JP2004166667A - 防草シートおよびその敷設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に敷設することができ、風圧による防草シートの破損を防止することができるる防草シートとその敷設方法を提供する。
【解決手段】防草機能を備えたシート本体2を有し、該シート本体2はその縁部2aの全体または一部が折り返されて形成された筒状部3を有し、該筒状部3には線状体4が挿入されている防草シート1を敷設する方法であって、防草シート1を地面5上に敷いた後に、前記防草シート1の上面から、前記線状体4に跨がって固定手段6を地面5に差し込み、前記防草シート1を地面5に固定して敷設する。
【選択図】 図2
【解決手段】防草機能を備えたシート本体2を有し、該シート本体2はその縁部2aの全体または一部が折り返されて形成された筒状部3を有し、該筒状部3には線状体4が挿入されている防草シート1を敷設する方法であって、防草シート1を地面5上に敷いた後に、前記防草シート1の上面から、前記線状体4に跨がって固定手段6を地面5に差し込み、前記防草シート1を地面5に固定して敷設する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雑草の発芽成長を防止する防草シートおよびその地面への敷設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、都市や建造物などの周囲の美観を維持するために、各種の除草手段が講じられてきた。例えば、カッターなどで雑草を切除する方法、あるいは除草剤を用いて枯らしてしまう方法などがある。しかしながら、カッターを用いる方法は、切除作業に人件費を要し、また、除草剤を用いる方法は周囲の環境へ悪影響を及ぼすという問題があった。
【0003】
そこで、高い防草効果を有する防草シートが開発されてきた。防草シートには、遮光性を有して雑草の発芽を抑える機能、耐貫通性を有して残存している芽が地表に出てくるのを阻止する機能、さらに、透水・通気性を有して土壌環境を保持し、かつ、シート上に水溜まりが生じて歩行を妨げることのない機能が求められている。
【0004】
従来の防草シートには、単なる熱可塑性プラスチックシートからなるもののほか、例えば、以下のようなものがある。即ち、
1)圧接接着により得られた合成繊維長繊維不織布からなり、高い貫通抵抗により耐貫通性を有するもの(例えば、特許文献1参照。)。
2)ニードルパンチ処理による三次元交絡構造を有する長繊維不織布の片面に微多孔構造を設けて透水性を有するようにした樹脂層を積層したものからなり、優れた耐磨耗性を有するもの(例えば、特許文献2参照。)。
3)不織布、織物などからなる補強用シートの少なくとも一方の面に合成樹脂製の遮光性フィルムがラミネートされた積層シートからなり、遮光性を有するものであって、必要に応じて多数の貫通する排水穴を設けたもの(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
上述の防草シートを地面に敷設する際には、風で捲れないように固定する必要がある。特に、鉄道、道路などの交通施設や変電所などの近辺では、安全上の観点から防草シートが風で飛ばされないに、防草シートを確実に地面に固定することが重要である。
従来、防草シートは以下の方法で地面に固定され、敷設されていた。即ち、
1)防草シートの上に砂利を敷いたり、重しとして石や煉瓦などを置き、押さえる。
2)防草シートの上から釘や杭などを打ち込み、固定する。
3)穴を開けた鉄板で防草シートを上から押さえ、前記穴に杭などを打ち込み、固定する。
【0006】
【特許文献1】特公平4−052727号公報
【特許文献2】特開平9−248070号公報
【特許文献3】特開平9−099980号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の防草シートを地面に固定し、敷設する方法には、以下のような問題があった。即ち、
1)第1の方法は、斜面に適用することができなかった。また、第1の方法では、景観上も好ましくない場合があり、さらに、敷設に砂利敷きのための重機や重労力を要した。
2)第2の方法では、釘や杭などの地面への固定強度(土中からの引き抜き力)が十分であっても、防草シートが破損して、釘や杭などの押さえが効かなくなることがあった。
3)第3の方法では、鉄板の穴の下の土中に砂利や石などがあると、杭などを打ち込むことができなくなり、打ち込み位置を変える必要が生じる。その場合には、敷設現場で鉄板に穴をあけるために、穴あけ加工機材を搬入し、加工する手間が生じる。
