JP5282201B2 - 電気分解水生成器 - Google Patents

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本発明は、水を電気分解して電気分解水を生成する電気分解水生成器に関する。
従来より、種々の電気分解水生成器が提案されている。例えば、電解部と浄水部とから構成される通常の電気分解整水器において、前記電解部の流入口へ流入する水をアルカリ水と酸性水とに分離するために1つの+電極板および−電極板を設置した電極室が、イオン分離隔膜によって2つの電極室に分けられた1次電解部と、前記1次電解部で生成されたアルカリ水のみを流入させて3つの電解イオン水である飲用の高濃度の活性水素を有する弱アルカリ水と洗浄用強アルカリ水と洗顔用酸性水とに分離するために1つの+電極板および2つの−電極板を設置した電極室が、2つのイオン分離隔膜によって3つの電極室に分けられた2次電解部とから構成された電気分解水生成器が提案されている(特許文献1参照)。かかる電気分解水生成器においては、陽極で酸性水を生成し、陰極で強アルカリ水及び弱アルカリ水を生成して、これらのうちの陰極で生成する弱アルカリ水を飲料水として提供している。
しかしながら、近年、水素水に含まれる水素に体内の活性酸素を除去する働きがあることがわかってきており、水素をより多く溶解させた水を生成する試みがなされているが、上記特許文献1に記載の電気分解水生成器では、水素の溶存量を増加させようとすると、pHも同時に増加し、飲料として用いることができるpH範囲を超えてしまい、高い水素濃度の飲料水を製造することはできなかった。
そこで、溶存水素濃度が高く、かつpHが過剰に上昇することがない電解水素溶解水を生成することができる電気分解水生成器として、例えば、対向して配置された陰極及び陽極、陰極及び陽極の間で陽極に接触させて配設された電解質膜、並びに陰極が配設される陰極室を備える電解槽と、陰極室に直接連通して陰極室に原水を連続的に流入させる原水経路と、陰極室に直接連通して陰極表面にて生成された水素を溶存する電解水素溶解水を電解槽から流出させる電解水吐出流路とを具備して成る電気分解水生成器が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、中性〜弱酸性の飲料水が身体によいという報告もなされている中で、上記特許文献2記載の電気分解水生成器では、pHの上昇を抑制することができるものの弱アルカリ性にとまり、また、溶存水素の量がいまだ満足できるというものではなかった。
特表2005−507314号公報 特開2003−245669号公報
本発明の課題は、溶存水素が豊富で酸化還元電位の低い中性〜弱酸性の電気分解水を製造可能な電気分解水生成器を提供することにある。
本発明者らは、水素が豊富な飲料水の開発を目的として鋭意検討した結果、電気分解方式において、陽極板の陰極板側に陽イオン交換膜を接触して設けると共に、一対の電極板の間に、陽極板側に陽イオン交換膜が接触して設けられた多数の微細な孔が穿設された導電板(以下、イオン化促進板ということがある。)を設け、さらに、陽極板及び導電板の間、並びに陰極板及び導電板の間にそれぞれ別々に流水して、陰極板及び導電板の間を流通した処理水を利用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。さらに、これと同様の原理を利用し、電極及びイオン交換膜の符号(陽/陰)を反対とすることにより、従来得られなかった、溶存酸素、オゾンが豊富で酸化還元電位の高い酸性の電気分解水を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、(1)陽極及び陰極からなる一対の電極板Aと、一側の電極板Aの他側の電極板A側に接触して設けられた第1イオン交換膜Aと、前記一対の電極板Aの間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Aと、該導電板Aの前記一側の電極板A側に接触して設けられた第2イオン交換膜Aと、前記一側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A1及び水流出口A1と、前記他側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A2及び水流出口A2とを備え、前記第1イオン交換膜A及び第2イオン交換膜Aは、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜であることを特徴とする電気分解水生成器や、(2)一側の電極板Aの他側の電極板Aとは反対側に設けられた、他側の電極板Aと同極の電極板Bと、前記一側の電極板A及び電極板B間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Bと、該導電板Bの前記一側の電極板A側に接触して設けられた、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜である、イオン交換膜Bと、前記一側の電極板A及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A1と連通する水流入口B1及び水流出口B1と、前記電極板B及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A2と連通する水の流入口B2及び水流出口B2と、を備えたことを特徴とする前記(1)記載の電気分解水生成器に関する。
