JP2004158748A - 押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成型時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と成形性を発揮することができる押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法を提供する。
【解決手段】サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とし150℃以下の温度で硬化する樹脂バインダーを混合した組成物を、シリンダー内部温度を50℃以下に設定した押し出し成形機のシリンダーより磁場配向手段を備え内部温度を150℃以下に設定した金型へと送出し、この金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押し出し成形する。
【選択図】 なし
【解決手段】サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とし150℃以下の温度で硬化する樹脂バインダーを混合した組成物を、シリンダー内部温度を50℃以下に設定した押し出し成形機のシリンダーより磁場配向手段を備え内部温度を150℃以下に設定した金型へと送出し、この金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押し出し成形する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂を用いた新規な押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法に係り、特にサマリウム・鉄・窒素系などの永久磁石用素材を用いて成形性と磁気特性に優れたボンド磁石、すなわち合成樹脂成形磁石とする押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、永久磁石用素材としては、残留磁束(Br)、保磁力(Hc)、最大エネルギー積((BH)max)の値が大きく特性の安定したものが好適であり、それにはバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などのフェライト磁石、サマリウム−コバルト(Sm2Co17)やネオジウム−鉄−ボロン(Nd2Fe14B)やコバルト等の高価な金属が不要で、かつ上述した磁石よりもさらに磁気特性の優れたサマリウム・鉄・窒素系磁石などの希土類系磁石が多く用いられるようになってきている。そして、焼結磁石は収縮率が大きいことから、成型品の寸法精度を高くするためには熱可塑性樹脂をバインダーとして用いて押し出し成形することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−283317号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性樹脂をバインダーとして用いて押し出し成形する上述する従来の合成樹脂成形磁石にあっては、160〜180℃、若しくはそれ以上に達する成型時の高温加熱により磁性粉の磁気特性が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明にあっては、成型時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と成形性を発揮することができる押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法は、磁性粉に不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とし150℃以下の温度で硬化する樹脂バインダーを混合した組成物をシリンダー内部温度を50℃以下に設定した押し出し成形機のシリンダーより磁場配向手段を備え内部温度を150℃以下に設定した金型へと送出し、この金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押し出し成形することを特徴とするものである。
【0007】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とすることを特徴とするものである。
【0008】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合物とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、磁性粉をフェライト磁性粉とすることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状が円形、角形、筒形、薄板形、異形等で、その表面にN極とS極が2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を筒形とし、その内周面及び/又は外周面に2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を板形とし、厚み方向若しくは幅方向に貫通磁界配向、又は特定面に多極磁界配向されてなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法にあっては、使用する磁性粉としては、還元拡散法によって得られるSm−Fe系合金粗粉を窒化処理し、微粉砕して得られるサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉、還元拡散法によって得られるSm−Co系合金粗粉、液体急冷法によって得られるネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉、HDDR(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination)法によって得られる異方性ネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉、そしてバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などのフェライト磁石などであり、これらを単独、若しくは組み合わせて用いることとする。尚、液体急冷法によって得られるネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉や、HDDR法によって得られる異方性ネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉は、特異な形状を有した比較的大きな粒子を大量に含んでいるため、好ましくはジェットミルやボールミル等で粉砕して用いる方がよい。これら磁性粉末の粒径が、100μm以下の物を50重量%以上含む組成物を用いることにより、本発明の効果が著しくなる。また、等方性の磁性粉よりも磁場中成形が必至となる異方性の磁性粉の方が、配向特性の面で本発明の効果が著しいものである。
【0014】
本発明の第1の実施例にあっては、約500℃の窒素ガス中にサマリウムと鉄との合金を置いて鉄の結晶格子に窒素を侵入させる等の方法で、鉄の原子間の距離を大きくして飽和磁化を高めたサマリウム・鉄・窒素系の永久磁石用素材であって、粉末状でかつ磁気異方性粒子となっている磁性粉を用いる。そして、この磁気異方性磁性粉をバインダーとして作用する熱硬化性樹脂に混入する。
【0015】