また、平板の鉄板で防草シートを押さえると、地面に凹凸がある場合には、防草シートを地面の凹凸に沿って押さえることができず、地面と防草シートの間に間隙が生じ、この間隙に吹き込んだ風の風圧により防草シートが破損することがあった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決し、施工性、固定強度に優れ、凹凸のある地面や斜面などの広域な施工環境に対応できる防草シートおよびその敷設方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されていることを特徴とする防草シートである。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている防草シートの敷設方法であって、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られていることを特徴とする防草シートである。また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記はと目がポリカーボネートからなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られている防草シートの敷設方法であって、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記はと目を通してヘッドを有する固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記固定手段はポリオレフィンからなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、請求項7記載の発明は、地面上に敷かれた防草シートの上面に帯状の押さえ板を載せ、該押さえ板に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。
【0014】
請求項1記載の発明による防草シートは、防草機能を備えたシート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている。したがって、請求項2記載の発明のように、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込むことにより、凹凸のある地面や斜面などにも間隙を小さくし、砂利や石などを避けて、前記防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
【0015】
また、請求項3記載の発明による防草シートは、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られているため、請求項5記載の発明のように、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記はと目を通してヘッドを有する固定手段を地面に差し込むことにより、凹凸のある地面や斜面などにも間隙を小さくし、前記防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
なお、請求項4記載のように、前記はと目がポリカーボネートからなり、また、請求項6のように、前記固定手段がポリオレフィンからなると、前記はと目と固定手段を焼却廃棄しても有害ガスが発生しないため、これらを可燃ゴミとして処理することができる。
【0016】
さらに、請求項7記載の発明によれば、地面上に敷かれた防草シートの上面に帯状の押さえ板を載せ、該押さえ板に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定する。したがって、従来のように押さえ板に穴を開け、前記穴に杭などの固定手段を打ち込んで固定する場合と異なり、押さえ板に穴を開ける必要がなく、また固定手段を地面に差し込む位置を比較自由に選択することができるので、土中の砂利や石のある部分を避けて固定手段を地面に差し込むことができ、防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる防草シート1の一実施形態の斜視図である。
図1において、2は防草機能を備えたシート本体であり、低密度ポリエチレン製のシート(厚さ1mm、幅1000mm)からなる。なお、シート本体2を構成する低密度ポリエチレンは、耐候性を考慮して、少なくともカーボンが0.5%配合された黒色の低密度ポリエチレンであることが望ましい。シート本体2は長手方向の両縁部2aが折り返されて溶着され、(図1では、片側の縁部2aのみを図示)、筒状部3が形成されている。
前記筒状部3には、高密度ポリエチレン製のロープからなる線状体4が挿入されている。線状体4は、引張り強度が1000N以上であり、耐候性および耐水性を有するものが望ましい。
【0018】
本実施形態が従来例と異なる特徴的なことは、シート本体2の縁部2aに筒状部3が形成されて、前記筒状部3に線状体4が挿入されていることである。
【0019】
本実施形態の防草シート1は、以下のようにして敷設する。即ち、
1)図2(a)に示すように、地面5上に防草シート1を敷く。
2)次いで、防草シート1の筒状部3に挿入された線状体4に跨がって、亜鉛メッキされた鉄製の又釘状の固定手段6を防草シート1の上から地面5に差し込む。固定手段6を地面5に差し込む間隔は、例えば図2(b)に示すように、両縁部2aの長手方向に500mmの間隔とする。
【0020】
本実施形態によれば、防草シート1の筒状部3に挿入された線状体4に跨がって、固定手段6を地面5に差し込むため、施工性に優れる。
また、固定手段6を地面5に差し込む間隔を適切にすることにより、凹凸のある地面にも地面5と防草シート1の間の間隙が小さくなるように敷設することができるため、風圧により防草シート1が破損するのを防ぐことができる。
さらに、固定手段6で固定する位置を線状体4にそって変えることができるので、砂利や石などのある部分を避けて固定することができ、また、固定手段6の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができる。
【0021】
