以下に、本発明の実施例1の自動取引装置について添付の図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の自動取引装置の一例としてのATM(Automated Teller Machine)100の構成を示しており、図2は、ATM100の外観を示す斜視図及びATM100を含むシステム200を示している。尚、ATM100は、例えば金融機関の各支店に設置されており、夫々金融機関のホストコンピュータ(以下、単にホストとも称する)HCに接続されている。
ATM100は、制御部11によって動作制御がなされる。制御部11は、ATM100に挿入された取引カードが当該ATM100において使用可能であるかを判定する判定部11Aを含んでいる。なお、判定部11Aは、複数種類ある取引の中から当該挿入された取引カードによって行うことが可能な取引を判定することとしてもよい。
情報保持部としての記憶部12は、制御部11の処理に必要なデータ及び処理において発生するデータを適宜記憶するハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。
記憶部12は、特定の取引カードに関する情報であるカード関連情報としてのカード情報管理テーブルTBを保持している。カード情報管理テーブルTBは、例えば、ATM100が取り扱うことが可能な、すなわちATM100で使用可能な1以上の取引カードの情報を含む取引カードの使用可否に関する使用可否情報を含んでいる。
例えば、図3Aに示すように、カード管理テーブルTBは、ATM100が取り扱うことが可能な取引カードのカードブランドと当該カードブランドのカード内のIC内に含まれる取引業務のアプリケーション(以下、単にアプリケーションとも称する)のアプリケーション識別子(AID:Application identifier)の組み合わせが列挙されたものであってもよい。ATM100における取引処理は、当該取引カード内のICに含まれるアプリケーションを起動することによって行われる。
なお、カード管理テーブルTB内に含まれるカードブランド情報は、テキストベースのデータでもよいし、各カードブランドを示す識別コードでもよい。
例えば、図3Aのカード管理テーブルTBは、左から順番に、「No.」、取引可能なカードブランドのカード内のアプリケーションに対応する「アプリケーション識別子(AID)」及び当該AIDを保有する取引カードの「カードブランド」が記載されている構成になっている。これらの情報は、例えば、カード管理テーブルTBに含まれているAIDを保有している取引カードは、使用可能であり、そうではない取引カードは使用不可とすることができる使用可否情報として使用されてもよい。
また、上述のように判定部11Aが取引カードによって行うことが可能な取引を判定する場合には、カード管理テーブルTBは、特定の取引カードを用いて行うことが可能な取引の情報を含む取引可否情報を含んでもよい。その場合、例えば、図3Bに示すように、カード管理テーブルTBは、「アプリケーション識別子(AID)」及び「カードブランド」に加えて、当該カードブランドの取引カードで行うことが可能な取引として「可能な取引」が記載されたものでもよい。
なお、取引カードとしてキャッシュカードを取り扱う場合には、カード管理テーブルTBには、「カードブランド」に代えてまたはこれに加えて当該キャッシュカードを発行した銀行等の金融機関名としての「金融機関」が記載されていてもよい。
また、「可能な取引」は、同一のカードブランド毎に統一されていてもよいし、同一のカードブランドであってもAIDによって異ならせることとしてもよい。
図1を再度参照する。通信部13は、制御部11の指示に従って外部とのデータの送受信等の通信を行うためのNIC(Network Interface Card)等である。通信部13は、例えば、後述の取引制御おいて生ずるホストコンピュータHC等の外部機器との通信を行う。
操作表示部14は、図2に示すようにATM100の前面に設けられている。操作表示部14は、告知部としてのディスプレイ14Aと、当該ディスプレイ14Aの表示面を覆う入力受付部としてのタッチパッド14Bとを含む。ティスプレイ14Aは、制御部11から供給された操作表示信号に基づき、各種の操作画面又はメッセージ等を含む取引画面を表示する、例えば液晶表示装置である。
タッチパッド14Bは、使用者がディスプレイ14Aに表示された内容に対応した領域に触れると、当該表示された内容に対応した操作信号を制御部11に供給する、例えば感圧式または静電式のタッチパッドである。
現金入出機構15は、制御部11から供給された開閉制御信号に応じて、図2に示すようにATM100の前面に設けられている紙幣入出口17及び硬貨入出口19のシャッタの開閉を行う。また、現金入出機構15は、制御部11から供給された現金引出信号に応じて、紙幣または硬貨が格納されている現金格納庫(図示せず)から、当該現金引出御信号にて示される金額に対応した紙幣または硬貨を取り出して、それぞれ紙幣入出口17及び硬貨入出口19に導出する。更に、現金入出機構15は、使用者が紙幣入出口17または硬貨入出口19に投入した紙幣または硬貨を取り込み、現金格納庫に格納する。
通帳記帳機21は、図2に示すようにATM100の前面に設けられている通帳挿入排出口23に顧客の預金通帳が挿入されると、これを取り込む。この際、通帳記帳機21は、制御部11から供給された取引結果信号にて示される取引内容、及び当該取引の実行日時等を、顧客の預金通帳に書き込む。当該書き込みが終了すると、通帳記帳機21は、顧客の預金通帳を通帳挿入排出口23から排出する。