この磁気異方性磁性粉を混入する熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル系樹脂であり、不飽和多塩基酸及び/または飽和多塩基酸とグリコール類を分子量5000程度以下に予備的に重合させてオリゴマーやプレポリマー化させた主剤に、架橋剤を兼ねるモノマー類、反応を開始させる硬化剤、長期の保存性を確保するための重合防止剤、及びその他の添加剤等で構成される。不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を、また、飽和酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
【0016】
また、グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ジブロムネオペンチルグリコール、ペンタエリスリットジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0017】
架橋剤を兼ねるモノマー類としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等のビニルモノマー類、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート、等のアリルモノマー類、フェノキシエチルアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0018】
硬化剤としては、有機過酸化物が一般に用いられ、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノニルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニック酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペロキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペロキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペロキシジカーボネート、ジ−ミリスチルペロキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペロキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルペロキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペロキシジカーボネート、ジアリルペロキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルペロキシアセテート、t−ブチルペロキシイソブチレート、t−ブチルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオデカノエート、クミルペロキシネオデカノエート、t−ブチルペロキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシラウレート、t−ブチルペロキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペロキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2、5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシマレイックアシッド、t−ブチルペロキシイソプロピルカーボネート、クミルペロキシオクトエート、t−ヘキシルペロキシネオデカノエート、t−ヘキシルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルペロキシネオヘキサノエート、クミルペロキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類やアセチルシクロヘキシルスルフォニルペロキサイド、t−ブチルペロキシアリルカーボネート等が挙げられる。
【0019】
磁気異方性磁性粉と不飽和ポリエステルを主成分とする樹脂バインダーとの混合比は、合成樹脂が多いと成形し易いものの磁性粉の割合が減って磁石としての磁気特性が劣り、また磁気異方性磁性粉が多いと磁気特性は向上するものの結合材としての合成樹脂が減って成形が困難になることから、重量比でサマリウム・鉄・窒素系の磁気異方性磁性粉を約90%若しくはそれ以上混入する。またこれらを混練した組成物は、150℃以下で硬化可能なように硬化剤の種類と量を適宜選択決定する。
【0020】
そして、これらを混練した組成物を、押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この際、従来の熱可塑樹脂を用いた押し出し成形と比較して上記組成物をより低温の、最高でも150℃までにしか加熱しないこととする。すなわち、押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とするものである。
【0021】
押し出し機シリンダーに投入された上記組成物は、当初泥状であるが、金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、そして液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。そして、不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下において短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。
【0022】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法の第2の実施例にあっては、前述した第1の実施例で用いるサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に対して、バリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などの鉄を主体とする酸化物からなる磁気異方性粒子のフェライト磁性粉を適宜な分量混入し、これを前述した不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂バインダーに混入・混練し、この組成物を押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この際、押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とする。そして、組成物は金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。この不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下で短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に対するフェライト磁性粉の混合比率を適宜に設定することにより、最大エネルギー積((BH)max)を所望する値といった各種の設定が容易に行えるものである。
【0023】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法の第3の実施例にあっては、前述した第2の実施例で用いるバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などの鉄を主体とする酸化物からなる磁気異方性粒子のフェライト磁性粉を、前述した不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂バインダーに混入・混練し、この組成物を押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とする。そして、組成物は金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。この不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下において短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。磁性粉としてフェライト磁性粉を用いることで、廉価な押し出し成形ボンド磁石が得られる。