なお、上記実施形態において、筒状部3は一本の長いものである必要はなく、複数個の短いものを設けてもよい。また、筒状部3はシート本体2の縁部2aの全体に設ける必要はなく、少なくとも長方形の一辺など必要に応じて設ければよい。また、線状体4はロープ状に撚ったものに限定されることはない。
さらに、固定手段6は又釘状ないしアンカー状のもので、UないしV字状の形状をして線状体4を跨ぐ形状をして、地面に差し込めるものであればよい。
【0022】
図3は防草シート1の他の実施形態の斜視図である。
本実施形態の防草シート1は、図3に示すように、低密度ポリエチレン製のシート(厚さ1mm、幅1000mm)からなるシート本体2の長手方向の両縁部2aが折り返されて溶着され、そこの2層となった部分に500mmの間隔でポリカーボネイト製のはと目7が取付られたものである。
【0023】
本実施形態の防草シート1は、図4(a)、(b)に示すように、地面5上に敷いた後に、ヘッド8aを有する釘状のポリプロピレン製の固定手段8をはと目7を通して地面5に差し込むことにより固定し、敷設する。
本実施形態では、はと目7がポリカーボネイト製であり、固定手段8がポリプロピレン製であるため、前記はと目7と固定手段8は燃焼時に有害ガスを発生することがない。したがって、本実施形態の防草シート1は、廃棄時に固定手段8とともに、可燃ゴミとして処理することができる。
なお、固定手段8の材料としては、燃焼時にいおける有害ガスの発生を防ぐために、ポリプロピレンのほかにポリエチレンなどのポリオレフィンを使用してもよい。
【0024】
上述の二つの実施形態の防草シート1はシート本体2の縁部2aを折り曲げているが、シート本体2をそのままの状態で防草シート1とし、固定するように敷設してもよい。
即ち、図5(a)、(b)に示すように、厚さ1mm、幅1000mmの塩化ビニール製の防草シート1の四辺の縁部1aの上に、縁部1aに沿って、穴あけ加工を施してない鋼板(例えば厚さ3mm、幅19mm)からなる帯状の押さえ板9を載置し、押さえ板9を跨がるように両端の曲がった鎹状の固定手段10を防草シート1を通して地面5に所望の間隔(例えば500mm)で差し込み、防草シート1を固定する。なお、押さえ板9は防錆のために、亜鉛メッキを施した鋼板を用いる。
【0025】
この場合、固定手段10を地面に差し込む位置は押さえ板9に沿った位置であれば特に制限されないため、地面5の砂利や石のある部分を避けることができ、また、固定手段10の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができる。なお、押さえ板9には穴を開けるなどの加工を施す必要はない。
【0026】
なお、シート本体2は、上記実施形態のように、ポリエチレンや塩化ビニールのほか、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができ、電線被覆材をリサイクルした樹脂を用いると、強度および耐候性に優れたものになる。また、シート本体2は上記樹脂シートに不織布を接着したもの、もしくは前記の特許文献1に示される不織布単体でもよく、さらに、樹脂シートの表面にエンボス加工を施して凹凸形状を設けて、歩行する場合の滑り止めとしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の防草シートを請求項2記載の敷設方法で敷設し、また請求項3記載の防草シートを請求項5記載の敷設方法で敷設すると、重しとなる砂利などの運搬が不要になり、容易に敷設することができ、また、凹凸のある地面に沿って敷設しても風圧により防草シートの破損を防止することができるという優れた効果がある。
また、請求項1記載の防草シートを請求項2記載の敷設方法で敷設し、また、請求項7記載の敷設方法で敷設すると、地面の砂利や石などのある部分を避けて固定することができ、また、固定手段の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができるという優れた効果がある。
さらに、請求項4記載の防草シートを請求項6記載の敷設方法で敷設すると、廃棄時に可燃ゴミとして処理することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防草シートの一実施形態の斜視図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ、上記実施形態の防草シートを敷設した状態の断面図および平面図である。
【図3】他の実施形態の防草シートの断面図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ、図3に示した防草シートを敷設した状態の断面図および平面図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ、防草シートの敷設方法のさらなる他の実施形態の断面図および平面図である。
【符号の説明】
1 防草シート
1a,2a 縁部
2 シート本体
3 筒状部
4 線状体
5 地面
6、8、10 固定手段
7 はと目
8a ヘッド
9 押さえ板
【発明の属する技術分野】
本発明は、雑草の発芽成長を防止する防草シートおよびその地面への敷設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、都市や建造物などの周囲の美観を維持するために、各種の除草手段が講じられてきた。例えば、カッターなどで雑草を切除する方法、あるいは除草剤を用いて枯らしてしまう方法などがある。しかしながら、カッターを用いる方法は、切除作業に人件費を要し、また、除草剤を用いる方法は周囲の環境へ悪影響を及ぼすという問題があった。
