JP2008290304A - 銅張り板 - Google Patents

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孔一 沢崎
Masahiro Kokuni
昌宏 小國
Shu Maeda
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Abstract

【課題】高寸法安定性と共に適度な弾性率を有すると共に、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、さらには自動光学検査システム(AOI)に適応可能なポリイミドフィルムを使用してなる、高性能のフレキシブルプリント基板用として適した銅張り板を提供する。
【解決手段】ジアミン成分として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主として用いてなり、更に無機微細粒子を添加し、表面突起を発生させることにより易滑性を有するポリイミドフィルムを使用し、このポリイミドフィルムの片面または両面に、接着剤を介することなく直接銅層が形成されていることを特徴とする銅張り板。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気電子機器分野で使用されるフレキシブルプリント配線板(FPC)、チップオンフィルム(COF)等の材料として好適な銅張り板に関するものであり、更に詳しくは、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、自動光学検査システム(AOI)に適応可能なポリイミドフィルムを使用してなる銅張り板に関するものである。
近年では、プリント配線板が広く電子・電機機器に使用されている。中でも、折り曲げ可能なフレキシブルプリント配線板は、パーソナルコンピューターや携帯電話等の折り曲げ部分、ハードディスク等の屈曲が必要な部分に広く使用されている。このようなフレキシブルプリント配線板の材料としては、通常各種のポリイミドフィルムを基材とした銅張り板が使用されている。
銅張り板に使用されるポリイミドフィルムの代表的なものとしては、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用い、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いたポリイミドフィルムが挙げられる。このようなポリイミドフィルムは機械的、熱的特性のバランスに優れた構造を有しており、汎用の製品として広く工業的に用いられている。しかしながら、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリイミドフィルムは、曲げやすいという長所を有する反面、柔らかすぎて半導体を搭載する際に基材が曲がってしまい、接合不良となるといった問題点を有していた。また、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリイミドフィルムは、熱膨張係数(CTE)や吸湿膨張係数(CHE)が大きく、吸水率も高いため、熱や吸水による寸法変化が大きく、微細な配線形成を行った場合に狙い通りの配線幅や配線間を形成できないという問題を有していた。
このような問題を解決するための手段としては、ポリイミドフィルム以外の寸法変化が小さい基材、例えば液晶フィルム等を用いてフレキシブルプリント配線板を形成する方法(例えば、特許文献1参照)等が知られているが、液晶フィルムはポリイミドフィルムに比べて耐熱性が劣っており、半田付けの際に基材が変形するという問題を有していた。とりわけ近年は環境の問題から鉛を使用しない鉛フリー半田が広がっているが、鉛フリー半田のほとんどは融点が鉛含有半田よりも高いため、液晶フィルムの基材変形の問題は一層深刻となっていた。
また、ポリイミドがこれらの用途に用いられる際に重要な実用特性は、フィルムの滑り性(易滑性)である。様々なフィルム加工工程において、フィルム支持体(たとえばロール)とフィルムの易滑性、またフィルム同志の易滑性が確保されることにより、各工程における操作性、取り扱い性を向上させ、更にはフィルム上にシワ等の不良個所の発生が回避できるからである。
さらに、最近の電子部品のファインピッチ化において、特にFPCの検査においては、従来は目視による線幅、異物等の検査が主流であったが、自動光学検査システム(AOI)が導入されるようになってからは、無機粉体を混入する従来処方で製造された耐熱性フィルムでは、走行性に関して十分満足したものが得られていたが、AOIにおいては、無機粉体の形状が大き過ぎるために、最近のFPC等の狭ピッチ化のなかではこの無機粒子が異物と判断されてしまい、この点が自動検査システムでの大きな障害になっている。
従来のポリイミドフィルムにおける易滑化技術としては、不活性無機化合物(例えばアルカリ土類金属のオルトリン酸塩、第2リン酸カルシウム無水物、ピロリン酸カルシウム、シリカ、タルク)をポリアミック酸に添加する方法(例えば、特許文献2参照)、更には微細粒子によってフィルム表面に微細な突起を形成後、プラズマ処理を施す方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかし、これらに示される無機粒子は粒子径が大きく、自動光学検査システムには適応しないという問題がある。
また、ポリイミドフィルムの表層に平均粒子径が0.01〜100μmの無機質粒子が各粒子の一部をそれぞれ埋設させて保持されていて、一部露出した無機質粒子からなる多数の突起をフィルムの表面層に1×10〜5×10個/mm存在させる方法(例えば、特許文献4参照)が知られている。この方法は、積極的に表面に突起を露出させ、フィルム表面の摩擦係数を低減させることにより、易滑性効果を効果的に得るものであるが、無機質粒子がフィルム表面に一部露出しているため、フィルム表面へのすり傷が発生し、外観不良をきたすといった問題を抱えている。
