JP2004164213A - 自動取引装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動取引装置において、電子ジャーナルの信頼性を向上する。
【解決手段】ATMにおいて取引内容を電子ジャーナルとして記録する。また、定期的にこの電子ジャーナルをCD−Rなどの記録媒体にバックアップする。
ATMは、新規の媒体に記録された最初のレコードを管理する先頭ポインタ、媒体に既に記録済みのレコードを管理する追記ポインタ、電子ジャーナルの最後のレコードを管理するライトポインタを保持している。バックアップ時には、追記ポインタ以降のデータを媒体に追記するが、その途中でエラーが生じた場合には、媒体を交換または初期化して先頭ポインタ以降のレコードを再書込する。こうすることで、バックアップ時のエラーによって、媒体に既に記録済みのレコードまで消失した場合でも、再バックアップを行うことができ、バックアップの信頼性が向上する。
【選択図】 図2
【解決手段】ATMにおいて取引内容を電子ジャーナルとして記録する。また、定期的にこの電子ジャーナルをCD−Rなどの記録媒体にバックアップする。
ATMは、新規の媒体に記録された最初のレコードを管理する先頭ポインタ、媒体に既に記録済みのレコードを管理する追記ポインタ、電子ジャーナルの最後のレコードを管理するライトポインタを保持している。バックアップ時には、追記ポインタ以降のデータを媒体に追記するが、その途中でエラーが生じた場合には、媒体を交換または初期化して先頭ポインタ以降のレコードを再書込する。こうすることで、バックアップ時のエラーによって、媒体に既に記録済みのレコードまで消失した場合でも、再バックアップを行うことができ、バックアップの信頼性が向上する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客の操作によって取引を行う自動取引装置において、取引の内容を電子ジャーナルとして管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
金融機関等で顧客に対する入出金に自動取引装置(以下、ATMという)が使用されている。ATMでは、顧客の操作、キャッシュカードや通帳から読み取った情報を用いて種々の取引を実行する。取引の内容、例えば、顧客の氏名、口座番号、取引日時などの情報は、ATMに内蔵されたプリンタで、ジャーナル用紙に印字記録されている。近年では、このような紙媒体でのジャーナルの他、特許文献1〜4に開示されている通り、取引内容をハードディスク等に電子的に記録した電子ジャーナルの活用も提案されている。特許文献5は、電子ジャーナルを磁気テープに自動的に保存する技術を開示している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−68339号公報
【特許文献2】
特開平9−161130号公報
【特許文献3】
特開平9−35126号公報
【特許文献4】
特開平11−283125号公報
【特許文献5】
特開平5−342077号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子ジャーナルのバックアップ用の記録媒体については、情報の読み書きの容易さ、情報を長期間保存する信頼性を考慮して、CD−R、DVDなど光ディスクの活用が望まれている。しかし、これらの記録媒体では、既にデータが記録された状態で、新たにデータを追記する際に、書き込みエラーが生じると、追記分のデータのみならず、従前に記録済みのデータも読み取り不能となる場合があった。かかる場合には、自動取引装置内に電子ジャーナルの原データが残っていたとしても、記録媒体に再バックアップが必要となる範囲を特定することが困難となり、データの保存漏れが生じる可能性があった。
【0005】
かかる課題は、現金の自動取引装置に限らず、電子ジャーナルで取引内容を記録する自動取引装置において、電子ジャーナルのバックアップを行う際に共通であった。また、光ディスクに限らず、書き込みエラーに起因して記録済みのデータが読み取り不能となる可能性がある記録媒体に共通の課題であった。本発明は、かかる課題を解決するためになされ、電子ジャーナルのバックアップの信頼性を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、顧客の操作に基づいて取引を行う自動取引装置において、取引の内容を電子ジャーナルとして電子的に記録する。また、情報を電子的に記録する取り外し可能な記録媒体に対して、情報の読み書きを行うための記録媒体取扱部を備え、記録媒体に電子ジャーナルのバックアップを行う。自動取引装置は、バックアップに先立って、記録媒体に既に記録されている電子ジャーナルの範囲を特定するための範囲データを取得しておく。
【0007】
こうすることにより、バックアップ時に異常が生じた場合には、この範囲データに基づき、既に記録されていた電子ジャーナルも含めて、バックアップを再実行することができる。この結果、電子ジャーナルのバックアップの信頼性を向上することができる。
【0008】
本発明において記録媒体としては、CD−R、DVDなどの光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、フレキシブルディスクなどを用いることができる。記録媒体取扱部には、これらの記録媒体のドライブ、および記録媒体に読み書きするための制御信号を出力する端子などが含まれる。本発明は、特に、データの書込時の異常によって、既に記録されているデータの読み出しも不能となる記録体を使用する際に、有用である。
【0009】
範囲データとしては、種々のデータを活用することができる。例えば、電子ジャーナルにおいて、各取引に対応した複数のレコードが自動取引装置に取引順に時系列的に記録されている場合には、各レコードを特定するためのアドレスやポインタなどのデータ、特に、記録媒体に最初に記録されたレコードに対応するアドレス等を範囲データとして用いることができる。範囲データとして、電子ジャーナルのうち、記録媒体に記録済みのレコードに、「記録済み」を意味するフラグを付しても良い。
【0010】
本発明の自動取引装置は、範囲データを保持可能とすることが好ましい。こうすることにより、範囲データを外部から入力等する必要なく、自動取引装置が自律的に書込異常時の対処を行うことが可能となる。
【0011】
