JP4810984B2 - 金属被覆ポリイミドフィルム - Google Patents

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Description

本発明は電子機器、部品の小型化、軽量化をになう電子部品に用いられる金属被覆ポリイミドフィルムに関する。さらに詳しくは、半導体パッケ−ジング、インターポーザ、モジュール基板、TABテープ、COF、FPC等で利用される前記フレキシブルプリント配線基板用金属被覆ポリイミドフィルムに関する。
従来、ポリイミドフィルムに銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を接着剤で貼り合わせた、いわゆる3層タイプフレキシブルプリント配線基板に用いられる金属被覆ポリイミドフィルムが知られている。このものは使用する接着剤に起因すると考えられる次のような問題点がある。まずフィルムより熱的劣性能による寸法精度低下、不純物イオン汚染による電気特性が低下する欠点があり、高密度配線には限界がある。また接着層の厚さ分や機械的特性・熱的特性の違いにより両面用のスルホ−ル穴あけ等の加工性が低下する欠点もある。よって、小型、軽量化対応に極めて不都合な点が多いといえる。
一方、ポリイミドフィルム上に接着剤を用いず、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ−ティング、銅メッキ等の方法で金属層を形成させた、いわゆる薄膜タイプの接着剤層の無い2層フレキシブルプリント配線基板用の金属被覆ポリイミドフィルムが提案されている。たとえば、絶縁性フィルムにクロム系セラミック蒸着層、銅又は銅合金蒸着層および銅メッキ層を順次設けたフレキシブルな電気回路用キャリヤ−が提案されている(特許文献1参照)。
特開平4−329690号公報
また、重合体フィルムにプラズマによる金属酸化物をランダム配置させ、次いで金属蒸着層、および金属メッキ層を具備する金属−フィルム積層板の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。また、電気絶縁性支持体フィルム上に25〜150オングストロ−ムの厚さのクロム/酸化クロムスパッタリング層、1ミクロン未満の厚さの銅スパッタリング層を付与し、前記銅層にフォトレジスト組成物を塗布する回路材料の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開平4−290742号公報 特開昭62−293689号公報
また、フィルム中に錫をフィルムの0.02〜1質量%含有するポリイミドフィルムの片面又は両面に、フィルムの表面より内にむけた厚さ方向に、蒸着金属の一部又は全部がフィルムに混在し、該混在層を含めた10〜300オングストロ−ムの範囲の厚さからなる第一蒸着金属層を設け、次いで該蒸着層上に銅からなる第二蒸着層を設けたことを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板であり、第一金属層が好ましくはクロム、クロム合金およびクロム化合物の群から選択した1種以上であり、さらには、第一蒸着金属層を構成する金属がクロムが20%未満のニクロムであるフレキシブルプリント配線用基板が開示されている(特許文献4参照)。
特開平8−330728号公報
これらの例からも解るように従来の薄膜タイプの金属被覆ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムに、まず、何らかの下地層を形成し、その上に良導電材である銅を形成することにより作製されている。導電層である金属層と、基材であるポリイミドフィルムの間の接着力については定説は無く、経験論の積み重ねの中でいくつかの金属の組み合わせが実用に付されている。しかしながらそれらは必ずしも要求特性をすべて満足した物とはいえない。
下地層に非金属、ないし金属酸化物を用いた場合には下地層をエッチングにより除去することが困難であり、なおかつ無電解メッキ工程などでの還元作用により、線間に残された金属酸化物が還元され、導電性金属異物となって線間の絶縁不良を生じる可能性があった。また下地層としてよく使用されるクロム酸化物は環境衛生上好ましくない化合物であるとされている。
下地層に銅以外の金属を用いる場合には、下地層が銅のエッチング液で除去できるかどうかが問題となる。銅より、耐食性の良い金属を用いると、下地金属の除去が不十分となり、線間の絶縁性を低下せしめる恐れがある。また銅よりエッチングしやすい金属の場合、下地部分がオーバーエッチされやすく、導体の実効的な接着強度が低下しやすくなる。またさらに、下地金属自体による絶縁性低下が問題にならないレベルであったとしても、後工程の無電解メッキ時に残存した金属が触媒活性を示し、線間にメッキ金属が析出し短絡を生じる場合がある。またさらに、配線間に残存した下地材料が配線間の耐マイグレーション性を低下せしめることが懸念されている。
ポリイミドフィルムの片方の表面上に下地金属薄膜、銅薄膜が形成され、もう一方の表面上に酸素透過率が少ない薄膜により構成され、そして、その片面あるいは両面上に回路用銅層を付与されたフレキシブルプリント回路基板用材料が提案されている(特許文献5参照)。
当該提案は、接着力の低下が金属とポリイミドフィルムとの界面の酸化によるものとの観点から成されたものであるが、例示された酸素透過率の小さい材料はいずれも脆く、高い屈曲性が要求されるフレキシブルプリント配線板には不適である。
特開平6−29634号公報