読取部としてのカード読取印刷機25は、図2に示すATM100の前面に設けられているカード挿入口としてのカード挿入排出口27に顧客の取引カードが挿入されると、当該取引カードを取り込んで当該取引カードが保持している情報を読み取る。当該取引カードが保持している情報は、例えば、顧客情報、当該取引カードを発行しているカード会社または銀行等の金融機関の情報、取引業務のアプリケーション及び当該アプリケーションのAID等である。
図4に、ATM100にて取り扱われる取引カードCの構成の一例を示す。図4に示すように、取引カードCには、裏面に磁気ストライプ(以下、MSとも称する)41が設けられと、表面に所定の仕様に対応したICチップ(以下、ICとも称する)42が設けられている。磁気ストライプ41及びICチップ42には、例えば、上述した当該取引カードCが保持している情報である、顧客情報、当該取引カードを発行しているカード会社情報、取引業務のアプリケーション及び当該アプリケーションのAID等の情報が記憶されている。すなわち、取引カードCは、これらの情報を担持している。また、AIDはカードに対応した識別子としても機能し得る。
なお、ICチップ42はEMV仕様に対応したものであってもよい。EMV仕様に対応したICチップ42には、マイクロコンピュータが搭載されている。そして、ICチップ42に搭載されている当該マイクロコンピュータには、例えば、キャッシュカードまたはクレジットカードの1または複数の種類のカードアプリケーションがインストール(不揮発メモリ等に記録)されている。
再度図1を参照すると、カード読取印刷機25は、取引カードの磁気ストライプ(MS)を読み取るMS読取部31と、取引カードのICを読み取るIC読取部33とを有している。カード読取印刷機25は、MS読取部31またはIC読取部33によって読み取られたカード情報を表すカード情報データを制御部11に供給する。
制御部11の判定部11Aは、当該供給されたカード情報データ及び記憶部12に保持されているカード情報管理テーブルを比較することで、挿入された取引カードによる取引が可能であるか否かを判定する。また、判定部11Aは、当該供給されたカード情報データ及び記憶部12に保持されているカード情報管理テーブルを比較することで、挿入された取引カードによって行うことが可能な取引を判定してもよい。
なお、カード読取印刷機25は、制御部11からカード排出信号が供給された場合には、取り込んだ取引カードをカード挿入排出口27から排出させる。また、カード読取印刷機25は、制御部11から供給された取引明細プリント信号に応じて、当該取引明細プリント信号にて表される取引結果を明細票用紙に印刷する。
[取引制御ルーチン]
以下の説明においては、取引カードCがクレジットカードであった場合を例に説明する。図5及び図6に制御部11によって実行される取引制御ルーチンR1を示す。制御部11は、例えば、電源が投入されると取引制御ルーチンR1を実行する。なお、ATM100に人感センサ等を設けて、顧客がATM100に近づいたことが検出された際に取引制御ルーチンが実行されることとしてもよい。
図5に示すように、先ず、制御部11は、ディスプレイ14Aに取引種別入力受付表示を行わせる(ステップS1)。ステップS1において表示される取引種別入力受付表示は、行いたい取引の選択入力を顧客(使用者)に促す表示であり、例えば図7に示すような表示である。
制御部11は、ステップS1の実行後、使用者によってタッチパッド14Bを用いた取引種別の入力が行われたか否かを判定する(ステップS2)。制御部11は、ステップS2において取引種別の入力が行われていないと判定する(ステップS2:NO)と、ディスプレイ14Aに取引種別入力受付表示を継続させ、その後再度ステップS2を実行する。
制御部11は、ステップS2において取引種別の入力が行われたと判定する(ステップS2:YES)と、カード挿入排出口27からカード読取印刷機25に取引カードが取り込まれたか否かを判定する(ステップS3)。この判定は、例えばカード読取印刷機25内のセンサがカードの存在を検出したか否かで行われてもよい。制御部11は、ステップS3においてカードが取り込まれていないと判定する(ステップS3:NO)と、一定時間の後に再度カードが取り込まれた否かの判定を行う。
制御部11は、ステップS3においてカードが取り込まれたと判定する(ステップS3:YES)と、当該取引カードの磁気ストライプ及びICを読み取って、これらに記憶されているカード情報を記憶部12に保存する(ステップS4)。このカード情報は、上述のように、例えば、顧客情報、当該取引カードを発行しているカード会社または銀行等の金融機関の情報、及びAID等である。
制御部11の判定部11Aは、ステップS4の実行後、カードから読み取ったAIDがカード管理テーブルTB(図1参照)に存在するか否かを判定する(ステップS5)。制御部11の判定部11Aが、ステップS5においてにAIDがカード管理テーブルTBに存在すると判定する(ステップS5:YES)と、制御部11は、アプリケーション起動部としてのカード読取印刷機25に、IC42対してアプリケーション起動信号を送信させて、取引カードC内のIC42内の当該AIDに対応するアプリケーションを起動する(ステップS6)。