例えば、電子ジャーナルが記録されていない新規の記録媒体へのバックアップを開始する際に、記録媒体に最初に記録されるレコードを特定するアドレス等を範囲データとして保持しておくことが好ましい。こうすることにより、自動で適切な範囲データの設定を行うことができる。
【0012】
本発明において、範囲データは、バックアップの際に、自動取引装置外からの指示、例えば、管理者による入力や通信回線を介しての受信などによって取得するようにしてもよい。また、バックアップに使用される記録媒体から読み込むものとしてもよい。これらの態様においては、各レコードを一義的に特定可能な識別情報を付して電子ジャーナルを記録するようにし、この識別情報を範囲データとして利用することが好ましい。アドレス等のように自動取引装置内のデータ格納位置と無関係の情報を用いることにより、メンテナンスのため自動取引装置内の電子ジャーナルを一部消去した場合でも、適正な範囲データを容易に維持することができる。
【0013】
本発明において、バックアップ時にエラーが生じた場合の対処は、記録媒体の種類によって種々の方法が可能である。例えば、記録媒体が書き換え可能な媒体である場合には、記録媒体の初期化を行ってバックアップを再実行する方法を採ることができる。記録媒体が書き換え不能な媒体である場合には、異常が生じた記録媒体を新規な記録媒体に交換することを促し、交換が行われた後で、バックアップの再実行を行う方法を採ることができる。これらの処理は、必ずしも記録媒体の種類を判断する必要はなく、例えば、自動取引装置が書き換え不能な記録媒体しか扱い得ない場合には、無条件に後者の態様を実行すればよい。
【0014】
本発明は、自動取引装置としての構成の他、自動取引装置の制御方法、電子ジャーナルのバックアップ方法などの態様で構成してもよい。また、かかる制御またはバックアップを実現するためのコンピュータプログラム、およびかかるコンピュータプログラムを記録した記録媒体など、種々の態様で構成することができる。ここで、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記録装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記録装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.全体構成:
B.機能ブロック:
C.電子ジャーナルのデータ構造:
D.バックアップ処理:
E.変形例:
【0016】
A.全体構成:
図1は実施例としての現金自動取引装置(以下、ATMと称する)200の概略構成を示す説明図である。ATM200は顧客の操作に応じて現金の入出金や振込などの取引を自動で行う装置である。
【0017】
図中に破線で示す通り、ATM200は、取引に使用する種々のユニットを備えている。カード取扱機構230は、いわゆるキャッシュカードなど金融機関で使用される種々の磁気ストライプカードに記録された情報を読みとる。これらのカードには、金融機関番号、科目、顧客の口座番号などが所定のフォーマットで記録されており、この情報は、取引対象となる口座の特定、顧客の認証などに用いられる。通帳取扱機構240は、通帳の磁気ストライプカードに記録された情報を読み取ったり、通帳に入出金の記録を印字したりする。
【0018】
タッチパネル270は、取引のための情報表示および顧客の操作入力を行うためのインタフェースである。タッチパネル270は、ディスプレイと押しボタンスイッチなどの組み合わせで代替してもよい。
【0019】
顧客との紙幣の授受は、紙幣取扱機構260によって行われる。入金時には、紙幣取扱機構260は、顧客が挿入した紙幣を鑑別し、金種ごとに分類して保管する。出金時には、紙幣取扱機構260は、顧客の指示した金額分の紙幣を繰り出し、入出金口から顧客に受け渡す。紙幣取扱機構260は、入金された紙幣を出金にも使用する環流型を用いても良いし、非環流型を用いてもよい。
【0020】
各ユニットの動作は、制御ユニット210によって制御される。制御ユニット210は、内部にCPU、メモリ、ハードディスクを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御ユニット210は、ネットワークを通じて、ホストコンピュータ100と通信する機能も有している。また、制御ユニット210は、取引内容を電子ジャーナルとして内部のハードディスクに記録する機能も有している。また、電子ジャーナルのバックアップを取るために、CD−Rドライブも有している。
【0021】
ATM200は、背面扉に管理者がメンテナンスを行うためのインタフェースとなるメンテナンスパネル250を有している。メンテナンスパネルは、タッチパネルで構成されており、各ユニットの動作状態を表示したり、各ユニットの動作に関する設定を受け付けたりする。
【0022】
ATM200には、ここで説明した他にも種々のユニットを搭載可能である。例えば、取引結果を印刷した明細書を発行するための明細書取扱機構を備えても良い。また、取引内容を紙媒体としてのジャーナルとして保存するための機構、即ち、ジャーナルプリンタおよび用紙の供給機構などを備えても良い。
【0023】
B.機能ブロック:
図1にATM200の機能ブロックを併せて示した。本実施例では、ATM200の機能ブロックは、制御ユニット210のメモリ内に各機能を実現するためのプログラムを記録しておくことにより、ソフトウェア的に構築した。これらの機能ブロックは、それぞれハードウェア的に構築することも可能である。
【0024】
制御ユニット210内には、図示する通り、主制御部220の制御下で動作する種々の機能ブロックが備えられている。タッチパネル制御部211は、タッチパネル270の動作を制御し、情報の表示や顧客操作の入力を行う。カード機構制御部212はカード取扱機構230を制御し、通帳機構制御部213は通帳取扱機構240を制御する。
【0025】
メンテナンスパネル制御部214は、メンテナンスパネル250を制御し、ATM210の動作状態等を表示したり、管理者の操作に基づいて動作設定を受け付けたりする。入出金制御部218は、紙幣取扱機構260を制御し、顧客が挿入した紙幣の保管、顧客が指定した金額に相当する紙幣の出金を行う。
【0026】
ホスト通信部217は、ホストコンピュータ100との通信を制御する。例えば、取引時には、顧客の口座番号、暗証番号、取引金額などを通信する。