かかる観点より、近年、ニッケル−クロム系合金を下地として使用した金属被覆ポリイミドフィルムが注目されており、一般のポリイミドフィルムにニッケルークロム系の合金層を下地層に用い、さらに銅にて厚付けした金属被覆フィルムの例示がある(例えば、特許文献6参照)。
ニッケル−クロム系合金は酸化脆化に対する耐性が比較的強く、適度なアンカー効果が期待できる素材である。その反面、エッチング後に金属成分が残存しやすく絶縁信頼性が悪化する場合があることが懸念されている。
特開2002−252257号公報
近年の半導体産業における高密度配線に対する要求は高度化してきており、該高度化した高密度配線用の半導体パッケージにおいては、上記した従来技術では使用環境の温湿度等の変化に対する耐久性等の信頼性が市場要求を満たせられなくなってきている。
本発明者らは、かかる状況に鑑み、銅箔と基材との接着性に優れ、かつ絶縁信頼性、耐マイグレーション性に優れ、さらに高信頼のCOF、TAB、FPC、半導体パッケージ基板などの基材として実用に足る金属被覆ポリイミドフィルムを実現することを目的として研究を続けた結果、次なる発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の構成である。
〔1〕ポリイミドフィルムの少なくとも片面に(1)Cuを含まない第一の金属層、(2)Cuを主体とする第二の金属層が順次積層されてなる金属被覆ポリイミドフィルムにおいて、該金属被覆ポリイミドフィルムを150℃で熱処理した後に、硫酸/過酸化水素系エッチング試薬で処理したポリイミドフィルム表面のCu以外の残存金属量が1μg/平方cm未満、0μg/平方cm以上であることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルム。
〔2〕前記ポリイミドフィルムが、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸二無水物類の縮重合により得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする前記〔1〕の金属被覆ポリイミドフィルム。
である。
本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、いわゆる下地金属層の除去が容易であり、かつ下地層の酸化劣化による界面接着性の低下が抑制されその耐久性が向上しており、かつ熱や湿度変化による基材フィルムの形態変化が少ないので、電気特性に優れ、また、配線回路パターンのエッチング性やメッキ耐性を低下させることなく、また長時間の加熱に暴露されても接着強度が低下することなく、さらに耐マイグレーション特性に優れている。従って、細線化された高密度配線の半導体パッケージにおいても、該半導体パッケージの使用環境の温湿度変化に対する耐久性が向上し、半導体の信頼性が高まる。また、本発明の製造方法において、前記した特性の金属被覆ポリイミドフィルムが安定して、かつ経済的に製造することができる。
本発明のごとく、ポリイミドフィルムに複数種類の金属層を形成する方法は従来より広く知られている。かかる複数の金属層が積層された構成においては、異種金属界面にて金属成分の相互拡散が生ずる。相互に拡散した結果界面近傍には境界を接する複数成分の合金、ないし金属間化合物が生じ、そのため回路形成の際に用いられるエッチング試薬に対する溶解性が変化する。本発明者らは特に長期保存における第一の金属層の化学的質的変化が、接着強度の維持、耐久性に影響することを見いだし、金属層の構成を、高温加速条件下に置いて特定の化学的耐久性を保持する内容とすることにより耐湿熱環境下でも接着強度が低下を防止できることを見いだした。
ポリイミドフィルムにおいては、その中間体であるポリアミド酸由来の分析困難なレベルに極微量のカルボキシル基とアミド基が存在することが推察される。かかる両性官能基に水の共存することで近接する異種金属成分間には電気化学的ポテンシャルが生じ、長期間にわたって電気化学的な腐食が生じ、かかる現象が金属層とポリイミド層の間の接着力を低下させるものと考えられる。
本発明において用いられる硫酸/過酸化水素系エッチング試薬は、比較的Cuに対するエッチング選択性が高いことが知られているが、Cu以外の金属、特に卑金属類に対してはエッチング性を有し、かかる試薬に対するエッチング性により金属構成成分の化学的耐久性を知ることができる。ここに化学的耐久性は化学的な酸化還元反応だけでなく、金属層表面に形成される不動態成分に左右されることが知られている。本発明者らは高温加速試験後の化学的耐久性、すなわち不動態成分の形成はポリイミドフィルムと下地となる金属層との間に応力を生じるため接着性を低下させ、不動態そのものは絶縁物であるが、配線間の絶縁信頼性を損ねるマイグレーションを電気化学的に誘引する引き金となっているものと考えており、不動態成分の状態を特定エッチング試薬への耐性という形で定量化し本発明を構成した。
さらには、通常、Ni−Cr系の下地金属層を用いた場合には下地金属専用の処理薬液が必要とされるが、本発明に置いては通常のCu用エッチング処理液で良好な回路形成が可能である。
以下、本発明の金属被覆ポリイミドフィルムおよびその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム、第一の金属層、第二の金属層、さらに必要によって形成される厚付け金属層からなる。
以下、本発明におけるポリイミドフィルムについて説明する。ポリイミドフィルムは主鎖にイミド結合を有する高分子化合物からなるフィルムである。ポリイミドフィルムはジアミン類とテトラカルボン酸二無水物類の重縮合に得られる物が一般的である。
