JP2008307737A - 積層体、配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細加工に適し、更に樹脂層と金属層との接着性が良好であり、また接着力のバラツキや低下を防止した積層体の製造方法、並びに積層体、配線板を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ同一または異なっていてもよく2価の有機基を表し、M1〜M6はそれぞれ同一または異なっていてもよく1価の有機基を表す。nは0〜6の整数を示す。)で表されるジアミノシロキサン化合物を含むジアミノ化合物と酸二無水物から合成される、ガラス転移温度が80℃以上350℃以下のポリイミド樹脂層に、スパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)から選ばれた少なくとも一つの方法によって形成された金属層を有する積層体を、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱した積層体。
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ同一または異なっていてもよく2価の有機基を表し、M1〜M6はそれぞれ同一または異なっていてもよく1価の有機基を表す。nは0〜6の整数を示す。)で表されるジアミノシロキサン化合物を含むジアミノ化合物と酸二無水物から合成される、ガラス転移温度が80℃以上350℃以下のポリイミド樹脂層に、スパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)から選ばれた少なくとも一つの方法によって形成された金属層を有する積層体を、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱した積層体。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリイミド樹脂層および金属層からなる積層体、配線板及びその製造方法に関するものである。
電子機器の小型化、密度化にともない、電子機器に用いられているプリント配線板においても高密度化が進んでいる。従来のプリント配線板における回路形成方法としては、厚さ数十μmの金属層の回路となる部分をレジストで覆い、その他レジストで覆われていない部分をエッチング液にて除去して回路を形成する所謂サブトラクティブ法が主流であった。しかし、近年、配線幅の微細化に伴い、無電解めっき法やスパッタリング法などにより、数nmから数μm程度に金属層を薄く積層して回路を形成する方法や、回路となる部分に選択的に金属を形成するアディティブ法、さらに数nmから数μm程度の金属シード層を形成した後、回路とならない部分にレジストを形成して、電気めっきなどの方法にて、回路形成部分に金属を析出し微細な回路を形成するセミアディティブ法等が主流となりつつある。しかし、無電解めっき法やスパッタリング法などによって、金属層や配線層を樹脂層上に形成した場合、金属層と樹脂層との接着力が低い問題や、製造条件によって接着力がバラつく等の問題があった。
上記課題を解決する為、プリント配線板においては、特許文献1のように樹脂層表面を粗化することによるアンカー効果によって、金属層と樹脂層の接着力を向上させる試みがなされている。しかし、接着力を維持する為には、材料表面の粗度を一定の大きさ以上にする必要があり、配線幅の微細化により、表面粗度を小さくする場合は、金属回路層と樹脂層との接着力は低く、配線幅の微細化には限界があった。
また、金属層への接着力を向上させる樹脂の検討もなされ、例えばシロキサン骨格を有するポリイミド樹脂とエポキシ樹脂との樹脂組成物を接着層として用いることにより接着強度を向上させている例が特許文献2に開示されている。該文献は、シロキサン構造を有するポリイミドとエポキシ樹脂との樹脂組成物を層間接着剤として回路基板との張り合わせに使用するものであるが、配線幅の微細化には限界があった。さらに、ポリイミドシロキサンを含有する樹脂を用いることによって、樹脂上に形成した無電解めっきの密着性を向上させる技術が、特許文献3に開示されているが、接着力を向上させるには不十分であり、無電解めっき後の熱処理条件によって接着力が低下するなどの問題があり、これらを改善する技術の開発が望まれていた。
特開2000−198907号公報
特開2000−290606号公報
特開2006−142683号公報
本発明の目的は、微細加工に適し、更に樹脂層と金属層との接着性が良好であり、また接着力のバラツキや低下を防止した積層体の製造方法、並びに積層体、配線板を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、シロキサン骨格を有するポリイミド樹脂層に、スパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)などにて金属層や配線層を形成した後、ポリイミド樹脂層のガラス転移温度以上の温度で加熱する事によって、加熱前後で驚くべきことに、樹脂層と金属層とのピール強度が向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、1)下記一般式(1)
