JP2008211046A - チップオンフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と折り曲げ性を有し、自動光学検査システム(AOI)に適応可能なチップオンフィルムを提供する。
【解決手段】ポリイミドフィルム1の少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線2を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いて主として構成されてなるものであり、かつ、該ポリイミドフィルム中に、粒子径0.01〜1.5μmで平均粒子径0.05〜0.7μmであって、かつ、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の割合で分散・含有されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と折り曲げ性を有し、自動光学検査システム(AOI)に適応可能なチップオンフィルムに関するものである。
フレキシブル配線基板上に半導体素子が接合・搭載されて形成された基板としてTAB(Tape Automated Bonding)テープがある。このTABテープにおいては、絶縁テープにおける半導体素子が搭載される部分に予め貫通した開口部が開けられて、配線パターンが片持ち梁状に突き出した状態で配線パターンの先端部分と半導体素子が接合されるようになっている。
このTABテープに使用される絶縁テープとしては、ポリイミドフィルムが使用されており、とりわけ高い寸法精度を必要とすることから、低熱膨張性を有するポリイミドフィルムが使用されたTABテープ(例えば、特許文献1および2参照)が知られていた。
これに対して、TABテープと同様に、フレキシブル配線基板上に半導体素子が接合・搭載されて形成された基板として、絶縁テープにおける半導体素子が搭載される部分へは貫通した開口部を設けず、絶縁テープ表面上に設けられた配線パターンの先端部分と半導体素子が接合されたチップオンフィルムが知られるようになった。このチップオンフィルムには、その使用目的から自由に折り曲げることが可能な絶縁テープが必要であるが、上記した低熱膨張性を有するポリイミドフィルムは高寸法安定ではあるものの、弾性率が高すぎるために、折り曲げる使用目的には適することができなかった。
更に、ポリイミドフィルムの重要な実用特性としてフィルムの滑り性(易滑性)が挙げられる。すなわち、様々なフィルム加工工程において、フィルム支持体(たとえばロール)とフィルムの易滑性、またフィルム同士の易滑性が確保されることにより、各工程における操作性、取り扱い性を向上させ、更にはフィルム上にシワ等の不良個所の発生を回避することができる効果を奏する。従来のポリイミドフィルムにおける易滑化技術としては、不活性無機化合物(例えばアルカリ土類金属のオルトリン酸塩、第2リン酸カルシウム無水物、ピロリン酸カルシウム、シリカ、タルク等)をポリアミック酸に添加する方法(特許文献3参照)、微細粒子によってフィルム表面に微細な突起を形成後、プラズマ処理を施す方法(特許文献4参照)が知られている。しかしこれらに示される粒子は粒子径が大きく、自動光学検査システムには適応しないという問題がある。またポリイミド表層に平均粒子径が0.01〜100μmである無機質粒子が各粒子の一部をそれぞれ埋設させて保持されていて一部露出した前記無機質粒子からなる多数の突起を該フィルムの表面層に1×10〜5×10個/mm存在させる方法(特許文献5参照)が知られている。この方法は、積極的に表面に突起を露出させ、フィルム表面の摩擦係数を低減させることにより、易滑性効果を効果的に得るものであるが、無機質粒子が一部露出しているためフィルム表面へのすり傷が発生し外観不良をきたすといった問題を抱えていたものである。
特開平5−148458号公報 特開平10−70157号公報 特開昭62−68852号公報 特開2000−191810号公報 特開平5−25295号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明の目的は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と折り曲げ性を有し、自動光学検査システム(AOI)に適応可能なチップオンフィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明のチップオンフィルムは、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いて主として構成されてなるものであり、かつ、該ポリイミドフィルム中に、粒子径0.01〜1.5μmで平均粒子径0.05〜0.7μmであって、かつ、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の割合で分散・含有されているものであり、かつ、前記配線が、接着剤を介するかもしくは接着剤を介することなく、該ポリイミドフィルムの少なくとも片面に形成されていることを特徴とするものである。
なお、本発明のチップオンフィルムにおいては、
前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として10〜50モル%のパラフェニレンジアミン及び50〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物とを、主として用いてなるポリイミドフィルムであること、
前記ポリイミドフィルムが、弾性率が3〜8GPaで、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃で、湿度膨張係数が25ppm/%RH以下で、吸水率が3.5%以下で、かつ、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下であること、
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する大きさ20μm以上の突起数が、1個/40cm角以下であること、
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であること、
前記配線が、主として銅からなるものであること、
前記配線が、金属層をエッチングすることにより形成されたものであること、
前記配線が、鍍金により形成されたものであること、