特開2005−297405号公報 特開昭62−68852号公報 特開2000−191810号公報 特開平5−25295号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有すると共に、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、さらにはフレキシブルプリント基板(FPC)やチップオンフィルム(COF)の自動光学検査システム(AOI)に適応可能なポリイミドフィルムを使用してなる、高性能のフレキシブルプリント基板用として適した銅張り板を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明によれば、ジアミン成分として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いて主として構成されたポリイミドフィルム中に、粒子径0.01〜1.5μmで平均粒子径0.05〜0.7μmであって、かつ、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の割合で分散・含有されているポリイミドフィルムを用い、このポリイミドフィルムの片面または両面に、接着剤を介することなく直接銅層が形成されていることを特徴とする銅張り板が提供される。
なお、本発明の銅張り板においては、
前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として30〜60モル%の3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び40〜70モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであること、
前記ポリイミドフィルムが、弾性率が3〜6GPa、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃で、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下、吸水率が3.5%以下、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下の特性を有すること
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する大きさ20μm以上の突起数が1個/40cm角以下であること、
前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であること、
銅の表面に存在する大きさ20μm以上の突起数が40個/10cm角以下であることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有すると共に、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、さらにはフレキシブルプリント基板(FPC)やチップオンフィルム(COF)の自動光学検査システム(AOI)に適応可能なポリイミドフィルムを使用してなる、高性能のフレキシブルプリント基板用として適した銅張り板を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の銅張り板は、基材としてポリイミドフィルムを用い、このポリイミドフィルムの片面または両面に接着剤を介することなく、直接銅層が形成されているものである。
本発明において基材として用いるポリイミドフィルムは、ジアミン成分として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用してなるものである。この組み合わせにより、寸法安定性の高いポリイミドフィルムを得ることができる。すなわち、剛直なパラフェニレンジアミンを使用していないので、柔軟性と寸法安定性を兼ね揃えることができ、製膜性にも安定したポリイミドフィルムを得ることができる。酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を主として使用してなる特定のポリイミドフィルムである。すなわち、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル、ピロメリット酸二無水物の3種類を必須成分とし、これら3種類のみ、あるいはこれら3種類に加えて少量の別成分を加えることにより得られる特定なポリイミドからなるポリイミドフィルムである。
すなわち、本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドのジアミン成分においては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが多すぎると硬くなり、少なすぎると柔らかくなるため、30〜60モル%が好ましく、更に好ましくは35〜55モル%、より好ましくは40〜50モル%である。また、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが多すぎると柔らかくなり、少なすぎると硬くなるので、40〜70モル%が好ましく、更に好ましくは45〜65モル%、より好ましくは50〜60モル%である。
また、本発明のポリイミドフィルムを構成するポリイミドの酸二無水物成分には、ピロメリット酸二無水物のみを使用することによって、適度な弾性率を得られるとともに耐熱性が向上する。
かかるポリイミドで構成されたポリイミドフィルムの中でも、以下の特性を満足するものが、さらに好ましく使用される。
すなわち、ポリイミドフィルムの硬さの指標である弾性率が、3〜6GPaの範囲にあるものが好ましく、6GPaを超えると硬すぎ、3GPaより小さいと柔らかすぎる。
また、本発明のポリイミドフィルムは、線膨張係数は5〜20ppm/℃が好ましく、20ppm/℃を超えると熱による寸法変化が大き過ぎ、5ppm/℃より小さくなると、配線に使用される金属との線膨張係数との差が大きくなるため反りが生じてしまう。
また、本発明のポリイミドフィルムは、湿度膨張係数が25ppm/%RHを超えると湿度による寸法変化が大き過ぎるので、湿度膨張係数は25ppm/%RH以下であるものが好ましい。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいては、吸水率が3%を超えると、吸い込んだ水の影響でフィルムの寸法変化が大きくなるので、吸水率は3%以下であるものが好ましい。
また、本発明のポリイミドフィルムにおいては、200℃1時間の加熱収縮率が0.10%を超えると、やはり熱による寸法変化が大きくなるので、加熱収縮率は0.10%以下であるものが好ましい。