制御部11は、ステップS6の実行後、当該IC内のアプリケーションの起動が成功したか否かを判定する(ステップS7)。この判定は、制御部と当該ICとの通信によって行われてもよい。
図6に示すように、制御部11は、判定部11AがステップS5においてカード管理テーブルにAIDが存在しないと判定する(ステップS5:NO)と、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。
また、制御部11は、ステップS7において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功しなかったと判定する(ステップS7:NO)場合も、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。取引不能表示は、例えば、図8に示すような表示であってもよい。
制御部11は、ステップS8の実行後、カード読取印刷機25にカード挿入排出口27から取引カードを排出させ(ステップS9)、その後ルーチンは終了する。
カード管理テーブルTB内に、ATM100に挿入された取引カードのICが保有するアプリケーションに対応するAIDが無く、取引ができない場合には、ATM100は、ホストHCとの通信をすること無くルーチンを終了する。すなわち、ATM100は、取引をすることができない取引カードが挿入された場合には、ホストHCとの通信をすること無く取引処理を終了する。このように、ATM100は、ホストHCと通信すること無く、自ら取引カードの取り扱いの可否を判定して、取引処理を終了することが可能である。
図6に示すように、制御部11は、ステップS7において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功したと判定する(ステップS7:YES)と、暗証番号及び取引金額の入力を待機する(ステップS10)。この際、制御部11は、ディスプレイ14Aに暗証番号の入力番号入力を促す表示を行わせ、暗証番号の入力があった後に取引金額の表示の入力を促す表示を行わせてもよい。
制御部11は、ステップS10の実行後、暗証番号及び取引金額が入力されたか否かが判定する(ステップS11)。この判定は、使用者によってタッチパッド14Bを用いた入力が行われたか否かで判定してもよい。制御部11は、ステップS11において暗証番号及び取引金額が入力されていないと判定する(ステップS11:NO)と、再度ステップS11を実行し、一定時間暗証番号及び取引金額の入力を待機し、その後再度暗証番号及び取引金額が入力されたか否かを判定する。
制御部11は、ステップS11において暗証番号及び取引金額が入力されたと判定する(ステップS11:YES)と、ステップS4において読み取ったカード情報及びステップS10において入力された暗証番号及び取引金額をホストHCに送信する(ステップS12)。
制御部11は、ステップS12の実行後、ホストHCと通信してホストHCが取引を許可したか否かを判定する(ステップS13)。この判定は、ホストHCから取引の許可通知が到来したか否かで判定してもよい。制御部11は、ステップS13において、ホストHCが取引を許可しなかったと判定する(ステップS13:NO)と、取引カード内のIC内のアプリケーションを終了する(ステップS14)。制御部11は、ステップS14の実行後、上述のステップS8及びS9を実行し、その後ルーチンが終了する。
制御部11は、ステップS13において、ホストHCが取引を許可したと判定する(ステップS13:YES)と、現金入出機構15に、現金格納庫(図示せず)から、当該取引金額に対応した紙幣または硬貨を取り出させ、それぞれ紙幣入出口17及び硬貨入出口19に導出させる(S15)。
制御部11は、ステップS15の実行後、カード読取印刷機25に取引の内容を記載した明細票を印刷させる(ステップS16)。制御部11は、ステップS16の終了後、取引カード内のIC内のアプリケーションを終了させる(ステップS17)。
制御部11は、ステップS17の実行後、カード読取印刷機25に、カード挿入排出口27から取引カード及び明細票を排出させ、現金入出機構15に、紙幣入出口17または硬貨入出口19から現金を排出させ(ステップS18)、その後ルーチンは終了する。
なお、図3Bのように、行うことが可能な取引を情報として含むカード管理テーブルTBを用いる場合、カード管理テーブルTBにAIDが有るかの判定の後にステップを1つ追加してもよい。すなわち、図5のフローの一部に代わるフローである図9に示すように、制御部11は、ステップS5においてカード管理テーブルTB内にAIDがあると判定すると(ステップS5:YES)、ステップS1〜S2において選択された取引が、当該アプリケーション識別子を保有する取引カードを用いて可能な取引であるかを判定する(ステップS5.5)こととしてもよい。
この判定は、選択された取引が、カード管理テーブルTB内において、ATM100に挿入された取引カードのIC内のアプリケーションのAIDに対応する「可能な取引」欄に記載されているか否かで判定してもよい。
制御部11は、選択された取引が、ATM100に挿入された取引カードを用いて可能な取引であると判定すると(ステップS5.5:YES)、取引カード内のIC内のアプリケーションを起動する(ステップS7)。制御部11は、選択された取引が、ATM100に挿入された取引カードを用いて不可能な取引であると判定すると(ステップS5.5:NO)、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。
