JP2004167292A - 電解水生成装置及び電解水生成補助装置と電解水 - Google Patents

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圭一 濱村
Takafumi Kano
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Abstract

【課題】高い電解効率で電解水を生成する電解水生成装置を提供する。
【解決手段】給水口3及び排水口4を備えた電解槽28に陽電極29及び陰電極30を内蔵してなり、給水口3から供給した原料水から陽電極29及び陰電極30により電解水を生成し、この電解水を排水口4から排出する電解水生成装置1において、電解槽28は給水口3及び排水口4を離隔して設け、この給水口3及び排水口4を結ぶ方向に延在して陽電極29及び陰電極30を内蔵してなり、この電解槽28は陽電極29及び陰電極30の延在直交断面で角部のない周回面36から形成し、給水口3から供給した原料水が前記周回面36に沿って旋回流を描いて排水口4へ至るようにし、陽電極29及び陰電極30は前記旋回流の流水方向に物理的な通水性を有する電解水生成装置1である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い電解効率で電解水を生成する電解水生成装置と、電解状態を長時間持続できる電解水を生成するに適した原料水を生成する電解水生成補助装置及び電解水に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気分解により生成される電解水は、通常陽電極側に酸性水、陰電極側にアルカリ水が生成され、両者が混合しないように陽電極及び陰電極間に隔膜を設けている。しかし、例えば特許文献1及び2に見られるように、隔膜を用いず、中性の電解水を生成する電解水生成装置も見られる。こうした電解水生成装置で生成される中性の電解水は、別途洗浄薬を用いなくとも、自動車や建造物壁面を必要十分に清浄可能な洗浄力を有する。
【0003】
特許文献1は、原料水(特許文献1中「水」)の流路中に陰電極(特許文献1中「陰極」)と陽電極(特許文献1中「陽極」)の両電極を配置するに際し、通水側に孔開き絶縁板と陰電極を配置して還元水の発生をしやすくすると共に、陽電極に無孔絶縁板を配置して酸化水の発生を抑制する電解水生成装置(特許文献1中「イオン化洗浄水の供給装置」)を提案している。
【0004】
特許文献2は、原料水(特許文献2中「水又は水溶液」)を電解槽に圧送する導入管と、前記電解槽内に鉛直面に沿って配置された陽電極(特許文献2中「陽電極板」)と、前記陽電極に概ね平行かつ対面して前記電解槽内に配置された陰電極(特許文献2中「陰電極板」)と、前記電解槽内で生成された電解水を前記電解槽から導出する導出管とを備えた電解水生成装置を提案している。陰電極は多数の貫通孔を形成し、前記陰電極が前記陽電極に近接していることで両電極の間に狭い流路を形成し、前記導入管からの原料水を前記貫通孔に向かわせる方向規制手段を設け、前記方向規制手段により前記貫通孔から前記流路内に前記原料水が流れ込んで、前記流路内を原料水(特許文献2中「液体」)が流れる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−317414号公報(2〜3頁、図2)
【特許文献2】
特開2002−079248号公報(3〜5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電解水を洗浄液として利用する場合、高い電解効率(原料水に対して生成できる電解水の割合)で、電解状態が長時間持続する電解水を生成できることが望ましい。特許文献1の先行技術は、通水側に孔開き絶縁板と陰極を配置して還元水の発生をしやすくし、電解効率の向上を図っているが、原料水と各電極との接触時間が不十分で、依然電解効率は高くない。また、生成した電解水の電解状態が長時間持続するように、陽極に無孔絶縁板を配置して酸化水の発生を抑制しているが、生成した電解水の電解効率が低いために、こうした酸性水の抑制のみでは電解状態の持続が難しく、2〜3時間程度の寿命しか達成できない。