【0003】
そこで、高い防草効果を有する防草シートが開発されてきた。防草シートには、遮光性を有して雑草の発芽を抑える機能、耐貫通性を有して残存している芽が地表に出てくるのを阻止する機能、さらに、透水・通気性を有して土壌環境を保持し、かつ、シート上に水溜まりが生じて歩行を妨げることのない機能が求められている。
【0004】
従来の防草シートには、単なる熱可塑性プラスチックシートからなるもののほか、例えば、以下のようなものがある。即ち、
1)圧接接着により得られた合成繊維長繊維不織布からなり、高い貫通抵抗により耐貫通性を有するもの(例えば、特許文献1参照。)。
2)ニードルパンチ処理による三次元交絡構造を有する長繊維不織布の片面に微多孔構造を設けて透水性を有するようにした樹脂層を積層したものからなり、優れた耐磨耗性を有するもの(例えば、特許文献2参照。)。
3)不織布、織物などからなる補強用シートの少なくとも一方の面に合成樹脂製の遮光性フィルムがラミネートされた積層シートからなり、遮光性を有するものであって、必要に応じて多数の貫通する排水穴を設けたもの(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
上述の防草シートを地面に敷設する際には、風で捲れないように固定する必要がある。特に、鉄道、道路などの交通施設や変電所などの近辺では、安全上の観点から防草シートが風で飛ばされないに、防草シートを確実に地面に固定することが重要である。
従来、防草シートは以下の方法で地面に固定され、敷設されていた。即ち、
1)防草シートの上に砂利を敷いたり、重しとして石や煉瓦などを置き、押さえる。
2)防草シートの上から釘や杭などを打ち込み、固定する。
3)穴を開けた鉄板で防草シートを上から押さえ、前記穴に杭などを打ち込み、固定する。
【0006】
【特許文献1】特公平4−052727号公報
【特許文献2】特開平9−248070号公報
【特許文献3】特開平9−099980号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の防草シートを地面に固定し、敷設する方法には、以下のような問題があった。即ち、
1)第1の方法は、斜面に適用することができなかった。また、第1の方法では、景観上も好ましくない場合があり、さらに、敷設に砂利敷きのための重機や重労力を要した。
2)第2の方法では、釘や杭などの地面への固定強度(土中からの引き抜き力)が十分であっても、防草シートが破損して、釘や杭などの押さえが効かなくなることがあった。
3)第3の方法では、鉄板の穴の下の土中に砂利や石などがあると、杭などを打ち込むことができなくなり、打ち込み位置を変える必要が生じる。その場合には、敷設現場で鉄板に穴をあけるために、穴あけ加工機材を搬入し、加工する手間が生じる。
また、平板の鉄板で防草シートを押さえると、地面に凹凸がある場合には、防草シートを地面の凹凸に沿って押さえることができず、地面と防草シートの間に間隙が生じ、この間隙に吹き込んだ風の風圧により防草シートが破損することがあった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決し、施工性、固定強度に優れ、凹凸のある地面や斜面などの広域な施工環境に対応できる防草シートおよびその敷設方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、請求項1記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されていることを特徴とする防草シートである。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている防草シートの敷設方法であって、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られていることを特徴とする防草シートである。また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記はと目がポリカーボネートからなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られている防草シートの敷設方法であって、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記はと目を通してヘッドを有する固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記固定手段はポリオレフィンからなることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、請求項7記載の発明は、地面上に敷かれた防草シートの上面に帯状の押さえ板を載せ、該押さえ板に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法である。
【0014】