【0027】
ジャーナル管理部215は、取引内容を電子ジャーナルとしてジャーナル記録部216に保存する機能を奏する。電子ジャーナルには、取引を行った顧客の氏名、口座番号、取引日時、入金や出金など取引の科目、取引金額など取引内容に関する種々の情報が記録される。
【0028】
バックアップ制御部219は、CD−Rドライブを制御して、ジャーナル記録部216に記憶された電子ジャーナルをCD−Rにバックアップする。電子ジャーナルは、各取引に対応したレコードの集合体である。ジャーナル記録部216への記録およびバックアップすべきレコードは、ジャーナル管理部215に保持される先頭ポインタ215a、追記ポインタ215b、ラストポインタ215cによって制御される。これらのポインタの意味については、後述する。
【0029】
C.電子ジャーナルのデータ構造:
図2は電子ジャーナルのデータ構造を示す説明図である。ジャーナル記録部216に記録された状態を模式的に示した。
【0030】
電子ジャーナルは、各取引に対応した取引レコードが時系列的に配列された構造を有している。図中では、取引レコード(1)、取引レコード(2)…の順に古い取引を表している。各取引レコードには、取引を行った口座番号、取引科目、取引金額、取引日時などの情報が記録されている。
【0031】
先に説明した通り、ATM200では、CD−Rに、電子ジャーナルのバックアップを行う。ジャーナル記録部216の電子ジャーナルは、バックアップが完了したからといって、直ちに消去される訳ではなく、記憶容量が許す限り、保存される。従って、電子ジャーナルには、媒体に記録済みのレコード(図中の取引データ(1)〜取引データ(B))と、未記録のレコード(取引データ(B+1)以降)とが混在する。また、記録済みのレコードには、既に記録が完了してクローズされた媒体に記録されたレコード(図中の取引データ(1)〜取引データ(A))と、現在追記中の媒体に記録されたレコード(図中の取引データ(A+1)以降)とが存在する。
【0032】
先頭ポインタは、現在の媒体に最初に記録されたレコードを特定するデータである。図中の例では、取引データ(A+1)を特定するデータが先頭ポインタとなる。追記ポインタは、現在の媒体に新たに追記すべきレコードを特定するデータである。本実施例では、バックアップが完了した最後のレコード、図中の取引データ(B)を特定するデータを追記ポインタとした。ライトポインタは、電子ジャーナルの最後のレコードを特定するデータである。図中の例では、取引データ(C)がライトポインタとなる。
【0033】
先頭ポインタは、バックアップを行うための媒体が交換される度に、更新される。追記ポインタは、媒体へのバックアップが完了する度に、更新される。ライトポインタは、ATMでの取引が完了し、電子ジャーナルに新たなレコードが記録される度に、更新される。
【0034】
D.バックアップ処理:
図3はバックアップ処理のフローチャートである。ATMの制御ユニット210がCD−Rへの電子ジャーナルのバックアップを行うための処理である。本実施例では、この処理を1週間に1度の割合で定期的に行うものとした。所定回数の取引が行われた時点で行うものとしてもよいし、管理者の指示等に応じて行うものとしてもよい。
【0035】
処理が開始されると、制御ユニット210は、図2に示した各ポインタを読み込む(ステップS10)。次に、CD−Rドライブに挿入されている媒体が、使用中の媒体か、未使用の新規媒体かの確認を行う(ステップS11)。
【0036】
新規媒体であると判断された場合には(ステップS12)、「追記ポインタ+1」、即ち、追記ポインタの次のレコードに、先頭ポインタを更新する(ステップS13)。新規媒体でない場合には、この処理をスキップする。
【0037】
次に、制御ユニット210は、媒体への追記処理を行う(ステップS14)。この処理では、追記ポインタが指すレコードの次のレコードから、ライトポインタが指すレコードまでを、媒体に追記する。
【0038】
制御ユニット210は、この追記中にエラーの有無を監視しており、エラーが発生した場合には(ステップS15)、先頭ポインタの取引レコードから再書込を行う(ステップS16)。CD−Rでは、書込時にエラーが生じた場合、既に記録されているデータも含めて、読み出し不能となる可能性が高く、これによって、先頭ポインタが指すレコード以降のレコードのバックアップが消失する可能性が高い。制御ユニット210は、この消失に対処するため、書込エラー時には、再書込を行うのである。
【0039】
CD−Rは、書き換え不能な媒体であるため、制御ユニット210は、使用中の媒体を一旦排出し、管理者に新規媒体の挿入を促す画面をメンテナンスパネル250に表示する。管理者が新規媒体を挿入したことを確認して、レコードの再書込を実行する。ATMが管理者不在の状況で自動的にバックアップを行っている際に、エラーが生じた場合には、併せてホストコンピュータ100に「書込エラーの発生」を通知することが好ましい。
【0040】
CD−RWなど、書き換え可能な媒体をバックアップに使用している場合には、その媒体の初期化を行って、再書込を実行するようにしてもよい。この場合には、媒体の交換を要さず再書込を実行可能となる利点がある。書き換え不能な媒体、書き換え可能な媒体の双方を取扱可能なドライブを搭載している場合には、挿入されている媒体がいずれのタイプかを判断して、媒体の交換/初期化のいずれかを実行すればよい。
【0041】
再書込または追記処理が正常に終了すると、ライトポインタが指しているレコードまでのバックアップが完了したことになる。従って、制御ユニット210は、追記ポインタの値をライトポインタが指すレコードに更新して(ステップS17)、バックアップ処理を完了する。
【0042】
以上で説明した実施例のATMによれば、電子ジャーナルのバックアップ時に、書込エラーが生じた場合でも、媒体に記録済みのレコード全体を再バックアップすることができるため、バックアップの信頼性を向上することができる。
【0043】
E.変形例:
図4は変形例としてのバックアップ処理のフローチャートである。制御ユニット210が実行する処理である。変形例では、管理者の操作の下でバックアップする場合を例示する。この処理は、管理者がメンテナンスパネル250で、「バックアップ開始」メニューを選択することで開始される。
【0044】