【0007】
特許文献2の先行技術は、電解効率の向上のために、更に両電極板の間隔を 3.0mm以下に設定したり、陰電極板に向って水又は水溶液を吐出する複数のノズルを設けたり、更には陽電極を一対の陰電極で挟むようにしているが、上述同様に、原料水と各電極との接触時間が短ければ、大幅な電解効率の向上は望めない。また、食塩、次亜塩素酸ナトリウム又はクエン酸等の電解質を添加した水溶液を原料水として用いることが示されているが、前記電解質を加える対象が水道水等の硬水である場合、前記電解質の添加が電解状態の持続に効果がない。
【0008】
そこで、高い電解効率で電解水を生成すると共に、前記電解水の電解状態が長時間持続する性質を有するように、まず電解水生成装置自体の構造について検討を加え、次いで前記電解水生成装置に供給する原料水の供給装置として電解水生成補助装置について検討した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、給水口及び排水口を備えた電解槽に陽電極及び陰電極を内蔵してなり、給水口から供給した原料水から陽電極及び陰電極により電解水を生成し、この電解水を排水口から排出する電解水生成装置において、電解槽は給水口及び排水口を離隔して設け、この給水口及び排水口を結ぶ方向に延在して陽電極及び陰電極を内蔵してなり、この電解槽は陽電極及び陰電極の延在直交断面で角部のない周回面から形成し、給水口から供給した原料水が前記周回面に沿って旋回流を描いて排水口へ至るようにし、陽電極及び陰電極は前記旋回流の流水方向に物理的な通水性を有する電解水生成装置である。
【0010】
本発明の電解水生成装置は、陽電極及び陰電極に対する原料水の接触時間を増やすことで電解効率を高めている。前記接触時間を増やすには、単純に各電極の大きさ(特に表面積)を増やし、給水口から排水口へ至る流水経路を長くすればよいが、それでは装置の巨大化を招く。本発明では、電解槽に対して給水口及び排水口を離隔して設け、この給水口から排水口へ直線的に流水経路を形成するのではなく、陽電極及び陰電極の延在直交断面で角部のない周回面から電解槽を形成し、給水口から供給した原料水が前記周回面に沿って旋回流を描いて排水口へ至るようにしている。これにより、給水口及び排水口の直線距離に比べ、実際の流水経路は旋回流の総延長に等しくすることができ、各電極に対する原料水の接触時間を増やすことができる。
【0011】
原料水の旋回流は、例えば底面にファンを設けて強制的な旋回流を形成することも考えられる。しかし、装置構成を複雑にしたり、旋回流に併せて乱流も発生しやすい。連続した原料水の電解のためには、旋回流が滑らかに生じなければならない。そこで、本発明の給水口及び排水口は、それぞれ周回面の接線方向で、給水口は原料水が描く旋回流の上流側、排水口は同旋回流の下流側にそれぞれ開口する位置関係で電解槽に設けている。給水口及び排水口が上下の位置関係にある場合、給水口を下方にし、上方に向けて上昇する旋回流を形成するとよい。旋回流の上昇ピッチを抑えることができ、それだけ各電極との接触時間を増やすことができる。
【0012】
具体的には、陽電極及び陰電極の延在直交断面が略方形断面でこの方形の角部を丸めた周回面から形成する電解槽(方形電解槽)を例示できる。この方形電解槽では、給水口及び排水口は、それぞれ丸めた角部の接線方向で、給水口は原料水が描く旋回流の上流側、排水口は同旋回流の下流側にそれぞれ開口する位置関係で電解槽に設け、給水口の延長線上にある角部の曲率半径を残余の角部の曲率半径に比べて大きくするとよい。異なる曲率半径の角部は、旋回流に周期的な脈動を形成し、給水口からの原料水の供給圧力のみによる旋回流の形成及び維持を助ける。
【0013】
その他電解槽としては、陽電極及び陰電極の延在直交断面が略円形断面の周回面から形成した電解槽(円形電解槽)や、陽電極及び陰電極の延在直交断面が環状断面の対となる内外の周回面から形成した電解槽(環状電解槽)を例示できる。円形電解槽は、上記方形電解槽の直線部分を除いた構成、環状電解槽は旋回流に無関係な旋回中心付近を除いた構成と見ることができる。環状電解槽では、旋回流が存在する空間のみ原料水が流れるようになっており、各電極は旋回流に直交した位置関係に配しやすい利点がある。
