。
【0061】
以上図1〜図6で説明した高真空ダイカストマシンにおける粉体離型剤のキャビティCへの供給について、さらに図7および図8により説明する。
図7は、金型合わせ面付近における粉体離型剤の供給経路を示す断面図である。同図中、図2と同一参照符号は同一の構成部分を示しているのでその説明は省略する。
図7において、参照符号120は粉体離型剤PSのタンク、同121はタンク120内の粉体離型剤を吐出用ノズル122へ供給する供給弁ユニットである。このノズル122は、型締完了後の粉体離型剤供給指令が与えられる時点で射出スリーブ96の溶湯供給口96aにその先端が向けられている。
射出スリーブ96内へ吐出された粉体離型剤PSは矢視で示すようにランナー部Rnを介しキャビティCの方へ進入する。
【0062】
さらに、参照符号130は前記粉体離型剤PSの吸引用真空タンクAであって、弁131が導通状態で且つ、弁体24が開位置にあるとき粉体離型剤PSはランナー部Rn、キャビティC、排気路Epからバルブ軸23の外周部を経て、排気管55内部に配設した管路150および132を通り前記タンクAに吸引されるようになっている。
参照符号140は、前記排気管55の上端部を拡大して示しており、前記粉体離型剤PS用の管路150は排気管55の内側に配置されその上端が管路132に接続されている。
【0063】
一方、参照符号160は、キャビティCを高真空に減圧するための真空タンクBを示し、弁161が導通状態に切換えられると管路162を介し排気路25に導通する。バルブコントローラ51は、前記供給弁ユニット121、弁131および弁161に対し切換指令を与えるようになっている。
【0064】
図8は、図7に示した粉体離型剤PSのキャビティCへの供給動作を含む一連のシーケンスの流れを示す。
図8において、ステップ(以下単にSTとする)1で型締完了が確認されると、ST2でタンクAの開即ち、弁131が開かれる。
次いでST3で真空弁開が指令され、弁体24は図7の状態から図5に示される状態となる。
次いで、ST4−1でノズル122から粉体離型剤PSが射出スリーブ96内へ吐出され所定量の吐出が行われるとST4−2で停止される。この間のST5において粉体離型剤PSがノズル122から吐出され、前記ランナー部Rn、キャビティC、排気路Ep、排気路25から管路150、132を経て真空タンクA130へ吸引・排気されるのでこの排気によって発生するキャビティC内の空気の流れを利用して粉体離型剤PSを十分に拡散し、キャビティCの内面に付着させる。
従って、キャビティCの形状等にかかわらずキャビティCを含む溶湯の接触する金型内面に粉体離型剤PSを一様に塗布する。
【0065】
この結果、粉体離型剤PSの塗布むらが発生せず、粉体離型剤PSのもつ離型、断熱性能を十分に発揮させることができる。
その後ST6において、真空弁を閉じ、ST7で粉体離型剤の塗布完了を確認するとST8で弁131を閉じ、真空タンクAを閉じる。
次いで、ST9において、弁161を開き、真空タンクB160を開く。
さらに、ST10で真空弁を開き溶湯を注湯する前にキャビティCをある程度減圧する。
【0066】
ST11で減圧完了が確認されると、ST12で一旦前記真空弁を閉じ、ST13で射出スリーブ96の供給口96aから溶湯を注湯する。
続いて、ST14でプランジャチップ97による射出が行われる。
ST15で再び真空弁を開き射出中キャビティCのガスを吸引・排気する。
次いで、ST16で高速射出の直前に真空弁を閉じる。
その後、ST17において、弁161を閉じ、真空タンクBを閉じる。
ST18で充填完了が確認されると、ST19で型開が指令される。
その後、ST20で図2の押出しピン42を駆動して成形品の取出しが行われる。
【0067】
上記のように、真空弁の弁体24は、本来のキャビティC内を高真空にするための真空タンクB側の排気路25とキャビティ側の排気路Epとの遮断・導通に加え、粉体離型剤PSのキャビティCへの塗布にも併用されるようになっている。
なお、図示しないが、供給口96aから溶湯を注湯する際ラドルの接近・傾倒動作との干渉を避けるため、前記ノズル122を供給口96aから離れるよう適宜位置へ移動することは当然である。
【0068】
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、当業者であれば種々の変形が可能である。
たとえば、図7において、充填完了後にプランジャチップ97を後退させたあと、供給弁ユニット121を切り換えて粉体あるいは液状離型剤を同一のノズル122を使用して射出スリーブ96へ供給すること、あるいは、前記ノズルを射出スリーブの別の位置に固定して取付けること等を挙げることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、粉体離型剤がノズルから射出スリーブ内へ吐出され、キャビティを経て第2真空タンクへ吸引・排気されるのでこの排気によって発生するキャビティ内の空気の流れを利用して粉体離型剤を十分に拡散し、キャビティの内面に付着させることができる。