前記接着剤が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と折り曲げ性を有し、かつ、自動光学検査システム(AOI)に適応可能なチップオンフィルムを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と折り曲げ性を有する自動光学検査システム(AOI)に適応可能なチップオンフィルムについて、鋭意検討し、特定なポリイミドフィルムに特定な無機微細粒子を特定量分散・含有させてみたところ、特定な表面突起を発生させることができ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
図1(A)は、本発明のチップオンフィルムの構造の一例を示すICチップ搭載部分の平面図、図1(B)は、図1(A)に示す(a)−(b)線に沿った断面図である。
図1に示したように、本発明のチップオンフィルムは、基材としてポリイミドフィルム1を用い、このポリイミドフィルム1にICチップが搭載可能なようにチップ搭載部3を設けるとともに、ポリイミドフィルム1の片面または両面に配線(例えばインナーリード)2を形成したものである。
ここで、配線2の表面にAu、Sn等のメッキをした後、複数のAu、Sn等の金属バンプが設けられたICチップとを接合する。この時、配線2とAu、Sn等のバンプを300〜500℃程度の固相接合及び共晶接合温度に加熱し、ボンディングツールを用い適性総荷重を一括で加えて、配線2とAu、Sn等のバンプを加熱加圧接合する。これにより固相接合及び共晶接合を行い、配線2とAu、Sn等のバンプを電気的に接続でき、チップオンフィルムを得ることができるのである。
本発明のチップオンフィルムにおいて、基材として用いるポリイミドフィルムは、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物の3種類を必須成分とするものであって、これら3種類以外には、少量の別成分を加えて構成されたものも使用することができる。
すなわち、本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドのジアミン成分は、パラフェニレンジアミンが多すぎると硬くなり、少なすぎると柔らかすぎるので、10〜50モル%が好ましく、更に好ましくは12〜45モル%、より好ましくは15〜40モル%である。4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが多すぎると柔らかくなり、少なすぎると硬くなるので、50〜90モル%が好ましく、更に好ましくは55〜88モル%、より好ましくは60〜85モル%である。
また、本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドの酸二無水物成分には、ピロメリット酸二無水物のみを使用することによって、適度な弾性率を得られるとともに耐熱性が向上するので好ましい。
かかるポリイミドで構成されたポリイミドフィルムの中でも、以下の特性を満足するものが、さらに好ましく使用される。
すなわち、ポリイミドフィルムの硬さの指標である弾性率が、3〜6GPaの範囲にあるものが好ましく、6GPaを超えると硬すぎ、3GPaより小さいと柔らかすぎる。
また、本発明のポリイミドフィルムは、線膨張係数は5〜20ppm/℃が好ましく、20ppm/℃を超えると熱による寸法変化が大き過ぎ、5ppm/℃より小さくなると、配線に使用される金属との線膨張係数との差が大きくなるため反りが生じてしまう。
また、本発明のポリイミドフィルムは、湿度膨張係数が25ppm/%RHを超えると湿度による寸法変化が大き過ぎるので、湿度膨張係数は25ppm/%RH以下であるものが好ましい。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいては、吸水率が3%を超えると、吸い込んだ水の影響でフィルムの寸法変化が大きくなるので、吸水率は3%以下であるものが好ましい。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいては、200℃1時間の加熱収縮率が0.10%を超えると、やはり熱による寸法変化が大きくなるので、加熱収縮率は0.10%以下であるものが好ましい。
本発明におけるポリイミドフィルムには、パラフェニレンジアミンや4,4’―ジアミノジフェニルエーテル以外に少量のジアミンを添加してもよい。具体的なジアミンとしては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)ジアミン
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3’−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジメチル−3’,4−ジアミノビフェニル3,3’−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノ−1,1’−ジアミノアダマンタン、3,3’−ジアミノメチル1,1’−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等。
また、本発明において、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
かかるポリイミドの重合方法は公知の下記(1)〜(5)のいずれの方法を採用することができる。
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族テトラカルボン酸類成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に芳香族テトラカルボン酸類成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族テトラカルボン酸類成分と等量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(4)芳香族テトラカルボン酸類化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、芳香族テトラカルボン酸類化合物を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミド酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミド酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミド酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族テトラカルボン酸成分を過剰に、またポリアミド酸溶液(A)で芳香族テトラカルボン酸成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう調整する。
なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、固形分を5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有しており、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・s、好ましくは、100〜1000Pa・sのものが、安定した送液のために好ましく使用される。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
次に、ポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作成し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの線膨張係数を低く抑えることができるので好ましい。
本発明においては、走行性(易滑性)を良好なものにする為に、特定な無機粒子を添加することが必須である。
すなわち、かかる無機粒子は、粉体粒子径が0.01〜1.5μmの範囲内にあること、かつ、平均粒子径が0.05〜0.7μmの範囲、より好ましくは0.1〜0.6μmの範囲、さらにより好ましくは0.3〜0.5μmの範囲にある場合、該ポリイミドフィルムの自動光学検査システムでの検査が問題なく適応することができる。またフィルムの機械物性等の低下を発生させずに使用可能である。逆にこれらの範囲より平均粒子径が下回ると、フィルムへの充分な易滑性が得られなくなる傾向があり、また、これらの範囲より平均粒子径が上回ると、自動検査システムで該粒子が異物と誤検知され障害を来すので好ましくない。
かかる特定な無機粒子は、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の範囲で分散・含有させることが必須であり、好ましくは0.3〜0.8重量%の範囲で分散・含有させることがより好ましい。かかる無機粒子の含有量が0.1重量%以下であると、フィルム表面の突起数も不足するために、フィルムへの充分な易滑性が得られず、搬送性が悪化し、ロールに巻いた時のフィルム巻姿も悪化するので好ましくない。また無機粒子の含有量が0.9重量%を越えると、フィルムの易滑性は良化するものの、粒子の異常凝集による粗大突起が増加し、これが結果的に自動検査システムで異物と誤検知され障害を来すので好ましくない。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいて、かかる無機粒子の粒度分布においては狭狭い分布であること、つまり粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占めることが必須である。この粒度分布の範囲を下回り、0.15μm以下の粒子の占める割合が高くなると、フィルムの易滑性が低下し好ましくない。また無機粒子送液の際には5μmカットフィルターや10μmカットフィルターにより粗粒を除去することが可能であるが、0.60μm以上の粒子の占める割合が高くなると、フィルターの目詰まりを頻発させてしまい工程安定性を損ねること、ならびに粒子の粗大凝集が生じやすくなるので好ましくない。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいて、無機粒子に起因したフィルム表面突起においては、大きさ20μm以上の突起数が1個/40cm角以下であることが好ましい。また高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であること、より好ましくは3個/40cm角以下、さらにより好ましくは1個/40cm角以下であることである。これよりも多いと配線間にフィラーが跨って導電不通を引き起こすこと、またフォトレジストマスクの膜厚を突き破る等の不具合を引き起こしやすくなること、また自動検査システムで該粒子が異物と誤検知され障害を来すので好ましくない。
かかる無機粒子による表面突起により、フィルム表面積も拡大し、充分に粗面化されアンカー効果が見られ接着性も損なうこともなくなる。
このような無機粒子を、ポリイミドの製造に使用される有機溶媒と同じ極性溶媒に分散させたスラリーをポリイミド製造工程中のポリアミド酸溶液に添加して後、脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得ることが好ましいが、ポリアミド酸重合前の有機溶媒中に無機粒子スラリーを添加した後、ポリアミド酸重合、脱環化脱溶媒を経てポリイミドフィルムを得ることなど、脱環化脱溶媒前の工程であればいかなる工程において無機粒子スラリーを添加することが可能である。無機粒子の具体例としては、SiO(シリカ)、TiO、CaHPO、Ca等を好適に挙げることができる。中でもゾル・ゲル法で湿式粉砕法で製造したシリカが、ワニス状ポリアミド酸溶液中で安定し、かつ物理的に安定し、ポリイミドの諸物性に影響を与えないので好ましい。
さらに、微細シリカ粉は、N,Nージメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、nーメチルピロリドン等の極性溶媒に均一に極性溶媒に分散させたシリカスラリーとして使用することで凝集を防止するため好ましい。このスラリーは、粒子径が非常に小さいため沈降速度が遅く安定している。また、たとえ沈降しても再攪拌する事で容易に再分散可能である。
また、本発明のポリイミドフィルムの厚みについては特に限定されないが、好ましくは1〜225μm、より好ましくは5〜175μmである。ポリイミドフィルムの厚みが厚すぎると、ロール状にした際に巻きずれが発生しやすくなり、薄すぎるとしわなどが入りやすくなる。
上記のようなポリイミドフィルムの片面あるいは両面に、接着剤を介して、あるいは接着剤を介さないで、ICチップが搭載可能なように配線を形成して、本発明のチップオンフィルムを形成する。
ここで用いる接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるものが好ましく使用される。これらの中で、特にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂が好ましく使用される。これらの接着剤には、柔軟性を持たせる目的で各種ゴム、可塑剤、硬化剤、リン系等の難燃剤、その他の各種添加物が付与されていてもよい。また、ポリイミド樹脂は主として熱可塑性ポリイミドが用いられることが多いが、熱硬化性ポリイミドでもよい。ポリイミド樹脂の場合、通常は溶媒不要な場合が多いが、適当な有機溶媒に可溶なポリイミドを用いてもよい。