本発明に好ましく適用し得る、ポリイミドフィルムを得るための芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸類との反応は、溶媒中で芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類とを(開環)重付加反応に供してポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を得て、次いで、このポリアミド酸の溶液から前駆体フィルム(グリーンフィルムともいう)を成形した後に乾燥・熱処理・脱水縮合(イミド化)することにより製造される。
本発明におけるポリイミドフィルムは、特に限定されるものではないが、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類と組み合わせ。
B.ジアミノジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類とピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
D.上記のABCの一種以上の組み合わせ。
本発明で好ましく使用できるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類として、下記の化合物が例示できる。
Figure 0004810984
Figure 0004810984
Figure 0004810984
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2,2'−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2'−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d'〕ビスオキサゾール、2,6−(4,4'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d'〕ビスオキサゾール、2,6−(3,4'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d'〕ビスオキサゾール、2,6−(3,4'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d'〕ビスオキサゾール、2,6−(3,3'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:5,4−d'〕ビスオキサゾール、2,6−(3,3'−ジアミノジフェニル)ベンゾ〔1,2−d:4,5−d'〕ビスオキサゾール。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを70モル%以上使用することが好ましい。
本発明におけるジアミノジフェニルエーテル骨格を有する芳香族ジアミン類としては、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(ODA又はDADEともいう)、3,3'−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4'−ジアミノジフェニルエーテルおよびそれらの誘導体が挙げられる。
本発明におけるフェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミンおよびそれらの誘導体が挙げられる。
本発明におけるポリイミドフィルムには前記に限定されない下記の芳香族ジアミンを使用してもよい。
例えば、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4'−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4'−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ5,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン3,4'−ジアミノ−5'−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシル基、シアノ基、又はアルキル基又はアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるポリイミドフィルムにおいて好ましく使用できる芳香族テトラカルボン酸類として、ピロメリット酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類すなわちピロメリット酸およびその無水物又はハロゲン化物、ビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類すなわちビフェニルテトラカルボン酸およびその無水物又はハロゲン化物が挙げられる。
前記に限定されないで下記の芳香族テトラカルボン酸を使用してもよい。
Figure 0004810984
Figure 0004810984
Figure 0004810984
Figure 0004810984
これらのテトラカルボン酸は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられるが、なかでもN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましく適用される。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜20質量%となるような量が挙げられる。