すなわち、本発明は、1)下記一般式(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ同一または異なっていてもよく2価の有機基を表し、M1〜M6はそれぞれ同一または異なっていてもよく1価の有機基を表す。nは0〜6の整数を示す。)で表されるジアミノシロキサン化合物を含むジアミノ化合物と酸二無水物から合成される、ガラス転移温度が80℃以上350℃以下のポリイミド樹脂層に、スパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)から選ばれた少なくとも一つの方法によって形成された金属層を有する積層体であり、該積層体を形成した後、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より高い温度で加熱することによって製造されたことを特徴とする積層体、及び該積層体の製造方法、並びに配線板を提供するものである。
本発明は、スパッタリング法や無電解めっき法などにて金属層や配線層を形成した場合の、ポリイミド樹脂と金属との密着力を向上させることができ、微細な配線の剥れ、ピール強度のバラツキを解消し、さらに、加熱試験などの環境試験によるピール強度低下を防止し、微細回路配線板の信頼性を向上させる効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における積層体は、下記一般式(1)
(式中、R1、R2はそれぞれ同一または異なっていてもよく2価の有機基を表し、M1〜M6はそれぞれ同一または異なっていてもよく1価の有機基を表す。nは0〜6の整数を示す。)で表されるジアミノシロキサン化合物を含むジアミノ化合物と酸二無水物から合成される、ガラス転移温度が80℃以上350℃以下のポリイミド樹脂層を少なくとも積層体の樹脂層に有するものである。前記ポリイミド樹脂層のガラス転移温度は好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜270℃である。該ポリイミド樹脂のガラス転移温度については、極端に低い場合、加工時や部品実装時の加熱によって回路配線の位置がずれ、寸法安定性が悪化し、品質、生産性などを低下させる為、80℃以上であることが要求される。
本発明に用いる一般式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物は、定義内を満たすものであれば問題なく、市販のジアミノシロキサン化合物も使用可能である。式中、R1とR2は2価の有機基であり、例としてアルキレン基、フェニレン基、エステル基等が挙げられ、これらは一部ハロゲン原子等で置換されていても構わない。また、M1〜M6は1価の有機基であり、例としてアルキル基、フェニル基、フェノキシ基、アルコキシ基等が挙げられ、これらは一部ハロゲン原子等で置換されていても問題ない。これらは、同一の基であっても異なっていても問題なく用いることができる。R1とR2は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキレン基である。M1〜M6は、好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基である。一般式(1)中、nは0〜6の整数であるが、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であり、この範囲である場合、ガラス転移温度(Tg)を制御しやすいという理由から好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン等が挙げられる。比較的入手しやすいジアミノシロキサンとしては、信越化学工業株式会社製PAM-E 、KF-8010、X-22-161A、X-22-161B、KF-8012、KF-8008等が挙げられる。
好ましくは、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、信越化学工業株式会社製PAM-Eある。ジアミノ化合物中における一般式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物の比率については、特に制限はないが、効果を発揮する為には、通常5モル%以上が必要であり、好ましくは7モル%以上100モル%以下、より好ましくは10モル%以上90%以下である。ジアミノシロキサン化合物の比率を、この範囲に調整する事により、ガラス転移温度以上に加熱した後のピール強度向上効果を発揮し易い為に、有用である。
ポリイミドの原料として、一般式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物と併用して用いることのできる、ジアミノ化合物としては、特に限定されず、公知のジアミノ化合物が使用可能である。ジアミノ化合物の具体例としては、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’− ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、2,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、3,3´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4´−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4´−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2´−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、一種又は複数種使用することができる。好ましくは、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを含むジアミノ化合物であり、ガラス転移温度を制御し易く良好に用いることができる。