したがって、キャビティの形状等にかかわらずキャビティを含む溶湯の接触する金型内面に粉体離型剤を一様に塗布することが可能となる。
また、粉体離型剤の塗布むらが発生せず、粉体離型剤のもつ離型、断熱性能を十分に発揮させることができる。
さらに、高真空用の真空弁を粉体離型剤供給・塗布のために併用し、さらに射出スリーブの溶湯供給口から粉体離型剤を吐出しているので、金型内部に粉体離型剤供給用の管路を設ける必要がなく、シール性能の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す正面図である。
【図2】図1に示したダイカストマシンの鋳造動作の一例を示す断面図である。
【図3】図3は移動金型3の合わせ面(分割面)の構造を示す図である。
【図4】バルブ機構部の周辺構造を示す拡大断面図である。
【図5】バルブ機構部の動作を説明するための断面図である。
【図6】図2に示される真空装置によるキャビティ内真空度の変化を表すグラフである。
【図7】本発明の一実施形態に係る粉体離型剤の供給装置を示す図である。
【図8】図7に示す供給装置の動作のシーケンスを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン、2…固定金型、3…移動金型、22…電磁アクチュエータ、23…バルブ軸、24…弁体、25…排気路、50…真空ポンプ、51…バルブコントローラ、52…マシンコントローラ、55…排気管、96…射出スリーブ、96a…供給口、97…プランジャチップ、98…プランジャロッド、120…粉体離型剤タンク、121…供給弁ユニット、130…真空タンクA、131…弁、150…管路、160…真空タンクB、161…弁、C…キャビティ、Ep…排気路、Rn…ランナー部、PS…粉体離型剤。
Claims (6)
- 固定金型に連通し溶湯の供給口を有する射出スリーブと、
前記射出スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された溶湯を前記固定金型と移動金型との間に形成されるキャビティに向けて射出、充填するプランジャと、
前記キャビティを密封するシール手段と、
密封された前記キャビティを減圧する第1真空装置と、
前記移動金型側に取付けられ、前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を遮断・導通する弁体を有する真空弁と、
前記弁体により画された前記第1真空装置側の排気路内に接続された粉体離型剤吸引用の第2真空装置と、
前記射出スリーブ内へノズルを介し前記粉体離型剤を供給する粉体離型剤供給手段と
を有するダイカストマシン。 - 前記粉体離型剤供給手段のノズルは前記溶湯の供給口へ進退可能に配置されている
請求項1に記載のダイカストマシン。 - 前記粉体離型剤吸引用の第2真空装置に接続される管路の一部が前記第1真空装置に接続される排気管路の中に配設されている
請求項2に記載のダイカストマシン。 - 前記ノズルは前記粉体離型剤供給後に前記射出スリーブ内へ供給される潤滑剤の吐出用として使用される
請求項1〜3のいずれかに記載のダイカストマシン。 - 固定金型に連通し溶湯の供給口を有する射出スリーブと、前記射出スリーブに嵌合し、当該スリーブに供給された溶湯を前記固定金型と移動金型との間に形成されるキャビティに向けて射出、充填するプランジャと、前記キャビティを密封するシール手段と、密封された前記キャビティを減圧する第1真空装置と、前記移動金型側に取付けられ、前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を遮断・導通する弁体を有する真空弁と、前記弁体により画された前記第1真空装置側の排気路内に接続された粉体離型剤吸引用の第2真空装置と、前記射出スリーブ内へノズルを介し前記粉体離型剤を供給する粉体離型剤供給手段とを有するダイカストマシンにおける粉体離型剤の供給方法であって、
前記固定金型と移動金型との型締完了に対応し前記ノズルから前記粉体離型剤を吐出可能に前記粉体離型剤供給手段を用意し、
前記第1真空装置を吸引動作可能にし、
前記弁体を駆動して前記キャビティと前記第1真空装置との間の排気路を連通し、
前記ノズルから前記粉体離型剤を前記射出スリーブ内へ吐出する
粉体離型剤の供給方法。 - 前記粉体離型剤の前記射出スリーブへの所定量吐出が完了したとき、前記弁体を遮断し、かつ、前記第2真空装置の吸引動作を停止するとともに前記第1真空装置を吸引可能に切り換える
請求項5に記載の粉体離型剤の供給方法。
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