【0014】
また、陽電極及び陰電極は、構造的にどうしても旋回流の障害物となり、乱流を発生させる原因になりやすい。そこで、本発明の電解水生成装置では、電解槽に内蔵する各電極に、旋回流の流水方向に物理的な通水性を持たせることにしている。ここで、「旋回流の流水方向に物理的な通水性」とは、旋回流の上流側から下流側へ単に原料水が通過できるというのではなく、旋回流が減速することなく各電極を通過できるように、物理的な構造による妨げがないことを意味する。
【0015】
陽電極及び陰電極が平板状である場合(陽電極板及び陰電極板である場合)、各電極板が旋回流の流水方向に沿った平面を形成しているのであれば旋回流を妨げにくく忠実な板材を利用できるが、各電極板が旋回流に直交して平面を形成しているのであれば、物理的な構造による妨げがないように、各電極板に流水孔を開孔する必要があり、具体的にはパンチングメタル構造、エキスパンドメタル構造又はメッシュ構造の陽電極板及び陰電極板を用いることになる。こうした各電極板の開孔は、各電極板の総表面積を増やし、結果として原料水との接触時間を増やす効果がある。
【0016】
このほか、安定した旋回流の形成のために、原料水が描く旋回流に沿うガイドフィンを周回面に設けてもよい。このガイドフィンは、特に下方へ給水口、上方へ排水口を配した場合に、旋回しながら上昇する旋回流が重力の影響を受けて崩れることを抑制し、安定した旋回流の形成及び維持を助ける。
【0017】
このように、第1として、本発明は電解槽の構造を改良することにより電解効率を高める。しかし、原料水自体が電解しがたい性質であると、この電解槽の改良の効果は上がらない。そこで、第2として、原料水自体を電解容易な性質にするため、取水した硬水から金属イオンを除去して軟水を供給するイオン交換部と、電解質を添加した電解質溶液を供給する電解質溶液供給部と、前記軟水及び電解質溶液を混合する混合部とからなる電解水生成補助装置を用いることにした。本発明では、金属イオンを含む原料水を硬水、金属イオンを含まない原料水を軟水と定義する。
【0018】
金属イオンを含む原料水(硬水)は、前記金属イオンが原料水中の通電路を形成するため、原料水に対する電解を妨げる問題がある。イオン交換器は、こうした電解を阻害する要因としての金属イオンの除去を担う。本発明では、こうして金属イオンを取り除いた原料水(軟水)に、電解質溶液供給部から電解質を加えて混合部により混ぜ合わせることで、電解容易な性質を有する原料水を得ることができ、結果として電解効率を高めることができる。
【0019】
水道水は、電解質として塩素を含むが、前記塩素は微量であり、また地域によって濃度が異なる。本発明では、塩素に代わる電解質を、安定かつ濃度一定に供給するため、電解質溶液を貯留する溶液タンクと、この溶液タンクから電解質溶液を所定量を送り出すチューブポンプと、イオン交換部から供給する軟水の塩素濃度を監視する塩素センサと、この塩素センサの計測値に応じて送り出す電解質溶液の所定量を加減調節するポンプ制御部とからなる電解質溶液供給部を構成した。
【0020】
本発明の電解質溶液供給部は、チューブポンプにより、電解質溶液を貯留する溶液タンクから電解質溶液を所定量を送り出す。前記所定量は、イオン交換部から供給する軟水の塩素濃度を監視する塩素センサの計測値に応じ、ポンプ制御部により加減調節する。すなわち、電解質として塩素を利用することを前提に、この塩素濃度を補うように、別途電解質を補充するわけである。補充する電解質としては、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
【0021】