また、本発明は、(3)導電板が、他側の電極板と同一の材料からなることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電気分解水生成器や、(4)導電板の多数の微細な孔が、メッシュ状又はパンチング状に穿設されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の電気分解水生成器や、(5)電極板が、チタン製白金鍍金板又は白金板であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか記載の電気分解水生成器や、(6)一側の電極板と導電板との間に、イオン交換樹脂を充填したことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか記載の電気分解水生成器や、(7)25℃における導電率が10μS/cmの水を処理できることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか記載の電気分解水生成器や、(8)水流出口A1又はこれに連通する水流出口から流出する水をドレン水として排出するよう構成されたことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか記載の電気分解水生成器に関する。
さらに、本発明は、(9)一側の電極板を陽極とした前記(1)〜(8)のいずれか記載の電気分解水生成器を用いた電気分解水の製造方法であって、水流出口A2又はこれに連通する水流出口から電気分解水を得ることを特徴とする電気分解水の製造方法に関する。
本発明の電気分解水生成器によれば、溶存水素が豊富で酸化還元電位の低い中性〜弱酸性の電気分解水、又は溶存酸素、オゾンが豊富で酸化還元電位の高い酸性の電気分解水を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る電気分解水生成器の概略図である。 図1に示す電気分解水生成器の構成部材を説明する斜視図である。
本発明の電気分解水生成器としては、陽極及び陰極からなる一対の電極板Aと、一側の電極板Aの他側の電極板A側に接触して設けられた第1イオン交換膜Aと、前記一対の電極板Aの間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Aと、該導電板Aの前記一側の電極板A側に接触して設けられた第2イオン交換膜Aと、前記一側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A1及び水流出口A1と、前記他側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A2及び水流出口A2とを備え、前記第1イオン交換膜A及び第2イオン交換膜Aは、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜であるものであれば特に制限されるものではなく(以下、この構成を主構成部という。)、かかる主構成部を2以上備えたものであってもよい。また、他側の電極板Aの一側の電極板A側にも、第1イオン交換膜と同一符号のイオン交換膜(第1イオン交換膜が陽イオン交換膜のときは陽イオン交換膜、第1イオン交換膜が陰イオン交換膜のときは陰イオン交換膜)を接触して設けることが好ましい。
本発明の電気分解水生成器においては、例えば、一側の電極板Aが陽極・他側の電極板Aが陰極の場合には、一側の電極板A及び導電板間は、陽イオン交換樹脂で挟まれた状態となるので、かかる場所には、マイナスイオン(水酸化物イオン)が充填され、水の導電性を向上させる。したがって、本発明の電気分解水生成器においては、導電率が低い水(純水、超純水)であっても処理が可能となり、例えば、25℃における導電率が10μS/cm以下の水であっても処理することができる。
