JP2001340855A - アルカリイオン水生成装置及びその生成方法 - Google Patents

アルカリイオン水生成装置及びその生成方法

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JP2001340855A
JP2001340855A JP2000164295A JP2000164295A JP2001340855A JP 2001340855 A JP2001340855 A JP 2001340855A JP 2000164295 A JP2000164295 A JP 2000164295A JP 2000164295 A JP2000164295 A JP 2000164295A JP 2001340855 A JP2001340855 A JP 2001340855A
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gas
electrolytic cell
alkaline ionized
cathode
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Kiyoaki Matsui
清明 松井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリイオン水の生成効率を悪化させる原
因となる二酸化炭素を水中から効率よく除去でき、希望
するpHのアルカリイオン水を、小さなランニングコス
トで得ることができるアルカリイオン水生成装置及びそ
の生成方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のアルカリイオン水生成装置は、
水を電気分解する第一の電解手段と、第一の電解手段で
発生したガスと水とを分離する気液分離手段と、気液分
離手段でガスと分離された水を電気分解してアルカリイ
オン水を得る第二の電解手段と、を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水、井戸水な
どの用水を電気分解することにより、アルカリイオン水
を生成するアルカリイオン水生成装置及びその生成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の「健康ブーム」を反映して、イオ
ン水生成装置が普及しつつある。この装置は、原水とな
る水道水や井戸水などを電解槽内で電気分解して、電解
槽の陽極側から希望するpHの酸性水を、陰極側から希
望するpHのアルカリイオン水を得るものである。酸性
水は化粧水や殺菌洗浄水として、アルカリイオン水は飲
用水として利用される。
【0003】しかしながら原水として地下水を用いた場
合、希望するpHのアルカリイオン水が得られない場合
が多々発生する。これは地下水に含まれる二酸化炭素に
起因する。この理由を以下に説明する。
【0004】二酸化炭素が含まれた水は弱酸で、二酸化
炭素の一部が乖離して下式のように水素イオンと炭酸水
素イオンを生成する。
【0005】 CO2+H2O→H++HCO3 - K=4.5×10-7 (式1) 0.5mg/Lの二酸化炭素が含まれた水のpHは、
5.6まで低下し、二酸化炭素は20%程度乖離した状
態にある。
【0006】一方、水を電解槽で電気分解すると、陰極
及び陽極では以下の反応が起こる。
【0007】 (陰極) 2H2O+2e-→H2+2OH- (式2) (陽極) 2H2O→O2+2H++4e- (式3) 水中には塩化物イオンも存在するので、わずかながら下
記の反応も起こる。
【0008】 2Cl-→Cl2+2e- (式4) 陰極で生成されたOH-は、(式1)に示す乖離した二
酸化炭素のH+と反応し、H2Oとなる。乖離したH+
消費されると、(式1)の乖離平衡が右に傾き、更にH
+の乖離が生じ陰極で生成された水のOH-が消費され、
水中の二酸化炭素が無くなるまでそのpHはアルカリ性
に傾かないことになる。この結果、アルカリイオン水の
生成効率が悪くなり、希望するpHのアルカリイオン水
が得られないことが起こる。そのため、原水に含まれる
二酸化炭素を除去するアルカリイオン水生成装置が提案
されている。
【0009】従来のアルカリイオン水生成装置として
は、特開平10−76268号公報(以下、イ号公報と
呼ぶ)に「アルカリイオン水の生成装置および生成方
法」が開示されている。
【0010】イ号公報に開示のアルカリイオン水生成装
置は、電解槽と、前記電解槽の上流側に設けられた電気