上記電解水生成補助装置を用いることで、硬水からイオン交換により金属イオンを除去して得られる軟水と、電解質を添加した電解質溶液とを混合した原料水を電気分解した電解水を得ることができる。金属イオンを除去して得られる軟水と電解質溶液とを混合した原料水は、電解容易な性質を有し、従来公知の各種電解水生成装置を用いても、高い電解効率の電解水を得ることができる。特に、本発明の電解水生成装置を用いて電解水を生成すれば、例えば貯水して電解水のみを販売する利用形態を実現できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。図1は本発明の電解水生成装置1及び電解水生成補助装置2を組み合わせた電解水製造ラインの一例を示すライン構成図、図2は電解水生成装置1の正面図、図3は給水口3及び排水口4方向から見た電解水生成装置1の側面図であり、図4は電解水生成装置1の平面図(電解槽蓋5を除く)である。
【0023】
本例に示す電解水製造ラインは、図1に見られるように、本発明に係る電解水生成装置1を挟んで、上流側に電解容易な性質を示す原料水を生成する電解水生成補助装置2、下流側に貯水タンク6を設けている。電解水42は、貯水タンク6から直接その場で取り出して洗車等の洗浄作業に用いるほか、別途容器等に入れて持ち運んで別の場所で用いたり、必要に応じてポリタンク等に入れて販売することができる。
【0024】
電解水生成補助装置2は、取水した水道水又は地下水(硬水)から金属イオンを除去して軟水を供給するイオン交換部7と、電解質を添加した電解質溶液8を供給する電解質溶液供給部9と、前記軟水及び電解質溶液を混合する混合部10とからなる。イオン交換部7は、従来公知の各種イオン交換装置を用いることができる。このイオン交換部7から送り出される軟水は、逆流防止の上流チャッキ弁11を通じて混合部10へと送られる。イオン交換部7と上流チャッキ弁11との間には、イオン交換後の軟水を取り出す取水口12と、電解質溶液供給部9を構成する塩素センサ13を介在させている。
【0025】
電解質溶液供給部9は、電解質溶液8を貯留する溶液タンク14と、この溶液タンク14から電解質溶液8を所定量を送り出すチューブポンプ15と、イオン交換部7から供給する軟水の塩素濃度を監視する塩素センサ13と、この塩素センサ13の計測値に応じて送り出す電解質溶液8の所定量を加減調節するポンプ制御部16とからなる。チューブポンプ15に代えて、他のポンプを利用することもできるが、チューブポンプ15は微少な増減を図りながら所定量の電解質溶液8を送り出せる点で、本発明のように軟水中の塩素濃度に応じて供給する所定量を逐次増減する場合のポンプとして適している。
【0026】
溶液タンク14は、予め取得しておいた軟水(本例では金属イオンを除去した水)に、電解質として炭酸水素ナトリウムを溶解した電解質溶液8を貯留している。ポンプ制御部16は、塩素センサ13が検知した塩素濃度と電解質溶液8の電解質濃度とを比較し、軟水及び電解質溶液を混合して得られる原料水の電解質濃度が一定となるように、チューブポンプ15を作動させて電解質溶液8を混合部10へ送り出す。例えば、イオン交換部7が20〜28L/min.で水道水から金属イオンを除去して軟水を生成し、20Lの軟水に50〜100gの炭酸水素ナトリウムを溶解させた電解質溶液8をチューブポンプ15から8〜80cc/min.の割合で加減しながら追加、混合する。
【0027】
貯水タンク6は、電解水生成装置1から分岐路17の主管18に分岐チャッキ弁19、副管20に水流センサ21を配し、更に下流チャッキ弁22を介して接続している。電解水生成装置1から送り出される電解水の殆どは、分岐チャッキ弁19を通じて貯水タンク6へ送り込まれる。これにより、分岐路17の分岐割合に応じて、水流センサ21に流れる電解水の絶対量を減じながら、電解水生成の有無(水流の有無)及び生成量を監視する。貯水タンク6は、フロート23を揺動状態に軸支する液面センサ24を設けてあり、この液面センサ24により貯水量の増減を監視している。
【0028】