具体的に、本発明の電気分解水生成器は、一側の電極板Aが陽極・他側の電極板Aが陰極の場合には、陽極板Aの陰極板A側に接触して設けられた第1陽イオン交換膜Aと、一対の電極板Aの間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Aと、該導電板Aの陽極板A側に接触して設けられた第2陽イオン交換膜Aと、前記陽極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A1及び水流出口A1と、陰極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A2及び水流出口A2とを備えた電気分解水生成器であり、これにより、陰極板A及び導電板Aの間に設けられた水流出口A2から、溶存水素が豊富で、酸化還元電位の低く、中性〜弱酸性の電気分解水を得ることができる。水流出口A2又はこれに連通する水流出口から得られる電気分解水としては、溶存水素濃度が、好ましくは0.3mg/L以上、より好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは0.7mg/L以上(上限は特に制限されないが例えば1.6mg/L)であり、酸化還元電位が、好ましくは−300mV以下、より好ましくは−350mV以下、さらに好ましくは−500mV以下(下限は特に制限されないが例えば−650mV)であり、pHが好ましくは5.5〜8、より好ましくは6〜7.5の電気分解水である。
また、一側の電極板Aが陰極・他側の電極板Aが陽極の場合には、陰極板Aの陽極板A側に接触して設けられた第1陰イオン交換膜Aと、一対の電極板Aの間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Aと、該導電板Aの陰極板A側に接触して設けられた第2陰イオン交換膜Aと、前記陰極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A1及び水流出口A1と、陽極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A2及び水流出口A2とを備えた電気分解水生成器であり、これにより、陽極板A及び導電板Aの間に設けられた水流出口A2から、酸素、オゾンが豊富で、酸化還元電位が高く、酸性の電気分解水を得ることができる。水流出口A2又はこれに連通する水流出口から得られる電気分解水としては、溶存酸素、オゾン濃度が、好ましくは0.3mg/L以上、より好ましくは0.5mg/L以上、さらに好ましくは0.7mg/L以上(上限は特に制限されないが例えば1.6mg/L)であり、酸化還元電位が、好ましくは+400mV以上、より好ましくは+500mV以上、さらに好ましくは+700mV以上(上限は特に制限されないが例えば+1000mV)であり、pHが好ましくは4〜6、より好ましくは4.5〜5.0の電気分解水である。
また、本発明の電気分解水生成器は、上記主構成部に加えて、一側の電極板Aの他側の電極板Aとは反対側に設けられた、他側の電極板Aと同極の電極板Bと、前記一側の電極板A及び電極板B間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Bと、該導電板Bの前記一側の電極板A側に接触して設けられた、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜である、イオン交換膜Bと、前記一側の電極板A及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A1と連通する水流入口B1及び水流出口B1と、前記電極板B及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A2と連通する水の流入口B2及び水流出口B2とを備えていることが好ましい(以下、この構成を副構成部という。)。このような構成とすることにより、コンパクトな構成で、電解効率を高め、溶存水素濃度/溶存水素、オゾン濃度を向上させることができる。なお、主構成部同様、電極板Bの一側の電極板A側には、第1イオン交換膜と同一符号のイオン交換膜を接触して設けることが好ましい。
具体的に、一側の電極板Aが陽極・他側の電極板Aが陰極の場合には、上記主構成部に加えて、陽極板Aの陰極板Aとは反対側に設けられた陰極板Bと、陽極板A及び陰極板B間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Bと、該導電板Bの陽極板A側に接触して設けられた陽イオン交換膜Bと、陽極板A及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A1と連通する水流入口B1及び水流出口B1と、陰極板B及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A2と連通する水の流入口B2及び水流出口B2とを備えていることが好ましく、一側の電極板Aが陰極・他側の電極板Aが陽極の場合には、上記主構成部に加えて、陰極板Aの陽極板Aとは反対側に設けられた陽極板Bと、陰極板A及び陽極板B間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Bと、該導電板Bの陰極板A側に接触して設けられた陰イオン交換膜Bと、陰極板A及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A1と連通する水流入口B1及び水流出口B1と、陰極板B及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A2と連通する水の流入口B2及び水流出口B2とを備えていることが好ましい。