【0024】
尚、上述した実施例にあっては、磁性粉としてサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉、フェライト磁性粉及びサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉とフェライト磁性粉との混合物を用いるとして説明したが、勿論これ以外の磁性粉を用いてもよいものである。
【0025】
そして、上述した各実施例により成形されるボンド磁石の形状としては、図1に示すごとく、その断面形状を円形、角形、筒形、薄板形、異形等とすることができ、さらにその表面をN極とS極が2極(N極で1極、S極で1極)以上に磁界配向されることとする。
【0026】
また、図2に示すごとく、押し出し成形ボンド磁石の断面形状を筒形とし、その内周面や外周面に2極以上の多極の磁界配向されたり、内周面と外周面の両側にそれぞれ2極以上の多極の磁界配向されることとしてもよい。
【0027】
また、図3に示すごとく、押し出し成形ボンド磁石の断面形状を板形とし、厚み方向若しくは幅方向に貫通磁界配向、又は特定面に多極磁界配向されることとしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述の如く、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法によれば、従来よりも低温で押し出し成形することから、成形された磁石の磁気特性の劣化が少なく、そして優れた成形性も発揮することができるものである。
【0029】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とすることで、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法では熱可塑性樹脂のごとく柔らかい状態でダイス(口金)から吐出することがないことから、磁性粉の配向の乱れが生じることなく磁気特性に優れた押し出し成形ボンド磁石が得られるものである。
【0030】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合物とすることで、サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合比率を適宜に設定することにより所望する好適な磁気特性の磁石が得られるものである。
【0031】
また、磁性粉をフェライト磁性粉とすることで、配向度の高い磁気特性と成形性に優れた押し出し成形ボンド磁石が廉価に得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押し出し成形ボンド磁石を示す説明図である。
【図2】本発明の押し出し成形ボンド磁石の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の押し出し成形ボンド磁石のさらに他の例を示す説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂を用いた新規な押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法に係り、特にサマリウム・鉄・窒素系などの永久磁石用素材を用いて成形性と磁気特性に優れたボンド磁石、すなわち合成樹脂成形磁石とする押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、永久磁石用素材としては、残留磁束(Br)、保磁力(Hc)、最大エネルギー積((BH)max)の値が大きく特性の安定したものが好適であり、それにはバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などのフェライト磁石、サマリウム−コバルト(Sm2Co17)やネオジウム−鉄−ボロン(Nd2Fe14B)やコバルト等の高価な金属が不要で、かつ上述した磁石よりもさらに磁気特性の優れたサマリウム・鉄・窒素系磁石などの希土類系磁石が多く用いられるようになってきている。そして、焼結磁石は収縮率が大きいことから、成型品の寸法精度を高くするためには熱可塑性樹脂をバインダーとして用いて押し出し成形することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−283317号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性樹脂をバインダーとして用いて押し出し成形する上述する従来の合成樹脂成形磁石にあっては、160〜180℃、若しくはそれ以上に達する成型時の高温加熱により磁性粉の磁気特性が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明にあっては、成型時の加熱で磁気特性が劣化することがなく優れた磁気特性と成形性を発揮することができる押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法は、磁性粉に不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とし150℃以下の温度で硬化する樹脂バインダーを混合した組成物をシリンダー内部温度を50℃以下に設定した押し出し成形機のシリンダーより磁場配向手段を備え内部温度を150℃以下に設定した金型へと送出し、この金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押し出し成形することを特徴とするものである。
【0007】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とすることを特徴とするものである。
【0008】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合物とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、磁性粉をフェライト磁性粉とすることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状が円形、角形、筒形、薄板形、異形等で、その表面にN極とS極が2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を筒形とし、その内周面及び/又は外周面に2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を板形とし、厚み方向若しくは幅方向に貫通磁界配向、又は特定面に多極磁界配向されてなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法にあっては、使用する磁性粉としては、還元拡散法によって得られるSm−Fe系合金粗粉を窒化処理し、微粉砕して得られるサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉、還元拡散法によって得られるSm−Co系合金粗粉、液体急冷法によって得られるネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉、HDDR(Hydrogenation−Disproportionation−Desorption−Recombination)法によって得られる異方性ネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉、そしてバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などのフェライト磁石などであり、これらを単独、若しくは組み合わせて用いることとする。尚、液体急冷法によって得られるネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉や、HDDR法によって得られる異方性ネオジウム−鉄−ボロン系磁性粉は、特異な形状を有した比較的大きな粒子を大量に含んでいるため、好ましくはジェットミルやボールミル等で粉砕して用いる方がよい。これら磁性粉末の粒径が、100μm以下の物を50重量%以上含む組成物を用いることにより、本発明の効果が著しくなる。また、等方性の磁性粉よりも磁場中成形が必至となる異方性の磁性粉の方が、配向特性の面で本発明の効果が著しいものである。