処理が開始されると、制御ユニット210はバックアップを行う媒体の挿入を指示する画面をメンテナンスパネル250に表示する(ステップS20)。管理者が媒体を挿入すると、制御ユニット210は、その内容を確認し、結果をメンテナンスパネル250に表示する(ステップS250)。
【0045】
図中に、確認結果の表示画面例を示した。マス中の209〜302は、電子ジャーナルに保存されているレコードのシリアル番号を表している。制御ユニット210は、ライトポインタを記憶しているから、レコードとともに、各ポインタを確認画面に表示する。
【0046】
変形例では、先頭ポインタ、追記ポインタについては、制御ユニット210は管理せず、次の方法によって挿入された媒体の情報に基づいて特定するものとした。まず、制御ユニット210は、挿入された媒体の情報を読み込むことにより、媒体に記録されているレコードのシリアル番号を認識する。先頭のレコードのシリアル番号は先頭ポインタと同等の情報であり、最後のレコードのシリアル番号は追記ポインタと同等の情報である。こうして、先頭ポインタおよび追記ポインタが特定されると、制御ユニット210は、これらのポインタを画面に表示する。また、図中にハッチングで示すように、媒体に記録されているレコードを強調表示する。
【0047】
先頭ポインタ、追記ポインタを制御ユニット210で管理しても構わないが、このように媒体の情報に基づいて特定するものとすれば、制御ユニット210でこれらの情報を保持する必要がなくなる。また、媒体に現実に記録されている情報と、制御ユニット210が管理している先頭ポインタ等の情報との齟齬を回避することができる。
【0048】
変形例では、確認画面に指示ポインタを併せて表示するものとした。指示ポインタは、バックアップすべき最後のレコードを管理者が特定するためのポインタである。管理者は、指示ポインタの値を増減することにより、電子ジャーナルの一部だけをバックアップすることが可能となる。図中では、レコード300までバックアップする例を示した。指示ポインタを活用することにより、例えば、取引日が異なるレコードを別の媒体に分ける等、バックアップの実用性を向上することができる。
【0049】
変形例では、媒体に記録された情報に基づいてこれらのポインタを特定するため、新規媒体を挿入した時点では、適正な先頭ポインタ、追記ポインタが設定されない。かかる場合に備え、変形例では、先頭ポインタ、追記ポインタも管理者が入力可能とした。これらのポインタを管理者が入力可能とすることにより、新規媒体の挿入時には、取引日の切れ目など任意のレコードからバックアップを行うことが可能となり、バックアップの実用性を向上することができる。
【0050】
制御ユニット210は、上述した確認画面による各ポインタの設定を入力し(ステップS22)、このポインタに基づいて、追記処理を実行する(ステップS23)。処理中にエラーが発生した場合には(ステップS24)、実施例と同様、先頭ポインタの取引レコードから再書込処理を行って(ステップS25)、バックアップ処理を完了する。制御ユニット210は追記ポインタの管理を行わないため、追記ポインタの更新処理は不要である。
【0051】
変形例の処理によっても、実施例と同様、バックアップの信頼性を向上することができる。
【0052】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以上の制御処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。
【0053】
実施例では、CD−RドライブがATMに内蔵されているものとして説明したが、記録媒体用のドライブをATMに接続してバックアップする構成としてもよい。本発明は、現金自動取引装置に限らず、取引内容を電子ジャーナルとして保存する種々の自動取引装置に適用可能である。
【0054】
本実施例では、書込時にエラーが生じた場合には、無条件に先頭ポインタ以降のレコードを再書込するものとしたが、再書込に先立って、記録媒体に記録済みのレコードが読取可能な否かをチェックしてもよい。読取不能と判断された場合にのみ再書込を行うものとすれば、無用な再書込を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての現金自動取引装置(以下、ATMと称する)200の概略構成を示す説明図である。
【図2】電子ジャーナルのデータ構造を示す説明図である。
【図3】バックアップ処理のフローチャートである。
【図4】変形例としてのバックアップ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
100…ホストコンピュータ
200…ATM
210…制御ユニット
211…タッチパネル制御部
212…カード機構制御部
213…通帳機構制御部
214…メンテナンスパネル制御部
215…ジャーナル管理部
215a…先頭ポインタ
215b…追記ポインタ
215c…ラストポインタ
216…ジャーナル記録部
217…ホスト通信部
218…入出金制御部
219…バックアップ制御部
220…主制御部
230…カード取扱機構
240…通帳取扱機構
250…メンテナンスパネル
260…紙幣取扱機構
270…タッチパネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客の操作によって取引を行う自動取引装置において、取引の内容を電子ジャーナルとして管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
金融機関等で顧客に対する入出金に自動取引装置(以下、ATMという)が使用されている。ATMでは、顧客の操作、キャッシュカードや通帳から読み取った情報を用いて種々の取引を実行する。取引の内容、例えば、顧客の氏名、口座番号、取引日時などの情報は、ATMに内蔵されたプリンタで、ジャーナル用紙に印字記録されている。近年では、このような紙媒体でのジャーナルの他、特許文献1〜4に開示されている通り、取引内容をハードディスク等に電子的に記録した電子ジャーナルの活用も提案されている。特許文献5は、電子ジャーナルを磁気テープに自動的に保存する技術を開示している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−68339号公報
【特許文献2】
特開平9−161130号公報
【特許文献3】
特開平9−35126号公報
【特許文献4】
特開平11−283125号公報