本発明のチップオンフィルムを構成する配線の形成方法としては、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等が挙げられる。
まず、サブトラクティブ法とは、接着剤を介してポリイミドフィルム上に銅箔を貼り、あるいは接着剤を介さず銅層をめっき法などで形成させた後、銅を配線パターン状にエッチング処理することで配線を形成する方法を意味する。この場合、銅箔としては圧延銅箔又は電解銅箔が用いられる。また、配線を形成する際には、通常フォトレジスト層を銅箔上に形成し、このフォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層をエッチングマスクとして銅をエッチング処理し、その後にフォトレジスト層を完全に除去する。ここでフォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、エッチング液としては、塩化鉄系、塩化銅系、過酸系等の溶液が用いられる。
セミアディティブ法とは、まずポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤を介してシード層となる金属層を形成し、このシード層の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとしてシード層上に無電解鍍金或いは電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去し、最後に配線以外の部分のシード層をエッチング除去する方法を意味する。ここで、シード層金属としては、ニッケル、クロム、アルミニウム、鉛、銅、錫、亜鉛、鉄、銀、金等が単独或いは合金として使用される。また、フォトレジストとしては、液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金或いは電解鍍金の金属としては、鉛、銅、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられ、エッチング液としては、シード層の金属に合わせたエッチング液が用いられる。
フルアディティブ法とは、ポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとして無電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去する方法を意味する。ここでフォトレジストとしては、液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金の金属としては銅、ニッケル、鉛、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられる。
上記のような各種配線形成の方法に用いられる金属としては、主として銅が好ましい。
形成された配線は電気・電子回路として用いられるが、銅よりも抵抗の高い金属では、電気伝導性が悪なるので好ましくない。また、銅に比べて密度が疎になる金属では、やはり電気伝導性が悪くなるので、好ましくない。但し、銅は錆びやすく腐食されやすい欠点も有しているので、銅を保護する目的で錫や鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、金等の金属を銅の上に形成することは任意である。また、銅はポリイミドフィルム中に拡散しやすいため、銅の拡散を防ぐ目的でニッケルやクロム、銀、金、錫等をポリイミドフィルムと銅との間にバリア層としてかませることも任意である。
かくして構成される本発明のチップオンフィルムは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と、極めて優れ折り曲げ性を有するので、自動光学検査システム(AOI)に適応可能で、微細な配線を必要とする各種ICチップ搭載用途に好ましく適用することができる。
まず、サブトラクティブ法とは、接着剤を介してポリイミドフィルム上に銅箔を貼り、あるいは接着剤を介さず銅層をめっき法などで形成させた後、銅を配線パターン状にエッチング処理することで配線を形成する方法を意味する。この場合、銅箔としては圧延銅箔又は電解銅箔が用いられる。また、配線を形成する際には、通常フォトレジスト層を銅箔上に形成し、このフォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層をエッチングマスクとして銅をエッチング処理し、その後にフォトレジスト層を完全に除去する。ここでフォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、エッチング液としては、塩化鉄系、塩化銅系、過酸系等の溶液が用いられる。
セミアディティブ法とは、まずポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤を介してシード層となる金属層を形成し、このシード層の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとしてシード層上に無電解鍍金或いは電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去し、最後に配線以外の部分のシード層をエッチング除去する方法を意味する。ここで、シード層金属としては、ニッケル、クロム、アルミニウム、鉛、銅、錫、亜鉛、鉄、銀、金等が単独或いは合金として使用される。また、フォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金或いは電解鍍金の金属としては鉛、銅、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられ、エッチング液としては、シード層の金属に合わせたエッチング液が用いられる。
フルアディティブ法とは、ポリイミドフィルム上に直接、或いは接着剤の上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を選択露光及び現像処理することで配線状にパターニングし、パターニングしたフォトレジスト層を鍍金マスクとして無電解鍍金にて配線を形成し、その後にフォトレジストを完全に除去する方法を意味する。ここでフォトレジストとしては液状あるいはドライフィルムレジストが用いられ、無電解鍍金の金属としては銅、ニッケル、鉛、クロム、錫、亜鉛、銀、金等が用いられる。