分解によるOH-の生成を促進する電解促進剤を添加す
る手段と、前記添加手段の上流に設けられ原水中の炭酸
水素イオンを除去するイオン交換樹脂層とから構成され
ている。イオン交換樹脂層は、原水から炭酸水素イオン
を吸着除去するとともに、原水にOH-を溶出する。
【0011】また、原水に含まれる二酸化炭素を除去す
るのではなく、原水に含まれる二酸化炭素量を推定し、
それによって消費されると推定されるOH-を余分に生
成するアルカリイオン水生成装置が提案されている。
【0012】従来のこのアルカリイオン水生成装置とし
ては、特開平7−108272号公報(以下、ロ号公報
と呼ぶ)に「連続式イオンリッチ水生成方法および装
置」が開示されている。
【0013】ロ号公報に開示のアルカリイオン水生成装
置は、原水の電気伝導度を測定し、これをもとに原水に
含まれると推定される炭酸水素イオンの量を演算し、こ
の結果から二酸化炭素によって消費されると推定される
OH-と希望するpHを得るために必要なOH-とを得ら
れるだけの電解電力を電解槽に供給し、アルカリイオン
水を得るものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアルカリイオン水生成装置では、以下のような課題
を有していた。
【0015】(1)イ号公報に開示のアルカリイオン水
生成装置は、一般的な塩基性陰イオン交換樹脂(交換容
量を2meq/mlとする)の実用的な交換サイクルを
6ヶ月(6ヶ月間の総通水量を6000Lとする)とす
ると、二酸化炭素が乖離した炭酸水素イオン(当量=6
1.0)を60ppm含んだ水の場合、交換容量から計
算して、およそ3Lの塩基性陰イオン交換樹脂が必要と
なり、大きなスペースを占めるという課題を有してい
た。
【0016】(2)塩基性陰イオン交換樹脂量を、家庭
用の水処理機器として実用的な1L程度にすると、約2
ヶ月に1回の割合で塩基性陰イオン交換樹脂の交換又は
再生を行う必要があり、効率的ではないという課題を有
していた。
【0017】(3)(式1)に示す炭酸の乖離反応は瞬
時に進むものではないので、塩基性陰イオン交換樹脂層
で炭酸水素イオンを除去しても、水中の二酸化炭素が無
くなるまでpHはアルカリ性に傾かないという課題を有
していた。
【0018】(4)ロ号公報に開示のアルカリイオン水
生成装置は、(式1)に示す炭酸の乖離反応が瞬時に進
むものではないので、電解直後のpHが非常に高く、汲
み置いた後で徐々に所定のpHに落ち着くため、最適な
pHの水を得ることが難しいという課題を有していた。
【0019】(5)原水には炭酸水素イオン以外の塩化
物イオン等のイオンも含まれるため、電気伝導度への寄
与は炭酸のみではないので、測定された原水の電気伝導
度は実際の炭酸水素イオンの濃度を反映したものとはな
らず、設定のpH以上の電解電力を電解槽に供給し、設
定よりも高いpHのアルカリイオン水を生成してしまう
可能性があるという課題を有していた。
【0020】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、アルカリイオン水の生成効率を悪化させる原因とな
る二酸化炭素を水中から効率よく除去でき、希望するp
Hのアルカリイオン水を、小さなランニングコストで得
ることができるアルカリイオン水生成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0021】また、本発明は上記従来の課題を解決する
もので、アルカリイオン水の生成効率を悪化させる原因
となる二酸化炭素を水中から効率よく除去でき、希望す
るpHのアルカリイオン水を、小さなランニングコスト
で得ることができるアルカリイオン水の生成方法を提供
することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明のアルカリイオン水生成装置は、水を電
気分解する第一の電解手段と、第一の電解手段で発生し
たガスと水とを分離する気液分離手段と、気液分離手段
でガスと分離された水を電気分解してアルカリイオン水
を得る第二の電解手段と、を備えた構成を有している。
【0023】この構成により、アルカリイオン水の生成
効率を悪化させる原因となる二酸化炭素を水中から効率
よく除去でき、希望するpHのアルカリイオン水を、小
さなランニングコストで得ることができるアルカリイオ
ン水生成装置を提供することができる。
【0024】また、上記従来の課題を解決するために本
発明のアルカリイオン水の生成方法は、水を第一の電解