本発明の電気分解水生成器における陽極又は陰極となる電極板は、例えば厚さが0.05〜2mm、好ましくは0.5〜2mm程度の金属板であり、具体的に、チタン製白金鍍金板や白金板を例示することができる。陽極板及び陰極板は、同一の材料から構成されていてもよいし、異なる材料から構成されていてもよい。
導電板としては、電源に接続されておらず、例えば厚さが0.05〜2mm、好ましくは0.5〜1mm程度で、多数の微細な孔が穿設されたものであれば特に制限されるものではなく、かかる微細な孔の形状としては、例えば、メッシュ状、パンチング状等を例示することができる。孔の径としては、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、0.05〜0.5mmであることがさらに好ましい。かかる導電板の材質としては、上記電極板と同様の材料を用いることができ、一対の電極板の材料がそれぞれ異なる場合は、他側の電極板と同一の材料から構成されることが好ましい。この導電板を設けることにより、水の解離が効果的に行われイオン化が促進される。
上記電極板と導電板の間隔としては、水の導電性を保持できる程度の間隔であれば特に制限されるものではなく、例えば、一側の電極板A及び導電板Aの間隔としては、3〜15mm程度であることが好ましく、5〜10mm程度であることがより好ましく、他側の電極板A及び導電板Aの間隔としては、1〜6mm程度であることが好ましく、1〜3mm程度であることがより好ましい。同様に、一側の電極板A及び導電板Bの間隔としては、3〜15mm程度であることが好ましく、5〜10mm程度であることがより好ましく、電極板B及び導電板Bの間隔としては、1〜6mm程度であることが好ましく、1〜3mm程度であることがより好ましい。
また、イオン交換膜としては、イオン伝導性の高い電解質膜であることが好ましい。陽イオン交換膜としては、例えば、デュポン社のナフィオン117(商品名)を例示することができ、陰イオン交換膜としては、例えば、旭硝子社のセレミオンAMV(商品名)を例示することができる。
また、本発明の電気分解水生成器においては、一側の電極板と導電板との間(イオン交換膜の間)に、球状、角柱状等のイオン交換樹脂が多数充填されていることが好ましい。これにより、イオン伝導性をより高めることが可能となり、電気分解効率を向上させることができる。かかるイオン交換樹脂としては、上記のイオン交換膜の材料となるイオン交換樹脂を用いることができ、具体的には、一側の電極板及び/又は導電板に密着したイオン交換膜と同様の材料からなるイオン交換樹脂が好ましい。
さらに、本発明の電気分解水生成器においては、流入口から流入した水が流出口から流出するまでの間に、水がより効率的に電極板及び導電板に接触するよう構成することが好ましい。例えば、一側の電極板と導電板との間、及び/又は他側の電極板と導電板との間に、水の滞留時間を延長させると共に水の乱流を発生させるための蛇行状の水通路を形成する水案内板(例えば、特開平9−253649号公報参照)を設けることができる。また、水の乱流を発生させるための振動装置(振動板)や超音波装置を利用することができる。
本発明の電気分解水生成器においては、水流出口A1及び水流出口A2、又はこれらに連通する水流出口から流出する水を様々な用途に使用することができ、水流出口A2又はこれに連通する水流出口から流出する水が特に有用である。なお、水流出口A1又はこれに連通する水流出口から流出する水は、ドレン水として排出してもよい。一側の電極板Aが陽極・他側の電極板Aが陰極の場合には、陰極板A及び導電板Aの間に設けられた水流出口A2又はこれに連通する水流出口から、溶存水素が豊富で酸化還元電位の低い中性〜弱酸性の電気分解水を得ることができるので、例えば、飲料水、美容水、半導体ウェハのパーティクル除去水等として有用である。他方、一側の電極板Aが陰極・他側の電極板Aが陽極の場合には、陽極板A及び導電板Aの間に設けられた水流出口A2又はこれに連通する水流出口から、酸素、オゾンが豊富で酸化還元電位の高い酸性の電気分解水を得ることができるので、半導体ウェハ、フォトマスク等の表面の洗浄水等として有用である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態に係る電気分解水生成器をより詳細に説明する。本例は、一側の電極板Aが陽極・他側の電極板Aが陰極である場合の例であり、一側の電極板Aが陰極・他側の電極板Aが陽極の場合は、これと反対の事象として理解できる。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る電気分解水生成器は、略中央に配置された陽極板Aと、その両側に配置された陰極板A(図面上、右側)及び陰極板B(図面上、左側)とを備えている。