具体的には、各センサ21,24からの信号を受けて、電解水の生成の有無等をライン制御部25により判断し、このライン制御部25が電解水生成装置1又は電解水生成補助装置2の作動又は停止のほか、貯水タンク6から電解水42を取り出す洗車用ポンプ26又は取水用ポンプ27の作動及び停止を制御する。水流センサ21が水流を検出せず、液面センサ24が下限にあれば、貯水タンク6に電解水42の補給がなく、また貯水タンク6の電解水42が十分でないことから、前記両ポンプ26,27を停止させる。水流センサ21が水流を検出し、液面センサ24が下限にあれば、水流センサ21が検出した電解水の生成量の範囲内で両ポンプ26,27の作動を許す。そして、水流センサ21が水流を検出し、液面センサ24が下限になければ両ポンプ26,27の作動を許し、液面センサ24が上限にあれば電解水生成装置1又は電解水生成補助装置2の作動を停止させる。これにより、貯水タンク6に必要量の電解水42を貯水でき、必要に応じて電解水42を補充できる。
【0029】
電解水生成装置1は、図2〜4に見られるように、給水口3及び排水口4を備えた電解槽28に陽電極板29及び陰電極板30を内蔵した構成で、給水口3から供給した原料水から陽電極板29及び陰電極板30により生成した電解水を排水口4から排出する基本仕様は従来同様である。このうち、従来の電解水生成装置1の給水口3及び排水口4は、兼用又は隣接した位置関係等、様々であったが、本発明では旋回流Sの利用に必要な距離が必要なため、給水口3及び排水口4を離隔して設けている。本例の電解水生成装置1では、縦型で筒状電解槽28の側面下端側に給水口3、側面上端側に排水口4を設けている。このほか、電解槽28下端は傾斜面を形成し、この傾斜面低位にドレン31を設けている。
【0030】
陽電極板29及び陰電極板30は、それぞれ旋回流Sの流水方向に物理的な通水性のあるメッシュ構造で電解槽28を略縦断する大きさ及び形状である。本例では、陽電極板29及び陰電極板30間の間隙を保ち、短絡を予防するため、絶縁体からなるスペーサ32を介して対峙させ、固着ボルト33及びナット34により一体化した電極モジュール35を構成している。前記電極モジュール35は、上記給水口3及び排水口4を結ぶ方向に延在して内蔵し、電解槽28を閉蓋する電解槽蓋5に設けた給電部43,43に各電極板29,30を接続している。給電部43,43へは定電流(例えば12A)及び可変電圧(例えば10〜30V)を印加する。また、電極洗浄のために、両電極板29,30の極性は自在に入れ替えることができる。
【0031】
本発明は、給水口3から取り込んだ原料水が、旋回流Sを描いて排水口4へ至るようにしたことを特徴とする。このため、本例は、陽電極板29及び陰電極板30の延在直交断面が略方形断面(図4参照)でこの方形の角部を丸めた周回面36から形成した方形電解槽28を用い、平面視右旋回の旋回流Sを形成している。また、給水口3及び排水口4は、それぞれ周回面36の接線方向で、給水口3は原料水が描く旋回流Sの上流側、排水口4は同旋回流Sの下流側にそれぞれ開口する位置関係で電解槽28に設けている。これにより、給水口3から取り込んだ原料水は、そのままの勢いを維持しながら周回面36に沿って円滑に旋回流Sを形成して、徐々に上昇しながら排水口4へ至るようになり、旋回の段数だけ各電極板29,30との接触時間を増やすことができる。
【0032】
本例では、原料水による旋回流Sが円滑に形成されるだけでなく、円滑に上昇していくように、図4に見られるように、給水口3の延長線上にある角部の曲率半径R1を残余の角部の曲率半径R2〜R4に比べて大きくしている。具体的には、R1及びR2〜R4の比率が4:3の関係にあるとよい。前記関係にある場合、形成できる旋回流Sの速度は、10〜20L/min.の速度で安定し、乱流を引き起こすことがなくなる。
【0033】
乱流のない安定した旋回流Sを形成するには、例えば図5〜7(それぞれ別例の電解槽37による図2〜4相当図)に見られるように、周回面36にガイドフィン38を設けてもよい。前記ガイドフィン38は、上下段の旋回流Sが互いに交錯しないようにする。本例のガイドフィン38は、2組の対向面のうち、1組の対向面へ上下にずれた互い違いの位置関係で設けているが、旋回流Sに沿って連続する螺旋状のガイドフィンを設けてもよい。また、旋回流Sを形成できればよいため、本例のように板状のガイドフィン38ではなく、凸条又は凹溝であっても旋回流Sを案内する働きを発揮する。このように、ガイドフィン自体の構造や、ガイドフィンを断続的又は連続的に設けるかは自由である。
【0034】