上記のような各種配線形成の方法に用いられる金属としては、主として銅が好ましい。
形成された配線は、電気・電子回路として用いられるが、銅よりも抵抗の高い金属では、電気伝導性が悪なるので好ましくない。また、銅に比べて密度が疎になる金属では、やはり電気伝導性が悪くなるので好ましくない。但し、銅は錆びやすく腐食されやすい欠点も有しているので、銅を保護する目的で、錫や鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、金等の金属を銅の上に形成することは任意である。また、銅はポリイミドフィルム中に拡散しやすいため、銅の拡散を防ぐ目的で、ニッケルやクロム、銀、金、錫等をポリイミドフィルムと銅との間にバリア層としてかませることも任意である。
かくして構成される本発明のチップオンフィルムは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と、極めて優れ折り曲げ性を有するので、自動光学検査システム(AOI)に適応可能で、微細な配線を必要とする各種ICチップ搭載用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例で用いるポリイミドフィルムは合成例1〜6の方法により製膜したものを用いるが、これらに限定されない。また、比較例で用いるポリイミドフィルムは合成例7〜12により製膜したものを用いる。更に、実施例で用いる接着剤としては合成例13により調合したものを用いるが、これらに限定されない。
また、合成例で得られたポリイミドフィルムの各特性は次の方法で評価した。
(1)フィルム厚
Mitutoyo製ライトマチック(Series318 )厚み計を使用して次のようにして測定した。すなわち、フィルム全面から任意に15箇所を選び、この15箇所にについて厚みを測定し、その平均を算出し、厚みとした。
(2)線膨張係数
島津製作所製TMA−50熱機械分析装置を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。荷重を0.25Nとし、まず35℃から10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。300℃にて5分間保持し、その後10℃/分で降温して35℃まで温度を下げ、35℃で30分間保持し、しかる後に10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。2度目の35℃から300℃までの昇温の時のデータを読み、50〜200℃の部分の平均から線膨張係数を算出した。
(3)弾性率
エー・アンド・デイ製RTM−250テンシロン万能試験機を使用し、引張速度:100mm/分の条件で測定した。ロードセル10Kgf、測定精度±0.5%フルスケールとし、応力−歪み曲線を測定し、応力−歪み曲線の立ち上がり部分の直線の傾き(2Nから15Nの2点間の最小2乗法により算出)、初期試料長さ、試料幅、試料厚さから以下のように算出した。
弾性率=(直線部分の傾き×初期試料長さ)/(試料幅×試料厚さ)
(4)湿度膨張係数
25℃にてULVAC製TM7000炉内にフィルムを取り付け、炉内にドライ空気を送り込んで2時間乾燥させた後、HC−1型水蒸気発生装置からの給気によりTM7000炉内を90%RHに加湿させ、その間の寸法変化から湿度膨張係数を求めた。加湿時間は7時間とした。3RH%から90RH%までのデータを読み、3〜90RH%の部分の平均から湿度膨張係数を算出した。
(5)吸水率
98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置し、乾燥時重量に対しての増加重量%で評価した。具体的には6cm径の円形にフィルムを切り取り、200℃1時間熱処理した後の重量(W0)を乾燥時の重量として測定し、その後98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置させて吸水させたフィルムの重量(W1)を測定し、下記計算式により吸水率を求めた。
吸水率 = (W1−W0)/WO×100
(6)加熱収縮率
20cm×20cmのフィルムを用意し、25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後フィルム寸法(L2)を測定し、下記式計算により評価した。
加熱収縮率 = −(L2−L1)/L1×100
(7)摩擦係数(静摩擦係数)
フィルム同士を重ね合わせ、JIS K−7125(1999)に基づき測定した。すなわち、スベリ係数測定装置Slip Tester(株式会社テクノニーズ製)を使用し、フィルム同士を重ね合わせて、その上に200gのおもりを載せ、フィルムの一方を固定、もう一方を100mm/分で引っ張り、摩擦係数を測定した。
(8)自動光学検査(AOI)
オルボテック社製のSK−75を使用してベースフィルムを検査した。異物と微粒子の区別の付く場合を「○」評価、一方異物と微粒子の大きさが類似していて、両者の区別が付かない場合を「×」評価とした。
(9)無機粒子の評価
堀場製作所のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、極性溶媒に分散させた試料を測定、解析した結果から粒子径範囲、平均粒子径、粒子径0.15〜0.60μmの全粒子中に対する占有率を読み取った。
(10)異常突起数
フィルム40cm角面積当たりにおいて、大きさ20μm以上の突起数、高さ2μm以上の突起数をそれぞれカウントした。大きさ測定、高さ測定はそれぞれ、レーザーテック(株)製走査型レーザー顕微鏡「1LM15W」にて、ニコン製100倍レンズ(CF Plan 100×/0.95 ∞/0 EPI)を用いて、「SURFACE1」モードにてフィルム表面を撮影・解析することにより確認した。