【特許文献5】
特開平5−342077号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子ジャーナルのバックアップ用の記録媒体については、情報の読み書きの容易さ、情報を長期間保存する信頼性を考慮して、CD−R、DVDなど光ディスクの活用が望まれている。しかし、これらの記録媒体では、既にデータが記録された状態で、新たにデータを追記する際に、書き込みエラーが生じると、追記分のデータのみならず、従前に記録済みのデータも読み取り不能となる場合があった。かかる場合には、自動取引装置内に電子ジャーナルの原データが残っていたとしても、記録媒体に再バックアップが必要となる範囲を特定することが困難となり、データの保存漏れが生じる可能性があった。
【0005】
かかる課題は、現金の自動取引装置に限らず、電子ジャーナルで取引内容を記録する自動取引装置において、電子ジャーナルのバックアップを行う際に共通であった。また、光ディスクに限らず、書き込みエラーに起因して記録済みのデータが読み取り不能となる可能性がある記録媒体に共通の課題であった。本発明は、かかる課題を解決するためになされ、電子ジャーナルのバックアップの信頼性を向上することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、顧客の操作に基づいて取引を行う自動取引装置において、取引の内容を電子ジャーナルとして電子的に記録する。また、情報を電子的に記録する取り外し可能な記録媒体に対して、情報の読み書きを行うための記録媒体取扱部を備え、記録媒体に電子ジャーナルのバックアップを行う。自動取引装置は、バックアップに先立って、記録媒体に既に記録されている電子ジャーナルの範囲を特定するための範囲データを取得しておく。
【0007】
こうすることにより、バックアップ時に異常が生じた場合には、この範囲データに基づき、既に記録されていた電子ジャーナルも含めて、バックアップを再実行することができる。この結果、電子ジャーナルのバックアップの信頼性を向上することができる。
【0008】
本発明において記録媒体としては、CD−R、DVDなどの光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、フレキシブルディスクなどを用いることができる。記録媒体取扱部には、これらの記録媒体のドライブ、および記録媒体に読み書きするための制御信号を出力する端子などが含まれる。本発明は、特に、データの書込時の異常によって、既に記録されているデータの読み出しも不能となる記録体を使用する際に、有用である。
【0009】
範囲データとしては、種々のデータを活用することができる。例えば、電子ジャーナルにおいて、各取引に対応した複数のレコードが自動取引装置に取引順に時系列的に記録されている場合には、各レコードを特定するためのアドレスやポインタなどのデータ、特に、記録媒体に最初に記録されたレコードに対応するアドレス等を範囲データとして用いることができる。範囲データとして、電子ジャーナルのうち、記録媒体に記録済みのレコードに、「記録済み」を意味するフラグを付しても良い。
【0010】
本発明の自動取引装置は、範囲データを保持可能とすることが好ましい。こうすることにより、範囲データを外部から入力等する必要なく、自動取引装置が自律的に書込異常時の対処を行うことが可能となる。
【0011】
例えば、電子ジャーナルが記録されていない新規の記録媒体へのバックアップを開始する際に、記録媒体に最初に記録されるレコードを特定するアドレス等を範囲データとして保持しておくことが好ましい。こうすることにより、自動で適切な範囲データの設定を行うことができる。
【0012】
本発明において、範囲データは、バックアップの際に、自動取引装置外からの指示、例えば、管理者による入力や通信回線を介しての受信などによって取得するようにしてもよい。また、バックアップに使用される記録媒体から読み込むものとしてもよい。これらの態様においては、各レコードを一義的に特定可能な識別情報を付して電子ジャーナルを記録するようにし、この識別情報を範囲データとして利用することが好ましい。アドレス等のように自動取引装置内のデータ格納位置と無関係の情報を用いることにより、メンテナンスのため自動取引装置内の電子ジャーナルを一部消去した場合でも、適正な範囲データを容易に維持することができる。
【0013】
本発明において、バックアップ時にエラーが生じた場合の対処は、記録媒体の種類によって種々の方法が可能である。例えば、記録媒体が書き換え可能な媒体である場合には、記録媒体の初期化を行ってバックアップを再実行する方法を採ることができる。記録媒体が書き換え不能な媒体である場合には、異常が生じた記録媒体を新規な記録媒体に交換することを促し、交換が行われた後で、バックアップの再実行を行う方法を採ることができる。これらの処理は、必ずしも記録媒体の種類を判断する必要はなく、例えば、自動取引装置が書き換え不能な記録媒体しか扱い得ない場合には、無条件に後者の態様を実行すればよい。
【0014】
本発明は、自動取引装置としての構成の他、自動取引装置の制御方法、電子ジャーナルのバックアップ方法などの態様で構成してもよい。また、かかる制御またはバックアップを実現するためのコンピュータプログラム、およびかかるコンピュータプログラムを記録した記録媒体など、種々の態様で構成することができる。ここで、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記録装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記録装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.全体構成:
B.機能ブロック:
C.電子ジャーナルのデータ構造:
D.バックアップ処理:
E.変形例:
【0016】
A.全体構成:
図1は実施例としての現金自動取引装置(以下、ATMと称する)200の概略構成を示す説明図である。ATM200は顧客の操作に応じて現金の入出金や振込などの取引を自動で行う装置である。
【0017】