【0014】
本発明の第1の実施例にあっては、約500℃の窒素ガス中にサマリウムと鉄との合金を置いて鉄の結晶格子に窒素を侵入させる等の方法で、鉄の原子間の距離を大きくして飽和磁化を高めたサマリウム・鉄・窒素系の永久磁石用素材であって、粉末状でかつ磁気異方性粒子となっている磁性粉を用いる。そして、この磁気異方性磁性粉をバインダーとして作用する熱硬化性樹脂に混入する。
【0015】
この磁気異方性磁性粉を混入する熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル系樹脂であり、不飽和多塩基酸及び/または飽和多塩基酸とグリコール類を分子量5000程度以下に予備的に重合させてオリゴマーやプレポリマー化させた主剤に、架橋剤を兼ねるモノマー類、反応を開始させる硬化剤、長期の保存性を確保するための重合防止剤、及びその他の添加剤等で構成される。不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を、また、飽和酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
【0016】
また、グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、ジブロムネオペンチルグリコール、ペンタエリスリットジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0017】
架橋剤を兼ねるモノマー類としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等のビニルモノマー類、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート、等のアリルモノマー類、フェノキシエチルアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0018】
硬化剤としては、有機過酸化物が一般に用いられ、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノニルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、サクシニック酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペロキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペロキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペロキシジカーボネート、ジ−ミリスチルペロキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペロキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルペロキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペロキシジカーボネート、ジアリルペロキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルペロキシアセテート、t−ブチルペロキシイソブチレート、t−ブチルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオデカノエート、クミルペロキシネオデカノエート、t−ブチルペロキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペロキシラウレート、t−ブチルペロキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペロキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2、5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシマレイックアシッド、t−ブチルペロキシイソプロピルカーボネート、クミルペロキシオクトエート、t−ヘキシルペロキシネオデカノエート、t−ヘキシルペロキシピバレート、t−ブチルペロキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルペロキシネオヘキサノエート、クミルペロキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類やアセチルシクロヘキシルスルフォニルペロキサイド、t−ブチルペロキシアリルカーボネート等が挙げられる。
【0019】
磁気異方性磁性粉と不飽和ポリエステルを主成分とする樹脂バインダーとの混合比は、合成樹脂が多いと成形し易いものの磁性粉の割合が減って磁石としての磁気特性が劣り、また磁気異方性磁性粉が多いと磁気特性は向上するものの結合材としての合成樹脂が減って成形が困難になることから、重量比でサマリウム・鉄・窒素系の磁気異方性磁性粉を約90%若しくはそれ以上混入する。またこれらを混練した組成物は、150℃以下で硬化可能なように硬化剤の種類と量を適宜選択決定する。
【0020】
そして、これらを混練した組成物を、押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この際、従来の熱可塑樹脂を用いた押し出し成形と比較して上記組成物をより低温の、最高でも150℃までにしか加熱しないこととする。すなわち、押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とするものである。
【0021】
押し出し機シリンダーに投入された上記組成物は、当初泥状であるが、金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、そして液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。そして、不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下において短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。