槽で電気分解して水中にガスを発生させ、気液分離膜に
てガスを除去した後、再度第二の電解槽で電気分解して
アルカリイオン水を得るという構成を有している。
【0025】この構成により、アルカリイオン水の生成
効率を悪化させる原因となる二酸化炭素を水中から効率
よく除去でき、希望するpHのアルカリイオン水を、小
さなランニングコストで得ることができるアルカリイオ
ン水の生成方法を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、水を電気分解する第一の電解手段と、第一の電解手
段で発生したガスと水を分離する気液分離手段と、気液
分離手段でガスと分離された水を電気分解してアルカリ
イオン水を得る第二の電解手段と、を備えた構成を有し
ている。
【0027】この構成により、電気分解により生成した
水素や酸素のガス中に水中の二酸化炭素を取り込み気液
分離膜で除去するので、多量の電解電流や外部からガス
を加圧注入するという大掛かりなシステムを必要としな
いで、小さなランニングコストで二酸化炭素を水中から
除去でき、希望するpHのアルカリイオン水を得ること
ができるという作用を有する。
【0028】なお、第一の電解手段に備えられた電極の
表面には微小な凹凸を設けておくことが望ましい。電極
表面の微小な凹凸は微細水素や酸素の気泡を発生させ、
表面積の大きな微細な気泡は二酸化炭素の取り込みを容
易にするからである。
【0029】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載のアルカリイオン水生成装置であって、第一の
電解手段が、気液分離手段の上流側に配置された通水方
向に略直交した通水性を有する第一の電極と、第一の電
極の上流側に配置された第一の電極と対向する通水性を
有する第二の電極と、第一の電極と第二の電極に挟まれ
た通水性の絶縁体と、を備えた構成を有している。
【0030】この構成により、請求項1の作用に加え、
以下の作用を有する。
【0031】(1)第一の電極および第二の電極が気液
分離手段の上流側に配置されているため、電気分解によ
って発生したガスは速やかに気液分離手段に送られ、二
酸化炭素を水中から除去できる。
【0032】(2)通水性を有する第一の電極および第
二の電極が通水性を有する絶縁体を介して通水方向に略
直交して配設されているため、電解槽内の電極間距離を
短くかつ安定に維持できるので、水が効率よく電気分解
され、少ない電流で多量のガスを発生させることができ
る。
【0033】ここで、通水性を有する電極としては、多
孔質チタン、チタンをベースに触媒としての白金をめっ
き或いは焼成により被着した繊維によって形成されたシ
ートなどが用いられる。さらに、通水性を有する絶縁体
としては、アルミナやシリカ系の無機物多孔質体、ポリ
エチレンやポリプロピレンのビーズを溶着成形した有機
物多孔質体等が用いられる。
【0034】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載のアルカリイオン水生成装置であって、第一の
電解手段が陽極を備えた室と陰極を備えた室とに隔てる
隔膜を備え、陰極を備えた室に生成された水を気液分離
手段へ供給する手段を備えたことを特徴とする構成を有
している。
【0035】この構成により、請求項1の作用に加え、
以下の作用を有する。
【0036】(1)第一の電解槽で生成されて消費され
なかったOH-を含む陰極側の水のみを第二の電解槽に
送り込むため、第二の電解時の電解電流が少なくてもあ
らかじめ設定したpH値のアルカリイオン水を得ること
ができる。
【0037】(2)陽極側に生成した塩素ガスがアルカ
リイオン水の中に漏れるおそれがない。
【0038】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
3に記載のアルカリイオン水生成装置であって、隔膜が
陽イオン交換膜で、陽イオン交換膜の一方面に多孔質の
陽極が他方面に多孔質の陰極が取り付けられていること
を特徴とする構成を有している。
【0039】この構成により、請求項3の作用に加え、
電解槽内の電極間距離を短くかつ安定に維持できるの
で、効率良く水の電気分解を行うことができ、少ない電
流で多量のガスを発生でき、二酸化炭素の系外への排出
が容易になるという作用を有する。
【0040】ここで、陽イオン交換膜は、電極と直接接
触するため強酸及び強アルカリに耐え得るフッ素系の交
換樹脂であるNafion(DuPontの商品名)が