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3−(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’− ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、1,3−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、2,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、3,3´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4´−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4´−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2´−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、一種又は複数種使用することができる。好ましくは、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを含むジアミノ化合物であり、ガラス転移温度を制御し易く良好に用いることができる。
該ポリイミド樹脂の原料である、酸二無水物についは、特に限定されず公知の酸二無水物が使用可能であり、酸二無水物の例としては具体例としては、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、一種又は複数種使用することができる。好ましくは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物であり、耐熱性を制御し易く良好に用いることができる。
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−へキサフルオロプロパン二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス((3,4−ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは、一種又は複数種使用することができる。好ましくは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物であり、耐熱性を制御し易く良好に用いることができる。
本発明において、ポリイミド樹脂のガラス転移温度が本発明の範囲(80〜350℃)のものとなるためには、ジアミノシロキサン化合物として1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンを使用し、酸二無水物として3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、その他ジアミノ化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを併用したものが好ましい。ガラス転移温度を下げる効果が大きい化合物として、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが最も大きく、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンもその効果が大きい。したがって、目的とするガラス転移温度が200℃以下のポリイミド樹脂を得ようとする場合は、これらの化合物の組み合わせが好ましい。ガラス転移インドが200℃以上のものの場合は、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンと組み合わせて用いるジアミノ化合物としては、4,4´ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなどが好ましい。全ジアミノ化合物中における、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン化合物の比率については、前述の通り、特に制限はないが、効果を発揮する為には、5モル%以上が必要であり、好ましくは7モル%以上100モル%以下、より好ましくは10モル%以上90%以下である。酸二無水物と全ジアミノ化合物との比率については、0.965:1.000〜1.000:0.965の範囲が利用可能であるが、好ましくは、0.965:1.000〜1.000:1.000、より好ましくは0.975:1.000〜1.000:1.000の範囲であり、ジアミノ成分の比率が大きいことが好ましい。