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜30時間連続して撹拌および/又は混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割したり、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに5.0dl/g以上が好ましい。
また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の溶液を製造するのに有効である。
さらに、以下述べるポリアミド酸の溶液を支持体上に流延・塗布するに際して予め減圧などの処理によって該溶液中の気泡や溶存気体を除去しておくことも、本発明のポリイミドフィルムを得るために有効な処理である。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラム又はベルト状回転体などが挙げられる。また、適度な剛性と高い平滑性を有する高分子フィルムを利用する方法も好ましい態様である。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にしたり、あるいは梨地状に加工することができる。また支持体の差によって乾燥における風量や温度は適宜選択採用すればよく、支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
イミド化・熱処理として、閉環(イミド化)触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができる。
熱閉環法の熱処理温度は、150〜500℃が好ましく、熱処理温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間熱処理するところの初期段階熱処理と後段階熱処理とを有する2段階熱処理工程が挙げられる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンフィルムともいう)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、5〜150μm、好ましくは10〜100μmである。この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。
本発明のポリイミドフィルムには、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルム表面に微細な凹凸を付与しフィルムの滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明におけるポリイミドフィルムの熱線膨張率は、0〜11ppm/℃の範囲が好ましく、2〜10ppm/℃の範囲がより好ましく、なおさらに3〜9ppm/℃が好ましい。該特性を有したポリイミドフィルムを用いることにより、前記した耐久性の優れた金属被覆ポリイミドフィルムを得ることができる。熱線膨張率がこの範囲を大きく越えると、金属の持つ熱線膨張係数との解離が大きくなり、加熱された際にフィルムと金属面にて応力が生じ接着力低下を引き起こす場合がある。また12〜18程度の領域は、好ましく用いられる金属層である銅の熱線膨張係数に近いために、フィルム/金属の接着には影響しないが、最終使用形態に想定される半導体実装においては、半導体素子、特にシリコン、ないしガリウムアセナイトの単結晶が有する熱線膨張係数との解離が大きくなり、半田付け時、ないし、長期の温度サイクルなどで接合の破断などが生じやすくなる。さらに線膨張係数が、所定の範囲より小さい場合に置いては、金属、半導体両方との差が大きくなるために信頼性が大幅に低下する。
本発明におけるポリイミドフィルムの水蒸気透過率は3ml/m2・day・atm以上であることが好ましく、6ml/m2・day・atm以上がより好ましく、12ml/m2・day・atm以上が更に好ましく、20ml/m2・day・atm以上が特に好ましい。ポリイミドはイミド構造があるが故に、宿命的に吸湿しやすい素材である。基材フィルムの吸湿は、加熱された際に吸収された水分が放出される過程において、様々な問題を引き起こすことが懸念されるやっかいな問題である。かかる吸湿された水分は、フィルムと金属の接合界面において、特に問題となる。高い水蒸気透過率は、界面近傍に吸湿された水分を効果的に逃がすことができるということを意味する。かかる効果は、水蒸気透過率が高ければ高いほど顕著になり、さらに、酸素透過率に対して水蒸気透過率が高いほど促進される。
かかるポリイミドフィルムの酸素透過率と水蒸気透過率の制御は、例えばポリイミドフィルムにガス透過性を制御できる素材をポリイミドに複合化することで実現できる。かかるガス透過率制御素材としては、高分子素材であればポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等を、無機素材であれば、アルミナ−シリカ系セラミクス薄膜、硫化亜鉛薄膜、SiO2-x薄膜等を例示することが出来る。複合化形態としては多層化、配合、分散、固溶化、ブレンド、アロイ化等の手法を例示できる。
以下、本発明の金属被覆ポリイミドフィルムの製法と、その構成要素である第一の金属層、第二の金属層について説明する。