本発明におけるポリイミドフィルムには、上述の通り、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルや4,4’―ジアミノジフェニルエーテル以外に少量のジアミンを添加してもよい。また、ピロメリット酸二無水物以外に少量の酸二無水物を添加してもよい。具体的なジアミン及び酸二無水物としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)酸二無水物
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−デカヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,5,6−ヘキサヒドロナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロ−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等。
(2)ジアミン
3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、メタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、ベンチジン、4,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,4'−ジアミノジフェニルサルファイド、3,3'−ジアミノジフェニルサルファイド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2,6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、3,3'−ジクロロベンチジン、ビス−(4−アミノフェニル)エチルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)フェニルホスフィノキサイド、ビス−(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス−(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,4'−ジメチル−3',4−ジアミノビフェニル3,3'−ジメトキシベンチジン、2,4−ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス−(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノ−1,1'−ジアミノアダマンタン、3,3'−ジアミノメチル1,1'−ジアダマンタン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4'−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサエチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(3−アミノフェニル)−4−アミノベンズアミド、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート等。
また、本発明において、ポリイミドフィルムの前駆体であるポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
ポリイミドの重合方法は公知の下記(1)〜(5)のいずれの方法を採用することができる。すなわち、
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族テトラカルボン酸類成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に芳香族テトラカルボン酸類成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族テトラカルボン酸類成分と等量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(4)芳香族テトラカルボン酸類化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、芳香族テトラカルボン酸類化合物を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミド酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミド酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミド酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族テトラカルボン酸成分を過剰に、またポリアミド酸溶液(A)で芳香族テトラカルボン酸成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう調整する。
なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。
こうして得られるポリアミック酸溶液は、固形分を5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有しており、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・s、好ましくは、100〜1000Pa・sのものが、安定した送液のために好ましく使用される。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
次に、本発明のポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作成しこれを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの線膨張係数を低く抑えることができるので好ましい。
本発明においては、フィルムの走行性(易滑性)を良好なものにするため、ポリイミドフィルムに無機粒子を添加することが必須である。
このような無機粒子においては、粉体粒子径が0.01〜1.5μmの範囲内にあること、かつ平均粒子径が0.05〜0.7μmの範囲、より好ましくは0.1〜0.6μmの範囲、さらにより好ましくは0.3〜0.5μmの範囲にあることが必要であり、この場合にはポリイミドフィルムを自動光学検査システムでの検査に対し問題なく適応させることができるばかりか、フィルムの機械物性等の低下を発生させずに使用可能である。これらの範囲より平均粒子径が下回ると、フィルムへの充分な易滑性が得られず、逆に上回ると、自動検査システムで無機粒子が異物と判断され障害を来すことになるため好ましくない。