旋回流Sを形成する場合、旋回中心付近は相対的に原料水が滞留することになり、好ましくない。そこで、旋回流Sに対して不要な旋回中心を除いた空間のみの電解槽39、すなわち図8〜10(それぞれ別例の電解槽39による図2〜4相当図、但し各電極板29,30のメッシュ表現は省略)に見られるように、陽電極板29及び陰電極板30の延在直交断面が略方形環状断面の対となる内外の周回面40,36から形成した略方形環状電解槽39を用いることもできる。この場合、電極モジュール35は内外の周回面40,36間に配することになり、旋回流Sを無駄なく各電極板29,30に接触させることができる。
【0035】
上記各例示(図2〜10参照)は、それぞれ方形電解槽28(陽電極及び陰電極の延在直交断面が略方形断面でこの方形の角部を丸めた周回面から形成した電解槽)を基礎とし、旋回流Sに直線部分を含む。こうした略方形断面の電解槽28は、内蔵する各電極板29,30を大きくできる利点があるが、周回面36に沿った旋回流Sを形成して各電極板29,30と原料水との接触時間の増加を図る本発明では、旋回中心付近の各電極板29,30は特に必要ない。むしろ、旋回流Sの形成に着目すると、各電極板29,30に合わせた方形断面の電解槽28は、各角部の曲率半径に限界が生じ、周回面36に沿って形成される旋回流Sの円滑さを担保しにくくなる。旋回流Sは、進行運動成分と旋回運動成分との和により形成されるが、方形電解槽28の角部と直線部分との移り変わりが、特に旋回流Sの旋回運動成分の変動を招くからである。
【0036】
そこで、旋回運動成分を変動させる一因となる直線部分を排除し、図11〜13(それぞれ別例の電解槽41による図2〜4相当図、但し各電極板29,30のメッシュ表現は省略)に見られる完全円形環状電解槽41を構成するとよい。本例の電解槽41は、更に外の周回面36にガイドフィン38を設けている。この完全円環状電解槽41は、上述した角部の曲率半径における制約がなく、内外周回面40,36の間隔を大きくできる。このため、同様な環状電解槽39に比べて各電極板29,30を大きくし、それだけ電解効率を高めることができる(図10及び図13を比較対照)。
【0037】
こうして、本発明の電解水生成補助装置2により電解容易な性質を有する原料水を生成し、前記原料水を本発明の電解水生成装置2により電解すると、従来に比べて電解状態を維持しやすい電解水を得ることができる。例えば、従来一般的な電解水生成装置で生成した電解水は、十分な電解状態を2〜3時間しか保つことができなかったが、本発明によればおよそ48 72 時間も電解状態を保つことができる。これにより、電解水42のみを別途ポリタンク等に詰めて販売できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、高い電解効率で電解水を生成する電解水生成装置と、電解効率を高める原料水を前記電解水生成装置に提供する電解水生成補助装置とを提案することにより、高い電解効率で、電解状態が長時間持続する電解水を提供できるようにする効果を有する。前記効果は、電解水生成装置又は電解水生成補助装置いずれかを用いることで得ることができるが、当然両者を併用するとよりよい。
【0039】
電解水生成装置における電解効率の向上は、電解槽の周回面に沿って形成される原料水の旋回流により、各電極と原料水との接触時間を増加できることによる。安定かつ滑らかな旋回流は、本発明による電解槽の構造特定や、電極における旋回流の流水方向に物理的通水性の付与や、周回面に設けるガイドフィンの相乗効果で得られる効果である。
【0040】
電解水生成装置が原料水に働きかける側の改良とすれば、電解水生成補助装置は原料水そのものの改良(改質)に関わり、電解容易な原料水を生成することで、電解効率の向上や、電解状態を長時間持続させる電解水の生成を助ける効果を有する。そして、本発明は、以上の電解水生成装置及び電解水生成補助装置を併用することで、電解状態を長時間持続する電解水の販売を可能にする効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解水生成装置及び電解水生成補助装置を組み合わせた電解水製造ラインの一例を示すライン構成図である。
【図2】電解水生成装置の正面図である。
