JP2004161937A - ポリイミド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリイミド中にナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ニッケルおよび銅の6種類の金属元素から選ばれた少なくとも1種類を0ppmより多く100ppm以下で含有させる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリイミドに関するものであり、更に詳しくは、主として半導体や実装基板用途に適したポリイミドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは、耐熱性や絶縁性に優れていることから、半導体や実装回路基板用途に幅広く使用されているが、表面の接着性が乏しいことが問題となっている。このような問題を解決するために、フイルム状のポリイミドをコロナ放電処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理、ケミカルエッチング処理などの表面改質技術が検討されている。
【0003】
このようなポリイミドフィルムの表面改質技術の具体例としては、例えば、芳香族ポリイミドフイルムを低温プラズマ処理により改質する方法(例えば、特許文献1参照)、および少なくとも20モル%以上の希ガス類元素を含有する100〜1000Torrのガス雰囲気下において、高分子フイルムを支持する誘電体を被覆した電極とこれと対向するやはり誘電体で被覆した電極との間に印加された高電圧によって形成される放電によってポリイミドフイルムを処理する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法によれば、ポリイミドフィルム表面の接着性はある程度は改善されるものの、依然として接着性は乏しいままである。とりわけ接着剤を介して銅箔と貼り合わせて実装基板用銅張り板にする場合には、銅をパターン加工して配線状にした際の接着性不足から配線が脱落するという問題を有している。この問題は配線の微細化が進むにつれて顕著となり、より一層深刻な問題となりつつある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−141532号公報
【特許文献2】
特開平1−138242号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、本発明はかかるポリイミドの接着性不足を解決し、接着性に優れたポリイミドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のポリイミドは、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ニッケル、銅の6種類の元素から選ばれた少なくとも1種類を0ppmより多く100ppm以下で含有していることを特徴とす。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ニッケルおよび銅の6種類の元素から選ばれた少なくとも1種類を0ppmより多く100ppm以下で含有させることにより、ポリイミドの接着性を向上させることにある。
【0009】
なお、これら6種類の元素の存在量に関しては、蛍光X線による半定量分析によって把握することができる。これら6種類の元素が100ppm以下という極めて微量で存在した場合には、これら6種類の元素のいずれもがポリイミド中に存在しない場合と比較して、ポリイミド表面の接着性が飛躍的に向上する。
【0010】
ポリイミドは元来接着性に乏しい材料であるが、これらの極めて少量の金属元素が接着剤のような役割を果たすため、結果としてポリイミド全体の接着性が向上するものである。但し、上記6種類の金属元素のいずれかが100ppmを越えて存在した場合には、ポリイミドの劣化が生じ、とりわけ長期に保存した場合などではポリイミドの劣化を引き起こすことになるため、100ppm以下という極めて微量がよい。長期保存でのポリイミドの安定性を考慮した場合には70ppm以下が好ましく、50ppm以下が最も好ましい。
【0011】
また、本発明のポリイミドにおいては、上記6種類の金属元素の少なくとも1種類が100ppm以下で含有されていれば接着性は向上するが、好ましくは2種以上が組み合わされて存在しているのがよい。例えば、マグネシウムと鉄、ニッケルと銅、マグネシウムとカリウム、ナトリウムとマグネシウム、マグネシウムとニッケル、マグネシウムと銅、マグネシウムとナトリウムと鉄、マグネシウムとナトリウムと銅、鉄とニッケルと銅などの組み合わせが考えられるが、これらに限定されない。
【0012】
上記6種類の金属元素のいずれかをポリイミドに含有させる手段としては、ポリイミドの合成中に所望とする金属イオンを含有した水を添加する方法、および金属ハロゲン化物や金属錯体の状態でポリイミド製造時に添加する方法などが挙げられる。
【0013】
本発明におけるポリイミドとしては特に限定されないが、好ましくは以下の酸二無水物とジアミンとから合成されるポリイミドである。
(1)酸二無水物
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物など。
(2)ジアミン
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3’−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−3’,4−ジアミノビフェニル3,3’−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノメチル1,1’−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエートなど。
【0014】
これらのポリイミドを合成する際に用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、およびジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、ポリイミドを合成する際には、第三級アミン類に代表される各種触媒、および有機カルボン酸無水物に代表される各種脱水剤などを適宜使用してもよい。
【0015】
本発明におけるポリイミドの形状については特に限定されないが、好ましくはフイルム状のものである。この場合、フイルム厚みとしては1〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜175μmである。フイルムは帯状の連続したものでもよく、適当な長さに裁断されたものでもよい。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、金属元素の分析は次の方法により行った。
分析例(蛍光X線による半定量分析例)
分析装置としては理学製自動蛍光X線分析装置RIX3000を用いた。測定条件としては、管球・管電圧・管電流はRh・50kV・50mA、測定雰囲気は真空中、測定面は30mmφ、分光結晶がLiFについてはシンチレーションカウンターの検出器を使用、分光結晶がLiFやPETやGeやRX40やRX60についてはガスフロー比例計数管の検出器を使用した。
[実施例1]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、ナトリウムイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のナトリウムの含有量は40ppmであった。
【0017】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、デュポン(株)製“パイララックス”を用いて銅箔(三井金属鉱業(株)製電解銅箔3EC、厚さ35μm厚)とラミネートし、185℃×1時間で接着剤の硬化反応を行い、銅張り板を得た。得られた銅張り板から銅パターン幅が3mmとなるようにサンプルを切り出し、引張試験機(島津製作所(株)製S−100−C)により接着力試験を行った。接着力試験は、サンプル作製直後(初期)、および150℃×14日間保存後について実施した。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
【0018】
【表1】
【0019】
[実施例2]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、マグネシウムイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のマグネシウムの含有量は30ppmであった。
【0020】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例3]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、カリウムイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のカリウムの含有量は10ppmであった。
【0021】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例4]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、鉄イオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中の鉄の含有量は5ppmであった。
【0022】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例5]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、ニッケルイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のニッケルの含有量は20ppmであった。
【0023】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例6]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、銅イオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中の銅の含有量は5ppmであった。