請求項1記載の発明による防草シートは、防草機能を備えたシート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている。したがって、請求項2記載の発明のように、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込むことにより、凹凸のある地面や斜面などにも間隙を小さくし、砂利や石などを避けて、前記防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
【0015】
また、請求項3記載の発明による防草シートは、防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られているため、請求項5記載の発明のように、地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記はと目を通してヘッドを有する固定手段を地面に差し込むことにより、凹凸のある地面や斜面などにも間隙を小さくし、前記防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
なお、請求項4記載のように、前記はと目がポリカーボネートからなり、また、請求項6のように、前記固定手段がポリオレフィンからなると、前記はと目と固定手段を焼却廃棄しても有害ガスが発生しないため、これらを可燃ゴミとして処理することができる。
【0016】
さらに、請求項7記載の発明によれば、地面上に敷かれた防草シートの上面に帯状の押さえ板を載せ、該押さえ板に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定する。したがって、従来のように押さえ板に穴を開け、前記穴に杭などの固定手段を打ち込んで固定する場合と異なり、押さえ板に穴を開ける必要がなく、また固定手段を地面に差し込む位置を比較自由に選択することができるので、土中の砂利や石のある部分を避けて固定手段を地面に差し込むことができ、防草シートを容易にかつ強固に固定し敷設することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる防草シート1の一実施形態の斜視図である。
図1において、2は防草機能を備えたシート本体であり、低密度ポリエチレン製のシート(厚さ1mm、幅1000mm)からなる。なお、シート本体2を構成する低密度ポリエチレンは、耐候性を考慮して、少なくともカーボンが0.5%配合された黒色の低密度ポリエチレンであることが望ましい。シート本体2は長手方向の両縁部2aが折り返されて溶着され、(図1では、片側の縁部2aのみを図示)、筒状部3が形成されている。
前記筒状部3には、高密度ポリエチレン製のロープからなる線状体4が挿入されている。線状体4は、引張り強度が1000N以上であり、耐候性および耐水性を有するものが望ましい。
【0018】
本実施形態が従来例と異なる特徴的なことは、シート本体2の縁部2aに筒状部3が形成されて、前記筒状部3に線状体4が挿入されていることである。
【0019】
本実施形態の防草シート1は、以下のようにして敷設する。即ち、
1)図2(a)に示すように、地面5上に防草シート1を敷く。
2)次いで、防草シート1の筒状部3に挿入された線状体4に跨がって、亜鉛メッキされた鉄製の又釘状の固定手段6を防草シート1の上から地面5に差し込む。固定手段6を地面5に差し込む間隔は、例えば図2(b)に示すように、両縁部2aの長手方向に500mmの間隔とする。
【0020】
本実施形態によれば、防草シート1の筒状部3に挿入された線状体4に跨がって、固定手段6を地面5に差し込むため、施工性に優れる。
また、固定手段6を地面5に差し込む間隔を適切にすることにより、凹凸のある地面にも地面5と防草シート1の間の間隙が小さくなるように敷設することができるため、風圧により防草シート1が破損するのを防ぐことができる。
さらに、固定手段6で固定する位置を線状体4にそって変えることができるので、砂利や石などのある部分を避けて固定することができ、また、固定手段6の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができる。
【0021】
なお、上記実施形態において、筒状部3は一本の長いものである必要はなく、複数個の短いものを設けてもよい。また、筒状部3はシート本体2の縁部2aの全体に設ける必要はなく、少なくとも長方形の一辺など必要に応じて設ければよい。また、線状体4はロープ状に撚ったものに限定されることはない。
さらに、固定手段6は又釘状ないしアンカー状のもので、UないしV字状の形状をして線状体4を跨ぐ形状をして、地面に差し込めるものであればよい。
【0022】
図3は防草シート1の他の実施形態の斜視図である。
本実施形態の防草シート1は、図3に示すように、低密度ポリエチレン製のシート(厚さ1mm、幅1000mm)からなるシート本体2の長手方向の両縁部2aが折り返されて溶着され、そこの2層となった部分に500mmの間隔でポリカーボネイト製のはと目7が取付られたものである。
【0023】
本実施形態の防草シート1は、図4(a)、(b)に示すように、地面5上に敷いた後に、ヘッド8aを有する釘状のポリプロピレン製の固定手段8をはと目7を通して地面5に差し込むことにより固定し、敷設する。
本実施形態では、はと目7がポリカーボネイト製であり、固定手段8がポリプロピレン製であるため、前記はと目7と固定手段8は燃焼時に有害ガスを発生することがない。したがって、本実施形態の防草シート1は、廃棄時に固定手段8とともに、可燃ゴミとして処理することができる。
