JP2006104383A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流延製膜方法により得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムのFe、Ni、Crの含有総和量が20ppm以下であるポリイミドフィルムである。またポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得るための重合容器の接液部、輸送配管がオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼から選ばれるいずれかの材料で構成されているポリイミドフィルムの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
エレクトロマイグレーションを防止するためにはポリイミドフィルム自身の吸湿性を下げると同時にフィルム内のイオン性不純物を低減させることが有効であると考えられている。特に鉄やアルカリ金属類やリンについては、原料段階よりその管理がなされている。
芳香族ポリアミドフィルムや芳香族ポリイミドフィルムは、磁気記録分野等に使用されているが、高密度化・小型化等の要請から表面の平滑化の要求がある。これらに対して、3つの方法が提案されている。1の方法は、ステンレス等のいわば汎用の金属材料からなる支持体を用いることである(特許文献1参照)。この場合、製膜に用いる溶剤、含有成分、高温環境等のためにおうおうにして、支持体の表面が腐食・荒れ等をきたし、その結果得られるフィルムの表面が徐々に平滑性を失っていく。
2の方法は、耐食性に優れた貴金属または準貴金属を用いる方法である(特許文献2、3参照)が、高価な上、硬度が非常に小さく使用中の傷つけ等で表面性を良好なレベルに維持していくのが困難であった。
3の方法として、耐食性の優れたフッ素樹脂等を汎用金属材料上にコーティングする(特許文献4参照)方法があるが、フッ素樹脂層の微細な欠陥のために、表面性のレベルが必ずしも満足いくものではない上に、支持体の耐食性を長期に維持するのが困難であった。
また、表面の耐久性、耐腐食性のすぐれた表面に、クロムのスピネル型酸化水和物からなる被膜(以下薄膜クロム層という)と硬膜層とを設けたことを特徴とするロールおよびそれを用いた溶液製膜フィルムの製造方法で、延伸装置内でこのフィルムを走行させた時の装置腐蝕によるコンタミネ−ションとフィルム表面傷を抑制し、平滑な面を有するフィルムを安定して得ることができる。
支持体上に流延してフィルム(ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の自己支持性フィルムであるグリーンフィルム)に成形した後、溶媒・各種塩などの除去および延伸する際、該ロールを用いて溶液製膜フィルムを製造する製膜方法が開示されている(特許文献6参照)。
すなわち本発明は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を支持体上に塗布乾燥する工程を少なくとも有する流延製膜方法により得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムのFe、Ni、Crの含有総和量が20ppm以下であることを特徴とするポリイミドフィルムであり、中でもFe、Ni、Crの含有総和量において、Feの含有量が含有総和量の1/2以上である前記のポリイミドフィルムであり、さらにまたポリイミドが、テトラカルボン酸無水物とベンゾオキサゾール構造を有するジアミンとの縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールである前記のポリイミドフィルムである。
また、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得るための重合容器の接液部、輸送配管がオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼から選ばれるいずれかの材料で構成されていることを特徴とする上記ポリイミドフィルムの製造方法である。
ポリイミドを得る反応は、まず、溶媒中で芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得て、次いで、このポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に脱水縮合(イミド化)することによりなされる。
本発明においては、特にこれら芳香族ジアミン類の中でベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が好適なジアミンであり、この好適ジアミンを使用する際、本発明におけるFe、Ni、Crの含有総和量の抑制効果が特定材質の金属を使用することにおいて顕著となる。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0以上が好ましく、4.0以上がさらに好ましく、なおさらに5.0以上が好ましい。
これらのFe、Ni、Crのフィルム中での含有形態としては、0.1μm以上の粒子としてフィルム中に存在しないことが、より好ましい。
本発明においては重合容器の接液部および輸送配管の金属部分をオーステナイト系ステンレス鋼ないしフェライト系ステンレス鋼で構成する。オーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS301、SUS301L、SUS630、SUS631、SUS302、SUS302B、SUSXM15J1、SUS303、SUS303Se、SUS304、SUS304L、SUS304J1、SUS304J2、SUS305、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS317、SUS317L、SUS321、SUS347等を用いることが出来る。またフェライト系ステンレス鋼としてはSUS405、SUS406、SUH409、SUH409L、SUS430、SUS430F、SUS430LX、SUS430J1L、SUS434、SUS436L、SUS436J1L、SUS444、SUSXM27、SUS447J1を用いることができる。
本発明においては、これらの内、より好ましくは耐腐食性の高いSUS301L、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、SUS321、SUS347であり、なおさらに好ましくは低炭素のSUS304L、SUS316L、SUS317Lである。
マルテンサイト系ステンレス鋼としてはSUS410、SUS410S、SUS410F2、SUS416、SUS420J1、SUS420J2、SUS420F、SUS420F2、SUS431、SUS440、SUS440Cなどを用いることが出来る。これらの内、特に高度が高いSUS420J1、SUS420J2、SUS440Cを好ましく用いることができる。
これらの他ステンレス鋼としてはSUS329J1、SUS39J3L、SUS329J4L、NSS431DPI、HT980、HT1770、HT1960等を用いることができる。
支持体上で乾燥し、自己支持性となったフィルム(グリーンフィルム)は支持体より剥離され、150〜500℃の温度にて最終乾燥(熱処理)によってアミド酸の脱水閉環を行いポリイミドフィルムが得られる。
本発明のポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、電子基板の基材に用いることを考慮すると、通常1〜150μm、好ましくは3〜50μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
上記のとおりポリアミド酸を重合する際のモノマー、溶剤、添加物、および反応装置の材質、フィルムの製造装置の材質などの制御によって、フィルムのFe、Ni、Crの含有総和量が20ppm以下であるポリイミドフィルムを得ることができる。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
フイルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所株式会社製、オートグラフ(R)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張強度及び引張破断伸度を求めた。
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
試料2gを白金製坩堝に精秤・採取し、電気炉で灰化した後、残さを1.2mol/L塩酸溶液20mlで溶解させたものを測定液とした。測定液中の金属量は、高周波プラズマ発光分析装置(リガク株式会社製、CIROS−120)により求めた。測定した発光線はそれぞれ次のとおりである。
鉄 :259.94nm
クロム :205.552nm
ニッケル:231.604nm