(合成例1)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.39μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.5体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例2)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/75/25の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.38μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中86.3体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例3)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/70/30の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.44μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中86.8体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例4)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/80/20の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.40μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.8体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.50重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイよりエンドレスベルト上にキャストし、70℃の熱風にて加熱し、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをエンドレスベルトから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例5)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/50/50の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.45μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.2体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例6)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で100/60/40の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.35μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.4体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例7)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で50/50の割合で混合し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.38μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中86.3体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例8)
合成例2において、シリカを添加しないこと以外は全て合成例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例9)
合成例2において使用したシリカを、粒径が0.1μm以上4.5μm以下に収まっており、平均粒子径が1.1μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中27.3体積%のリン酸水素カルシウムに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.2重量%添加すること以外は全て合成例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例10)
合成例2において使用したシリカを、粒径が0.01μm以上0.3μm以下に収まっており、平均粒子径が0.08μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中31.4体積%のシリカに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加すること以外は全て合成例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例11)
合成例2において使用したシリカを、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.4μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中72.6体積%のシリカに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加すること以外は全て合成例2と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例12)
3,3’,4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(分子量294.22)/パラフェニレンジアミン(分子量108.14)をモル比で50/50の割合で混合し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤をポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.38μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中86.3体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例13)
油化シェル(株)製エポキシ樹脂「エピコート」834を50重量部、東都化成(株)リン含有エポキシ樹脂FX279BEK75を100重量部、住友化学(株)製硬化剤4,4’−DDSを6重量部、JSR(株)NBR(PNR−1H)100重量部、昭和電工(株)製水酸化アルミニウム30重量部をメチルイソブチルケトン600重量部に30℃で攪拌、混合し、接着剤溶液を得た。
(実施例1)