本実施例のATM100及びシステム200においては、挿入された取引カードが使用
可能か否か又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引が実行可能か否かをホストHCと通信すること無く自ら判定可能である。従って、上述のように、ATM100は、取引をすることができない取引カードが挿入された又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引は実行できない場合には、ホストHCとの通信をすること無く取引処理を終了することが可能である。これによって、ホストHCとの無駄な通信を低減し、ATM100及びホストHCの通信処理の負担を軽減することが可能である。
また、ホストHCが取引カードが使用か否かを判定する必要が無いため、取引処理時のホストHCの処理負担を軽減することが可能である。
また、ATM100はカードのデータを読み込むと暗証番号の入力または取引金額の入力等よりも前に取引カードが使えるか否か又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引が実行可能か否かを判定し、当該取引カードが使用不可能又は選択取引が実行不可能な場合には、判定後すぐに処理を中止してカードを排出する。従って、取引カードが使用不可能又は選択取引が実行不可能な場合に発生していたATM100における不要な処理、及び使用者(顧客)の取引金額の入力等の無駄な入力を低減することが可能である。
以下に、本発明の実施例2の自動取引装置について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、実施例2の自動取引装置においては、自動取引装置の機器構成及びシステム構成は、実施例1のATM100及びシステム200と同様である。但し、図10に示すように、実施例2においては、ホストHCがカード管理テーブル(ホスト)TBHを保持している。このカード管理テーブル(ホスト)TBHは、実施例1において上述したカード管理テーブルTBと同様の内容が記載されているテーブルである。
ホストHCが保持ししているカード管理テーブル(ホスト)TBHは、常に最新の情報に更新され得る。実施例2のATM100は、起動の際にホストHCと通信し、記憶部12内のカード管理テーブルTBをカード管理テーブルTBHの内容に従って更新する。すなわち、実施例2のATM100は、起動後の取引処理において、当該更新されたカード管理テーブルTBを用いて取引カードが使用できるか否かを判定する。
以下に、実施例2のATM100における起動処理ルーチン及びその後の取引制御ルーチンについて説明する。
[起動処理ルーチン]
図11にATM100の起動処理ルーチンR2を示す。起動処理ルーチンR2は、例えば、ATM100の電源が投入された際に開始される。ルーチンが開始すると、制御部11は、自身のシステムの起動処理を実行し、その後ホストHCと通信する等して開局処理を実行する(ステップS1)。
制御部11は、ステップS1の実行後、ホストHCと通信し、ホストHCが保有するカード管理テーブル(ホスト)TBHを受信する(ステップS2)。制御部11は、ステップS2の終了後、カード管理テーブル(ホスト)TBHの情報に基づいて記憶部12内に保存されているカード管理テーブルTBを更新し(ステップS3)、その後ルーチンが終了する。この際、記憶部12内にカード管理テーブルTBが存在しない場合には、受信したカード管理テーブル(ホスト)に基づいてカード管理テーブルTBを生成して保存する。
[取引制御ルーチン]
図12及び図13に実施例2のATM100の取引制御ルーチンR3を示す。実施例1と同様に、制御部11は、例えば、電源が投入されると取引制御ルーチンR3を実行する。なお、ATM100に人感センサ等を設けて、顧客がATM100に近づいたことが検出された際に取引制御ルーチンが実行されることとしてもよい。
取引制御ルーチンR3が開始されると、先ず、制御部11は、ATM100の電源が投入された後に、カード管理テーブルTBが更新(もしくは生成)されたか否かを判定する(ステップS0)。すなわち、ATM100の電源が投入されてから、起動処理ルーチンR2のステップS3が実行されたか否かが判定される。
制御部11は、ステップS0において、カード管理テーブルTBが更新(もしくは生成)されていないと判定する(ステップS0:NO)と、一定時間待機して再度ステップS0を実行する。制御部11は、ステップS0において、カード管理テーブルTBが更新(もしくは生成)されたと判定する(ステップS0:YES)と、実施例1のステップS1と同様に、ディスプレイ14Aに取引種別入力受付表示を行わせる(ステップS1)。
ステップ1以降のステップについては、実施例1の取引制御ルーチンR1と同様であるので説明を省略する。なお、上記実施例1と同様に、図3Bのように、行うことが可能な取引を情報として含むテーブルを用いる場合、カード管理テーブルTBにAIDが有るかの判定の後にステップを1つ追加してもよい。すなわち、ステップS5の後に、ステップS1〜S2において選択された取引が、当該アプリケーション識別子を保有する取引カードを用いて可能な取引であるかを判定するステップS5.5(図9参照)を追加してもよい。