なお、固定手段8の材料としては、燃焼時にいおける有害ガスの発生を防ぐために、ポリプロピレンのほかにポリエチレンなどのポリオレフィンを使用してもよい。
【0024】
上述の二つの実施形態の防草シート1はシート本体2の縁部2aを折り曲げているが、シート本体2をそのままの状態で防草シート1とし、固定するように敷設してもよい。
即ち、図5(a)、(b)に示すように、厚さ1mm、幅1000mmの塩化ビニール製の防草シート1の四辺の縁部1aの上に、縁部1aに沿って、穴あけ加工を施してない鋼板(例えば厚さ3mm、幅19mm)からなる帯状の押さえ板9を載置し、押さえ板9を跨がるように両端の曲がった鎹状の固定手段10を防草シート1を通して地面5に所望の間隔(例えば500mm)で差し込み、防草シート1を固定する。なお、押さえ板9は防錆のために、亜鉛メッキを施した鋼板を用いる。
【0025】
この場合、固定手段10を地面に差し込む位置は押さえ板9に沿った位置であれば特に制限されないため、地面5の砂利や石のある部分を避けることができ、また、固定手段10の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができる。なお、押さえ板9には穴を開けるなどの加工を施す必要はない。
【0026】
なお、シート本体2は、上記実施形態のように、ポリエチレンや塩化ビニールのほか、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができ、電線被覆材をリサイクルした樹脂を用いると、強度および耐候性に優れたものになる。また、シート本体2は上記樹脂シートに不織布を接着したもの、もしくは前記の特許文献1に示される不織布単体でもよく、さらに、樹脂シートの表面にエンボス加工を施して凹凸形状を設けて、歩行する場合の滑り止めとしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の防草シートを請求項2記載の敷設方法で敷設し、また請求項3記載の防草シートを請求項5記載の敷設方法で敷設すると、重しとなる砂利などの運搬が不要になり、容易に敷設することができ、また、凹凸のある地面に沿って敷設しても風圧により防草シートの破損を防止することができるという優れた効果がある。
また、請求項1記載の防草シートを請求項2記載の敷設方法で敷設し、また、請求項7記載の敷設方法で敷設すると、地面の砂利や石などのある部分を避けて固定することができ、また、固定手段の引抜強度(土質による)に応じてその差し込み間隔を任意に変更することができるという優れた効果がある。
さらに、請求項4記載の防草シートを請求項6記載の敷設方法で敷設すると、廃棄時に可燃ゴミとして処理することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防草シートの一実施形態の斜視図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ、上記実施形態の防草シートを敷設した状態の断面図および平面図である。
【図3】他の実施形態の防草シートの断面図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ、図3に示した防草シートを敷設した状態の断面図および平面図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ、防草シートの敷設方法のさらなる他の実施形態の断面図および平面図である。
【符号の説明】
1 防草シート
1a,2a 縁部
2 シート本体
3 筒状部
4 線状体
5 地面
6、8、10 固定手段
7 はと目
8a ヘッド
9 押さえ板
Claims (7)
- 防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されていることを特徴とする防草シート。
- 防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体はその縁部の全体または一部が折り返されて形成された筒状部を有し、該筒状部には線状体が挿入されている防草シートの敷設方法であって、
地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記線状体に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法。 - 防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られていることを特徴とする防草シート。
- 前記はと目はポリカーボネートからなることを特徴とする請求項3記載の防草シート。
- 防草機能を備えたシート本体を有し、該シート本体の所望箇所にはと目が取付られている防草シートの敷設方法であって、
地面上に敷かれた前記防草シートの上面から、前記はと目を通してヘッドを有する固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法。 - 前記固定手段はポリオレフィンからなることを特徴とする請求項5記載の防草シートの敷設方法。
- 地面上に敷かれた防草シートの上面に帯状の押さえ板を載せ、該押さえ板に跨がって固定手段を地面に差し込み、前記防草シートを地面に固定することを特徴とする防草シートの敷設方法。
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