無機粒子の含有量は、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%が好ましく、0.3〜0.8重量%の割合で含まれていることがより好ましい。0.1重量%以下であると、フィルム表面の突起数も不足することによってフィルムへの充分な易滑性が得られず、搬送性が悪化し、ロールに巻いた時のフィルム巻姿も悪化するので好ましくない。また0.9重量%以上であると、フィルムの易滑性は良化するものの、粒子の異常凝集による粗大突起が増加し、これが結果的に自動検査システムで異物と判断され障害を来すので好ましくない。
無機粒子による表面突起により、フィルム表面積も拡大し、充分に粗面化されアンカー効果が見られ接着性も損なうこともなくなる。
無機粒子の粒度分布においては、狭い分布であること、つまり類似の大きさの粒子が全粒子に占める割合が高い方が良く、具体的には粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占めることが好ましい。この範囲を下回り0.15μm以下の粒子の占める割合が高くなると、フィルムの易滑性が低下するため好ましくない。また、無機粒子送液の際には、5μmカットフィルターや10μmカットフィルターにより粗粒を除去することが可能であるが、0.60μm以上の粒子の占める割合が高くなると、フィルターの目詰まりを頻発させてしまい工程安定性を損ねること、ならびに粒子の粗大凝集が生じやすくなることから好ましくない。
無機粒子に起因したフィルム表面突起においては、大きさ20μm以上の突起数が1個/40cm角以下であることが好ましい。また、高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であること、より好ましくは3個/40cm角以下、さらにより好ましくは1個/40cm角以下であることが望ましい。これよりも多いと、配線間にフィラーが跨って導電不通を引き起こすこと、フォトレジストマスクの膜厚を突き破る等の不具合を引き起こしやすくなること、及び自動検査システムで無機粒子が異物と判断され障害を来すことから好ましくない。
このような無機粒子を、ポリイミドの製造に使用される有機溶媒と同じ極性溶媒に分散させたスラリーを、ポリイミド製造工程中のポリアミド酸溶液に添加した後、脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得ることが好ましいが、ポリアミド酸重合前の有機溶媒中に無機粒子スラリーを添加した後、ポリアミド酸重合、脱環化脱溶媒を経てポリイミドフィルムを得ることなど、脱環化脱溶媒前の工程であればいかなる工程において無機粒子スラリーを添加することが可能である。
本発明で使用する無機粒子の具体例としては、SiO(シリカ)、TiO、CaHPO、Ca等を好適に挙げることができる。中でもゾル・ゲル法や湿式粉砕法で製造したシリカが、ワニス状ポリアミド酸溶液中で安定し、かつ物理的に安定し、ポリイミドの諸物性に影響を与えない点で好ましい。
さらに、微細シリカ粉は、N,Nージメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、nーメチルピロリドン等の極性溶媒に均一に極性溶媒に分散させたシリカスラリーとして使用することで凝集を防止するため好ましい。このスラリーは、粒子径が非常に小さいため沈降速度が遅く安定している。また、たとえ沈降しても再攪拌する事で容易に再分散可能である。
本発明で使用するポリイミドフィルムの厚みについては特に限定されないが、好ましくは1〜225μm、より好ましくは5〜175μmである。厚すぎるとロール状にした際に巻きずれが発生しやすくなり、薄すぎるとしわなどが入りやすくなる。
上記のようなポリイミドフィルムの片面あるいは両面に、接着剤を介さず、例えばめっき法によって直接銅層を形成して、本発明の銅張り板を形成する。
具体的には、例えば銅を形成させる面に対して真空条件下のもと、ニッケル/クロムをスパッタにより下地処理し、続いて銅をスパッタして薄い銅薄膜を形成させた後、硫酸銅浴等により電解鍍金で銅層を積層させることによって、本発明の銅張り板を得ることができる。この時の銅厚については3〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
本発明においては、銅層がフィルム表面に直接形成されるので、フィルム表面の突起が銅表面に突起発生を引き起こすことになる。そして、フィルム表面の突起が核となって、その周辺を覆う形で銅表面の突起が形成されるため、銅表面の突起の大きさは、その由来となるフィルム表面の突起よりも大きくなるのが一般的である。前述に挙げたようにフィルム表面の突起において20μm以上の突起数が1個/40cm角以下、高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であるフィルムの上に銅層を形成させることによって、銅表面の大きさ20μm以上の突起数を40個/10cm角以下に抑えることができる。
かくして構成される本発明の銅張り板は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有すると共に、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、さらにはフレキシブルプリント基板(FPC)やチップオンフィルム(COF)の自動光学検査システム(AOI)に適応可能であることから、ポリイミドフィルムを使用してなる高性能のフレキシブルプリント基板用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例で用いるポリイミドフィルムは合成例1〜6の方法により製膜したものを用いるが、これらに限定されない。また、比較例で用いるポリイミドフィルムは合成例7〜12により製膜したものを用いた。
また、合成例で得られたポリイミドフィルムの各特性は次の方法で評価した。
(1)フィルム厚
Mitutoyo製ライトマチック(Series318 )厚み計を使用して次のようにして測定した。すなわち、フィルム全面から任意に15箇所を選び、この15箇所にについて厚みを測定し、その平均を算出し、厚みとした。