実施例1のATM100及びシステム200と同様に、本実施例のATM100及びシ
ステム200においては、挿入された取引カードが使用可能か否か又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引が実行可能か否かをホストHCと通信すること無く自ら判定可能である。従って、実施例1において上述したように、ATM100は、取引をすることができない取引カードが挿入された又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引は実行できない場合には、ホストHCとの通信をすること無く取引処理を終了することが可能である。これによって、ホストHCとの無駄な通信を低減し、ATM100及びホストHCの通信処理の負担を軽減することが可能である。
また、実施例2のATM100及びシステム200においては、ATM100が起動する度にホストHCが保有している最新のカード管理テーブル(ホスト)TBHの情報を用いて、カード管理テーブルTBを更新する。従って、ATM100は起動する度に新しい情報に基づいて、取引カードの使用可否を判定することができる。よって、古い情報に基づく判定の失敗等によるシステムエラー及びホストHCとの通信を低減することが可能である。
また、ホストHCが取引カードが使用か否かを判定する必要が無いため、取引処理時のホストHCの処理負担を軽減することが可能である。
また、ATM100はカードのデータを読み込むと暗証番号の入力または取引金額の入力等よりも前に取引カードが使えるか否か又は使用者(顧客)が選択した取引が実行可能か否かを判定し、当該取引カードが使用不可能又は上記選択取引が実行不可能な場合には、判定後すぐに処理を中止してカードを排出する。従って、取引カードが使用不可能又は選択取引が実行不可能な場合に発生していたATM100における不要な処理、及び使用者(顧客)の取引金額の入力等の無駄な入力を低減することが可能である。
本実施例においては、起動処理ルーチンR2において、ATM100の電源投入時にカード管理テーブルTBを更新することとしたが、電源投入時の更新以降においてもカード管理テーブルTBを更新してもよい。例えば、ATM100が定期的にホストHCと通信をして、カード管理テーブルTBを更新することとしてもよい。また、ホストHCが、カード管理テーブルTBHが更新された際にATM100に通知を行って、当該通知によってATM100がホストと通信をしてカード管理テーブルTBを更新してもよい。
以下に、本発明の実施例3の自動取引装置について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、実施例3の自動取引装置においては、自動取引装置の機器構成及びシステム構成は、実施例2のATM100及びシステム200と同様である。
実施例3においては、ATM100が、自身が元々保持している当初カード関連情報としてのカード管理テーブルTB(以下、カード管理テーブル(端末)TBとも称する)に加えて、ホストHCから受信して保存する受信カード関連情報としてのカード管理テーブル(ホスト)TBHを用いて、ATM100に挿入された取引カードが使用できる可否かを判定する。
すなわち、ATM100は、投入された取引カードが、元々保持しているカード管理テーブル(端末)TBに基づいて使用できないと判定された場合でも、ホストHCから受信したカード管理テーブル(ホスト)TBHを用いて再度当該取引カードが使用できるか否かを判定する。
以下に、実施例3のATM100における起動処理ルーチン及びその後の取引制御ルーチンについて説明する。
[起動処理ルーチン]
図14にATM100の起動処理ルーチンR4を示す。起動処理ルーチンR4は、例えば、ATM100の電源が投入された際に開始される。ルーチンが開始すると、制御部11は、自身のシステムの起動処理を実行し、その後ホストHCと通信する等して開局処理を実行する(ステップS1)。
制御部11は、ステップS1の実行後、ホストHCと通信し、ホストHCが保有するカード管理テーブル(ホスト)TBHを受信する(ステップS2)。制御部11は、ステップS2の終了後、カード管理テーブル(ホスト)TBHを記憶部12内に保存し(ステップS3)、その後ルーチンが終了する。
[取引制御ルーチン]
図15及び図16に実施例2のATM100の取引制御ルーチンR5を示す。制御部11は、例えば、電源が投入されると取引制御ルーチンR5を実行する。なお、ATM100に人感センサ等を設けて、顧客がATM100に近づいたことが検出された際に取引制御ルーチンが実行されることとしてもよい。
取引制御ルーチンR5が開始されると、先ず、制御部11は、ATM100の電源が投入された後に、記憶部12にカード管理テーブルTBHが保存された否かを判定する(ステップS0)。すなわち、ATM100の電源が投入されてから、起動処理ルーチンR4のステップS3が実行されたか否かが判定される。
制御部11は、ステップS0において、カード管理テーブルTBが保存されていないと判定する(ステップS0:NO)と、一定時間待機して再度ステップS0を実行する。制御部11は、ステップS0において、カード管理テーブルTBが保存されたと判定する(ステップS0:YES)と、ディスプレイ14Aに取引種別入力受付表示を行わせる(ステップS1)。ステップS1において表示される取引種別入力受付表示は、行いたい取引の選択入力を顧客(使用者)に促す表示であり、例えば図7に示すような表示である。