本発明において該ポリイミドの合成方法については、公知の方法が利用可能であり、原料となるジアミノ化合物と酸二無水物を用いることにより、一括してポリイミド前駆体またはポリイミドを合成して得る方法以外にも、単独もしくは複数のジアミノ化合物と酸二無水物からなるポリイミド前駆体またはポリイミドを何種類か合成し、本発明の範囲のガラス転移温度となるように、ポリイミド前駆体またはポリイミドを混合して合成する方法も可能である。
得られたポリイミド前駆体もしくはポリイミドから、ポリイミド樹脂層を形成する方法についても公知の方法が利用可能であり、例としてポリイミドワニスなどに用いられる公知の溶媒・溶剤に、該ポリイミド前駆体もしくはポリイミドを含有・溶解させワニス状にしたものを、銅箔、銅合金箔、ステンレス箔、その他の金属箔や、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、その他の樹脂フィルムなどの上に塗布乾燥してポリイミド樹脂層を形成する方法や、金属やガラスなどの支持体の上に塗布乾燥後、剥離してフィルム状にポリイミド樹脂層を形成する方法などもあるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、前述のようにして製造したポリイミド層上へスパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)から選ばれた少なくとも一つの方法により金属層や回路配線層を形成した後、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より好ましくは50℃〜200℃高い温度で加熱することによって、ポリイミド樹脂層と金属層、ポリイミド樹脂層と回路配線層の密着力が向上し、密着力のバラツキが低減される。これは、該ポリイミド樹脂におけるイオン性の高いシロキサン骨格部が金属とイオン結合することにより、このような効果が発現するものと考察される。
加熱する温度は、該ポリイミド樹脂のガラス転移温度より50℃〜200℃高い温度である方が効果に優れ、50℃未満では密着性向上効果を十分発揮することが難しい場合があり、ガラス転移温度より200℃よりも高い温度に加熱した場合、樹脂の劣化などによりその効果が発揮されない可能性がある。加熱時間は、好ましくは10分以上60分以下の時間内で加熱することにより同様の効果を発揮し易い。加熱する温度と時間に関しては、ジアミノ化合物中におけるジアミノシロキサン化合物の含有比率にも関係するが、密着性のバラツキを低減させる為にも、より好ましくはポリイミド樹脂のガラス転移温度よりも50℃〜150℃高く、さらに好ましくは70℃〜130℃高い温度であり、加熱時間についても、より好ましくは20分以上40分以下、さらに好ましくは20分以上30分以下である。
溶媒や溶剤に、該ポリイミド前駆体もしくはポリイミドを含有・溶解しワニス状にしたものを塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用でき、塗布する厚み、塗布するワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行われることが望ましい。これらの方法によって形成したポリイミド表面をコロナ処理、プラズマ処理、イオンボンバード処理などのドライプロセスによる表面改質処理を行うことや、アルカリ溶液処理などの湿式の表面改質処理を行うことも回路配線層の密着力向上に効果があり好適に使用することが可能である。
本発明の積層体及び配線板において、前記ポリイミド樹脂層上へ金属層および回路配線層を形成する方法としては、スパッタリング法、めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)から選ばれた少なくとも一つの方法によって形成された方法によるものであり、これらを適宜組み合わせ選択して使用することもできる。これらの中でも金属層とポリイミド層との接着性、さらに、金属層の成膜性、アディティブ回路形成性、セミアディティブ回路形成性などの容易性から、スパッタリング法、無電解めっき法が好ましい。
また、金属の種類は、導電性のある金属であれば問題なく使用できるが、好ましくは導電性に優れる銅、ニッケル、クロム、鉄、チタン、バナジウム、コバルト、亜鉛、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、錫、インジウム等の金属、あるいはこれらの群から選ばれる一つ以上の金属を含む合金、さらには、前記金属の酸化物、窒化物、炭化物、燐化合物、さらにはインジウム錫酸化物(ITO)、ジンククロメート等の前記金属の複合酸化物等も上記金属として用いることができるが、好ましくは、Cu合金、Ni合金、Cr合金である。具体的には、モネル、ニクロム、インコネル、ステンレス合金などが、耐食性に優れピール強度を向上させる為に好ましい。