【0024】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例7]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを用い、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294.2g(1mol)とパラフェニレンジアミン108.1g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、ナトリウムイオンとマグネシウムイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のナトリウムの含有量は10ppm、マグネシウムの含有量は5ppmであった。
【0025】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例8]
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンを用い、ピロメリット酸二無水物109.1g(0.5mol)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1g(0.5mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100.1g(0.5mol)、パラフェニレンジアミン54.1g(0.5mol)とからポリイミドを合成した。この際、カリウムイオンとニッケルイオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のカリウムの含有量は5ppm、ニッケルの含有量は5ppmであった。
【0026】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例9]
ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100.1g(0.5mol)、パラフェニレンジアミン54.1g(0.5mol)とからポリイミドを合成した。この際、鉄イオンと銅イオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中の鉄の含有量は5ppm、銅の含有量は5ppmであった。
【0027】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[実施例10]
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用い、ピロメリット酸二無水物218.1g(1mol)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1mol)とからポリイミドを合成した。この際、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、銅イオンを含有した水を添加した。得られたポリイミド中のナトリウムの含有量は15ppm、マグネシウムの含有量は10ppm、カリウムの含有量は3ppm、鉄の含有量は4ppm、ニッケルの含有量は5ppm、銅の含有量は5ppmであった。
【0028】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、良好な接着力を示した。
[比較例1]
実施例1において、ナトリウムイオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例1と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中にはナトリウムは存在しなかった。
【0029】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例2]
実施例2において、マグネシウムイオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例2と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中にはマグネシウムは存在しなかった。
【0030】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例2と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例3]
実施例3において、カリウムイオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例3と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中にはカリウムは存在しなかった。
【0031】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例3と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例4]
実施例4において、鉄イオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例4と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中には鉄は存在しなかった。
【0032】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例4と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例5]
実施例5において、ニッケルイオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例5と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中にはニッケルは存在しなかった。
【0033】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例5と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例6]
実施例6において、銅イオンを含有した水の添加を行わない以外は全て実施例6と同様にしてポリイミドを得た。得られたポリイミド中には銅は存在しなかった。
【0034】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例6と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、接着力は実用レベルではなかった。
[比較例7]
実施例1において、得られたポリイミド中のナトリウムの含有量を300ppmとしたこと以外は全て実施例1と同様にしてポリイミドを得た。
【0035】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例1と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
[比較例8]
実施例2において、得られたポリイミド中のマグネシウムの含有量を400ppmとしたこと以外は全て実施例2と同様にしてポリイミドを得た。
【0036】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例2と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
[比較例9]
実施例3において、得られたポリイミド中のカリウムの含有量を350ppmとしたこと以外は全て実施例3と同様にしてポリイミドを得た。
【0037】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例3と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
[比較例10]
実施例4において、得られたポリイミド中の鉄の含有量を500ppmとしたこと以外は全て実施例4と同様にしてポリイミドを得た。
【0038】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例4と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
[比較例11]
実施例5において、得られたポリイミド中のニッケルの含有量を300ppmとしたこと以外は全て実施例5と同様にしてポリイミドを得た。
【0039】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例5と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
[比較例12]
実施例6において、得られたポリイミド中の銅の含有量を300ppmとしたこと以外は全て実施例6と同様にしてポリイミドを得た。
【0040】
このポリイミドを25μm厚のフイルム状に成型し、実施例5と同様にして接着力試験を行った。結果は表1に示す通りであり、初期は良好であるが、150℃×14日間保存後の接着力は実用レベルではなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリイミドは、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ニッケルおよび銅の6種類の金属元素から選ばれた少なくとも1種類を0ppmより多く100ppm以下で含有しているため、接着性に優れていることから、半導体や実装回路基板用途に幅広く使用することができる。
Claims (8)
- ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、ニッケルおよび銅の6種類の金属元素から選ばれた少なくとも1種類を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とするポリイミド。
- ナトリウム元素を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- マグネシウム元素を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- カリウム元素を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- 鉄元素を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- ニッケル元素ルを0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- 銅元素を0ppmより多く100ppm以下含有していることを特徴とする請求項1記載のポリイミド。
- ポリイミドがフイルムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のポリイミド。
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