制御部11は、ステップS1の実行後、使用者によってタッチパッド14Bを用いた取引種別の入力が行われたか否かを判定する(ステップS2)。制御部11は、ステップS2において取引種別の入力が行われていないと判定する(ステップS2:NO)と、ディスプレイ14Aに取引種別入力受付表示を継続させ、その後再度ステップS2を実行する。
制御部11は、ステップS2において取引種別の入力が行われたと判定する(ステップS2:YES)と、カード挿入排出口27からカード読取印刷機25に取引カードが取り込まれたか否かを判定する(ステップS3)。この判定は、例えばカード読取印刷機25内のセンサがカードの存在を検出したか否かで行われてもよい。制御部11は、ステップS3においてカードが取り込まれていないと判定する(ステップS3:NO)と、一定時間の後に再度カードが取り込まれた否かの判定を行う。
制御部11は、ステップS3においてカードが取り込まれたと判定する(ステップS3:YES)と、当該カードの磁気ストライプ及びICを読み取って、これらに記憶されているカード情報を記憶部12に保存する(ステップS4)。このカード情報は、上述のように、例えば、顧客情報、当該取引カードを発行しているカード会社または銀行等の金融機関の情報、取引業務のアプリケーション及び当該アプリケーションのAID等である。
制御部11の判定部11Aは、制御部11によるステップS4の実行後、取引カードから読み取ったAIDがカード管理テーブル(端末)TBに存在するか否かを判定する(ステップS5−1)。制御部11の判定部11Aが、ステップS5−1においてにAIDがカード管理テーブル(端末)TBに存在すると判定する(ステップS5−1:YES)と、制御部11は、アプリケーション起動部としてのカード読取印刷機25に、IC42対してアプリケーション起動信号を送信させて、取引カードC内のIC42内の当該AIDに対応するアプリケーションを起動する(ステップS6−1)。
制御部11は、ステップS6−1の実行後、当該IC内のアプリケーションの起動が成功したか否かを判定する(ステップS7−1)。この判定は、制御部と当該ICとの通信によって行われてもよい。
図16に示すように、制御部11は、ステップS5−1においてカード管理テーブルにAIDが存在しないと判定する(ステップS5−1:NO)と、取引カードから読み取ったAIDがカード管理テーブル(ホスト)TBHに存在するか否かを判定する(ステップ5−2)。
また、制御部11は、ステップS7−1において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功しなかったと判定する(ステップS7−1:NO)場合も、取引カードから読み取ったAIDがカード管理テーブル(ホスト)TBHに存在するか否かを判定する(ステップ5−2)。
制御部11の判定部11Aが、ステップS5−2においてにAIDがカード管理テーブル(ホスト)TBHに存在すると判定する(ステップS5−2:YES)と、制御部11は、アプリケーション起動部としてのカード読取印刷機25に、IC42対してアプリケーション起動信号を送信させて、取引カードC内のIC42内の当該AIDに対応するアプリケーションを起動する(ステップS6−2)。
制御部11は、ステップS6−2の実行後、当該IC内のアプリケーションの起動が成功したか否かを判定する(ステップS7−2)。この判定は、制御部と当該ICとの通信によって行われてもよい。
制御部11は、ステップS5−2においてカード管理テーブルにAID(ホスト)が存在しないと判定する(ステップS5:NO)と、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。
また、制御部11は、ステップS7において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功しなかったと判定する(ステップS7:NO)場合も、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。取引不能表示は、例えば、図8に示すような表示であってもよい。
制御部11は、ステップS8の実行後、カード読取印刷機25にカード挿入排出口27から取引カードを排出させ(ステップS9)、その後ルーチンは終了する。
従って、カード管理テーブル(端末)TB及びカード管理テーブル(ホスト)内に、ATM100に挿入された取引カードのICが保有するアプリケーションに対応するAIDが無く、取引ができない場合には、ATM100は、ホストHCとの通信をすること無くルーチンを終了する。
すなわち、ATM100は、取引をすることができない取引カードが挿入された場合には、ホストHCとの通信をすること無く取引処理を終了する。このように、ATM100は、ホストHCと通信すること無く、自ら取引カードの取り扱いの可否を判定して、取引処理を終了することが可能である。
制御部11は、ステップS7−1及びS7−2において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功したと判定する(ステップS7−1:YES、ステップS7−2:YES)と、暗証番号及び取引金額の入力を待機する(ステップS10)。この際、制御部11は、ディスプレイ14Aに暗証番号の入力番号入力を促す表示を行わせ、暗証番号の入力があった後に取引金額の表示の入力を促す表示を行わせてもよい。