また、陽極板A及び陰極板Aの間には導電板A(イオン化促進板A)が設けられ、陽極板A及び陰極板Bの間には導電板B(イオン化促進板B)が設けられている。イオン化促進板A及びイオン化促進板Bには、多数の微細な孔が穿設されており、このイオン化促進板A及びイオン化促進板Bには電源が接続されていない。また、陽極板Aの陰極板A側(図面上、右側)には第1陽イオン交換膜Aが接触して設けられており、イオン化促進板Aの陽極板A側(図面上、左側)には、第2陽イオン交換膜Aが接触して設けられている。以下、陽極板Aとイオン化促進板Aとの間の空間をイオン充填室A1といい、陰極板Aとイオン化促進板Aとの間の空間をイオン発生室A2といい、陽極板Aとイオン化促進板Bとの間の空間をイオン発生室B1といい、陰極板Bとイオン化促進板Bとの間の空間をイオン発生室B2という。
陽極板A及びイオン化促進板Aの間のイオン充填室A1には、下方に水流入口A1が設けられると共に、上方に水流出口A1が設けられ、陰極板A及びイオン化促進板Aの間のイオン発生室A2には、下方に水流入口A2が設けられると共に、上方に水流出口A2が設けられている。すなわち、陽極板A及びイオン化促進板Aの間を通過する原水と、陰極板A及びイオン化促進板Aの間を通過する原水は、それぞれ別の流路を通過するよう構成されている。同様に、陽極板A及びイオン化促進板Bの間のイオン発生室B1には、下方に水流入口B1が設けられると共に、上方に水流出口B1が設けられ、陰極板B及びイオン化促進板Bの間のイオン発生室B2には、下方に水流入口B2が設けられると共に、上方に水流出口B2が設けられており、陽極板A及びイオン化促進板Bを通過する水と、イオン化促進板B及び陰極板Bを通過する水は、それぞれ別の流路を通過するよう構成されている。そして、陽極板Aに近い流出口A1は陽極板Aに近い流入口B1と連通して、イオン充填室A1及びイオン発生室B1を接続し、陰極板Aに近い流出口A2は陰極板Bに近い流入口B1と連通してイオン発生室A2及びイオン発生室B2を接続している。なお、イオン充填室A1には、イオン交換樹脂が充填されている。
上記した構成の電気分解水生成器を用いた電気分解水の生成においては、主として以下のような反応が起こっていると考えられる。
まず、主構成部(図面上の陽極板Aより右側部分)では、陽極板Aとイオン化促進板Aとの間のイオン充填室A1内で水が解離し(HO→H+OH)、この解離で発生した水素イオン(H)が、第2陽イオン交換膜及びイオン化促進板Aを通過してイオン発生室A2に移行する一方で、水酸化物イオン(OH)が、イオン充填室A1にとどまる。イオン充填室A1には、水酸化物イオンが充填されることになるので、水の導電性が向上し、導電率が低い水(純水、超純水)の処理が可能となる。また、陰極板Aとイオン化促進板Aとの間のイオン発生室A2内の水がイオン化促進板Aで反応し水素イオンが発生する。水素イオンが移行したイオン発生室A2では、2H+2e→2Hの反応、及び2HO+2e→2H+2OHの反応が生じて水素ガスが発生し、この水素ガスがイオン発生室A2内で溶解する。したがって、イオン発生室A2からは、溶存水素濃度の高い電気分解水が得られる。また、上記のようにイオン充填室A1で生じた水素イオンはイオン発生室A2に移行すると共に、イオン化促進板Aにおいても水素イオンが発生するので、イオン発生室A2では水素イオンが増加してpHの上昇が抑制され、中性〜弱酸性の電気分解水を生成することが可能となる。
また、副構成部(図面上の陽極板Aより左側部分)では、陽極板Aとイオン化促進板Bとの間のイオン発生室B1内で水が反応し(HO+O+2e→O+2H)、この反応で発生した水素イオン(H)が、第3陽イオン交換膜B及びイオン化促進板Bを通過してイオン発生室B2に移行する一方で、イオン発生室B1ではOが発生する。また、陰極板Bとイオン化促進板Bとの間のイオン発生室A2内の水がイオン化促進板Bで反応し水素イオンが発生する。水素イオンが移行したイオン発生室B2では、2H+2e→2Hの反応、及び2HO+2e→2H+2OHの反応が生じて水素ガスが発生し、この水素ガスがイオン発生室B2内で溶解する。したがって、イオン発生室B2からは、溶存水素濃度のより高い電気分解水が得られる。また、イオン発生室B1で生じた水素イオンはイオン発生室B2に移行すると共に、イオン化促進板Bにおいても水素イオンが発生するので、イオン発生室B2では水素イオンが増加してpHがより低下した電気分解水を生成することが可能となる。
図1に示す電気分解水生成器を用いて電気分解水を製造した。陽極板及び陰極板に負荷する電圧を変化させ、流出口A2及び流出口B2から流出される電気分解水のpH、酸化還元電位(ORP)及び溶存水素濃度(DH)を測定した。
なお、電極板(陽極及び陰極)及び導電板としては、縦65mm×横50mmの白金板を使用し、陽イオン交換膜としては、デュポン社のナフィオン117(商品名)を使用した。また、イオン発生室A2には、蛇行状の水通路を形成する水案内板を設けた。