用いられる。また、陽イオン交換膜に取り付ける多孔質
の電極は、多孔質チタンをベースに触媒としての白金を
めっき或いは焼成により被着したもの等が用いられ、陽
イオン交換膜の表面に被着ないしは接着されたものが望
ましい。
【0041】本発明の請求項5に記載の発明は、水を第
一の電解槽で電気分解して水中にガスを発生させ、気液
分離膜にてガスを除去した後、再度第二の電解槽で電気
分解してアルカリイオン水を得ることを特徴とする構成
を有している。
【0042】この構成により、電気分解により生成した
水素や酸素のガス中に水中の二酸化炭素を取り込み、こ
れを気液分離膜で除去するので、小さなランニングコス
トで二酸化炭素を水中から除去でき、希望するpHのア
ルカリイオン水を得ることができるという作用を有す
る。
【0043】以下、本発明の一実施の形態について、図
を参照しながら説明する。
【0044】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1におけるアルカリイオン水生成装置の概要を示す図
である。
【0045】図中、1は活性炭部と中空糸膜部から構成
された浄水カートリッジ、2はチタンをベースに、触媒
としての白金をめっき或いは焼成により被着した第一の
電解槽の陽極3及び第一の電解槽の陰極4をもつ第一の
電解槽であり、第一の電解槽の陽極3及び第一の電解槽
の陰極4は互いに対向して配置されている。5は気液分
離カートリッジ、6はミネラル添加塔、7は第二の電解
槽の隔膜10によって第二の電解槽の陰極9を含む陰極
室と第二の電解槽の陽極8を含む陽極室とに分けられた
第二の電解槽である。
【0046】以上のように構成された本実施の形態1に
おけるアルカリイオン水生成装置について、以下にその
動作を説明する。
【0047】浄水カートリッジ1に供給された原水は、
浄水カートリッジ1の活性炭部を通過する間に残留塩素
が分解され、THM等の消毒副生成物やシマジンやチウ
ラム等の残留農薬及び2−MIB等の臭気物質が除去さ
れ、浄水カートリッジ1の中空糸膜部を通過する間に、
微細な濁り成分や細菌類を濾過される。
【0048】浄水カートリッジ1を通過した水は第一の
電解槽2に供給され、第一の電解槽の陽極3と第一の電
解槽の陰極4の間に電位を印加すると電気分解されて、
第一の電解槽の陰極4から水素ガスが、第一の電解槽の
陽極3から酸素ガスが生成される。また、一般的な用水
には若干の塩化物イオンが含まれているので、第一の電
解槽の陽極3からはわずかながら塩素ガスも生成する。
【0049】ここで、第一の電解槽2に供給された水中
の二酸化炭素の挙動について、図5、図6及び(式1)
を用いて以下に説明する。図5は水中の二酸化炭素濃度
と水のpHとの関係を示す図であり、図6は水のpHと
水中での二酸化炭素の形態を示す図である。
【0050】図5では、水中の二酸化炭素濃度が大気と
の平衡濃度である0.5mg/Lのとき、水のpHは
5.6に低下することが示される。このように水中に溶
け込んだ二酸化炭素は、その水のpHの値を下げる。ま
た、二酸化炭素の多い地下水では、二酸化炭素濃度とし
て最高60mg/L(as CaCO3)が想定され
(日本水道協会発行;水道統計 水質編 平成5年度版
より)、さらにpHの低下が予想される。
【0051】しかし、水中には水酸基を含む水酸化物や
炭酸塩等のアルカリ分が含まれており、それらのアルカ
リ分と炭酸が中和されるので、結局pH値は6.5程度
を示すことになる。
【0052】次に、図6から、pH6.5の水中に溶存
した二酸化炭素は、その約60%が炭酸水素イオン(H
CO3 -)としてイオン化しており、40%が二酸化炭素
(CO2)として水中に留まっていることが示される。
このpHでは炭酸イオン(CO3 2-)はまだ存在しな
い。
【0053】水中に溶存する二酸化炭素は、電気分解に
より生成された水素、酸素、塩素のガス中に速やかに取
り込まれる。水中から二酸化炭素が減少すると(式1)
の平衡は左に傾き、炭酸水素イオンが炭酸(CO2)の
形態となり更にガス中に取り込まれる。残った炭酸水素
イオンは電気分解により生成した水酸イオン(OH-
により中和される。
【0054】炭酸を取り込んだ水素、酸素、塩素等の微
小気泡を含んだ水は、気液分離カートリッジ5へ送られ
る。
【0055】気液分離カートリッジ5(例えば大日本イ
ンキ製脱気膜;SEPAREL PF−001D)は、
外径185μm、内径110μm程度の中空状の管を多
数束ねた構造となっている。中空状の管の側壁には微小