先ず、ポリイミドフィルムの表面をプラズマ処理によって表面処理を行うことが好ましい。かかるプラズマは不活性ガスプラズマであり、不活性ガスとしては窒素ガス、Ne、Ar、Kr、Xeが用いられる。プラズマを発生させる方法に格別な制限はなく、不活性気体をプラズマ発生装置内に導入し、プラズマを発生させればよい。プラズマ処理の方法に格別な制限はなく、基材フィルム上に金属層を形成する際に用いるプラズマ処理装置を用いて行えばよい。プラズマ処理に要する時間は特に限定されず、通常1秒〜30分、好ましくは10秒〜10分である。プラズマ処理時のプラズマの周波数と出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、プラズマ処理装置で扱える範囲であれば良い。周波数は通常13.56MHz、出力は通常50W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。出力が高すぎると、基材フィルム表面に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎると電気絶縁層表面の平滑性が低下するおそれがある。
次いで第一の金属層を形成する。本発明における第一の金属層の形成は、薄膜の接着性や薄膜の制御性に優れたスパッタリング法が特に用いるに好ましい方法である。スパッタリングの方法において、特に限定される条件はなく、DCマグネトロンスパッタリング、高周波マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング等の方法が有効に用いられる。工業的には直流スパッタリングをすることが簡便であり、十分な膜質を得られる。形成すべき薄膜に対応させて適宜ターゲットを選択して用いることは当業者の理解するところである。
スパッタリングの方法に格別な制限はなく、直流2極スパッタリング、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、対向ターゲットスパッタリング、ECRスパッタリング、バイアススパッタリング、プラズマ制御型スパッタリング、マルチ・ターゲットスパッタリングなどを用いることができる。これらのうち、直流2極スパッタリング、又は高周波スパッタリングが好適である。スパッタリング処理時の出力、プラズマ発生のためのガス圧、処理温度に関しても格別な制限はなく、スパッタリング装置で扱える範囲であれば良い。出力は通常10W〜1000W、ガス圧は通常0.01Pa〜10Pa、温度は、通常20℃〜250℃、好ましくは20℃〜180℃である。また、成膜レートは0.1Å/秒〜1000Å/秒、好ましくは1Å/秒〜100Å/秒である。成膜レートが高すぎると、形成した金属膜に亀裂の入るおそれがある。また、ガス圧が高すぎると密着性が低下するおそれがある。
第一の金属層としては、Cr、Ta、Ti、Hf、Mo、W、Re、Ni−Cr、SiCr、TiCr、Cu−Mn−NiPd−Ag、Pd−Au−Fe、Cr−SiO、Cr−MgF2、Au−SiO、窒化タンタルあるいは部分窒化タンタル、窒化チタンあるいは部分窒化チタンなどが挙げられる。好ましくはNi−Cr、Ni−Co−Crである。更に好ましくは、99.9%以上のスパッタリング用NiCrターゲットを用いる。このようなNiCr中間層の厚さは、大気中、150℃で24時間の加熱処理により銅粒子がポリイミド層内へ実質的に侵入しない(拡散抑制効果)程度の厚さが最低必要で、5〜50nm程度がよい。膜厚が余りに薄すぎるとこのような条件下で銅粒子がポリイミド層内へ侵入してしまい拡散抑制層としての効果を有さない。また、厚すぎるとNiCr中間層の形成に時間を要し、生産効率の面で好ましくない。
次いで第二の金属層を形成する。本発明における第二の金属層については、当業者が容易に理解するところの回路形成用の材料である。本発明においては、それ以上の特に限定される要件はない。主成分を銅とする銅合金、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などが挙げられる。好ましくは純度99.99%以上の銅が用いられる。銅薄膜は100nm以上の膜厚に形成されるが、本発明は金属被覆ポリイミドフィルムであり、そのままで用いられるよりも、メッキ工程後や、エッチング工程を経て回路が形成される。これらの後工程のことを考慮すると回路加工を容易にするためには膜厚は200nm以上であることが望ましい。
尚、これら第1および第2の金属薄膜の膜厚は、スパッタリング、或いはメッキ時に試料の一部にマスクを設け、その後マスクをはずしてマスクした部分としてない部分との段差を段差測定機により測定することにより求めた。段差部分の長さが装置の測定限界を超える場合は、スパッタリング或いはメッキ時間を測定限界内に収まるように調節して求めた。その後一定率での薄膜堆積を基に計算した。
次に、必要に応じて、厚付け金属層を形成する。この厚付け金属層は導電化層と厚付け層からなり、導電化層はスパッタ法、蒸着法、湿式の無電解メッキ法のいずれを用いて形成しても良く、また好ましくは2つ以上の方法を組み合わせて形成される。該厚付け金属層の金属としては、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、黄銅、白銅、青銅、モネル、錫鉛系半田、錫銅系半田、錫銀系半田、等が用いられるが銅を用いるのが性能と経済性のバランスにおいて好ましい実施態様である。本発明の厚付け金属層の厚付け層として好ましく用いられる銅層の形成としては、電気メッキを用いることができる。電気メッキ法としては、ピロリン酸銅メッキ、あるいは硫酸銅メッキを好ましく用いることができる。