制御部11は、ステップS10の実行後、暗証番号及び取引金額が入力されたか否かが判定される(ステップS11)。この判定は、使用者によってタッチパッド14Bを用いた入力が行われたか否かで判定してもよい。制御部11は、ステップS11において暗証番号及び取引金額が入力されていないと判定する(ステップS11:NO)と、再度ステップS11を実行し、一定時間暗証番号及び取引金額の入力を待機し、その後再度暗証番号及び取引金額が入力されたか否かを判定する。
制御部11は、ステップS11において暗証番号及び取引金額が入力されたと判定する(ステップS11:YES)と、ステップS4において読み取ったカード情報及びステップS10において入力された暗証番号及び取引金額をホストHCに送信する(ステップS12)。
制御部11は、ステップS12の実行後、ホストHCと通信してホストHCが取引を許可したか否かを判定する(ステップS13)。この判定は、ホストHCから取引の許可通知が到来したか否かで判定してもよい。制御部11は、ステップS13において、ホストHCが取引を許可しなかったと判定する(ステップS13:NO)と、取引カード内のIC内のアプリケーションを終了する(ステップS14)。制御部11は、ステップS14の実行後、上述のステップS8及びS9を実行し、その後ルーチンが終了する。
制御部11は、ステップS13において、ホストHCが取引を許可したと判定する(ステップS13:YES)と、現金入出機構15に、現金格納庫(図示せず)から、当該取引金額に対応した紙幣または硬貨を取り出させ、それぞれ紙幣入出口17及び硬貨入出口19に導出させる(S15)。
制御部11は、ステップS15の実行後、カード読取印刷機25に取引の内容を記載した明細票を印刷させる(ステップS16)。制御部11は、ステップS16の終了後、取引カード内のIC内のアプリケーションを終了させる(ステップS17)。
制御部11は、ステップS17の実行後、カード読取印刷機25に、カード挿入排出口27から取引カード及び明細票を排出させ、現金入出機構15に、紙幣入出口17または硬貨入出口19から現金を排出させ(ステップS18)、その後ルーチンは終了する。
なお、上記実施例1と同様に、図3Bのように、行うことが可能な取引を情報として含むテーブルを用いる場合、カード管理テーブル(端末)TBまたはカード管理テーブル(ホスト)にAIDが有るかの判定の後にステップを1つ追加してもよい。すなわち、ステップS5−1またはS5−2の後に、ステップS1〜S2において選択された取引が、当該アプリケーション識別子を保有する取引カードを用いて可能な取引であるかを判定する、図9に示すステップS5.5のようなステップを追加してもよい。
実施例1のATM100及びシステム200と同様に、本実施例のATM100及びシステム200においては、挿入された取引カードが使用可能か否か又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引が実行可能か否かをホストHCと通信すること無く自ら判定可能である。従って、実施例1において上述したように、ATM100は、取引をすることができない取引カードが挿入された又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引は実行できない場合には、ホストHCとの通信をすること無く取引処理を終了することが可能である。これによって、ホストHCとの無駄な通信を低減し、ATM100及びホストHCの通信処理の負担を軽減することが可能である。
また、実施例3のATM100及びシステム200においては、ATM100が起動す
る度にホストHCが保有している最新のカード管理テーブル(ホスト)TBHを受信して
これを保存する。そして、ATM100に投入された取引カードが使用可能か否か又は使用者(顧客)が選択した取引が実行可能か否かを、カード管理テーブル(端末)TB及びカード管理テーブル(ホスト)TBHに基づいて判定する。
従って、ATM100は元々ATM100に入っているオリジナルのテーブルと、ホストHCが保有している新しいテーブルに基づいて、取引カードの使用可否を判定することができる。
これは、例えば、1つの取引カードのIC内に複数のAIDを有するアプリケーションが搭載されている場合に有利である。例えば、取引カードのIC内の1のAIDの有効期間が終了し、他方のAIDの有効期間が開始される遷移期間を考える。当該遷移期間であっても、例えば、カード管理テーブル(端末)TBに当該1のAIDが存在しており、カード管理テーブル(ホスト)TBHに当該他のAIDが存在した場合には、何れかのAIDによってアプリケーションが起動可能である。
また、例えば、取引カードの古いAIDの有効期間が終了する前に、ホストHCが有するカード管理テーブルTBHの情報が何らかの理由で、予定よりも早く更新されて当該古いAIDが削除されてしまった場合でも、カード管理テーブルTBに記載のAIDによってアプリケーションの起動をすることが可能である。それによって、このような場合でも問題なく取引処理を行うことが可能である。
また、上記ルーチンR5においては、カード管理テーブル(端末)TBに記載されているAIDによってアプリの起動に失敗した場合(ステップS7−1:NO)、カード管理テーブル(ホスト)TBHに記載されているAIDによってアプリを再度起動する試行をする(ステップS6−2)。