な孔が多数空いており、中空状の管の一方から入った水
に含まれる気泡は、水が中空状の管の他方から抜ける間
に、管の側壁の微小な孔を通して外部に抜ける。この孔
を通過する溶存ガスの比率は、大気中に含まれるガス比
率に関係し、大気中にほとんど含まれていない水素や塩
素は、この孔を通過して容易に大気中へ移動する。酸素
も、そのガス比率が大気の20%程度であるため、速や
かに大気中へ移動する。水素、酸素、塩素等の微小気泡
に取り込まれた炭酸も、この孔を通過して容易に大気中
へ移動し、アルカリイオン水生成装置の系外へ除去され
る。なお、除去効率を向上させるため、気相をロータリ
ーポンプあるいはアスピレータ等を使って減圧する場合
もある。
【0056】気液分離カートリッジ5を通って炭酸を含
むガスが除去された水は、ミネラル添加塔6で乳酸カル
シウムあるいはグリセロリン酸カルシウム等のカルシウ
ム成分を注入され、第二の電解槽7に送られる。水は第
二の電解槽7で再度電気分解され、第二の電解槽の陰極
9側の水はアルカリイオン水として、第二の電解槽の陽
極8側の水は酸性水として分離取水される。
【0057】以上のように本実施の形態1におけるアル
カリイオン水生成装置は構成されているので、第一の電
解槽2では水の電気分解により生成した水素や酸素のガ
ス中に水中の二酸化炭素を取り込むことができ、第二の
電解槽7では気液分離膜でガスが除去された水を電気分
解するため、小さい電解電流で希望するpHのアルカリ
イオン水を得ることができるという作用を有する。
【0058】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2における第一の電解手段及び気液分離手段の概要
を示す図である。なお、第一の電解手段及び気液分離手
段以外の構成は、実施の形態1で説明したものと同様な
ので、その説明は省略する。
【0059】図中、2aは第一の電解槽、11は第一の
電解槽の陽極又は陰極、12は第一の電解槽の陰極又は
陽極、13は第一の電解槽の陰極又は陽極12と第一の
電解槽の陽極又は陰極11とを隔てる通水性を有する第
一の電解槽の多孔質絶縁体、5は気液分離カートリッジ
である。通水方向は上向流とする。第一の電解槽2a
を、気液分離カートリッジ5の上流側である略下方に配
置し、流水方向に略直交して第一の電解槽の陽極又は陰
極11と第一の電解槽の陰極又は陽極12を配置する。
【0060】ここで、本実施の形態における第一の電解
槽2aが有する第一の電解槽の陰極又は陽極12は平板
なプレートで通水路の入り口に取り付けられ、その中央
部に通水のための開口部が設けられている。第一の電解
槽の陽極又は陰極11は表面に触媒の白金をめっきで形
成した多孔質チタン等であり、水の移動や気泡の移動を
妨げない構造とする。第一の電解槽の陽極又は陰極11
と第一の電解槽の陰極又は陽極12を分離する目的で、
アルミナやシリカ系の無機物多孔質体、ポリエチレンや
ポリプロピレンのビーズを溶着成形した有機物多孔質体
等の通水性を有する第一の電解槽の多孔質絶縁体13を
配置する。これにより第一の電解槽の陽極又は陰極11
と第一の電解槽の陰極又は陽極12の間で発生した水素
や酸素の気泡は、第一の電解槽2a内の空間で混ざり合
い、気液分離カートリッジ5に流入する。二酸化炭素を
含む気泡は、気液分離カートリッジ5から系外に排出さ
れる。
【0061】以上のように本実施の形態2におけるアル
カリイオン水生成装置は構成されているので、第一の電
解槽の電気分解によって多量のガスを発生させることが
でき、発生したガスは速やかに気液分離手段に送られ二
酸化炭素を水中から除去できるので、第二の電解槽では
小さい電解電流で希望するpHのアルカリイオン水を得
ることができるという作用を有する。
【0062】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3におけるアルカリイオン水生成装置の概要を示す
図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様の
ものは、同一の符号を付して説明は省略する。
【0063】図中、2bは第一の電解槽の隔膜14によ
って第一の電解槽の陰極4を含む陰極室と第一の電解槽
の陽極3を含む陽極室とに分けられた第一の電解槽であ
る。
【0064】以上のように構成されたアルカリイオン水
生成装置について、以下その動作を説明する。
【0065】浄水カートリッジ1を通って浄化された原
水は、第一の電解槽の隔膜14で隔てられた第一の電解
槽2bの第一の電解槽の陰極4を含む陰極室と、第一の