図中に破線で示す通り、ATM200は、取引に使用する種々のユニットを備えている。カード取扱機構230は、いわゆるキャッシュカードなど金融機関で使用される種々の磁気ストライプカードに記録された情報を読みとる。これらのカードには、金融機関番号、科目、顧客の口座番号などが所定のフォーマットで記録されており、この情報は、取引対象となる口座の特定、顧客の認証などに用いられる。通帳取扱機構240は、通帳の磁気ストライプカードに記録された情報を読み取ったり、通帳に入出金の記録を印字したりする。
【0018】
タッチパネル270は、取引のための情報表示および顧客の操作入力を行うためのインタフェースである。タッチパネル270は、ディスプレイと押しボタンスイッチなどの組み合わせで代替してもよい。
【0019】
顧客との紙幣の授受は、紙幣取扱機構260によって行われる。入金時には、紙幣取扱機構260は、顧客が挿入した紙幣を鑑別し、金種ごとに分類して保管する。出金時には、紙幣取扱機構260は、顧客の指示した金額分の紙幣を繰り出し、入出金口から顧客に受け渡す。紙幣取扱機構260は、入金された紙幣を出金にも使用する環流型を用いても良いし、非環流型を用いてもよい。
【0020】
各ユニットの動作は、制御ユニット210によって制御される。制御ユニット210は、内部にCPU、メモリ、ハードディスクを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御ユニット210は、ネットワークを通じて、ホストコンピュータ100と通信する機能も有している。また、制御ユニット210は、取引内容を電子ジャーナルとして内部のハードディスクに記録する機能も有している。また、電子ジャーナルのバックアップを取るために、CD−Rドライブも有している。
【0021】
ATM200は、背面扉に管理者がメンテナンスを行うためのインタフェースとなるメンテナンスパネル250を有している。メンテナンスパネルは、タッチパネルで構成されており、各ユニットの動作状態を表示したり、各ユニットの動作に関する設定を受け付けたりする。
【0022】
ATM200には、ここで説明した他にも種々のユニットを搭載可能である。例えば、取引結果を印刷した明細書を発行するための明細書取扱機構を備えても良い。また、取引内容を紙媒体としてのジャーナルとして保存するための機構、即ち、ジャーナルプリンタおよび用紙の供給機構などを備えても良い。
【0023】
B.機能ブロック:
図1にATM200の機能ブロックを併せて示した。本実施例では、ATM200の機能ブロックは、制御ユニット210のメモリ内に各機能を実現するためのプログラムを記録しておくことにより、ソフトウェア的に構築した。これらの機能ブロックは、それぞれハードウェア的に構築することも可能である。
【0024】
制御ユニット210内には、図示する通り、主制御部220の制御下で動作する種々の機能ブロックが備えられている。タッチパネル制御部211は、タッチパネル270の動作を制御し、情報の表示や顧客操作の入力を行う。カード機構制御部212はカード取扱機構230を制御し、通帳機構制御部213は通帳取扱機構240を制御する。
【0025】
メンテナンスパネル制御部214は、メンテナンスパネル250を制御し、ATM210の動作状態等を表示したり、管理者の操作に基づいて動作設定を受け付けたりする。入出金制御部218は、紙幣取扱機構260を制御し、顧客が挿入した紙幣の保管、顧客が指定した金額に相当する紙幣の出金を行う。
【0026】
ホスト通信部217は、ホストコンピュータ100との通信を制御する。例えば、取引時には、顧客の口座番号、暗証番号、取引金額などを通信する。
【0027】
ジャーナル管理部215は、取引内容を電子ジャーナルとしてジャーナル記録部216に保存する機能を奏する。電子ジャーナルには、取引を行った顧客の氏名、口座番号、取引日時、入金や出金など取引の科目、取引金額など取引内容に関する種々の情報が記録される。
【0028】
バックアップ制御部219は、CD−Rドライブを制御して、ジャーナル記録部216に記憶された電子ジャーナルをCD−Rにバックアップする。電子ジャーナルは、各取引に対応したレコードの集合体である。ジャーナル記録部216への記録およびバックアップすべきレコードは、ジャーナル管理部215に保持される先頭ポインタ215a、追記ポインタ215b、ラストポインタ215cによって制御される。これらのポインタの意味については、後述する。
【0029】
C.電子ジャーナルのデータ構造:
図2は電子ジャーナルのデータ構造を示す説明図である。ジャーナル記録部216に記録された状態を模式的に示した。
【0030】
電子ジャーナルは、各取引に対応した取引レコードが時系列的に配列された構造を有している。図中では、取引レコード(1)、取引レコード(2)…の順に古い取引を表している。各取引レコードには、取引を行った口座番号、取引科目、取引金額、取引日時などの情報が記録されている。
【0031】
先に説明した通り、ATM200では、CD−Rに、電子ジャーナルのバックアップを行う。ジャーナル記録部216の電子ジャーナルは、バックアップが完了したからといって、直ちに消去される訳ではなく、記憶容量が許す限り、保存される。従って、電子ジャーナルには、媒体に記録済みのレコード(図中の取引データ(1)〜取引データ(B))と、未記録のレコード(取引データ(B+1)以降)とが混在する。また、記録済みのレコードには、既に記録が完了してクローズされた媒体に記録されたレコード(図中の取引データ(1)〜取引データ(A))と、現在追記中の媒体に記録されたレコード(図中の取引データ(A+1)以降)とが存在する。
【0032】
先頭ポインタは、現在の媒体に最初に記録されたレコードを特定するデータである。図中の例では、取引データ(A+1)を特定するデータが先頭ポインタとなる。追記ポインタは、現在の媒体に新たに追記すべきレコードを特定するデータである。本実施例では、バックアップが完了した最後のレコード、図中の取引データ(B)を特定するデータを追記ポインタとした。ライトポインタは、電子ジャーナルの最後のレコードを特定するデータである。図中の例では、取引データ(C)がライトポインタとなる。
【0033】
先頭ポインタは、バックアップを行うための媒体が交換される度に、更新される。追記ポインタは、媒体へのバックアップが完了する度に、更新される。ライトポインタは、ATMでの取引が完了し、電子ジャーナルに新たなレコードが記録される度に、更新される。
【0034】
D.バックアップ処理:
図3はバックアップ処理のフローチャートである。ATMの制御ユニット210がCD−Rへの電子ジャーナルのバックアップを行うための処理である。本実施例では、この処理を1週間に1度の割合で定期的に行うものとした。所定回数の取引が行われた時点で行うものとしてもよいし、管理者の指示等に応じて行うものとしてもよい。
【0035】
処理が開始されると、制御ユニット210は、図2に示した各ポインタを読み込む(ステップS10)。次に、CD−Rドライブに挿入されている媒体が、使用中の媒体か、未使用の新規媒体かの確認を行う(ステップS11)。
【0036】
新規媒体であると判断された場合には(ステップS12)、「追記ポインタ+1」、即ち、追記ポインタの次のレコードに、先頭ポインタを更新する(ステップS13)。新規媒体でない場合には、この処理をスキップする。
【0037】
次に、制御ユニット210は、媒体への追記処理を行う(ステップS14)。この処理では、追記ポインタが指すレコードの次のレコードから、ライトポインタが指すレコードまでを、媒体に追記する。
【0038】
制御ユニット210は、この追記中にエラーの有無を監視しており、エラーが発生した場合には(ステップS15)、先頭ポインタの取引レコードから再書込を行う(ステップS16)。CD−Rでは、書込時にエラーが生じた場合、既に記録されているデータも含めて、読み出し不能となる可能性が高く、これによって、先頭ポインタが指すレコード以降のレコードのバックアップが消失する可能性が高い。制御ユニット210は、この消失に対処するため、書込エラー時には、再書込を行うのである。
【0039】
CD−Rは、書き換え不能な媒体であるため、制御ユニット210は、使用中の媒体を一旦排出し、管理者に新規媒体の挿入を促す画面をメンテナンスパネル250に表示する。管理者が新規媒体を挿入したことを確認して、レコードの再書込を実行する。ATMが管理者不在の状況で自動的にバックアップを行っている際に、エラーが生じた場合には、併せてホストコンピュータ100に「書込エラーの発生」を通知することが好ましい。
【0040】
CD−RWなど、書き換え可能な媒体をバックアップに使用している場合には、その媒体の初期化を行って、再書込を実行するようにしてもよい。この場合には、媒体の交換を要さず再書込を実行可能となる利点がある。書き換え不能な媒体、書き換え可能な媒体の双方を取扱可能なドライブを搭載している場合には、挿入されている媒体がいずれのタイプかを判断して、媒体の交換/初期化のいずれかを実行すればよい。
【0041】
再書込または追記処理が正常に終了すると、ライトポインタが指しているレコードまでのバックアップが完了したことになる。従って、制御ユニット210は、追記ポインタの値をライトポインタが指すレコードに更新して(ステップS17)、バックアップ処理を完了する。
【0042】
以上で説明した実施例のATMによれば、電子ジャーナルのバックアップ時に、書込エラーが生じた場合でも、媒体に記録済みのレコード全体を再バックアップすることができるため、バックアップの信頼性を向上することができる。
【0043】
E.変形例:
図4は変形例としてのバックアップ処理のフローチャートである。制御ユニット210が実行する処理である。変形例では、管理者の操作の下でバックアップする場合を例示する。この処理は、管理者がメンテナンスパネル250で、「バックアップ開始」メニューを選択することで開始される。
【0044】
処理が開始されると、制御ユニット210はバックアップを行う媒体の挿入を指示する画面をメンテナンスパネル250に表示する(ステップS20)。管理者が媒体を挿入すると、制御ユニット210は、その内容を確認し、結果をメンテナンスパネル250に表示する(ステップS250)。
【0045】
図中に、確認結果の表示画面例を示した。マス中の209〜302は、電子ジャーナルに保存されているレコードのシリアル番号を表している。制御ユニット210は、ライトポインタを記憶しているから、レコードとともに、各ポインタを確認画面に表示する。
【0046】
変形例では、先頭ポインタ、追記ポインタについては、制御ユニット210は管理せず、次の方法によって挿入された媒体の情報に基づいて特定するものとした。まず、制御ユニット210は、挿入された媒体の情報を読み込むことにより、媒体に記録されているレコードのシリアル番号を認識する。先頭のレコードのシリアル番号は先頭ポインタと同等の情報であり、最後のレコードのシリアル番号は追記ポインタと同等の情報である。こうして、先頭ポインタおよび追記ポインタが特定されると、制御ユニット210は、これらのポインタを画面に表示する。また、図中にハッチングで示すように、媒体に記録されているレコードを強調表示する。
【0047】
先頭ポインタ、追記ポインタを制御ユニット210で管理しても構わないが、このように媒体の情報に基づいて特定するものとすれば、制御ユニット210でこれらの情報を保持する必要がなくなる。また、媒体に現実に記録されている情報と、制御ユニット210が管理している先頭ポインタ等の情報との齟齬を回避することができる。
【0048】
変形例では、確認画面に指示ポインタを併せて表示するものとした。指示ポインタは、バックアップすべき最後のレコードを管理者が特定するためのポインタである。管理者は、指示ポインタの値を増減することにより、電子ジャーナルの一部だけをバックアップすることが可能となる。図中では、レコード300までバックアップする例を示した。指示ポインタを活用することにより、例えば、取引日が異なるレコードを別の媒体に分ける等、バックアップの実用性を向上することができる。
【0049】
変形例では、媒体に記録された情報に基づいてこれらのポインタを特定するため、新規媒体を挿入した時点では、適正な先頭ポインタ、追記ポインタが設定されない。かかる場合に備え、変形例では、先頭ポインタ、追記ポインタも管理者が入力可能とした。これらのポインタを管理者が入力可能とすることにより、新規媒体の挿入時には、取引日の切れ目など任意のレコードからバックアップを行うことが可能となり、バックアップの実用性を向上することができる。
【0050】
制御ユニット210は、上述した確認画面による各ポインタの設定を入力し(ステップS22)、このポインタに基づいて、追記処理を実行する(ステップS23)。処理中にエラーが発生した場合には(ステップS24)、実施例と同様、先頭ポインタの取引レコードから再書込処理を行って(ステップS25)、バックアップ処理を完了する。制御ユニット210は追記ポインタの管理を行わないため、追記ポインタの更新処理は不要である。