原水としては25℃における導電率が8μS/cmの水を使用し、電解質は添加しなかった。また、流入口A1及び流入口A2からの流入量は、それぞれ200cc/minとした。
流出口A2から流出される電気分解水の結果を表1に示し、流出口B2から流出される電気分解水の結果を表2に示す。
Figure 0005282201
Figure 0005282201
表1及び表2から、原水として導電率が8μS/cmの水を用いた場合でも、低電圧で電気分解が効果的に行われ、溶存水素が豊富で酸化還元電位の低い弱酸性の電気分解水を得ることができることが明らかとなった。
また、流出口A1から流出される電気分解水のpH、酸化還元電位(ORP)を表3に示す。
Figure 0005282201
陽極及び陰極を入れ替え(陽極を陰極にし、陰極を陽極にする。)、陽イオン交換膜の代わりに陰イオン交換膜(旭硝子社のセレミオンAMV)を用いる以外は実施例1と同一の条件で、流出口B2から流出される電気分解水のpH及び酸化還元電位(ORP)を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0005282201
表4から、原水として導電率が8μS/cmの水を用いた場合でも、低電圧で電気分解が効果的に行われ、酸化還元電位の高い酸性の電気分解水を得ることができることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. 陽極及び陰極からなる一対の電極板Aと、
    一側の電極板Aの他側の電極板A側に接触して設けられた第1イオン交換膜Aと、
    前記一対の電極板Aの間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Aと、
    該導電板Aの前記一側の電極板A側に接触して設けられた第2イオン交換膜Aと、
    前記一側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A1及び水流出口A1と、
    前記他側の電極板A及び導電板Aの間に設けられた、水流入口A2及び水流出口A2とを備え、
    前記第1イオン交換膜A及び第2イオン交換膜Aは、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜である
    ことを特徴とする電気分解水生成器。
  2. 一側の電極板Aの他側の電極板Aとは反対側に設けられた、他側の電極板Aと同極の電極板Bと、
    前記一側の電極板A及び電極板B間に両電極板からそれぞれ所定間隔をあけて設けられた、電源に接続されていない、多数の微細な孔が穿設された導電板Bと、
    該導電板Bの前記一側の電極板A側に接触して設けられた、前記一側の電極板Aが陽極のとき陽イオン交換膜であり、前記一側の電極板Aが陰極のとき陰イオン交換膜である、イオン交換膜Bと、
    前記一側の電極板A及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A1と連通する水流入口B1及び水流出口B1と、
    前記電極板B及び導電板Bの間に設けられた、水流出口A2と連通する水の流入口B2及び水流出口B2と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気分解水生成器。
  3. 導電板が、他側の電極板と同一の材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気分解水生成器。
  4. 導電板の多数の微細な孔が、メッシュ状又はパンチング状に穿設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の電気分解水生成器。
  5. 電極板が、チタン製白金鍍金板又は白金板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の電気分解水生成器。
  6. 一側の電極板と導電板との間に、イオン交換樹脂を充填したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の電気分解水生成器。
  7. 25℃における導電率が10μS/cmの水を処理できることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の電気分解水生成器。
  8. 水流出口A1又はこれに連通する水流出口から流出する水をドレン水として排出するよう構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の電気分解水生成器。
  9. 一側の電極板を陽極とした請求項1〜8のいずれか記載の電気分解水生成器を用いた電気分解水の製造方法であって、水流出口A2又はこれに連通する水流出口から電気分解水を得ることを特徴とする電気分解水の製造方法。
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