(2)線膨張係数
島津製作所製TMA−50熱機械分析装置を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。荷重を0.25Nとし、まず35℃から10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。300℃にて5分間保持し、その後10℃/分で降温して35℃まで温度を下げ、35℃で30分間保持し、しかる後に10℃/分で昇温して300℃まで温度を上げた。2度目の35℃から300℃までの昇温の時のデータを読み、50〜200℃の部分の平均から線膨張係数を算出した。
(3)弾性率
エー・アンド・デイ製RTM−250テンシロン万能試験機を使用し、引張速度:100mm/分の条件で測定した。ロードセル10Kgf、測定精度±0.5%フルスケールとし、応力−歪み曲線を測定し、応力−歪み曲線の立ち上がり部分の直線の傾き(2Nから15Nの2点間の最小2乗法により算出)、初期試料長さ、試料幅、試料厚さから以下のように算出した。
弾性率=(直線部分の傾き×初期試料長さ)/(試料幅×試料厚さ)
(4)湿度膨張係数
25℃にてULVAC製TM7000炉内にフィルムを取り付け、炉内にドライ空気を送り込んで2時間乾燥させた後、HC−1型水蒸気発生装置からの給気によりTM7000炉内を90%RHに加湿させ、その間の寸法変化から湿度膨張係数を求めた。加湿時間は7時間とした。3RH%から90RH%までのデータを読み、3〜90RH%の部分の平均から湿度膨張係数を算出した。
(5)吸水率
98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置し、乾燥時重量に対しての増加重量%で評価した。具体的には6cm径の円形にフィルムを切り取り、200℃1時間熱処理した後の重量(W0)を乾燥時の重量として測定し、その後98%RH雰囲気下のデシケーター内に2日間静置させて吸水させたフィルムの重量(W1)を測定し、下記計算式により吸水率を求めた。
吸水率 = (W1−W0)/WO×100
(6)加熱収縮率
20cm×20cmのフィルムを用意し、25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後フィルム寸法(L2)を測定し、下記式計算により評価した。
加熱収縮率 = −(L2−L1)/L1×100
(7)摩擦係数(静摩擦係数)
フィルム同士を重ね合わせ、JIS K−7125(1999)に基づき測定した。すなわち、スベリ係数測定装置Slip Tester(株式会社テクノニーズ製)を使用し、フィルム同士を重ね合わせて、その上に200gのおもりを載せ、フィルムの一方を固定、もう一方を100mm/分で引っ張り、摩擦係数を測定した。
(8)自動光学検査(AOI)
オルボテック社製のSK−75を使用してベースフィルムを検査した。異物と微粒子の区別の付く場合を「○」評価、一方異物と微粒子の大きさが類似していて、両者の区別が付かない場合を「×」評価とした。
(9)無機粒子の評価
堀場製作所のレーザ回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、極性溶媒に分散させた試料を測定、解析した結果から粒子径範囲、平均粒子径、粒子径0.15〜0.60μmの全粒子中に対する占有率を読み取った。
(10)異常突起数
フィルム表面上の異常突起は、40cm角面積当たりにおいて、大きさ20μm以上の突起数、高さ2μm以上の突起数をそれぞれカウントした。銅の表面の異常突起は、10cm角面積当たりにおいて、大きさ20μm以上の突起数をカウントした。大きさ測定、高さ測定はそれぞれ、レーザーテック(株)製走査型レーザー顕微鏡「1LM15W」にて、ニコン製100倍レンズ(CF Plan 100×/0.95 ∞/0 EPI)を用いて、「SURFACE1」モードにてフィルム表面を撮影・解析することにより確認した。
(合成例1)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で2/1/1の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.37μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.4体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例2)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で2/1/1の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.46μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中88.1体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.45重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例3)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で5/2/3の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.49μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中86.9体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.35重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例4)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で20/9/11の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.42μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中88.6体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.30重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例5)