電解槽の陽極3を含む陽極室と、に分けて供給される。
陰極室と陽極室への水の供給比率は、陰極室(9)に対
し陽極室(1)程度とする。陽極室に供給する水の比率
を低く抑えているのは、第1の電解槽2bの主目的が、
積極的にアルカリイオン水を造るのではなく、ガスを発
生させ、かつ、第一の電解槽の陽極3に発生する可能性
のある塩素ガスを除去するのが目的であるためである。
【0066】第一の電解槽の陰極4と第一の電解槽の陽
極3の間に電位を印加すると、陽極室では酸素及び塩素
が生成される。酸素及び塩素を含む水は、第二の電解槽
7の陽極室から排出される水と合わされて、排出ないし
は化粧水、殺菌洗浄水として利用される。
【0067】また、印加された電位により陰極室では水
素が生成され、この微細気泡に溶存した二酸化炭素が取
り込まれる。陰極室から排出された水は、原水が二酸化
炭素の少ない水である場合、アルカリ性となるが、原水
が二酸化炭素の多い水である場合や二酸化炭素が中和さ
れるほどの大電流を流さない場合、ほぼ中性となる。陰
極室から排出された水のみ、気液分離カートリッジ5に
送られ、水に含まれる二酸化炭素は、気液分離カートリ
ッジ5で水素とともに系外に排出される。
【0068】以上のように本実施の形態3におけるアル
カリイオン水生成装置は構成されているので、以下のよ
うな作用を有する。
【0069】(1)原水よりもOH-濃度の高い第一の
電解槽2bの陰極室から排出された水のみを第二の電解
槽7に供給するため、効率よくアルカリイオン水を得る
ことができる。
【0070】(2)第一の電解槽2bの第一の電解槽の
陽極3に生成した塩素ガスは第二の電解槽7に供給され
ないため、第二の電解槽7では塩素ガスを含まないアル
カリイオン水を得ることができる。
【0071】(実施の形態4)図4は、本発明の実施の
形態4における第一電解手段の概要を示す図である。な
お、第一電解手段以外の構成は実施の形態3に示したも
のと同様なので、その説明は省略する。
【0072】図中、2cは第一の電解槽、15は陽イオ
ン交換膜、3aは陽イオン交換膜15の一方面に取り付
けられた多孔質状あるいは格子状の第一の電解槽の陽
極、4aは陽イオン交換膜15の他方面に取り付けられ
た多孔質状あるいは格子状の第一の電解槽の陰極であ
り、ここでは、第一の電解槽の陽極3a及び第一の電解
槽の陰極4aは表面に触媒の白金をめっきで形成した多
孔質チタンを用いている。
【0073】以上のように本実施の形態4におけるアル
カリイオン水生成装置は構成されているので、陽極と陰
極の間隔を短くかつ安定に維持でき水の電気分解の効率
を高めることができ、特に地下水のような炭酸を主に含
む電気伝導度の小さな水でも効率良く電極から微細気泡
を発生させ、気液分離手段で二酸化炭素を水中から除去
できるので、第二の電解槽では小さい電解電流で希望す
るpHのアルカリイオン水を得ることができるという作
用を有する。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明のアルカリイオン
水生成装置及びその生成方法によれば、以下のような有
利な効果が得られる。
【0075】請求項1に記載の発明によれば、電気分解
により生成した水素や酸素のガス中に水中の二酸化炭素
を取り込み気液分離膜で除去するので、多量の電解電流
や外部からガスを加圧注入するという大掛かりなシステ
ムを必要としないで、小さなランニングコストで二酸化
炭素を水中から除去でき、希望するpHのアルカリイオ
ン水を得ることができるアルカリイオン水生成装置を提
供することができる。
【0076】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)第一の電極および第二の電極が気液分離手段の上
流側に配置されているため、電気分解によって発生した
ガスは速やかに気液分離手段に送られ、二酸化炭素を水
中から除去できるアルカリイオン水生成装置を提供する
ことができる。
【0077】(2)通水性を有する第一の電極および第
二の電極が通水性を有する絶縁体を介して通水方向に略
直交して配設されているため、電解槽内の電極間距離を
短くかつ安定に維持でき、水が効率よく電気分解され、
少ない電流で多量のガスを発生させることができ、効率
よく二酸化炭素を水中から除去できるアルカリイオン水
生成装置を提供することができる。
【0078】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