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P30(日本触媒株式会社製)を0.81質量部、N−メチル−2−ピロリドン420質量部を、容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。予備分散液中の平均粒子径は0.38μm、標準偏差0.032μm、CV値8.4%、であり、球形度0.98であった。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、223質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、4000質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて50時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は5.2であった。
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックスDMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)4.05質量部(シリカを0.81質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え,25℃の反応温度で40時間攪拌すると,褐色で粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。このもののηsp/Cは4.6であった。
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P30(日本触媒株式会社製)を0.76質量部、N−メチル−2−ピロリドン390質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを入れた。次いで、3800質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を390質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.8であった。
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P30(日本触媒株式会社製)を0.73質量部、N−メチル−2−ピロリドン420質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れた。次いで、3600質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて10時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Dが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.3であった。
参考例1〜4で得たポリアミド酸溶液を、それぞれ支持体上に送液するギヤポンプのギヤがマルテンサイト系ステンレス鋼SUS440Cであるギヤポンプを使用して送液し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの支持体上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、150μm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して、厚さ17μmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する実施例1〜4のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの性能などの測定結果を表1に記載する。
無機粒子の予備分散およびポリアミド酸溶液を得る際の容器の接液部、および輸液用配管をオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lからマルテンサイト系ステンレス鋼SUS410に変更した以外は、参考例1〜4に代わる参考例5〜8のポリアミド酸溶液をそれぞれ得た。
これらの参考例5〜8のポリアミド酸溶液を、それぞれ支持体上に送液するギヤポンプのギヤがタングステン鋼SKH51であるギヤポンプを使用して送液し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの支持体上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、150μm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して、厚さ17μmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する比較例1〜4のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの性能などの測定結果を表1に記載する。
参考例5〜8のポリアミド酸溶液を、それぞれ支持体上に送液するギヤポンプのギヤがオーステナイト系ステンレス鋼SUS304であるギヤポンプを使用して送液し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの支持体上にコーティングし(スキージ/ベルト間のギャップは、150μm)、90℃にて60分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して、厚さ17μmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段が180℃で3分、昇温速度4℃/秒で昇温して第2段として460℃で5分の条件で2段階の加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する比較例5〜8のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの性能などの測定結果を表2に記載する。
各実施例、比較例で得られたポリイミドフィルムを25cm×25cmの正方形に切り取り、直径24cmの開口部を有するステンレス製の枠に挟んで固定した。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はキセノンガス中で、周波数13.56MHz、出力100W、ガス圧0.8Paの条件であり、処理時の温度は25℃、処理時間は5分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力400W、ガス圧0.8Paの条件、モリブデンターゲットを用い、キセノン雰囲気下にてRFスパッタ法により、50Åのモリブデン合金被膜を形成した。次いで、基板の温度を250℃に上げ、100Å/秒の速度で銅を蒸着し、厚さ0.5μmの銅薄膜を形成させた。
得られたそれぞれの金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅めっき浴を用いて、厚さ12μmの厚付け銅メッキ層を形成し、引き続き300℃で10分間熱処理し目的とする金属化ポリイミドフィルムを得た。
得られたこれらの金属化ポリイミドフィルムを使用し、フォトレジスト(シプレー社製、FR−200)を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、後述する耐マイグレーション評価試験に必要な40μmピッチの櫛形電極のテストパターンを形成した。
上記で得られたそれぞれのポリイミドフィルムからの40μmピッチの櫛形電極に、電圧(DC60V)を印可し、85℃・85%RHの恒温恒湿槽(エタック社製、FX412Pタイプ)の中に入れ電圧負荷状態のまま5分毎に絶縁抵抗値を測定記録し、線間の抵抗値が100Mオーム以下に達する時間を測定しマイグレーション評価とした。
Claims (4)
- ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を支持体上に塗布乾燥する工程を少なくとも有する流延製膜方法により得られるポリイミドフィルムであって、該フィルムのFe、Ni、Crの含有総和量が20ppm以下であることを特徴とするポリイミドフィルム。
- フィルムのFe、Ni、Crの含有総和量において、Feの含有量がFe、Ni、Crの含有総和量の1/2以上である請求項1記載のポリイミドフィルム。
- ポリイミドが、テトラカルボン酸無水物とベンゾオキサゾール構造を有するジアミンとの縮合から得られるポリイミドベンゾオキサゾールである請求項1又は2いずれかに記載のポリイミドフィルム。
- ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得るための重合容器の接液部、および/又は輸送配管がオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼から選ばれるいずれかの材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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