スパッタリング法については、DCスパッタ、RFスパッタ、DCマグネトロンスパッタ、RFマグネトロンスパッタ、ECRスパッタ、レーザーアブレーション等、各種の手法が有るが、特に限定されるものではなく必要に応じて適宜用いることができる。とりわけ、DCマグネトロンスパッタ法は、低コストであり、かつ金属層を容易に形成できるため好ましい。この場合、マグネトロンスパッタによる金属層および回路配線層の成膜条件は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気で、圧力は10−5〜1Pa、好ましくは7×10−2〜7×10−1Pa、さらに好ましくは10−1〜4×10−1Paである。
スパッタリング法にて金属層および回路配線層を形成する前処理として、および/または、形成中に、前記ポリイミド樹脂層やその周辺を加熱することも、金属層および回路配線層の密着力を向上させるために好ましく、具体的には10−5〜1Paの圧力にて、100℃以上400℃以下で加熱処理を行うことが好ましく、より好ましくは100℃以上300℃以下であり、加熱処理を行うことにより、ポリイミド層から水分が蒸発し密着力が向上する為に好ましい。
また、金属の製膜に用いるスパッタリングターゲットの金属の純度は、単体の金属で金属層を形成する場合は金属層全体に対する単体の金属が占める割合として、合金で金属層を形成する場合は金属層全体に対する合金が占める割合として99%以上、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、この範囲であれば充分に電気伝導性を確保することができる。めっき法については、電解めっき法、無電解めっき法があるが、該ポリイミド樹脂層へ直接、金属を積層する方法としては、無電解めっき法が好ましい。
無電解めっき法については、公知の無電解めっき液、公知の無電解めっき工程が可能であり、前処理として、無電解めっきの初期段階の析出に必要なPd、Ag、Auなどの触媒核を形成させる方法も好ましく、具体的には、公知のセンシタイジング・アクチベーション法や、キャタリスト−アクセレータ法が好ましい。
スパッタリング法や無電解めっき法にて形成される金属層や配線層は、電解めっき法、イオンプレーティング法、化学気相輸送法(CVD法)などと組み合わせて、複数層形成されることも可能であり、異なる金属などにて複数層形成されることも可能であり好ましい。
このような方法により形成した金属層、アディティブ回路配線層、セミアディティブ回路用下地層などの厚さは、1nm以上で適宜使用可能あり、アディティブ回路配線層を形成する場合には回路として問題のない厚さに形成する事が重要であり、数μmから数十μmが好ましい。また、一般的なフレキシブル回路用積層体やセミアディティブ回路用の下地層とする場合には、5μm以下が好ましく、この金属層を電解めっき用の給電層や下地層として用いて、第二の金属層やセミアディティブ回路配線層を形成することも好ましい。
第二の金属層やセミアディティブ回路配線層についても、回路として問題のない厚さに形成することが重要であり、数μmから数十μmが好ましい。これら電気めっきにて形成される金属は特に限定されるものではなく、適宜用途を勘案して選択して用いれば良い。例示的に列挙すると、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛などや、これらの群からなる金属のうち少なくとも一種類を含む合金などが挙げられ、これらを適宜選択して用いることが出きる。
これらの金属および合金のうち、銅ならびに銅合金は展延性に優れるので、プリント配線板の配線などの用途として好適に使用可能である。また、ニッケルならびにニッケル系の合金、および、コバルトならびにコバルト系の合金は銅よりは展延性と導電性に劣るが、機械的強度が高いので、LCDや半導体の検査用プローブや機械的部品用途、ICなどとプリント配線板の配線の接続を行う端子部に用いることができる。
前記金属層は単一の金属ならびに合金からなる単一の層でも、多層膜であっても構わない。また、一部が単一の膜であり、他の部分が多層膜であっても構わない。
例えば、フレキシブルプリント配線板に、ICなどのとAu−Au接続、Au−Sn接続などを行う端子部を形成する場合には、配線となる銅めっきを施した後に金やスズなどを最表面にめっきすることは、当業者の容易に理解するところである。また、半田やワイヤーボンディングによりICとの接続を行う際には、銅をめっきした後に、ニッケルやニッケルリン合金、ニッケルボロン合金、さらにはその他のニッケル系の合金をめっきし、更に金をめっきすることが好ましいことは、当業者が容易に理解するところである。また、上記方法にて形成した樹脂層と金属層、配線層を有する積層体や回路積層体も本発明に属するものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
接着性の評価は、下記ピール強度測定法にて行った。当該試料の金属厚を電解めっきにより30μmとした後、電解めっき銅の上に、エッチングレジストとなる2mm幅のICテープ(いずみやアイシー株式会社製)を貼り付けた後、塩化第2鉄エッチング液でめっき銅を2mm幅にパターニングして、ピール強度測定用の試験片とした。当該、ピール強度測定用試験片をIPC−TM650−2.4.9に準じて90°ピール強度を測定した。
(合成例1)