の効果に加え、 (1)第一の電解槽で生成されて消費されなかったOH
-を含む陰極側の水のみを第二の電解槽に送り込むた
め、第二の電解時の電解電流が少なくてもあらかじめ設
定したpH値のアルカリイオン水を得ることができるア
ルカリイオン水生成装置を提供することができる。
【0079】(2)陽極側に生成した塩素ガスがアルカ
リイオン水に漏れるおそれがないアルカリイオン水生成
装置を提供することができる。
【0080】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の効果に加え、電解槽内の電極間距離を短くかつ安定に
維持できるので、効率良く水の電気分解を行うことがで
き、少ない電流で多量のガスを発生でき、容易に炭酸の
系外への排出ができるアルカリイオン水生成装置を提供
することができる。
【0081】請求項5に記載の発明によれば、電気分解
により生成した水素や酸素のガス中に水中の二酸化炭素
を取り込み、これを気液分離膜で除去するので、小さな
ランニングコストで二酸化炭素を水中から除去でき、希
望するpHのアルカリイオン水を得ることができるアル
カリイオン水生成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアルカリイオン
水生成装置の概要を示す図
【図2】本発明の実施の形態2における第一の電解手段
および気液分離手段の概要を示す図
【図3】本発明の実施の形態3におけるアルカリイオン
水生成装置の概要を示す図
【図4】本発明の実施の形態4における第一の電解手段
の概要を示す図
【図5】水中の二酸化炭素濃度と水のpHとの関係を示
す図
【図6】水のpHと水中での二酸化炭素の形態を示す図
【符号の説明】
1 浄水カートリッジ 2、2a、2b、2c 第一の電解槽 3、3a 第一の電解槽の陽極 4、4a 第一の電解槽の陰極 5 気液分離カートリッジ 6 ミネラル添加塔 7 第二の電解槽 8 第二の電解槽の陽極 9 第二の電解槽の陰極 10 第二の電解槽の隔膜 11 第一の電解槽の陽極又は陰極 12 第一の電解槽の陰極又は陽極 13 第一の電解槽の多孔質絶縁体 14 第一の電解槽の隔膜 15 陽イオン交換膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を電気分解する第一の電解手段と、前記
    第一の電解手段で発生したガスと水を分離する気液分離
    手段と、前記気液分離手段でガスと分離された水を電気
    分解してアルカリイオン水を得る第二の電解手段と、を
    備えていることを特徴とするアルカリイオン水生成装
    置。
  2. 【請求項2】前記第一の電解手段が、前記気液分離手段
    の上流側に配置された通水方向に略直交した通水性を有
    する第一の電極と、前記第一の電極の上流側に配置され
    た前記第一の電極と対向する通水性を有する第二の電極
    と、前記第一の電極と前記第二の電極に挟まれた通水性
    の絶縁体と、を備えていることを特徴とする請求項1に
    記載のアルカリイオン水生成装置。
  3. 【請求項3】前記第一の電解手段が陽極を備えた室と陰
    極を備えた室とに隔てる隔膜を備え、前記陰極を備えた
    室に生成された水を前記気液分離手段へ供給する手段を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載のアルカリイオ
    ン水生成装置。
  4. 【請求項4】前記隔膜が陽イオン交換膜で、前記陽イオ
    ン交換膜の一方面に多孔質の陽極が他方面に多孔質の陰
    極が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記
    載のアルカリイオン水生成装置。
  5. 【請求項5】水を第一の電解槽で電気分解して水中にガ
    スを発生させ、気液分離膜にてガスを除去した後、再度
    第二の電解槽で電気分解してアルカリイオン水を得るこ
    とを特徴とするアルカリイオン水の生成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008525166A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 ジ・オーストラリアン・ナショナル・ユニバーシティー 導電率の増大と電解及び電気化学プロセスの向上

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