従って、例えば、カード管理テーブル(端末)TBに記載されているAIDによってはアプリケーションが起動しなかったが、カード管理テーブル(ホスト)TBHに記載されているAIDによってはアプリケーションが起動した場合でも、取引処理の続行が可能となる。
また、本実施例においては、ホストHCが取引カードが使用か否かを判定する必要が無いため、取引処理時のホストHCの処理負担を軽減することが可能である。
また、ATM100はカードのデータを読み込むと暗証番号の入力または取引金額の入力等よりも前に取引カードが使えるか否か又は使用者(顧客)が選択した取引カードの取引が実行可能か否かを判定し、当該取引カードが使用不可能又は選択取引が実行不可能な場合には、判定後すぐに処理を中止してカードを排出する。従って、取引カードが使用不可能又は選択取引が実行不可能な場合に発生していたATM100における不要な処理、及び使用者(顧客)の取引金額の入力等の無駄な入力を低減することが可能である。
本実施例においては、起動処理ルーチンR4において、ATM100の電源投入時にカード管理テーブル(ホスト)TBHを保存することとしたが、電源投入時の保存以降においてもカード管理テーブルTBHを保存・更新してもよい。例えば、ATM100が定期的にホストHCと通信をして、カード管理テーブルTBHを保存・更新することとしてもよい。また、ホストHCが、カード管理テーブルTBHが更新された際にATM100に通知を行って、当該通知によってATM100がホストHCと通信をしてカード管理テーブルTBHを保存・更新してもよい。
[変形例等]
上記実施例においては、カード管理テーブルに基づいて、ATM100に挿入された取引カードが使用できるか否かを判定することとした。しかし、カード管理テーブルに基づいて他の判定を行ってもよい。
例えば、カード管理テーブルに基づいて、取引カードのフォールバックを行うか否かを判定してもよい。取引カードのフォールバックとは、例えば、取引カードのIC内のアプリケーションが何らかの理由で起動できない際に、磁気ストライプの情報に基づいて取引処理を実行することをいう。
フォールバックを行うか否かの判定を行う場合、具体的には、まず、図17に示すように、カード管理テーブルTBに、取引カードのIC内のアプリケーションの起動が失敗した際にフォールバックすることを許可するか否かを示す情報を含ませる。図中では「フォールバック許可」の欄として示す。
フォールバックを行うか否かの判定は、例えば、図18及び19に示す取引制御ルーチンR6で行われる。取引制御ルーチンR6は、実施例1の取引制御ルーチンとは、ステップS5の後のステップSF1及びステップSF2が設けられている点を除いて同一である。
取引制御ルーチンR6においては、制御部11の判定部11Aが、ステップS7において、取引カード内のIC内のアプリケーションの起動が成功しなかったと判定する(ステップS7:NO)と、フォールバックを許可するか否かを判定する(SF1)。この判定は、カード管理テーブルTBにおいて当該カードのアプリケーションのAIDに対してフォールバックが許可されているか否かで行われてもよい。
判定部11AがステップSF1において、フォールバックを許可しないと判定した場合、制御部11は、当該カードが取り扱えない旨の表示である取扱不能表示をディスプレイ14Aに行わせる(ステップS8)。
判定部11AがステップSF1において、フォールバックを許可すると判定した場合、制御部11は、磁気ストライプの情報に基づいて取引処理を継続し、暗証番号及び取引金額の入力を待機する(ステップS10)。
このようにすることで、例えば、取引カードの有するAIDによって取引カードの情報セキュリティがフォールバック処理に耐え得るかどうかが判定され、取引カードの詐欺的使用を防止することが可能である。
また、上記実施例においては、取引カードが使用できるか否か、取引カードによって行える取引は何か、またはフォールバックを許可するか否かをカード管理テーブルに含まれているAIDに基づいて判定することとした。しかし、当該判定をカード管理テーブルに含まれているカードブランド情報に基づいて行ってもよい。このようにすることにより、例えば、同一のカードブランドのカード間で保有しているアプリケーションのAIDが異なる場合に、ブランド単位でまとめて取引カードの使用の可否の判定、取引カードによって行える取引は何かの判定、またはフォールバックの許可非許可の判定をすることが可能である。
また、上記実施例3においては、ステップS5−1でカード管理テーブル(端末)TBに基づいて判定を行い、その後にステップS5−2でカード管理テーブル(ホスト)TBHに基づいて判定を行うこととした。しかし、このステップS5−1とS5−2とを入れ替えることとしてもよい。すなわち、カード管理テーブル(ホスト)TBHに基づいて判定を行ってから、カード管理テーブル(端末)TBに基づいて判定を行ってもよい。これにより、ホストから受信した情報であるカード管理テーブル(ホスト)TBHの情報を優先することとしてもよい。
また、上記実施例ではATMを例に説明したが、上記構成及びルーチンはCD等のICチップを有する取引カードを扱う他の装置においても適用可能である。また、取引カードはデビットカード等、ICチップを有する他のカードであってもよい。
上述した実施例における種々の構成、ルーチンは例示に過ぎず、用途等に応じて適宜選択及び変更可能である。