合成例1で製膜したポリイミドフィルムを用い、真空槽を到達圧力1×10−3Paにした後、アルゴンガス圧1×10−1PaにてDCマグネトロンスパッタによりニッケル/クロム=95/5(重量比)のニクロム合金を厚さ5nmになるように片面にスパッタリングし、更に銅を厚さ50nmになるようにスパッタリングした。次に、硫酸銅浴による電解鍍金で6μmの厚さの銅層を、2A/dmの電流密度の条件により積層し、片面フレキシブル銅張板を作製した。なお、硫酸銅浴の組成は、硫酸銅五水和物80g/リットル、硫酸200g/リットル、塩酸50mg/リットルに適宜量の添加剤を加えた溶液を用いた。
得られた銅張板を用い、片面の銅箔の上にクラリアントジャパン(株)製フォトレジストAZP4620を105℃10分間の乾燥後膜厚5μmで形成し、ライン幅/スペース幅=15μm/15μmのパターンが配置され、なおかつ図1に示すようなICチップを接合するためのインナーリードが配置されているガラスフォトマスクを用いて、400mJ/cm(全波長)で露光、AZ400K/水=25/75(重量比)の現像液で現像し、フォトレジストをパターニングした。その後、塩化鉄30重量%水溶液を用い、40℃90秒間で銅エッチングを行い、フォトレジストが形成されていない部分の銅を除去した。銅エッチング終了後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、40℃1分間でフォトレジストを剥離した。このようにして、片面にライン/スペース=15/15μmのチップオンフィルム用の回路パターンを形成した。
このようにして得られたチップオンフィルム用にパターニングされた配線板を用いて折り曲げ試験を行った。まず配線板を48mm幅×10cm長にサンプリングした後、MIT試験機(JIS−P−8115に記載の試験機)に試料をセットし、荷重9.8N、曲率半径0.38mm、折り曲げ繰り返し数10で行った。この際折り曲がり部分にインナーリードがくるようにサンプルの取り付けを調整した。折り曲げ試験後のインナーリードの先端部の捲れの有無を観察した。結果を表3に示す。
また、配線板のTD方向の寸法を測定(L3)、次に300℃の半田浴に20秒浸漬し、浸漬後に再びTD方向の寸法を測定(L4)した。半田浴による処理前後の寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
寸法結果を表3に示す。
また、得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分の静摩擦係数、AOI、異常突起数を測定した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例2)
合成例2で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例3)
合成例3で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例4)
合成例4で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例5)
合成例5で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例6)
合成例6で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(実施例7)
合成例2で製膜したポリイミドフィルムを用い、この片面に合成例13の接着剤を塗布し、150℃×5分間加熱乾燥し、乾燥膜厚10μmの接着剤層を形成した。この片面接着剤付きポリイミドフィルムと1/2オンス銅箔(日鉱グールド・フォイル(株)製、JTC箔)とを、熱ロールラミネート機を用いてラミネート温度160℃、ラミネート圧力196N/cm(20kgf/cm)、ラミネート速度1.5m/分の条件で熱ラミネートを行い、片面銅張板を作製した。
得られた銅張板を用い、片面の銅箔の上にクラリアントジャパン(株)製フォトレジストAZP4620を105℃10分間の乾燥後膜厚10μmで形成し、ライン幅/スペース幅=15μm/15μmのパターンが配置され、なおかつ図1に示すようなICチップを接合するためのインナーリードが配置されているガラスフォトマスクを用いて400mJ/cm(全波長)で露光、AZ400K/水=25/75(重量比)の現像液で現像し、フォトレジストをパターニングした。その後、塩化鉄30重量%水溶液を用い、40℃90秒間で銅エッチングを行い、フォトレジストが形成されていない部分の銅を除去した。銅エッチング終了後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、40℃1分間でフォトレジストを剥離した。このようにして、片面にライン/スペース=15/15μmのチップオンフィルム用の回路パターンを形成した。
このようにして得られたチップオンフィルム用にパターニングされた配線板を用い折り曲げ試験を行った。まず配線板を48mm幅×10cm長にサンプリングした後、MIT試験機(JIS−P−8115に記載の試験機)に試料をセットし、荷重9.8N、曲率半径0.38mm、折り曲げ繰り返し数10で行った。この際折り曲がり部分にインナーリードがくるようにサンプルの取り付けを調整した。折り曲げ試験後のインナーリードの先端部の捲れの有無を観察した。結果を表3に示す。
また、配線板のTD方向の寸法を測定(L3)、次に300℃の半田浴に20秒浸漬し、浸漬後に再びTD方向の寸法を測定(L4)した。半田浴による処理前後の寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
寸法結果を表3に示す。
また、得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分の静摩擦係数、AOI、異常突起数を測定した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起も無くAOI検査での誤検知もなく検査がスムーズに進み、さらに回路のライン/スペース間を跨いだ突起もなくチップオンフィルムとして充分適用できるものであった。
(比較例1)
合成例7で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、熱膨張係数が高いため300℃半田浴処理後の寸法変化率が大きく、回路の寸法精度が著しく悪化するので、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
(比較例2)
合成例8で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、静摩擦係数が高く滑り性が悪いためチップオンフィルムを搬送する上で不具合を生じさせるので、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