このようにして得られた本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは、通常の方法によって、銅層側にフォトレジストを塗布し乾燥後、露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離の工程により、配線回路パターンを形成し、さらに必要に応じてソルダーレジスト塗布、硬化および無電解スズメッキを行い、回路基板が得られる。また厚付け層を形成せずにセミアディティブ方による回路形成基材としても良い。さらに多層基板、ビルドアップ基板を作製する際の積層材料として使用しても良い。
本発明においては、以上の工程で得られた金属被覆ポリイミドフィルムを150℃で熱処理した後に、硫酸/過酸化水素系エッチング試薬で処理したポリイミドフィルム表面のCu以外の残存金属量が1μg/平方cm未満、0μg/平方cm以上であることが必須である。
ここに150℃熱処理は、ドライオーブン(熱風炉)にて60分にて行われる。また硫酸/過酸化水素系エッチング試薬は、硫酸濃度100g/リットル、35%過酸化水素水濃度40g/リットル、銅濃度30g/リットル、のものを用いる。
処理は25土5℃に温度調整したエッチング液に浸積し、緩やかに揺動した状態で、30分間行った後にイオン交換水で十分に洗浄する。処理時間は第二の金属層のCu分がほぼ溶出し、これ以上処理を続けても残存金属成分の量が変化しなくなると判断されるに十分な時間である。厚付け金属層が存在する場合には厚づけ金属層をエッチング除去するに十分な時間を加える必要がある。なお処理液の総量は、かかる試験処理により新たに金属成分が処理液に加わってなお前記組成比の範囲内にあるだけの十分な量が必要である。
残存金属量は、ICP法、原子吸光法、蛍光X線法など、一般的な無機元素分析で行い、単位面積当たりの金属分の質量に規格化すればよい。
本発明の残存金属量は1μg/平方cm以下であることが必須であり、0.6μg/平方cm以下が好ましく、0.3μg/平方cm以下がなお好ましい。残存金属量がこの範囲を上回ると導体接着強度の耐久性が低下し、なおかつマイグレーションによる絶縁信頼性低下が生じやすくなる。 残存量の下限は特に限定する必要は無く、定量分析に用いられる分析機器の測定限界程度まで減じることがなおさらに好ましい。
本発明では、かかる残存量が結果として実現することにより構成される。かかる残存量と成す手段については特に限定されないが、例えば第一の金属層の構成成分を、偏析の無い均質な合金とし、金属層内に組成傾斜などが生じないように操作することが肝要である。基材であるポリイミドフィルムの表面層の温度を実質的に250℃以下に、好ましくは150℃以下、さらに好ましくは50℃以下となるように基材フィルムを冷却することが好ましい。
以下、本発明の有効性を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.ポリイミドフィルムのフィルム厚さ
フィルムの厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
乾燥後のフィルムを長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ長さ100mm、幅10mmの短冊状に切り出して試験片とし、引張試験機(島津製作所製、商品名オートグラフ、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmで測定し、引張弾性率、引張強度および引張破断伸度を求めた。
5.ポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)
下記条件で伸縮率を測定し、30〜300℃までを15℃間隔で分割し、各分割範囲の伸縮率/温度の平均値より求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
6.ポリイミドフィルムの融点、ガラス転位温度
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)とガラス転移点(Tmg)をJIS K 7121に準拠して下記測定条件で求めた。
装置名 ; MACサイエンス社製DSC3100S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
7.ポリイミドフィルムの熱分解温度
熱分解温度は、充分に乾燥した試料を下記条件でTGA測定(熱天秤測定)して、5%質量減をもって規定した。
装置名 ; MACサイエンス社製TG−DTA2000S
パン ; アルミパン(非気密型)
試料質量 ; 10mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min
雰囲気 ; アルゴン
8.金属被覆ポリイミドフィルムの初期の導体接着性
90度剥離試験をJIS C5016準拠の方法にて行った。
なお、銅箔5μmでは、導体切れが多発し、満足な評価が行えなかったため、接着強度に関しては銅箔厚を電気メッキにてさらに18μmまで厚付けして評価を行った。
9.金属化ポリイミドフィルムの耐湿熱環境試験後の導体接着性
平山製作所製PCT試験機にて、121℃・2気圧(飽和)条件下にて100時間処理した後、90度剥離試験をJIS5016準拠の方法にて行った。
10.金属被覆ポリイミドフィルムの耐マイグレーション性
40μmピッチの櫛形電極に、電圧(DC60V)を印可し、85℃・85%RHの恒温恒湿槽(FX412Pタイプ、エタック社製)の中に入れ電圧負荷状態のまま5分毎に絶縁抵抗値を測定記録し、線間の抵抗値が100Mオーム以下に達する時間を測定しマイグレーション評価とした。
〔ポリアミド酸溶液の重合例1〕