【0051】
変形例の処理によっても、実施例と同様、バックアップの信頼性を向上することができる。
【0052】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以上の制御処理はソフトウェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとしてもよい。
【0053】
実施例では、CD−RドライブがATMに内蔵されているものとして説明したが、記録媒体用のドライブをATMに接続してバックアップする構成としてもよい。本発明は、現金自動取引装置に限らず、取引内容を電子ジャーナルとして保存する種々の自動取引装置に適用可能である。
【0054】
本実施例では、書込時にエラーが生じた場合には、無条件に先頭ポインタ以降のレコードを再書込するものとしたが、再書込に先立って、記録媒体に記録済みのレコードが読取可能な否かをチェックしてもよい。読取不能と判断された場合にのみ再書込を行うものとすれば、無用な再書込を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての現金自動取引装置(以下、ATMと称する)200の概略構成を示す説明図である。
【図2】電子ジャーナルのデータ構造を示す説明図である。
【図3】バックアップ処理のフローチャートである。
【図4】変形例としてのバックアップ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
100…ホストコンピュータ
200…ATM
210…制御ユニット
211…タッチパネル制御部
212…カード機構制御部
213…通帳機構制御部
214…メンテナンスパネル制御部
215…ジャーナル管理部
215a…先頭ポインタ
215b…追記ポインタ
215c…ラストポインタ
216…ジャーナル記録部
217…ホスト通信部
218…入出金制御部
219…バックアップ制御部
220…主制御部
230…カード取扱機構
240…通帳取扱機構
250…メンテナンスパネル
260…紙幣取扱機構
270…タッチパネル
Claims (8)
- 顧客の操作に基づいて取引を行う自動取引装置であって、
前記取引の内容を電子ジャーナルとして電子的に記録するジャーナル記録部と、
情報を電子的に記録する取り外し可能な記録媒体に対して、情報の読み書きを行うための記録媒体取扱部と、
前記記録媒体に前記電子ジャーナルのバックアップを行うバックアップ制御部とを備え、
該バックアップ制御部は、
前記バックアップに先立って、前記記録媒体に既に記録されている電子ジャーナルの範囲を特定するための範囲データを取得する範囲データ取得部と、
前記バックアップ時に異常が生じた場合に、前記範囲データに基づき、前記既に記録されていた電子ジャーナルも含めて、前記バックアップを再実行する異常対処部とを有する自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置であって、
前記範囲データを保持しておく範囲データ保持部を備える自動取引装置。 - 請求項2記載の自動取引装置であって、
前記電子ジャーナルは、各取引に対応した複数のレコードが、取引順に配列されたデータ構造を有しており、
前記範囲データ保持部は、電子ジャーナルが記録されていない新規の記録媒体へのバックアップを行う際に、該記録媒体に最初に記録されるレコードを特定するためのデータを前記範囲データとして保持する自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置であって、
前記範囲データ取得部は、該自動取引装置外からの指示、または前記記録媒体からの読み込みにより、前記範囲データを入力する自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置であって、
前記異常対処部は、前記記録媒体が書き換え可能な媒体である場合には、該記録媒体の初期化を行って、前記バックアップを再実行する自動取引装置。 - 請求項1記載の自動取引装置であって、
前記異常対処部は、前記記録媒体が書き換え不能な媒体である場合には、前記異常が生じた記録媒体を新規な記録媒体に交換することを促し、該交換が行われた後で、前記バックアップの再実行を行う自動取引装置。 - 顧客の操作に基づいて取引を行う自動取引装置の制御方法であって、
前記取引の内容を電子ジャーナルとして電子的に記録するジャーナル記録工程と、
情報を電子的に記録する取り外し可能な記録媒体に対して、前記電子ジャーナルのバックアップを行うバックアップ工程とを備え、
該バックアップ工程は、
前記バックアップに先立って、前記記録媒体に既に記録されている電子ジャーナルの範囲を特定するための範囲データを取得する範囲データ取得工程と、
前記バックアップ時に異常が生じた場合に、前記範囲データに基づき、前記既に記録されていた電子ジャーナルも含めて、前記バックアップを再実行する異常対処工程とを有する自動取引装置の制御方法。 - 顧客の操作に基づいて取引を行う自動取引装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記取引の内容を電子ジャーナルとして電子的に記録するジャーナル記録機能と、
情報を電子的に記録する取り外し可能な記録媒体に対して、前記電子ジャーナルのバックアップを行うバックアップ機能とを前記コンピュータによって実現し、
該バックアップ機能は、
前記バックアップに先立って、前記記録媒体に既に記録されている電子ジャーナルの範囲を特定するための範囲データを取得する範囲データ取得機能と、
前記バックアップ時に異常が生じた場合に、前記範囲データに基づき、前記既に記録されていた電子ジャーナルも含めて、前記バックアップを再実行する異常対処機能とを含むコンピュータプログラム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006268072A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Fujitsu Ltd | 電子ジャーナルデータ管理方法,電子ジャーナルデータ管理装置および電子ジャーナルデータ管理プログラム |
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