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で20/11/9の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.34μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.7体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.50重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例6)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で5/3/2の割合で用意し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)中18.5重量%溶液濃度にして重合し、3000ポイズのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.52μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中87.0体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.45重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.20mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ25μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表1に示す。
(合成例7)
ピロメリット酸二無水物(分子量218.12)/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(分子量200.24)をモル比で50/50の割合で混合し、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)18.5重量%溶液にして重合し、3000poiseのポリアミド酸を得た。無水酢酸(分子量102.09)とイソキノリンからなる転化剤を、ポリアミド酸溶液に対し50重量%の割合で混合、攪拌した。この時、ポリアミド酸のアミド酸基に対し、無水酢酸及びイソキノリンがそれぞれ2.0及び0.4モル当量になるように調製した。この混合物に、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.40μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中88.3体積%のシリカのN,N−ジメチルアセトアミドスラリーを、前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加し、充分攪拌、分散させた後、T型スリットダイより回転する100℃のステンレス製ドラム上にキャストし、残揮発成分が55重量%、厚み約0.30mmの自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムをドラムから引き剥がし、その両端を把持し、加熱炉にて200℃×30秒、350℃×30秒、550℃×30秒処理し、厚さ38μmのポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す
(合成例8)
合成例1において、シリカを添加しないこと以外は、全て合成例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例9)
合成例1において使用したシリカを、粒径が0.1μm以上4.5μm以下に収まっており、平均粒子径が1.1μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中27.3体積%のリン酸水素カルシウムに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.20重量%添加すること以外は、全て合成例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例10)
合成例1において使用したシリカを、粒径が0.01μm以上0.3μm以下に収まっており、平均粒子径が0.08μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中31.2体積%のシリカに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加すること以外は、全て合成例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(合成例11)
合成例1において使用したシリカを、粒径が0.01μm以上1.5μm以下に収まっており、平均粒子径が0.49μm、粒子径が0.15〜0.60μmである粒子が全粒子中72.6体積%のシリカに変更し、N,N−ジメチルアセトアミドスラリーを前記ワニス状ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.40重量%添加すること以外は、全て合成例1と同様の方法でポリイミドフィルムを得た。物性を表2に示す。
(実施例1)
合成例1で製膜したポリイミドフィルムを用い、真空槽を到達圧力1×10−3Paにした後、アルゴンガス圧1×10−1PaにてDCマグネトロンスパッタによりニッケル/クロム=95/5(重量比)のニクロム合金を厚さ5nmになるように片面にスパッタリングし、更に銅を厚さ50nmになるようにスパッタリングした。次に、硫酸銅浴による電解鍍金で6μmの厚さの銅層を、2A/dmの電流密度の条件により積層し、片面フレキシブル銅張板を作製した。なお、硫酸銅浴の組成は、硫酸銅五水和物80g/リットル、硫酸200g/リットル、塩酸50mg/リットルに適宜量の添加剤を加えた溶液を用いた。
得られた銅張板を20cm角にカットし、銅表面上に2mm幅テープを3mm間隔で幅方向(TD)に40本貼り、これを塩化第二鉄水溶液に入れ、テープの貼られていない部分の銅をエッチング除去し、簡易的な配線板を作製した。その後TD方向の両端部の寸法を測定(L3)、次に150℃1時間加熱した後に再びTD方向の寸法を測定(L4)、寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