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P10(日本触媒株式会社製)を1.22質量部、N−メチル−2−ピロリドン420質量部を、容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。予備分散液中の平均粒子径は0.11μmであった。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、223質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。次いで、4000質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて24時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.8dl/gであった。
〔ポリアミド酸溶液の重合例2〕
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後,5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックスDMAC−ST30(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)、ピロメリット酸二無水物217質量部を加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。このもののηsp/Cは4.0dl/gであった。
〔ポリアミド酸溶液の重合例3〕
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P10(日本触媒株式会社製)を7.6質量部、N−メチル−2−ピロリドン390質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを入れた。次いで、3800質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を390質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Cが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.7dl/gであった。
〔ポリアミド酸溶液の重合例4〕
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P10(日本触媒株式会社製)を3.7質量部、N−メチル−2−ピロリドン420質量部を容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
(ポリアミド酸溶液の調製)
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れた。次いで、3600質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を420質量部と292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて12時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Dが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は4.5dl/gであった。
〔製造例1〜4〕
重合例1〜4で得たポリアミド酸溶液を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(ギャップは、150μm、塗工幅1240mm)、連続式の送風式乾燥機を用いて105℃にて18分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、厚さ21μm、幅1200mmのそれぞれのグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを5段階の加熱ゾーンを有する熱処理路を持つピンテンターに通し、ピンシート間隔を1140mm、すなわちグリーンフィルム両端の各30mmをピンに刺仕込み、第1段が150℃で5分、第2段210℃、第3段480℃、第4段480℃、第5段にて150℃まで徐冷し、さらに室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈する製造例1〜4のそれぞれのポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの物性を表1に示す。
Figure 0004810984
〔実施例1〕
前記の製造例1に示すポリイミドフィルムを250mm幅にスリットし、次いでロールトゥロール方式のプラズマ表面処理装置にセットした。まず、酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した。処理時の条件はO2ガス圧2×10-3Torr、流量50SCCM、放電周波数13.56MHz、出力250W、処理時間は、フィルム送り速度0.1m/minで有効プラズマ照射幅が10cm程度の為1箇所のプラズマ照射時間が1分となる。この後、表面処理装置より取り出し、フィルムの片面上に、NiCr合金をターゲットとしてアルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ15nmのNiCr下地薄膜層を形成させた。薄膜層作製時の真空度は3×10-3Torrである。フィルムのスパッタ中、スパッタ面側の温度は370℃であった。その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。ターゲットのNiCr合金の組成は、Ni80質量%、Cr20質量%、純度3Nのものを用いて、偏析や組成傾斜のない均質な物を用いた。ターゲットのCuは純度4Nのものを用いた。