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを1.00モルと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸を0.990モルの比率で秤量し、セパラブルフラスコの中でN,N’−ジメチルアセトアミドを樹脂の固形分濃度が20wt%となるように加え、窒素気流下にて溶解させた。50℃で15時間攪拌溶解し、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液をガラス上に塗布し、200℃にて30分、250℃にて15分窒素雰囲気下にて加熱後、冷却しガラスから剥離することで、20μmのポリイミドフィルムを得た。DSC法にてガラス転移温度を測定したところ、195℃であった。
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを1.00モルと、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸を0.990モルの比率で秤量し、セパラブルフラスコの中でN,N’−ジメチルアセトアミドを樹脂の固形分濃度が20wt%となるように加え、窒素気流下にて溶解させた。50℃で15時間攪拌溶解し、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液をガラス上に塗布し、200℃にて30分、250℃にて15分窒素雰囲気下にて加熱後、冷却しガラスから剥離することで、20μmのポリイミドフィルムを得た。DSC法にてガラス転移温度を測定したところ、195℃であった。
(合成例2)
ジアミノ化合物を、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンに換えた事以外は、合成例1と同様の方法にて、ポリアミック酸溶液およびポリイミドフィルムを得た。ガラス転移温度は82℃であった。
ジアミノ化合物を、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンに換えた事以外は、合成例1と同様の方法にて、ポリアミック酸溶液およびポリイミドフィルムを得た。ガラス転移温度は82℃であった。
(合成例3)
合成例1と合成例2にて得たポリアミック酸溶液を、重量比が50:50となるように秤量し、セパラブルフラスコの中で素気流下、50℃5時間攪拌溶解し、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液およびポリイミドフィルムを得た。ガラス転移温度は132℃であった。
合成例1と合成例2にて得たポリアミック酸溶液を、重量比が50:50となるように秤量し、セパラブルフラスコの中で素気流下、50℃5時間攪拌溶解し、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸溶液およびポリイミドフィルムを得た。ガラス転移温度は132℃であった。
実施例1
合成例3にて得られたポリアミック酸溶液を、ポリイミドフィルム、「カプトン(登録商標)150EN」(38μm厚、東レ・デュポン株式会社製)、に、ロールコーターを用いて、乾燥後の厚みが3μmになる様に塗工し、200℃で15分、260℃で15分乾燥させ、ポリイミドフィルムおよびポリイミド樹脂層からなるシートを作製した。ポリイミド樹脂層への金属層形成には、直径125mm、厚さ5mmのスパッタターゲットを2個以上取り付け可能なマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。当該、支持体およびポリイミド樹脂層からなる積層体を7cm四方に切り出し、スパッタ装置の基板ホルダーに設置し、10−3Pa以下の圧力まで真空引きを行った。支持体およびポリイミド樹脂層からなる積層体を150℃で10分程度加熱後、引き続き150℃にて加熱を継続しながら、モネル合金(銅65%、ニッケル35%)ターゲットを用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、投入電力160Wの条件で5分間成膜を行い、100nm厚のモネル層をポリイミド樹脂層上に製膜した。引き続き真空を破ることなく銅ターゲット(純度99.99%)を用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、投入電力180Wの条件で7分間成膜を行い金属層である銅を100nm厚で成膜した。さらに当該試料の銅厚を電解めっきにより30μmとしてポリイミド樹脂層と金属層からなる積層体を得た。この時点での積層体のピール強度は0.6kN/mであった。得られた積層体を窒素雰囲気下250℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は1.2kN/mに向上していた。