【0022】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法の第2の実施例にあっては、前述した第1の実施例で用いるサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に対して、バリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などの鉄を主体とする酸化物からなる磁気異方性粒子のフェライト磁性粉を適宜な分量混入し、これを前述した不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂バインダーに混入・混練し、この組成物を押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この際、押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とする。そして、組成物は金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。この不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下で短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉に対するフェライト磁性粉の混合比率を適宜に設定することにより、最大エネルギー積((BH)max)を所望する値といった各種の設定が容易に行えるものである。
【0023】
また、本発明の押し出し成形ボンド磁石及びその製造方法の第3の実施例にあっては、前述した第2の実施例で用いるバリウム−フェライト(BaO・6Fe2O3)やストロンチウム−フェライト(SrO・6Fe2O3)などの鉄を主体とする酸化物からなる磁気異方性粒子のフェライト磁性粉を、前述した不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂バインダーに混入・混練し、この組成物を押し出し機シリンダーに投入し、それからシリンダーに連設する押し出し成形金型へと圧送する。この押し出し機シリンダー内部の温度を50℃以下とし、これに続く金型内部の温度は入口側が50℃以下で、この入口から出口にかけての温度を100〜150℃とする。そして、組成物は金型内部で100〜150℃に加熱されることで溶融して液状となり、液状となることで金型に配設された磁場配向手段が組成物中の磁性粉に対し、低磁場でも容易に磁場配向をすることができる。この不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂は、この金型内の温度環境下において短時間で硬化が始まり、金型から吐出される時点では形状維持できる程度に硬化させるものである。このようにして連続成形される配向度が高い成型品に対して、着磁し、適宜な長さで切断することにより磁石ができあがる。磁性粉としてフェライト磁性粉を用いることで、廉価な押し出し成形ボンド磁石が得られる。
【0024】
尚、上述した実施例にあっては、磁性粉としてサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉、フェライト磁性粉及びサマリウム・鉄・窒素系の磁性粉とフェライト磁性粉との混合物を用いるとして説明したが、勿論これ以外の磁性粉を用いてもよいものである。
【0025】
そして、上述した各実施例により成形されるボンド磁石の形状としては、図1に示すごとく、その断面形状を円形、角形、筒形、薄板形、異形等とすることができ、さらにその表面をN極とS極が2極(N極で1極、S極で1極)以上に磁界配向されることとする。
【0026】
また、図2に示すごとく、押し出し成形ボンド磁石の断面形状を筒形とし、その内周面や外周面に2極以上の多極の磁界配向されたり、内周面と外周面の両側にそれぞれ2極以上の多極の磁界配向されることとしてもよい。
【0027】
また、図3に示すごとく、押し出し成形ボンド磁石の断面形状を板形とし、厚み方向若しくは幅方向に貫通磁界配向、又は特定面に多極磁界配向されることとしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述の如く、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法によれば、従来よりも低温で押し出し成形することから、成形された磁石の磁気特性の劣化が少なく、そして優れた成形性も発揮することができるものである。
【0029】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とすることで、本発明の押し出し成形ボンド磁石の製造方法では熱可塑性樹脂のごとく柔らかい状態でダイス(口金)から吐出することがないことから、磁性粉の配向の乱れが生じることなく磁気特性に優れた押し出し成形ボンド磁石が得られるものである。
【0030】
また、磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合物とすることで、サマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合比率を適宜に設定することにより所望する好適な磁気特性の磁石が得られるものである。
【0031】
また、磁性粉をフェライト磁性粉とすることで、配向度の高い磁気特性と成形性に優れた押し出し成形ボンド磁石が廉価に得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押し出し成形ボンド磁石を示す説明図である。
【図2】本発明の押し出し成形ボンド磁石の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の押し出し成形ボンド磁石のさらに他の例を示す説明図である。
Claims (7)
- 磁性粉に不飽和ポリエステル系熱硬化性樹脂を主成分とし150℃以下の温度で硬化する樹脂バインダーを混合した組成物をシリンダー内部温度を50℃以下に設定した押し出し成形機のシリンダーより磁場配向手段を備え内部温度を150℃以下に設定した金型へと送出し、この金型の内部で加熱溶融しつつ磁場配向させながら熱硬化させて押し出し成形することを特徴とする押し出し成形ボンド磁石の製造方法。
- 磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とすることを特徴とする請求項1記載の押し出し成形ボンド磁石の製造方法。
- 磁性粉をサマリウム・鉄・窒素系磁気異方性磁性粉とフェライト磁性粉との混合物とすることを特徴とする請求項1記載の押し出し成形ボンド磁石の製造方法。
- 磁性粉をフェライト磁性粉とすることを特徴とする請求項1記載の押し出し成形ボンド磁石の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状が円形、角形、筒形、薄板形、異形等で、その表面にN極とS極が2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とする押し出し成形ボンド磁石。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を筒形とし、その内周面及び/又は外周面に2極以上の多極の磁界配向されることを特徴とする押し出し成形ボンド磁石。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で成形される押し出し成形ボンド磁石の断面形状を板形とし、厚み方向若しくは幅方向に貫通磁界配向、又は特定面に多極磁界配向されてなることを特徴とする押し出し成形ボンド磁石。
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-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002324843A patent/JP2004158748A/ja active Pending
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