各ターゲットのフィルム送り方向の幅は12cm、フィルム送り方向の幅は27cmの矩形である。この矩形のターゲットがフィルム送り方向に、4ケ設置されている。ターゲットは2ケはずつ接近しているが、NiCrの為に使用した。ターゲットとCuのために使用したターゲットの間隔は離れている為、NiCrのスパッタリングされた原子と、Cuの原子が、真空中で混合されてからフィルムに到達することはなく、下地のNiCr薄膜とCu薄膜は交じり合うことなくそれぞれの薄膜が形成され2層の薄膜となる。
スパッタ装置はロールトゥロール方式の装置であり、巻き出し室、スパッタ室、予備室、巻き取り室へとロールからフィルムが移動されながら、順次、表面処理、NiCr層作製、Cu層作製が行われ、その後に、ロールに巻き取られる。
各室の間は、スリットによって概略仕切られている。スパッタ室ではフィルムはチルロールに接しており、チルロールの温度(−5度)によって冷やされながら、巻きだし側に近い、NiCrターゲット1ケ、1ケのターゲットを使わず、その後Cuターゲット2ケからの金属粒子によって薄膜が形成される。
次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施した。得られた金属被覆フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し、目的とする金属被覆ポリイミドフィルムを得た。
得られた金属被覆ポリイミドフィルムから150cm×5cmのサンプルを切り出し、150℃のドライオーブンにて60分間加熱処理を行い、その後25℃に調整された、硫酸濃度100g/リットル、35%過酸化水素水濃度40g/リットル、銅濃度30g/リットルのエッチング試薬に3000mlに30分間、穏やかに揺動しながら浸積し、次いで脱イオン水で十分に水洗し乾燥した。処理後のフィルム表面の金属量を原子吸光法にて定量し、単位面積当たりの金属量を算出した。結果を表2に示す。
得られた金属被覆ポリイミドフィルムを使用し、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、後述する評価試験に必要なテストパターンを形成後、0.5μm厚に無電解スズメッキを行った。その後、125℃、1時間のアニール処理を行った。
得られた試験パターンを用いて試験評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
製造例2にて得られたポリイミドフィルムを、用いた以外は実施例1と同様に操作し金属被覆ポリイミドフィルムを得た。以下同様に評価した結果を表2に示す。
〔実施例3〕
製造例3にて得られたポリイミドフィルムを、用いた以外は実施例1と同様に操作し金属被覆ポリイミドフィルムを得た。以下同様に評価した結果を表2に示す。
〔実施例4〕
製造例4にて得られたポリイミドフィルムを、用いた以外は実施例1と同様に操作し金属被覆ポリイミドフィルムを得た。以下同様に評価した結果を表2に示す。
〔比較例1〕
製造例1にて得られたポリイミドフィルムを、まず250mm幅にスリットした。ついでロールトゥロール方式のプラズマ表面処理装置にセットし、酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した。処理の条件はO2ガス圧2×10-3Torr、流量50SCCM、放電周波数13.56MHz、出力250W、処理時間は、フィルム送り速度0.1m/minで有効プラズマ照射幅が10cm程度の為1箇所のプラズマ照射時間が1分となる。この後、表面処理装置より取り出し、フィルムの片面上に、Niターゲット上の一部にCrチップを乗せたターゲットを用いてアルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ30nmのNi−Cr層を形成させた。薄膜層作製時の真空度は3×10-3Torrである。その後、第二の金属層として、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。ターゲットのCuは純度4Nのものを用いた。以下実施例と同様に操作し、金属被覆ポリイミドフィルムを得、同様に評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0004810984
以上述べてきたように本発明の金属被覆ポリイミドフィルムは湿熱耐久性に優れ、高い信頼性が要求される電子機器の電子部品、回路部品、プリント配線板、モジュール基板、インターポーザ、機構部品、表示素子、入出力素子を構成する材料として有用に用いることができる。

Claims (1)

  1. ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸二無水物類の縮重合により得られるポリイミドフィルムの少なくとも片面に(1)アルゴンガスによるスパッタリング法により形成されたNi−Cr又はNi−Co−Crからなる第一の金属層、(2)Cuを主体とする第二の金属層が順次積層されてなる金属被覆ポリイミドフィルムにおいて、該金属被覆ポリイミドフィルムを150℃で熱処理した後に、硫酸/過酸化水素系エッチング試薬で処理したポリイミドフィルム表面のCu以外の残存金属量が1μg/平方cm未満、0μg/平方cm以上であることを特徴とする金属被覆ポリイミドフィルム。
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