寸法結果を表3に示す。
得られた銅張り板のポリイミドフィルム部分の静摩擦係数、AOI、異常突起数及び銅側部分の異常突起数を測定した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(実施例2)
合成例2で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(実施例3)
合成例3で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(実施例4)
合成例4で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(実施例5)
合成例5で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(実施例6)
合成例6で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。静摩擦係数が低いので搬送性が良く、また異常突起が少なく、誤検知によるAOI検査の中断も少なくすみ、寸法変化率も低いので、微細配線形成用としての銅張り板に好適である。
(比較例1)
合成例7で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた銅張り板のポリイミドフィルム部分は、熱収縮率が高いため寸法変化率も高く、微細配線形成用としての銅張り板としては適用できないものであった。
(比較例2)
合成例8で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた銅張り板のポリイミドフィルム部分は、静摩擦係数が高く滑り性が悪いため銅張り板を搬送する上で不具合を生じさせるので、微細配線形成用としての銅張り板としては適用できないものであった。
(比較例3)
合成例9で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた銅張り板のポリイミドフィルム部分は、AOI検査では異常突起が異物と誤検知されてしまい度々AOI検査を中断しなくてはならないほど異常突起が多く、また銅側の異常突起数も多く微細配線形成用としての銅張り板としては適用できないものであった。
(比較例4)
合成例10で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。得られた銅張り板のポリイミドフィルム部分は静摩擦係数が高く滑り性が悪いため銅張り板を搬送する上で不具合を生じさせるので、微細配線形成用としての銅張り板用としては適用できないものであった。
(比較例5)
合成例11で製膜したポリイミドフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして銅張り板を形成し、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表3に示す。この例では、0.9〜1.3μmの粒子径の占有率が全体の21.3体積%を占めていたため、これが原因で異常突起数が多くなった。銅張り板のポリイミドフィルム部分は、AOI検査では異常突起が異物と誤検知されてしまい度々AOI検査を中断しなくてはならないほど異常突起が多く、また銅側の異常突起数も多く微細配線形成用としての銅張り板としては適用できないものであった。
Figure 2008290304
Figure 2008290304
Figure 2008290304
本発明の銅張り板は、高寸法安定性と共に適度な弾性率を有すると共に、無機微細粒子を添加して表面突起を発生させることにより易滑性を有し、さらにはフレキシブルプリント基板(FPC)やチップオンフィルム(COF)の自動光学検査システム(AOI)に適応可能であることから、ポリイミドフィルムを使用してなる高性能のフレキシブルプリント基板用途に好ましく適用することができる。

Claims (6)

  1. ジアミン成分として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を用いて主として構成されたポリイミドフィルム中に、粒子径0.01〜1.5μmで平均粒子径0.05〜0.7μmであって、かつ、粒子径0.15〜0.60μmの粒子が全粒子中80体積%以上の割合を占める粒度分布を有する無機粒子が、フィルム樹脂重量当たり0.1〜0.9重量%の割合で分散・含有されているポリイミドフィルムを用い、このポリイミドフィルムの片面または両面に、接着剤を介することなく直接銅層が形成されていることを特徴とする銅張り板。
  2. 前記ポリイミドフィルムが、ジアミン成分として30〜60モル%の3,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び40〜70モル%の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物を、主として用いてなるポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の銅張り板。
  3. 前記ポリイミドフィルムが、弾性率が3〜6GPa、50〜200℃での線膨張係数が5〜20ppm/℃で、湿度膨張係数が30ppm/%RH以下、吸水率が3.5%以下、200℃1時間での加熱収縮率が0.10%以下の特性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の銅張り板。
  4. 前記無機粒子に起因する突起が前記ポリイミドフィルムの表面に存在し、大きさ20μm以上の突起数が1個/40cm角以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅張り板。
  5. 前記ポリイミドフィルムの表面に存在する高さ2μm以上の突起数が5個/40cm角以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅張り板。
  6. 前記ポリイミドフィルムの表面に形成された銅層の表面に存在する大きさ20μm以上の突起数が40個/10cm角以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅張り板。
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