【図3】給水口及び排水口方向から見た電解水生成装置の側面図である。
【図4】電解水生成装置の平面図(電解槽蓋を除く)である。
【図5】別例の電解水生成装置の正面図である。
【図6】別例の給水口及び排水口方向から見た電解水生成装置の側面図である。
【図7】別例の電解水生成装置の平面図(電解槽蓋を除く)である。
【図8】別例の電解水生成装置の正面図である。
【図9】別例の給水口及び排水口方向から見た電解水生成装置の側面図である。
【図10】別例の電解水生成装置の平面図(電解槽蓋を除く)である。
【図11】別例の電解水生成装置の正面図である。
【図12】別例の給水口及び排水口方向から見た電解水生成装置の側面図である。
【図13】別例の電解水生成装置の平面図(電解槽蓋を除く)である。
【符号の説明】
1 電解水生成装置
2 電解水生成補助装置
3 給水口
4 排水口
7 イオン交換部
9 電解質溶液供給部
10 混合部
13 塩素センサ
14 溶液タンク
15 チューブポンプ
16 ポンプ制御部
21 水流センサ
28 電解槽(方形電解槽)
29 陽電極板
30 陰電極板
36 (外の)周回面
37 別例の電解槽(ガイドフィン付方形電解槽)
38 ガイドフィン
39 別例の電解槽(略方形環状電解槽)
40 (内の)周回面
41 別例の電解槽(完全円環状電解槽)
42 電解水
S 旋回流

Claims (10)

  1. 給水口及び排水口を備えた電解槽に陽電極及び陰電極を内蔵してなり、給水口から供給した原料水から陽電極及び陰電極により電解水を生成し、該電解水を排水口から排出する電解水生成装置において、電解槽は給水口及び排水口を離隔して設け、該給水口及び排水口を結ぶ方向に延在して陽電極及び陰電極を内蔵してなり、該電解槽は陽電極及び陰電極の延在直交断面で角部のない周回面から形成し、給水口から供給した原料水が前記周回面に沿って旋回流を描いて排水口へ至るようにし、陽電極及び陰電極は前記旋回流の流水方向に物理的な通水性を有することを特徴とする電解水生成装置。
  2. 給水口及び排水口は、それぞれ周回面の接線方向で、給水口は原料水が描く旋回流の上流側、排水口は同旋回流の下流側にそれぞれ開口する位置関係で電解槽に設けた請求項1記載の電解水生成装置。
  3. 電解槽は、陽電極及び陰電極の延在直交断面が略方形断面で該方形の角部を丸めた周回面から形成した請求項1記載の電解水生成装置。
  4. 給水口及び排水口は、それぞれ丸めた角部の接線方向で、給水口は原料水が描く旋回流の上流側、排水口は同旋回流の下流側にそれぞれ開口する位置関係で電解槽に設けてなり、給水口の延長線上にある角部の曲率半径を残余の角部の曲率半径に比べて大きくした請求項3記載の電解水生成装置。
  5. 電解槽は、陽電極及び陰電極の延在直交断面が略円形断面の周回面から形成した請求項1記載の電解水生成装置。
  6. 電解槽は、陽電極及び陰電極の延在直交断面が環状断面の対となる内外の周回面から形成した請求項1記載の電解水生成装置。
  7. 電解槽は、原料水が描く旋回流に沿うガイドフィンを周回面に設けた請求項1、3、5又は6記載の電解水生成装置。
  8. 給水口及び排水口を備えた電解槽に陽電極及び陰電極を内蔵した電解水生成装置へ原料水を供給する電解水生成補助装置において、取水した硬水から金属イオンを除去して軟水を供給するイオン交換部と、電解質を添加した電解質溶液を供給する電解質溶液供給部と、前記軟水及び電解質溶液を混合する混合部とからなることを特徴とする電解水生成補助装置。
  9. 電解質溶液供給部は、電解質溶液を貯留する溶液タンクと、該溶液タンクから電解質溶液を所定量を送り出すチューブポンプと、イオン交換部から供給する軟水の塩素濃度を監視する塩素センサと、該塩素センサの計測値に応じて送り出す電解質溶液の所定量を加減調節するポンプ制御部とからなる請求項8記載の電解水生成補助装置。
  10. 硬水からイオン交換により金属イオンを除去して得られる軟水と、電解質を添加した電解質溶液とを混合した原料水を電気分解して得られる電解水。
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