(比較例3)
合成例9で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、AOI検査では異常突起が異物と誤検知されてしまうので異物検査を充分に行うことができず、また発生した異常突起が回路のライン/スペース間を跨いで存在してしまい、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
(比較例4)
合成例10で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、静摩擦係数が高く滑り性が悪いためチップオンフィルムを搬送する上で不具合を生じさせるので、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
(比較例5)
合成例11で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
この例で得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、0.9〜1.3μmの粒子径の占有率が全体の22.0体積%を占めていたため、これが原因で異常突起数が多くなった。得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、AOI検査では異常突起が異物と誤検知されてしまうので異物検査を充分に行うことができず、また発生した異常突起が回路のライン/スペース間を跨いで存在してしまい、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
(比較例6)
合成例12で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にしてチップオンフィルム用の回路パターンを形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。
得られた片面配線板のポリイミドフィルム部分は、フィルム弾性率が高いため、インナーリード先端部の捲れがリード全体の40%で発生し、チップオンフィルム用としては適用できないものであった。
Figure 2008211046
Figure 2008211046
Figure 2008211046
本発明のチップオンフィルムは、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有し、更に優れた易滑性と極めて優れた折り曲げ性を有するので、自動光学検査システム(AOI)に適応可能で、さらに微細な配線を必要とする各種ICチップ搭載用途に好ましく適用することができる。
(A)は本発明のチップオンフィルムの一例を示すICチップ搭載部分の平面図であり、(B)は(A)に示す(a)−(b)線に沿った断面図である。
符号の説明
1・・・ポリイミドフィルム
2・・・配線(インナーリード)
3・・・ICチップ搭載部

Claims (9)

  1. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、ICチップが搭載可能なように配線を形成してなるチップオンフィルムであって、前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミン及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いて主として構成されてなるものであり、かつ、該ポリイミドフィルム中に、粒子径0.01〜1.5μmで平均粒子径0.05〜0.7μmであって、かつ、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の割合で分散・含有されているものであり、かつ、前記配線が、接着剤を介するかもしくは接着剤を介することなく、該ポリイミドフィルムの少なくとも片面に形成されていることを特徴とするチップオンフィルム。
  2. 前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として10〜50モル%のパラフェニレンジアミン及び50〜90モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物とを、主として用いてなるポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のチップオンフィルム。
  3. 前記ポリイミドフィルムが、弾性率が3〜6GPaで、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃で、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下で、吸水率が3.5%以下で、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のチップオンフィルム。
  4. 前記ポリイミドフィルムの表面に存在する大きさ20μm以上の突起数が、1個/40cm角以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
  5. 前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の突起数が、5個/40cm角以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
  6. 前記配線が、主として銅からなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
  7. 前記配線が、金属層をエッチングすることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
  8. 前記配線が、鍍金により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
  9. 前記接着剤が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のチップオンフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022545961A (ja) * 2019-08-29 2022-11-01 ピーアイ アドヴァンスド マテリアルズ カンパニー リミテッド ポリイミドフィルムおよびその製造方法

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