合成例3にて得られたポリアミック酸溶液を、ポリイミドフィルム、「カプトン(登録商標)150EN」(38μm厚、東レ・デュポン株式会社製)、に、ロールコーターを用いて、乾燥後の厚みが3μmになる様に塗工し、200℃で15分、260℃で15分乾燥させ、ポリイミドフィルムおよびポリイミド樹脂層からなるシートを作製した。ポリイミド樹脂層への金属層形成には、直径125mm、厚さ5mmのスパッタターゲットを2個以上取り付け可能なマグネトロンスパッタ装置を用いて行った。当該、支持体およびポリイミド樹脂層からなる積層体を7cm四方に切り出し、スパッタ装置の基板ホルダーに設置し、10−3Pa以下の圧力まで真空引きを行った。支持体およびポリイミド樹脂層からなる積層体を150℃で10分程度加熱後、引き続き150℃にて加熱を継続しながら、モネル合金(銅65%、ニッケル35%)ターゲットを用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、投入電力160Wの条件で5分間成膜を行い、100nm厚のモネル層をポリイミド樹脂層上に製膜した。引き続き真空を破ることなく銅ターゲット(純度99.99%)を用いて、アルゴン流量15SCCM、圧力0.13Pa、投入電力180Wの条件で7分間成膜を行い金属層である銅を100nm厚で成膜した。さらに当該試料の銅厚を電解めっきにより30μmとしてポリイミド樹脂層と金属層からなる積層体を得た。この時点での積層体のピール強度は0.6kN/mであった。得られた積層体を窒素雰囲気下250℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は1.2kN/mに向上していた。
実施例2
ポリアミック酸溶液を、合成例2に換えた事以外は、実施例1と同様の方法にて積層体を作成し、ピール強度を測定したところ、0.7kN/mであった。得られた積層体を窒素雰囲気下200℃にて10分加熱処理を行った後のピール強度は1.5kN/mに向上していた。
ポリアミック酸溶液を、合成例2に換えた事以外は、実施例1と同様の方法にて積層体を作成し、ピール強度を測定したところ、0.7kN/mであった。得られた積層体を窒素雰囲気下200℃にて10分加熱処理を行った後のピール強度は1.5kN/mに向上していた。
比較例1
ポリアミック酸溶液を、合成例1に換えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて積層体を作成し、ピール強度を測定したところ、0.7kN/mであった。得られた金属積層体を窒素雰囲気下315℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は0.4kN/mであった。
ポリアミック酸溶液を、合成例1に換えたこと以外は、実施例1と同様の方法にて積層体を作成し、ピール強度を測定したところ、0.7kN/mであった。得られた金属積層体を窒素雰囲気下315℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は0.4kN/mであった。
比較例2
実施例1と同様の方法にて、ピール強度が0.6kN/mの積層体を作成し、得られた金属積層体を窒素雰囲気下130℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は0.5kN/mであった。
実施例1と同様の方法にて、ピール強度が0.6kN/mの積層体を作成し、得られた金属積層体を窒素雰囲気下130℃にて25分加熱処理を行った後のピール強度は0.5kN/mであった。
本発明の積層体は、微細加工に適し、樹脂層と金属層との接着性が良好で、接着力の低下を防止した配線板を提供することが可能であり、小型化、高性能化を必要とするに電子機器や電子部品の産業分野に好適に用いることができる。
Claims (14)
- 下記一般式(1)
- 加熱前後でポリイミド樹脂層と金属層とのピール強度が向上するものである請求項1記載の積層体。
- 加熱温度が、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より50℃〜200℃高い温度である請求項1〜2記載の積層体。
- 加熱時間が、10〜60分である請求項1〜3いずれか一項に記載の積層体。
- 一般式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物が、1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンである請求項1〜4いずれか一項に記載の積層体。
- 金属層が、スパッタリング法、および/または無電解めっき法にて形成したものである請求項1〜5いずれか一項に記載の積層体。
- 金属層をスパッタリング法にて形成する前、および/または形成中に、10−5〜1Paの圧力にて、100℃以上400℃以下に加熱処理を行うものである請求項1〜6いずれか一項に記載の積層体。
- 金属層が、Ni合金、Cr合金、Cu合金から選ばれた少なくとも一つの合金層である請求項1〜7いずれか一項に記載の積層体。
- 加熱温度が、該ポリイミド樹脂層のガラス転移温度より50℃〜200℃高い温度である請求項9記載の積層体の製造方法。
- 加熱時間が、10〜60分である請求項9〜10いずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 金属層が、スパッタリング法、および/または無電解めっき法にて形成したものである請求項9〜11いずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 金属層をスパッタリング法にて形成する前、および/または形成中に、10−5〜1Paの圧力にて、100℃以上400℃以下に加熱処理を行うものである請求項9〜12いずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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